JP6148445B2 - 床材および床材使用時の心地よさ測定方法 - Google Patents

床材および床材使用時の心地よさ測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、床材および床材使用時の心地よさ測定方法に関する。
木質床材には、木材本来の暖かさを有するとともに、機能性が求められている。特に、木質床材の遮音性、防音性などの観点から様々な検討がなされ、衝撃吸収層を有する床材が開発されている。
例えば、特許文献1には、「発泡体を用いてなる複数層の衝撃吸収層と、隣り合う2層の衝撃吸収層間に配されており、該衝撃吸収層よりも硬度が高い中間層とを備える床材において、最も表面に近い位置に配されている衝撃吸収層の硬度は、アスカーCで30度以上60度以下であり、前記中間層と、少なくとも該中間層の裏面側に隣接している衝撃吸収層との接触面は、共に平面状になしてあることを特徴とする床材。」に関する発明が開示されている。この発明によれば、衝撃吸収能力の向上と踏み心地の向上とを両立させることができるとされている。
特許文献2には、「表面材と、前記表面材の裏面に積層したアスカーC硬度が70度以下かつ厚み2mm以上の衝撃吸収材とを少なくとも備えることを特徴とする木質床材。」に関する発明が開示されている。特許文献3〜5にも、衝撃吸収材のアスカーC硬度に着目した木質床材に関する発明が開示されている。これらの発明によれば、転倒時などに生じる衝撃を木質フロアに吸収させて人体が受ける衝撃を低減することができるとされている。
特開2011−122311号公報 特願2010−47979号公報 特開2011−190672号公報 特開2011−190673号公報 特開2011−190674号公報
特許文献1〜5に記載の発明は、いずれも床材の表層か、表層に近い層に衝撃吸収層を有する床材である。特に、特許文献1に記載の発明は、表面層として木質材料を用いることを想定していない。このため、表面に木目をプリントした化粧シートなどを用いざるを得ず、木材本来の質感を有しない床材である。
特許文献2〜5に記載の発明は、表面層として、無垢材または合板、PB、LVL、集成材、木質繊維板、これら2種以上を接着積層した複合基材等の木質表面材を用いることとしている。特に、特許文献2および3では厚さ2〜13mmの木質表面材を、特許文献4では厚さ2.7〜13.5mmの木質表面材を、特許文献5では厚さ0.6〜2.7mmの木質表面材を、それぞれ例示している。いずれの発明においても、JIS A6519(体育館用鋼製床下構成材)に基づく硬さGsが100以下であることを評価基準としている。Gsは、所定の錘を床材に落下させた時の加速度から求めた転倒衝撃時の硬さであり、これらの発明では、スポーツなどの途中に転倒した時の衝撃に着目したものである。
しかし、通常、居住用に用いられる床には、転倒時の衝撃を和らげることもさることながら、居間などにおいて、長時間、座ったり、寝転がったりするとき、すなわち、床への身体押し付け時の痛さを軽減することも重要である。
本発明は、床材の衝撃吸収性能の向上、特に、歩行時の不快感と床への身体押し付け時の痛さを軽減して、床材使用時の心地よさを向上させた床材および床材使用時の心地よさ測定方法を提供することを目的とする。
本発明者は、まず、歩行時、立位時、腰降ろし時、正座時および横臥時における床の硬さの感覚、並びに、立位時の長時間疲労など、人間の感覚を数値化する検討を行ったところ、これらの評価項目に関しては、JIS A6519(体育館用鋼製床下構成材)に基づく硬さGsとの相関が認められなかった。そこで、本発明者は、新たな測定方法として、円形等分布荷重を付加した状態で、荷重中心における変位と荷重中心から少し離れた位置における変位を測定し、これらの変位データを解析したところ、上記評価項目と相関があることを見出した。
本発明者は、上記の測定方法に基づいて、様々な床材の設計を行い、特に、基材層の裏面に設けた、裏溝の条件が重要であることを見出した。
