JP2018032152A - 運転支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車線維持支援制御から手動運転へ切り替わるときの安全性を向上させる。【解決手段】自車線に関する情報を含む道路情報を取得する第一取得部11,12,13と、ドライバの運転状態を含む車両情報を取得する第二取得部14,15,16とを設ける。所定の開始条件が成立したら道路情報に基づき車両を自車線内に維持して走行させる支援制御を実施するとともに、自車線の幅が所定値以下になるという条件を含む中止条件が支援制御中に成立したら支援制御を中止する支援制御部3を設ける。また、支援制御中に取得された道路情報に車線数減少情報が含まれている場合には、支援制御の中止に先立ってドライバにその中止を知らせる予告通知及び最終通知をこの順に行う通知制御部4を設ける。通知制御部4は、予告通知を行ってから最終通知を行うまでの通知間隔時間Tnを、取得された車両情報及び道路情報の少なくとも一方に応じて設定する。【選択図】図1

Description

本発明は、車線に沿って車両を走行させる車線維持支援制御を実施する運転支援装置に関する。
従来、ドライバによる運転を支援する制御の一つとして、車線に沿って車両を走行させるための車線維持支援制御(Lane Keeping Assist System、以下「支援制御」と呼ぶ)が知られている。すなわち、車両が走行している車線を区画する区画線を取得するとともに車線に対する車両の位置を特定し、車両が車線から逸脱しそうになったときにドライバに通知したり、車両が車線の中央付近を走行するように操舵力を調整したりする支援制御である。このような支援制御を実施可能な車両において、車両前方に車線数が減少する区間が存在するために車線変更が必要な場合に、運転操作を促す制御や車両を減速させる制御を実施する技術が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2010−231561号公報
ところで、支援制御の実施中に車線幅が狭くなって車線数が減少することが検出された場合に、支援制御を中止することで車線変更操作をドライバに委ねる技術も存在する。この技術では、例えば車両前方の車線幅が所定値以下であることが検出されると、支援制御を中止する旨がドライバに通知されるとともに支援制御が中止される。この場合、ドライバは、中止される旨の通知を聞いてから支援制御が実際に中止されるまでの間に、手動運転への準備(心構えや運転操作の準備)をすることになる。
しかしながら、支援制御が実施されている場合には、車両の位置が車線内に維持されるように制御されることから、ドライバが運転操作に集中しておらず、ステアリングを手放していたり脇見運転をしていたりする可能性がある。このような場合には、支援制御の中止を知らせる通知から実際に支援制御が中止されるまでの時間が、手動運転への準備時間として不十分になるおそれがある。すなわち、ドライバの状態(運転状態)によっては準備時間が不十分となり、ドライバの準備が整わないまま手動運転に切り替わってしまうおそれがある。なお、準備時間が不十分となるリスクは、高車速で走行している場合や路面状態が悪い場合など、車線変更操作をより慎重に行う必要がある場合ほど高くなりやすい。
本件は、このような課題に鑑み案出されたもので、車線維持支援制御から手動運転へ切り替わるときの準備時間を確保して安全性を向上させた運転支援装置を提供することを目的の一つとする。なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的である。
(1)ここで開示する運転支援装置は、車両が走行している自車線に関する情報を含む道路情報を取得する第一取得部と、前記車両を運転するドライバの運転状態を含む車両情報を取得する第二取得部と、所定の開始条件が成立したら前記道路情報に基づき前記車両を前記自車線内に維持して走行させる支援制御を実施するとともに、前記自車線の幅が所定値以下になるという条件を含む中止条件が前記支援制御の実施中に成立したら前記支援制御を中止する支援制御部と、前記支援制御の実施中に取得された前記道路情報に車線数減少情報が含まれている場合には、前記支援制御の中止に先立って前記ドライバに前記中止を知らせる予告通知及び最終通知をこの順に行う通知制御部と、を備える。前記通知制御部は、前記予告通知を行ってから前記最終通知を行うまでの通知間隔時間を、取得された前記車両情報及び前記道路情報の少なくとも一方に応じて設定する。
