JP5680899B2 - 床材 - Google Patents

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本発明は床材に関し、特に衝撃吸収性能に優れた床材に関する。
床材が敷設された室内で高齢者や障害者などが転倒したときに床材からの衝撃で怪我をする事故が頻発しており、骨折などの重傷を負うケースも多い。このため、転倒の際に床材からの衝撃を小さくするような機能すなわち衝撃吸収性能を持った床材の開発が望まれている。日本建築学会床工事WGの報告によれば、JIS A 6519の測定方法により測定した最大加速度の値(G値)が100G以下であれば、人間が転倒して頭などを床にぶつけた際であっても怪我を負いにくいものとされている。
このような背景から、特許文献1には、表面材の裏面に、アスカーC硬度が70度以下かつ厚み2mm以上の衝撃吸収材を積層することにより、上記測定による最大加速度80G以下の衝撃吸収性能を有する木質床材が得られることが記載されている。
特開2010−47979号公報
特許文献1記載の木質床材において、表面材としては厚さ2〜13mm程度の合板や木質繊維板など(実施例では厚さ2mmおよび4mmの合板)が用いられ、衝撃吸収材としては厚さ2mm以上の合成樹脂発泡体やゴム発泡体などが用いられるものとされているが、衝撃吸収材において所期の衝撃吸収性能を発揮するためにはある程度の厚さを必要とし、全体として床材が厚くなりがちであった。
また、床材は隣り合う二辺の木口に雄実、他の二辺の木口に雌実を形成し、これら実同士の嵌合を介して床材を連接施工することが一般に行われているところ、軟質な合成樹脂発泡体やゴム発泡体などからなる衝撃吸収材に実を形成することはできないので、特許文献1の請求項2や実施例に記載されているように衝撃吸収材の裏面側にさらに4mm厚合板などの裏面材を設けてこの裏面材に実を形成する必要があり、さらに床材の全体厚が大きなものとなっていた。
このため、衝撃吸収性能を持つ厚い床材が施工された部屋と、衝撃吸収性能を持たない薄い床材が施工された部屋との間に段差が生じ、この段差につまずいて転倒するなど新たな問題が生ずる恐れがあった。床材裏面に根太や合板などの高さ調整材を設けることによって段差を解消することは可能であるが、余分な施工手間やコストがかかるので好ましくない。
また、衝撃吸収性能を持つ床材において表面材を薄くしたり、反対に衝撃吸収性能を持たない床材において表面材を厚くして、これらの全体厚を同一にして段差を解消させることも可能であるが、前者の場合は薄い表面材が撓んで割れやすくなって耐久性が低下し、後者の場合は厚い表面材を用いることでコストが増大する。さらには、表面材の厚さが異なることによって荷重を受けたときの撓み量が異なることになるので、これによって実の破損などが生ずるおそれもある。
また、衝撃吸収材が厚くなると、衝撃吸収性能は向上するものの、人が歩行したときに衝撃吸収材の沈み込みが大きくなり、歩行感が悪くなる。さらに、歩行する人の荷重を受けた床材とこれに隣接する荷重を受けていない床材との間に段差が生じ、歩行時のつまずきの原因になったり、段差によって表れた隣接床材の側面木口に物がぶつかって該床材を破損させるなどのおそれがある。
衝撃吸収材の厚みによる沈み込み量を小さくするために、衝撃吸収材の厚さを薄くしたり、衝撃吸収材の硬さを硬くするなどの方法も考えられるが、いずれも衝撃吸収性能を低下させてしまうことになるので実際には採用しがたい方法である。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、人が転倒した際に床から受ける衝撃を小さくする衝撃吸収性能を有する床材において、衝撃吸収性能を必要としない部屋との床施工高さに段差が生じないようにすると共に、歩行時の過度の沈み込みを防止することで歩行感の低下や段差の発生を生じないようにするための新規な構造を提供することである。
