JP6595228B2 - 遮音床材 - Google Patents

遮音床材 Download PDF

Info

Publication number
JP6595228B2
JP6595228B2 JP2015129585A JP2015129585A JP6595228B2 JP 6595228 B2 JP6595228 B2 JP 6595228B2 JP 2015129585 A JP2015129585 A JP 2015129585A JP 2015129585 A JP2015129585 A JP 2015129585A JP 6595228 B2 JP6595228 B2 JP 6595228B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
material layer
sound
layer
base material
sound insulation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015129585A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017014714A (ja
Inventor
幸一 赤枝
久嗣 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eidai Co Ltd
Original Assignee
Eidai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eidai Co Ltd filed Critical Eidai Co Ltd
Priority to JP2015129585A priority Critical patent/JP6595228B2/ja
Publication of JP2017014714A publication Critical patent/JP2017014714A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6595228B2 publication Critical patent/JP6595228B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Floor Finish (AREA)

Description

本発明は、遮音性能を有した遮音床材に関する。
従来から、遮音性能を高めるべく、多くの分野で遮音材料が用いられている。たとえば、床材の分野では、裏面に複数の溝部が形成された合板からなる基材と、基材の表面に積層される表面化粧材と、基材の裏面に積層される、ポリエチレン樹脂不織布または軟質発泡ウレタンからなる緩衝材と、を少なくとも備えた遮音床材が提案されている(例えば特許文献1参照)。
この遮音床材によれば、基材の裏面に形成された溝部と、基材の裏面に積層された緩衝材とにより、遮音床材の表面に物を落下させたとしても、これらの音を遮音することができる。
特開2011−111817号公報
しかしながら、特許文献1に係る遮音床材に対して、たとえば、スプーン等の硬くて軽量のものを落下させたときに生じる音(生活音)は、階下へはっきりと聞こえる騒音として認識されてしまうことがある。
本発明は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、硬くて軽量の物を落下させたとしても、その音への遮音性を高めることができる遮音床材を提供することにある。
前記課題を鑑みて本発明に係る遮音床材は、遮音性能を有した遮音床材であって、前記遮音床材は、不規則な方向に配列された強化繊維と、該強化繊維同士を接合する高分子樹脂とを少なくとも含む複合材からなり、前記強化繊維同士の間に形成される隙間により、厚さ方向に亘って連続した気孔が形成された多孔質の基材層と、前記遮音床材の表面に位置するように、前記基材層の一方の表面に貼着された化粧材層と、前記遮音床材の裏面に位置するように、前記基材層の他方の表面に貼着されたクッション材層と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、基材層は、強化繊維と高分子樹脂とを少なくとも含む複合材からなるため、たとえ多孔質からなる基材層であっても、遮音床材の剛性を確保することができるとともに、強化繊維が無いものに比べて、基材層の寸法変化を安定させることができる。
ここで、床下地面に敷設された遮音床材の表面に物体が落下しても、化粧材層から基材層の厚さ方向に伝播する音は、基材層内において厚さ方向に連続した気孔で吸収される。特に、不規則な方向に配列された強化繊維同士の間の隙間により形成された気孔は、厚さ方向に沿って一方向に延在するのではなく、不規則な方向に延在しているので、基材層の遮音性をより一層高めることができる。
遮音床材の裏面には、クッション材層が配置されているため、物体が落下したときの音のエネルギーは、基材層の撓みのエネルギーと、クッション材層の圧縮変形のエネルギーに変換されるため、音の発生を抑えることができる。
