JPH11280243A - 床材及びこれを用いた集合住宅 - Google Patents

床材及びこれを用いた集合住宅

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JPH11280243A
JPH11280243A JP10081923A JP8192398A JPH11280243A JP H11280243 A JPH11280243 A JP H11280243A JP 10081923 A JP10081923 A JP 10081923A JP 8192398 A JP8192398 A JP 8192398A JP H11280243 A JPH11280243 A JP H11280243A
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Katsuhiko Yamaji
克彦 山路
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人が転倒した際に頭を撃っても安全性の高い
床材及びこれを用いた集合住宅を提供する。 【解決手段】 厚さ3mmの両面突き板貼りMDF14
と、表面に凹凸を有する厚さ7mmのポリオレフィン系
発泡体10と、厚さ3mmの軟質ポリウレタン発泡体1
5とが、この順に積層一体化されて、JIS A651
9に準拠して測定した硬さが70Gの床材16が形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床材及びこれを用
いた集合住宅に関し、詳しくは人が転倒しても安全性が
高く、また防音性及び歩行感の良好な床材ならびにこの
床材を用いた集合住宅に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、集合住宅の床材に関し、掃除がし
易く衛生的な硬質板状体を用いた床材の要望が高まって
いる。しかし、合板等の硬質板状体のみからなる床材は
防音性や転倒時の安全性が低いという問題があった。こ
のうち、防音性の改善については、硬質板状体の裏面に
合成樹脂発泡体層を設けた床材が多数提案されている
(例えば、実開昭56−3945号公報)が、発泡体層
を余り厚くすると、防音性は改善されるものの、歩行時
の沈み込みが大きくなって歩行感が損なわれ、実用に供
し得なくなるため、防音性と歩行性とを兼ね備えた床材
が要望されていた。
【0003】一方、硬い床の上で人が転倒した際に、頭
を撃つと脳震盪を起こし、死に至ることもあり、その安
全基準はJIS A6519による測定で100G以下
が望ましいとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者等の
検討によると、一般の合板製床材の硬さは140〜16
0Gという大きな値を示し、裏面に5〜6mmの軟質ウ
レタン発泡体を貼ったものでも125〜140Gという
値であった。建築物内では激しく転倒し、身体各部、特
に頭、肘、膝、腰などを床に衝突させることもあるの
で、床にある程度の柔らかさがないと大きな傷害事故が
発生する恐れがある。
【0005】しかしながら、特に集合住宅用の、硬質板
状体を用いた床材については、安全性確保の観点から、
転倒時の硬さをある範囲以下に設定する旨の提案はこれ
までなされていない。
【0006】本発明は上記の課題を解決し、人が転倒し
ても安全な床、さらにはかかる安全性と共に良好な防音
性及び歩行感を有する床、及びそれを用いた集合住宅を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明1(請求項1記載
の発明)の床材は硬質板状体を表層とし、JIS A6
519に準拠して測定した硬さが90G以下であること
を特徴とする。
【0008】本発明2(請求項2記載の発明)の床材は
本発明1の床材において、硬質板状体、硬質発泡体及び
軟質発泡体がこの順に積層されているものである。
【0009】本発明3(請求項3記載の発明)の床材は
