JP6370086B2 - 樹脂組成物及び板状物の固定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェーハ等の板状物を固定するために用いられる樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を用いる板状物の固定方法に関する。
半導体デバイス(デバイス)の材料となるウェーハは、通常、シリコン、シリコンカーバイド、ガリウムナイトライド等の半導体でなるインゴットから、バンドソーやワイヤーソー等の工具で切り出される。
このように切り出された直後のウェーハ(アズスライスウェーハ)には、反りやうねりが存在している。そこで、このウェーハの片面に樹脂を塗布して硬化させた後に、反対側の面を研削することで、反りやうねりを除去してウェーハを平坦にする加工方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−148866号公報
一般に、水や溶剤等の液体を含む樹脂は、液体を揮発させると収縮する。また、光や熱で硬化する硬化型の樹脂は、硬化の前後において自由体積が変化して収縮し易い。硬化の際の収縮率が高い樹脂を、ウェーハ等の板状物を固定するために用いると、樹脂の収縮によって板状物の内部に応力が発生してしまう。
内部に応力が発生した状態で板状物を研削して平坦にすると、樹脂を除去する際に内部の応力が解放されて、反りやうねりが再び現れてしまう(いわゆる、スプリングバック)。この問題を解決するには、硬化の際の収縮率が十分に低い樹脂を用いて、板状物に加わる力を小さく抑えれば良い。
しかしながら、収縮率の低い樹脂は、硬化し難く、板状物の固定に適さない。また、硬化の完了までに長い時間を要するので、生産性も低くなってしまう。本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、板状物を固定する際に内部に生じる応力を低く抑え、かつ生産性を高く維持可能な樹脂組成物、及び当該樹脂組成物を用いる板状物の固定方法を提供することである。
本発明によれば、板状物を固定する樹脂組成物であって、25質量%以上35質量%以下のウレタン結合を有する(メタ)アクリレートと、5質量%以上15質量%以下(ただし、15質量%の場合を除く)のウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートと、50質量%以上70質量%以下(ただし、50質量%の場合を除く)のエポキシ基含有樹脂と、からなる組成物に、光重合開始材を含ませたことを特徴とする樹脂組成物が提供される。
また、本発明において、前記組成物の55質量%以上65質量%以下をエポキシ基含有樹脂としたことが好ましい。
また、本発明によれば、前記樹脂組成物に対して、該樹脂組成物の5質量%以上10質量%以下のチクソ性付与剤を更に含ませたことを特徴とする樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、前記樹脂組成物を用いる板状物の固定方法であって、ステージと板状物の第1面との間に前記樹脂組成物を供給する樹脂組成物供給ステップと、該樹脂組成物供給ステップを実施した後に、板状物の第2面側から該第1面に向かう力を加えて板状物を該ステージに向けて押し付け、該樹脂組成物を該第1面の全体に広げる押圧ステップと、該押圧ステップを実施した後に、光を照射して該樹脂組成物を硬化する硬化ステップと、を備えることを特徴とする板状物の固定方法が提供される。
本発明の樹脂組成物には、ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートと、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートと、エポキシ基含有樹脂とが所定の比率で混合されている。ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートは、高い硬化性及び高い収縮率を示し、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートは、高い硬化性及び低い収縮率を示し、エポキシ基含有樹脂は、低い硬化性及び低い収縮率を示す。
このような複数の材料を適切な分量で混合することにより、収縮を抑えながら短時間に硬化可能な樹脂組成物を実現できる。すなわち、本発明によれば、板状物を固定する際に内部に生じる応力を低く抑え、かつ生産性を高く維持可能な樹脂組成物を提供できる。
図1(A)は、本実施の形態の樹脂組成物で固定される板状物の例を模式的に示す斜視図であり、図1(B)は、板状物の例を模式的に示す断面図である。 板状物を固定する固定装置の構成例を模式的に示す斜視図である。 図3(A)及び図3(B)は、樹脂組成物を用いて板状物を固定する固定方法を模式的に示す一部断面側面図である。 図4(A)及び図4(B)は、樹脂組成物を用いて板状物を固定する固定方法を模式的に示す一部断面側面図である。 実験1において表面欠陥検査装置で撮影したシリコンウェーハの表面の写真である。 実験2において表面欠陥検査装置で撮影したシリコンウェーハの表面の写真である。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る樹脂組成物は、例えば、ウェーハ等の板状物の固定に用いられる。図1(A)は、本実施の形態の樹脂組成物で固定される板状物の例を模式的に示す斜視図であり、図1(B)は、板状物の例を模式的に示す断面図である。