本発明は、下記の床材および床材使用時の心地よさ測定方法を要旨としている。
(1)化粧層、基材層および衝撃吸収層を有する床材であって、該基材層の裏面に、その短手方向に平行に形成した裏溝が、長さ10mm当たり0.8〜1.6本存在しており、
床材表面に、80kgで、50mm径の円形等分布荷重を付加したとき、荷重中心における変位D (mm)が1〜3mmであり、該変位D (mm)と荷重中心から50mm離れた位置における変位D 50 (mm)との比(D 50 /D )が0.2以下である床材。
(2)前記裏溝の巾が、1.0〜3.0mmである上記(1)の床材。
(3)前記基材層の表面から前記裏溝の上端までの距離(前記基材層として、木質繊維板および合板の積層体を用いる場合は、前記合板の表面から前記裏溝の上端までの距離)が、0.7〜2.5mmである上記(1)または(2)の床材。
(4)前記変位D(mm)と荷重中心から40mm離れた位置における変位D40(mm)との比(D40/D)が0.4以下である上記(1)〜(3)のいずれかの床材。
(5)前記変位D(mm)と荷重中心から30mm離れた位置における変位D30(mm)との比(D30/D)が0.7以下である上記(4)の床材。
(6)床材使用時の心地よさを測定する方法であって、床材表面に円形等分布荷重を付加する工程、荷重中心における変位を測定する工程、荷重中心から50mm以内の領域内の任意位置における変位を測定する工程、および、上記の変位データを解析する工程
を含むことを特徴とする床材使用時の心地よさ測定方法。
(7)荷重中心における変位をD、荷重中心から50mm以内の領域内の任意位置における変位Dとするとき、Dと、D/Dの計算値を解析する上記(6)の床材使用時の心地よさ測定方法。
本発明の床材は、床材の衝撃吸収性能、特に、歩行時の不快感の改善と、床への身体押し付け時の痛さ床への身体押し付け時の痛さを軽減することができる。また、本発明に係る測定方法は、歩行時および床への身体押し付け時における人間の感覚に相関があるので、床材使用時の心地よさを有する床材の設計を容易にする。
本発明に係る床材の基材層の例を裏面側から見た図 本発明に係る床材の例を示す側面図 図2中の円Xについての一部拡大図 床材使用時の心地よさを測定するのに用いる装置 (a)上面図(一部省略) (b)側面図
図1〜3に示すように、本発明に係る床材10は、例えば、表面Aから裏面Bに向かって、化粧層1、基材層2および衝撃吸収層3を有する床材である。
床材のサイズには、制約がない。図1〜3では145mm×909mmの床材の例を示しているが、303mm×909mmサイズ(いわゆる1×3尺サイズ)、303mm×1818mmサイズ(いわゆる1×6尺サイズ)であってもよい。
ここで、化粧層1としては、一般に用いられる化粧シートを採用すればよい。例えば、天然突板、人工単板、挽き板等の木質板の他、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂シート、樹脂含浸紙、プリント紙などの紙質シート、または、これらの複合シートを例示することができる。また、化粧層1の表面には、必要に応じて、ウレタン系樹脂などで構成される塗料が塗布される。基材層2と化粧層1との接合は、例えば、ユリアメラミン、エチレン酢酸ビニル、PUR(ポリウレタンリアクティブ)などの接着剤が用いられる。
基材層2としては、木質板、無機質板、合成樹脂板、または、これらの複合材料を用いることができる。なお、木質板としては、例えば、ラワン合板などの合板の他、MDF、HDF等の木質繊維板、パーティクルボード、オリエンテッドストランドボード、無垢材、集成材など、更には木質板と木質繊維板との複合板を挙げることができる。無機質板としては、繊維混入珪酸カルシウム板、繊維混入スラグ石膏板、ガラス繊維混入無機質フェノール板、繊維混入水酸化アルミニウム成形板、火山性ガラス質複層板等が挙げられる。合成樹脂板としては、メラミン樹脂板、アクリル樹脂板等がある。