(2)前記運転状態には、前記ドライバがステアリングを把持している把持状態と前記ステアリングを手放している手放し状態とが含まれることが好ましい。この場合、前記通知制御部は、前記第二取得部により前記手放し状態が取得された場合には、前記把持状態が取得された場合と比べて前記通知間隔時間を短く設定することが好ましい。
(3)前記運転支援装置が、前記車両情報に含まれる車速を検出する車速センサを備えることが好ましい。この場合、前記通知制御部は、高車速であるほど前記通知間隔時間を短く設定することが好ましい。
(4)前記道路情報には、前記自車線に隣接する隣接車線を走行する後方車両の存在情報が含まれることが好ましい。この場合、前記通知制御部は、前記第一取得部により前記存在情報が取得された場合には、前記存在情報が取得されない場合と比べて前記通知間隔時間を短く設定することが好ましい。
(5)前記自車線に関する前記情報には、前記自車線の路面状態の情報が含まれることが好ましい。この場合、前記通知制御部は、前記第一取得部により取得された前記路面状態が悪いほど前記通知間隔時間を短く設定することが好ましい。
支援制御から手動運転へ切り替わるときの準備時間を確保でき、安全性を向上させることができる。
実施形態に係る運転支援装置の全体構成を例示するブロック図である。 図1の運転支援装置による作用を説明する図である。 図1の運転支援装置で実施される制御の手順を例示するフローチャートである。
図面を参照して、実施形態としての運転支援装置について説明する。以下に示す各実施形態はあくまでも例示に過ぎず、以下の各実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
[1.装置構成]
本実施形態の運転支援装置は、車両を車線内に維持して走行させるための車線維持支援制御(以下「支援制御」と呼ぶ)を実施するとともに、支援制御の実施中に所定の中止条件が成立した場合にはドライバに通知したのち、支援制御を中止するものである。ここでいう支援制御には、車両が車線に沿って走行するように、車両が車線から逸脱しそうになったときにドライバに通知する制御や、車両が車線の中央付近を走行するように操舵力を調整する制御が含まれる。
本実施形態の支援制御はおもに高速道路で用いられる制御であり、車両に搭載された制御装置によって実施される。制御装置は、車両に搭載される各種装置を統合制御する電子制御装置である。制御装置は、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成され、車両に設けられた車載ネットワーク網の通信ラインに接続される。まず、図1を用いて、制御装置の入力側及び出力側のそれぞれに接続される装置を説明する。
図1に示すように、制御装置1の入力側には、前方カメラ11,後方カメラ12,ナビゲーション装置13,トルクセンサ14,車内カメラ15,車速センサ16及び支援制御スイッチ17が接続される。カメラ11,12及びナビゲーション装置13は、車両が走行している車線(以下「自車線」と呼ぶ)に関する情報を含む道路情報を取得するものであり、トルクセンサ14及び車内カメラ15は、車両を運転するドライバの運転状態を含む車両情報を取得するものである。
自車線に関する情報には、例えば、区画線の位置や種類,車線に対する車両の位置(自車位置),車線幅W,路面状態の情報などが含まれる。また、道路情報には、例えば、自車線に関する情報に加えて、道路標識や、自車線に隣接する隣接車線を走行する後方車両の存在情報などが含まれる。
運転状態には、例えば、ドライバがステアリングを把持している把持状態及びステアリングを手放している手放し状態や、脇見運転状態や居眠り運転状態などが含まれる。また、車両情報には、例えば、運転状態に加えて車速Vが含まれる。
前方カメラ11(第一取得部)は、車両の前方の映像を撮像するものであり、後方カメラ12(第一取得部)は、車両の後方及び側方の映像を撮像するものである。カメラ11,12は、例えばCCDカメラ,CMOSカメラ,赤外線カメラ等であり、上記の道路情報を含む様々な情報を取得する。カメラ11,12で撮像された各映像は、一連の画像データとして制御装置1に送信される。ナビゲーション装置13(第一取得部)は、アンテナを介して受信されるGPS衛星からの信号と内蔵された地図データとを用い、自車位置の検出(認識)や目的地への経路案内等を行うものである。ナビゲーション装置13には、上記の道路情報を含む地図データが内蔵されている。ナビゲーション装置13で検出された自車位置の情報や道路情報は、制御装置1に送信される。
