JP6293038B2 - 多層回路基板 - Google Patents

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Description

この発明は、信号配線が形成された配線層、及び当該配線層間に複数設けられ、接地導体が形成されたGND層により構成された多層回路基板に関するものである。
多くの電子機器において、半導体用のパッケージや回路素子を実装するための多層回路基板が広く普及している。このような多層回路基板の表面又は内部には、マイクロストリップ線路やコプレーナ線路等の高周波伝送線路(信号配線)が、表層線路又は内層線路として形成される。さらに、異なる層の高周波伝送線路同士を接続するために、基板面に平行な面内での信号伝送方向に対して垂直な方向の信号伝送が必要になる。このために、異なる層にある高周波伝送線路同士を接続する接続線路として、層間を基板面に垂直な方向に貫通するビアホール(via hole)導体(以下、単にビアとも称する)が広く使用されている。
近年では、飛躍的に向上した半導体技術及び高周波技術によって、3GHzから30GHzまでのマイクロ波はもとより、30GHzから300GHzまでのミリ波の信号処理を行う高周波回路を実装可能な多層回路基板が要求されている。加えて、プリント回路基板やパッケージ基板等を構成する多層回路基板、情報処理装置及び通信装置では、伝送速度の向上に伴い小型化が進んでいる。そのため、配線範囲に制約が加わり、データ通信方式は配線1本のシングルエンド方式を採用する傾向がみられる。シングルエンド方式は、配線が1本で済むため低コストである反面、信号が減衰しやすいため信号線の長さが限定され、ノイズに弱いという難点もある。
特に、高周波数帯ではビアは望ましくなく、そのインピーダンス調整の困難さからシグナルインテグリティを著しく劣化させる。一般的に、高周波伝送線路においてインピーダンスが不連続な点、すなわちビアで信号の反射が生じ、電磁波放射(以下、単に放射とも称する)を引き起こしてしまう。すなわち、異なる層の高周波伝送線路同士を接続するビアを信号が伝送する途中で伝送エネルギーの不要放射が発生し、結果として信号の通過量が大幅に減少してしまうことになる。
一方、高周波数帯での差動伝送方式のメリットは大きく、今後も継続して採用されると予想される。その理由は、差動方式はシングルエンド方式と比較して、放射ノイズ(特に遠方ノイズ)が小さく、他のシステムからの放射ノイズの影響も受けにくいこと、及び基板内のコモンノイズへの耐性が強いことである。しかしながら、シングルエンド方式と同様に、多層基板の差動方式の信号用ビアにおいても、上記のような不要放射がなおも存在している。
この問題を解決するために、高周波用の多層回路基板に、同軸型の接続線路であるビアホール導体が使用される。例えば、特許文献1には、主にビアホール導体のインピーダンスの調整を課題とした多層回路基板の構造が開示されている。この多層回路基板では、信号配線を挟んだ2つのGND(グランド)層において、信号端子用スルーホール(ビアホール導体と同義と考えて良い)の周りに設けられるクリアランス領域と呼ばれる誘電体領域(絶縁領域)の形状を改良している。加えて、上記クリアランス領域の周囲に、複数のインピーダンス調整用の配線層とは分離して設置されたビア(以下、GNDビアとも称する)を形成することで、課題を解決する効果を得ている。
同様に、特許文献2には、ビアのインピーダンス整合から反射を抑制することを目的とした多層回路基板の構造が開示されている。この多層回路基板では、ビアの周囲に形成されたクリアランス領域を、信号配線が形成されていない側と信号配線が形成されている側に分け、それぞれ異なる形状と面積を適用することで、配線インピーダンス整合の調整を実現している。この例においても、上記クリアランス領域の周囲に複数のGNDビアを配置することになる。
特開2009−059873号公報 特開2013−74256号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている手段は、主にシングルエンド方式のビアのインピーダンス調整の観点から電磁波放射の抑制を実現することに偏っており、ビアが貫通するGND層間の厚さに起因する不要放射に関する効果が不明である。特に不要放射は、基板内層であるGND層間を電磁波が平行平板モードで伝搬していくため、他のビアがまるでアンテナのようにそれを拾ってしまい、電磁波ノイズを劇的に増大させてしまうことになる。すなわち、GND層間の不要伝搬モードを抑制可能であるかが課題に残る。
また、特許文献2では、ビアホール導体周囲のクリアランス領域の改良でインピーダンス調整を可能にし、さらにそのクリアランス領域の周囲に配線層とは分離して設置されたGNDビアを同心円状で囲むように複数配置することで、不要放射を遮断できるものと推測できる。しかしながら、特許文献2では、GND層間への不要伝搬抑制効果が不明確であり、GNDビアを複数配置したことによって基板の実装効率が下がる。また、クリアランス領域形状の最適化の困難さや、生産コストの上昇が懸念される。
特許文献1と特許文献2はシングルエンド方式の採用を想定して発明されたものであるが、差動方式の信号用ビアの周辺にも応用できると容易に考えられる。しかしながら、いずれもビアホールにおけるインピーダンス調整を目的とした発明であり、GND層間への不要放射を抑制する効果が明確に示されていない。たとえ潜在的に不要放射を抑制できるとしても、基板の実装効率低下や生産コストの上昇を避けられない。また、差動方式の採用を想定した発明の中で、低コスト且つGND層間への不要伝搬抑制を目的とした文献は見られない。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、接続線路によって信号が多層にわたって切替えされるときに生じるGND層間への不要な平行平板モードを抑制させることが可能な多層回路基板を提供することを目的としている。
この発明に係る多層回路基板は、GND層に対して貫通して設けられ、異なる配線層に形成された信号配線同士を接続する接続線路と、GND層に設けられ、接地導体と接続線路とを絶縁するクリアランスとを備え、クリアランスは、隣接する配線層の信号配線が形成されている側の領域に設けられた第1のクリアランス領域と、隣接する配線層の信号配線が形成されていない側の領域に設けられ、第1のクリアランス領域と異なる面積の第2のクリアランス領域とを備え、第1および第2のクリアランス領域は、接続線路を中心とした扇状に形成され、第2のクリアランス領域の半径は、自身が設けられたGND層と隣接するGND層との間隔より大きいたものである。
この発明によれば、上記のように構成したので、接続線路によって信号が多層にわたって切替えされるときに生じるGND層間への不要な平行平板モードを抑制させることが可能となる。