この課題を解決するため、請求項1に係る本発明は、表面側から、第一基材と、第一緩衝材と、第二基材と、第二緩衝材とが順次に積層されてなる床材であって、第一基材および第二基材はいずれも木質材からなり、第一緩衝材および第二緩衝材はいずれも合成樹脂発泡体からなり、第一緩衝材は独立気泡発泡体からなるものであって厚さが0.5〜2.5mmであり、第二緩衝材は厚さが3.0〜5.0mmであり、第二基材はその表面および裏面に開口する溝を有しないものであってその表裏面が全面で第一緩衝材および第二緩衝材と接触しており、JIS A 6519の測定方法により測定した最大加速度の値(G値)が100G以下であることを特徴とする。
請求項2に係る本発明は、請求項1記載の床材において、第一緩衝材および第二緩衝材のアスカーC硬度はいずれも20〜70度であることを特徴とする。
本発明は、請求項1に記載されるように、第一基材/第一緩衝材/第二基材/第二緩衝材の積層構成を有する床材において、第一緩衝材として独立気泡発泡体が使用されるので、第一基材および第二基材と接着される際に第一緩衝材の表裏に塗布される接着剤が、その後の製造工程において加圧されても、第一緩衝材の内部にまで浸透して硬化することがない。すなわち、該接着剤は実質的に表裏面およびその近傍領域にのみ付着・浸透するに止まった状態で硬化するので、第一緩衝材の厚さや硬度を実質的に維持し、床材全体としての厚さや硬度の精度を向上させると共に、第一緩衝材としての所期の衝撃吸収性能を低下させることがない。これにより、他の特定事項とも相俟って、JIS A 6519の測定方法により測定した最大加速度の値(G値)が100G以下である床材を提供して、前記課題を達成する。
また、第一緩衝材の厚さを0.5〜2.5mmとすることにより、衝撃性能を確保すると共に、衝撃を受けたときに第一基材が撓みを生じても第一衝撃材の最大沈み込み量を2.5mm未満に抑えることができるので、第一基材の割れを防止することができる。また、第二緩衝材の厚さを3.0〜5.0mmとすることにより、衝撃吸収性能を確保すると共に、衝撃吸収性能を必要としない部屋との床施工高さに段差が生じることを防止し、過度の沈み込みによる歩行感の悪化なども生じないようにすることができる。
さらに、第一緩衝材および第二緩衝材のアスカーC硬度をいずれも20〜70度とすることによって、人が転倒した際に受けるG値を100G以下にすることができるので、人が転倒して頭などを床にぶつけた場合であっても怪我の発生を有効に防止することができる。
本発明による床材の構成を示す断面図である。
まず、図1を参照しながら本発明による床材の構成について説明する。本発明による床材1は、図1に示すように、表面側から第一基材2/第一緩衝材3/第二基材4/第二緩衝材5の積層構成を有する。
第一基材2は、たとえばMDF、HDFなどの木質繊維板、合板、無垢材、積層板、集成材などの木質材からなり、その表面には任意に化粧紙、突板、オレフィンシートなどの合成樹脂シートなどによる化粧シートが貼着される。また、第一基材2の表面、あるいは該表面に貼着された化粧シートの表面に任意塗装を施すことができる。塗装は、防滑性能を有する防滑性塗料を用いて行うことが好ましい。
第一基材2の厚みは0.5〜1.5mmであることが好ましい。この厚みが0.5mm未満では表面強度が弱く、衝撃を受けた際に破損したり凹みが発生しやすくなる。1.5mmより厚くなると、裏面に積層される第一緩衝材3の衝撃吸収性能が損なわれてしまう。
第一緩衝材3には、たとえばエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン(PE)、塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂発泡体を用いる。この床材1の製造工程において第一基材が第一基材および第二基材と加圧接着される際に、接着剤が第一緩衝材3の内部に浸透した状態で圧縮されてしまうと、第一緩衝材の厚みや硬度が大きく変化して床材全体としての厚さや硬度の精度が損なわれると共に、第一緩衝材による衝撃吸収性能が大幅に低下してしまうが、第一緩衝材3として独立気泡発泡体を用いることにより、第一緩衝材の厚みや硬度が実質的に維持され、床材の精度や第一緩衝材による所期の衝撃吸収性能を損なうことがない。