なお、図3には、基材層2として、木質繊維板(MDF)2aと合板2bとを積層したものを例示しているが、基材としての基本的な機械的強度を有し、加工が容易で、軽量の材料であれば、このような形態に限定されない。ただし、木質繊維板、パーティクルボードでは、裏溝の加工時に溝が破損したり、割れたりするおそれがあるので、基材層2は、合板単体か、木質繊維板および合板の積層体を用いるのが好ましい。
衝撃吸収層3としては、例えば、合成樹脂発泡体、不織布、ゴム系発泡体、または、これらを複合したものを用いることができる。なかでも、合成樹脂発泡体を用いるのが好ましい。衝撃吸収層3の厚みは2〜10mmとするのが好ましく、より好ましい下限は3mm、より好ましい上限は6mmである。
合成樹脂発泡体としては、ポリウレタンなどの連続発泡体、ポリエチレン、エチレン酢酸ビニル、ポリプロピレンなどの独立発泡体などを挙げることができる。衝撃吸収層3として合成樹脂発泡体を用いる場合には、連続発泡体と独立発泡体とを積層したものを用いてもよい。このとき、連続発泡体が上面側、独立発泡体が下面側となるように配置するのがよい。特に、好ましいのは、ポリエチレンおよびエチレン酢酸ビニルであり、これらの単体および積層体を用いることが好ましい。
上記合成樹脂発泡体としては、発泡倍率が10〜30倍のものを使用するのが好ましい。好ましい下限は12倍、好ましい上限は25倍であり、より好ましい上限は20倍である。
不織布の材料としては、ポリエステル、レーヨン等を挙げることができる。不織布を用いた衝撃吸収層は、合成樹脂発泡体を用いたものより防音性能に優れている。ゴム系発泡体としては、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム等の発泡体が挙げられる。
なお、基材層2と衝撃吸収層3との接着は、例えば、水性ビニルウレタン系接着剤、ゴム系接着剤等のホルムアルデヒドを含まない接着剤を用いて行うことが好ましい。また、衝撃吸収層の厚さには特に制約はないが、薄すぎると十分な遮音性が得られず、厚過ぎると施工が困難となる。従って、遮音層の厚さは、いずれの材料を採用する場合も3〜6mmとするのが好ましい。
衝撃吸収層3の裏面には、さらに防湿層を設けても良い。防湿層としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、PETフィルムなどの透湿度の小さいフィルム、これらの樹脂フィルムと金属シートとを貼り合わせたシート、または、これらを複合したものを用いることができる。また、防湿層と遮音層との位置関係には制約がないが、コンクリートスラブへの接着に用いる接着剤が遮音層に浸透すると、防音性能を低下させるおそれがあるため、防湿層が床材の最下面に位置するように配置するのが好ましい。上記の金属シートとしては、例えば、酸化アルミニウム、アルミ箔などが挙げられる。
基材層2の裏面側に、その短手方向に平行に形成した裏溝20は、長さ10mm当たり0.8〜1.6本存在していることが重要である。通常、基材層の裏面には、床材の反りの防止、遮音性能の改善などの目的で、その短手方向に平行に裏溝が形成されているが、その数は、長さ909mmの床材で64本程度、すなわち、長さ10mm当たり0.71本に留まる。
ここで、裏溝の数が、長さ10mm当たり0.8本未満では、床面の剛性が強すぎて、荷重がかかった時に床全体が傾き、歩行感が悪く、また、長時間座った時は膝や足に痛みを感じ、床への身体押し付け時の痛さを軽減することが困難である。裏溝の数を増やしていくと、歩行感が改善され、また、身体押し付け時の痛さも軽減されるが、裏溝の数が、長さ10mm当たり1.6本を超えると、溝間隔が狭くなり、基本的な機械的強度を維持できず、床材が破壊される可能性がある。よって、裏溝の数は、長さ10mm当たり0.8〜1.6本存在していることとした。裏溝の数の下限は、長さ10mm当たり0.9本とするのが好ましく、1.1本とするのがより好ましい。また、裏溝の数の上限は、長さ10mm当たり1.5本とするのが好ましく、1.4本とするのがより好ましい。