この発明の実施の形態1に係る多層配線基板の第1の誘電体基板の上面に形成された第1の配線層の構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態1に係る多層配線基板の第1の誘電体基板と第2の誘電体基板との間に形成された第2の配線層(第1のGND層)の構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態1に係る多層配線基板の第2の配線層と第4の配線層との間に形成された第2の誘電体基板(第3の配線層)の構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態1に係る多層配線基板の第2の誘電体基板と第3の誘電体基板との間に形成された第4の配線層(第2のGND層)の構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態1に係る多層配線基板の第3の誘電体基板の下面に形成された第5の配線層の構成を示す平面図である。 図1に示す信号配線の信号伝送方向の中心線である線A−A’に沿った多層配線基板の概略的な構成を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る多層配線基板の特性と従来の多層配線基板の特性とを比較する図である。 この発明の実施の形態1における第2の配線層の第1の変形例を示す平面図である。 この発明の実施の形態1における第2の配線層の第2の変形例を示す平面図である。 この発明の実施の形態1における第2の配線層の第3の変形例を示す平面図である。 この発明の実施の形態2に係る多層配線基板の概略的な構成を示す断面図である。 この発明の実施の形態3に係る多層配線基板の第1の誘電体基板の上面に形成された第1の配線層の構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態3に係る多層配線基板の第1の誘電体基板と第2の誘電体基板との間に形成された第2の配線層(第1のGND層)の構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態3に係る多層配線基板の第2の配線層と第4の配線層との間に形成された第2の誘電体基板(第3の配線層)の構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態3に係る多層配線基板の第2の誘電体基板と第3の誘電体基板との間に形成された第4の配線層(第2のGND層)の構成を示す平面図である。 この発明の実施の形態3に係る多層配線基板の第3の誘電体基板の下面に形成された第5の配線層の構成を示す平面図である。 図12に示す信号配線の信号伝送方向に沿った多層配線基板の概略的な構成を示す断面図である。 この発明の実施の形態3における第2の配線層の第1の変形例を示す平面図である。 この発明の実施の形態3における第2の配線層の第2の変形例を示す平面図である。 この発明の実施の形態3における第2の配線層の第3の変形例を示す平面図である。 この発明の実施の形態3に係る多層配線基板の特性と従来の多層配線基板の特性とを比較する図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明するが、各図において同一又は相当する部分については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
図1〜6はこの発明の実施の形態1に係る多層回路基板1の各配線層の高周波伝送線路同士を接続する接続線路近傍の構成を示している。
多層回路基板1は、3GHzから30GHzまでのマイクロ波や、30GHzから300GHzまでのミリ波の信号処理を行う電子機器に使用するものである。この多層回路基板1は、図1〜6に示すように、樹脂、セラミック、アルミナ(酸化アルミニウム)等の複数の誘電体基板11に形成された複数の配線層から構成されている。この配線層には、銅、金、その他の金属の導電パターンによって高周波伝送線路である信号配線12及び接地導体であるGNDパターン13が形成されている。以下では、積層された多層回路基板1の一部である3層の誘電体基板11(第1〜第3の誘電体基板11a〜11c)に形成された配線層を例に採って、実施の形態1の多層回路基板1について説明する。
また、図1〜6に示す多層回路基板1において、各配線層に形成された導電パターン同士を各配線層に垂直な方向に接続する接続線路は、各配線層を貫通する貫通導体である導電性ビア14で構成されている。なお、導電性ビア14は、内部が全て導体で充填されたものでもよいし、内表面が導体で覆われたものでもよい。
図1に示すように、第1の誘電体基板11aの上面に形成された第1の配線層には、マイクロ波又はミリ波の高周波信号を伝送する高周波伝送線路である信号配線12が形成されている。この信号配線12は、第1の誘電体基板11aの上面における図示しない特定位置(例えば多層回路基板1に実装される半導体集積回路チップの端子の接続位置)から導電性ビア14のパッド部分141まで延在する特定の導体幅Wの導体パターンで構成されている。
同様に、図5に示すように、第3の誘電体基板11cの下面に形成された第5の配線層には、マイクロ波又はミリ波の高周波信号を伝送する高周波伝送線路である信号配線12が形成されている。この信号配線12は、第3の誘電体基板11cの下面における図示しない特定位置(例えば多層回路基板1に実装される半導体集積回路チップの端子の接続位置)から導電性ビア14のパッド部分141まで延在する特定の導体幅Wの導電パターンで構成されている。
また、図2に示すように、第1の誘電体基板11aの下面に形成された第2の配線層(第1のGND層)には、接地導体であるGNDパターン13が形成されている。
同様に、図4に示すように、第3の誘電体基板11cの上面に形成された第4の配線層(第2のGND層)には、接地導体であるGNDパターン13が形成されている。
すなわち、第1,3の誘電体基板11a,11cをそれぞれ挟んで形成される信号配線12及びGNDパターン13は、特定のインピーダンスを有するマイクロストリップ線路を形成している。なお、マイクロストリップ線路が有する特定のインピーダンスは、信号配線12の導体幅W、第1,3の誘電体基板11a,11cの厚みT2及び誘電率によって定まる。
また、マイクロストリップ線路を構成する信号配線12は、図1〜6に示すように、他の配線層(図示せず)の信号配線12又は入出力端子に接続される。そのため、信号配線12は、第1,3の誘電体基板11a,11c、第2,4の配線層に挟まれた第3の配線層である第2の誘電体基板11b等を貫通する導電性ビア14と導通するように設けられた両端のパッド部分141に接続されている。
また、第2,4の配線層のGNDパターン13は、図2,4に示すように、少なくとも2個の接地された導電性ビア(以下、GNDビアとも称する)15によって電気的に接続されている。したがって、各GNDビア15同士もGNDパターン13によって相互に電気的に接続されている。そして、導電性ビア14を内導体とし、GNDビア15を外導体として、その間にある誘電体基板11の誘電体により、導電性ビア14とGNDビア15とが相互に絶縁される。これにより、導電性ビア14及びGNDビア15は、各配線層に垂直な方向の疑似同軸型の接続線路を構成する。
また、第2の配線層には、図2に示すように、導電性ビア14がGNDパターン13と非接触の状態で第2の配線層を貫通するように、クリアランス領域(第1,2のクリアランス領域)161,162からなるクリアランス16が形成されている。一般的に、クリアランス16とは、GNDビア15と電気的に接続されているGNDパターン13と、導電性ビア14とを絶縁するための円形に構成された誘電体である。また、クリアランス領域161,162とは、導電性ビア14が貫通している誘電体基板11で構成される配線層の層面に平行な面上で、GNDパターン13で囲まれた領域、すなわち誘電体領域のことを指す。
