JP6368078B2 - プリント配線板 - Google Patents

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Description

本発明は、伝送線路に絶縁層を介して対向配置されたGND層が、メッシュ構造のプリント配線板に関する。
昨今の電子機器が取り扱うデータ量の増加やデータ処理の高速化に伴い、伝送線路を流れる信号は高速化の一途を辿る。
高速信号を扱うには、チップ等のデータ処理部の入出力時に於ける信号の反射を抑制し、信号伝送損失を抑えて、良質なデータ伝送を行う必要が有る為、伝送線路に於ける特性インピーダンスの保持が必須である。
又、伝送線路を流れる信号の高速化により、伝送線路からの不要輻射(不要な電磁放射)が発生し易くなるが、伝送線路の側方(通常は両側方)に伝送線路と一定の間隔を開けてガードパターンを設け、当該不要輻射を吸収する事で、他の配線へのノイズ干渉や、電源層やGND層の電源電位に微小な電位変動(ゆらぎ)を与える事を抑制する等の手法も提案されている。
ところで、電子機器の軽薄短小化に伴い、部品の1つである基板にも薄型化の要求がある。
基板の薄型化により、伝送線路とGND層の間隔も狭く成る為、導体間容量が増加してインピーダンスが増加するが、GNDをメッシュ化する事で、開口部に当る領域の容量値が下がり、伝送線路とGND層の導体間容量が全体平均として減少し、所望のインピーダンスに合わせる事が可能と成る旨の手法等も提案されている。
ここで、従来技術の具体例を示す。
図13は特許文献1に記載のプリント配線板の構造を説明する為の概略断面説明図で、該図13に於いて、P13はプリント配線板で、ベース基板13Aと、GND層13Bと、絶縁層として機能する誘電体13C1及び13C2と、特性インピーダンスに影響する容量の調整として機能する中空部13Dと、伝送線路13Eと、GNDパターン13F1及び13F2と、保護層13Gと、で構成されている。
図13では、伝送線路13EとGND層13BとGNDパターン13F1及び13F2とで構成するコプレナ構造によって、特性インピーダンスを保持している。
ここで、基板の薄型化により、伝送線路13EとGND層13Bの間隔を狭くすると、伝送線路13EとGND層13Bの間のキャパシタ成分が上昇する為、これを抑え特性インピーダンスを保持する為に伝送線路13Eの細線化が必要と成るが、製造上や精度上の諸問題が発生し、更なる細線化には限界が有った。
そこで、伝送線路を細線化する代わりに、GND層をメッシュ構造にして特性インピーダンスを保持する提案が複数知られており、例えば、特許文献2等が挙げられる。
図14は特許文献2に記載のプリント配線板の構造を説明する為に、絶縁層等を省略した概略上面透視説明図で、該図14に於いて、P14はプリント配線板で、差動双線14AA、14AB、14ACと;メッシュGND層14Cとが、図示しない絶縁層を介して互いに反対側に配置された構成であり、仮想の基準線14Dを基準として左右対称のシンメトリ構造とする事で、メッシュGND構造による特性インピーダンスの面ばらつきを抑えるものである。
尚、上述の特許文献1に係る図13のGNDパターン13F1及び13F2の様に、伝送線路間にGND線を設けて、伝送線路からの不要輻射や外部からの電磁波干渉を抑制する事で、信号品質劣化を抑える提案も有り、更に、特許文献2に係る図14のメッシュGND構造に於いて、図13のGNDパターン13F1及び13F2に類似した構成を用いる提案も有る。
ここで、上述の伝送線路間に設けられたGND線は、通称ガードパターンと呼ばれ、伝送線路に高速でスイッチングされる信号が流れる事で発生する伝送線路各部位の微小な電位変動が、他の伝送線路を流れる信号にノイズとして干渉したり、電源層やGND層の電源電位に微小な揺らぎを与えたりする事を抑制する目的で設けられたものである。
通常、ある場所で発生した電磁波(今回の場合は伝送信号により発生したノイズに該当)は、最も近い導体に多くのエネルギーを奪われる為、ガードパターンの存在により、他の伝送線路を流れる信号にノイズとして干渉したり、電源層やGND層の電源電位に微小な揺らぎを与えたりする事を抑制し、発生した電磁波(ノイズ)を吸収出来る。
上述の様に、このガードパターンの効果は、図13に示したシングルエンド伝送線路でも、図14に示した差動双線でも同様に有る為、以降、説明の便宜上、図14の差動双線を用いたメッシュGND構造を、シングルエンド伝送線路を用いたメッシュGND構造に置き換え、更にガードパターンを追加したものを図15に示す。
該図15に於いて、P15はプリント配線板で、シングルエンド伝送線路15AA、15ABと;ガードパターン15AC、15AD、15AEと;図示しない絶縁層と;当該絶縁層を介して、シングルエンド伝送線路15AA、15ABと,ガードパターン15AC、15AD、15AEと,に対向配置されたメッシュGND層15Cと;を有している。
具体的には、ガードパターンは、伝送線路を流れる高速伝送信号による微小な電位変動に対して、当該微小な電位変動をキャンセルする様に当該微小な電位変動とは電位(位相)が反対と成る微小電位を瞬時に発生させ、当該微小な電位変動が外部にノイズとして不要輻射や干渉を発生する前に併殺して吸収するもので、ノイズ吸収パターンとして、特に、高周波信号や高速伝送信号を扱う回路に用いられている。