第一緩衝材3の厚みは0.5〜2.5mmである。この厚みが0.5mm未満では衝撃吸収性能が不十分となり、床の硬さ試験において100G以下の値を得ることが困難になる。2.5mmより厚くなると、第一基材2が衝撃を受けた際に第一基材2が深く撓むことになり、第一基材2が割れやすくなる。
第一緩衝材3として用いられる独立気泡発泡体の発泡倍率は5〜30倍程度であることが好ましい。発泡倍率が30倍を越えると柔らかくなりすぎてしまい、荷重を受けたときの沈み込みが大きくなって歩行時に不快感を与える。また、人が転倒した場合に第一基材2から受ける衝撃を十分に緩衝することができず、転倒した人の頭などがその下層の第二基材4に強く打ち付けられる危険性がある。一方、発泡倍率が5倍を下回ると硬すぎるものとなって衝撃吸収性能が低下してしまう。これらの要因から、第一緩衝材3の発泡倍率は5〜30倍であることが好ましく、より好ましくは8〜15倍である。
第一緩衝材3として用いられる独立気泡発泡体はアスカーC硬度が20〜70度であることが好ましい。アスカーC硬度が20度未満であると、荷重を受けたときの沈み込みが大きくなって歩行時に不快感を与える。また、人が転倒した場合に第一基材2から受ける衝撃を十分に緩衝することができず、転倒した人の頭などがその下層の第二基材4に強く打ち付けられる危険性がある。一方、アスカーC硬度が70度より大きくなると緩衝材として硬すぎるものとなって衝撃吸収作用を十分に発揮することができない。これらの要因から、第一緩衝材3のアスカーC硬度範囲は20〜70度であることが好ましく、より好ましくは35〜60度である。
第二基材4は、第一基材2と同様、たとえばMDF、HDFなどの木質繊維板、合板、無垢材、積層板、集成材などの木質材からなる。
第二基材4には、施工時に隣接する床材と嵌合する実(雄実、雌実)が四周木口面に形成するために厚みを大きく取る必要があり、たとえば5.0〜10.0mmの厚みとする。厚みが5.0mm未満ではこの厚み範囲に実を形成することが困難となる。10.0mmより厚くなると、床材全体の厚みが大きくなりすぎてしまい、衝撃吸収性能を必要としない部屋との床施工高さに段差が生じやすくなる。
第二緩衝材5は、たとえばポリウレタン(PU)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン(PE)、塩化ビニル(PVC)などの合成樹脂発泡体からなり、独立気泡発泡体および連続気泡発泡体のいずれであっても良い。また、第二緩衝材5の裏面には防水または防湿シートが貼着されることが好ましい。
第二緩衝材5の厚みは3.0〜5.0mmである。この厚みが3.0mm未満では衝撃吸収性能が不十分となり、床の硬さ試験において100G以下の値を得ることが困難になる。5.0mmより厚くなると、床材全体の厚みが大きくなりすぎてしまい、衝撃吸収性能を必要としない部屋との床施工高さに段差が生じやすくなる。また、柔らかすぎて歩行時の沈み込みが大きくなり、不快感を与える。
第二緩衝材5として用いられる発泡体の発泡倍率は5〜30倍程度であることが好ましい。発泡倍率が30倍を越えると柔らかくなりすぎてしまい、荷重を受けたときの沈み込みが大きくなって歩行時に不快感を与える。また、第二緩衝材5は実が形成される第二基材4の裏面に貼着されるので、第二基材4が沈み込むと隣接する床材と嵌合している実が破損する危険性がある。一方、発泡倍率が5倍を下回ると硬すぎるものとなって衝撃吸収性能が低下してしまう。これらの要因から、第二緩衝材5の発泡倍率は5〜30倍であることが好ましく、より好ましくは15〜25倍である。
第二緩衝材5にはアスカーC硬度が20〜70度のものを用いることが好ましい。第二緩衝材5のアスカーC硬度が20度未満であると、柔らかすぎて歩行時の沈み込みが大きくなり、不快感を与える。また、第二緩衝材5は実が形成される第二基材4の裏面に貼着されるので、第二基材4が沈み込むと隣接する床材と嵌合している実が破損する危険性がある。一方、アスカーC硬度が70度より大きくなると、緩衝材として硬すぎるものとなって衝撃吸収作用を十分に発揮することができない。これらの要因から、第一緩衝材3のアスカーC硬度範囲は20〜70度であることが好ましく、より好ましくは25〜45度である。