同様に、第4の配線層には、図4に示すように、導電性ビア14がGNDパターン13と非接触の状態で第4の配線層を貫通するように、クリアランス領域(第1,2のクリアランス領域)161,162からなるクリアランス16が形成されている。
また、第3の配線層である第2の誘電体基板11bには、図3に示すように、導電性ビア14がGNDビア15と非接触の状態で第3の配線層である第2の誘電体基板11bを貫通するように、クリアランス領域163からなるクリアランス16が形成されている。
次に、クリアランス領域161,162の形状を確定するための線である領域確定線について説明する。
領域確定線は、図2〜4に示すように、信号配線12の延在方向に垂直かつGNDパターン13の形成されている基板面上の直線であり、導電性ビア14の中心Pを通過する位置にある線B−B’である。図2〜4に示す領域確定線は、導電性ビア14及びGNDビア15を二分するように設定されている。そして、クリアランス領域161は、線B−B’に対して隣接する配線層の信号配線12が形成されている側の領域に位置し、クリアランス領域162は、線B−B’に対して隣接する配線層の信号配線12が形成されていない側の領域に位置している。
次に、本発明に係るクリアランス領域161,162の設定の詳細について、図2に従って説明する。
まず、クリアランス領域162の面積は、クリアランス領域161の面積よりも大きくなるように設定される。ここで、導電性ビア14を半径R2とすると、クリアランス領域161はその半径R0で示された線B−B’までの領域内部を指し、クリアランス領域162は導電性ビア14を中心とする同心円の半径R3で示された線B−B’までの領域内部を指す。また、半径R0にあたるクリアランス領域161は、必ず信号配線12の直下の領域を含むものとして設定される。一方、半径R3にあたるクリアランス領域162は、必ず信号配線12の直下の領域を含まないものとする。例えば、図8〜10に示すクリアランス領域161,162の変形例では、前述の半径R0,R3にあたるクリアランス領域161,162の制約を満たしている範囲の任意形状で本発明の効果を得られる。
次に、クリアランス領域161の半径R0の設定について、図2に従って説明する。
クリアランス領域161の半径R0は、接地導体から絶縁するため、必然的に導電性ビア14の半径R2より大きくなければならない。また、GNDビア15の位置はGNDパターン13を導通させなければならないことから、半径R0の円に接する位置又は外側に位置する必要がある。加えて、一般的に導電性ビア14両端には半径R1のパッド部分141が設けられ、GNDビア15両端にも半径R4のパッド部分151が設けられている。したがって、半径R0は、導電性ビア14、GNDパターン13及びGNDビア15が分離して接地される構成を実現可能な半径として設定される。また、図2における線B−B’で二分されるクリアランス領域161は、信号配線12及びGNDパターン13を有するマイクロストリップ線路と、導電性ビア14及びGNDビア15を有する疑似同軸型の接続線路との間で、インピーダンスを整合するためのインピーダンス調整部を構成する。以上から、導電性ビア14の中心からGNDビア15の中心までの間隔をdとすると、半径R0の取るべき値及び関係性はR2<R1<R0<d−R4<d−R5<R3となる。
次に、本発明に係るクリアランス領域162の半径R3の設定について、図2,6に従って説明する。
クリアランス領域162の半径R3は、領域確定線B−B’の信号配線12が形成されていない側における導電性ビア14とGNDパターン13との最短距離である。
ここで、従来技術として多く用いられているクリアランス領域(クリアランス領域161を線B−B’で二分せず、クリアランス領域162が存在しない場合)を考えてみる。もし上記クリアランス領域の半径R0が第2の誘電体基板11bの厚みT0と同等あるいは小さく設定されていた場合、導電性ビア14とGNDパターン13との間で電気的結合が起こり、GNDパターン13間で電位差が生じる。その結果、GNDパターン13間に不要伝搬モードの原因である平行平板モードの電界が発生し、その層間を特定の周波数帯の電磁波が伝搬していくことになる。
したがって、半径R3を半径R0よりも大きく、かつGNDパターン13間の層間距離(層間厚さ)T0よりも大きく設定する。これにより、導電性ビア14とGNDパターン13との間で発生する電気的結合を抑制し、その層間への伝送エネルギー漏洩を大幅に改善することができる。これは、高周波数帯において不要伝搬が顕著な周波数というのは、層間厚さT0がその周波数帯のおおよそ{1/(2n)}波長にあたるためである。なお、nは正の整数である。したがって、試行錯誤の反復を要することなく、周波数及び層間厚さT0に応じて半径R3を決定することができる。
以上より、第2の配線層におけるクリアランス領域162によって、線B−B’で分かれた信号配線12が形成されていない領域に対する高周波信号の信号伝送時のエネルギー漏洩を改善することが可能になる。
また、GNDビア15の位置は、クリアランス領域161,162の形状に従って設定する必要がある。すなわち、本効果を得るためには、概ね導電性ビア14から距離を取らず、かつ領域確定線B−B’付近のGNDパターン13に配置することを推奨する。
次に、第4の配線層における、本発明に係るクリアランス領域161,162の設定の詳細について、図4,6に従って説明する。
前提として、ここで説明するクリアランス領域161,162は、図2で説明したクリアランス領域161,162と線B−B’を境界に対称関係にある。また、クリアランス領域162の面積は、クリアランス領域161の面積よりも大きくなるように設定される。また、図4における線B−B’で二分されるクリアランス領域161は、信号配線12及びGNDパターン13を有するマイクロストリップ線路と、導電性ビア14及びGNDビア15を有する疑似同軸型の接続線路との間で、インピーダンスを整合するためのインピーダンス調整部を構成する。第2の配線層におけるクリアランス領域162と同様に、第4の配線層においても、クリアランス領域162によって線B−B’で分かれた信号配線12が形成されていない領域の層間に対する高周波信号の信号伝送時のエネルギー漏洩を改善することが可能になる。
このように、領域確定線B−B’を基準に、信号配線12が形成されている側のクリアランス領域161の半径R0は、信号配線12のインピーダンスに基づき決定される。また、信号配線12が形成されていない側のクリアランス領域162の半径R3は、クリアランス領域161の半径R0より大きくなるような形状に設定される。特に、クリアランス領域162の半径R3を層間厚さT0に応じて設定することで、試行錯誤を繰り返すことなく、伝送エネルギー漏洩を抑制することが可能になる。また、本実施の形態のように、クリアランス領域161,162を信号配線12が多層にわたって接続される前後のGNDパターン13に対し対称的に設定することで、概ね全方向の層間に対して発生する不要伝搬モードを抑制する効果を得られる。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。この具体例において、多層回路基板1は、2つのGNDパターン13の両側に信号配線12を形成し、GNDパターン13間に比誘電率4.7のFR−4誘電体が構成されているものとする。なお、純粋な伝送エネルギー漏洩量を計算するために、誘電損及び導体損はいずれも無視して検討を行った。以下、図1〜6を参照しながら、多層回路基板1の具体例を説明する。