図1(A)に示すように、板状物11は、例えば、シリコン、シリコンカーバイド、ガリウムナイトライド等の半導体でなる円柱状のインゴットから、バンドソーやワイヤーソー等の工具で切り出された円盤状のウェーハ(アズスライスウェーハ)である。この板状物11には、図1(B)に示すように、インゴットからの切り出しに伴う反りやうねりが存在している。
反りやうねりのある板状物11は、デバイス等の形成に適さない。そのため、板状物11を樹脂組成物で固定し、平坦化する必要がある。例えば、板状物11の裏面(第1面)11b側に塗布した樹脂組成物を硬化させて平坦な基準面を形成し、その後、板状物11の表面(第2面)11a側を研削することで、板状物11の反りやうねりを除去できる。
図2は、板状物11を固定する固定装置の構成例を模式的に示す斜視図である。図2に示すように、固定装置2は、ロール状に巻回されたフィルム13が装着される送り出しローラー4と、送り出しローラー4から送り出されたフィルム13を巻き取る巻き取りローラー6とを備える。
送り出しローラー4及び巻き取りローラー6は、それぞれ、モーター等の回転駆動源(不図示)と連結されており、フィルム13を、送り出しローラー4側から巻き取りローラー6側へと移動させる。フィルム13は、例えば、ポリオレフィン等の柔らかい樹脂材料で形成されている。
送り出しローラー4の上方には、スリットコーター等の樹脂供給ユニット8が配置されている。この樹脂供給ユニット8は、送り出しローラー4から送り出されたフィルム13の表面13a側に、本実施の形態に係る樹脂組成物15(図3、図4参照)を供給する。樹脂組成物15としては、次に示す第1態様に係る樹脂組成物15a、又は第2態様に係る樹脂組成物15bを用いることができる。
第1態様に係る樹脂組成物15aは、25質量%以上35質量%以下のウレタン結合(ウレタン基)を有する(メタ)アクリレートと、5質量%以上15質量%以下のウレタン結合(ウレタン基)を有さない(メタ)アクリレートと、50質量%以上70質量%以下のエポキシ基含有樹脂と、からなる組成物(以下、組成物A)を含む。
ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートは、高い硬化性を示すが硬化時の収縮率も高い。そのため、ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートだけで樹脂組成物15aを構成すると、板状物11の内部に大きな応力を発生させてしまう。そこで、本実施の形態では、ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートに対して、収縮率の低いエポキシ基含有樹脂を混合している。
ここで、エポキシ基含有樹脂の硬化性は低いので、エポキシ基含有樹脂に対してウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートの分量が少なくなりすぎると、樹脂組成物15aは硬化し難くなる。一方、ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートと、エポキシ基含有樹脂とを硬化に適した分量で混合すると、収縮率を十分に低く抑えることができなくなって、板状物11にうねり等が残存してしまう。
そこで、本実施の形態では、硬化性が高い割に収縮率の低いウレタン結合を有する(メタ)アクリレートを所定の分量で含ませることにより、(メタ)アクリレート全体の分量を確保して、収縮率を低く抑えながら硬化性を高く維持している。これにより、収縮を抑えて短時間に硬化できる。
樹脂組成物15aには、上述した組成物A(ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートと、ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートと、エポキシ基含有樹脂とでなる組成物)の全量に対して、例えば、0.2質量%程度の光重合開始材(以下、光重合開始材B)が含まれている。上述した組成物Aに対して光重合開始材Bを添加し、光(代表的には、紫外光)を照射することで、組成物A中の(メタ)アクリレートを硬化させることができる。なお、光重合開始材Bの分量は、樹脂組成物15aの硬化性を維持できる範囲で任意に調整される。
第2態様に係る樹脂組成物15bは、上述した第1態様に係る樹脂組成物15aに、樹脂組成物15aの全量の5質量%以上10質量%以下のチクソ性付与剤(以下、チクソ性付与剤C)を添加して得られる。第1態様に係る樹脂組成物15aにチクソ性付与剤Cを添加することで、塗布後の広がりを抑制できる。この第2態様に係る樹脂組成物15bは、板状物11と小さな面積で接触した後に広がるので、気泡等の混入を抑制できる。