ここで、上述した音を遮音することができるのであれば、基材層の気孔率は、その厚さ方向に沿って同じであってもよい。しかしながら、より好ましい態様としては、前記基材層は、前記遮音床材の厚さ方向に、前記複合材からなる複合材層を複数積層したものであり、前記化粧材層に貼着される複合材層の気孔率よりも、それ以外の複合材層の気孔率の方が大きい。
この態様によれば、化粧材層に貼着される複合材層以外の複合材層の気孔率は、化粧材層に貼着される複合材層の気孔率よりも大きいので、前記化粧材層に貼着される複合材層で遮音できなかった音を、それ以外の複合材層で、より効率的に遮音することができる。
さらに、より好ましい態様としては、前記遮音床材の表面側から裏面側に進むに従って前記各複合材層の気孔率が大きくなっている。この態様によれば、前記遮音床材の表面側から裏面側に進むに従って、複合材層の気孔率が大きくなっているので、厚さ方向に進むにしたがって、段階的に遮音性を高めることができ、より効率的に遮音することができる。
また、クッション材層は、上述したように、物体が落下したときの音のエネルギーが、クッション材層の圧縮変形のエネルギーに変換されるのであれば、発泡樹脂、発泡ゴム、または不織布など特に限定されないが、より好ましくは、前記クッション材層は、不織布からなる層である。
不織布からなるクッション材層は、独立気泡型からなる発泡樹脂または発泡ゴムからなるクッション材層に比べて、その厚さ方向に亘って連続した気孔が不規則に形成されるため、クッション材層で遮音性を高めることができる。
さらに、好ましい態様としては、前記基材層の気孔と、前記クッション材層の気孔とが連続するように、前記基材層と前記クッション材層とが貼着されている。この態様によれば、基材層とクッション材層とが形成する気孔が厚さ方向において連続しているので、基材層の気孔から抜けた音をクッション材層の気孔で吸収することができる。
本発明によれば、硬くて軽量の物を落下させたとしても、その音への遮音性を高めることができる。
本発明の実施形態に係る遮音床材を表面側から見た模式的分解斜視図。 図1に示す遮音床材の模式的斜視図。 図1に示す遮音床材の断面図。 図1に示す遮音床材の基材層とクッション材層との界面近傍の断面図。 実施例1〜4および比較例1、2に係る遮音床材の遮音試験の結果を示した図。 実施例5〜7および比較例3〜5に係る衝撃床材の遮音試験の結果を示した図。 実施例8〜13に係る遮音床材の遮音試験の結果を示した図。
以下に図面に基づき、本発明に係る実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る遮音床材1を表面11側から見た模式的分解斜視図であり、図2は、図1に示す遮音床材1の模式的斜視図であり、図3は、図1に示す遮音床材1の断面図である。図4は、図1に示す遮音床材1の基材層20とクッション材層40との界面F近傍の断面図である。
本実施形態に係る遮音床材1は、遮音性能を有した床材である。図1〜図3に示すように、遮音床材1は、多孔質の基材層20と、遮音床材1の表面11に位置するように、基材層20の一方の表面21に貼着された化粧材層30と、遮音床材1の裏面12に位置するように、基材層20の他方の表面22に貼着されたクッション材層40と、を備えている。
基材層20は、図4に示すように、不規則な方向に配列された強化繊維51と、該強化繊維同士を連結する高分子樹脂52とを含む複合材からなり、基材層20には、強化繊維51,51同士の間に形成される隙間により、厚さ方向に亘って連続した気孔S1が形成されている。なお、複合材には、基材層20の剛性を確保することができ、上述した気孔S1を形成することができるのであれば、強化繊維51および高分子樹脂52の他に無機材料からなる粒子またはフィラーなどがさらに含まれていてもよい。
基材層20の厚さは、5〜9mmの範囲にあること好ましく、後述するクッション材層は、4〜7mmの範囲にあることが好ましい。基材層20がこのような範囲であっても、遮音床材1の剛性を確保しつつ、基材層に合板を用いた場合に比べて、遮音床材1の軽量化を図ることができ、輸送コストおよび施工コストを低減することができる。
また、先にカーペットやクッションフロアが施工されていた箇所への床材のリフォームを行う際に、敷居段差や框段差が小さく、リフォーム用フローリングの厚みに制約(薄いものでないと段差を超えてしまう)がある場合が予測されるが、このような寸法範囲とすることで、遮音床材1の総厚みが比較的薄く仕上がる(9〜16mm)ため、リフォーム用途に適している。
強化繊維51の材料としては、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、ボロン繊維、金属繊維、天然繊維、鉱物繊維などを挙げることができ、これらは1種または2種以上を併用してもよい。さらに、強化繊維51は、不連続な長繊維または短繊維からなり、複合材において、不規則な方向に強化繊維が配列されることにより、基材層20の厚さ方向に亘って、不規則な方向に気孔S1が延在するのであれば、その形態は特に限定されるものではない。