特開2008−288516号公報 特開2012−227211号公報
上述のガードパターンは、取り扱う信号が高速に成る程、当該ガードパターンに発生する微小な電位変動の量は増加する為、このガードパターンに発生する微小な電位変動が更に外部にノイズとして不要輻射や干渉を発生させない様に、当該ガードパターンの為の更なる帰還経路が必要と成る。
尚、取り扱う信号が高速である場合は、細線である当該ガードパターンだけでは帰還経路としての働きが不十分であり、十分にノイズを吸収する事が出来ず、広い面積を有する広域GND層と常に電磁気的に接合されている事が必要と成る。
常に電磁気的に接合されている状態、言い換えれば、電磁気的に接合されている部分が断たれる事無く連続している状態とは、プリント配線板を上面透視した際に、ガードパターンと広域GND層とが重なって見える部分が断たれる事無く連続している状態を指す。
プリント配線板を上面透視した際に重なって見える部分は、ガードパターンと広域GND層とが最短距離(層間絶縁層の厚み)で近接し、これ以外の部分と比較して電磁気的に最も結合強度が密であり、逆に、重なっていない部分は、ガードパターンと広域GND層とが離れた状態で、電磁気的に結合強度が疎である為、結合強度が密である部分を「電磁気的に結合されている状態」、疎である部分を「電磁気的に結合されていない状態」とする。
ここで、広域GND層がメッシュ構造である場合には、ガードパターンと電磁気的に結合されているのは広域GND層のメッシュ構造の導体パターンが在る部分のみであり、開口部に当る部分はガードパターンと電磁気的に結合しておらず、言い換えれば、ガードパターンと広域GND層の関係が一定でなく、電磁気的結合強度の粗密が繰り返される状態と言える。
結果、この電磁気的結合強度の粗密が繰り返される状態では、広域GND層はガードパターンの帰還経路としての役割を果たす事は出来ず、ガードパターンに発生する微小な電位変動が外部にノイズとして不要輻射や干渉を発生させてしまう不具合が発生していた。
本発明は、上述の問題に鑑み、伝送線路に絶縁層を介して対向配置されたGND層がメッシュ構造のプリント配線板に於いて、伝送線路の特性インピーダンスが保持されると共に、ノイズ拡散防止やGND電位揺れ抑制等の効果により、信号品質及び電源品質が確保されたプリント配線板を提供する事を課題とする。
上記課題を解決する為の手段として、本発明の請求項1に係るプリント配線板は、伝送線路と;当該伝送線路に同層で隣接配置されているガードパターンと;当該伝送線路に絶縁層を介して対向配置されていると共に、導体が無い部分の開口部と導体部分の網線部とで導体が網目状に構成されているメッシュ領域を有するメッシュGND層と;を有するプリント配線板に於いて、当該伝送線路と当該ガードパターンは共に当該絶縁層を介して当該メッシュGND層のメッシュ領域に対応する領域に配され、当該ガードパターンの下部には常に帰還経路と成る当該網線部が配されている事を特徴とする。
これにより、薄型化等により伝送線路に絶縁層を介して対向配置されたGND層のメッシュ構造化が避けられないプリント配線板に於いて、伝送線路の特性インピーダンスを保持する事と、当該伝送線路に高速伝送信号が流れる事により発生したノイズを一時的に吸収するガードパターンの帰還経路を確保する事の、従来技術では両立が困難であった2つの課題を同時に解決する事が可能と成り、安定した信号品質及び電源品質が確保されたプリント配線板を得る事が出来る。
又、本発明の請求項2に係るプリント配線板は、前記ガードパターンの線路幅は、帰還経路と成る前記網線部の線幅よりも小さい事を特徴とする。
これにより、積層プレス時の横ずれ等により、伝送線路が配された層と対向のメッシュGND層に多少の位置ずれが生じても、ガードパターンが帰還経路と成る網線部との重なりを保持出来る為、安定した信号品質及び電源品質がより確保されたプリント配線板を得る事が出来る。
又、本発明の請求項3に係るプリント配線板は、前記ガードパターンの線路幅は、当該ガードパターンと重なり部を有する前記開口部の開口幅よりも大きい事を特徴とする。
これにより、ガードパターンと重なり部を有するメッシュ領域には、開口部によって途切れる事無く網線部が連続してガードパターンとの重なりを保持し続ける為、製造誤差等による位置ずれには全く影響を受ける事無く、安定した信号品質及び電源品質がより確保されたプリント配線板を得る事が出来る。
又、本発明の請求項4に係るプリント配線板は、前記ガードパターンの線路幅は、前記伝送線路の線路幅よりも大きい事を特徴とする。
これにより、伝送線路が開口部との重なりを失い特性インピーダンスが(例えば設計値等の)所望の値より上昇するリスクを低減すると共に、ガードパターンが開口部と(一部ではなく)全面的に重なりを有して帰還経路を失うリスクも同時に低減する事が可能と成り、安定した信号品質及び電源品質が確実に確保されたプリント配線板を得る事が出来る。
本発明のプリント配線板によれば、伝送線路に絶縁層を介して対向配置されたGND層がメッシュ構造のプリント配線板に於いて、伝送線路の特性インピーダンスが保持されると共に、ノイズ拡散防止やGND電位揺れ抑制等の効果が得られるので、信号品質及び電源品質が確保されたプリント配線板を提供する事が出来る。