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明することにより、本発明の構成および作用効果をより具体的に実証する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によって定義される発明の範囲内において様々な変形・変更が許容されることは言うまでもない。
図1に示す第一基材2/第一緩衝材3/第二基材4/第二緩衝材5の積層構成を有する床材1において、各層について表1〜表5に示すように材質、厚みおよび緩衝材硬度を様々に変えて各種の床材サンプルを得て、実同士の嵌合を介して床下地上に連接施工した。そして、各床材サンプルについてJIS A 6519の測定方法により最大加速度を測定して衝撃吸収性能を評価すると共に、衝撃を受けたときに第一基材2の表面が損傷したか否かを目視確認し、さらに、衝撃試験後に床材サンプルを剥がして実が破損しているか否かを目視確認した。これらの評価も表1〜表3に併せて示されている。表1中の床材サンプルa−2〜a−4、表2中の床材サンプルb−3〜b−5、表3中の床材サンプルc−3〜c−5、表4中の床材サンプルd−2〜d−6および表5中の床材サンプルe−2〜e−6が本発明実施例であり、これらはいずれもG値が100G以下であって十分な衝撃吸収性能を有することが確認され、また、衝撃を受けても第一基材の表面には何ら破損が見られず、第二基材の木口に形成した実が破損することもなかった。なお、各表に異なるサンプル番号が付されているが、床材サンプルa−2,b−4,c−4,d−3,e−2は同一の本発明実施例である。
Figure 0005680899
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より詳しく説明すると、表1は、第一基材/第一緩衝材/第二基材/第二緩衝材の積層構成を有する床材において、第一基材の厚みを0.5〜1.5mmの範囲において3通りに変え、第一緩衝材、第二基材および第二緩衝材についてはすべて同一条件として床材サンプルa−1〜a−3を作製して、第一基材の厚みによる影響を確認するために行った試験のデータおよび結果を示している。ここに示す結果から分かるように、第一基材の厚みを0.5〜1.5mmとしたサンプルa−1〜a−3はいずれもG値が100G以下であって衝撃吸収性能に優れ、衝撃を受けても第一基材の表面や実が破損することがなく耐久性にも優れていた。これに対し、第一基材の厚みを0.5mm未満および1.5mmを越えるサンプルについても同様に試験を行ったところ、前者は衝撃吸収性能には問題がないものの、衝撃を受けたときに第一基材表面が破損することがあり、また、後者は衝撃吸収性能が低下した。この結果から、十分な衝撃吸収性能を発揮しながら衝撃による第一基材の破損を防止するためには、第一基材2は0.5〜1.5mmの厚みを有することが好ましいことが確認された。
表2は、同様の積層構成を有する床材において、第一緩衝材の厚みを0(すなわち第一緩衝材なし)〜3.6mmの範囲において5通りに変え、第一基材、第二基材および第二緩衝材についてはすべて同一条件として床材サンプルb−1〜b−6を作製して、第一緩衝材の存在および厚みによる影響を確認するために行った試験のデータおよび結果を示している。ここに示す結果から分かるように、厚み0.8〜2.4mmの第一緩衝材を有するサンプルb−3〜b−5はいずれもG値が100G以下であって衝撃吸収性能に優れ、衝撃を受けても第一基材の表面や実が破損することがなかったのに対し、第一緩衝材を省略して第一基材/第二基材/第二緩衝材の3層積層構成としたサンプルb−1および厚み0.3mmの第一緩衝材を有するサンプルb−2はいずれもG値が100Gを越えてしまい、十分に衝撃吸収性能を発揮できないものであった。また、厚み3.6mmの第一緩衝材を有するサンプルb−6は衝撃吸収性能は十分に優れたものであったが、衝撃を受けて第一基材表面が破損した。この結果から、十分な衝撃吸収性能を発揮しながら衝撃による第一基材の破損を防止するためには、第一緩衝材が必須であり、且つ、その厚みを0.5〜2.5mmの範囲内とすべきことが確認された。