図6に示す第1,3の誘電体基板11a,11cの厚さT2は164μmであり、第2の誘電体基板11bの厚さT0は700μmである。各配線層のGNDパターン13の厚さT1は18μmである。図1に示す第1の配線層の信号配線12の導体幅Wは300μmである。導電性ビア14の半径R2は240μmである。GNDビア15は2箇所形成し、領域確定線B−B’上にそれぞれ導電性ビア14の中心から500μm離れた位置にある。GNDビア15の半径R5は100μmとする。
図2の線B−B’から左側、すなわち図1の第1の配線層の信号配線12が形成されている側のクリアランス領域161は、導電性ビア14を中心とする半径R0の半円領域で構成されている。ここでは、R2(240μm)<R0≦500μmとして条件が設定されるため、クリアランス領域161は、半径400μmの半円で構成した。
一方、図2の線B−B’から右側、すなわち図1の第1の配線層の信号配線12が形成されていない側のクリアランス領域162は、導電性ビア14を中心とする半径R3の半円領域で構成されている。ここでは、GNDパターン13間の間隔、すなわち第2の誘電体基板11bの厚さT0が700μmであるため、半径R3はそれよりも大きくなるように設定する。特に、導電性ビア14の半径R2=240μmであることに注意して、R3−R2>T0を満たすようR3=1240μmとして設定する。当然、クリアランス領域162の面積は、クリアランス領域161の面積よりも大きいことになる。図3〜5の各パラメータも上記と同様に設定した。
図7は、実施の形態1に係る多層回路基板1の具体例の特性と、従来の多層回路基板1の特性を比較する図である。図7において、横軸は高周波信号の周波数(GHz)であり、縦軸は信号配線12の信号入出力端における伝送特性を示す「合計出力電力/入力電力(=|S11|2+|S21|2)」である。図7において、太線で示す特性(DATA1)が本発明に係る多層回路基板1の具体例の特性を示し、細線で示す特性(DATA2)が従来の多層回路基板1の特性を示している。
本来、伝送特性を示す合計出力電力/入力電力が1になることが理想的であり、伝送エネルギー損失がない状態である。しかしながら、図7から明らかなように、従来例の場合には、伝送特性が約40GHzで顕著に落ち込んでいる。この原因は、第2の誘電体基板11b内波長=c(光速≒3.0×108)/40GHz/√ε(第2の誘電体基板11bの誘電率4.7)≒3450μmから、4分の1波長が865μmと求まり、それが概ね第2の誘電体基板11bの厚さT0と一致していることが挙げられる。すなわち、第2の誘電体基板11bを挟む各GNDパターン13を平行平板とした伝搬モードで伝送エネルギーが漏洩したといえる。
一方で、本発明に係る多層回路基板1の場合には、クリアランス領域162の半径R3により上記の平行平板モードの発生が抑制され、40GHz帯の伝送特性の落ち込みを大幅に改善していることがわかる。
図8〜10は、図2に示した第2の配線層の第1〜3の変形例を示す図である。いずれの変形例においても、信号配線12、GNDパターン13、導電性ビア14の配置は図1〜6に示したものと同様である。また、図1〜6と同様に、いずれの変形例においても、導電性ビア14の中心をPとして∠BPB’=θによって決定される各領域確定線B−P−B’で二分された信号配線12を含む領域をクリアランス領域161、信号配線12を含まない領域をクリアランス領域162とする。また、いずれの変形例においてもGNDビア15の位置は、クリアランス領域161,162の形状に従って設定する必要がある。ここでは一例として、GNDビア15を領域確定線B−P−B’付近に2つ配置した場合を示す。
図8の第1の変形例は、領域確定線B−P−B’において、θ≦180°とした場合を示している。
信号配線12が形成されている側のクリアランス領域161は、図2の場合と同じく、導電性ビア14を中心とした半径R0の同心円の内部領域であり、領域確定線B−P−B’に対して図8の左側の領域で構成された領域である。したがって、信号配線12が形成されていない側のクリアランス領域162は、導電性ビア14を中心とする半径R3の同心円の内部領域のうち、領域確定線B−P−B’に対して図8の右側の領域で構成される。本発明による不要伝搬の抑制効果は、クリアランス領域162の半径R3が及ぶ範囲に適用される。したがって、この変形例の場合は、角θ方向に対する導電性ビア14とGNDパターン13の電気的結合が抑制され、同方向への不要伝搬が抑制される効果が得られる。以上より、実施の形態1に関しては、角θ=180°とした実施例であるといえる。
図9の第2の変形例は、領域確定線B−P−B’において、θ≧180°とした場合を示している。
信号配線12が形成されている側のクリアランス領域161は、図2の場合と同じく、導電性ビア14を中心とした半径R0の同心円の内部領域であり、領域確定線B−P−B’に対して図9の左側の領域で構成された領域である。したがって、信号配線12が形成されていない側のクリアランス領域162は、導電性ビア14を中心とする半径R3の同心円の内部領域のうち、領域確定線B−P−B’に対して図9の右側の領域で構成される。本発明による不要伝搬の抑制効果は、クリアランス領域162の半径R3が及ぶ範囲に適用される。したがって、この変形例の場合は、角θ方向に対する導電性ビア14とGNDパターン13の電気的結合が抑制され、同方向への不要伝搬が抑制される効果が得られる。
図10の第3の変形例は、θ=180°の設定例である図2の領域確定線B−B’を、中心Pを軸にφだけ回転させた領域確定線C−P−C’によって決定されるクリアランス領域161,162を有する場合を示している。
信号配線12が形成されている側のクリアランス領域161は、図2の場合と同じく、導電性ビア14を中心とした半径R0の同心円の内部領域であり、領域確定線C−P−C’に対して図10の左側の領域で構成された領域である。したがって、信号配線12が形成されていない側のクリアランス領域162は、導電性ビア14を中心とする半径R3の同心円の内部領域のうち、領域確定線C―P―C’に対して図10の右側の領域で構成される。本発明による不要伝搬の抑制効果は、クリアランス領域162の半径R3が及ぶ範囲に適用される。したがって、この変形例の場合は、角θ方向に対する導電性ビア14とGNDパターン13の電気的結合が抑制され、同方向への不要伝搬が抑制される効果が得られる。以上より、実施の形態1に関しては、角θ=180°かつφ=0°とした実施例であるといえる。
以上のように、この実施の形態1によれば、GND層に、隣接する配線層の信号配線12が形成されている側の領域に設けたクリアランス領域161と、隣接する配線層の信号配線12が形成されていない側の領域に設け、クリアランス領域161と異なる面積のクリアランス領域162とからなるクリアランス16を設けるように構成したので、接続線路によって信号が多層にわたって切替えされるときに生じるGND層間への不要な平行平板モードを抑制させることが可能となる。加えて、従来構成のような複数のGNDビアをクリアランス領域の周囲に配置する手法をとる必要がないため、基板の実装効率を上げることができ、従来の低コストの材料と製造方法が適用可能であるため、生産コストの上昇を抑えることが可能である。
実施の形態2.