本発明プリント配線板の第1の実施の形態の概略上面透視説明図。 本発明プリント配線板の第2の実施の形態の概略上面透視説明図。 本発明プリント配線板の第3の実施の形態の概略上面透視説明図。 本発明プリント配線板の第4の実施の形態の概略上面透視説明図。 本発明プリント配線板のメッシュGND層例の概略上面透視説明図。 本発明プリント配線板のメッシュGND層例の概略上面透視説明図。 本発明プリント配線板のメッシュGND層例の概略上面透視説明図。 本発明プリント配線板のメッシュGND層例の概略上面透視説明図。 本発明プリント配線板のメッシュGND層例の概略上面透視説明図。 本発明プリント配線板のメッシュGND層例の概略上面透視説明図。 本発明プリント配線板のメッシュGND層例の概略上面透視説明図。 本発明プリント配線板のメッシュGND層例の概略上面透視説明図。 従来のプリント配線板の概略断面説明図。 他の従来のプリント配線板の概略上面透視説明図。 従来技術を組み合わせたプリント配線板例の概略上面透視説明図。
以下に、本発明に係るプリント配線板の実施の形態を、図1から図12を用いて説明する。
尚、本発明は、以下の実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に於いて種々の変更が可能である事は勿論である。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1を用いて説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態のプリント配線板の構造を説明する為の概略上面透視説明図で、当該プリント配線板を上面視(鳥瞰視)し、絶縁層等を図面上に表現しないで透過視し、伝送線路及びガードパターンとメッシュGND層とが、層を超えて重なって見える様に表現した構成概略図である。
尚、便宜上、以降も絶縁層等の存在を省いて、異なる層の導体同士が「重なる」と表現する事もあるが、本明細書に於いて「重なる」とは、導体同士の接触を意味するものではなく、プリント配線板を鳥瞰視し、絶縁層等を表現せずに透過した様に見た際に「重なって見える」事を意味する。
図1に於いて、P1はプリント配線板で、シングルエンドの高速信号が伝送されるシングルエンド伝送線路11A、11Bと;当該伝送線路11A、11Bに同層で隣接配置されて、当該伝送線路11A、11Bに高速信号が流れる事によって発生した不要輻射(ノイズ)を一時的に吸収する機能を有するガードパターン12A、12B、12Cと;図示しない絶縁層と;当該伝送線路11A、11B、及び、当該ガードパターン12A、12B、12Cに、絶縁層を介して対向配置(言い換えれば、互いに絶縁層の反対側に配置されている状態にある)されたメッシュGND層310と、を有している。
上述の様に、図1には便宜上、絶縁層は表示されておらず、図面表記上では、プリント配線板P1は、シングルエンド伝送線路11A、11Bと;ガードパターン12A、12B、12Cと;メッシュGND層310と;で構成されている。
上述のメッシュGND層310は、開口部を有するGND導体であるメッシュ領域を有し、図面上は当該メッシュ領域のみが示されており、このメッシュ領域は、導体が無い開口部311と、導体から成る網線部312と、で構成されている。
図1に示す全領域に於いて、シングルエンド伝送線路11A、11Bは、それぞれ、開口部311と網線部312に交互に重なっており、ガードパターン12A、12B、12Cは、それぞれ、開口部311に重なる事無く、網線部312のみと重なっている。
又、ガードパターン12A、12B、12Cの各々のパターン幅は、各々のパターンが重なっている網線部312の重なり領域の幅と略等しい。
従って、本実施の形態の構成は、ガードパターン12A、12B、12Cが、それぞれ、網線部312との重なりが途切れない構成である。
これにより、シングルエンド伝送線路11A、11Bは、図1に於いて表記されていない絶縁層が薄いものであっても、開口部311と網線部312に交互に重なっている事で、特性インピーダンスの容量成分(キャパシタ成分)が必要以上に上昇する事が抑制され、導体幅を生産性や信頼性に支障をきたす程に細くする事無く、所望の特性インピーダンスを保持出来ると共に、ガードパターン12A、12B、12Cは、開口部311に重なる事が無いので、自身に流れるシングルエンド伝送線路11A、11Bのノイズの帰還経路が途切れる事無く確実に確保され、他の配線や電源電位に悪影響を与える事無く、瞬時にノイズを抑制する事が可能と成る。
尚、プリント配線板P1は、一般的なリジッド基板に限定されるものではなく、フレキ基板や、「曲がる絶縁層」を用いた新しいタイプのリジッド基板であっても良い。
ここで、本発明の構成は、「ガードパターンの任意の位置に於けるメッシュGND層との最短距離が常に一定である事」が特徴の1つであると言える。
プリント配線板P1が、フレキ基板である場合や、「第2世代(次世代)リジッドフレックス基板」と呼ばれる「曲がる絶縁層」を用いたリジッド基板である場合等、反りや屈曲等による変形を伴う事も有り、基板を構成する各層同士の「空間的な位置の変化」が考えられるが、ガードパターン12A、12B、12Cと網線部312の「相対的な距離」が変化しないので、シングルエンド伝送線路11A、11Bが所望の特性インピーダンスから逸脱する事が無いと共に、ガードパターン12A、12B、12Cが帰還経路を失う事も無い。