本発明2の床材において、厚さが1〜5mmの硬質板状
体、厚さが3〜20mmの表面に凹凸を有する硬質発泡
体、及び厚さが1〜5mmの軟質発泡体がこの順に積層
されているものである。
【0010】(硬質板状体)本発明1に用いられる硬質
板状体は、荷重を受けた際に容易に割れたり傷ついたり
しない材料であれば特に限定されず、例えば、単板、
合板、樹脂板、繊維強化合成樹脂板等が挙げら
れ、裏側に多数の溝を、例えば長手方向に、平行に設け
ると防音性能を向上させることができる。これらは、単
独で使用されてもよいが、一般に表面を加飾して使用さ
れる。
【0011】単板 通常「むく板」とよばれる一枚板であり、ニスや油を塗
るだけで木質感に優れた化粧板となる。
【0012】合板類 従来からフロア材に用いられている合板を用いることが
できる。また、中密度繊維板「MDF」とよばれるも
の、高密度繊維板「HDF」とよばれるものを用いるこ
とができる。
【0013】樹脂板 ポリエチレン板(超高分子量ポリエチレン板が特に好ま
しい)、ポリプロピレン板、またはポリ塩化ビニル板な
どの所謂硬質樹脂からなる板が好ましく用いられる。
【0014】繊維強化合成樹脂板 ガラス繊維で補強された、熱硬化性ポリエステル樹脂
板、エポキシ樹脂板、(必要に応じて2〜3倍程度に発
泡されている)硬質ポリウレタン板、ポリ塩化ビニル板
などを用いることができる。
【0015】硬質板状体の厚みは、薄すぎると強度、剛
性が不足し、厚すぎると床衝撃音遮断性能が低下するの
で、1〜5mmが好ましく、より好ましくは2〜4mm
である。
【0016】表面加飾 上記硬質板状体の表面には、意匠性を高めるために、木
目模様、大理石模様、御影石模様などを印刷することに
より装飾をしてもよい。
【0017】また、表面を加飾するために、硬質板状体
の表面に、意匠性を高めるための化粧シート状物をさら
に積層してもよい。この化粧シート状物としては、木目
模様、大理石模様あるいは御影石模様などが印刷された
合成樹脂シート、例えば、塩化ビニルシートなどを用い
ることができる。あるいは、一般に市販されている木材
をスライスすることにより構成された「突き板」などを
化粧シート状物として硬質板状体の表面に接着してもよ
い。表裏両面に突き板を設けると反りが少なくなる点で
好ましい。
【0018】上記化粧シート状物を硬質板状体に接着す
るための接着剤や粘着剤としては、一般的に用いられて
いるアクリル系接着剤や天然もしくは合成ゴム系接着剤
を用いることができる。
【0019】表面コーティング 本発明1において必要に応じて、表面の耐磨耗性を高め
たり、色艶を発現させたりするために、表面(硬質板状
体の表面あるいは化粧シート状物をさらに積層した場合
には該化粧シート状物の表面)上にコーティングを施し
てもよい。このようなコーティング方法としては、一般
的にセラミックコーティングと称されている方法を採用
することができ、それによって表面の耐磨耗性を高める
ことができる。セラミックコーティングは、コロイダル
シリカなどの無機微粒子を含有してなるアクリルシリコ
ン系、アクリルウレタン系、炭素数10以下のアルキル
基を含有するアルキルシリケート系などの塗料を塗布
し、乾燥させることにより行い得る。
【0020】上記硬質板状体の圧縮弾性率は、小さすぎ
ると人の体重や家具の荷重により浮沈するので 通常、
4kg/cm2 以上とされ、好ましくは5kg/cm2
以上のものが用いられる。上記硬質板状体の曲げ弾性率
は、大きすぎると床衝撃音遮断性能が低下するので、好
ましくは500〜2200kg/cm2 である
【0021】本発明の床材は、JIS A6519に準
拠して測定した硬さ(発生する加速度の最大値)が、9
0G以下である。JIS A6519.8.7に規定さ
れる床の硬さ試験による値が、90Gより大きいと集合
住宅内で転倒したときに頭を打って死ぬ恐れがあるとさ
れている。
【0022】JIS A6519.8.7は、人間の頭
部をモデル化し、各部の使用を実際の頭部と近似させた