高分子樹脂52は、いわゆる強化繊維51に対するマトリクス樹脂であり、高分子樹脂52を介して強化繊維51同士を連結することができるものであれば、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂などを挙げることができ、熱可塑性樹脂としては、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリオレフィン樹脂などを挙げることができる。この中でも、気孔を有した所望の寸法の基材層(複合材層)を熱圧成形により得るためには、高分子樹脂52の材料に、熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
このように、基材層20は、強化繊維51と高分子樹脂52とを少なくとも含む複合材からなるため、強化繊維が無いものに比べて、基材層の寸法変化を安定させることができる。たとえば、強化繊維にガラス繊維を用い、高分子樹脂にポリプロピレン樹脂を用いた場合の複合材の線膨張係数は、2.9〜5.2×10−5/Kであり、発泡ポリプロピレン樹脂の線膨張係数は、5.8〜10.2×10−5/Kであり、複合材の線膨張係数は、発泡ポリプロピレン樹脂の線膨張係数の半分程度である。したがって、複合材を用いることにより、温度変化による基材層の寸法安定性は確保される。
本実施形態では、基材層20は、遮音床材1の厚さ方向に、上述した複合材からなる複合材層を複数積層したものであり、具体的には、遮音床材1の表面側から、第1複合材層23、第2複合材層24、および第3複合材層25と、を積層させたものである。
本実施形態では、第2複合材層24は第1複合材層23および第3複合材層25に対して、遮音床材1の長辺方向および短辺方向にオフセットして積層されている。これにより、遮音床材1に、雄実部14および雌実部15を形成することができる。複数の遮音床材1を、床下地面に敷設する際には、遮音床材1の雄実部14とこれに隣接する遮音床材1の雌実部15を係合させることにより、遮音床材1,1同士を実接合することができる。
本実施形態では、第1〜第3複合材層23〜25は、同じ材料で構成されており、その好ましい態様として、第1〜第3複合材層23〜25の気孔率が異なる。具体的には、第1複合材層23の気孔率よりも、第2および第3複合材層24,25の気孔率は大きく、第2複合材層24の気孔率よりも、第3複合材層25の気孔率は大きい。
すなわち、本実施形態では、遮音床材1の表面11側から裏面12側に進むに従って第1複合材層23、第2複合材層24、第3複合材層25の順に、複合材層の気孔率が大きくなっている。このような気孔率の異なる複合材層は、例えば、複合材層に相当する複合材を後述する実施例に示す熱圧成形により得ることができる。
ここで、第1〜3複合材層23〜25を貼り合わせて積層する際には、各複合材層に形成された気孔S1を塞がないように、接着剤を介して積層する。これにより、基材層20の厚さ方向に亘って、不規則な方向に延在した気孔S1を連続して形成することができる。
化粧材層30は、遮音床材1の表面の意匠性を高めるための層であり、化粧材層30となる化粧材としては、上述した熱可塑性樹脂からなる樹脂製の化粧シート、化粧単板、化粧シート、挽き板、または突板などを挙げることができる。化粧シートを用いた場合には、この化粧シートの表面には、木目模様などの模様が印刷されている。
特に、化粧材層30が無孔質の化粧シートからなる層である場合には、物体の落下により音が、遮音床材1の厚さ方向に伝播し易いが、このような化粧材層30を用いた場合であっても、上述した遮音性を確保することができる。
ここで、化粧材層30を、遮音床材1の表面11に位置するように、基材層20の一方の表面21に貼着する際には、基材層20の一方側の表面21に形成された気孔を塞がないように、接着剤を介して化粧材層30に基材層20を貼り合わせてもよく、接着テープまたは粘着テープを介してこれらを貼り合わせてもよい。
クッション材層40は、遮音床材1の衝撃を吸収する衝撃緩衝性を有した層である。遮音床材1の裏面12に、クッション材層40を設けることにより、物体が落下したときの音のエネルギーは、基材層20の撓みのエネルギーと、クッション材層40の圧縮変形のエネルギーに変換されるため、音の発生を抑えることができる。
本実施形態では、クッション材層40は、高分子樹脂からなる不織布からなる層である。クッション材層40に不織布を採用することにより、独立気泡型の発泡樹脂または発泡ゴムからなるクッション材層に比べて、その厚さ方向に亘って連続した気孔が不規則に形成されるため、クッション材層40で遮音性を高めることができる。
なお、一般的に、不織布の方が、連続気泡型の発泡樹脂または発泡ゴムよりも、気孔率が高いので、クッション材層40に、不織布からなる層を採用することで、クッション材層40による遮音性を期待することができる。
ここで、クッション材層40を、遮音床材1の裏面12に位置するように、基材層20の他方側の表面22に貼着する際には、上述した接着テープまたは粘着テープを用いずに、図4に示すように、基材層20の他方側の表面22に形成された気孔S1と、クッション材層40の気孔S2とが、連続するように、これらを接着剤を介して貼着する。