従って、本発明の構成を用いる事により、基板に反りや屈曲等が伴っても、信号品質及び電源品質を確保したプリント配線板を得る事が出来る。
又、ガードパターン12A、12B、12CとメッシュGND層310の一部である帰還経路の結合は、容量結合(交流結合)のみが成されていれば良く、導電ビアや導電スルーホール等による導体の直接的な接続(直流結合)は必要無い。
元来、ガードパターンやその帰還経路が必要と成る回路は、GHz(ギガヘルツ)オーダーの高周波信号が伝送線路に流れる場合であり、その高周波信号から発生するノイズは、元の信号の高調波成分、つまり、元の信号の3倍波、5倍波、7倍波、等の逓倍波を含むものである為、直流成分を導通させる導体の直接的な接続は意味が無く、高調波ノイズを伝達出来る容量結合のみが有効と成る。
但し、ガードパターン12A、12B、12C自体が、高周波的に容量結合でも広域GND層と密に結合している事が重要である為、必要に応じて、ガードパターン12A、12B、12Cと、メッシュGND層の一部である帰還経路が、導電ビアや導電スルーホール等による導体の直接的な接続(直流結合)を含んでいても構わない。
又、プリント配線板P1は、メッシュGND層310の導体が、シングルエンド伝送線路11A、11B、及び、ガードパターン12A、12B、12Cの導体よりも電気抵抗率が小さい(低い)導体(言い換えれば、導電率の高い導体)で構成されている事が望ましい。
これにより、シングルエンド伝送線路11A、11Bの特性インピーダンスを所望の値に保持すると共に、ガードパターン12A、12B、12Cの帰還経路に発生した被誘電電流(ノイズ)をより早く広域GND層に放出する事が出来、より高度に信号品質及び電源品質を確保したプリント配線板を得る事が出来る。
例えば、シングルエンド伝送線路11A、11B、及び、ガードパターン12A、12B、12Cの導体が銅(室温20℃での電気抵抗率≒1.7[μΩ/cm])で構成され、メッシュGND層の導体が銀(室温20℃での電気抵抗率≒1.6[μΩ/cm])で構成されている場合は、シングルエンド伝送線路11A、11B、及び、ガードパターン12A、12B、12Cと、メッシュGND層の導体が共に銅で構成されている場合と比較して、メッシュGND層の電流(ノイズ)をより早く広域GND層に放出する事が出来、より早くノイズ処理が可能と成る。
又、シングルエンド伝送線路11A、11B、及び、ガードパターン12A、12B、12Cの導体がアルミニウム(室温20℃での電気抵抗率≒2.7[μΩ/cm])やアルミニウム合金で構成され、メッシュGND層の導体が銅で構成されている場合、シングルエンド伝送線路11A、11B、及び、ガードパターン12A、12B、12Cの導体がアルミニウムやアルミニウム合金で構成され、メッシュGND層の導体が銀で構成されている場合等も同様である。
その他、シングルエンド伝送線路11A、11B、及び、ガードパターン12A、12B、12Cの導体の電気抵抗率よりメッシュGND層の電気抵抗率が小さいという関係が成り立てば、各々の材質に制限は無いが、プリント配線板に用いる材料であり、電気信号を取り扱う導体として、コスト、入手容易性、加工容易性、等を考慮すると、上述した例の組合せから選択する事が望ましい。
又、プリント配線板P1は、図5に示す様に、メッシュGND層310に於いて、シングルエンド伝送線路11A、11B、及び、ガードパターン12A、12B、12Cをその領域内に配するメッシュ領域31の周囲が、開口を有さないベタ領域32、33であっても良く、図7に示す様に、メッシュ領域31の周囲が、メッシュ領域34、35であっても良く、更に、メッシュ領域31の周囲の一方側がベタ領域で、もう一方側がメッシュ領域であっても良い。
言い換えれば、本発明の構造によれば、伝送線路の特性インピーダンス保持や、ガードパターンの帰還経路確保の為に、シングルエンド伝送線路11A、11B、及び、ガードパターン12A、12B、12Cが配される領域に、開口を有さないベタ領域を設ける必要は無く、シングルエンド伝送線路11A、11B、及び、ガードパターン12A、12B、12Cが配される領域がメッシュ領域31であれば、メッシュGND層に於けるメッシュ領域が全面であっても、又、一部であっても構わない。
しかし、上述の何れの構造であるにせよ、シングルエンド伝送線路11A、11B、及び、ガードパターン12A、12B、12Cが、全てメッシュGND層に於けるメッシュ領域31の内側の領域に在る事が、本発明の特徴の1つである。
又、ガードパターン12A、12B、12Cが吸収したノイズの帰還経路は、必ずメッシュ領域31の内部に有り、ベタ領域32、33では無い事も、本発明の特徴の1つである。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図2を用いて説明する。
図2に於いて、P2はプリント配線板で、メッシュGND層610の開口部611、及び、網線部612の形態以外は、第1の実施の形態の説明で用いた図1と同等の構成である。
メッシュGND層610は、開口部を有するGND導体のメッシュ領域を有し、図面上はメッシュ領域のみが示されており、このメッシュ領域は、導体が無い開口部611と、導体から成る網線部612と、で構成されている。
