JP6349322B2 - 非純粋培養混合栄養条件下で微生物を培養する方法 - Google Patents

非純粋培養混合栄養条件下で微生物を培養する方法 Download PDF

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Description

<関連出願の相互参照>
本出願は、発明の名称が「混合栄養条件下で微生物を培養する方法」である2012年11月9日に出願された米国特許仮出願第61/724,710号;発明の名称が「混合栄養システムおよび方法」である2013年3月15日に出願された米国特許仮出願第61/798,969号;発明の名称が「混合栄養技術」である2013年3月15日に出願された米国特許仮出願第61/799,151号;および発明の名称が「非純粋培養混合栄養条件下で微生物を培養する方法」である2013年9月13日に出願された米国特許仮出願第61/877,894号の利益を主張するものであり、これらの全内容は参照により本明細書に援用される。
微細藻類およびシアノバクテリアなどであるがこれらに限定されない微生物は、迅速に、および廃水培地などの種々の条件で成長する能力を有することから、食料、燃料、肥料、化粧品、化学薬品、および医薬品の実行可能な製造源として関心を集めてきた。各微細藻類およびシアノバクテリアの種は、異なるタンパク質、ミネラル分、および脂肪酸のプロファイルを有しており、このため、特定の産物に対して、ある種は他の種よりも良好な製造源となる。異なる微細藻類およびシアノバクテリアの種は、異なるエネルギー源および炭素源を用い得る。光栄養微生物は、代謝活動を行うために、光エネルギー、ならびに無機炭素(例:二酸化炭素)を用いる。従属栄養微生物は、光をエネルギー源として用いるのではなく、その代わりに、代謝活動を行うためのエネルギーおよび炭素のために、有機炭素源を用いる。混合栄養微生物は、光、無機炭素(例:二酸化炭素)、および有機炭素を含むエネルギー源および炭素源の混合を用いることができる。様々なエネルギー源および炭素源を用いることができる混合栄養微生物の多能性により、偏性光栄養生物または偏性従属栄養生物にとって困難な条件下で成長する可能性が提供され、呼吸による細胞物質のバイオマスロスの影響が低減される。加えて、光栄養および従属栄養代謝の比率に帰すことができる、混合栄養微生物の成長で、その結果として、光栄養または従属栄養の純粋培養とは異なる栄養素が微生物の成長を制限することとなる。
異なるエネルギー源および炭素源を用いる混合栄養微生物の多能性をもってしても、混合栄養培養系は、それ自体の一連の問題に直面する。栄養源として有機炭素源を用いる細菌、真菌、またはその他の不要な汚染種による汚染を防止するために、有機炭素源を用いる従属栄養培養系は、純粋または無菌条件下に維持される。このような従属栄養微生物培養系は、通常、閉鎖され、密閉され、およびオートクレーブ可能であるバイオリアクター系を含み、その結果、単純な開放バイオリアクター系よりもコストおよび複雑性が高まってしまう。光栄養微生物培養系は、自然光に暴露するために非純粋培養条件下の屋外で、閉鎖従属栄養バイオリアクター系よりも低コストにて成長され得るものであり、有機炭素源(これは汚染細菌にとっての栄養源を提供し得る)を用いない。
光を利用する混合栄養微生物培養系は、自然光を採り入れるために、開放バイオリアクター系にて屋外で成長され得るが、有機炭素源も含み、これは、細菌および真菌が有機炭素源を用いて混合栄養微細藻類およびシアノバクテリアよりも速く成長する能力により、培養系中における細菌およびその他の汚染生物による汚染の可能性を高める。別の選択肢として、混合栄養微生物培養系は、発光ダイオード(LED)および蛍光灯などの人工光源からの周囲光または増強光の存在下にて、屋内で成長され得るが、それでも、有機炭素源の存在により、同様の汚染の可能性に遭遇し得る。
加えて、汚染細菌は、微生物の生産物形成(例:脂質、顔料、タンパク質)および成長に影響を与え得る。従属栄養代謝に帰される微生物成長の部分はまた、培養系中に存在する微生物によっても決定され得る。混合栄養微生物培養系中の汚染細菌およびその他の汚染生物の増殖は、汚染細菌集団を制御せずに、微細藻類およびシアノバクテリアに必要な資源を消費させた場合、微細藻類およびシアノバクテリアの生産活動にとって有害であることが示されている。従って、本技術分野において、汚染を制御し、培養栄養素を微細藻類およびシアノバクテリアの成長を最大化するレベルに維持する非純粋培養混合栄養条件下で微細藻類およびシアノバクテリアを効率的に培養する方法が求められている。
ある実施形態では、本発明は、酢酸/pHオーソスタット(pH auxostat)を用いて有機炭素源を供給し、培養系のpHレベルを制御する、非純粋培養条件下における微生物の混合栄養成長のための方法を記載する。さらなる実施形態では、異なる炭素源を用い、やはり非純粋培養条件下で行われる別の選択肢としての方法を記載する。本発明は、この方法を、開放された池などの非純粋培養条件下で実施することを可能とし、同時に細菌汚染に対する制御は維持するものである、先行技術では教示されていない詳細事項について開示する。
先行技術において、pHオーソスタット培養システムは、1960年代に2つの異なる研究グループによって最初に報告され(Bungay, 1972;Watson 1969)、詳細な開発については、Martin and Hempfling (1976)によって提供された。この研究は、細菌および酵母菌の培養に関するものであったが、Ratledge及び共同研究者ら(2001)は、従属栄養条件下での微細藻類に基づく酢酸/pHオーソスタットについて報告した。Ratledgeによって有機炭素源として酢酸を用いて従属栄養培養されたクリプテコジニウム・コニイ(Crypthecodinium cohnii)では、酢酸/pHオーソスタット培養法により、従属栄養成長および脂質蓄積が改善した。Ratledgeは、酢酸/pHオーソスタットを微細藻類の成長に用いたが、この系は、閉鎖発酵系での従属栄養種に限定されており、これは、汚染制御という点に関して、開放混合栄養系と同じ問題に直面するものではない。酢酸以外の有機炭素源を用いた開放された池での混合栄養単一藻培養が報告されているが、培養系の細菌集団については、制御されず、対処もされなかった。国際公開第2012/109375 A2号には、従属栄養系での脂質生産のためのバイオマスを回収する前に、低密度にて、開放された池で混合栄養成長されるクロレラ培養系に、有機炭素源としてグルコースを用いることが記載されている。混合栄養ステージの時間が短いため、当該培養系は、高密度のバイオマスおよび脂質を長い時間にわたって生産する純粋混合栄養培養系と同じ汚染の問題に遭遇することはない。
また、殺菌剤としての酢酸の役割は、本技術分野にて公知であるが(Huang et al, 2011; Roe et al, 2002)、これまでのところ、大スケールの混合栄養微細藻類培養系における細菌集団の制御には適用されていない。混合栄養微細藻類培養系における酢酸の使用は、一般的に、研究室スケールの実験であり、そこでは、標準的な研究室条件は、純粋培養運転を想定しており、培養系の細菌集団に対する対処は成されなかった(Yeh et al. 2011)。米国特許第3,444,647号において、Takashiは、異なる炭素源を含有するフラスコ培養系中でのクロレラの混合栄養培養を開示しており、培養系が酢酸を含むことに伴う細菌レベルの低下が観察されたが、フラスコ培養系内のpHレベルの制御には、酢酸ではなくCOが用いられた。最も重要なことには、米国特許第3,444,647号は、小または大スケールでの微細藻類培養系中の汚染細菌を制御する方法、または非純粋培養混合栄養成長条件下での微細藻類のバイオマス生産を最大化する方法を開示してはいない。本明細書で述べる本発明の方法は、従属栄養汚染を制御すると同時に、照明培養について過去に報告されたレベルよりも高いレベル(例:3g/L・日)にまで微細藻類生産性を押し上げる安定なプロセスを作り出すことにより、先行技術を革新するものである。
課題を解決するための方法
本明細書で述べる実施形態は、非純粋培養条件下で微生物を混合栄養培養するためのシステムおよび方法全般に関する。特に、本明細書で述べる実施形態は、有機炭素源、酸化剤、および気体輸送により、培養系における成長を最適化し、汚染を制御するものである。
本発明のある実施形態では、非純粋培養混合栄養条件下で微生物を培養する方法は:培養容器中において、少なくとも何らかの汚染細菌を含んでいる微生物の培養物を、水性培地に播種すること;微生物の培養系に少なくとも何らかの光を供給すること;微生物の培養系に、有機酸を含む有機炭素源を供給すること、を含む。ここで微生物の培養系は、汚染細菌のレベルを培養系の総細胞数の25%未満に維持し、微生物収率を少なくとも50g/m・日に維持する。
ある実施形態では、微生物は、クロレラ属(Chlorella)、アナシスティス属(Anacystis)、シネココッカス属(Synechococcus)、シネコシスティス属(Synechocystis)、ネオスポンギオコッカム属(Neospongiococcum)、クロロコッカム属(Chlorococcum)、フェオダクチラム属(Phaeodactylum)、スピルリナ属(Spirulina)、ミクラクチニウム属(Micractinium)、ヘマトコッカス属(Haematococcus)、ナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)、およびブラキオモナス属(Brachiomonas)から成る群より選択される属の少なくとも1つの微生物を含む。ある実施形態では、汚染細菌は、アクロモバクター属菌種(Achromobacter sp.)、アシドボラックス属菌種(Acidovorax sp.)、エロモナス属菌種(Aeromonas sp.)、アグロバクテリウム属菌種(Agrobacterium sp.)、アルテロモナス属菌種(Alteromonas sp.)、アクアスピリラム属菌種(Aquaspirillum sp.)、アゾスピリラム属菌種(Azospirillum sp.)、アゾトバクター属菌種(Azotobacter sp.)、ベルゲイエラ属菌種(Bergeyella sp.)、ブロコトリックス属菌種(Brochothrix sp.)、ブルミミクロビウム属菌種(Brumimicrobium sp.)、バークホルデリア属菌種(Burkholderia sp.)、カウロバクター属菌種(Caulobacter sp.)、セルロモナス属菌種(Cellulomonas sp.)、クリセオバクテリウム属菌種(Chryseobacterium sp.)、クルトバクテリウム属菌種(Curtobacterium sp.)、デルフチア属菌種(Delftia sp.)、エンペドバクター属菌種(Empedobacter sp.)、エンテロバクター属菌種(Enterobacter sp.)、エシェリシア属菌種(Escherichia sp.)、フラボバクテリウム属菌種(Flavobacterium sp.)、マリノバクター属菌種(Marinobacter sp.)、ミクロバクテリウム属菌種(Microbacterium sp.)、ミロイデス属菌種(Myroides sp.)、パラコッカス属菌種(Paracoccus sp.)、ペドバクター属菌種(Pedobacter sp.)、フェオバクター属菌種(Phaeobacter sp.)、シュードアルテロモナス属菌種(Pseudoalteromonas sp.)、シュードモナス属菌種(Pseudomonas sp.)、ラーネラ属菌種(Rahnella sp.)、ラルストニア属菌種(Ralstonia sp.)、リゾビウム属菌種(Rhizobium sp.)、ロドコッカス属菌種(Rhodococcus sp.)、ロセオモナス属菌種(Roseomonas sp.)、スタフィロコッカス属菌種(Staphylococcus sp.)、ステノトロホモナス属菌種(Stenotrophomonas sp.)、ビブリオ属菌種(Vibrio sp.)、およびゾベリアエ属菌種(Zobelliae sp.)から成る群より選択される少なくとも1つを含む。
ある実施形態では、有機炭素源の有機酸は、酢酸を0.5〜50%含む。ある実施形態では、微生物の培養系は、汚染細菌のレベルを、培養系の総細胞数の20%未満、10%未満、または5%未満に維持する。ある実施形態では、有機酸は、少なくとも1つの、他の栄養素と組み合わせられ、培地へ一緒に供給され、この少なくとも1つの、他の栄養素は、硝酸塩、リン酸塩、鉄、コバルト、銅、ナトリウム、モリブデン、マンガン、亜鉛、塩、およびシリカから成る群より選択される少なくとも1つを含む。ある実施形態では、前記方法は、さらに、微生物培養系に少なくとも1つの酸化剤を供給することを含み、この少なくとも1つの酸化剤は、オゾン、過酸化水素、塩素、亜塩素酸塩、塩素酸塩、次亜塩素酸塩、硝酸、クロム、過マンガン酸塩、酸化銀、および臭素から成る群より選択される少なくとも1つを含む。
ある実施形態では、有機炭素源は、培養系の測定pHレベルが閾値レベルに到達した時点で、pHオーソスタットシステムによって培養系へ供給される。ある実施形態では、pH閾値レベルは、7.5である。ある実施形態では、pHオーソスタットシステムは、微生物培養系中のpHレベルを実質的に一定に維持する。ある実施形態では、pHオーソスタットは、pHレベルを、微生物培養系中での汚染細菌の増殖を阻害する定められたヒステリシス範囲内に維持する。ある実施形態では、有機炭素源は、培養系の測定される溶存酸素レベルが、2(mgO/L)未満の臨界レベルに到達するまで、培養系に供給される。