ものであり、具体的には、フレーム(外径216.3m
m、厚さ8.2mm、幅40mm、重量1.71Kg、
撓み剛性2.12×103 Kg/cm)、ヘッド及び重
錘(1.34Kg)等からなる全重量3.85Kgの頭
部モデルの装置を所定高さから床上のゴム板に自由落下
させたとき加速度計に発生する最大加速度により、転倒
衝突の安全性から見た床の硬さを評価するものである。
【0023】(硬質発泡体)上記硬質発泡体としては、
倍率が5〜25倍の硬質ポリウレタン発泡体、倍率が1
0〜30倍の硬質ポリスチレン発泡体などが挙げられる
が、特に以下に示す、熱可塑性樹脂よりなる連続発泡層
と、この連続発泡層の少なくとも片面上に複数配置され
た熱可塑性樹脂よりなる高発泡部と、前記連続発泡層と
共に該高発泡部の外表面を被覆する熱可塑性樹脂よりな
る低発泡薄膜とを備え、前記複数の高発泡体が互いに前
記低発泡薄膜を介して熱融着されている板状の熱可塑性
樹脂発泡体であって、上記複数の高発泡部の前記連続発
泡層で覆われていない側の面が、低発泡薄膜で被覆され
た高発泡部が凸、高発泡部が凹となるように凹凸面が形
成されている、硬質熱可塑性樹脂発泡体が好ましい。
【0024】かかる凹凸面が形成された硬質発泡体の体
積は、該発泡体に外接し得る最小の直方体の体積に対し
て、通常50〜90%(この割合を、以下「充填率」と
いう)とされる。
【0025】上記硬質発泡体の発泡倍率は、低すぎると
軽量性を損ない、高すぎると圧縮強度が低下するので、
上記連続発泡層、低発泡薄膜及び高発泡部として共にポ
リオレフィン樹脂を用いる場合、通常2〜30倍であ
り、好ましくは3〜20倍、さらに好ましくは7〜12
倍である。上記硬質発泡体の厚みは、3〜20mmが好
ましく、より好ましくは2〜15mmである。
【0026】上記硬質発泡体を製造する方法は、特に限
定されるものではないが、例えば、発泡剤を含有してい
る発泡性熱可塑性樹脂粒状体が平面的に略均一に配置さ
れ、上記発泡性熱可塑性樹脂粒状体が発泡性熱可塑性樹
脂薄膜を介して一体的に連結されている発泡性熱可塑性
樹脂シート状体を、発泡剤の分解温度以上に加熱し発泡
させる工程と、発泡膨張する熱可塑性樹脂シート状体が
完全充填される以上の隙間を有する冷却装置で冷却する
工程とを備えた方法が好ましい。
【0027】上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体に用い
られる熱可塑性樹脂、即ち硬質発泡体を構成する熱可塑
性樹脂は、特に限定されないが、凹凸形状を形成し易
い、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン
系樹脂又はこれらの混合物が好ましく、高い圧縮強度を
発現できる高密度ポリエチレン、ホモポリプロピレン又
はこれらの少なくとも一方を含む混合物が特に好まし
い。
【0028】上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体に用い
られる熱可塑性樹脂としては、発泡倍率の向上及び得ら
れる凹凸状熱可塑性樹脂発泡体の軽量化を図り得るた
め、架橋されたものを用いることが好ましい。架橋方法
としては、例えば、シラングラフト重合体を熱可塑性樹
脂に溶融混練後、水処理を行い、架橋する方法が挙げら
れる。
【0029】上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体に用い
られる熱可塑性樹脂は、好ましくは、殆ど相溶性を有し
ない高架橋熱可塑性樹脂組成と低架橋熱可塑性樹脂組成
との混合物よりなる。この場合、発泡時には低架橋もし
くは無架橋熱可塑性樹脂組成物が流動し易いので、得ら
れる熱可塑性樹脂発泡体の凹凸部を形成し易いので好ま
しい。
【0030】高架橋熱可塑性樹脂組成と低架橋又は無架
橋熱可塑性樹脂組成における高架橋及び低架橋とは、双
方の架橋度の大小により決定される相対的な表現であ
り、2つの架橋熱可塑性樹脂組成のうち、相対的に高架
橋の樹脂組成を高架橋樹脂組成(A)といい、他方を低