すなわち、本実施形態では、基材層20とクッション材層40との界面Fに形成された双方の気孔S1,S2を完全に塞がないように、接着剤を介して化粧材層30に基材層20を貼り合わせる。このようにして、基材層20の気孔S1から抜けた音はクッション材層40の気孔S2に直接的に伝播し、クッション材層40で吸収することができる。
なお、クッション材層40は不織布からなり、基材層20よりもクッション性が高く、基材層20に比べて気孔率が高いことから、これにより、遮音床材1の裏面12側において、より効率良く、衝撃音を吸収することができる。
このように本実施形態に係る遮音床材1によれば、床下地面に敷設された遮音床材1の表面11にスプーンなどの軽量物が落下しても、化粧材層30から基材層20の厚さ方向に伝播する音は、基材層20内において厚さ方向に連続した気孔S1および気孔S1に連続したクッション材層40の気孔S2で吸収される。
特に、不規則な方向に配列された強化繊維51,51同士の間の隙間により形成された気孔S1およびクッション材層40に形成された気孔S2は、遮音床材1の厚さ方向に沿って一方向に延在するのではなく、不規則な方向に延在しているので、基材層20およびクッション材層40の遮音性をより一層高めることができる。
また、遮音床材1の表面11側から裏面12側に進むに従って、第1〜第3複合材層23〜25の順にその気孔率が大きくなっているので、厚さ方向に進むにしたがって、段階的に遮音性を高めることができ、より効率的に衝撃音を遮音することができる。
以下に本実施形態を説明する。
[実施例1]
以下に示すようにして、実施例1に係る防音床材を作製した。
<基材(基材層)の作製>
基材層として、高分子樹脂にポリプロピレンを用い、強化繊維に、ガラス繊維を用いて、防音床材の基材層となる基材を作製した。ここで、基材は3層構造の複合材層が積層されたものであり、各複合材層となる複合材を作製した。
具体的には、熱圧成形後に、複合材の厚さ2mm、密度0.30kg/cmとなるように、繊維状のポリプロピレンと、不規則な方向に配列された強化繊維からなるガラス繊維とからなる素材を準備し、この素材に対して高分子樹脂を溶融しながら熱圧成形し、複合材層となる複合材を作製した。
得られた複合材の表面に、その表面の気孔を塞がないように、ビニル共重合系エマルジョン型接着剤を塗布(噴霧)し、基材が複合材を積層した3層構造となるように、複合材同士を接着した。ここで、表1に示す、第1層が遮音床材の表面側の第1複合材層であり、第3層が遮音床材の裏面側の第3複合材層であり、第2層は、第1層と第3層との間の中間層となる第2複合材層である。
接着により得られた基材には、不規則な方向にガラス繊維(強化繊維)が配列され、ガラス繊維同士を連結するように連結するポリプロピレン(高分子樹脂)が形成され、その厚さ方向に亘って、連続して不規則な方向に延在した気孔が形成されることになる。
<基材の気孔率の算出方法>
ここで、本実施例において、複合材のポリプロピレン樹脂(高分子樹脂)の密度は、0.98g/cmであり、複合材のガラス繊維(強化繊維)のガラスの密度は、2.54g/cmであり、複合材には、これらがそれぞれ50質量%で配合されている。したがって、気孔が無い状態の複合材の密度ρmaxは、1.76g/cmである。
熱圧成形された複合材の気孔率Sは、以下の式(1)で表すことができる。
S(%)=(V−Vmin)/V×100…(1)
V:熱圧成形された複合材の単位質量あたりの体積
Vmin:気孔が無い複合材の単位質量あたりの体積
であり、V,Vminの逆数が、これらの複合材の密度になる。
従って、熱圧成形された複合材をρとし、気孔が無い状態の複合材の密度ρmaxとしたときに、式(1)から、気孔率Sは以下の式(2)で表すことができる。
S(%)=(1−ρ/ρmax)×100…(2)
以下に示す複合材の気孔率は、この式から算出した値である。なお、実施例1に係る基材の複合材層の密度は、すべて0.30g/cmであるので、実施例1に係る複合材の気孔率は、すべて83体積%であり、基材の気孔率も83体積%となる。
<遮音床材の作製>
遮音床材の表面に位置するように、基材の一方の表面に、化粧材として、木目模様が印刷された、0.16mmの厚さの無孔質のポリオレフィンシートを貼着し、化粧材層を形成した。一方、遮音床材の裏面に位置するように、基材の他方の表面に、クッション材として、5mmの厚さのポリエチレンからなるL45タイプの不織布シートを貼着し、クッション材層を形成した。なお、化粧材およびクッション材は、複合材同士の貼着と同様に、基材の両面の気孔を塞がないように、上述した接着剤を塗布して、基材に貼着した。これにより、基材層の気孔と、クッション材層の気孔とが連続するように、基材層とクッション材層とが貼着された遮音床材を得た。
[実施例2]
実施例1と同じように遮音床材を作製した。実施例1と相違する点は、表1に示すように、基材層の第2層および第3層の複合材層の密度を0.25g/cm(気孔率を86体積%)にした点である。