ある実施形態では、水性培地は、0.1〜6g/Lの初期濃度の酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムを含む。ある実施形態では、少なくとも何らかの光が、1日あたり10〜16時間、15時間未満、または15時間超の明期で微生物培養系へ供給される。ある実施形態では、少なくとも何らかの光は、自然光、人工光、またはこれらの組み合わせである。ある実施形態では、少なくとも何らかの光は、紫(約380〜450nm)、青(約450〜495nm)、緑(約495〜570nm)、黄(570〜590nm)、橙(約590〜620nm)、赤(約620〜750nm)、および遠赤(約700〜800nm)から成る群からの少なくとも1つの特定の波長スペクトルを含む。ある実施形態では、培養容器は、屋外に配置された開放容器である。
本発明のある実施形態では、非純粋培養条件下における微生物の混合栄養培養系中の細菌汚染を制御する方法は:培養容器中において、少なくとも何らかの汚染細菌を含んでいる微生物の培養物を、水性培地に播種すること;微生物の培養系に少なくとも何らかの光を供給すること;微生物の培養系に、有機炭素源を供給すること;微生物の培養系に酸化剤を供給すること、を含み、ここで、微生物の培養系は、汚染細菌のレベルを、微生物培養系の総細胞数の25%未満に維持する。ある実施形態では、酸化剤は、オゾン、過酸化水素、塩素、亜塩素酸塩、塩素酸塩、次亜塩素酸塩、硝酸、クロム、過マンガン酸塩、酸化銀、および臭素から成る群より選択される少なくとも1つを含む。
ある実施形態では、オゾンは、0.1〜2.0mg/Lの濃度で供給される。ある実施形態では、酸化剤は、スパージャ(sparger)およびベンチュリーインジェクターのうちの少なくとも1つを介して、微生物の培養系に供給される。ある実施形態では、微生物は、アグメネラム属(Agmenellum)、アンフォラ属(Amphora)、アナバエナ属(Anabaena)、アナシスティス属、アピストネマ属(Apistonema)、アルスロスピラ属(Arthrospira)(スピルリナ属)、ボツリオコッカス属(Botryococcus)、ブラキオモナス属(Brachiomonas)、クラミドモナス属(Chlamydomonas)、クロレラ属、クロロコッカム属、クルシプラコリタス属(Cruciplacolithus)、シリンドロテカ属(Cylindrotheca)、コエノクロリス属(Coenochloris)、シアノフォラ属(Cyanophora)、シクロテラ属(Cyclotella)、ズナリエラ属(Dunaliella)、エミリアニア属(Emiliania)、ユーグレナ属(Euglena)、エクスツボセララス属(Extubocellulus)、フラギラリア属(Fragilaria)、ガルジエリア属(Galdieria)、ゴニオトリチウム属(Goniotrichium)、ヘマトコッカス属、ハロクロレラ属(Halochlorella)、イソキルシス属(Isochyrsis)、レプトシリンドラス属(Leptocylindrus)、ミクラクチニウム属(Micractinium)、メロシラ属(Melosira)、モノダス属(Monodus)、ノストック属(Nostoc)、ナンノクロリス属(Nannochloris)、ナンノクロロプシス属(Nannochloropsis)、ナビキュラ属(Navicula)、ネオスポンギオコッカム属、ニツキア属(Nitzschia)、オドンテラ属(Odontella)、オクロモナス属(Ochromonas)、オクロスファエラ属(Ochrosphaera)、パブロバ属(Pavlova)、ピコクロラム属(Picochlorum)、フェオダクチラム属、プレウロクリシス属(Pleurochyrsis)、ポルフィリジウム属(Porphyridium)、ポテリオクロモナス属(Poteriochromonas)、プリムネシウム属(Prymnesium)、ロドモナス属(Rhodomonas)、セネデスマス属(Scenedesmus)、スケレトネマ属(Skeletonema)、スプメラ属(Spumella)、スタウロネイス属(Stauroneis)、スチココッカス属(Stichococcus)、アウキセノクロレラ属(Auxenochlorella)、ケアトセロス属(Cheatoceros)、ネオクロリス属(Neochloris)、オクロモナス属(Ocromonas)、ポルフィリジウム属(Porphiridium)、シネココッカス属、シネコシスティス属、テトラセルミス属(Tetraselmis)、トラウストキトリズ属(Thraustochytrids)、およびタラッシオシラ属(Thalassiosira)から成る群より選択される属の少なくとも1つの微生物を含む。
ある実施形態では、有機炭素源は、酢酸塩、酢酸、リノール酸アンモニウム、アラビノース、アルギニン、アスパラギン酸、酪酸、セルロース、クエン酸、エタノール、フルクトース、脂肪酸、ガラクトース、グルコース、グリセロール、グリシン、乳酸、ラクトース、マレイン酸、マルトース、マンノース、メタノール、モラッセ、ペプトン、植物由来加水分解物、プロリン、プロピオン酸、リボース、サッカロース(sacchrose)、デンプンの部分加水分解物または完全加水分解物、スクロース、酒石酸、TCA‐サイクル有機酸、低濃度蒸留廃液(thin stillage)、尿素、工業排液、および酵母抽出物から成る群より選択される少なくとも1つを含む。
本発明のある実施形態では、非純粋培養混合栄養条件下で微生物を培養する方法は:培養容器中において、少なくとも何らかの汚染細菌を含んでいる微生物の培養物を、水性培地に播種すること;微生物の培養系に少なくとも何らかの光を供給すること;微生物の培養系に、有機炭素源を供給すること;培養系に、酸素を含む気体を供給すること、を含み、ここで、気体は、少なくとも2.40×10−3−1のkaで培養系に供給され、その結果として、少なくとも0.4g/L・日の微生物の生産速度が得られる。ある実施形態では、kaは、2.70×10−3−1から21秒−1である。ある実施形態では、微生物の生産速度は、0.5g/L・日から50g/L・日である。
ある実施形態では、気体は、ガスインジェクター、多孔性ディフューザー、マイクロ多孔性ディフューザー、ガス透過性膜、微細気泡発生器(microbubble generator)、ベンチュリーインジェクション、および微細気泡流体発振器(microbubble fluidic oscillator)から成る群より選択される少なくとも1つによって微生物の培養系へ供給される。ある実施形態では、有機炭素源は、酢酸を含み、水性培地は、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムを、初期濃度分と最初の1〜5日間の供給量分含む。
本発明のある実施形態では、混合栄養で微生物を成長させる方法は:培養容器中の水性培地中に、エネルギー源として光および有機炭素を利用することができる微生物の培養系を提供すること;微生物の培養系に少なくとも何らかの光を供給すること;ならびに微生物の培養系に、酢酸およびオキサロ酢酸促進剤(oxaloacetate promoter)を含む有機炭素源を供給すること、を含む。ある実施形態では、有機酸は、酢酸、酢酸塩、および無水酢酸から成る群からの少なくとも1つを含む。ある実施形態では、オキサロ酢酸促進剤は、プロピオン酸、バリン、イソロイシン、スレオニン、およびメチオニンから成る群からの少なくとも1つを含む。ある実施形態では、有機酸のオキサロ酢酸促進剤に対する比率は、10:0.01から10:2の範囲である。
図1は、細胞乾燥重量での生産性と、脂質の細胞乾燥重量に対するパーセンテージとを、光独立栄養培養系と混合栄養培養系との間で比較して示すグラフである。
図2は、細胞乾燥重量での生産性と、脂質の細胞乾燥重量に対するパーセンテージとを、光独立栄養培養系と混合栄養培養系との間で比較して示すグラフである。
図3は、光独立栄養培養系および混合栄養培養系光独立栄養培養系と混合栄養培養系との間でのNaNO3取り込み、ならびに混合栄養培養系での酢酸取り込みを比較して示すグラフである。
図4は、光独立栄養培養系および混合栄養培養系光独立栄養培養系と混合栄養培養系との間でのNaNO取り込み、ならびに混合栄養培養系での酢酸取り込みを比較して示すグラフである。
図5は、2つの混合栄養培養系における残留酢酸を比較して示すグラフである。
図6は、24時間および14時間の明期での光独立栄養培養系および混合栄養培養系における細胞乾燥重量での生産性を比較して示すグラフである。
図7は、24時間および14時間の明期での光独立栄養培養系および混合栄養培養系における硝酸取り込みを比較して示すグラフである。
図8は、24時間および14時間の明期での混合栄養培養系における酢酸取り込みを比較して示すグラフである。
図9は、24時間および14時間の明期での光独立栄養培養系および混合栄養培養系における溶存酸素レベルを比較して示すグラフである。
図10は、24時間および0時間の明期での光独立栄養培養系および混合栄養培養系における無灰細胞乾燥重量での生産性を比較して示すグラフである。
図11は、混合栄養培養系および従属栄養培養系における酢酸添加を比較して示すグラフである。
図12は、24時間および0時間の明期での光独立栄養培養系および混合栄養培養系におけるNaNO取り込みを比較して示すグラフである。
図13は、2つの混合栄養培養系における細胞乾燥重量での生産性を比較して示すグラフである。
図14は、2つの混合栄養培養系における溶存酸素レベルおよび最大温度を比較して示すグラフである。
図15は、混合栄養培養系における細胞乾燥重量での生産性、残留NaNO、および溶存酸素レベルを比較して示すグラフである。
図16は、混合栄養培養系における細胞乾燥重量での生産性、残留NaNO、および溶存酸素レベルを比較して示すグラフである。
図17は、2つの混合栄養培養系における細菌数および温度を比較して示すグラフである。
図18は、混合栄養から光独立栄養条件へ移行した培養系の無灰細胞乾燥重量での生産性を比較して示すグラフである。
図19は、初期酢酸ナトリウム濃度を2および0g/Lとした混合栄養および光独立栄養培養系における無灰細胞乾燥重量での生産性を比較して示すグラフである。
図20は、初期酢酸ナトリウム濃度を2および0g/Lとした混合栄養培養系における酢酸添加を比較して示すグラフである。
図21は、グルコースおよび酢酸を含有する培地へのH適用の効果を比較して示すグラフである。
図22は、グルコースおよび酢酸を含有する培地へのH適用の効果を比較して示すグラフである。
図23は、2つの混合栄養培養系における無灰乾燥重量での生産性を比較して示すグラフである。
図24は、2つの混合栄養培養系におけるg/m・日での収率を比較して示すグラフである。
図25は、2つの混合栄養培養系における体積成長速度を比較して示すグラフである。
図26は、2つの混合栄養培養系におけるg/m・日での生産性および酢酸消費を比較して示すグラフである。
図27は、2つの混合栄養培養系における硝酸消費を比較して示すグラフである。
図28は、2つの混合栄養培養系におけるクロレラ属に対する細菌のパーセンテージを比較して示すグラフである。
図29は、2つの混合栄養培養系における酸素濃度を比較して示すグラフである。
図30は、混合栄養培養系における酸素濃度を比較して示すグラフである。
図31は、超音波処理微細藻類培養系の細菌濃度および生微細藻類細胞を比較して示すグラフである。
図32は、経時での混合栄養微細藻類培養系の濃度および体積成長速度(g/L)を示すグラフである。
図33は、経時での混合栄養微細藻類培養系の面積成長速度(g/m)を示すグラフである。
図34は、混合栄養微細藻類培養系の体積成長速度(g/L/日)を濃度と相関させて示すグラフである。
図35は、混合栄養微細藻類培養系の面積成長速度(g/m)を濃度と相関させて示すグラフである。
図36は、経時での混合栄養微細藻類培養系の温度を示すグラフである。
図37は、経時での混合栄養微細藻類培養系のpHを示すグラフである。
図38は、経時での混合栄養微細藻類培養系の溶存酸素濃度を示すグラフである。
図39は、経時での混合栄養微細藻類培養系に供給された光合成有効放射を示すグラフである。
図40は、経時での混合栄養微細藻類培養系の硝酸濃度を示すグラフである。
図41は、異なる有機炭素源が供給された混合栄養微細藻類培養系の細胞乾燥重量での生産性を経時で示すグラフである。
<序論>
「微生物」の用語は、微細藻類およびシアノバクテリアなどの微細な生物を意味する。微細藻類としては、微細な多細胞植物(例:アオウキクサ)、光合成微生物、従属栄養微生物、珪藻類、渦鞭毛藻類、および単細胞藻類が挙げられる。
混合栄養培養条件下で成長し得る微生物は、微細藻類およびシアノバクテリアを含む。混合栄養微生物の非限定的な例としては、アグメネラム属、アンフォラ属、アナバエナ属、アナシスティス属、アピストネマ属、アスルロスピラ属(スピルリナ属)、ボツリオコッカス属、ブラキオモナス属、クラミドモナス属、クロレラ属、クロロコッカム属、クルシプラコリタス属、シリンドロテカ属、コエノクロリス属、シアノフォラ属、シクロテラ属、ズナリエラ属、エミリアニア属、ユーグレナ属、エクスツボセララス属、フラギラリア属、ガルジエリア属、ゴニオトリチウム属、ヘマトコッカス属、ハロクロレラ属、イソキルシス属、レプトシリンドラス属、ミクラクチニウム属、メロシラ属、モノダス属、ノストック属、ナンノクロリス属、ナンノクロロプシス属、ナビキュラ属、ネオスポンギオコッカム属、ニツキア属、オドンテラ属、オクロモナス属、オクロスファエラ属、パブロバ属、ピコクロラム属、フェオダクチラム属、プレウロクリシス属、ポルフィリジウム属、ポテリオクロモナス属、プリムネシウム属、ロドモナス属、セネデスマス属、スケレトネマ属、スプメラ属、スタウロネイス属、スチココッカス属、アウキセノクロレラ属、ケアトセロス属、ネオクロリス属、オクロモナス属、ポルフィリジウム属、シネココッカス属、シネコシスティス属、テトラセルミス属、トラウストキトリズ属、タラッシオシラ属、およびこれらに属する種の生物を含み得る。
有機炭素源として酢酸を用いる混合栄養成長に適する微生物種の非限定的な例は、クロレラ属、アナシスティス属、シネココッカス属、シネコシスティス属、ネオスポンギオコッカム属、クロロコッカム属、フェオダクチラム属、スピルリナ属、ミクラクチニウム属、ヘマトコッカス属、ナンノクロロプシス属、ブラキオモナス属、およびこれらに属する種の生物を含み得る。