本発明の課題を達成する為の前提条件と成る「所望の特性インピーダンスを保持すると共に、ガードパターンの帰還経路を途切れさせない構成」とする為には、シングルエンド伝送線路が、開口部と網線部に交互に重なっており、ガードパターンは、開口部に重なる事無く網線部のみと重なっている事が望ましいが、その様に設計しても実際の製造工程では積層時の位置合せ誤差等により設計通りに成らず、ガードパターンの適確な帰還経路が確保出来なかったり、伝送線路の特性インピーダンスの制御が不十分であったりする場合が考えられる。
そこで、上述の不具合対策として、本発明の第2の実施の形態では、網線部612のガードパターン42A、42B、42Cと重なる領域の幅が、ガードパターン42A、42B、42Cのパターン幅より大きい(太い)構成としている。
これにより、多少の製造工程上の誤差(位置ずれ)が発生しても、ガードパターン42A、42B、42Cが、網線部612との重なりから外れる事が低減され、「所望の特性インピーダンスを保持すると共に、ガードパターンの帰還経路を途切れさせない構成」と成り、信号品質及び電源品質を確保したプリント配線板をより確実に得る事が出来る。
尚、網線部612の線幅は、より大きい方が製造誤差による位置ずれへの対応範囲が広く成るが、隣接するシングルエンド伝送線路41A、41Bに掛かると、特性インピーダンスに影響を及ぼす可能性が発生する。
従って、これを避けるべく、網線部612の線幅は、隣接するシングルエンド伝送線路41A、41Bに掛からない範囲で、より大きい方が望ましい。
又、当然の事ながら、プリント配線板P2では、シングルエンド伝送線路41A、41Bの下部に当る開口部611と網線部612の形状や大きさ(幅)がプリント配線板P1とは異なる為、プリント配線板P1をベースに設計変更をする際には、シングルエンド伝送線路41A、41Bが所望の特性インピーダンスと成る様にする事が望ましい。
又、プリント配線板P2は、図5や図7に示す構成に於いて、プリント配線板P1と置き換える事が可能であり、シングルエンド伝送線路41A、41B、及び、ガードパターン42A、42B、42Cが、全てメッシュGND層に於けるメッシュ領域31の内側に在れば、メッシュ領域の周囲はベタ領域であってもメッシュ領域であっても構わない。
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態を図3を用いて説明する。
図3に於いて、P3はプリント配線板で、メッシュGND層910の開口部911、及び、網線部912の形態以外は、第1の実施の形態の説明で用いた図1と同等の構成である。
メッシュGND層910は、開口部を有するGND導体のメッシュ領域を有し、図面上はメッシュ領域のみが示されており、このメッシュ領域は、導体が無い開口部911と、導体から成る網線部912と、で構成されている。
本発明の課題を達成するには、上述の様に、シングルエンド伝送線路が、開口部と網線部に交互に重なっており、ガードパターンは、開口部に重なる事無く、網線部のみと重なっている事が望ましいが、昨今の軽薄短小化傾向が強い電子機器の設計に於いては、理想のパターンを確保出来ない場合も考えられる。
そこで、上述の不具合対策として、本発明の第3の実施の形態では、網線部912のガードパターン72A、72B、72Cと重なる領域の幅が、ガードパターン72A、72B、72Cのパターン幅より小さい(細い)構成としている。
これにより、理想のパターンを確保出来ない場合が発生しても、シングルエンド伝送線路71A、71Bが、開口部911と重ならずに、網線部912と連続的に重なる事を低減すると共に、ガードパターン72A、72B、72Cが網線部912との重なりから外れる事を低減し、「所望の特性インピーダンスを保持すると共に、ガードパターンの帰還経路を途切れさせない構成」と成り、信号品質及び電源品質を確保したプリント配線板をより確実に得る事が出来る。
尚、当然の事ながら、プリント配線板P3では、シングルエンド伝送線路71A、71Bの下部に当る開口部911と網線部912の形状や大きさ(幅)がプリント配線板P1とは異なる為、プリント配線板P1をベースに設計変更をする際には、シングルエンド伝送線路71A、71Bが所望の特性インピーダンスと成る様にする事が望ましい。
又、プリント配線板P3では、ガードパターン72A、72B、72Cとこれらの下部に当る網線部912との重なり面積がプリント配線板P1とは異なる為、プリント配線板P1をベースに設計変更をする際には、網線部912がガードパターン72A、72B、72Cの帰還経路として問題無く機能するかシミュレーションや実機評価で確認する事が望ましい。
又、プリント配線板P3は、図5や図7に示す構成に於いて、プリント配線板P1と置き換える事が可能であり、シングルエンド伝送線路71A、71B、及び、ガードパターン72A、72B、72Cが、全てメッシュGND層に於けるメッシュ領域31の内側に在れば、メッシュ領域の周囲はベタ領域であってもメッシュ領域であっても構わない。
(第4の実施の形態)
本発明の第4の実施の形態を図4を用いて説明する。
図4に於いて、P4はプリント配線板で、メッシュGND層C10以外は、第1の実施の形態の説明で用いた図1と同等の構成である。