すなわち、実施例2に係る遮音床材では、化粧材層に貼着される複合材層である第1層の気孔率(気孔率83体積%)よりも、それ以外の複合材層である第2層および第3層の気孔率(気孔率86体積%)の方が大きい。
[実施例3]
実施例1と同じように遮音床材を作製した。実施例1と相違する点は、表1に示すように、基材層の第2層の密度を0.25g/cm(気孔率を86体積%)にし、第3層の複合材層の密度を0.20g/cm(気孔率を89体積%)にした点である。
すなわち、実施例3に係る遮音床材では、遮音床材の表面側から裏面側に進むに従って、各複合材層の気孔率が、第1層(気孔率83体積%)、第2層(気孔率86体積%)、および第3層(気孔率89体積%)の順に大きくなっている。
[実施例4]
実施例1と同じように遮音床材を作製した。実施例1と相違する点は、表1に示すように、基材層の第2層の密度を0.25g/cm(気孔率を86体積%)にし、第3層の複合材層の密度を0.20g/cm(気孔率を89体積%)にした点と、クッション材層を、独立気泡型のウレタン発泡樹脂を用いた点である。
すなわち、実施例4に係る遮音床材では、遮音床材の表面側から裏面側に進むに従って、各複合材層の気孔率が、第1層(気孔率83体積%)、第2層(気孔率86体積%)、および第3層(気孔率89体積%)の順に大きくなっているが、基材層の気孔と、クッション材層の気孔と、により遮音床材の厚さ方向に亘って気孔が連続して形成されていない。
[比較例1]
実施例1と同じように遮音床材を作製した。実施例1と相違する点は、基材に、厚さ5.5mmの合板を用いた点である。
[比較例2]
実施例1と同じように遮音床材を作製した。実施例1と相違する点は、基材に、厚さ5.5mmの合板を用いた点と、クッション材層を、独立気泡型のウレタン発泡樹脂を用いた点である。
Figure 0006595228
(遮音試験)
実施例1〜4および比較例1、2に係る遮音床材に対して、JIS A 1418に準拠した床衝撃音レベル低減量(以下低減量という)を測定した。この結果を、表2および図5に示す。なお、図5には、ΔL等級(1級から7級)とこれに対応する衝撃音遮音等級(L30〜L60)も破線で示している。また、遮音床材の周波数500Hz近傍の音は、スプーン等の硬くて軽量のものを落下させたときに生じる音(生活音)に近く、遮音床材の500Hz近傍の低減量が高いと、このような音に対する遮音性が高いといえる。
Figure 0006595228
(結果1および考察1)
表2および図5に示すように、実施例1〜4に係る遮音床材の500Hz近傍の低減量は、比較例1および2のものに比べて高かった。これは、不規則な方向に配列された強化繊維同士の間の隙間により形成された気孔が不規則な方向に延在しているので、基材層で遮音性を一層高めることができたからであると考えられる。
また、実施例1、実施例2、実施例3の順に、遮音床材の500Hz近傍の低減量が高くなった。これは、実施例2および実施例3に係る遮音床材では、化粧材層に貼着される複合材層(第1層)以外の複合材層(第2、第3層)の気孔率が、化粧材層に貼着される複合材層(第1層)の気孔率よりも大きいので、第1層よりも第2層および第3層の遮音性が高くなり、より効率的に遮音することができたと考えられる。特に、実施例3に係る遮音床材は、遮音床材の表面側から裏面側に進むに従って、複合材層の気孔率が大きくなっているので、厚さ方向に進むにしたがって、段階的に遮音性を高めることができ、より効率的に遮音することができたと考えられる。
さらに、実施例3に係る遮音床材の500Hz近傍の低減量は、実施例4のものに比べて高かった。これは、実施例3に係る不織布からなるクッション材層は、実施例4に係る独立気泡型の発泡樹脂からなるクッション材層に比べて、その厚さ方向に亘って連続した気孔が不規則に形成され、かつ、基材層とクッション材層とが形成する気孔が厚さ方向において連続しているので、基材層の気孔から抜けた音はクッション材層の気孔で効率的に吸収することができたからであると考えられる。特に、実施例4に係る遮音床材は、あらゆる周波数帯で、衝撃音遮音等級L−35の低減量の基準をクリアした床材であると言える。
[実施例5]
実施例1と同じように遮音床材を作製した。実施例1と相違する点は、表3に示すように、基材層の第1層の密度を0.40g/cm(気孔率を77体積%)にし、基材層の第2層の密度を0.20g/cm(気孔率を89体積%)にし、第3層の複合材層の密度を0.20g/cm(気孔率を89体積%)にした点である。
[実施例6]
実施例5と同じように遮音床材を作製した。実施例5と相違する点は、表3に示すように、基材層の第1層の密度を0.50g/cm(気孔率を72体積%)にした点である。
[実施例7]
実施例5と同じように遮音床材を作製した。実施例5と相違する点は、表3に示すように、基材層の第1層の密度を0.69g/cm(気孔率を60体積%)にした点である。
[比較例3]
実施例5と同じように遮音床材を作製した。実施例5と相違する点は、表3に示すように、基材に厚さ9mmの合板を用いた点である。
[比較例4]