ここで、(メタ)アクリレートとは、アクリル酸化合物であるアクリレート、又はメタクリル酸化合物であるメタクリレートを指す。具体的には、例えば、テトラヒドロフルフリルアクリレート(Tetrahydrofurfuryl acrylate)、イソボルニルアクリレート(Isoboornyl acrylate)、1,9−ノナンジオールジアクリレート(1,9-Nonanediol diacrylate)等を用いることができる。
また、エポキシ基含有樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や脂肪族型エポキシ樹樹脂(ダイマー酸型エポキシ樹脂)等を用いると良い。チクソ性付与剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化マグネシウム等を用いることができる。
樹脂供給ユニット8の上方には、樹脂組成物15が供給されたフィルム13の表面13aに板状物11を位置付ける上下一対のローラー10,12が設けられている。下側のローラー10は、フィルム13の進行方向を変えて、樹脂組成物15が供給された表面13a側を上方に位置付ける。
フィルム13の表面13aには、樹脂組成物15を介して板状物11が載置される。本実施の形態では、板状物11の裏面11b側を樹脂組成物15に接触させる。ただし、板状物11の表面11a側を樹脂組成物15に接触させても良い。その後、上側のローラー12は、フィルム13に載置された板状物11に当接して回転する。板状物11は、フィルム13と共にローラー10,12で挟み込まれ、所定の位置に位置付けられる。
ローラー10,12で所定の位置に位置付けられた板状物11は、フィルム13と共に隣接する樹脂硬化ユニット14へと搬送される。樹脂硬化ユニット14は、内部に空間を有する略直方体状の基台16を含む。基台16の上部には、内部の空間を閉じるように、略平坦な上面を有するステージ18が配置されている。
ステージ18は、例えば、ホウ酸ガラス、石英ガラス等で構成されており、樹脂組成物15を硬化させる波長の光を透過する。このステージ18の上面は、ローラー10,12側から搬送されたフィルム13を保持する保持面となっている。ステージ18上に載置されたフィルム13は、吸引機構(不図示)等で保持面に吸引保持される。
ステージ18の下方には、樹脂組成物15を硬化させる波長の光を放射する光源20が配置されている。ステージ18と光源20との間には、光源20からの光を遮断するシャッター22が設けられている。また、シャッター22の上方には、樹脂組成物15の硬化に必要のない波長の光を遮断するフィルタ24が配置されている。
シャッター22を完全に閉じると、光源20からの光はシャッター22で遮断され、ステージ18に到達しない。一方、シャッター22を開くと、光源20からの光は、フィルタ24及びステージ18を透過して、フィルム13に照射される。フィルム13は、樹脂組成物15を硬化させる波長の光を透過できるように構成されており、樹脂組成物15は、フィルム13を透過した光で硬化する。
基台16の側壁には、内部の空間に繋がる排気管26が設けられている。この排気管26は、基台16の外部において排気ポンプ(不図示)等と接続されている。光源20からの光で基台16の内部の温度が上昇すると、ステージ18が変形して保持面の平坦度は低下してしまう。そのため、排気管26に接続された排気ポンプ等で基台16の内部を排気して、温度上昇を抑制する。
ステージ18と隣接する位置には、支持構造28が設けられている。支持構造28は、基台16に立設された壁部28aと、壁部28aの上端から水平方向に延出された庇部28bとを含む。ステージ18の上方に位置する庇部28bの中央には、フィルム13上の板状物11を下向きに押圧する押圧機構30が設けられている。
押圧機構30は、鉛直方向に伸びる中央の主ロッド32と、主ロッド32と平行に配置された複数(本実施の形態では4本)の副ロッド34とを含む。複数の副ロッド34は、主ロッド32の周りにおいて略等間隔に配置されている。主ロッド32及び複数の副ロッド34の下端には、板状物11の形状に対応した円盤状の押圧パッド36が固定されている。
主ロッド32及び複数の副ロッド34は、それぞれ、モーター等を含む昇降機構(不図示)と連結されている。この昇降機構で主ロッド32及び複数の副ロッド34を下降させることにより、押圧パッド36で板状物11の表面11a側を押圧できる。昇降機構は、主ロッド32及び複数の副ロッド34を独立に昇降させて、板状物11にかかる押圧力を調整する。
フィルム13上の樹脂組成物15に板状物11の裏面11b側を重ねた後、上述した押圧機構30で表面11a側を押圧して、フィルム13の表面13aと板状物11の裏面11bとの間で樹脂組成物15を均一に広げる。その後、光源20の光を樹脂組成物15に照射すれば、樹脂組成物15を硬化して板状物11を固定できる。
樹脂組成物15で固定された板状物11は、隣接するフィルム切断ユニット38へと搬送される。フィルム切断ユニット38は、略直方体状の基台40を含む。基台40の上部には、略平坦な上面を有するテーブル42が配置されている。このテーブル42の上面は、樹脂硬化ユニット14側から搬送されたフィルム13を保持する保持面となっている。