メッシュGND層C10は、開口部を有するGND導体のメッシュ領域を有し、図面上はメッシュ領域のみが示されており、このメッシュ領域は、導体が無い開口部C11と、導体から成る網線部C12と、で構成されている。
第4の実施の形態は、上述の第3の実施の形態を更に応用変形させたものである。
上述の通り、実務上の設計に於いては、理想のパターンを確保出来ない場合も考えられるが、その不具合対策として、本発明の第4の実施の形態では、メッシュ領域の開口部C11の最大開口幅が、同じくメッシュ領域の網線部C12の最小導体幅未満(最小導体幅より小さい)、つまり、隣接する開口部同士の間隔が、開口部の最大開口幅よりも大きい構成とする事で、たとえ製造誤差等による位置ずれが発生しても、ガードパターンA2A、A2B、A2Cと網線部C12の重なりが途切れる事が無いので、自身に流れるシングルエンド伝送線路A1A、A1Bのノイズの帰還経路が途切れる事無く確実に確保される。
従って、第4の実施の形態の構造とすれば、製造工程に於ける位置ずれを全く考慮する事無く、信号品質及び電源品質を確保したプリント配線板をより確実に得る事が出来る。
尚、ガードパターンA2A、A2B、A2Cの下部に当る開口部は、シングルエンド伝送線路A1A、A1Bの下部に当る開口部と開口形状や開口幅を異なるものとしても良いが、本発明の主たる目的である「伝送線路の特性インピーダンス保持とガードパターンの帰還経路確保の両立」を考慮すると、ガードパターンA2A、A2B、A2Cの下部に当る開口部が、シングルエンド伝送線路A1A、A1Bの下部に当る開口部より小さい開口幅と成る様に配する事が望ましい。
又、上述の目的を考慮して、ガードパターンA2A、A2B、A2Cのパターン幅は、開口部C11の最大開口幅より大きい方が望ましい。
又、ガードパターンA2A、A2B、A2Cのパターン幅よりも、開口部の開口幅が小さいものを配する一例として、昨今のメタマテリアル技術を用いて、特定の波動周期等を用いて一定間隔で金属箔に開口を設けたものを用いても良いし、又、逆に、金属箔に特定周期で突起を設けたものを用いる事も可能である。
又、プリント配線板P4は、図6に示す様に、メッシュGND層C10に於いて、シングルエンド伝送線路A1A、A1B、及び、ガードパターンA2A、A2B、A2Cをその領域内に配するメッシュ領域C1の周囲が、開口を有さないベタ領域C2、C3であっても良く、図8に示す様に、メッシュ領域C1の周囲が、メッシュ領域C4、C5であっても良く、更に、メッシュ領域C1の周囲の一方側がベタ領域で、もう一方側がメッシュ領域であっても良い。
言い換えれば、本発明の構造によれば、伝送線路の特性インピーダンス保持や、ガードパターンの帰還経路確保の為に、シングルエンド伝送線路11A、11B、及び、ガードパターン12A、12B、12Cが配される領域に、開口を有さないベタ領域を設ける必要は無く、シングルエンド伝送線路A1A、A1B、及び、ガードパターンA2A、A2B、A2Cが配される領域がメッシュ領域C1であれば、メッシュGND層に於けるメッシュ領域が全面であっても、又、一部であっても構わない。
しかし、上述の何れの構造であるにせよ、シングルエンド伝送線路A1A、A1B、及び、ガードパターンA2A、A2B、A2Cが、全てメッシュGND層に於けるメッシュ領域C1の内側に在る事が、本発明の特徴の1つである。
又、ガードパターンA2A、A2B、A2Cが吸収したノイズの帰還経路は、必ずメッシュ領域C1の内部に有り、ベタ領域C2、C3では無い事も、本発明の特徴の1つである。
尚、通常、伝送損失や反射等の不具合要因と成る為、伝送線路やガードパターンの幅が、同一線上で変化する事は考え難いが、仮に、ガードパターンの幅が同一線路上で変化している場合には、メッシュ領域の開口部の最大開口幅が、ガードパターンの最小配線幅未満である事が望ましい。
ちなみに、本発明の構造は、本稿に示す実施の形態の種類に係らず、上述の様に「ガードパターンの帰還経路が途切れる事無く確実に確保された構造」であり、従来技術の様なメッシュGND層全体のインピーダンス上昇を抑制する事を目的とする類とは異なる。
従って、上述の「メッシュGND層全体のインピーダンス上昇抑制」を目的とする様な従来技術の文献群には、精密な位置合せは必要としない為、ガードパターンとメッシュGND層のメッシュ領域との位置合せに関する記載は一切無く、伝送線路の位置に当る領域にマージン分を追加した幅をメッシュとし、残りの領域をベタとする程度で、当該目的は容易に達成可能と成り、結果、本発明の構成とは全く異なるものと成っている。
又、本発明の構造は、本稿に示す実施の形態の種類に係らず、メッシュ領域の網線部に当たる部分を、伝送線路やガードパターンの配線幅よりも十分に広く(大きく)取り、各配線が要求される特性インピーダンスの設定に対し幅広く対応する事を目的とする類とも異なる。
当該類の様な従来技術の文献群には、各配線毎にメッシュ(本発明の網線部に相当)との位置関係を、特段の工夫も無く適切に合わせる事が可能である事を前提としての記載であり、実際の製造工程に於ける位置ずれ等は考慮されておらず、本発明の構造が解決している諸問題を解決していないものである。
尚、上述までは、本発明の説明の便宜上、意図的にシングルエンド伝送線路を用いて説明してきたが、本発明は、実施の形態を問わず、差動伝送線路に於いても適用出来、その効果を発揮する。