裏溝の巾は、大きいほど身体押し付け時の痛みを軽減する効果が高いが、巾が1.0mm未満の溝を加工するのは困難であるので、その下限は1.0mmとするのが好ましい。一方、裏溝の巾が、あまりに大きすぎると、基本的な機械的強度を維持できず、床材が破壊される可能性があるので、その上限は3.0mmとするのが好ましい。
裏溝の深さが浅すぎる、すなわち、基材層2の表面から裏溝20の上端までの距離(図3中の距離Y、以下、単に「距離Y」という。)が長すぎると、床材の剛性が強すぎて、歩行感の改善も、身体押し付け時の痛さの改善もできないおそれがあり、距離Yは、3.5mm以下とすることが好ましい。より好ましいのは2.5mm以下である。一方、裏溝の深さが深すぎる、すなわち、距離Yが短すぎると、基本的な機械的強度を維持できず、床材が破壊される可能性があるので、距離Yは、0.5mm以上とすることが好ましい。より好ましいのは0.7mm以上である。なお、基材層2として、木質繊維板および合板の積層体を用いる場合の「基材層2の表面から裏溝20の上端までの距離」とは、「合板2bの表面から裏溝20の上端までの距離」を意味し、図3中のYの長さである。特に、5プライ(5層)の合板の場合、最下層から4層目(上から2層目)まで溝を形成するのがよい。
図4には、本発明者が、歩行時、立位時、腰降ろし時、正座時および横臥時における床の硬さの感覚、並びに、立位時の長時間疲労など、人間の感覚を数値化するべく、考え出した新たな測定装置の構成を示している。
図4に示すように、新たな測定装置では、ステージ46上に被検体40を載置し、被検体40上に円形の載荷板41を置き、さらに、その上に鋼鉄製円柱44を置き、鋼鉄製円柱44上に荷重43を付加することにより、被検体40に円形等分布荷重を付加しつつ、変位計(ダイヤルゲージ)47により、被検体40の任意位置の変位を測定できる構成となっている。荷重43としては、単に錘を載せる構成であっても良いが、より正確な測定をするためには、万能試験機を用いるのがよく、この場合の荷重43は、錘ではなく、同試験機内の荷重付加治具である。
本発明者らは、上記の方法に従って、17種類の床材(既存の床材および新規の床材)について、荷重中心における変位と、荷重中心から少し離れたの領域内の任意位置における変位とを測定し、その変位データを解析したところ、下記の知見を得た。
すなわち、立位時、腰降ろし時および横臥時の感覚においては、上記の測定方法による結果との相関が見出しにくい。これは、そもそも、これらの感覚については、床材による違いがほとんどなかったためである。しかし、歩行時および正座時の感覚については、床材による違いがあり、特に、以下に示すように、荷重中心における変位および荷重中心から50mm以内の領域内の任意位置における変位の影響が大きいことが判明した。
(1)荷重中心における変位が小さい床材では、身体押し付け時に不快を感じやすい。
(2)荷重中心における変位が大きくても、荷重中心から少し離れた位置(ただし、50mm以内)における変位も大きい床材では、身体押し付け時の不快感を改善することはできない。
(3)荷重中心における変位が大きく、荷重中心から少し離れた位置(ただし、50mm以内)における変位が小さい床材であれば、身体押し付け時の不快感を改善することができる。
以上の試験結果が得られたことから、本発明者は、図4に示すように、床材(被検体41)表面に円形等分布荷重(載荷板41による円形等分布荷重)を付加しつつ、変位計47を用いるなどして、荷重中心における変位と、荷重中心から50mm以内の領域内の任意位置における変位とを測定し、得られた変位データを解析することによって、床材使用時の心地よさを測定することとした。
特に、荷重中心における変位をD、荷重中心から50mm以内の領域内の任意位置における変位Dとするとき、Dと、D/Dの計算値を解析すると、より官能試験の結果との強い相関がみられることが分かった。具体的には、Dは、ある程度大きい値であり、D/Dは、ある程度小さい値である時に、身体押し付け時の不快感を改善することができる。