混合栄養または従属栄養で微生物を成長させるために適する有機炭素源は、酢酸塩、酢酸、リノール酸アンモニウム、アラビノース、アルギニン、アスパラギン酸、酪酸、セルロース、クエン酸、エタノール、フルクトース、脂肪酸、ガラクトース、グルコース、グリセロール、グリシン、乳酸、ラクトース、マレイン酸、マルトース、マンノース、メタノール、モラッセ、ペプトン、植物由来加水分解物、プロリン、プロピオン酸、リボース、サッカロース、デンプンの部分加水分解物または完全加水分解物、スクロース、酒石酸、TCA‐サイクル有機酸、低濃度蒸留廃液、尿素、工業排液、酵母抽出物、およびこれらの組み合わせを含み得る。有機炭素源は、いずれかの単一炭素源、炭素源の組み合わせ、および単一炭素源または炭素源の組み合わせの希釈物を含んでよい。
混合栄養成長の能力を有する微生物は、100%光栄養条件下または100%従属栄養条件下で成長することも可能であるが、光と有機炭素源との組み合わせが、開放系を含むバイオリアクターにおいて、光栄養条件よりも優れ得ることが見出された。混合栄養成長の能力を有する微生物はまた、光栄養、混合栄養、および従属栄養条件の間の移行状態など、条件の組み合わせの下でも成長し得る。複数の栄養条件間の移行状態を用いた培養方法では、細菌のための栄養源を調節することができる一方で、混合栄養微生物は、この変化された条件下で成長を継続することが可能である。
例えば、光栄養条件下での微細藻類の成長は、混合栄養または従属栄養条件と比較して、速度が低くなり得るが、細菌成長も速度が低くなり得るものであり、細菌は光合成代謝を持たない場合は光栄養では成長し得ない。非純粋培養条件下で混合栄養成長する能力はまた、従来の発酵よりも簡素で、光栄養方法の簡素さに近い方法を提供する。従って、非純粋培養条件下における混合栄養微生物からの生産性の最適化は、有機炭素源の選択、有機炭素源を与えるためのシステムおよび方法、最適な光の種類および光の量を適用するためのシステムおよび方法、栄養素を与えるためのシステムおよび方法、pHレベルを制御するためのシステムおよび方法、ならびに汚染生物集団(例:細菌、真菌)を制御するためのシステムおよび方法を含む。酢酸/pHオーソスタットシステムを用いることにより、培養系中の有機炭素源を一定または実質的に一定のレベルに維持し、同時に汚染細菌の成長を阻害する培養条件の維持を補助することで、非純粋培養条件下において微生物の混合栄養培養系を成長させるための効率的な方法が提供される。
g/m・日;g/L・日;時間/日;L/日;ワット時/g;またはmg/L・日などの式中の略語が、本文全体を通して用いられる。g/m・日は、1日あたり1平方メートルあたりのグラム数、または1日あたり1平方メートルあたりの複数グラム数を意味する。g/L・日は、1日あたり1リットルあたりのグラム数、または1日あたり1リットルあたりの複数グラム数を意味し;L/日は、1日あたりのリットル数、または1日あたりの複数リットル数を意味し;時間/日(h/day)および時間/日(h/d)は、1日あたりの時間数を意味し;ワット時/gは、1グラムあたりのワット時、または1グラムあたりの複数ワット時を意味する。
「生産性」の用語は、微細藻類またはシアノバクテリアの成長速度の尺度を意味する。
「面積生産性」または「面積成長速度」(arealはaerialと綴られる場合もある)の用語は、1日あたり単位地面面積あたりに生産される微細藻類またはシアノバクテリアの質量を意味する。そのような成長速度の例は、1日あたり1平方メートルあたりのグラム数(g/m・日)であり、これは、1日あたり反応器面積の1mあたりに生産される微細藻類またはシアノバクテリアのグラム数である。
「体積生産性」または「体積成長速度」の用語は、1日あたり単位培養系体積あたりに生産される微細藻類またはシアノバクテリアの質量を意味する。そのような単位の例は、g/L・日(1日あたり1リットルあたりのグラム数)であり、これは、1日あたり培養系の1リットルあたりに生産される微細藻類またはシアノバクテリアのグラム数である。実施例4は、深さ10cmの池について述べており、従って、面積生産性 g/m/日は、体積生産性 g/L/日の1/100倍である。
オーソスタットは、栄養供給の速度を用いて連続培養系中の状態変数を制御する装置である。培養系中の生物は、それ自体の希釈速度を確立する。オーソスタットは、本技術分野にて一般的に用いられるケモスタットよりも、高い希釈速度においてより一層安定である傾向にある。オーソスタットにおける集団選択圧により、培養系の迅速な成長が引き起こされる。実用的な適用としては、高速増殖、最大速度のための濃度に制御した廃棄物の分解、潜在的な汚染生物が洗浄まで適合することができないことから開放培養、および栄養素濃度の比率の注意深いバランスが有益であるプロセスの実施が挙げられる。
「pHオーソスタット」の用語は、新しい培地の添加(例:有機炭素または酢酸を含有する培地)とpH制御とを結合させる微生物培養技術を意味する。pHがある設定値から揺れ動くに従って、新しい培地が添加されて、pHが設定値に戻される。pH変化の速度は、多くの場合、成長の非常に優れた指標であり、成長依存パラメーターとしての要件を満たしている。栄養供給は、培地の緩衝能と共に、残留栄養素濃度のバランスを維持する。pH設定値は、その時点で培養系中に存在する微生物に応じて変更されてよい。存在する微生物は、バイオリアクターが運転される場所および季節、ならびに培養系が他の汚染源(例:他の農場、農業、海、湖、河、廃水)にどの程度近く配置されているかによって変化され得る。培地添加の速度は、緩衝能および制限栄養素の栄養供給濃度によって決定されるのであって、従来のオーソスタットにおける様に設定値(pH)によって直接決定されるものではない。pHオーソスタットは、強固であるが、栄養素濃度を間接的に制御する。pHレベルは、炭素および栄養素取り込みの過程での様々なイオン種の生成およびイオンの放出の総和を表している。従って、pHレベルは、微生物の成長の関数として上または下に動き得る。最も一般的な状況は、有機酸の生成およびアンモニウム取り込みによって引き起こされるpH低下である。しかし、タンパク質またはアミノ酸リッチ培地で成長する微生物の場合、過剰なアンモニアの放出により、pHレベルは、成長と共に上昇する。
「微生物学的培養系」、「微生物の培養系(microbial culture)」、または「微生物培養系(microorganism culture)」の用語は、制御された実験室条件下を含む所定の培地中での繁殖を通して微生物を増加させるための方法または系を意味する。微生物学的培養系、微生物の培養系、および微生物培養系は、生物を増加させて、生物の種類を特定するため、または試験されるサンプル中における生物の存在量を特定するために用いられる。液体培地では、微生物学的、微生物の、または微生物培養系、の用語は、一般的に、培養系が存在する容器に関わらず、液体培地および液体培地中の微生物すべてを意味する。液体培地は、多くの場合、「培地(media)」、「培地(culture medium)」、または「複数の培地(culture media)」と称される。培養の作業は、複数の微生物が強調される場合、一般的に、「微生物を培養する(culturing microorganisms)」と称される。培養の作業は、微生物の単一の種または属に重点が置かれる場合、一般的に、「微生物を培養する(culturing a microorganism)」と称される。微生物培養系(microorganism culture)は、微生物の培養系(culture of microorganism)と同義で用いられる。
「単一藻(monoalgal)」および「単藻(unialgal)」の用語は、非純粋培養条件下で運転されるが、単一の微細藻類もしくはシアノバクテリアの属または種が支配的である微細藻類またはシアノバクテリアの培養系を意味する。他の従属栄養微生物の存在(すなわち、非純粋培養条件)にも関わらず、培養系に用いられる無機ミネラル培地により、培養系は安定に維持される。単一藻培養系は、従属栄養培養系において用いられる場合もあるが、有機培地と従属栄養細菌および真菌の存在との組み合わせが、光栄養条件下で見られる単一藻培養系の安定性を「本質的に」保障するものではないことから、この用語はそれほど適切ではない。単一藻培養系はまた、単一の属または種が支配的である非純粋培養微生物培養系を定義するためにも用いられ得る。
「播種する」の用語は、培地へ微生物を移植または導入することを意味する。本明細書全体を通して、所望される培養条件に微生物の培養物を播種することとは、微生物培養の技術分野で一般的に用いられるように、当該培養条件での微生物の培養を開始することを意味する。培地へ導入される微生物は、シードまたは播種物と称される場合がある。
「オゾン」の用語は、電気スパークまたは紫外光が空気または酸素を通過する際に生成される、弱い塩素を思わせる独特の臭気を有する酸素の形態Oを意味する。オゾンは、放電によって酸素から形成され、強力な酸化性を有する無色で不安定な毒性ガスである。
「凝集する」の用語は、液体懸濁体の、粘稠もしくは増粘された軟質な半固体または固体塊への変換を引き起こすことを意味する。凝集するとは、充分な水を除去して液体懸濁体を増粘された軟質な粘稠半固体または固体塊とすることのように、脱水することを意味する。脱水方法は、微生物を凝集させ、回収および下流での処理により適し得るより密度の高い塊を形成させるために、微生物培養系と合わせて用いられ得る。
「混合栄養の」および「混合栄養」の用語は、光、有機炭素、および無機炭素(例:二酸化炭素、炭酸塩、炭酸水素塩)が微生物の培養系へ適用され得る培養条件を意味する。混合栄養条件下で成長する能力を有する微生物は、光栄養微生物および従属栄養微生物の両方の代謝プロファイルを有し、エネルギー源として光および有機炭素の両方を、ならびに炭素源として無機炭素および有機炭素の両方を用い得る。混合栄養微生物は、光栄養代謝および従属栄養代謝を通して光、無機炭素、および有機炭素を同時に用いてよく、または各代謝の利用を切り替えてもよい。混合栄養培養条件下の微生物は、その微生物によって利用されるエネルギー源および炭素源に応じて、正味の酸素生産者または二酸化炭素生産者であり得る。混合栄養成長する能力を有する微生物は、混合栄養条件下で成長するための天然の代謝および能力を有する微生物、ならびに変異誘発または遺伝子操作などの方法による細胞の改変を通してその代謝および能力を獲得した微生物を含む。
「光栄養の」、「光栄養」、「光独立栄養」、「光独立栄養の」、および「独立栄養」の用語は、光および無機炭素(例:二酸化炭素、炭酸塩、炭酸水素塩)が微生物の培養系へ適用され得る培養条件を意味する。光栄養条件下で成長する能力を有する微生物は、光をエネルギー源として、無機炭素(例:二酸化炭素)を炭素源として用い得る。光栄養条件下の微生物は、酸素を生産し得る。
「従属栄養の」および「従属栄養」の用語は、光の非存在下で微生物の培養系へ有機炭素が適用され得る培養条件を意味する。従属栄養条件下で成長する能力を有する微生物は、有機炭素を、エネルギー源および炭素源の両方として用い得る。従属栄養条件下の微生物は、二酸化炭素を生産し得る。
「純粋培養」の用語は、他のすべての「汚染」生物(すなわち、微細藻類またはシアノバクテリアの培養系の健全性に対して有害である生物)をまったく含有しない生物の培養系を示す。本明細書全体を通して、純粋培養とは、細菌基本培地を含むカンテンプレートに播種された際に、目的の微生物以外のいかなるコロニーも形成しない培養系を意味する。純粋培養は、細菌、シアノバクテリア、微細藻類、および/または真菌などであるがこれらに限定されないその他のいかなる生存生物も含有しない、または伴わない培養系を示す。純粋培養は、通常、その他の異なる生物の存在がまったく皆無である微生物の純粋な培養系を意味するために用いられる。微細藻類またはシアノバクテリアの純粋培養系は、その他の異なる生物をまったく含まない。
「回収する」の用語は、微生物の培養系を培養容器から取り出すこと、および/または培地から微生物を分離することを意味する。微生物の回収は、本技術分野にて公知のいかなる方法で行われてもよく、例えば、スキミング(skimming)、ドレイニング(draining)、溶解ガス浮遊分離(dissolved gas flotation)、泡沫分離(foam fractionation)、遠心分離、ろ過、沈澱、化学凝集、および電気脱水(electro-dewatering)などであるが、これらに限定されない。
<混合栄養培養の方法>
非純粋培養混合栄養条件下で微生物を培養する方法は:培養容器中において、少なくとも何らかの汚染細菌を含んでいる微生物の培養物を、水性培地に播種すること;微生物の培養系に少なくとも何らかの光を供給すること;および微生物の培養系に、有機酸を含む有機炭素源を供給すること、を含む。有機炭素源としての有機酸の選択は、高い成長率を達成するために、許容される閾値未満に汚染細菌のレベルを維持することに寄与し得る。実際には、ゼロに近付くまでの細菌集団の低減を実際に可能とすることは(例:スチーム殺菌またはその他の公知の手順による)、培養密度が0.05〜10g/Lである大体積の照明培養系において、非常に高いコストが掛かり得ることから、有機炭素源を含む微細藻類またはシアノバクテリアの照明培養系などの非純粋培養条件下の微生物を含む培養系は、少なくとも何らかの汚染細菌を有することになることは認識される。加えて、特定の細菌は、シアノコバラミンなどの微細藻類またはシアノバクテリアにとっての必須栄養素またはその他の価値のある産物の生産に関与し得ることから、培養系の細菌集団を完全に排除することが望ましくない場合もある。従って、ある実施形態では、汚染細菌のレベルは、培養系の総細胞数の25%、20%、10%、または5%未満に維持されてよい。