図9に於いて、P9はプリント配線板で、差動の高速信号が伝送される差動伝送線路D1A、D1B、D1C、D1Dと;当該伝送線路D1A、D1B、D1C、D1Dに同層で隣接配置され、当該伝送線路D1A、D1B、D1C、D1Dに高速信号が流れる事によって発生した不要輻射(ノイズ)を一時的に吸収する機能を有するガードパターンD2A、D2B、D2C、D2D、D2Eと;図示しない絶縁層と;当該伝送線路D1A、D1B、D1C、D1D、及び、当該ガードパターンD2A、D2B、D2C、D2D、D2Eに、絶縁層を介して対向配置(言い換えれば、互いに絶縁層の反対側に配置されている状態にある)されたメッシュGND層F10と、を有している。
上述の様に、図9には便宜上、絶縁層は表示されておらず、図面表記上では、プリント配線板P9は、差動伝送線路D1A、D1B、D1C、D1Dと;ガードパターンD2A、D2B、D2C、D2D、D2Eと;メッシュGND層F10と、で構成されている。
上述のメッシュGND層F10は、開口部を有するGND導体であるメッシュ領域を有し、図面上は当該メッシュ領域のみが示されており、このメッシュ領域は、導体が無い開口部F11と、導体から成る網線部F12と、で構成されている。
図9に示す全領域に於いて、差動伝送線路D1A、D1B、D1C、D1D、及び、ガードパターンD2A、D2B、D2C、D2D、D2Eは、それぞれ、開口部F11と網線部F12に重なりを有している。
図9に示す様に、ガードパターンD2A、D2B、D2C、D2D、D2Eと網線部F12の重なり部分が途切れる事が無いので、自身に流れる差動伝送線路D1A、D1B、D1C、D1Dのノイズの帰還経路が途切れる事無く確実に確保される。
従って、差動伝送路を配した構造に於いても、信号品質及び電源品質を確保したプリント配線板を得る事が出来る。
又、差動伝送線路は、差動双線間での結合力が強く、シングルエンド伝送線路同士に対して、差動伝送の双線同士での組間の干渉性は低い為、図10に示す様に、差動伝送線路H1A、H1B、H1C、H1Dの双線の組間にガードパターンが無く、差動伝送線路D1A、D1B、D1C、D1Dの双線の組群の左右両側にのみガードパターンH2A、H2Bが配されている構成でも、上述の双線の組間にガードパターンが在る構成に近い状態で、信号品質及び電源品質を確保したプリント配線板を得る事が出来る。
図11に於いては、開口部の幅をシングルエンド伝送線路の幅よりも大きく、且つ、ガードパターンの幅よりも小さくした構成である。
図11に示す様に、差動伝送線路Q1A、Q1B、Q1Cの線路幅は、開口部S11の開口幅よりも小さく、特性インピーダンス保持の為の設計がし易く、製造工程による位置ずれの影響を受け難く、又、ガードパターンQ2A、Q2B、Q2C、Q2Dのパターン幅が、開口部S11の開口幅よりも大きい為、ガードパターンQ2A、Q2B、Q2C、Q2Dと網線部S12の重なり部分が途切れる事が無く、自身に流れる差動伝送線路Q1A、Q1B、Q1Cのノイズの帰還経路が途切れる事無い為、信号品質及び電源品質を確保したプリント配線板を得る事が出来る。
図12には、開口部の幅を差動伝送線路の双線を構成する線路1本の幅よりも大きく、且つ、ガードパターンの幅よりも小さくした構成である。
図12に示すプリント配線板P12も、図11に示すプリント配線板P11と同様に、差動伝送線路T1A、T1Bの各双線を構成する線路1本の線路幅は、開口部Y11の開口幅よりも小さく、差動の特性インピーダンス保持の為の設計がし易く、製造工程による位置ずれの影響を受け難く、又、ガードパターンT2A、T2B、T2Cのパターン幅が、開口部Y11の開口幅よりも大きい為、ガードパターンT2A、T2B、T2Cと網線部Y12の重なり部分が途切れる事が無く、自身に流れる差動伝送線路T1A、T1Bのノイズの帰還経路が途切れる事無い為、信号品質及び電源品質を確保したプリント配線板を得る事が出来る。
尚、上述した様に、差動伝送線路は、差動双線間での結合力が強く、シングルエンド伝送線路同士に対して、差動伝送の双線の組間同士での干渉性は低い為、図12に示すガードパターンT2Bが無く、差動伝送線路T1A、T1Bの双線の組群の左右両側にのみガードパターンT2A、T2Cが配されている構成でも、図12の構成に近い状態で、信号品質及び電源品質を確保したプリント配線板を得る事が出来る。
次に、試験例を挙げて本発明を更に説明する。
(本発明品)
本発明品は、上述した本発明の第1の実施の形態に類するもので、図1のシングルエンドを差動に置き換えたものに相当し、当該プリント配線板は、フレキシブルタイプ、伝送線路は差動方式の高速信号伝送線路、線路幅は100μm(設計値:以下全て同様)、隣接する線路(又はガードパターン)との間隔は100μm、ガードパターンのパターン幅は75μm、メッシュGND層の網線部の線幅は25μm、開口部は最大開口幅900μmの菱形を100μm間隔で連続的に配置したもの、伝送線路及びガードパターンの導体厚は18μm、メッシュGND層の導体厚は18μm、伝送線路とメッシュGND層の導体間の絶縁層の厚み(つまり、ガードパターンと帰還経路との距離)は15μm、で構成されたものである。