以下では、積層された多層回路基板1の一部である2N+1層の誘電体基板11に形成された配線層を例に採って、実施の形態2の多層回路基板1について説明する。
図11はこの発明の実施の形態2に係る多層回路基板1の概略的な構成を示す断面図であり、信号配線12が第1層から第2N+1層まで接続される構成を例示している。なお、図11の断面は、図1の線A−A’に相当する部分断面図である。
実施の形態2では、信号配線12が導電性ビア14によって多層にわたり接続される構成において、クリアランス領域161,162を多層にわたり複数形成する。ここでは、第1の配線層を第1層とすると、各層は、第1層,第2N+1層は配線層とし、第2n層(n=1,2,3,4,・・・,N)はGND層とし、第2n−1層(n=2,3,4,・・・,N)は誘電体層として設定する。その他の構成は実施の形態1と同様である。
GND層間への伝送エネルギー漏洩は、信号配線12が形成される配線層の直下のGND層間(第2層−第4層間、第2N−2層−第2N層間)だけに発生するものではなく、その間に在るGND層間にも発生する。この場合、該当する層においてもクリアランス領域161,162を設定することで、不要伝搬を抑制する効果を得ることが可能である。
図1〜6で示された実施の形態1では、本発明に係るクリアランス領域161,162を形成するGND層が信号配線12に隣接する層にあたるため、領域確定線を基準に信号配線12が形成されていない側と形成されている側でクリアランス領域161,162の形成を確定可能であった。しかしながら、信号配線12に隣接する層以外のGND層に関しては、信号配線12が各々のGND層に対して垂直に貫通するのみであるため、領域確定線は定義されない。
そこで、図11に示すように、クリアランス領域161,162を多層にわたって複数形成する場合、信号配線12に隣接する層にあたるGND層(第2層及び第2N層)に形成されたクリアランス領域161,162を基準に、その間のGND層のクリアランス領域161,162の形成を確定する。図11は、第2層に形成されたクリアランス領域161,162を基準にして、各々のGND層に対してクリアランス領域161,162を導電性ビア14の中心を軸に点対称に配置した1例である。この実施の形態のクリアランス領域161,162から、複数のGND層間にわたって実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、上記の実施の形態1,2においては、第1の誘電体基板11aの両面に形成された信号配線12及びGNDパターン13を有するマイクロストリップ線路を例に採って、シングルエンドにおける異なる層の高周波伝送線路(信号配線12)、及び高周波伝送線路同士を接続する接続線路(導電性ビア14)について説明した。しかしながら、これに限るものではなく、他の変形例として高周波伝送線路を差動信号線路で構成してもよい。差動信号線路は、信号配線12が形成される誘電体基板11の面と同じ面に、信号配線12を平行な2本で形成する構成になっている。差動信号線路のインピーダンスは、信号配線12の導体幅、信号配線12とGND層との間隔、誘電体基板11の厚さ及び誘電率によって決定される。この変形例は、信号配線12が1本である実施の形態1を例にとると、それを信号配線12が2本に対して同様に適用すればよいと想像できる。
実施の形態3.
図12〜17はこの発明の実施の形態3に係る多層回路基板1の各配線層の差動方式における高周波伝送線路同士を接続する接続線路近傍の構成を示している。以下では、積層された多層回路基板1の一部である3層の誘電体基板11(第1〜第3の誘電体基板11a〜11c)に形成された配線層を例に採って、実施の形態3の多層回路基板1について説明する。
図12に示すように、第1の誘電体基板11aの上面に形成された第1の配線層には、マイクロ波又はミリ波の高周波信号を伝送する差動方式の高周波伝送線路である信号配線12が2本1組として対称に形成されている。この信号配線12は、第1の誘電体基板11aの上面における図示しない特定位置(例えば多層回路基板1に実装される半導体集積回路チップの端子の接続位置)から導電性ビア14のパッド部分141まで延在する特定の導体幅Wの導体パターンで構成されている。
同様に、図16に示すように、第3の誘電体基板11cの下面に形成された第5の配線層には、マイクロ波又はミリ波の高周波信号を伝送する差動方式の高周波伝送線路である信号配線12が2本1組として対称に形成されている。この信号配線12は、第3の誘電体基板11cの下面における図示しない特定位置(例えば多層回路基板1に実装される半導体集積回路チップの端子の接続位置)から導電性ビア14のパッド部分141まで延在する特定の導体幅Wの導電パターンで構成されている。
また、図13に示すように、第1の誘電体基板11aの下面に形成された第2の配線層(第1のGND層)には、接地導体であるGNDパターン13が形成されている。
同様に、図15に示すように、第3の誘電体基板11cの上面に形成された第4の配線層(第2のGND層)には、接地導体であるGNDパターン13が形成されている。
すなわち、第1,3の誘電体基板11a,11cをそれぞれ挟んで形成される信号配線12及びGNDパターン13は、特定のインピーダンスを有する差動方式のマイクロストリップ線路を形成している。なお、差動方式のマイクロストリップ線路が有する特定のインピーダンスは、同一配線層における隣接した信号配線12の間隔及び導体幅W、第1,3の誘電体基板11a,11cの厚みT2及び誘電率によって定まる。
また、差動方式のマイクロストリップ線路を構成する信号配線12は、図12〜16に示すように、他の配線層(図示せず)の信号配線12又は入出力端子に接続される。そのため、信号配線12は、第1,3の誘電体基板11a,11c、第2,4の配線層に挟まれた第3の配線層である第2の誘電体基板11b等を貫通する導電性ビア14と導通するように設けられた両端のパッド部分141に接続されている。
また、第2,4の配線層のGNDパターン13は、図13,15には図示していないが、少なくとも1個のGNDビア15によって電気的に接続される。したがって、複数のGNDビア15が設けられる場合には、各GNDビア15同士もGNDパターン13によって相互に電気的に接続される。
また、第2の配線層には、図13に示すように、導電性ビア14がGNDパターン13と非接触の状態で第2の配線層を貫通するように、クリアランス領域(第1,2のクリアランス領域)161,162からなるクリアランス16が形成されている。一般的に、差動方式におけるクリアランス16とは、GNDビア15と電気的に接続されているGNDパターン13と、2本の導電性ビア14とを一括に絶縁するために構成された誘電体である。その形状は様々であるが、一般的な現行の構造としては、図13に示すような第1クリアランス領域(点線含む)の長円形状を採用することが多い。また、この長円の中心は各導電性ビア14の中心と一致する。以上より、クリアランス領域161,162とは、導電性ビア14が貫通している誘電体基板11で構成される配線層の層面に平行な面上で、GNDパターン13で囲まれた領域、すなわち誘電体領域のことを指す。
同様に、第4の配線層には、図15に示すように、導電性ビア14がGNDパターン13と非接触の状態で第4の配線層を貫通するように、クリアランス領域(第1,2のクリアランス領域)161,162からなるクリアランス16が形成されている。
また、第3の配線層である第2の誘電体基板11bには、図14に示すように、導電性ビア14がGNDビア15(図示なし)と非接触の状態で第3の配線層である第2の誘電体基板11bを貫通するように、クリアランス領域163からなるクリアランス16が形成されている。
次に、差動方式の場合に用いるクリアランス領域161,162の形状を確定するための線である領域確定線について説明する。