そして、本発明者は、床材表面に、80kgで、50mm径の円形等分布荷重を付加したとき、荷重中心における変位D(mm)が1〜3mmであり、該変位D(mm)と荷重中心から50mm離れた位置における変位D50(mm)との比(D50/D)が0.10以下の床材であれば、身体押し付け時の不快感を改善することができることを発見した。
ここで、変位Dが1mm未満の場合、被験者は床材を硬いと感じ、身体押し付け時の不快感に繋がるおそれがある。一方、変位Dが3mmを超える場合、歩行時の不快感が増すおそれがある。また、変位Dが3mmを超えると、衝撃吸収層3が許容できる凹み量の限界値を超え、衝撃吸収層がない床材と同程度の不快感を覚える可能性が高くなる。一方、比(D50/D)が0.2を超えると、荷重中心における変位に連動して周辺の床材も大きく変位することになり、歩行時の不快感を増すおそれがある。よって、床材は、荷重中心における変位D(mm)が1〜3mmであり、該変位D(mm)と荷重中心から50mm離れた位置における変位D50(mm)との比(D50/D)が0.2以下であることが好ましい。より好ましいのは、0.10以下である。
歩行時の心地よさを増すためには、特に、変位D(mm)と荷重中心から40mm離れた位置における変位D40(mm)との比(D40/D)を0.4以下とすることが好ましく、さらには、変位D(mm)と荷重中心から30mm離れた位置における変位D30(mm)との比(D30/D)を0.7以下とすることが好ましい。より好ましい比(D40/D)は、0.30以下であり、より好ましい比(D30/D)は。0.60以下である。
本発明による効果を確認するべく、下記の5種類の床材について、JIS A6519に基づく衝撃吸収性能(コンクリート下地および大引き上の剛床下地)と、本発明に係る測定方法に基づく変位D、D50/D、D40/DおよびD30/Dと、20名の被験者による官能検査とを調査した。その結果を表1に示す。
<衝撃吸収性能>
JIS A6519に従って、硬さ(Gs)を測定した。
<床材使用時の心地よさ測定>
図4に示す試験装置を用い、床材表面に、80kgで、50mm径の円形等分布荷重を付加したときの、荷重中心における変位D(mm)と、変位D(mm)と荷重中心から50mm、40mmおよび30mm離れた位置における変位D50(mm)、D40(mm)およびD30(mm)を測定し、D50/D、D40/DおよびD30/Dを求めた。
<官能検査>
20名の被験者によって、下記の評価基準によって、硬さ適性評価(7段階)および長時間疲労評価(5段階)を行った。
(硬さ適性評価)
1点:非常に不適
2点:かなり不適
3点:やや不適
4点:どちらとも言えない
5点:やや適している
6点:かなり適している
7点:非常に適している
(長時間疲労評価)
1点:非常に疲れそう
2点:かなり疲れそう
3点:やや疲れそう
4点:ほとんど疲れなさそう
5点:全く疲れなさそう
本発明例1は、化粧層として厚さ0.16mmのオレフィン化粧シートを、基材層として厚さ0.4mmのMDFシート+厚さ8.7mmの合板を、衝撃吸収層として厚さ3.0mmのポリエチレン発泡体シート(発泡倍率15倍)をそれぞれ使用し、上記合板の裏面に、巾が2.0mmで、基材層の表面から裏溝の上端までの距離(合板の表面から裏溝の上端までの距離、すなわち、図3中のYの長さ。)が2.0mmである裏溝を128本形成した床材(145mm×909mm)である。
本発明例2は、化粧層として厚さ0.16mmのオレフィン化粧シートを、基材層として厚さ0.4mmのMDFシート+厚さ5.4mmの合板を、衝撃吸収層として厚さ5.5mmのエチレン酢酸ビニル発泡体シート(発泡倍率14倍)をそれぞれ使用し、上記合板の裏面に、巾が2.0mmで、基材層の表面から裏溝の上端までの距離(合板の表面から裏溝の上端までの距離、すなわち、図3中のYの長さ。)が1.2mmである裏溝を128本形成した床材(145mm×909mm)である。
