JP6761989B2 - 化粧板 - Google Patents
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Description
例えば、下記特許文献1には、木質床板の下面に、粘弾性を有する制振材層と、硬質耐圧板と、緩衝材と、をこの順に積層一体化した防音床材が開示されている。
図1は、本実施形態に係る化粧板の一例を模式的に示す図である。
本実施形態に係る化粧板1は、図1に示すように、金属層10と、この金属層10の厚さ方向一方側(表面側)を被覆するように設けられた硬質の第1樹脂層11と、この第1樹脂層11の厚さ方向一方側(表面側)に積層された化粧単板13と、を備えている。また、化粧板1は、金属層10の厚さ方向他方側(裏面側、反化粧単板側)を被覆するように設けられた第2樹脂層12を備えている。
また、この化粧板1は、厚さ方向に見て、略方形状とされたものでもよく、例えば、一方向に長尺な略矩形平板状とされたものでもよい。この化粧板1を厚さ方向に見た形状は、当該化粧板1の用途等に応じて、略方形状に限られず、他の形状でもよい。
また、この化粧板1の厚さは、用途等に応じて適宜の厚さとしてもよく、例えば、床材として用いられる場合には、15mm以下としてもよく、好ましくは8mm以下としてもよい。
また、この化粧単板13の厚さT3は、0.1mm以上2.0mm以下が好ましい。この化粧単板13の厚さT3を小さくし過ぎれば、裂け易くなる傾向がある。一方、この化粧単板13の厚さT3を大きくし過ぎれば、化粧板1全体に対する化粧単板13の乾燥収縮等の影響が大きくなる傾向があり、化粧板1が反り易くなる傾向がある。
なお、この化粧単板13の表面には、ウレタンアクリレート等のクリアー塗料等が塗装されて透明または半透明のトップコート層(保護層)が設けられていてもよい。
この第1樹脂層11の厚さT1は、0.1mm以上5.0mm以下が好ましい。この第1樹脂層11の厚さT1を小さくし過ぎれば、表面硬度が低下する傾向がある。一方、この第1樹脂層11の厚さT1を大きくし過ぎれば、化粧板1自体の厚さが大となる傾向がある。
この第1樹脂層11の厚さT1と第2樹脂層12の厚さT2との比(第1樹脂層11の厚さT1:第2樹脂層12の厚さT2)は、1:3〜9:1としてもよく、好ましくは、1:1〜9:1としてもよい。この第1樹脂層11の厚さT1を第2樹脂層12の厚さT2に対して小さくし過ぎれば、金属層10が厚さ方向で化粧単板13側に片寄る傾向となり、化粧板1自体に反りが生じ易くなる傾向がある。一方、この第1樹脂層11の厚さT1を第2樹脂層12の厚さT2に対して大きくし過ぎれば、第2樹脂層12の厚さT2を確保するためには化粧板1自体の厚さが大となる傾向がある。
この金属層10の厚さは、0.2mm以上1.0mm以下が好ましい。この金属層10の厚さを小さくし過ぎれば、変形し易くなる傾向がある一方、この金属層10の厚さを大きくし過ぎれば、加工し難くなる傾向がある。
また、この金属層10は、本実施形態では、厚さ方向中心CL2が当該化粧板1の厚さ方向中心CL1よりも厚さ方向他方側となる裏面側となるように設けられている。つまり、この金属層10は、厚さ方向で化粧板1の裏面側に片寄るように設けられている。また、本実施形態では、当該化粧板1の厚さ方向中心CL1が金属層10内に位置する構成としている。なお、このような態様に代えて、金属層10の全体が当該化粧板1の厚さ方向中心CL1よりも裏面側に配されたものでもよい。
この第2樹脂層12の厚さT2は、0.1mm以上3.0mm以下が好ましい。この第2樹脂層12の厚さT2を小さくし過ぎれば、不陸追従性が低下したり、金属層10が露出し易くなったりする傾向がある。一方、この第2樹脂層12の厚さT2を大きくし過ぎれば、化粧板1全体に対する第2樹脂層12の熱膨張等の影響が大きくなる傾向があり、化粧板1が反り易くなる傾向がある。