領域確定線は、図13〜15に示すように、信号配線12の延在方向(線A−A’方向)に垂直かつGNDパターン13の形成されている基板面上の直線であり、導電性ビア14の各中心を通過する位置にある線B−B’である。つまり、図13〜15に示す領域確定線は、導電性ビア14を二分するように設定されている。そして、クリアランス領域161は、線B−B’に対して隣接する配線層の信号配線12が形成されている側の領域に位置し、クリアランス領域162は、線B−B’に対して隣接する配線層の信号配線12が形成されていない側の領域に位置する。
次に、本発明に係るクリアランス領域161,162の設定の詳細について、図13に従って説明する。
まず、差動方式の信号配線12の対称線(線A−A’)を境にして、クリアランス領域162における導電性ビア14の中心からGNDパターン13までの距離が、クリアランス領域161における導電性ビア14の中心からGNDパターン13までの距離よりも大きくなるように設定される(図13の例では、クリアランス領域162の面積が、クリアランス領域161の面積よりも大きく設定されている)。ここで、導電性ビア14を半径R2とすると、クリアランス領域161はその半径R6で示された半長円形の線B−B’までの領域内部を指し、クリアランス領域162は導電性ビア14を中心とする同心円の半径R7で示された線B−B’までの領域を含む領域内部を指す(図13の例では、線A−A’と線B−B’との交点を中心とする半円の領域内部をクリアランス領域162としている)。また、クリアランス領域161は、必ず信号配線12の直下の領域を含むものとして設定される。一方、クリアランス領域162は、必ず信号配線12の直下の領域を含まないものとする。この制約を満たしているならば、クリアランス領域162は任意の形状で本発明の効果を得られる。
次に、クリアランス領域161の半径R6の設定について、図13に従って説明する。
クリアランス領域161の半径R6は、接地導体から絶縁するため、必然的に導電性ビア14の半径R2より大きくなければならない。また、もし導電性ビア14の周囲にGNDビア15を配置するならば、その位置はGNDパターン13を導通させなければならないことから、半径R6の長円に接する位置又は外側になる必要がある。加えて、一般的に導電性ビア14両端には半径R1のパッド部分141が設けられ、GNDビア15両端にも半径R4のパッド部分151が設けられている。したがって、半径R6は、導電性ビア14、GNDパターン13及びGNDビア15が分離して接地される構成を実現可能な半径として設定される。また、図13における線B−B’で二分されるクリアランス領域161は、信号配線12及びGNDパターン13を有するマイクロストリップ線路の差動方式のインピーダンス調整部を構成する。以上から、クリアランス領域161の半径R6の取るべき値及び関係性はR2<R1<R6となる。
次に、本発明に係るクリアランス領域162の半径R7の設定について、図13,17に従って説明する。
クリアランス領域162の半径R7は、導電性ビア14の中心とGNDパターン13との最短距離である。
ここで、現行技術として多く用いられている長円形のクリアランス領域(クリアランス領域161を線B−B’で二分せず、クリアランス領域162が存在しない場合)を考えてみる。もし上記クリアランス領域の半径R6が第2の誘電体基板11bの厚みT0と同等あるいは小さく設定されていた場合、導電性ビア14とGNDパターン13との間で電気的結合が起こり、GNDパターン13間で電位差が生じる。その結果、隣接するGNDパターン13間に不要伝搬モードの原因である平行平板モードの電界が発生し、その層間を特定の周波数帯の電磁波が伝搬していくことになる。
したがって、半径R7を半径R6よりも大きく、かつGNDパターン13間の層間距離(層間厚さ)T0よりも大きく設定する。これにより、導電性ビア14とGNDパターン13との間で発生する電気的結合を抑制し、その層間への伝送エネルギー漏洩を大幅に改善することができる。これは、高周波数帯において不要伝搬が顕著な周波数というのは、層間厚さT0がその周波数帯のおおよそ{1/(2n)}波長にあたるためである。なお、nは正の整数である。したがって、試行錯誤の反復を要することなく、周波数及び層間厚さT0に応じて半径R7を決定することができる。
以上より、第2の配線層におけるクリアランス領域162によって、線B−B’で分かれた信号配線12が形成されていない領域に対する高周波差動信号の信号伝送時のエネルギー漏洩を改善することが可能になる。
また、GNDビア15を配置するならば、その位置はクリアランス領域161,162の形状に従って設定する必要がある。すなわち、本効果を得るためには、概ね導電性ビア14から距離を取らず、かつ領域確定線B−B’付近のGNDパターン13に配置することを推奨する。
次に、第4の配線層における、本発明に係るクリアランス領域161,162の設定の詳細について、図15,17に従って説明する。
前提として、ここで説明するクリアランス領域161,162は、図13で説明したクリアランス領域161,162と線B−B’を境界に対称関係にある。また、差動方式の信号配線12の対称線(線A−A’)を境にして、クリアランス領域162における導電性ビア14の中心からGNDパターン13までの距離が、クリアランス領域161における導電性ビア14の中心からGNDパターン13までの距離よりも大きくなるように設定される(図15の例では、クリアランス領域162の面積が、クリアランス領域161の面積よりも大きく設定されている)。また、図15における線B−B’で二分されるクリアランス領域161は、信号配線12及びGNDパターン13を有するマイクロストリップ線路の差動方式のインピーダンス調整部を構成する。第2の配線層におけるクリアランス領域162と同様に、第4の配線層においても、クリアランス領域162によって線B−B’で分かれた信号配線12が形成されていない領域の層間に対する高周波差動信号の信号伝送時のエネルギー漏洩を改善することが可能になる。
このように、領域確定線B−B’を基準に、差動方式の信号配線12が形成されている側のクリアランス領域161の半径R6は、信号配線12のインピーダンスに基づき決定される。また、信号配線12が形成されていない側のクリアランス領域162の半径R7は、クリアランス領域161の半径R6より大きくなるような形状に設定される。特に、クリアランス領域162の半径R7を層間厚さT0に応じて設定することで、試行錯誤を繰り返すことなく、伝送エネルギー漏洩を抑制することが可能になる。また、本実施の形態のように、クリアランス領域161,162を差動方式の信号配線12が多層にわたって接続される前後のGNDパターン13に対し対称的に設定することで、概ね全方向の層間に対して発生する不要伝搬モードを抑制する効果を得られる。
図18〜20は、図13に示した第2の配線層の第1〜3の変形例を示す図である。いずれの変形例においても、信号配線12、GNDパターン13、導電性ビア14の配置は図12〜17に示したものと同様である。
図18〜20は、いずれの変形例においても、差動方式の信号配線12の対称線(線A−A’)を境に対称的な構造を形成する。また、信号配線12のそれぞれの導電性ビア14の中心をQ,Rとする。図18,19は、それぞれの導電性ビア14に対し、∠DQD’=∠DRD’=ψによって決定される各領域確定線D−Q−D’,D−R−D’でそれぞれ区切られたクリアランス16に関して、信号配線12を含む領域をクリアランス領域161、信号配線12を含まない領域をクリアランス領域162とする。角ψは任意の値である。また、いずれの変形例においてもGNDビア15を配置する場合は、クリアランス領域161,162の形状に従って設定する必要がある(図20参照)。図18,19ではGNDビア15を配置していない場合の例として示す。