また、テーブル42と隣接する位置には、支持構造44が設けられている。支持構造44は、基台40に立設された壁部44aと、壁部44aの上端から水平方向に延出された庇部44bとを含む。テーブル42の上方に位置する庇部44bの中央には、フィルム13を円形に切断する切断機構46が設けられている。
切断機構46は、鉛直方向に伸びるロッド48と、板状物11より大径のリング状の刃を備えたカッター50とを含む。カッター50は、ロッド48の下端に固定されており、ロッド48の上部に連結されたエアシリンダ等の昇降機構(不図示)で上下に移動する。この昇降機構でカッター50を下降させて、テーブル42上のフィルム13に接触させれば、フィルム13を板状物11の外形に対応する円形に切断できる。
板状物固定装置2で固定された板状物11は、例えば、研削装置(不図示)で表面11a側を研削された後に、樹脂組成物15及びフィルム13を除去される。上述のように、本実施の形態の樹脂組成物15は、収縮を抑えながら短時間に硬化されるので、板状物11を固定する際に内部に生じる応力を低く抑え、かつ生産性を高く維持できる。
図3(A)、図3(B)、図4(A)、及び図4(B)は、樹脂組成物15を用いて板状物11を固定する固定方法を模式的に示す一部断面側面図である。本実施の形態に係る生産方法では、まず、板状物11を保持するステージ18と板状物11の裏面(第1面)11bとの間に樹脂組成物15を供給する樹脂組成物供給ステップを実施する。具体的には、図3(A)に示すように、樹脂供給ユニット8からフィルム13に供給された樹脂組成物15上に板状物11の裏面11b側を重ね、樹脂硬化ユニット14のステージ18上に搬入する。
樹脂組成物供給ステップを実施した後には、押圧パッド36を下降させて、板状物11の表面(第2面)11a側を下向きに押圧する押圧ステップを実施する。この押圧ステップでは、まず、板状物11を押圧機構30の下方に位置付けた状態で、フィルム13をステージ18の保持面に吸引保持させる。
そして、図3(B)に示すように、押圧パッド36を下降させて、板状物11を下向きに押圧する。これにより、フィルム13の表面13aと板状物11の裏面11bとの間で、樹脂組成物15は均一に広がる。樹脂組成物15が均一に広がった後には、図4(A)に示すように、押圧パッド36を上昇させて板状物11の押圧を解除する。
押圧ステップを実施した後には、光を照射して樹脂組成物15を硬化する硬化ステップを実施する。具体的には、図4(B)に示すように、光源20から光を放射した状態でシャッター22を開き、光源20の光を樹脂組成物15に照射する。その結果、樹脂組成物15は硬化して、板状物11を固定できる。
保持面となるステージ18の上面は、略平坦に形成されているので、フィルム13の表面13aと接する樹脂組成物15の下面も略平坦になる。本実施の形態では、上述した第1態様に係る樹脂組成物15a、又は第2態様に係る樹脂組成物15bを用いるので、収縮を抑えながら短時間に硬化して、板状物11を適切に固定できる。
なお、板状物11の固定に使用される装置は、上述した固定装置2に限定されない。例えば、ステージの上方に、板状物11を保持する保持機構を備えた固定装置を用いて板状物11を固定することもできる。この場合、ステージに対面させるように板状物11を保持機構で保持し、ステージ上に樹脂組成物15を供給してから、板状物11をステージにプレスして樹脂組成物15を均一に広げる。その後、樹脂組成物15に光を照射することで板状物11を固定できる。
次に、本実施の形態に係る樹脂組成物15の有効性を確認するために行った2種類の実験について説明する。
(実験1)
本実験では、ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートとエポキシ基含有樹脂との混合比が異なる複数の樹脂組成物でそれぞれシリコンウェーハ(アズスライスウェーハ)を固定し、表面欠陥検査装置「魔境」(山下電装社製、YIS-300SP)でシリコンウェーハの表面の状態を確認した。
シリコンウェーハの反りを、平坦度測定装置(コベルコ科研社製、SBW-330)で評価した。具体的には、シリコンウェーハの中心を通って等角度間隔に規定された16本の線分上において表面の高さを1mm間隔で測定し、最高点と最低点との差を算出している。また、シリコンウェーハのうねりを、切り出し時に形成されるソーマークの湾曲、濃淡に基づいて評価した。例えば、ソーマークが濃く、凹凸が強調されている場合には、うねりが大きいと判断した。
なお、本実験では、ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレート及びエポキシ基含有樹脂の全量に対して0.2質量%の光重合開始材を添加した。本実験の結果は次表の通りである。なお、次表の「評価」の欄は、○が良好、△が可、NGが不可を表している。図5には、表面欠陥検査装置で撮影したシリコンウェーハの表面の写真を併せて示す。