比較例1は、化粧層として厚さ0.16mmのオレフィン化粧シートを、基材層として厚さ0.4mmのMDFシート+厚さ5.4mmの合板を、衝撃吸収層として厚さ2.8mmのウレタン発泡体シート(発泡倍率30倍)+厚さ3.0mmのポリエチレン発泡体シート(発泡倍率15倍)をそれぞれ使用し、上記合板の裏面に、巾が2.0mmで、基材層の表面から裏溝の上端までの距離(合板の表面から裏溝の上端までの距離)が1.2mmである裏溝を64本形成した床材(145mm×909mm)である。
比較例2は、化粧層として厚さ0.16mmのオレフィン化粧シートを、基材層として厚さ0.4mmのポリプロピレン製バッカー材+厚さ8.8mmの合板を、衝撃吸収層として厚さ5.0mmの不織布をそれぞれ使用し、上記合板の裏面に、巾が2.0mmで、基材層の表面から裏溝の上端までの距離(合板の表面から裏溝の上端までの距離)が2.0mmである裏溝を64本形成した床材(145mm×909mm)である。
比較例3は、化粧層として厚さ0.3mmの単板を、基材層として厚さ0.5mmのMDFシート+厚さ11.2mmの合板をそれぞれ使用(衝撃吸収層なし)し、裏溝を形成しなかった床材(303mm×1818mm)である。
表1に示すように、本発明の条件を満たさない比較例1〜3では、特に歩行時および正座時における官能試験における評価が悪かったのに対して、本発明例1および2では、いずれの性能においても良い評価が得られた。
本発明による効果を確認するべく、下記の7種類の床材について、上記と同様の実験を行った。官能検査については、特に、重要な歩行時と正座時のみを調査した。その結果を表2に示す。
本発明例3は、化粧層として厚さ0.16mmのオレフィン化粧シートを、基材層として厚さ0.4mmのMDFシート+厚さ7.0mmの合板を、衝撃吸収層として厚さ5.0mmのポリエチレン発泡体シート(発泡倍率20倍)をそれぞれ使用し、上記合板の裏面に、巾が1.5mmで、基材層の表面から裏溝の上端までの距離(合板の表面から裏溝の上端までの距離、すなわち、図3中のYの長さ。)が2.0mmである裏溝を128本形成した床材(145mm×909mm)である。
本発明例4は、化粧層として厚さ0.16mmのオレフィン化粧シートを、基材層として厚さ0.4mmのMDFシート+厚さ8.7mmの合板を、衝撃吸収層として厚さ3.0mmのポリエチレン発泡体シート(発泡倍率30倍)をそれぞれ使用し、上記合板の裏面に、巾が1.5mmで、基材層の表面から裏溝の上端までの距離(合板の表面から裏溝の上端までの距離、すなわち、図3中のYの長さ。)が2.4mmである裏溝を128本形成した床材(145mm×909mm)である。
本発明例5は、化粧層として厚さ0.16mmのオレフィン化粧シートを、基材層として厚さ0.4mmのMDFシート+厚さ8.7mmの合板を、衝撃吸収層として厚さ3.0mmのポリエチレン発泡体シート(発泡倍率30倍)をそれぞれ使用し、上記合板の裏面に、巾が1.5mmで、基材層の表面から裏溝の上端までの距離(合板の表面から裏溝の上端までの距離、すなわち、図3中のYの長さ。)が2.4mmである裏溝を96本形成した床材(145mm×909mm)である。
本発明例6は、化粧層として厚さ0.16mmのオレフィン化粧シートを、基材層として厚さ0.4mmのMDFシート+厚さ8.7mmの合板を、衝撃吸収層として厚さ3.0mmのポリエチレン発泡体シート(発泡倍率30倍)をそれぞれ使用し、上記合板の裏面に、巾が1.5mmで、基材層の表面から裏溝の上端までの距離(合板の表面から裏溝の上端までの距離、すなわち、図3中のYの長さ。)が2.4mmである裏溝を77本形成した床材(145mm×909mm)である。
本発明例7は、化粧層として厚さ0.16mmのオレフィン化粧シートを、基材層として厚さ0.4mmのMDFシート+厚さ5.4mmの合板を、衝撃吸収層として厚さ3.5mmのポリエチレン発泡体シート(発泡倍率15倍)と厚さ2.0mmのポリエチレン発泡体シート(発泡倍率20倍)の複合シートをそれぞれ使用し、上記合板の裏面に、巾が1.5mmで、基材層の表面から裏溝の上端までの距離(合板の表面から裏溝の上端までの距離、すなわち、図3中のYの長さ。)が1.4mmである裏溝を128本形成した床材(145mm×909mm)である。