図18の第1の変形例は、2つの導電性ビア14が1つのクリアランス16によってGNDパターン13と絶縁されている場合において、角ψによって決定される各領域確定線D−Q−D’,D−R−D’によってクリアランス16が区切られている場合を示した一例である。
信号配線12が形成されている側のクリアランス領域161は、導電性ビア14を中心とした半径R6の長円の内部領域であり、領域確定線D−Q−D’,D−R−D’に対して図18の内側の領域で構成された領域である。したがって、信号配線12が形成されていない側のクリアランス領域162は、導電性ビア14を中心とする半径R7の同心円の内部領域のうち、領域確定線D−Q−D’,D−R−D’に対して図18の外側の領域で構成される。この変形例による不要伝搬の抑制効果は、クリアランス領域162の半径R7が及ぶ範囲に適用される。したがって、この変形例の場合は、角ψが及ぶ方向に対する導電性ビア14とGNDパターン13の電気的結合が抑制され、同方向への不要伝搬が抑制される効果が得られる。
図19の第2の変形例は、2つの導電性ビア14が2つのクリアランス16によってGNDパターン13と絶縁されている場合において、角ψによって決定される各領域確定線D−Q−D’,D−R−D’によって各クリアランス16が区切られている場合を示した一例である。
信号配線12が形成されている側のクリアランス領域161は、図2のシングルエンド方式の場合のように、それぞれの導電性ビア14を中心として半径R6の同心円の内部領域であり、領域確定線D−Q−D’,D−R−D’に対して図19の内側の領域で構成された領域である。したがって、信号配線12が形成されていない側のクリアランス領域162は、それぞれの導電性ビア14を中心とする半径R7の同心円の内部領域のうち、領域確定線D−Q−D’,D−R−D’に対して図19の外側の領域で構成される。この変形例による不要伝搬の抑制効果は、クリアランス領域162の半径R7が及ぶ範囲に適用される。したがって、この変形例の場合は、角ψが及ぶ方向に対する導電性ビア14とGNDパターン13の電気的結合が抑制され、同方向への不要伝搬が抑制される効果が得られる。
図20の第3の変形例は、図2のシングルエンド方式の場合に用いるクリアランス領域161,162を、差動方式の信号配線12に接続されたそれぞれの導電性ビア14に適用した場合を示している。ここでは、導電性ビア14において、隣り合っている配線間は十分に距離を取っており、お互いの電気的な結合はなく、それぞれの層切替えはシングルエンド方式で行うものとしている。したがって、差動方式の信号配線12の対称線(線A−A’)に対して、それぞれの導電性ビア14におけるクリアランス16はシングルエンド方式として対称的に形成される。
信号配線12が形成されている側のクリアランス領域161は、領域確定線C−Q−C’,C−R−C’によって決定され、図2の場合と同じく、導電性ビア14を中心とした半径R0の同心円の内部領域である。したがって、信号配線12が形成されていない側のクリアランス領域162は、導電性ビア14を中心とする半径R3の同心円の内部領域のうち、領域確定線C−Q−C’,C−R−C’に対してクリアランス領域161以外の領域で構成される。この変形例による不要伝搬の抑制効果は、クリアランス領域162の半径R3が及ぶ範囲に適用される。したがって、この変形例の場合は、角θが及ぶ方向に対する導電性ビア14とGNDパターン13の電気的結合が抑制され、同方向への不要伝搬が抑制される効果が得られる。以上より、この変形例に関しては、角θ=180°とした実施例であるといえる。
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。この具体例において、多層回路基板1は、2つのGNDパターン13の両側に信号配線12を形成し、GNDパターン13間に比誘電率4.7のFR−4誘電体が構成されているものとする。なお、純粋な伝送エネルギー漏洩量を計算するために、誘電損及び導体損はいずれも無視して検討を行った。以下、図12〜18を参照しながら、多層回路基板1の具体例を説明する。
図17に示す第1,3の誘電体基板11a,11cの厚さT2は164μmであり、第2の誘電体基板11bの厚さT0は800μmである。各配線層のGNDパターン13の厚さT1は18μmである。第1の配線層の信号配線12の導体幅Wは220μmである。導電性ビア14の半径R2は100μmである。GNDビア15は導電性ビア14の周囲に2箇所配置し、領域確定線B−B’上に位置している。GNDビア15の半径R5は100μmとする。
図18を参考に、第1の配線層の信号配線12が形成されている側のGNDパターン13に形成されたクリアランス領域161は、各領域確定線D−Q−D’,D−R−D’に対して導電性ビア14を中心とする半径R6の長円の内部領域で構成させる。角ψは90°として設定し、領域確定線D−Q,D−Rは線B−B’と一致させた。ここでは、R2(100μm)<R6として条件が設定されるため、クリアランス領域161は、半径500μmの長円として構成している。
一方、第1の配線層の信号配線12が形成されていない側のGNDパターン13に形成されたクリアランス領域162は、各領域確定線D−Q−D’,D−R−D’に対して導電性ビア14を中心とする半径R7の同心円の内部領域で構成されている。ここでは、GNDパターン13間の間隔、すなわち第2の誘電体基板11bの厚さT0が800μmであるため、半径R7はそれよりも大きくなるように設定する。特に、導電性ビア14の半径R2=100μmであることに注意して、R7=1200μmとして設定した。
図21は、実施の形態3に係る多層回路基板1の具体例の特性と、従来の多層回路基板1の特性を比較する図である。図21において、横軸は高周波信号の周波数(GHz)であり、縦軸は信号配線12の信号入出力端における伝送特性を示す「合計出力電力/入力電力(=|S11|+|S21|)」である。図21では、太線で示す特性(DATA3)が本発明に係る多層回路基板1の具体例の特性を示し、細線で示す特性(DATA4)が従来の多層回路基板1の特性を示している。
本来、伝送特性を示す合計出力電力/入力電力が1になることが理想的であり、伝送エネルギー損失がない状態である。しかしながら、図21から明らかなように、従来例の場合には、伝送特性が40GHz〜60GHzで大きく落ち込んでいる。この原因は、シングルエンド方式の実施の形態1の場合と同様に、第2の誘電体基板11bの厚さT0を挟む各GNDパターン13を平行平板とした伝搬モードが発生しているからである。
一方で、本発明に係る多層回路基板1の場合には、クリアランス領域162の半径R7により上記の平行平板モードの発生が抑制され、40GHz〜60GHzの伝送特性の落ち込みを大幅に改善していることがわかる。
以上のように、この実施の形態3によれば、GND層に、隣接する配線層の信号配線12が形成されている側の領域に設けたクリアランス領域161と、隣接する配線層の信号配線12が形成されていない側の領域に設けたクリアランス領域162とからなるクリアランス16を設け、差動方式の信号配線12の対称線を境にして、クリアランス領域162における導電性ビア14の中心からGNDパターン13までの距離が、クリアランス領域161における導電性ビア14の中心からGNDパターン13までの距離よりも大きくなるように構成したので、接続線路によって信号が多層にわたって切替えされるときに生じるGND層間への不要な平行平板モードを差動方式においても抑制することが可能になる。加えて、従来構成として考えられる、複数のGNDビアをクリアランス領域の周囲に配置する手法をとる必要もないため、基板の実装効率を上げることができ、従来の低コストの材料と製造方法が適用可能であるため、生産コストの上昇を抑えることが可能である。
実施の形態4.