また、当該化粧板1の側周面(四周の側面)に、金属層10の露出を抑制する観点等から上記同様の保護層が塗装等によって設けられていてもよい。
また、当該化粧板1の化粧単板13、第1樹脂層11、金属層10及び第2樹脂層12は、適宜の接着剤を介して積層されたものでもよい。または、金属層10の厚さ方向両側の第1樹脂層11及び第2樹脂層12のうちの両方若しくは一方は、適宜の被覆(コーティング)態様や成形態様によって形成されたものでもよい。例えば、化粧単板13の基材となる第1樹脂層11、金属層10及び第2樹脂層12を、樹脂被覆金属板としてもよい。
つまり、化粧単板13の裏面側に、基材となる第1樹脂層11、金属層10及び第2樹脂層12が設けられている。従って、合板等を基材としたものや無垢板と比べて、天然木資源の省資源化を図ることができる。また、中間層に金属層10を設けた構成としているので、樹脂層のみを基材としたものや無垢板と比べて、吸放湿や温度変化等による変形を生じ難くすることができ、また、難燃性を向上させることもできる。また、金属層10の厚さ方向両側が第1樹脂層11及び第2樹脂層12によって被覆されているので、化粧単板13や施工面に金属層10による金属汚染が生じたり、金属層10が劣化(酸化)したりするようなことを抑制することができる。また、化粧単板13の裏面側の第1樹脂層11が硬質であるので、化粧単板13の裏面側に合板等を設けたものと比べて、表面平滑性及び表面硬度を向上させることができる。また、第1樹脂層11を軟質樹脂としたものと比べて、第1樹脂層11の可塑剤が少なくなるので、化粧単板13側への可塑剤の流出に起因する接着不良を抑制することができる。
また、本実施形態では、化粧単板13の厚さT3を第1樹脂層11の厚さT1以下としている。従って、乾燥収縮し易い化粧単板13の厚さT3が大きくなり過ぎず、当該化粧板1の凹反りをより効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、金属層10を、鉄板としている。従って、鉛等の他の金属に比べて熱膨張率が小さく、変形をより効果的に生じ難くすることができる。また、この金属層10の厚さ方向両側が第1樹脂層11及び第2樹脂層12によって被覆されているので、酸化し易い金属層10の酸化を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態では、第2樹脂層12を軟質としている。従って、当該化粧板1の施工面に凹凸等の不陸があるような場合にも、第2樹脂層12が不陸に追従して変形し易くなり、当該化粧板1の浮きやがたつき等を抑制することができる。
実施例1では、第1樹脂層を厚さ0.2mmの硬質塩化ビニル樹脂層とし、金属層を厚さ0.4mmの鉄板とし、第2樹脂層を厚さ0.6mmの軟質塩化ビニル樹脂層とした。つまり、実施例1では、第1樹脂層の厚さと第2樹脂層の厚さとの比を1:3とした。また、この鉄板の表裏に硬質塩化ビニル樹脂層及び軟質塩化ビニル樹脂層が被覆された基材の表面に水性ビニル系接着剤を塗布して厚さ0.2mmの化粧単板としてのナラ材化粧単板を積層した。つまり、実施例1では、化粧単板の厚さと第1樹脂層の厚さとの比を1:1とした。また、この積層体の表面及び四周側面に、スプレーを用いてウレタンアクリレートを塗装し、長さ1000mm、幅200mm、総厚さ1.4mmの実施例1に係る化粧板を得た。
実施例3では、第1樹脂層の厚さを0.4mmとし、第2樹脂層の厚さを0.4mmとしたこと以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。つまり、実施例3では、第1樹脂層の厚さと第2樹脂層の厚さとの比を1:1とし、化粧単板の厚さと第1樹脂層の厚さとの比を1:2とした。