架橋又は無架橋樹脂組成(B)という。
【0031】高架橋樹脂組成(A)は、樹脂成分(A')
を主成分とする樹脂組成であり、低架橋又は無架橋樹脂
組成(B)は、樹脂成分(B')を主成分とする樹脂組成
である。従って、殆ど相溶性を有さない、高架橋樹脂組
成(A)と低架橋又は無架橋樹脂組成(B)との混合物
を発泡性熱可塑性樹脂シート状体を構成する熱可塑性樹
脂として使用する際には、その主成分である樹脂成分
(A')と樹脂成分(B')が殆ど相溶性を示さない。
【0032】殆ど相溶性を有しない上記2種類の樹脂成
分(A'),(B')に使用される熱可塑性樹脂としては、
前述したポリオレフィン系樹脂を好適に用いることがで
きるが、均一微細な樹脂成分(A')及び樹脂成分(B')
を形成するには、2種類の熱可塑性樹脂の溶解性パラメ
ーターの差が0.1〜2.0であることが好ましく、
0.2〜1.5であることがより好ましい。
【0033】また、上記2種類の熱可塑性樹脂のメルト
インデックス(以下「MI」という、JIS K721
0に従って測定された値)の差は、5〜13g/10分
であることが好ましく、7〜11g/10分であること
がより好ましい。
【0034】樹脂成分(A')及び樹脂成分(B')が均一
に分散し、かつ表面平滑性に優れた高発泡倍率の熱可塑
性樹脂発泡体を得るためには、高架橋樹脂組成(A)と
低架橋又は無架橋樹脂組成(B)との混合比率は重量比
で、2:8〜8:2であることが望ましく、4:6〜
6:4が好ましく、5:5がより好ましくい。
【0035】高架橋樹脂組成(A)の架橋度は、架橋度
の指標となるゲル分率で5〜60重量%が好ましく、1
0〜30重量%がより好ましい。低架橋又は無架橋樹脂
組成(B)の架橋度は、架橋度の指標となるゲル分率で
5重量%以下が好ましく、3重量%以下がより好まし
い。
【0036】殆ど相溶性を有さない、高架橋樹脂組成
(A)と低架橋又は無架橋樹脂組成(B)との混合物を
調製する方法としては、樹脂成分(A')と殆ど同じMI
を有し、かつ架橋性官能基を有する、樹脂成分(A')と
同種の架橋性樹脂(C)を、樹脂成分(A')及び樹脂成
分(B')と共に混合した後、架橋させる方法が好まし
い。
【0037】上記架橋性樹脂(C)の具体的な例として
は、シラン変性ポリエチレン、シラン変性ポリプロピレ
ンが好ましい。架橋性樹脂(C)を架橋する方法として
は、反応性官能基を加水分解した後に水架橋する方法が
好ましい。
【0038】(軟質発泡体)本発明に用いられる軟質発
泡体は、上記硬質発泡体と相対的に圧縮弾性率の小さな
ものであれば特に限定されず、例えば、発泡倍率20〜
40倍のポリエチレン発泡体、軟質ポリウレタン発泡体
等が挙げられ、独立発泡体が好ましく用いられる。連続
発泡体を用いる場合は、施工時に接着剤が気泡中に含浸
される場合があるため、フィルムや目の細かい不織布等
を積層するのが好ましい。
【0039】本発明の床材は、軟質発泡体がコンクリー
ト床スラブに接するように施工される場合が多いので、
軟質発泡体の厚さは、コンクリートの凹凸を吸収できる
ように、通常1〜5mm、好ましくは2〜3mmとされ
る。
【0040】(床材の作製)硬質板状体、硬質発泡体及
び軟質発泡体の各界面には、水系ポリ酢酸ビニルエマル
ジョン、アクリル系粘着剤、クロロプレン系接着剤等、
一般に床材の接着に使用されている接着剤が適宜用いら
れて、二層又は三層が接着積層一体化されて、本発明の
床材が得られる。接着性を高める場合には、例えば硬質
発泡体にコロナ放電処理を行うとよい。
【0041】(作用)本発明1の床材は、硬質板状体を
表層とし、JIS A6519に準拠して測定した硬さ
が90G以下であることを特徴とするものであるから、
掃除がし易く衛生的であると共に、人が転倒して頭等を
撃っても安全性が確保される。本発明2の床材は、硬質
板状体、硬質発泡体及び軟質発泡体が、この順に積層さ
れた本発明1の床材であるから、さらにコンクリート等
の床下地材に不陸を吸収調整できて歩行感が良好である