トルクセンサ14(第二取得部)は、ステアリング装置20の操舵トルクを検出するものである。ここで検出された操舵トルクは、制御装置1に送信され、例えば、上記の把持状態及び手放し状態の判断や、操舵操作のアシスト量の設定に用いられる。車内カメラ15(第二取得部)は、ドライバの映像を撮像するものであり、例えばCCDカメラ,CMOSカメラ,赤外線カメラ等である。車内カメラ15で撮像された映像は、一連の画像データとして制御装置1に送信され、例えば脇見運転状態や居眠り運転状態の判断に用いられる。車速センサ16は、車両の車速Vを検出し、制御装置1に送信する。支援制御スイッチ17は、支援制御の開始と中止とを手動で切り替えるときに操作されるオンオフスイッチであり、例えばステアリングに設けられる。支援制御スイッチ17に対するオンオフ操作は制御装置1に送信される。
一方、制御装置1の出力側には、ディスプレイ18,スピーカ19,ステアリング装置20,駆動装置21及び制動装置22が接続される。
ディスプレイ18は、ドライバが運転中に視認可能な位置(例えばインストルメントパネル)に配置された表示装置であり、画面表示によってドライバに通知内容を知らせるものである。スピーカ19は、音声によってドライバに通知内容を知らせたり、ブザー音のような単純な音で注意を促したりする警報装置である。ディスプレイ18及びスピーカ19による各通知内容は、制御装置1により制御される。なお、ディスプレイ18及びスピーカ19が、上記のナビゲーション装置13と一体に設けられていてもよい。
ステアリング装置20は、ドライバによる操舵操作をアシストする電動パワーステアリング装置である。ステアリング装置20による操舵操作のアシスト量は、制御装置1により制御される。駆動装置21は車両の駆動源であるエンジンや電動モータなどであり、制動装置22は車両に制動力を与えるブレーキ装置や回生ブレーキシステムなどである。駆動装置21及び制動装置22の各作動状態は、制御装置1により制御される。
本実施形態の運転支援装置は、上述した各装置11〜22と、制御装置1に設けられた各機能とによって構成される。次に、制御装置1に設けられた機能について説明する。
[2.制御構成]
制御装置1には、支援制御を実施するための機能要素として、判定部2,支援制御部3及び通知制御部4が設けられる。これらの要素は、制御装置1で実行されるプログラムの一部の機能を示すものであり、ソフトウェアで実現されるものとする。ただし、各機能の一部又は全部をハードウェア(電子回路)で実現してもよく、あるいはソフトウェアとハードウェアとを併用して実現してもよい。
判定部2は、各装置11〜17から伝達される情報に基づき、支援制御の開始条件,中止条件を判定するものである。判定部2は、支援制御の待機中に開始条件の判定を行い、支援制御の実施中に中止条件の判定を行う。なお、本実施形態の制御装置1は、車両の主電源がオンにされたときに支援制御を待機状態とし、主電源がオフにされたときに支援制御を終了する。
本実施形態の判定部2は、以下の条件1及び2のいずれか一方が成立した場合に、支援制御の開始条件が成立したと判定する。また、本実施形態の判定部2は、以下の条件3〜6のいずれか一つが成立した場合に、支援制御の中止条件が成立したと判定する。判定部2は、判定結果を支援制御部3及び通知制御部4に伝達する。なお、以下の開始車線幅Ws,中止車線幅Wc(所定値),開始車速Vs,中止車速Vcはいずれも、自車線が支援制御を実施可能な車線であるか否かを判定するための判定閾値であり、予め設定されている。
==支援制御の開始条件==
条件1:車線幅W≧開始車線幅Ws、かつ、車速V≧開始車速Vs
条件2:支援制御スイッチ17のオン操作あり
==支援制御の中止条件==
条件3:車線幅W≦中止車速幅Wc(ただし、Wc<Ws)
条件4:車速V≦中止車速Vc(ただし、Vc<Vs)
条件5:ウィンカー操作あり
条件6:支援制御スイッチ17のオフ操作あり