実施例4では、第1樹脂層の厚さを1.5mmとし、金属層の厚さを0.2mmとし、第2樹脂層の厚さを0.7mmとし、化粧単板の厚さを0.6mmとし、総厚さを3.0mmとしたこと以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。つまり、実施例4では、第1樹脂層の厚さと第2樹脂層の厚さとの比を15:7とし、化粧単板の厚さと第1樹脂層の厚さとの比を2:5とした。
比較例1では、第1樹脂層を厚さ1.5mmの軟質塩化ビニル樹脂層とし、金属層の厚さを0.2mmとし、第2樹脂層の厚さを0.7mmとし、化粧単板の厚さを0.6mmとし、総厚さを3.0mmとしたこと以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。つまり、比較例1では、第1樹脂層の厚さと第2樹脂層の厚さとの比を15:7とし、化粧単板の厚さと第1樹脂層の厚さとの比を2:5とした。
<表面硬度評価試験>
上記各実施例1〜5及び比較例1の化粧板から得られた試験片に対して、表面硬度評価試験を行った。この評価試験では、JIS K5600−5−3に準拠し、デュポン式落下衝撃試験機を用いて、直径12.7mm、質量500gのおもりを、300mmの高さから各試験片の表面に落下させた。また、おもりの落下によって形成された各試験片の凹みの深さを測定し、凹みの深さが0.30mm未満を○(良)とし、0.30mm以上を×(不良)と判断した。
上記各実施例1〜5及び比較例1の化粧板から得られた75mm角のそれぞれ4つの試験片に対して接着性評価試験を行った。この評価試験では、フローリングの日本農林規格の浸せき剥離試験に準拠し、各試験片を70±3℃の温水中に2時間浸せきした後、60±3℃の恒温乾燥器に入れて3時間乾燥し、各試験片端部の同一接着層における剥離しない部分の長さ(非剥離部の長さ)を測定した。また、各試験片のそれぞれの側面において非剥離部の長さが2/3以上を○(良)とし、2/3未満を×(不良)と判断した。
<反り評価試験>
上記各実施例1〜5及び比較例1の化粧板を、日光照射下を想定して80℃のヒーター下に配し、24時間後における各実施例1〜5及び比較例1の化粧板の長手方向両端に対する長手方向中央部の反り量(矢高)を測定した。この反り量が、±10mm未満を○(良)とし、その範囲外を×(不良)と判断した。
10 金属層
11 第1樹脂層
12 第2樹脂層
13 化粧単板
CL1 化粧板の厚さ方向中心
CL2 金属層の厚さ方向中心
T1 第1樹脂層の厚さ
T2 第2樹脂層の厚さ
T3 化粧単板の厚さ
Claims (6)
- 金属層と、この金属層の厚さ方向一方側を被覆するように設けられた硬質の第1樹脂層と、該第1樹脂層の厚さ方向一方側に積層された化粧単板と、前記金属層の厚さ方向他方側を被覆するように設けられた第2樹脂層と、を備えており、
前記金属層は、厚さ方向中心が当該化粧板の厚さ方向中心よりも厚さ方向他方側となるように設けられ、当該化粧板の厚さ方向中心が該金属層内に位置する構成とされていることを特徴とする化粧板。 - 請求項1において、
前記第1樹脂層の厚さを前記第2樹脂層の厚さ以上としたことを特徴とする化粧板。 - 請求項2において、
前記第1樹脂層の厚さを前記第2樹脂層の厚さの9倍以下としたことを特徴とする化粧板。 - 請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記第2樹脂層は、軟質であることを特徴とする化粧板。 - 請求項1乃至4のいずれか1項において、
前記金属層は、鉄板であることを特徴とする化粧板。 - 請求項1乃至5のいずれか1項において、
前記化粧単板の厚さを前記第1樹脂層の厚さ以下としたことを特徴とする化粧板。
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