これまでに述べたように、特定の種類の細菌をある程度のレベルに維持することが、微細藻類またはシアノバクテリアの培養系にとって有益であり得る。微細藻類およびシアノバクテリアの培養系中に存在し得る細菌は、アクロモバクター属菌種、アシドボラックス属菌種、アシネトバクター属菌種(Acinetobacter sp.)、エロモナス属菌種、アグロバクテリウム属菌種、アルテロモナス属菌種、アンシロバクター属菌種(Ancylobacter sp.)、アクアスピリラム属菌種、アゾスピリラム属菌種、アゾトバクター属菌種、バシラス属菌種(Bacillus sp.)、ベルゲイエラ属菌種、ブレバンジモナス属菌種(Brevundimonas sp.)、ブロコトリックス属菌種、ブルミミクロビウム属菌種、バークホルデリア属菌種、カウロバクター属菌種、セルロモナス属菌種、クリセオバクテリウム属菌種、クルトバクテリウム属菌種、デルフチア属菌種、エンペドバクター属菌種、エンテロバクター属菌種、エシェリシア属菌種、フラボバクテリウム属菌種、ゲマティモナス属菌種(Gemmatimonas sp.)、ハロモナス属菌種(Halomonas sp.)、ヒドロゲノファーガ属菌種(Hydrogenophaga sp.)、ジャンチノバクテリウム属菌種(Janthinobacterium sp.)、ラクトバシラス属菌種(Lactobacillus sp.)、マリノバクター属菌種、マシリア属菌種(Massilia sp.)、ミクロバクテリウム属菌種、ミロイデス属菌種、パントエア属菌種(Pantoea sp.)、パラコッカス属菌種、ペドバクター属菌種、フェオバクター属菌種、フィロバクテリウム属菌種(Phyllobacterium sp.)、シュードアルテロモナス属菌種、シュードモナス属菌種、ラーネラ属菌種、ラルストニア属菌種、リゾビウム属菌種、ロドコッカス属菌種、ロセオモナス属菌種、スフィンゴバクテリウム属菌種(Sphingobacterium sp.)、スフィンゴモナス属菌種(Sphingomoas sp.)、スタフィロコッカス属菌種、ステノトロホモナス属菌種、ビブリオ属菌種、およびゾベリアエ属菌種を含むが、これらに限定されない。
微細藻類およびシアノバクテリアに対して負のまたは有害な影響を持つ細菌は、汚染細菌と称され得る。培養系中において微細藻類またはシアノバクテリアに対して負のまたは有害な影響を持ち得る細菌は、アクロモバクター属菌種、アシドボラックス属菌種、エロモナス属菌種、アグロバクテリウム属菌種、アルテロモナス属菌種、アクアスピリラム属菌種、アゾスピリラム属菌種、アゾトバクター属菌種、ベルゲイエラ属菌種、ブロコトリックス属菌種、ブルミミクロビウム属菌種、バークホルデリア属菌種、カウロバクター属菌種、セルロモナス属菌種、クリセオバクテリウム属菌種、クルトバクテリウム属菌種、デルフチア属菌種、エンペドバクター属菌種、エンテロバクター属菌種、エシェリシア属菌種、フラボバクテリウム属菌種、マリノバクター属菌種、ミクロバクテリウム属菌種、ミロイデス属菌種、パラコッカス属菌種、ペドバクター属菌種、フェオバクター属菌種、シュードアルテロモナス属菌種、シュードモナス属菌種、ラーネラ属菌種、ラルストニア属菌種、リゾビウム属菌種、ロドコッカス属菌種、ロセオモナス属菌種、スタフィロコッカス属菌種、ステノトロホモナス属菌種、ビブリオ属菌種、ゾベリアエ属菌種、および類似の特徴を共有するその他の細菌を含むが、これらに限定されない。
培養系中において微細藻類またはシアノバクテリアに対して中立のまたは有益な影響を持ち得る細菌は、アシドボラックス属菌種、アシネトバクター属菌種、エロモナス属菌種、アグロバクテリウム属菌種、アルテロモナス属菌種、アンシロバクター属菌種、アゾスピリラム属菌種、アゾトバクター属菌種、バシラス属菌種、ブレバンジモナス属菌種、ブルミミクロビウム属菌種、バークホルデリア属菌種、カウロバクター属菌種、セルロモナス属菌種、デルフチア属菌種、エンペドバクター属菌種、ゲマティモナス属菌種、ハロモナス属菌種、ヒドロゲノファーガ属菌種、ジャンチノバクテリウム属菌種、ラクトバシラス属菌種、マリノバクター属菌種、パントエア属菌種、パラコッカス属菌種、フェオバクター属菌種、フィロバクテリウム属菌種、シュードアルテロモナス属菌種、シュードモナス属菌種、リゾビウム属菌種、スフィンゴモナス属菌種、ゾベリアエ属菌種、および類似の特徴を共有するその他の細菌を含むが、これらに限定されない。特定の属の細菌は、一般的に、同じ特徴を有する一方で、種の大部分が微細藻類またはシアノバクテリアに対して有害であるとして一般的に識別されている細菌の属も、その属内に、微細藻類またはシアノバクテリアの特定の培養系にとって中立または有益である特定の種を含み得るものであり、その逆も同様であることは認識される。例えば、シュードモナス属の多くの種は、微細藻類に対して有害であることが観察されているが、文献には、微細藻類またはシアノバクテリアの培養系にとって有益であり得る抗真菌機能を有するシュードモナス属の特定の種が報告されている。
汚染細菌のレベルの制御、微細藻類もしくはシアノバクテリアの増殖収率の増加、または培養系の寿命の延長を補助するプロバイオティックな役割で、中立または有益な効果を提供する細菌が、微細藻類もしくはシアノバクテリアの培養系へ添加されてよい。非限定的な1つの例として、混合栄養クロレラ属培養系に、バシラス属菌種、リゾビウム属菌種、およびスフィンゴモナス属菌種を播種することにより、クロレラ属が35℃で良好に成長し、細菌の播種を行っていないコントロール培養系よりも優れていたことが最近のデータで示されている。培養系中に存在するすべての細菌および/または特定の細菌の成長を抑制するために、グラム(+)および/またはグラム(−)細菌を阻害するその他の添加剤が適用されてもよい。
微細藻類もしくはシアノバクテリアに対して中立または有益な効果を有することが観察されているいくつかの細菌種が、有機および無機栄養素の循環;細胞外ポリマー物質、栄養素、ビタミン、およびキレート化ミネラルなどの価値のある工業的および医薬的産物の生産;抗真菌剤の生産;成長促進剤の生産;抗生物質の生産;生体化合物(biocompound)の生産;窒素の固定;栄養素の変換;有機物の分解;微生物培養系中における生物学的平衡のバランス維持の補助;ならびに硝化および脱硝の補助などの機能を提供するプロバイオティックな役割で、培養系へ添加されてよい。いくつかの細菌は、微細藻類またはシアノバクテリアと同様に、光に対して反応する感光色素を有し得る。1つの非限定的な例として、クロレラ属と共に培養系中で成長するアゾスピリラム属菌種は、顔料含有量、脂質含有量、脂質の種類、および成長を増加させ得る。スフィンゴモナス属菌種は、植物に付随し、窒素を固定することができることが文献中にて知られている。感光色素を有する細菌はまた、培養系へ影響を与えるように、光強度および/または特定の光波長によって操作されてもよい。
微生物の播種は、成長に適するいかなる容器中に含有される水性培地に行われてもよい。ある実施形態では、培地は、微生物の培養に適するいかなる液体培地であってもよく、限定されないが、BG‐11培地、改変BG‐11培地、f/2培地、および改変f/2培地などである。ある実施形態では、培地は、海水、湖水、河川水、廃水、またはその他の利用可能な水源;微生物培養物を播種する前にろ過または滅菌処理によって洗浄された利用可能な水源;ならびに微生物培養系を活性化するための有益な微生物(例:細菌)が播種された水性培地のいずれか1つ以上を含む。ある実施形態では、培養系中に存在する微生物および培養系の健全性に応じて必要であれば、培養系のパラメーターが操作されてよく、また有益な微生物(例:細菌)が培地に添加されてよい。ある実施形態では、培養容器は、タンク、バイオリアクター、フォトバイオリアクター、池、レースウェイポンド(raceway pond)、管状反応器、平面パネル型反応器、トラフ(trough)、カラムバイオリアクター、バッグバイオリアクター(bag bioreactor)、または本技術分野にて公知のその他のいずれかのバイオリアクターを含み得る。ある実施形態では、容器は、開放されていてよい。ある実施形態では、容器は、閉じられていてよい。ある実施形態では、容器は、屋内に配置されてよい。ある実施形態では、容器は、屋外に配置されてよい。ある実施形態では、容器は、屋外に配置されるが、反応器を実質的に取り囲んで、環境からの望ましくない要素および異物の侵入を最小限に抑え、少なくとも何らかの光または光の波長を遮断する温室、構造物、またはカバー内に配置されてよい。
微生物培養系は、一定、または実質的に一定であるpHレベルおよび温度に維持されてよい。他の実施形態では、微生物培養系は、ある範囲内のpHレベル、もしくは日内周期に従う温度を含む温度のヒステリシス範囲で、またはある範囲内のpHレベルおよび温度で運転されてもよい。ある実施形態では、pHレベルは約6〜9の範囲であり、温度は約10℃〜30℃の範囲である。他の実施形態では、pHレベルは、約1〜約5の範囲であり、温度は、30℃〜50℃の範囲である。ある実施形態では、pHレベルおよび温度は、日中の時間または日没後の時間と相関していてよい成長周期の少なくとも一部分にわたって、特定された範囲内に維持されてよい。さらなる実施形態では、pHレベルは、約7.5であり、温度は、約25〜28℃である。
ある実施形態では、培養系の温度は、冷却または加熱コイルなどであるがこれらに限定されない熱交換器で制御されてよい。ある実施形態では、pH設定値は、存在する微生物の組成に応じて、培養の過程で微細藻類の成長に適する範囲内で変化されてよい。細菌にショック(すなわち、ストレス)を与え、主たる微細藻類またはシアノバクテリアにとって有害である培養系中の汚染細菌の増殖を低減するために、pHの変化を用いてもよい。微細藻類もしくはシアノバクテリアにとって有害であり得る細菌の増殖を低減、および/または、有益である/有害ではない細菌であり得る細菌の増殖を促進し得る、ある時間(例:4時間〜48時間)にわたっての炭素源供給の中断、溶存酸素(DO)レベルの操作、温度の改変、殺菌剤の添加、アミノ酸またはその他の栄養源の添加、およびこれらの組み合わせとpHの変化とを組み合わされてよい。
光合成有効放射(PAR)を含む照明源は、光合成活性のための少なくとも何らかの光を培養系に供給する。光源は、自然光、人工光、またはこれらのいずれの組み合わせであってもよい。光暴露の時間(すなわち、明期)は、約0から24時間/日の範囲であってよい。さらなる実施形態では、光暴露の時間(すなわち、明期)は、約10から16時間/日の範囲であってよい。ある実施形態では、光の供給は、連続的、非連続的(例:点滅)、一定強度、または可変強度であってよい。ある実施形態では、自然光源は、太陽光線を含んでよい。別の選択肢としての実施形態では、培養系は、培養寿命の最後に、1日あたり数分間、または1日間など、断続的に光暴露されてよい。ある実施形態では、人工光源は、発光ダイオード(LED)、マイクロLED、蛍光灯、白熱灯、ガスランプ、またはハロゲンランプを含んでよい。
さらなる実施形態では、供給光を、紫(約380〜450nm)、青(約450〜495nm)、緑(約495〜570nm)、黄(570〜590nm)、橙(約590〜620nm)、赤(約620〜750nm)、および遠赤(約700〜800nm)の光スペクトルなどであるがこれらに限定されない特定の波長スペクトル、または特定の波長スペクトルの組み合わせに限定するために、自然光源はフィルターを通されてよく、または人工光源は調整されてよい。特定の波長スペクトルに調整されたLEDまたは特定の温室フィルムによるフィルターを通された光波長を用いて、培養系中の微生物の成長および産物生産が操作されてよい。回収の前、過程、または後に、特定の波長のLEDによる仕上げ工程を用いて、微生物の産物プロファイルに影響が与えられてよい。異なる強度および/または波長の光が特定の時点で微生物に適用されて、成長が促進され、産物形成が促進され、顔料形成が操作され、または紫外(UV)光によって培養系が「自然滅菌」されてよい。例えば、ヘマトコッカス属の培養系においてUV光の強度を増加させることにより、シストおよび顔料形成が得られ得る。
培養系は、水圧混合(例:ポンプ)、機械混合(例:アジテーター、スターラー、スラスター)、またはパドル翼によって混合されてよい。ある実施形態では、培養系は、空気、二酸化炭素、酸素、またはその他の適切ないかなる気体でエアレーションされてもよい。ある実施形態では、エアレーションは、ガスインジェクター、多孔性ディフューザー、マイクロ多孔性ディフューザー、ガス透過性膜、微細気泡発生器、ベンチュリーインジェクション、または微細気泡流体発振器によって提供されてよい。培養系の混合、撹拌、および/またはエアレーションにより、栄養素、気体、および有機炭素源の均一な分布、ならびに光の利用のための微生物の循環が可能となる。
ある実施形態では、酢酸などの有機酸が、有機炭素源として用いられ、pHオーソスタットシステムを通して、供給タンクから微生物培養系へ供給されてよい。ある実施形態では、pHオーソスタットシステムは、ソレノイドバルブ、蠕動ポンプ、pHプローブ、およびpHコントローラーを含んでよい。ある実施形態では、pHオーソスタットシステムは、ニードルバルブ、計量ポンプまたは蠕動ポンプ、およびpHコントローラーによって制御される滴下投与デバイス(drip application device)を含んでよい。炭素および窒素の取り込み(すなわち、酢酸ナトリウム、硝酸ナトリウム)、ならびに光合成活性(すなわち、炭酸水素ナトリウムの取り込み)により、培養系のpHレベルが上昇される。pHコントローラーは、閾値レベル(すなわち、設定値)に設定されて、pHレベルの測定値が設定された閾値レベルを超えた場合に、培養系に酢酸を供給するようにオーソスタットシステムを作動させてよい。pH測定の頻度、オーソスタットシステムによる酢酸の投与、および培養系の混合が組み合わせて制御されて、pH値が実質的に一定に維持される。ある実施形態では、酢酸供給物は、100%未満、および下は0.5%までの濃度、好ましくは、15%〜50%の濃度に、水で希釈されてよい。他の実施形態では、酢酸は、微生物の培養系を連続的に希釈するために、10%未満の濃度であってよい。他の実施形態では、酢酸は、他の培地または有機炭素源と一緒に混合されてよい。