(メタ)アクリレートが20質量%でエポキシ基含有樹脂が80質量%の条件(試料1−1)、及び(メタ)アクリレートが25質量%でエポキシ基含有樹脂が75質量%の条件(試料1−2)では、樹脂組成物を十分に硬化させることができなかった。一方、(メタ)アクリレートが55質量%でエポキシ基含有樹脂が45質量%の条件(試料1−8、図5(F))、及び(メタ)アクリレートが60質量%でエポキシ基含有樹脂が40質量%の条件(試料1−9、図5(G))では、シリコンウェーハの反りが大きい。これは、硬化に伴う樹脂組成物の収縮率が高すぎるためである。上述した理由から、試料1−1、試料1−2、試料1−8、試料1−9では、うねりの評価を行っていない。
これに対して、(メタ)アクリレートが30質量%でエポキシ基含有樹脂が70質量%の条件(試料1−3、図5(A))、(メタ)アクリレートが35質量%でエポキシ基含有樹脂が65質量%の条件(試料1−4、図5(B))、(メタ)アクリレートが40質量%でエポキシ基含有樹脂が60質量%の条件(試料1−5、図5(C))、(メタ)アクリレートが45質量%でエポキシ基含有樹脂が55質量%の条件(試料1−6、図5(D))、及び(メタ)アクリレートが50質量%でエポキシ基含有樹脂が50質量%の条件(試料1−7、図5(E))では、樹脂組成物を適切に硬化し、また、シリコンウェーハの反りを抑制できた。
ただし、試料1−3及び試料1−7では、試料1−4、試料1−5及び試料1−6に対してやや大きなうねり及び反りが観察されたため、試料1−4、試料1−5及び試料1−6の評価を○、試料1−3及び試料1−7の評価を△としている。試料1−3、試料1−4、試料1−5、試料1−6及び試料1−7の5条件の中では、試料1−5が最も良好であった。
本実験により、30質量%以上50質量%以下のウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートと、50質量%以上70質量%以下のエポキシ基含有樹脂とを混合することで、樹脂組成物を適切に硬化し、また、硬化に伴う樹脂組成物の収縮率を低く抑えて、シリコンウェーハの反りを抑制できるのが分かる。中でも、35質量%以上45質量%以下のウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートと、55質量%以上65質量%以下のエポキシ基含有樹脂とを混合する場合には、より良い結果が得られた。ただし、この条件では、シリコンウェーハのうねりを十分に小さくすることはできなかった。
(実験2)
本実験では、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートとウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートとの混合比が異なる複数の樹脂組成物でそれぞれシリコンウェーハを固定し、表面欠陥検査装置「魔境」(山下電装社製、YIS-300SP)でシリコンウェーハの表面の状態を確認した。シリコンウェーハの反り及びうねりの評価方法は、実験1と同様である。
なお、本実験では、(メタ)アクリレート(ウレタン結合有、及びウレタン結合無)及びエポキシ基含有樹脂の全量に対して0.2質量%の光重合開始材を添加した。また、(メタ)アクリレートとエポキシ基含有樹脂との混合比は、(メタ)アクリレートが40質量%、エポキシ基含有樹脂が60質量%の条件(実験1の試料1−5に相当)で固定した。本実験の結果は次表の通りである。なお、次表の「評価」の欄は、◎が最良、○が良好、NGが不可を表している。図6には、表面欠陥検査装置で撮影したシリコンウェーハの表面の写真を併せて示す。
ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートが40質量%でウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートが0質量%の条件(試料2−7)では、樹脂組成物の粘度が高くなりすぎて、シリコンウェーハの全面に樹脂組成物を広げることができなかった。また、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートが37質量%でウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートが3質量%の条件(試料2−6)では、樹脂組成物の粘度が高く、貼着中に押圧圧力が樹脂中に残存し、押圧圧力を開放した際に応力でシリコンウェーハが変形した。上述した理由から、試料2−7及び試料2−6では、うねりの評価を行っていない。
一方、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートが22質量%でウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートが18質量%の条件(試料2−2、図6(B))、及びウレタン結合を有する(メタ)アクリレートが20質量%でウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートが20質量%の条件(試料2−1、図6(A))では、シリコンウェーハの反り及びうねりが大きい。これは、硬化に伴う樹脂組成物の収縮率が高すぎるためである。