支援制御部3は、上記の開始条件が成立した場合に道路情報に基づいて支援制御を実施するとともに、支援制御の実施中に上記の中止条件が成立した場合に支援制御を中止するものである。すなわち、支援制御は、判定部2から開始条件が成立したという判定結果が支援制御部3に伝達されたら開始され、判定部2から中止条件が成立したという判定結果が伝達されるまで実施される。支援制御では、例えば、トルクセンサ14で検出された操舵トルクと、カメラ11,12やナビゲーション装置13で取得された道路情報及び自車位置とに基づいて、ステアリング装置20による操舵操作のアシスト量が制御される。また、例えば自車位置と他車両との位置関係に基づき、駆動装置21及び制動装置22の作動状態が制御される。
通知制御部4は、ディスプレイ18及びスピーカ19を制御して、支援制御に関する通知を行うものである。通知制御部4は、判定部2から開始条件が成立したという判定結果が伝達されたら支援制御を開始する旨を通知する。また、支援制御の実施中には、例えば自車線をはみ出しそうになった場合などに、必要に応じて通知を行う。また、通知制御部4は、判定部2から中止条件が成立したという判定結果が伝達されたら支援制御を中止する旨を通知する。この場合の通知を、通常中止通知と呼ぶ。ただし、通知制御部4は、支援制御の実施中に取得された道路情報に車線数減少情報が含まれている場合には、判定部2からの判定結果を待たずに、以下の通知を行う。
通知制御部4は、支援制御の実施中に取得された道路情報に車線数減少情報が含まれている場合には、支援制御部3による支援制御の中止に先立って、ドライバに支援制御の中止を知らせる予告通知及び最終通知をこの順に行う。すなわち、通知制御部4は、支援制御部3によって支援制御が中止される前に、支援制御の中止を予告する通知(予告通知)と、支援制御を本当に中止する旨を伝える通知(最終通知)との二段階で通知を行う。
例えば、図2に示すように、車線数減少を表示する標識9が設置されている地点をPとし、車両10が走行している自車線8の車線幅Wが中止車速幅Wc以下となる地点をQとする。なお、図2中の三つの車両10は全て同一であり、時間の経過とともに車両10の位置が移動していることを表す。図2に示す例では、通知制御部4は、支援制御部3によって支援制御が中止される地点Qよりも手前の地点B及びCにおいて、予告通知と最終通知とを行う。
車線数減少情報とは、図2に示すように、自車線8が車両10の前方で消滅することで車線数が減少することを表す情報である。通知制御部4は、例えば、前方カメラ11から送信された画像データの中から車線数減少を表示する標識9を検出することでこの情報を取得する。あるいは、通知制御部4は、ナビゲーション装置13で検出された自車位置とナビゲーション装置13に内蔵された地図データとから、自車線8の先に道路の合流地点の存在を検出することでこの情報を取得してもよい。
本実施形態の通知制御部4は、車線数減少情報が取得された時点で予告通知を行う。予告通知は、例えば図2に示すように、地点Pにある標識9を認識した後(例えば標識9を越えた地点B)において行われる。なお、標識9を認識した時点(地点A)において予告通知を行ってもよい。車線数減少情報は、実際に車線幅が狭くなる位置(図2の減少始点)よりも数十〜数百メートル手前で取得される。このため、予告通知がされることで、支援制御を利用しているドライバが、これから先に車線変更が必要になることを早い段階で(上記の条件3の成立前に)認識することができる。
通知制御部4は、予告通知を行った時点(例えば図2の地点B)から所定の通知間隔時間Tnが経過した時点(図2では地点C)で最終通知を行う。しかし、実際に支援制御が中止されるのは上記の中止条件が成立した時点、例えば車線幅Wが中止車線幅Wc以下であることが取得された時点(地点Q)や、ウィンカー操作がされた時点である。つまり、最終通知が行われてから実際に支援制御が中止されるまでには、タイムラグが生じる。このタイムラグは、ドライバが手動運転(車線変更)に向けて準備する時間として利用される。なお、最終通知が行われた時点から、上記の条件3の成立により支援制御が中止されるまでのタイムラグを、準備時間Tpと呼ぶ。
通知制御部4は、予告通知を行ってから最終通知を行うまでの通知間隔時間Tnを、取得された車両情報及び道路情報の少なくとも一方に応じて設定する。これにより、上記の準備時間Tpも、取得された車両情報や道路情報に応じて変化する。通知間隔時間Tnの設定方法としては、例えば、設定に際し考慮されうる情報(車両情報,道路情報)の組合せ毎に通知間隔時間Tnを予め設定しておく方法が挙げられる。すなわち、あらゆる状況に対応した通知間隔時間Tnを制御装置1が予め記憶しておき、支援制御中の運転状態や車速V等に対応する通知間隔時間Tnを通知制御部4が取得して設定する方法である。