他の実施形態では、酢酸などの有機炭素源は、窒素またはリン源などのその他の栄養素成分と一緒に組み合わされるか、または混合されてよい。他の実施形態では、その他の栄養素は、酢酸などの有機炭素源に直接添加されてよく、単一の溶液(または複数の溶液)が、pHオーソスタットによって制御される酢酸供給を介して、培養系に添加されてよい。ある実施形態では、栄養素は、酢酸、または別の選択肢としての有機炭素源に、その溶液を培養系へ供給する前に、直接添加されてよい。有機酸を用いるそのような実施形態では、酢酸などの有機酸が栄養素媒体を滅菌状態に維持することから、栄養素媒体のろ過の必要性が削減され得る。酢酸などの有機炭素源の消費量は、供給タンク中の有機炭素(例:酢酸)のレベルを測定することによってモニタリングされてよく、それは、微生物細胞成長と相関し得る。硝酸(例:NO)、リン酸、および植物によって用いられることが知られているその他の栄養素(栄養素のセットは、例えば鉄、コバルト、銅、ナトリウム、マンガン、亜鉛、モリブデン、シリカ、塩、およびこれらの組み合わせがあるが、これらに限定されない)も、培養系に添加されて、硝酸および栄養素が所望されるレベルに維持されてよい。ある実施形態では、有機炭素源および少なくとも1つのその他の栄養素は、濃縮された形態であってよい。ある実施形態では、有機炭素源および少なくとも1つのその他の栄養素は、希釈された形態であってよい。
ある実施形態では、混合栄養微生物(例:微細藻類またはシアノバクテリア)の培養系中の汚染レベルは、汚染微生物(例:細菌、真菌)にとって利用可能である残留または遊離浮遊栄養源を制限するように管理されてよい。ある実施形態では、一緒に供給されて、混合栄養微生物によって実質的に消費されることになり、汚染微生物にとって利用可能である残留または遊離浮遊有機炭素および少なくとも1つのその他の栄養源の量を最小限に抑える量で、有機炭素および少なくとも1つのその他の栄養素が混合され、一緒に導入されてよい。そのような実施形態は、有機炭素および少なくとも1つのその他の栄養素について、ゼロに近い濃度に培養系を効果的に維持し得る。ある実施形態では、少なくとも1つのその他の栄養素に対する有機炭素の比率は、混合栄養微生物による有機炭素の消費が、少なくとも1つのその他の栄養素の消費と一致するように選択されてよい。個々の種々の微生物に対する有機炭素および栄養素の消費速度は、実験および入手可能な文献のレビューによって特定され得る。
ある実施形態では、有機炭素源は、酢酸を含む。ある実施形態では、酢酸は、約30%以下の濃度に希釈されてよい。ある実施形態では、少なくとも1つのその他の栄養素は、NOを含む。ある実施形態では、NO:酢酸の比率は、0.5:10〜2:10の範囲であってよく、好ましくは、約1:10である。ある実施形態では、酢酸は、酢酸、及びその前駆体、例えば酢酸塩および無水酢酸など、を含んでよい。
ある実施形態では、少なくとも1つのその他の栄養素に対する有機炭素の比率は、少なくとも1つのその他の栄養素の適用量が、培地にベースラインレベルを維持する濃度を添加するように選択されてよい。そのような実施形態における限定されない用途の一つは、廃水培地での水浄化の目的のための水処理微生物(例えば細菌などであるが、これに限定されない)の培養であり得る。有機炭素は、硝酸などの別の成長制限栄養素と共に混合および投与されて、100ppmなどであるがこれに限定されない最小レベルまたはベースラインレベルに硝酸の培養系中濃度が効果的に維持されてよい。
混合栄養微生物の成長は、酸素を消費および産生するものであり、従って、培地中の溶存酸素(DO)濃度(mg/L)を変化させる。溶存酸素濃度は、混合栄養微生物の成長を促進し、汚染細菌集団を制御された状態に維持するために制御されてよい。微細藻類およびシアノバクテリアにおける細胞呼吸は、低濃度で酸素を捕捉することができるか、または微細藻類およびシアノバクテリアよりも良好に嫌気性成長することさえできる細菌ほど効率的でないと思われる。従って、溶存酸素は、微細藻類およびシアノバクテリアの生産性ならびに生存性にほとんどまたはまったく影響を与えないように混合栄養培養系中の汚染細菌集団を管理するための可変パラメーターとして用いられ得る。培養系寿命を延長し細菌汚染を低減するように混合栄養培養系内の汚染細菌集団を管理するために、酸素輸送は、低下または増加されてよい。
培養溶液中の溶存酸素濃度は、機械的、化学的、または生物学的に制御されてよい。機械的制御は、純空気注入;酸素濃縮器もしくは圧縮酸素注入を用いることにより酸素濃度が増加されたブレンドされた空気;または溶存酸素濃度を低下させる窒素とブレンドされた空気を含み得る。機械的制御はまた、反応器、培養ユニットの深さ、混合速度、および空気/水の気体交換を決定する反応器の表面積の設計および寸法決定も含み得る。化学的制御は、溶存酸素濃度を低下させる亜硫酸ナトリウム、またはオゾンなどの溶存酸素を増加させるその他の化学物質を含み得る。亜硫酸ナトリウムは、酸素捕捉剤として作用し得るものであり、例えば、水に溶解されると、2分子の亜硫酸ナトリウムが、酸素の2原子と反応する。従って、1ppmの酸素を除去するためには、7.8ppmの亜硫酸ナトリウムが用いられ得る(2Na+2SO+2O=2Na+2SO)。
酸素捕捉剤の限定されないリストは、亜硫酸ナトリウムおよびヒドラジン(シグマ‐アルドリッチ ミズーリ州、セントルイス)、Eliminox(登録商標)カルボヒドラジドおよびSurGard(登録商標)エリスロベート(erythrobate)(ナルコケミカル社(Nalco Chemical Co.) イリノイ州、ナパービル)、Mekor(登録商標)メチルエチルケトキシム(ドルーケミカル社(Drew Chemical Corporation) ニュージャージー州、ブーントン)、Magni‐Form(登録商標)ヒドロキノン(ベッツラボラトリーズ(Betz Laboratories) ペンシルベニア州、トレボース(Trevose))、Steamate(登録商標)ジエチルヒドロキシルアミン(ディアボーンケミカル社(Dearborn Chemical Co.) イリノイ州、レイクズーリック(Lake Zurick))を含む。溶存酸素はまた、培養系を混合栄養条件と光栄養条件との間で移行させることにより、生物学的に制御されてもよい。溶存酸素濃度が目的の濃度に到達し、汚染細菌集団が低減されると、システムは、光栄養条件から混合栄養条件へと移行して戻されてよく、こうして、汚染細菌を低減し、微細藻類またはシアノバクテリア培養系の寿命を延長するサイクルパターンが作り出される。
混合栄養微生物培養系中の溶存酸素に対する閾値レベル(すなわち、設定値)は微細藻類またはシアノバクテリアの集団および種のみならず細菌の集団および種にも応じて、約0.1(mgO/L)〜約30(mgO/L)の範囲であってよい。溶存酸素範囲は、持続的な時間にわたって目的濃度に維持されてよい。汚染細菌集団が、混合栄養微生物培養系の寿命および生存性に適さない濃度に到達すると、溶存酸素は、微細藻類またはシアノバクテリア培養系の生存性に影響を与えることなく汚染細菌集団を減少させる目的濃度まで増加されてよい。溶存酸素の目的濃度は、1〜6(mgO/L)、または、100〜300%飽和など大気飽和濃度超であってよい。ある実施形態では、有機炭素源は、培養系の測定される溶存酸素レベルが、約2(mgO/L)未満の臨界レベルに到達するまで、培養系へ供給されてよい。
1つの限定されない代表的実施形態では、pHオーソスタットシステムが培養系へ酢酸(すなわち、有機炭素)を供給する効率に寄与する因子は、最初にオーソスタットシステムを作動させ、酢酸の供給を開始してpHレベルを制御する能力を含む。ある実施形態では、酢酸/pHオーソスタットシステムは、培養系のpHを上昇させる微生物の光合成活性によって最初に作動されてよい。ある実施形態では、残留酢酸濃度を高めて、微生物による光合成活性の開始前に、酢酸/pHオーソスタットシステムを自動的に作動させるために、酢酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムが初期培地に添加されてよい。ある実施形態では、0.05〜10g/Lの酢酸ナトリウムが、最初に培地に添加されてよい。さらなる実施形態では、0.1〜6g/Lの酢酸ナトリウムが、最初に培地に添加されて、光栄養から混合栄養条件への移行が補助されてよい。ある実施形態では、汚染微生物(例:細菌、真菌)の成長を阻害する目的で、酢酸ナトリウム濃度は、1.6g/Lよりも高くてよい。ある実施形態では、その濃度の酢酸ナトリウムは、微生物成長の少なくとも最初の日の間供給されてよい。さらなる実施形態では、酢酸ナトリウムは、微生物成長の最初の1〜5日間、好ましくは、微生物成長の最初の2日間にわたって供給されてよい。
別の選択肢としての実施形態では、酢酸ナトリウムは、初期濃度の酢酸ナトリウムが確実に存在するように、培地の栄養素配合物へ添加されてよい。酢酸ナトリウムを含む栄養素配合物を有する培地はまた、回収が行われるに従って、培地へ連続的に添加されてもよい。別の実施形態では、有機炭素源は、培養系に有機炭素源を添加するシステムの代替システムとして、培養系の補充に用いられる補充水および培養システムの水洗浄に用いられる水に、低レベルで添加されてよい。
微生物培養系が所望される濃度または成熟度に到達すると、微生物培養系の少なくとも一部分が、さらなる処理のために回収されてよい。微生物の回収は、本技術分野にて公知のいかなる方法で行われてもよく、これらに限定されないが、溶解ガス浮遊分離、泡沫分離、遠心分離、ろ過、沈澱、化学凝集、および電気脱水などである。回収は、連続的に行われてよく、または1日に複数回、毎日、ある日数の後、または週1回行われるバッチ法で行われてもよい。
他の実施形態では、アンモニアオーソスタットまたはその他のpH変化培地(pH changing media)も用いられてよい。他の実施形態では、有機炭素の添加は、培養系内で有機物を循環させ、培養系を支配する(培養系中の生細胞の50%超を汚染細菌が占めるとして定義される)ことのないように汚染細菌を制御または抑制可能とするために、二酸化炭素とのバランスが取られてよい。他の実施形態では、炭素源供給(例:酢酸またはCO)を操作することにより、pHレベルの制御が可能となり得るが、培養系中において汚染細菌に対して微細藻類またはシアノバクテリアが支配的になることとのバランスを維持するために、pHレベルの揺らぎが意図的により大きくされてもよい(例:pHレベルは、7.5〜8.5、または6.5〜9、または培養系内で少なくとも0.5のpHの差異を持ついずれかの範囲で揺らぐ)。そのようなpHレベルの操作は、そのpHレベルが微細藻類またはシアノバクテリアにとっての成長範囲であることから、微細藻類またはシアノバクテリアよりも汚染細菌に対してより大きい度合いで影響を与え得る。ある実施形態では、pHレベルは、微生物培養系中の汚染生物の増殖を阻害する定められたヒステリシス範囲に維持される。
<汚染制御法>
培地中に有機炭素源を用いることは、有機炭素源のない光栄養培地よりも、微生物培養系の細菌汚染のより高いリスクをもたらす。細菌のいくつかの種は、微細藻類またはシアノバクテリアよりも速く成長することができるため、細菌は、微細藻類またはシアノバクテリアの培養資源および微細藻類またはシアノバクテリア自体を凌駕しかねない。従って、細菌汚染を制御する能力は、混合栄養培養系の効率に寄与する1つの因子である。酢酸などの有機酸は、特定の条件下で細菌の成長を阻害することが見出されており、それは、メチオニンの合成を担う酵素(o‐スクシニルトランスフェラーゼ)の変性と関連付けられ得る。細菌の増殖は、酢酸含有培地よりもグルコース含有培地の方が速いことが見出されており、このことは、有機炭素源として酢酸を選択することの有益性を示している。加えて、酢酸は、グルコース供給培養系で観察されるよりも酸化ストレス(すなわち、オゾン、過酸化水素)に対する細菌の耐性をさらに低下させることも見出された。
ある実施形態では、微細藻類またはシアノバクテリアの属専用の最少ミネラル限定培地において、pHを7.5超に、温度を30℃未満に維持することが、細菌などの汚染生物の増殖にとって最適下限条件であることが示された条件である。ある実施形態では、pHレベルは、5より低く、温度は、30℃から50℃である。酢酸を非純粋培養系に添加するための酢酸/pHオーソスタットシステムの利用を含む本明細書で述べる汚染制御法を通して、培地中の残留酢酸、一定pHレベルの維持、または酸化剤の使用の組み合わせを含んでよい培養方法により、培養系の汚染細菌細胞数は、培養系の総細胞数の25%未満、総細胞数の20%未満、総細胞数の10%未満、および好ましくは、総細胞数の5%未満(<0.05% 総バイオマス)に維持され得る。冷却または加熱コイルなどの温度を一定に維持する熱交換器も、酢酸/pHオーソスタットシステムおよび酸化剤などであるがこれらに限定されないその他の汚染制御法と組み合わせて用いられる場合、汚染細菌集団に対する制御を改善する。
混合栄養培養系における汚染細菌および生物の制御のさらなる方法は、過酸化水素、オゾン、抗生物質、紫外(UV)放射線/滅菌、またはその他の酸化剤(例:塩素、亜塩素酸塩、塩素酸塩、次亜塩素酸塩、硝酸、クロム、過マンガン酸塩、酸化銀、臭素)の適用を含み得る。混合栄養培養系における汚染を制御するこれらの方法は、個別に、または組み合わせて用いられてよい。汚染細菌を含む培地に過酸化水素を添加することにより、2.5から30mM Hの適用量にて、汚染細菌の成長が阻害されることが示された。酢酸を含む混合栄養培地中で成長する細菌は、グルコースを含む混合栄養培地の場合よりも酸化ストレスに対してより感受性が高いことが示された。オゾンは、スパージング(sparging)およびベンチュリ注入などであるがこれらに限定されない公知のいかなる気体注入法で培養系へ適用されてもよい。オゾン処理は、0.01〜2.0mg/Lの濃度で、好ましくは、0.01〜0.50mg/Lの濃度で微生物培養系に適用されてよい。抗生物質処理は、これらに限定されないが、ペニシリン(100〜500mg/L)、テトラサイクリン(10〜100mg/L)、クロラムフェニコール(1〜20mg/L)、およびオーレオマイシン(aureomycin)(1〜20mg/L)を含んでよい。