本発明品のプリント配線板に於いて、保持するべき特性インピーダンスが100Ωの差動伝送線路に、周波数10GHzの信号を1W入力で伝送させ、Z軸方向(基板上面方向)に0.5mm及び0.8mm離れた2ポイント、並びに、基板上で差動伝送線路の中心線からX軸方向(基板水平面方向)に0.5mm及び1.0mm離れた2ポイントの、計4ポイントの電界強度を計測した。
その結果は、Z軸方向の0.5mm離れたポイントで552V/m、0.8mm離れたポイントで154V/m、X軸方向の0.5mm離れたポイントで440V/m、1.0mm離れたポイントで32V/mであった。
(比較品)
比較品は、前述した従来技術の一例である図15に相当し、メッシュGND層の開口部の形状が異なる事以外は、上述の本発明品のプリント配線板と同等に構成されたものである。
比較品のプリント配線板に於いて、本発明品と同様に、伝送させ、Z軸方向(基板上面方向)に0.5mm及び0.8mm離れた2ポイント、並びに、基板上で差動伝送線路の中心線からX軸方向(基板水平面方向)に0.5mm及び1.0mm離れた2ポイントの、計4ポイントの電界強度を計測した。
その結果は、Z軸方向の0.5mm離れたポイントで837V/m、0.8mm離れたポイントで252V/m、X軸方向の0.5mm離れたポイントで1320V/m、1.0mm離れたポイントで72V/m、であった。
(比較評価)
上記計測結果を比較すると、Z軸方向の0.5mm離れたポイントで34%、0.8mm離れたポイントで39%、X軸方向の0.5mm離れたポイントで67%、1.0mm離れたポイントで56%、4ポイントの平均で49%、本発明品の測定値が比較品の測定値より低く、本発明品の改善効果が確認出来た。
(まとめ)
本発明は、「電子機器の軽薄短小要求に伴うプリント配線板の薄型化要求」により「GNDのメッシュ化が必須」という技術背景にあって、現状、高くても1Gbps程度である伝送速度が、今後、電子機器内のデータ処理や外部との通信に於いて、データ量の増加と処理速度の高速化が当然に要求される事が予測される中、「伝送線路の特性インピーダンス保持とガードパターンの帰還経路確保の両立」を実現する事で、1Gbps以上の更なる高速伝送に対応した「信号品質及び電源品質が確保されたプリント配線板」、特に「薄型化されたプリント配線板」を提供する事が出来る。
すなわち、本発明を用いれば、上述の改善効果により、来るべく1Gbps以上の更なる高速伝送に対応可能と成る事は無論の事、現在の1Gbps程度或いはそれ以下の伝送速度に於いても、伝送媒体であるプリント配線板の品質が向上する事により、当該伝送媒体を用いる送り側と受け側双方の機器やICに余裕(マージン)を持たせる事が出来る。
以上従って、本発明によれば、薄型化されたプリント配線板でも、不要輻射の低減により、周囲の回路や伝送信号への影響を抑制し、信号や電源の品質が確保される事により、送り側と受け側双方の機器やICの消費電力低下や歩留り向上、コスト削減等に繋がり、情報通信機器全般の進化と利便性向上に貢献する事が可能と成る。
11A,11B,41A,41B,71A,71B,A1A,A1B,15AA,15AB:シングルエンド伝送線路
12A,12B,12C,42A,42B,42C,72A,72B,72C,A2A,A2B,A2C,D2A,D2B,D2C,D2D,D2E,H2A,H2B,Q2A,Q2B,Q2C,Q2D,T2A,T2B,T2C,15AC,15AD,15AE:ガードパターン
13A:ベース基板
13B:GND層
13C1,13C2:誘電体
13D:中空部
13E:伝送線路
13F1,13F2:GNDパターン
13G:保護層
14C,15C:メッシュGND層
14D:仮想の基準線
31,34,35,C1,C4,C5:メッシュ領域
310,610,910,C10:F10:メッシュGND層
311,611,911,C11,F11,M11,S11,Y11:開口部
312,612,912,C12,F12,M12,S12,Y12:網線部
32,33,C2,C3:ベタ領域
D1A,D1B,D1C,D1D,H1A,H1B,H1C,H1D,Q1A,Q1B,Q1C,T1A,T1B,14AA,14AB,14AC:差動伝送線路(差動双線)
P1,P2,P3,P4,P9,P10,P11,P12,P13,P14,P15:プリント配線板

Claims (1)

  1. 伝送線路と;当該伝送線路に同層で隣接配置されているガードパターンと;当該伝送線路に絶縁層を介して対向配置されていると共に、導体が無い部分の開口部と導体部分の網線部とで導体が網目状に構成されているメッシュ領域を有するメッシュGND層と;を有するプリント配線板に於いて、当該伝送線路と当該ガードパターンは共に全て当該絶縁層を介して当該メッシュGND層のメッシュ領域の内側において対応する領域に配され、かつ当該メッシュ領域の内側においてのみ帰還経路が存在すると共に、当該メッシュ領域における開口部の最大開口幅が、同メッシュ領域における網線部の最小導体幅よりも小さく形成され、かつ当該ガードパターンの線路幅が、当該開口部の最大開口幅より大きく形成されて、当該ガードパターンの下部には常に帰還経路と成る当該網線部が当該ガードパターンとの重なりが途切れることなく配されている事を特徴とするプリント配線板。
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