と共に、防音性が確保される。
【0042】本発明3の床材は、本発明2の床材におい
て厚さが1〜5mmの硬質板状体、厚さが3〜20mm
の表面に凹凸を有する硬質発泡体、及び厚さが1〜5m
mの軟質発泡体がこの順に積層されているものであるか
ら、凹凸状硬質発泡体によって床材としての強度の剛性
を保持することにより、硬質板状体を薄くして安全性を
さらに高めると共に、防音性を維持することが可能であ
る。
【0043】本発明4の集合住宅は、本発明1乃至3の
床材の何れかを用いるものであるから、少なくとも、住
宅内で人が転倒しても傷害が軽くて済み、場合によって
は防音性、歩行性も良好である。
【0044】
【実施例】(実施例1)発泡性熱可塑性樹脂シート状体の製造 ポリプロピレン(MI=11g/10分)50重量部、
架橋性シラン変性ポリプロピレン(三菱油化社製、品番
「XPM800H」、MI=11g/10分、架橋後の
ゲル分率80重量%)50重量部、高密度ポリエチレン
(MI=1.5g/10分)20重量部、シラン架橋触
媒としてのジブチル錫ジラウレート0.1重量部、及び
熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド(大塚化学
社製、品番「SO−20」、分解温度210℃)4重量
部を、図1に示した押出機1に供給した。押出機1にお
いて、上記組成物を180℃で溶融混練し、面長500
mmTダイ2により軟化状態のシート状発泡性熱可塑性
樹脂に押し出した。
【0045】さらに、径250mm及び面長500mm
であって、外周面に千鳥状に配置された円筒状凹部3a
を有する賦形ロール3と外周面が平滑な賦形ロール4と
の間に、軟化状態のシート状発泡性熱可塑性樹脂を賦形
しつつ冷却し、上記賦形ロール3の凹部3aに対応する
部分において、発泡剤を含有している発泡性熱可塑性樹
脂粒状体5が平面的に略均一に千鳥状に配置されてお
り、かつ前記発泡性熱可塑性樹脂粒状体5が、発泡性熱
可塑性樹脂薄膜6を介して一体的に連結されている発泡
性熱可塑性樹脂シート状体7を得た。得られた発泡性熱
可塑性樹脂シート状体7を98℃の水中に2時間浸漬し
た後乾燥することにより、最終的に賦形された発泡性熱
可塑性樹脂シート状体を得た。
【0046】この発泡性熱可塑性樹脂シート状体7にお
ける発泡性熱可塑性樹脂粒状体5の高さは5mm、径は
4mm、粒状体間の中心間隔は10mm、並びに、発泡
性熱可塑性樹脂薄膜6の厚みは0.3mmであった。
【0047】熱可塑性樹脂発泡体の製造及び発泡体の形
上記発泡性熱可塑性樹脂シート状体7を、フッ化エチレ
ン樹脂シート8上に配置し、さらに上方にフッ化エチレ
ン樹脂シート8を重ね、210℃のハンドプレスを用い
10分間加熱して発泡させた後、図2に示す如く、7m
mの間隔を有する30℃の冷却プレス型9に移し、10
分間冷却し、厚さが7mmの熱可塑性樹脂発泡体10を
得た。この熱可塑性樹脂発泡体10の発泡倍率を水中置
換法にて測定したところ10倍であった。
【0048】上記熱可塑性樹脂発泡体10は、熱可塑性
樹脂よりなる連続発泡層11と、この連続発泡層11の
片面上に複数配置されたる熱可塑性樹脂よりなる高発泡
部12と、前記高発泡部12の外表面を被覆する熱可塑
性樹脂よりなる低発泡薄膜13とを備え、前記複数の高
発泡部12が互いに前記低発泡薄膜13を介して熱融着
されている板状の熱可塑性樹脂発泡体であって、上記複
数の高発泡部12の前記連続発泡層11で覆われていな
い側の面が、低発泡薄膜13で被覆された高発泡部12
が凸、高発泡部12間が凹となるように凹凸面が形成さ
れているため、高い圧縮強度、即ち硬質性を発現するの
である。尚、図2及び後に示す図3はあくまで模式的な
図であり、特に低発泡薄膜13と高発泡部12との界面
は図示の如く、均一明瞭には形成されない場合がある。
熱可塑性樹脂発泡体10の凸部の高さは7mmであり、
体積の上述した充填率は75%であった。
【0049】床材の作製 硬質板状体として、厚さ0.3mmの突き板を厚さ2.