培養系の定期的な濃縮およびパージングのための電気凝集の使用は、汚染培地からの微細藻類またはシアノバクテリアの規則的な濃縮および除去、ならびに処理されたまたは新規の培地中の培養系の置換による汚染の制御に寄与するための培養系の毎日の、または連続的な回収を含む方法の例を提供する。汚染制御のための培養系の回収およびパージングの方法はまた、培養系からの微細藻類の回収または分離の公知の方法によって実施されてもよく、これらに限定されないが、泡沫分離、溶解ガス浮遊分離、遠心分離、および凝集などである。回収およびパージングの方法が用いられる場合、有機炭素源の添加は、それに従って調節される必要があり得る。回収およびパージングは、微細藻類またはシアノバクテリアの集団の健全性を、ひいては汚染に対する耐性を促進し得る。ある実施形態では、分離された培地が処理されて、分解しかけている有機物が混合栄養微生物にとって利用可能である炭素源に変換(無機化)されてよい。
別の選択肢としての実施形態では、混合栄養培養系の汚染を制御するために、超音波処理が用いられてよい。培養系は、汚染を低減するために、様々な強度の超音波エネルギーに掛けられてよい。超音波処理は、汚染細菌内部の気体小胞(gas vacuoles)と同じサイズの気泡を作り出すことによって、培養系内の汚染を低減し得る。気泡が破裂すると、細菌の中の同じサイズの気泡が共鳴し、やはり破裂する。超音波処理はまた、微細藻類、シアノバクテリア、または珪藻類の細胞壁と比較して弱い汚染細菌の細胞壁を破壊することによっても、培養系内の汚染を低減し得る。ある実施形態では、超音波エネルギーは、30kHzのホーンから、約40〜99%の強度で提供されてよい。ある実施形態では、超音波処理されている培養系は、冷却されて、培養系の温度が所望される範囲内に維持されてよい。ある実施形態では、超音波処理は、温度の上昇および汚染の処理を同時に行うために、培養系に用いられてよい。ある実施形態では、超音波処理は、細胞壁を弱体化させる化学物質または酵素と組み合わせて、培養系の前処理として用いられてよい。ある実施形態では、超音波処理ホーンは、培養系のフローパスに合わせて配置されてよい。ある実施形態では、超音波処理によって破壊された細胞は、溶解ガス浮遊分離装置、泡沫分離装置、またはタンパク質スキマー(protein skimmer)などであるがこれらに限定されない本技術分野にて公知のいかなる装置を用いて培養系から除去されてもよい。
別の選択肢としての実施形態では、培養系へ植物抽出物を添加することで、細菌の成長を遅延させて、微細藻類またはシアノバクテリアに培養系内の汚染細菌を競争駆逐させることにより、汚染細菌が制御されてよい。ある実施形態では、汚染細菌を含む培養系は、前述の手段により、集団の1、2、または3以上の対数減少を示す減少した集団を有し得る。
<溶存酸素レベル>
溶存酸素(DO)レベルは、最適な混合栄養成長にとっての制限栄養素であることが示されている。従って、酸素などの気体を高速で培養系へ輸送可能であることは、混合栄養培養系の効率に寄与する1つの因子である。定常状態において、酸素輸送速度は、微細藻類またはシアノバクテリア細胞による酸素消費の速度に等しい。気液界面の物質輸送は、以下の式を用いて算出することができ:

ここで、ka=酸素利用速度/(濃度勾配)となり;
は、液体培地中への酸素輸送に対する物質輸送係数であり;
aは、液体の単位体積あたりの気体の界面表面積であり;
aは、Hzまたは(秒−1)で測定される気液界面物質輸送の尺度(metric)であり、ここで、より大きい値のkaは、より良好な物質輸送、および微細藻類の体積成長速度によって決定されるより高い反応器性能に相当する。
容器のkaを増加させることにより、不充分な酸素供給に起因する微生物の成長に対する制限が克服され得る。炭素源として酢酸を用いて微細藻類またはシアノバクテリアを培養する実施形態では、kaは、2.00×10−3−1から2.10×10−1の範囲であってよい。ある実施形態では、kaは、少なくとも2.40×10−3−1であってよい。容器のkaを増加させる方法としては、気泡のサイズを減少させること、および滞留時間を増加させることが挙げられ、それは、機械混合のせん断応力の増加、微生物培養液中へより多くの気体を溶解させるための注入点のサイズの減少および/もしくは注入点の数の増加、または気体圧力の増加によって達成され得る。kaの増加は、気体の微細流または気体の微細気泡を液体中へ注入するための公知のいかなるシステムによって達成されてもよく、これらに限定されないが、ガスインジェクター、多孔性ディフューザー、マイクロ多孔性ディフューザー、ガス透過性膜、微細気泡発生器、ベンチュリーインジェクション、および微細気泡流体発振器などである。気体圧力の増加は、液柱高さを増加させるなどであるがこれに限定されない公知のいかなる方法によって達成されてもよい。酸素輸送はまた、機械せん断力による気泡の破壊、および水平、垂直、または角度を付けた(angular)混合による気泡の滞留時間の増加によっても改善され得る。混合栄養に対する光合成の寄与を増加させることにより、化学的輸送経路を通して酸素輸送がさらに改善される。
ある実施形態では、混合栄養培養系への酢酸の供給は、pH安定化によって制御されてよく、その結果、微生物培養プロセスにおける次の制限反応体は、酸素となり、硝酸およびその他の栄養素がそれに続く。ある実施形態では、硝酸、ならびにその他の栄養素は、微細藻類培養系中のセンサーを用いたフィードバック制御に基づく自動供給計画に従ってよい。別の選択肢としての実施形態では、硝酸センサー、淡水系の導電性読み取り、または溶存酸素センサーからのフィードバックを用いて、栄養素、有機炭素、または空気が供給されてよい。加えて、酸素制限と機械的設計との間の関係から、対応して培養系の溶存酸素条件を改変する機械的設計の変更も可能となる。化学量論に基づく酸素要求量は、実施例11で算出される。ある実施形態では、反応が物質輸送制限ではなく、代謝によって制限されることを確保するために、培養は、化学量論的な最小値(平衡濃度(C)に対する酸素利用速度の比率として実施例11で算出)よりも非常に高いkaで行われてよい。
培養系のkaおよび溶存酸素状態を向上させるための本技術分野にて公知の種々の方法が、混合栄養微生物培養プロセスと共に用いられてよい。本技術分野にて公知の方法は、機械的方法および化学的方法に分類され得る。ある実施形態では、培養系のkaおよび酸素状態を高める方法は、1つの機械的方法または複数の機械的方法の組み合わせであってよい。機械的方法としては、これらに限定されないが、酸素の豊富な空気の添加、ベンチュリ注入、エダクター、堰(weirs)、および培養系の温度の低下が挙げられ得る。ある実施形態では、培養系のkaおよび酸素状態を高める方法は、1つの化学的方法または複数の化学的方法の組み合わせであってよい。化学的方法としては、オゾンなどの培養系適合製品による高表面積気泡、ナノサイズ炭化水素気泡、植物油、鉱油、およびナノサイズ金属酸素キャリアの添加が挙げられ得る。上記の方法のいずれも、単独で、または機械的方法および化学的方法の組み合わせを含め、組み合わせて用いられて、培養系のkaおよび酸素状態が高められてよい。これらの方法のうち、機械的方法は、培養系の成長に対して最も低い侵襲性を持ち得るものであり、モジュール式に配置可能であり得る。
加えて、溶存酸素濃度はまた、汚染細菌集団を管理するためにモニタリングされてもよい。好気性成長する汚染細菌は、培養系中にて過剰の酸素を用い得るものであり;従って、汚染細菌が利用可能である酸素が制限されると、汚染細菌の成長も制限され得る。
実施例1
クロレラ属菌種SNL333(アリゾナ州立大学によって単離された地域の菌株(local strain)であり、試験を行った時点にて、クロレラ属菌種として最初の報告が成された;ツルピッヒャーストラッセ 47b、50674 ケルン、ドイツ、ケルン大学(University of Cologne, Zulpicher Strasse 47 b, 50674 Koln, Germany)のDr. Barbara Melkonianによってさらなる分析が行われ、この微細藻類株が、その他の既知のクロレラ属菌種と識別特性を共有していることが確認された)を、非純粋培養条件の酢酸/pHオーソスタット供給システムを用い、非純粋培養混合栄養条件下にて8日間成長させた。実験は単一バッチとして行い、この8日間の間に回収を行わなかった。この試験は、2フィート掛ける2フィートの平面パネル型空気注入フォトバイオリアクター中、14リットル(L)の運転体積で行った。酢酸溶液の添加により、体積は15Lまで増加した。コントロール処理も、光独立栄養(光栄養)培養のためのCO/pHオーソスタットシステムで行った。この反応器に、対数成長期のクロレラ属菌種SNL333単一藻培養系の3Lを0.1g/Lで播種した。播種物は、BG‐11培地中、およそ0.5g/Lで運転されている屋外のレースウェイポンドから得た。次に、培養系を、1から2.5g/Lの密度が得られるまで、2フィート掛ける2フィートの平面パネル型フォトバイオリアクターに適応させた。培養系に硝酸塩‐リン酸塩溶液をバッチ供給して、硝酸レベルを400から1500ppmに維持した。培養系を、約7.5のおよそ一定のpHおよび約25℃の温度に維持した。処理中、培養系に、FT5‐HO8バルブパネルからの光を反応器の両側に(1つのバルブ=259.6μmol/m・秒)24時間の明期で光暴露し(一定光)、およびエアレーション(0.7リットル 空気/リットル 培地・分)を施した。まず、光強度25%およびCO pH制御で培養を開始し、培養系が0.5g/Lに達するまでこれを行い、次に、培養系が2g/Lに達するまで光強度50%とした。培養系が2g/Lに到達した後、酢酸添加によるpH制御の処理を開始した。CO処理は、1から10の比率で空気流中へCOを注入することを含み、ソレノイドおよび7.5に設定したpHコントローラーによって制御した。
酢酸処理システムは、ソレノイド、蠕動ポンプ、および7.5に設定したpHコントローラーを含み、酢酸供給タンクから反応器へポンプ送液される酢酸供給物を制御した。酢酸供給物は、水により10%から50%の濃度に希釈された。プローブを供給配管に取り付け、ポンプ送液が安定であり、pH変動が制御範囲内であることを確保した。サンプリングは24秒ごとに行い、乾燥重量および無灰乾燥重量のトリプリケートサンプルを1日1回採取した。汚染画像を毎日撮影した。2〜3日ごとに、凍結乾燥、脂肪酸分析用の単一の非破壊乾燥重量サンプル(遠心分離200mL)を採取した。遠心分離の上澄を、ガスクロマトグラフィによる酢酸分析用に凍結した。酢酸供給タンク中のレベルをモニタリングすることで酢酸消費を測定した。
図1〜2および表1を参照すると、結果は、細胞乾燥重量(g/L)という点で、混合栄養培養系が、標準的な光独立栄養(独立栄養)培養系よりも生産性が高いことを示した。クロレラ属菌種SNL333の混合栄養および光独立栄養培養系に対する体積生産性および面積生産性を表1に挙げる。この結果も、混合栄養培養系が、光独立栄養培養系よりも高い脂質含有量(乾燥重量%)を有することを示した。表1に挙げた値において、2×2フィート反応器の表面(照明下)の体積に対する比率は、19L/mである。平面パネル型反応器実験からの面積生産性は、体積生産性に1m中に含有可能である体積(19L)を積算することで算出した。1日あたり1平方メートルあたりの外挿面積生産性のグラム数(g/m・日)については、混合栄養において、300L/mと仮定した。加えて、光栄養ではなく混合栄養が、クロレラ属の混合栄養成長を主導していることが示された。これらの結果から、表面(照明下)の体積に対する比率は、成長にとってそれほど決定的なものではなく、1平方メートル中に配置可能であるリットル量の制限は、システムの酸素輸送に依存するという結論が導かれた。
図3〜4を参照すると、結果は、混合栄養培養系におけるNaNOの取り込みが、光独立栄養(独立栄養)培養系よりも高いことを示した。図5を参照すると、結果は、pHレベルを7.5に設定した酢酸/pHオーソスタットシステムを用いた混合栄養培養系において、残留酢酸濃度が比較的低く(食用酢よりも8倍低い)、環境問題(流出、揮発性有機炭素排出)、労働災害、または物質の浪費のリスクが低くなることを示した。残留酢酸は、硝酸およびその他の栄養素が消費されるに従って増加した。
実施例2
クロレラ属菌種SNL333を、非純粋培養条件の酢酸/pHオーソスタット供給システムを用い、非純粋培養混合栄養条件下にて10日間成長させた。この試験は、光暴露時間(明期)、酢酸供給システム、および成長の間のみの硝酸の添加(リン酸または微量栄養素ではなく)以外は、実施例1で用いたものと同じ反応器および手順で実施した。試験はまた、実施例1の手順と一致して、単一バッチとして行い、この10日間の間に回収を行わなかった。試験は、人工光による1日あたり24時間の光暴露時間、およびやはり人工光で14時間の光暴露時間(1日あたり10時間の暗期)で行った。酢酸は、pHレベルコントローラーに応答するニードルバルブによって制御される滴下システムで供給した。溶存酸素レベルも連続的に測定し、データ記録装置中の記録を更新した。4日ごとに、20×および100×での顕微鏡写真(油浸)を撮影し、ならびに細胞数、細胞サイズ、クロロフィル数、およびクロロフィル非含有粒子の割合の測定も行った。
図6および表2を参照すると、結果は、細胞乾燥重量(g/L)という点で、混合栄養培養系が、光独立栄養(独立栄養)培養系を上回る性能を有すること、および混合栄養培養系の細胞乾燥重量が、光独立栄養培養系の場合よりも、光暴露時間短縮の影響が少ないことを示した。24時間および14時間の明期で成長させたクロレラ属菌種SNL333の混合栄養および光独立栄養培養系に対する体積生産性および面積生産性を表2に挙げる。表2の値において、2×2フィート反応器の表面(照明下)の体積に対する比率は、19L/mである。平面パネル実験からの面積生産性は、体積生産性に1m中に含有可能である体積(19L)を積算することで算出した。外挿面積生産性(g/m・日)については、混合栄養において、300L/mと仮定した。加えて、これらの結果に基づくと、光栄養ではなく混合栄養が、クロレラ属の混合栄養成長を主導していた。