以下では、図11で示した積層された多層回路基板1の一部である2N+1層の誘電体基板11に形成された配線層を例に採って、実施の形態4の多層回路基板1について説明する。以下では、実施の形態2で用いた図11を、差動方式の信号配線12が第1層から第2N+1層まで接続される構成を例示しているものとして考える。
実施の形態4では、差動方式の信号配線12が導電性ビア14によって多層にわたり接続される構成において、クリアランス領域161,162を多層にわたり複数形成する。ここでは、第1の配線層を第1層とすると、各層は、第1層,第2N+1層は配線層とし、第2n層(n=1,2,3,4,・・・,N)はGND層とし、第2n−1層(n=2,3,4,・・・,N)は誘電体層として設定する。その他の構成は実施の形態3と同様である。
GND層間への伝送エネルギー漏洩は、信号配線12が形成される配線層の直下のGND層間(第2層−第4層間、第2N−2層−第2N層間)だけに発生するものではなく、当然その間に在るGND層間にも発生する。この場合、該当する層においてもクリアランス領域161,162を設定することで、不要伝搬を抑制する効果を得ることが可能である。
図12〜17で示された実施の形態3では、本発明に係るクリアランス領域161,162を形成するGND層が信号配線12に隣接する層にあたるため、領域確定線を基準に信号配線12が形成されていない側と形成されている側でクリアランス領域161,162の形成を確定可能であった。しかしながら、信号配線12に隣接する層以外のGND層に関しては、信号配線12がGNDビア15に接続され各々のGND層に対して垂直に貫通するのみであるため、領域確定線は定義されないことになる。
そこで、実施の形態2の場合と同様に、図11より、クリアランス領域161,162を多層にわたって複数形成する場合、信号配線12に隣接する層にあたるGND層(第2層及び第2N層)に形成されたクリアランス領域161,162を基準に、その間のGND層のクリアランス領域161,162の形成を確定する。図11は、第2層に形成されたクリアランス領域161,162を基準にして、各々のGND層に対してクリアランス領域161,162を導電性ビア14の中心を軸に点対称に配置した1例である。この実施の形態のクリアランス領域161,162から、複数のGND層間にわたって実施の形態3と同様の効果が得られる。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 多層配線基板、11 誘電体基板、12 信号配線、13 GNDパターン、14 導電性ビア、15 導電性ビア(GNDビア)、16 クリアランス、141,151 パッド部分、161〜163 クリアランス領域。

Claims (8)

  1. 信号配線が形成された配線層、及び当該配線層間に複数設けられ、接地導体が形成されたGND層により構成された多層回路基板において、
    前記GND層に対して貫通して設けられ、異なる前記配線層に形成された前記信号配線同士を接続する接続線路と、
    前記GND層に設けられ、前記接地導体と前記接続線路とを絶縁するクリアランスとを備え、
    前記クリアランスは、
    隣接する前記配線層の信号配線が形成されている側の領域に設けられた第1のクリアランス領域と、
    隣接する前記配線層の信号配線が形成されていない側の領域に設けられ、前記第1のクリアランス領域と異なる面積の第2のクリアランス領域とを備え
    前記第1および第2のクリアランス領域は、前記接続線路を中心とした扇状に形成され、
    前記第2のクリアランス領域の半径は、自身が設けられた前記GND層と隣接する前記GND層との間隔より大きい
    ことを特徴とする多層回路基板。
  2. 前記第2のクリアランス領域は、前記第1のクリアランス領域よりも面積が大きい
    ことを特徴とする請求項1記載の多層回路基板。
  3. 隣接する前記GND層に設けられた前記各クリアランスの位置関係は、前記接続線路を中心に点対称である
    ことを特徴とする請求項1記載の多層回路基板。
  4. 前記信号配線は、同一の前記配線層に2本設けられて差動信号配線を構成し、
    異なる前記配線層に形成された前記差動信号配線は、前記接続線路によって同一の前記クリアランスを介して接続された
    ことを特徴とする請求項1記載の多層回路基板。
  5. 差動信号配線を構成する2本の信号配線が対称に形成された配線層、及び当該配線層間に複数設けられ、接地導体が形成されたGND層により構成された多層回路基板において、
    前記GND層に対して貫通して設けられ、異なる前記配線層に形成された前記差動信号配線同士を接続する接続線路と、
    前記GND層に設けられ、前記接地導体と前記接続線路とを絶縁するクリアランスとを備え、
    前記クリアランスは、
    隣接する前記配線層の信号配線が形成されている側の領域に設けられた第1のクリアランス領域と、
    隣接する前記配線層の信号配線が形成されていない側の領域に設けられた第2のクリアランス領域とを備え、
    前記差動信号配線の対称線を境にして、前記第2のクリアランス領域における前記接続線路の中心から前記接地導体までの距離が、前記第1のクリアランス領域における前記接続線路の中心から前記接地導体までの距離よりも大きく、
    前記第2のクリアランス領域は、前記接続線路を中心とした扇状に形成され、
    前記第2のクリアランス領域の半径は、自身が設けられた前記GND層と隣接する前記GND層との間隔より大きい
    ことを特徴とする多層回路基板。
  6. 前記クリアランスは、前記差動信号配線の対称線を境に対称に構成された
    ことを特徴とする請求項記載の多層回路基板。
  7. 前記クリアランスは、前記差動信号配線を構成する2本の信号配線に対応して2つに分割して設けられた
    ことを特徴とする請求項記載の多層回路基板。
  8. 隣接する前記GND層に設けられた前記各クリアランスの位置関係は、前記接続線路を中心に点対称である
    ことを特徴とする請求項記載の多層回路基板。
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