また、他の設定方法としては、基準となる通知間隔時間TnBASEを予め設定しておき、この基準の通知間隔時間TnBASEに係数を乗じて通知間隔時間Tnを設定する方法が挙げられる。ここで乗じる係数は、上述した運転状態や車速等に応じた値であり、通知間隔時間Tnを設定する際に考慮される運転状態や車速V等ごとに取得される。
通知制御部4は、手放し状態が取得された場合には、把持状態が取得された場合と比べて通知間隔時間Tnを短く設定する。すなわち、ステアリングを把持しているか否かに応じて通知間隔時間Tnを変更する。これにより、ドライバが手放しで運転している場合の準備時間Tpが、把持状態での運転時に(通常の運転状態で)設定される準備時間Tpよりも長くなるため、支援制御から手動運転へ切り替わるときの安全性が向上する。また、通知制御部4は、脇見運転状態や居眠り運転状態が取得された場合には、これらの状態が取得されない通常の運転状態と比べて通知間隔時間Tnを短く設定する。これにより、手放し状態のときと同様に、通常の運転状態でないときの準備時間Tpの方が長くなるため、支援制御から手動運転へ切り替わるときの安全性が向上する。
通知制御部4は、高車速であるほど通知間隔時間Tnを短く設定する。これにより、車速Vが速いほど準備時間Tpが長くなるため、支援制御から手動運転へ切り替わるときの安全性が向上する。また、通知制御部4は、隣接車線を走行する後方車両の存在情報が取得された場合には、存在情報が取得されない場合と比べて通知間隔時間Tnを短く設定する。すなわち、車線変更する側の後方車両の有無に応じて通知間隔時間Tnを変更する。これにより、後方車両が存在する場合の準備時間Tpが、後方車両が存在しない場合の準備時間Tpよりも長くなるため、支援制御から手動運転へ切り替わるときの安全性が向上する。
また、通知制御部4は、自車線の路面状態が悪いほど、通知間隔時間Tnを短く設定する。例えば雨や雪などで路面が濡れている場合や凍っている場合など、路面が滑りやすくなっている場合には、路面が乾いている場合と比べて通知間隔時間Tnが短く設定される。これにより、路面状態が悪いほど準備時間Tpが長くなるため、支援制御から手動運転へ切り替わるときの安全性が向上する。
なお、通知間隔時間Tn内に、上記の条件4〜6のいずれか一つが成立した場合(例えばウィンカー操作がされた場合)には、車線変更の必要性があることをドライバが認識しているとみなして、最終通知は行われず、上記の通常中止通知が行われる。
[3.フローチャート]
図3は、支援制御の実施中に制御装置1で実行される制御内容を説明するためのフローチャート例である。つまり、このフローチャートは、上記の条件1及び2の少なくとも一方が成立した場合に実行される。また、このフローチャートでは、通知間隔時間Tnの設定に際し、把持状態及び手放し状態と車速Vとが考慮される場合を例示する。
まず、各装置11〜17から各種情報が制御装置1に入力され(ステップS1)、中止条件が成立したか否かが判定される(ステップS2)。中止条件が不成立であれば、後述するタイマーがカウント中であるか否かが判定される(ステップS3)。タイマーがカウント中でなければ、ステップS1で取得された情報の中に、車線数減少情報が含まれているか否かが判定される(ステップS4)。車線数減少情報が含まれていなければ、このフローチャートをリターンする。
車線数減少情報が含まれている場合には、上記の予告通知が行われ(ステップS5)、タイマーのカウントが開始される(ステップS6)。次いで、ステップS1で取得された情報に基づき、運転状態が手放し状態であるか否かが判定される(ステップS7)。手放し状態であれば、ステップS8において車速Vが高車速であるか否かが判定され、把持状態であれば、ステップS9において車速Vが高車速であるか否かが判定される。これらの判定では、例えば、ステップS1で取得された車速Vが予め設定された判定閾値と比較される。なお、各判定で用いられる判定閾値は、同一であってもよいし互いに異なる値であってもよい。
ステップS7〜S9の判定結果に応じて、ステップS10〜S13において通知間隔時間Tnが設定される。具体的には、手放し状態かつ高車速である場合には通知間隔時間TnがT1に設定され(ステップS10)、手放し状態かつ低車速である場合には通知間隔時間TnがT2に設定される(ステップS11)。また、把持状態かつ高車速である場合には通知間隔時間TnがT3に設定され(ステップS12)、把持状態かつ低車速である場合には通知間隔時間TnがT4に設定される(ステップS13)。なお、時間の長さは、T1<T2<T3<T4であり、制御装置1に予め設定されている。