図7を参照すると、結果は、混合栄養培養系よりも光独立栄養(独立栄養)培養系において、光暴露時間短縮によってNaNOの取り込みがより大きく影響を受けたことを示した。図8を参照すると、結果は、混合栄養培養系における酢酸取り込みが、24時間光暴露よりも14時間光暴露の場合の方が低いことを示した。図9を参照すると、結果はまた、溶存酸素レベルが、考え得る臨界点(20%)飽和よりも低いことも示しており、このことは、2フィート掛ける2フィート平面パネル型フォトバイオリアクターにおける酸素のガス輸送の不良が、光エネルギーよりも混合栄養培養系の成長の制限に対してより重要であることを示唆するものであった。
表3を参照すると、結果は、混合栄養培養系中の細菌レベルが、非純粋培養条件および有機炭素源の導入にも関わらず、低く維持されていることを示した。混合栄養または光独立栄養計画下での運転によるクロレラ属菌種SNL333培養系中の細菌集団の発生率を表3に挙げる。表3に挙げる値において、藻類細胞は、クロロフィルの自家蛍光によって識別し、細菌細胞は、Backlight Green染料によって識別した。表3の値はまた、クロレラ属の重量を27×10−12g/細胞、および細菌細胞重量を0.2×10−12g/細胞と仮定した。
実施例3
クロレラ属菌種SNL333を、非純粋培養条件の酢酸/pHオーソスタット供給システムを用い、非純粋培養混合栄養条件下にて4日間成長させた。この試験は、光暴露時間(明期)および酢酸供給以外は、実施例2で上述したものと同じ装置および手順で実施した。試験1および2は、24時間光暴露で行い、試験3および4は、0時間光暴露(従属栄養)で行った。酢酸の供給は、培養系密度0.5から5〜6g/Lに対しては、200g/Lおよび1g/Lの初期酢酸ナトリウムで行い;5〜6g/Lより高い培養系密度では、10g/Lでの酢酸供給を行った。酢酸は、pH変化に応答してオーソスタットへ供給した。反応器には、2×2(14L)バイオリアクターの運転体積を超える体積分の培養系を、測定および分析のために4Lフラスコへ排出(回収)可能とするオーバーフロー管を取り付けた。
図10を参照すると、結果は、酢酸を供給されたクロレラ属培養系が、0時間光暴露よりも24時間光暴露においてより良好に成長したことを示した。光合成活性が、溶存酸素値を、近従属栄養処理(周囲光の侵入を最小限に抑えた0時間光暴露)における4.9mg/Lから、混合栄養処理(24時間光暴露)における6.5mg/Lまで改善させる補助となったことも見出された。図11を参照すると、結果は、混合栄養処理(24時間光暴露)における酢酸消費が、従属栄養処理(0時間光暴露)の場合よりも高いことを示した。図12を参照すると、結果は、残留NaNO濃度が、近従属栄養培養系(0時間光暴露)または光独立栄養(独立栄養)培養系の場合よりも、混合栄養培養系(24時間光暴露)の方が低いことを示した。
実施例4
クロレラ属菌種SNL333を、酢酸/pHオーソスタット供給システムを用い、非純粋培養混合栄養条件下にて10日間成長させた。試験は、5.6mの培養可能面積および10cmの光路(すなわち、培養系深さ)を有するPVC製の2つのレースウェイポンドフォトバイオリアクターで行った。両方のフォトバイオリアクターに混合栄養培養系を入れ、2つの50cm多孔性ディフューザーを用いて1分間あたり10リットル(LPM)でエアレーションを施し、屋外に配置した。第一のフォトバイオリアクター(反応器1)は、水圧(ポンプ)で混合した。第二のフォトバイオリアクター(反応器2)は、パドル翼で混合した。クロレラ属菌種SNL333を、0.3g/Lの密度で、反応器1および2に播種した。クロレラ属は、実験的試験のための0.3〜0.4g/Lの密度が得られるまで、CO/pH制御下で屋外条件に適合させた。酢酸添加は、実施例2で上述した滴下システムを用いて行った。
培養系密度が1.5g/Lに到達したところで、培養系を必要に応じて回収した。初期培地は、初期培地に酢酸ナトリウム(1g/L)を添加したBG‐11培地であった。アリゾナ州ギルバートの2012年5月の平均明期、約14.5時間を以って、自然太陽光を培養系に適用した。温度は、冷却コイルによって28℃に制御した。pHオーソスタットシステムのpHコントローラーは、上述のように、7.5に設定した。温度、pH、および溶存酸素を、連続的に測定した。酢酸消費は、酢酸供給タンクレベルにより、毎日モニタリングした。乾燥重量は、1日3回測定し(n=3)、硝酸レベルは毎日測定した。残留酢酸(200mL)およびバイオマスを測定するための遠心沈殿を、2日おきに行った。
フローサイトメトリーによる細菌感染の測定を含む汚染の観察(400×、1000×の油浸相コントラスト顕微鏡写真および細菌染色による細胞サイトメトリー)を2日おきに実施した。細菌感染測定において、各1mLサンプルに、1μLのBacLight(商標)Green細菌染料(インビトロジェン、米国、オレゴン州、ユージーン)を添加し、サンプルを、室温、暗所にて、30から60分間インキュベートした。インキュベーションの後、サンプルを、BD FACSAria(商標)(BDバイオサイエンス、米国、カリフォルニア州、サンホセ)で分析し、細菌および藻類の集団を、BacLight(商標)蛍光およびクロロフィル自家蛍光に基づいてゲーティングした。
図13を参照すると、結果は、最大1日生産性が、反応器1(すなわち、SP3)に対しては97g/m・日(0.97g/L・日)であり、反応器2(すなわち、SP4)に対しては127g/m・日(1.27g/L・日)であることを示した。平均1日生産性(9日間にわたる)は、反応器1に対しては56g/m・日(0.56g/L・日)であり、反応器2に対しては76g/m・日(0.76g/L・日)であった。屋外反応器中の混合栄養培養系の生産性は、屋外反応器で過去に得られた光独立栄養培養系の生産性のおよそ6倍であった。図14〜16を参照すると、結果は、反応器2(R2)よりも低い生産性であった反応器1は、溶存酸素レベルも低いことを示しており、このことは、低溶存酸素レベルと成長の制限とを関連付ける過去の知見に対応している。図17を参照すると、結果は、温度が30℃未満に維持された場合、屋外非純粋培養混合栄養条件下にて、細菌レベルが、総細胞数の5%未満(総バイオマスの<0.05%)であることを示した。
実施例5
クロレラ属菌種SNL333を、酢酸/pHオーソスタットシステムを用い、屋外の開放レースウェイポンドフォトバイオリアクター中、非純粋培養条件下にて10日間混合栄養成長させ、その後、光独立栄養(光栄養)成長のために、平面パネル型フォトバイオリアクターに移した。屋外反応器は、実施例4にて上述したように運転した。平面パネル型フォトバイオリアクターに、屋外反応器からのクロレラ属培養系を密度0.5g/Lで播種し、これを、平均温度25℃、CO制御によるpH7.5、10LPMでのエアレーション、2LPMでのCOパルス、フォトバイオリアクターの両側へのFTS‐HO8バルブパネル(1つのバルブ=259.6μmol/m・秒)からの14時間の光暴露(明期)で運転した。750nmおよび680nmにおける光学密度およびpHを含むデータを1日1回収集した。乾燥重量測定、硝酸測定、およびクロロフィル分析を、試験の最初、中間、および最後に実施した。図18を参照すると、結果は、混合栄養成長させた屋外反応器からの播種物が、光独立栄養成長のために平面パネル型フォトバイオリアクターに移した後、典型的な光独立栄養(独立栄養)成長速度と一致していること、および栄養変換が直ちに行われることを示した。
実施例6
クロレラ属菌種SNL333を、酢酸/pHオーソスタットシステムを用い、酢酸ナトリウムを培地に初期添加して、非純粋培養条件下にて混合栄養成長させた。実施例2で上述した装置および手順を用いて、14時間の光暴露(明期)でクロレラ属を混合栄養培養した。第一および第四の試験は、2g/Lの初期酢酸ナトリウムを受け、第二および第三の試験は、初期酢酸ナトリウムを受けなかった。酢酸は、200g/Lで供給した。乾燥重量、無灰乾燥重量、溶存酸素、酢酸、細菌汚染、および硝酸を、上記の実験で述べたようにしてモニタリングした。図19〜20を参照すると、結果は、残留酢酸が、無機塩(栄養素)の消費、光合成プロセスによるCOの消費、ならびに細胞による有機酸の排出によって決定される培地が緩衝される必要性(buffering requirement)を反映していることを示した。従って、このシステムは、純粋なオーソスタット(一定濃度)ではなく、バッチ内において±0.5g酢酸/Lで濃度が変動する。結果はまた、初期酢酸ナトリウムによって、酢酸が常時存在し、光合成プロセスに関わらず、pH制御が良好に作動することが確保されたことを示した。
実施例7
クロレラ属菌種SNL333を、酢酸/pHオーソスタットシステムを用い、開放池反応器中、非純粋培養条件下にて培養した。実施例4で上述した装置R1および手順を用いたが、培地への酢酸ナトリウムの初期添加は行わなかった。結果は、酢酸/pHオーソスタットシステム作動の失敗、および光独立栄養システムで得られたものと同等の生産性を示した。
実施例8
過酸化水素を、大腸菌の培養系に適用して、この細菌に対する阻害効果を特定した。細菌汚染フォトバイオリアクターからの細菌播種物200mLを、200mLのBG‐11培地に添加した。この溶液を半分に分割し、第一の溶液は、6.84gのグルコースを受け、第二の溶液は、5gの酢酸ナトリウムを受けた。両溶液のpHおよび光学密度を測定した。これら2つの溶液を、各々、コントロール用、10mM H処理用、および20mM H処理用の3つの別々の100mL体積分のグループ3つに分割した。各体積分は、2.092gのMOPSバッファー(シグマケミカル、ミズーリ州、セントルイス)を有しており、続いて、27℃、96rpm、およびLED光100μmol/m・秒に設定したインキュベーター中に配置した。これらの体積分を一晩インキュベートし、10M NaOHを用いてpH7.5とし、光学密度を測定した。次に、10mM Hおよび20mM Hの処理を加えて、24時間インキュベートした。その後、光学密度およびpHを測定し、各処理の1つの体積分にメチオニンを添加した。3日目および6日目に再度光学密度およびpHを測定し、その後、6日目に顕微鏡分析を行った。結果は、Hの添加が、培養系のpHにほとんど影響を及ぼさないことを示した。図21を参照すると、結果はまた、Hの添加が、グルコースおよび酢酸塩培地の両方において、細菌培養系の成長を抑える影響を与えることも示し、20mM Hの処理の方が、10mM Hの処理よりも効果が大きかった。
実施例9
汚染細菌を、微細藻類培養系から単離し、大腸菌として識別した。異なる濃度の過酸化水素を大腸菌の培養系に適用し、実施例8で用いたものと同じ装置および手順を用いて、この細菌への阻害効果を特定した。グルコースおよび酢酸ナトリウムの細菌培養系を、0mM H(コントロール)、1mM H、2.5mM H、および5mM Hで処理した。図22を参照すると、結果は、Hの濃度が増加するに従って、細菌の成長に対する阻害効果も上昇することを示した。結果はまた、細菌培養系の成長が、最終的には1回の処理から回復することも示しており、細菌集団の制御には、連続した処理が必要となることを示唆している。細菌が回復することから、周期的な投与が、細菌集団の制御の補助となる。グルコース含有培養系では、2.5mM H処理が2日ごとに、または5mM H処理が用いられる場合は6日ごとに施されるべきである。酢酸ナトリウム含有培養系では、2.5mM H処理が3日ごとに施されるべきであり、グルコース供給藻類よりも酢酸供給細菌の方が、酸化ストレスに対してより高い感受性を有することを示唆している。
実施例10
クロレラ属菌種SNL333を、実施例4で上述したポンドレースウェイシステム中にて混合栄養系で成長させた。レースウェイフォトバイオリアクターの面積は、5.6mであり、運転体積は568L、深さは15cmであった。一方のユニットは、ポンプで混合し(反応器1)、他方は、パドル翼で混合した(反応器2)。パドル翼システムには、エアストーンによって空気を供給した。ポンプ反応器には、ベンチュリ注入システムによって空気を供給した。ポンプ反応器には、エダクターを用いて水の流速を上昇させ、液体培地の酸素輸送を高めた。成長速度は、利用可能酸素の量に比例する。推定生産性20〜200g/m・日に必要とされる酸素は、およそ34〜100g/m・日となる。反応器1および反応器2に、0.48g/Lでクロレラ属を播種した。酢酸ナトリウムを、第0日に、0.3g/Lの濃度で開始培養系の培地に添加した。このシステムへの栄養素供給物は、20% 酢酸、および硝酸レベルを改変した(350mg/L)BG‐11栄養素溶液から構成した。改変BG‐11レシピ中の硝酸レベルは、400mg/Lから成り、これまでの試験からの硝酸消費速度から決定した。
試験の間、両システムの残留硝酸は、試験を通して数日で0に到達した。硝酸レベルは、システム中の残留硝酸レベルを維持するために(400mg/L)、試験の終わりへ向けて調節した。試験全体を通して、回収は毎日行った。回収物は、毎日、培養系体積の50%から構成し、第7日は、80%の回収を行った。試験全体は、反応器1では12日間、反応器2では10日間継続した。
図23は、反応器1で到達したバイオマスの最大濃度が、1.47g/L(120時間)であり、反応器2では、1.34g/L(120時間)であるとの結果を示す。バイオマス濃度は、無灰乾燥重量(AFDW)としてg/L単位で示す。このシステムでの回収は、濃度が1.0g/L以上に到達した時点で行った。回収物は、1日あたり、総培養系体積の50%から構成し、第8日は、両システムにおいて80%の回収を行った。