これに対して、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートが35質量%でウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートが5質量%の条件(試料2−5、図6(E))、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートが30質量%でウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートが10質量%の条件(試料2−4、図6(D))、及びウレタン結合を有する(メタ)アクリレートが25質量%でウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートが15質量%の条件(試料2−3、図6(C))では、樹脂組成物を適切に硬化し、また、シリコンウェーハの反り及びうねりを抑制できた。試料2−3、試料2−4、及び試料2−5の3条件の中では、試料2−4が最も良好であり、うねりも殆ど見られなかった。
以上の実験により、25質量%以上35質量%以下のウレタン結合(ウレタン基)を有する(メタ)アクリレートと、5質量%以上15質量%以下のウレタン結合(ウレタン基)を有さない(メタ)アクリレートと、50質量%以上70質量%以下のエポキシ基含有樹脂とを混合することで、樹脂組成物を適切に硬化し、また、硬化に伴う樹脂組成物の収縮率を低く抑えて、シリコンウェーハの反り及びうねりを抑制できるのが分かった。
以上のように、本実施の形態に係る樹脂組成物15には、ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートと、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートと、エポキシ基含有樹脂とが所定の比率で混合されている。ウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートは、高い硬化性及び高い収縮率を示し、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレートは、高い硬化性及び低い収縮率を示し、エポキシ基含有樹脂は、低い硬化性及び低い収縮率を示す。
このような複数の材料を適切な分量で混合することにより、収縮を抑えながら短時間に硬化可能な樹脂組成物15を実現できる。すなわち、本実施の形態によれば、板状物11を固定する際に内部に生じる応力を低く抑え、かつ生産性を高く維持可能な樹脂組成物15を提供できる。
その他、上記実施の形態に係る構成、方法などは、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
11 板状物
11a 表面(第2面)
11b 裏面(第1面)
13 フィルム
13a 表面
15,15a,15b 樹脂組成物
2 固定装置
4 送り出しローラー
6 巻き取りローラー
8 樹脂供給ユニット
10 ローラー
12 ローラー
14 樹脂硬化ユニット
16 基台
18 ステージ
20 光源
22 シャッター
24 フィルタ
26 排気管
28 支持構造
28a 壁部
28b 庇部
30 押圧機構
32 主ロッド
34 副ロッド
36 押圧パッド
38 フィルム切断ユニット
40 基台
42 テーブル
44 支持構造
44a 壁部
44b 庇部
46 切断機構
48 ロッド
50 カッター

Claims (4)

  1. 板状物を固定する樹脂組成物であって、
    25質量%以上35質量%以下のウレタン結合を有する(メタ)アクリレートと、5質量%以上15質量%以下(ただし、15質量%の場合を除く)のウレタン結合を有さない(メタ)アクリレートと、50質量%以上70質量%以下(ただし、50質量%の場合を除く)のエポキシ基含有樹脂と、からなる組成物に、光重合開始材を含ませたことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記組成物の55質量%以上65質量%以下をエポキシ基含有樹脂としたことを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の樹脂組成物に対して、該樹脂組成物の5質量%以上10質量%以下のチクソ性付与剤を更に含ませたことを特徴とする樹脂組成物。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の樹脂組成物を用いる板状物の固定方法であって、
    ステージと板状物の第1面との間に前記樹脂組成物を供給する樹脂組成物供給ステップと、
    該樹脂組成物供給ステップを実施した後に、板状物の第2面側から該第1面に向かう力を加えて板状物を該ステージに向けて押し付け、該樹脂組成物を該第1面の全体に広げる押圧ステップと、
    該押圧ステップを実施した後に、光を照射して該樹脂組成物を硬化する硬化ステップと、を備えることを特徴とする板状物の固定方法。
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