JP6360663B2 - 仕上げ材 - Google Patents

Description

本発明は床材など仕上げ材に関する。

従来、転倒時のケガを防止するため緩衝層を設けた床材がある。
特開２０１１−１９０６７２号公報 特開２０００−２６５６５２号公報

しかしながら、塩化ビニルシート、化粧単板、オレフィンシートなどを表面材として用いた床材は、表面の硬度が柔らかく、キャスターを移動させた時など傷が付きやすいもしくは摩耗しへこんでしまうという問題があった。
また、塩化ビニルシートにクッション性を持たせるような表面材では部分的なヘコミのため車イス等の走行抵抗が大きく、移動負荷がかかるなどの問題があった。
一方、表面材として硬いものを用いるとクッション性が十分に得られないといった問題があった。

本発明は、メラミン樹脂含浸紙を表層に配して硬質繊維板などの基材と熱圧一体化された複合材と、緩衝材とを備えることを特徴とする仕上げ材である。

本発明の仕上げ材は転倒時のケガを防止することができ、良好な歩行感を有し、傷が付きにくく、緩衝材を備えているので衝撃吸収性に優れ、転倒してもケガをすることを緩和する。また施工方法は複合材を接着剤を用いずに緩衝材の上に置くので容易に施工でき、取替えも簡単である。また、緩衝材の厚み、アスカＣ硬度を適宜選択でき、Ｇ値は１００以下であることを特徴とし、好ましくはＧ値は８０以下である。Ｇ値は１００以下とは体育館の床にも適用されている。以下、図面に基づいて詳細に説明する。

図１は本発明の仕上げ材の構成断面図である。仕上げ材は上から順に、メラミン樹脂含浸耐摩耗パターン紙、硬質繊維板、メラミン樹脂含浸バランス紙、緩衝材とから構成されている。

メラミン樹脂含浸耐摩耗パターン紙は化粧板用の化粧紙に、メラミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどのアミノ化合物とホルムアルデヒドとの縮合物を主成分とする樹脂液を含浸し、乾燥したものが適用できる。

基材の例として、木質繊維板としては比重が０．６〜１．０のものが使用でき、例えば、中質繊維板（ＭＤＦ）、硬質繊維板（ＨＤＦ）等を好適に使用することができる。ここで、木質繊維板は、方向性がなく、また合板用の単板と異なり、裏割れがなく、平滑性に優れていることから好ましい。

メラミン樹脂含浸バランス紙は、化粧板用のバランス紙に前記同様の樹脂液を含浸し、乾燥したものが適用できる。

メラミン樹脂含浸パターン紙、木質繊維板、メラミン樹脂含浸バランス紙を積層し、温度１４０〜１９０℃、時間２０秒〜５分、圧力４〜５０ｋｇｆ／ｃｍ^２の条件で熱圧成形され、複合材が得られる。

複合材のメラミン樹脂含浸バランス紙の外側に接着剤を用いずに配置される緩衝材は合成樹脂又はエラストマーからなる発泡体、コルクシート軟質繊維板など軽量で弾力性のある材料であり、とりわけ防湿性、クッション性に優れる厚み５〜１５ｍｍ、アスカＣ硬度が１０〜３０オレフィン系フォームが好適である。厚みが下限未満であると緩衝効果が劣りやすくなる。

床材は６０ｋｇ荷重時の最大沈み込みが２ｍｍ以下とすることにより、歩行時の沈み込みが小さく歩行感が良く、好ましくは１．２mm以下とする。上限を超えると車イスの走行抵抗が増し歩行感が悪くなる。

複合材
８０ｇ／ｍ^２のパターン紙にメラミン樹脂を主成分とする樹脂液を含浸したメラミン樹脂含浸パターン紙と、比重が０．８、厚み８ｍｍのＭＤＦと、８０ｇ／ｍ^２のバランス紙にメラミン樹脂を主成分とする樹脂液を含浸したメラミン樹脂含浸バランス紙とを積層し、温度１８０℃、時間１分、圧力２０ｋｇｆ／ｃｍ^２の条件で熱圧成形し、複合材を得た。
床材
複合材のメラミン樹脂含浸バランス紙の下側に、緩衝材として厚み５ｍｍ、アスカＣ硬度が１０のポリエチレンフォームを、接着剤を用いずに配置して床材を得た。

実施例１において、厚み８ｍｍ、アスカＣ硬度が２０のポリエチレンフォームを用いた以外は同様に実施した。

実施例１において、厚み１０ｍｍ、アスカＣ硬度が１０のポリエチレンフォームを用いた以外は同様に実施した。

実施例１において、厚み８ｍｍ、アスカＣ硬度が３０のポリエチレンフォームを用いた以外は同様に実施した。

実施例１において、厚み１５ｍｍ、アスカＣ硬度が２０のポリエチレンフォームを用いた以外は同様に実施した。

比較例１
実施例１において、厚み５ｍｍのポリエチレンフォームの代わりに、厚み３ｍｍ、アスカＣ硬度が２０のポリエチレンフォームを用いた以外は同様に実施した。

比較例２
実施例１において、厚み５ｍｍのポリエチレンフォームの代わりに、厚み８ｍｍ、アスカＣ硬度が４５のポリエチレンフォームを用いた以外は同様に実施した。

比較例３
実施例４において、厚み８ｍｍのポリエチレンフォームの代わりに、厚み５ｍｍ、アスカＣ硬度が４５のポリエチレンフォームを用い、複合材の表層として厚み２．８ｍｍの耐摩耗性塩化ビニルシートを用いた以外は同様に実施した。

評価結果を表１に示す。

評価方法は以下の通りとした。
アスカＣ硬度；アスカー（高分子計器）Ｃ型、ＳＲＩＳ（日本ゴム協会規格）０１０１に準拠して測定した。
耐衝撃値Ｇ値；ＪＩＳ Ａ ６５１９により測定した。
最大沈み込み；下記図の圧締端子を用いて、平滑な台の上に接着剤を使用することなく緩衝材（６）と複合材（５）を置き、荷重（６０ｋｇ）を掛けた時の沈み込み量を長さとして計測した。

本発明の仕上げ材の構成断面図。 試験方法を示す斜視図。

１ メラミン樹脂含浸耐摩耗パターン紙
２ ＭＤＦ
３ メラミン樹脂含浸バランス紙
５ 複合材
６ 緩衝材
８ 仕上げ材

Claims (2)

1. メラミン樹脂含浸紙を表層に配して中質繊維板や硬質繊維板などの基材と熱圧一体
   化された複合材と、厚みが５〜１５ｍｍでアスカＣ硬度が１０〜３０である緩衝材とを備え、且つ接着剤を用いずに複合材が緩衝材の上に載置され、６０Ｋｇの荷重時の最大沈み込みが２ｍｍ以下であり、ＪＩＳＡ ６５１９に準拠するＧ値が１００以下であることを特徴とする仕上げ材。
2. 前記緩衝剤がオレフィン系フォームであることを特徴とする請求項１記載の仕上げ材。