実施例5と同じように遮音床材を作製した。実施例5と相違する点は、表3に示すように、基材に厚さ7mmの合板を用いた点である。
[比較例5]
実施例5と同じように遮音床材を作製した。実施例5と相違する点は、表3に示すように、基材に厚さ5mmの合板を用いた点である。
Figure 0006595228
実施例5〜7および比較例3〜5に係る遮音床材に対して、実施例1と同様に床衝撃音レベル低減量(以下低減量という)を測定した。この結果を、表4および図6に示す。
Figure 0006595228
(結果2および考察2)
表4および図6に示すように、実施例5〜7に係る遮音床材の500Hz近傍の低減量は、比較例3〜5のものに比べて高かった。これは、不規則な方向に配列された強化繊維同士の間の隙間により形成された気孔が不規則な方向に延在しているので、基材層で遮音性を一層高めることができたからであると考えられる。
また、実施例7、実施例6、実施例5の順に、遮音床材の500Hz近傍の低減量が高くなった。これは、これらの順に、化粧材層に貼着される複合材層(第1層)の気孔率が高いことが起因している。
また、比較例3、比較例4、比較例5の順に、遮音床材の500Hz近傍の低減量が高くなった。これは、これらの順に、合板の厚さが薄いため合板が撓み易く、遮音床材の衝撃音のエネルギーが、遮音床材の撓みエネルギーに変換され易いからであると考えられる。
以下に示す実施例8〜13に係る遮音床材を作製し、上述した結果1および2の確認試験を行った。
[実施例8]
実施例1と同じように遮音床材を作製した。実施例1と相違する点は、表5に示すように、基材層の第1層の密度を0.30g/cm(気孔率を83体積%)にし、基材層の第2層の密度を0.25g/cm(気孔率を86体積%)にし、第3層の複合材層の密度を0.20g/cm(気孔率を89体積%)にした点である。
[実施例9]
実施例8と同じように遮音床材を作製した。実施例8と相違する点は、表5に示すように、基材層の第1層の密度を0.40g/cm(気孔率を77体積%)にした点である。
[実施例10]
実施例8と同じように遮音床材を作製した。実施例8と相違する点は、表5に示すように、基材層の第1層の密度を0.50g/cm(気孔率を72体積%)にした点である。
[実施例11]
実施例8と同じように遮音床材を作製した。実施例8と相違する点は、表5に示すように、クッション材層を、独立気泡型のウレタン発泡樹脂を用いた点である。
[実施例12]
実施例8と同じように遮音床材を作製した。実施例8と相違する点は、表5に示すように、基材層の第1層の密度を0.40g/cm(気孔率を77体積%)にした点と、クッション材層を、独立気泡型のウレタン発泡樹脂を用いた点である。
[実施例13]
実施例8と同じように遮音床材を作製した。実施例8と相違する点は、表5に示すように、基材層の第1層の密度を0.50g/cm(気孔率を72体積%)にした点と、クッション材層を、独立気泡型のウレタン発泡樹脂を用いた点である。
Figure 0006595228
実施例8〜13に係る遮音床材に対して、実施例1と同様に床衝撃音レベル低減量(以下低減量という)を測定した。この結果を、表6および図7に示す。
Figure 0006595228
(結果3および考察3)
表6および図7に示すように、実施例8〜10に係る遮音床材の500Hz近傍の低減量は、実施例11〜13のものに比べて高かった。これは、実施例8〜10に係る不織布からなるクッション材層は、実施例11〜13に係る独立気泡型の発泡樹脂からなるクッション材層に比べて、その厚さ方向に亘って連続した気孔が形成され、かつ、基材層とクッション材層とが形成する気孔が厚さ方向において連続しているので、基材層の気孔から抜けた音はクッション材層の気孔で効率的に吸収することができたからであると考えられる。実施例11〜13に係る遮音床材は、あらゆる周波数帯で、衝撃音遮音等級L−35の低減量の基準をクリアした床材であると言える。
さらに、実施例10、実施例9、実施例8の順に、遮音床材の500Hz近傍の低減量が高くなった。実施例13、実施例12、実施例11の順に、遮音床材の500Hz近傍の低減量が高くなった。これは、これらの順に、化粧材層に貼着される複合材層(第1層)の気孔率が高くなっていることが起因している。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
本実施形態では、第1〜第3複合材層の強化繊維および高分子樹脂に同じ材料を用いたが、遮音床材の剛性を確保しつつ、上述した気孔を形成することができるのであれば、各複合材層に異なる材料を用いてもよい。また、本実施形態では、基材層は、第1〜第3複合材層で構成されたが、これらを1層の複合材層で構成してもよい。
本実施形態では、クッション材層に、不織布を用いたが、連続気泡型の発泡樹脂または発泡ゴムからなるクッション材層を用いてもよい。この場合であっても、独立気泡型のものに比べて、遮音床材の遮音性を高めることができる。
1:遮音床材、20:基材、23:第1複合材層、24:第2複合材層、25:第3複合材層、30:化粧材層、40:クッション材層、51:強化繊維、52:高分子樹脂、S1,S2:気孔