次いで、ステップS6でカウントを開始したタイマー値がステップS10〜S13のいずれか一つで設定された通知間隔時間Tn以上であるか否かが判定される(ステップS14)。タイマー値が通知間隔時間Tn未満であればこのフローチャートをリターンし、ステップS1〜S3の処理が繰り返される。このとき、ステップS2において中止条件が成立すれば、支援制御を中止する旨の通知(通常中止通知)がされ(ステップS19)、タイマーのカウントが停止されるとともにタイマー値がリセットされる(ステップS20)。そして、支援制御が中止され(ステップS21)、このフローチャートが終了する。
一方、ステップS14からステップS1にリターンした場合に中止条件が不成立であれば(ステップS2)、ステップS3からステップS14へ進み、ステップS14の判定が繰り返される。そして、タイマー値が通知間隔時間Tn以上になると最終通知が行われ(ステップS15)、タイマーのカウントが停止されるとともにタイマー値がリセットされる(ステップS16)。その後、中止条件が成立したと判定されると(ステップS17)、支援制御が中止されて(ステップS18)、このフローチャートを終了する。
[4.作用,効果]
(1)上述した運転支援装置では、支援制御中に車線数減少情報が取得された場合には、ドライバに対して支援制御の中止に関する通知が二段階で行われる。このため、支援制御がこれから中止されること、及び、車線変更が必要であることをドライバに確実に認識させることができ、支援制御から手動運転へ切り替わるときの安全性を向上させることができる。
また、上述した運転支援装置では、予告通知から最終通知までの通知間隔時間Tnが車両情報及び道路情報の少なくとも一方に応じて設定されるため、最終通知のタイミングがこれらに応じて変わる。一方で、実際に支援制御が中止されるのは、車線幅Wが中止車線幅Wc以下になること(上記の条件3)を含んだ中止条件が成立した場合である。このため、最終通知のタイミングから、条件3の成立によって支援制御が中止されるまでの時間(準備時間Tp)を車両情報や道路情報に合わせて変えることができる。これにより、支援制御から手動運転へ切り替わるときの準備時間Tpを十分に確保することができるため、これによっても安全性を向上させることができる。
(2)上述した運転支援装置では、手放し状態が取得された場合には、把持状態が取得された場合と比べて通知間隔時間Tnが短く設定される。つまり、手放し運転している場合には最終通知が早めに実施されるため、準備時間Tpを長く確保することができる。これにより、手放し運転しているドライバが手動運転に向けて準備する時間を長めに確保することができるため、安全性を向上させることができる。
(3)上述した運転支援装置では、高車速であるほど通知間隔時間Tnが短く設定されることから、高車速であるほど最終通知が早めに行われる。このため、準備時間Tpが短くなることを防ぐことができ、安全性を向上させることができる。
(4)また、上述した運転支援装置において、通知制御部4が、隣接車線を走行する後方車両の存在情報が取得された場合に、存在情報が取得されない場合と比べて通知間隔時間Tnを短く設定してもよい。この場合、後方車両が存在するときは、後方車両が存在しないときよりも最終通知が早めに実施されるため、準備時間Tpを長めに確保することができ、安全性を向上させることができる。
(5)上述した運転支援装置において、通知制御部4が、自車線の路面状態が悪いほど、通知間隔時間Tnを短く設定してもよい。この場合、路面状態が悪いほど最終通知が早めに実施されるため、準備時間Tpを長めに確保することができ、安全性を向上させることができる。
(6)また、上述した運転支援装置において、通知制御部4が、脇見運転状態や居眠り運転状態が取得された場合に、これらの状態が取得されない通常の運転状態と比べて通知間隔時間Tnを短く設定してもよい。この場合、通常の運転状態でないときの準備時間Tpの方が長くなるため、支援制御から手動運転へ切り替わるときの安全性を向上させることができる。
[5.その他]