表3は、同様の積層構成を有する床材において、第二緩衝材の厚みを0(すなわち第二緩衝材なし)〜8.0mmの範囲において5通りに変え、第一基材、第一緩衝材および第二緩衝材についてはすべて同一条件として床材サンプルc−1〜c−6を作製して、第二緩衝材の存在および厚みによる影響を確認するために行った試験のデータおよび結果を示している。ここに示す結果から分かるように、厚み3.0〜5.0mmの第二緩衝材を有するサンプルc−3〜c−5はいずれもG値が100G以下であって衝撃吸収性能に優れ、衝撃を受けても第一基材の表面や実が破損することがなかったのに対し、第二緩衝材を省略して第一基材/第一緩衝材/第二基材の3層積層構成としたサンプルc−1および厚み2.5mmの第二緩衝材を有するサンプルc−2はいずれもG値が100Gを越えてしまい、十分に衝撃吸収性能を発揮できないものであった。また、厚み8.0mmの第二緩衝材を有するサンプルc−6は衝撃吸収性能は十分に優れたものであったが、衝撃を受けて第二基材の実が破損した。この結果から、第二緩衝材が必須であり、その厚みは3.0〜5.0mmの範囲内とすべきことが確認された。
表4は、同様の積層構成を有する床材において、第一緩衝材の厚みを前記表2の結果から確認された0.5〜2.5mmの範囲の略中心値である1.2mmに固定しながらそのアスカーC硬度を25〜65度の範囲において5通りに変え、第一基材、第二基材および第二緩衝材についてはすべて同一条件として床材サンプルd−1〜d−5を作製して、第一緩衝材の硬度による影響を確認するために行った試験のデータおよび結果を示している。ここに示す結果から分かるように、第一緩衝材の硬度が25〜65度であるサンプルd−1〜d−5はいずれもG値が100G以下であって衝撃吸収性能に優れ、衝撃を受けても第一基材の表面や実が破損することがなかった。特に、第一緩衝材の硬度が40〜55度であるサンプルd−2〜d−4はいずれもG値が90G以下であってきわめて優れた衝撃吸収性能を有するものであった。これに対し、第一緩衝材の硬度が25度未満および65度を超えるサンプルについても同様に試験を行ったところ、いずれも100G以下のG値を得ることが困難であった。この理由は、前者においては第一緩衝材が柔らかすぎるものとなって、第一基材が受けた衝撃を緩衝することなくそのまま裏面側の第二基材に伝えてしまい、また、後者においては第一緩衝材が硬すぎるものとなって、第一基材が受けた衝撃を緩衝することなく跳ね返してしまうために、いずれも十分な衝撃吸収性能を発揮できなくなったものと考えられた。この結果から、第一緩衝材のアスカーC硬度は20〜70度であることが好ましく、より好ましくは35〜60度であることが確認された。
表5は、同様の積層構成を有する床材において、第二緩衝材の厚みを前記表3の結果から確認された3.0〜5.0mmの範囲の中心値である4.0mmに固定しながらそのアスカーC硬度を20〜65度の範囲において5通りに変え、第一基材、第一緩衝材および第二基材についてはすべて同一条件として床材サンプルe−1〜e−5を作製して、第二緩衝材の硬度による影響を確認するために行った試験のデータおよび結果を示している。ここに示す結果から分かるように、第二緩衝材の硬度が20〜65度であるサンプルe−1〜e−5はいずれもG値が100G以下であって衝撃吸収性能に優れ、衝撃を受けても第一基材の表面や実が破損することがなかった。特に、第二緩衝材の硬度が30〜40度であるサンプルe−2〜e−4はいずれもG値が90G以下であってきわめて優れた衝撃吸収性能を有するものであった。これに対し、第二緩衝材の硬度が20度未満および65度を超えるサンプルについても同様に試験を行ったところ、いずれも100G以下のG値を得ることが困難であった。この理由は、前者においては第二緩衝材が柔らかすぎるものとなって、第一基材が受けた衝撃によって大きく沈み込み、床下地材にほぼ直に伝わった衝撃が大きく跳ね返ってしまい、また、後者においては第二緩衝材が硬すぎるものとなって、第一基材が受けた衝撃を緩衝しきれず、床下地材へと伝わった衝撃が大きく跳ね返ってしまうために、いずれも十分な衝撃吸収性能を発揮できなくなったものと考えられた。この結果から、第二緩衝材のアスカーC硬度は20〜70度であることが好ましく、より好ましくは25〜45度であることが確認された。