Claims (3)

  1. 遮音性能を有した遮音床材であって、
    前記遮音床材は、不規則な方向に配列された強化繊維と、該強化繊維同士を連結する高分子樹脂とを少なくとも含む複合材からなり、前記強化繊維同士の間に形成される隙間により、厚さ方向に亘って連続した気孔が形成された多孔質の基材層と、
    前記遮音床材の表面に位置するように、前記基材層の一方の表面に貼着された化粧材層と、
    前記遮音床材の裏面に位置するように、前記基材層の他方の表面に貼着されたクッション材層と、を備え
    前記化粧材層は、化粧シートからなり、
    前記クッション材層は、不織布からなる層であり、
    前記基材層の気孔と、前記クッション材層の気孔とが連続するように、前記基材層と前記クッション材層とが貼着されており、
    前記基材層の前記気孔と、前記クッション材層の前記気孔は、不規則な方向に延在していることを特徴とする遮音床材。
  2. 前記基材層は、前記遮音床材の厚さ方向に、前記複合材からなる複合材層を複数積層したものであり、
    前記化粧材層に貼着される複合材層の気孔率よりも、それ以外の複合材層の気孔率の方が大きいことを特徴とする請求項1に記載の遮音床材。
  3. 前記遮音床材の表面側から裏面側に進むに従って前記各複合材層の気孔率が大きくなっていることを特徴とする請求項2に記載の遮音床材。
JP2015129585A 2015-06-29 2015-06-29 遮音床材 Active JP6595228B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015129585A JP6595228B2 (ja) 2015-06-29 2015-06-29 遮音床材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015129585A JP6595228B2 (ja) 2015-06-29 2015-06-29 遮音床材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017014714A JP2017014714A (ja) 2017-01-19
JP6595228B2 true JP6595228B2 (ja) 2019-10-23