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述した実施形態等に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形することが可能である。
上述した通知間隔時間Tnの設定方法は一例である。例えば、上述した図3のフローチャートでは、運転状態(把持状態及び手放し状態)と車速V(高車速及び低車速)とを組み合わせた四つの通知間隔時間T1〜T4を予め設定しておき、これらの通知間隔時間T1〜T4の中から、運転状態及び車速Vに対応した値を選択して通知間隔時間Tnを設定する方法を例示したが、運転状態として脇見運転状態及び居眠り運転状態を考慮してもよいし、路面状態や後方車両の存在情報を考慮してもよい。あるいは、運転状態と車速Vとのいずれか一方のみを考慮して通知間隔時間Tnを設定してもよい。
また、組合せ毎の通知間隔時間T1〜T4等を予め設定しておく方法ではなく、上述したように、基準となる通知間隔時間TnBASEを設定しておき、運転状態や車速V等に応じた係数を取得して乗算することで通知間隔時間Tnを設定してもよい。この場合、例えば車速Vと係数との関係を規定したマップ等を予め記憶しておいてもよい。なお、設定に際し考慮される情報は上述した運転状態や車速V等に限られない。すなわち、道路情報及び車両情報に、上述したもの以外の情報が含まれていてもよい。
なお、上述した支援制御の開始条件及び中止条件は一例であって、上記以外の条件が含まれていてもよい。また、支援制御の具体的な制御内容も上述したものに限られない。
1 制御装置
2 判定部
3 支援制御部
4 通知制御部
8 自車線
9 標識
10 車両
11 前方カメラ(第一取得部)
12 後方カメラ(第一取得部)
13 ナビゲーション装置(第一取得部)
14 トルクセンサ(第二取得部)
15 車内カメラ(第二取得部)
16 車速センサ(第二取得部)
Tn 通知間隔時間
Tp 準備時間

Claims (5)

  1. 車両が走行している自車線に関する情報を含む道路情報を取得する第一取得部と、
    前記車両を運転するドライバの運転状態を含む車両情報を取得する第二取得部と、
    所定の開始条件が成立したら前記道路情報に基づき前記車両を前記自車線内に維持して走行させる支援制御を実施するとともに、前記自車線の幅が所定値以下になるという条件を含む中止条件が前記支援制御の実施中に成立したら前記支援制御を中止する支援制御部と、
    前記支援制御の実施中に取得された前記道路情報に車線数減少情報が含まれている場合には、前記支援制御の中止に先立って前記ドライバに前記中止を知らせる予告通知及び最終通知をこの順に行う通知制御部と、を備え、
    前記通知制御部は、前記予告通知を行ってから前記最終通知を行うまでの通知間隔時間を、取得された前記車両情報及び前記道路情報の少なくとも一方に応じて設定する
    ことを特徴とする、運転支援装置。
  2. 前記運転状態には、前記ドライバがステアリングを把持している把持状態と前記ステアリングを手放している手放し状態とが含まれ、
    前記通知制御部は、前記第二取得部により前記手放し状態が取得された場合には、前記把持状態が取得された場合と比べて前記通知間隔時間を短く設定する
    ことを特徴とする、請求項1記載の運転支援装置。
  3. 前記車両情報に含まれる車速を検出する車速センサを備え、
    前記通知制御部は、高車速であるほど前記通知間隔時間を短く設定する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の運転支援装置。
  4. 前記道路情報には、前記自車線に隣接する隣接車線を走行する後方車両の存在情報が含まれ、
    前記通知制御部は、前記第一取得部により前記存在情報が取得された場合には、前記存在情報が取得されない場合と比べて前記通知間隔時間を短く設定する
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  5. 前記自車線に関する前記情報には、前記自車線の路面状態の情報が含まれ、
    前記通知制御部は、前記第一取得部により取得された前記路面状態が悪いほど前記通知間隔時間を短く設定する
    ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の運転支援装置。
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