なお、表1〜表5に示される床材サンプルにおいては、第一基材および第二基材にはMDFを使用し、第二緩衝材には連続気泡PUを使用したが、第一基材および第二基材について他の材料(たとえばその一方または両方として合板)に代えて同様の試験を行っても、上記結果と有意差は見られなかった。また、第二緩衝材について他の材料(たとえば独立気泡EVA)に代えて同様の試験を行っても、上記結果と有意差は見られなかった。したがって、これら各層について使用する材料は、本発明において限定的ではないことが確認された。
次に、これら床材サンプルにおいては第一緩衝材として独立気泡タイプのEVAを用いたが、表2において良好な結果を示した床材サンプルb−3〜b−5における第一緩衝材を連続気泡タイプのPUに代えた他はすべて同一条件として床材サンプルb−7〜b−9を作製して、加圧前後の厚み変化を測定する試験を行った。この試験における各サンプルのデータおよび結果を表6に示す。
Figure 0005680899
表6に示す結果から分かるように、第一緩衝材に独立気泡EVAを用いたサンプルb−3〜b−5はいずれも加圧前後でほとんど厚み変化が見られなかったのに対し、連続気泡PUを用いたサンプルb−7〜b−9はいずれも積層接着後の加圧によって第一緩衝材の厚みが大きく変化し、ほぼ半分の厚みに減少した。これは、第一緩衝材を第一基材と第二基材との間に挟んだ状態で接着剤を介してこれらと加圧接着する際に、第一緩衝材が独立気泡発泡体である場合には、その表裏に塗布される接着剤が第一緩衝材の内部にまで浸透することがなく、実質的に表裏面およびその近傍領域にのみ付着・浸透するに止まった状態で硬化するので、第一緩衝材の厚みがほとんど変わらないのに対し、第一緩衝材が連続気泡発泡体である場合は、加圧されたときに接着剤が内部にまで浸透し、その状態で圧縮されながら硬化してしまうので、第一緩衝材の厚みが大きく減少したものと考えられた。サンプルb−6〜b−8のように床材製造工程における加圧接着の際に第一緩衝材の厚みが大きく減少してしまうと、第一緩衝材が薄くなって衝撃吸収性能が損なわれる。この場合、あらかじめ厚み減少分を見込んで厚い緩衝材を選択することも考えられるが、材料コストが増加するだけでなく、製造条件(温度、圧縮強さなど)によって厚みにバラツキが生じ、施工したときに隣接する床材同士の間に段差が生じてしまい、見栄えが悪くなると共に歩行時につまずきの原因となって危険である。また、第一緩衝材の内部に浸透した接着剤が硬化した部分は硬度が増大し緩衝性が失われるので、この点からも衝撃吸収性能を低下させてしまう。この結果から、第一緩衝材としては独立気泡発泡体を用いるべきことが確認された。
なお、第一緩衝材として独立気泡EVAに代えて他の独立気泡発泡体(たとえば独立気泡PE)に代えて同様の試験を行っても、上記結果と有意差は見られなかった。したがって、第一緩衝材については、独立気泡発泡体であって且つ厚さが0.5〜2.5mmのものを用いることが本発明の必須要件であり、その材料は特に限定的ではないことが確認された。
1 床材
2 第一基材
3 第一緩衝材
4 第二基材
5 第二緩衝材

Claims (2)

  1. 表面側から、第一基材と、第一緩衝材と、第二基材と、第二緩衝材とが順次に積層されてなる床材であって、第一基材および第二基材はいずれも木質材からなり、第一緩衝材および第二緩衝材はいずれも合成樹脂発泡体からなり、第一緩衝材は独立気泡発泡体からなるものであって厚さが0.5〜2.5mmであり、第二緩衝材は厚さが3.0〜5.0mmであり、第二基材はその表面および裏面に開口する溝を有しないものであってその表裏面が全面で第一緩衝材および第二緩衝材と接触しており、JIS A 6519の測定方法により測定した最大加速度の値(G値)が100G以下であることを特徴とする床材。
  2. 第一緩衝材および第二緩衝材のアスカーC硬度はいずれも20〜70度であることを特徴とする請求項1記載の床材。
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