Family

ID=57830053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015129585A Active JP6595228B2 (ja) 2015-06-29 2015-06-29 遮音床材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6595228B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0428360Y2 (ja) * 1986-10-28 1992-07-09
JPH04113648U (ja) * 1991-03-20 1992-10-05 呉羽テツク株式会社 防音床材用制振材
JP2580336Y2 (ja) * 1991-12-25 1998-09-10 東亜紡織株式会社 防音床材
JP5898934B2 (ja) * 2011-11-30 2016-04-06 呉羽テック株式会社 防音床材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017014714A (ja) 2017-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010031638A (ja) 被覆用タイル
JP2019504946A (ja) 室内内装材用ボード及びそれを製造する方法、並びにそのボードを用いた室内内装材
US20100282539A1 (en) Composite material multilayered membrane with sound insulating and sound absorbing to mitigate impact noise
TWI721653B (zh) 浮動樓板結構
JP6595228B2 (ja) 遮音床材
JP5188341B2 (ja) 無垢遮音床材
JP2595936Y2 (ja) 木質防音床材
JPH055356A (ja) 防音緩衝材およびこれを有する木質系防音床材
JP2016003540A (ja) 木質系床材および床構造
JP6016503B2 (ja) 木質系床材および床構造
JP5901204B2 (ja) 遮音床構造
JP2872732B2 (ja) 木質防音床材および防音用下地材
JPH04209254A (ja) 木質系防音床構造
JP3237774U (ja) 畳用防音クッション材及びこの畳用防音クッション材を有する畳
JPH0230848A (ja) 衝撃吸収床材
JPS63308154A (ja) 防音床材
JP3659060B2 (ja) 床暖房機能付防音床材
JPH0452821B2 (ja)
JPH11256809A (ja) 木質系防音床用緩衝材
JP2000274064A (ja) 防音床材
JP6479304B2 (ja) 木質系床材および床構造
JP2000303673A (ja) 防音床材
WO2020144112A1 (en) Panel suitable for assembling a floor covering
JP2018021355A (ja) 床材
JPH11210212A (ja) 床 材

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180508

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190226

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190425

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190910

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6595228

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150