4mmの中密度繊維板(MDF)の両面に貼り付けたも
のを、また、硬質発泡体として上記厚さ7mmの熱可塑
性樹脂発泡体を、さらに軟質発泡体として厚さ3mm、
発泡倍率40倍の軟質ポリウレタン発泡体を用意した。
図3に示す如く、これら硬質板状体14、硬質発泡体1
0及び軟質発泡体15の界面を水系ポリ酢酸ビニルエマ
ルジョン(200g/m2)を用いて接着積層し床材16
を得た。
【0050】性能評価 (床材の硬さ)JIS A6519.8.7に準拠し図
1に示す硬さ測定装置を用いて測定した。図1におい
て、Aは荷重変換器、B、Dは加速度計、Cは歪みゲー
ジ、Eは1.34Kgの重錘、Fはフレーム、Gは鋼性
ヘッドであり、これらにより全重量3.85Kgの頭部
モデルが構成されている。試験は、床材16に置かれ
た、ショアA硬度37のゴム板の測定点に高さL20c
mの位置から重量3.85Kgの頭部モデルを自由落下
させ、床に衝突したときの加速度を測定し、転倒衝突時
の硬さを求めた。
【0051】(防音性)JIS A1418に準拠して
軽量床衝撃レベルLLを測定した。
【0052】(歩行感)直径50mmの鋼球を硬質板状
体側に80Kgfの力で押しつけたときの沈み込み量か
ら判断した。通常2mm前後、具体的には1.4〜2.
6mmが良好とされている。4mm以上では歩行時につ
かつかとした不快感があらわれ、0mmではコンクリー
トの上を歩いているように足の裏が痛くなる。
【0053】これらの測定結果を、他の例の結果と併せ
て表1に示す。
【0054】(実施例2)厚さ4.4mmのMDFを用
い、硬質板状体の厚さを5mmとしたこと以外は、実施
例1と同様にして、床材を作製し特性を評価した。
【0055】(比較例1〜4)表1に示すように、実施
例1と同じ突き板と厚さの異なるMDFとから、実施例
1と異なる厚さの硬質板状体を得て、さらに実施例1と
同じ硬質発泡体と、同じ軟質発泡体もしくは厚さのみ異
なる軟質発泡体とを適宜組み合わせて、実施例1と同様
にして床材を作製し特性を評価した。
【0056】(比較例5〜7)硬質発泡体を全く用いて
いない、表1記載の層構成の市販の防音床材(比較例
5、6)と硬質板状体のみからなる市販の非防音床材
(比較例7)の特性を評価した。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明1の床材は、掃除がし易く衛生的
であると共に人が転倒した場合にも安全性が高い。本発
明2の床材は、加えて、歩行感及び防音性が良好であ
る。本発明3の床材は、より安全性が高く、より防音
性、歩行感が良好である。本発明4の集合住宅は、上記
本発明1〜3の何れかの床材を用いているので、少なく
とも安全性が高く、場合により防音性、歩行性も良好な
住環境が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項2記載の床材に用いられる硬質発泡体を
得るための発泡性熱可塑性樹脂シート状体を製造する工
程を説明するための部分的模式的断面図である。
【図2】硬質発泡体を製造する際の冷却工程を示す模式
的断面図である。
【図3】本発明の床材の一例を示す模式的部分断面図で
ある。
【図4】床材の硬さ測定装置の例を示す図である。
【符号の説明】
7 発泡性熱可塑性樹脂シート状体 10 硬質発泡体 14 硬質板状体 15 軟質発泡体 16 床材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質板状体を表層とし、JIS A65
    19に準拠して測定した硬さが90G以下であることを
    特徴とする床材。
  2. 【請求項2】 硬質板状体、硬質発泡体及び軟質発泡体
    がこの順に積層されていることを特徴とする請求項1に
    記載の床材。
  3. 【請求項3】 厚さが1〜5mmの硬質板状体、厚さが
    3〜20mmの表面に凹凸を有する硬質発泡体、及び厚
    さが1〜5mmの軟質発泡体がこの順に積層されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の床材。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3の何れか1項に記載の床材
    を使用した集合住宅。
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