本発明例8は、化粧層として厚さ0.16mmのオレフィン化粧シートを、基材層として厚さ0.4mmのMDFシート+厚さ5.4mmの合板を、衝撃吸収層として厚さ3.5mmのポリエチレン発泡体シート(発泡倍率15倍)と厚さ2.0mmのポリエチレン発泡体シート(発泡倍率20倍)の複合シートをそれぞれ使用し、上記合板の裏面に、巾が1.5mmで、基材層の表面から裏溝の上端までの距離(合板の表面から裏溝の上端までの距離、すなわち、図3中のYの長さ。)が1.4mmである裏溝を96本形成した床材(145mm×909mm)である。
本発明例9は、化粧層として厚さ0.16mmのオレフィン化粧シートを、基材層として厚さ0.4mmのMDFシート+厚さ5.4mmの合板を、衝撃吸収層として厚さ3.5mmのポリエチレン発泡体シート(発泡倍率15倍)と厚さ2.0mmのポリエチレン発泡体シート(発泡倍率20倍)の複合シートをそれぞれ使用し、上記合板の裏面に、巾が1.5mmで、基材層の表面から裏溝の上端までの距離(合板の表面から裏溝の上端までの距離、すなわち、図3中のYの長さ。)が1.4mmである裏溝を77本形成した床材(145mm×909mm)である。
表2に示すように、本発明例3〜9は、いずれの性能においても良い評価が得られた。
本発明の床材は、床材の衝撃吸収性能、特に、歩行時の不快感の改善と、床への身体押し付け時の痛さ床への身体押し付け時の痛さを軽減することができる。また、本発明に係る測定方法は、歩行時および床への身体押し付け時における人間の感覚に相関があるので、床材使用時の心地よさを有する床材の設計を容易にする。
1 化粧層
2 基材層
2a 木質繊維板
2b 合板
3 衝撃吸収層
10 本発明に係る床材
20 裏溝
40 被検体
41 載荷板
42 ガイド
43 荷重
44 鋼鉄製円柱
46 ステージ
47 変位計

Claims (7)

  1. 化粧層、基材層および衝撃吸収層を有する床材であって、
    該基材層の裏面に、その短手方向に平行に形成した裏溝が、長さ10mm当たり0.8〜1.6本存在しており、
    床材表面に、80kgで、50mm径の円形等分布荷重を付加したとき、荷重中心における変位D (mm)が1〜3mmであり、該変位D (mm)と荷重中心から50mm離れた位置における変位D 50 (mm)との比(D 50 /D )が0.2以下であることを特徴とする床材。
  2. 前記裏溝の巾が、1.0〜3.0mmであることを特徴とする請求項1に記載の床材。
  3. 前記基材層の表面から前記裏溝の上端までの距離(前記基材層として、木質繊維板および合板の積層体を用いる場合は、前記合板の表面から前記裏溝の上端までの距離)が、0.7〜2.5mmであることを特徴とする請求項1または2に記載の床材。
  4. 前記変位D(mm)と荷重中心から40mm離れた位置における変位D40(mm)との比(D40/D)が0.4以下であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の床材。
  5. 前記変位D(mm)と荷重中心から30mm離れた位置における変位D30(mm)との比(D30/D)が0.7以下であることを特徴とする請求項4に記載の床材。
  6. 床材使用時の心地よさを測定する方法であって、
    床材表面に円形等分布荷重を付加する工程、
    荷重中心における変位を測定する工程、
    荷重中心から50mm以内の領域内の任意位置における変位を測定する工程、および
    上記の変位データを解析する工程
    を含むことを特徴とする床材使用時の心地よさ測定方法。
  7. 荷重中心における変位をD、荷重中心から50mm以内の領域内の任意位置における変位Dとするとき、Dと、D/Dの計算値を解析することを特徴とする請求項6に記載の床材使用時の心地よさ測定方法。
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