図24は、総培養期間に基づき、および総平均1日収率に関して、レースウェイ混合栄養システムの反応器1におけるg/m・日の単位での収率が、反応器2よりも優れているとの結果を示す。反応器1の培養は、合計で12日間行い、反応器2の培養は、合計で10日間行った。12日の期間全体にわたる反応器1の場合の平均1日収率は、87g/m・日であった(細菌汚染によって培養系の生存率が低下した最後の2日間を含む)。最初の10日間における反応器1の場合の平均1日収率は、101g/m・日であった。10日の期間全体にわたる反応器1の場合の平均1日収率は、76g/m・日であった(細菌汚染によって培養系の生存率が低下した最後の2日間を含む)。最初の8日間における反応器2の場合の平均1日収率は、74g/m・日であった。
図25は、反応器1および反応器2の体積成長速度の結果を示す。反応器1における平均体積生産性は、12日間の試験に対して1g/L・日であり、試験の最初の10日間に対しては、0.66g/L・日であった。試験の過程にて反応器1で達成された最大体積生産性は、0.92g/L・日であった。反応器2における平均体積生産性は、10日間の試験に対して0.49g/L・日であり、試験の最初の8日間に対しては、0.50g/L・日であった。試験の過程にて反応器2で達成された最大体積生産性は、0.81g/L・日であった。
図26は、試験の過程における収率および酢酸消費の結果を示す。反応器1は、最初の7日間にわたって、平均で2.31L/日の酢酸を消費した。反応器2は、試験の最初の6日間にわたって、平均で1.83L/日の酢酸を消費した。図27は、混合栄養条件下での硝酸の消費を示す。反応器1は、最大で447mg/L・日の硝酸を消費した。反応器2は、最大で350mg/L・日の硝酸を消費した。
図28では、混合栄養培養系中のクロレラ属に対する細菌のパーセンテージを、上記の実施例で考察した手順を用いて定量した。細菌集団を制御するための処理は、縦破線で示した時点で行った。反応器1は、オゾン処理を受け、反応器2は、抗生物質処理を受けた。190時間にて、システムに補充するための補充水を、塩素処理によって滅菌し、その後培養系に添加した。反応器1では、培養系中のクロレラ属に対する細菌のパーセンテージは、240時間にて10%に達した。反応器2では、培養系中のクロレラ属に対する細菌のパーセンテージは、240時間にて18%に達した。168時間にて、反応器1および反応器2の両方の細菌レベルが上昇し始めたので、両方のシステムに処理を行った。反応器1は、0.10〜0.20mg/Lの範囲の平均レベルで、17時間オゾンを適用して処理した。オゾンは、エアスパージャへ注入し、5のPSIで空気と混合した。反応器2は、表4に挙げる抗生物質混合物で処理した。オゾン処理を用いた反応器1では、クロレラ属に対する細菌のパーセンテージは、6.5%から1.4%に低下した。抗生物質処理後の反応器2における細菌のパーセンテージは、65%から19%に低下した。オゾン処理後の3日間での反応器1における平均収率は、105g/m・日であった。抗生物質処理後の3日間での反応器2における平均収率は、71g/m・日であった。抗生物質処理は、システム中の細菌を減少させたが、生産性も低下させた。オゾン処理は、システム中の細菌を減少させ、収率は100g/m・日以上を維持した。
実施例11
混合栄養微細藻類培養系の酸素要求量を、実施例4で述べた屋外開放レースウェイポンド反応器について算出した。実施例10からの算出成長速度は、9日間の連続運転にわたる平均で、0.6g/L・日と測定された。およそ33質量%の酢酸がバイオマスに変換されており、これは、3.33g 酢酸/g 生産バイオマスに等しい。酢酸を消費するための酸素の理論的な化学量論的消費は以下の通りである:
CHCOOH + 2O → 2CO + 2H
1モルの酢酸が、1.5モルの酸素を必要とする、または60gの酢酸が、64gのOを必要とする、または1.07g O/g 酢酸である。
CO以外の別の選択肢としての中間体も、バイオマスへの変換において可能であるが、ここで明確に示すことはしない。グルコースなどであるがこれに限定されない酢酸以外の炭素源も、混合栄養培養において可能である。算出酸素消費速度は、以下の通りである:(0.6g バイオマス/L・日 × 3.33g 酢酸/g バイオマス × 1.07g O/g 酢酸) = 2.14g(O/L・日)、これにより、消費速度は、1.48ppm O/分と算出される。
25℃における平衡酸素濃度は、8.5ppmであり、従って、実施例9に記載の実験から算出されるkaは、0.17分−1または2.90×10−3−1である。
実施例12
さらなる実験を、実施例4に記載の開放屋外反応器から取り出した小サンプルに対して行った。開放池の培養系は、飽和未満の溶存酸素レベルで平衡状態であり、このことは、消費される酸素が、輸送される酸素に等しいことを示唆している。開放屋外反応器からのサンプルに対して、2つの異なる試験を行った。1Lのサンプルを実験室に持ち帰り、布地で覆って光を遮った。酸素利用速度を、溶存酸素プローブ(DOH‐SD1(商標)ポーラログラフィ式溶存酸素計、OMEGAエンジニアリング社、英国、マンチェスター)で測定し、データを図29に示す。タンクからの培養系を用いて250mLの三角フラスコを満たし、酸素輸送を低下させた。酸素要求量を算出するために、DOレベルの低下を時間に対してプロットした(臨界レベルより高いDOレベルにて)。
図29から、Oの消費の速度は、曲線の傾きとして示されており、反応器1に対しては0.54ppm/分、反応器2サンプルに対しては0.57ppm/分である。初期濃度は5ppm Oであり、従って、この試験における濃度勾配は、8.5から3.5ppmとなる。この場合の反応器1に対するkaは、3.5秒−1から2.75 10−1となる。
実施例13
実施例12に記載の試験を、反応器1から、異なる日に実施し、結果を図30に示す。図30のグラフは、深さ15cmの反応器において、平均体積成長速度0.6g/L・日または100g/m・日で成長する期間に反応器1で測定した酸素消費速度をプロットしている。サンプルの酸素消費速度は、0.5413ppm/分であった。初期濃度は4.8ppmであり、従って、この試験における濃度勾配は、8.5−4.8〜3.7ppmとなる。この場合の反応器1に対するkaは、0.107分−1または2.44×10−3−1となる。この実験における平均kaは、2.7×10−3であった。ka算出の結果を、表5にまとめる。
実施例14
仮想例において、混合栄養反応の場合の微細藻類またはシアノバクテリアバイオマスの面積成長速度は100〜10000g/m・日の範囲であり得、より予測される範囲は100〜4000g/m・日である。体積成長速度は、0.6g/L・日から600g/L・日の範囲であってよく、より期待される範囲は、0.6から6g/L・日である。仮想的微生物成長反応器は、閉鎖型または開放型であってよく、屋外または屋内で運転されてよい。屋内反応器は、反応器周囲の外部光を用いて、または光導体もしくは微細藻類成長反応器の容積内に光を挿入するその他の手段を用いて運転されてよい。
酢酸と酸素および微細藻類との反応は、実際は体積的であり、界面物質輸送によって制限される。実施例2で述べたように、屋内の体積成長速度は、2.7g/L・日であった。この実験は、溶存酸素の低い値から分かるように、液体中への酸素の物質輸送によって制限された。実施例2の場合、酸素は、直径およそ1/32インチ(.079375cm)で、それぞれ0.75(1.905cm)インチの間隔が開けられ、2つの列を千鳥状として空間分布させた孔(合計で約32個の孔)を有する管から作られた単純なスパージャを通して、空気の形態で供給した。
より小さい空気注入点、注入点の数の増加、および/またはより大きい気泡の破壊の増加により、より多くの酸素が微細藻類培養溶液中に溶解され得る。微生物培養溶液中により多くの酸素を溶解させることにより、微細藻類またはシアノバクテリアのより高い体積混合栄養成長速度が達成され得る。0.1mm未満、より好ましくは1×10−7mから1×10−4mの空気注入径により、対応する体積成長速度は、2.7g/L・日を超え、0.6g/L・日から600g/L・日の範囲となる。
さらに、圧力を上昇させることによっても、液体反応培地への酸素の溶解性または取り込みの増加が達成され得る。圧力を上昇させるための1つの手段は、液柱高さを用いることである。1つの仮想例では、0.2m〜40mの範囲の高さである反応器が用いられてよく、好ましい範囲は、0.2m〜10mの高さである。この反応器は、本質的に管状であってよく、空気、圧力スイング吸着式(PSA)気体発生器もしくは膜分離などであるがこれに限定されない25%から約98%の範囲の酸素組成を有する気体を送るその他のユニット運転からの酸素富化空気、または高純度酸素が、反応容器の底部または底部付近で供給されてよい。酸素レベルの制御は、微細藻類またはシアノバクテリアの成長を促進するために、および汚染生物を制御するために行われてよい。本発明の微細藻類またはシアノバクテリア栽培場は、底部から空気が供給され、所望に応じて光導体を中央に、または空間分布されて含んでよい、高さ0.2m〜40mの管状反応器の列から構成されてよい。光導体は、好ましくは、成長および/または光色素産物形成を促進し得るいずれの波長から構成されてもよい特定波長LEDから作られてよく、別の選択肢として、管の外部の周囲に配置されてもよい。管径は、0.1m〜10mの範囲であってよい。本発明の藻類栽培場は、屋外に、または一定ではない太陽光線、UV分解、虫、動物、汚染、暴風、暴風雨、ハブーブ、ハリケーンなどを含む過酷な条件からの問題を回避するために筐体内部に収容されてよい。
別の選択肢としての実施形態では、水または培地の液柱が、反応器(例:管状、平面パネル状、または実質的に平面状の反応器)に隣接していてもよく、それによって、より多い溶存酸素が、本発明の反応器への添加前、または反応器と循環される前に、この高い液柱の培地へ添加されて、反応を補助するための溶存酸素の量が増加されてよい。
別の選択肢としての実施形態では、実質的に平面状、および実質的に管状の反応器が一緒に用いられ、この場合、第一ステージの管状反応器は、高い成長のために用いられ、第二の実質的に平面状である反応器は、微細藻類菌株の脂質または顔料生産に用いられ、その微細藻類菌株は、アグメネラム属、アンフォラ属、アナバエナ属、アナシスティス属、アピストネマ属、プレウロクリシス属、アスルロスピラ属(スピルリナ属)、ボツリオコッカス属、ブラキオモナス属、クラミドモナス属、クロレラ属、クロロコッカム属、クルシプラコリタス属、シリンドロテカ属、コエノクロリス属、シアノフォラ属、シクロテラ属、ズナリエラ属、エミリアニア属、ユーグレナ属、エクスツボセララス属、フラギラリア属、ガルジエリア属、ゴニオトリチウム属、ヘマトコッカス属、ハロクロレラ属、イソキルシス属、レプトシリンドラス属、ミクラクチニウム属、メロシラ属、モノダス属、ノストック属、ナンノクロリス属、ナンノクロロプシス属、ナビキュラ属、ネオスポンギオコッカム属、ニツキア属、オドンテラ属、オクロモナス属、オクロスファエラ属、パブロバ属、ピコクロラム属、フェオダクチラム属、プレウロクリシス属、ポルフィリジウム属、ポテリオクロモナス属、プリムネシウム属、ロドモナス属、セネデスマス属、スケレトネマ属、スプメラ属、スタウロネイス属、スチココッカス属、アウキセノクロレラ属、ケアトセロス属、ネオクロリス属、オクロモナス属、ポルフィリジウム属、シネココッカス属、シネコシスティス属、テトラセルミス属、トラウストキトリズ属、およびタラッシオシラ属などの属からの種を含んでよい。1つの例では、高成長第一工程の管状反応器は、アスタキサンチンの生産のためのヘマトコッカス属の培養に用いられてよい。第二の実質的に平面状である反応器は、強い赤色を誘発するために追加の光が用いられ得ることから、アスタキサンチンの生産を増加させるための最終工程に用いられ得る。実質的に平面状である反応器は、約1mまでのいかなる幅、長さ、または深さであってよいレースウェイポンドの形態を取ってよい。
Yue et al, Chemical Engineering Science 62 (2007) 2096-2108に報告されるように、水中のCOに対する気液kaの21秒−1は、プロセス強化法を用いる文献に報告されている。開示される混合栄養の例から算出される値よりも10000倍の比率で高い気体の液体への物質輸送が可能である。酸素の物質輸送速度が増加するに従って、その他の反応現象または固有の微細藻類変換速度が制限となる場合があり、従って、6000g/L・日(または本明細書で述べるよりも10000倍高い速度)は、可能ではない可能性がある。理論的には、微細藻類成長培養系中への気液物質輸送を改善させて用いることで、連続混合栄養培養において、600g/L・日までの達成が可能であり得る。
実施例10で述べた実験から、101g/m・日の面積生産性が、対応する体積成長速度の0.66g/L・日と共に測定された。培養系全体が少なくとも何らかの光を受けることを可能とするために混合計画は依然として維持した状態で、理論的に可能である10000倍よりはそれでも非常に低いが100倍の物質輸送の改善、および反応器深さの15cmから150cmへの増加(または、太陽に露出される移される表面積(displaced surface area)は同じで、反応器体積が10倍増加)により、結果として得られる面積成長は、現在報告されている実験よりも3桁高くなるか、または最大10000g/m・日となる。培養系深さがより小さいか、または気液物質輸送が最適以下である場合、混合栄養培養系からの面積生産性の範囲は、100g/m・日から1000g/m・日の範囲であり得る。
実施例15
全体積6600L、深さ15cm、および長さおよそ80フィート(23.4m)のレースウェイポンドバイオリアクター中で実験を行った。2つのバイオリアクターを温室の内部に収容して、土埃および汚染物の侵入を制限し、ならびに天候に誘発される現象の影響を緩和した。反応器に、クロレラ属菌種SNL333を、0.2g/Lの初期密度で播種した。pHは、酢酸投与について上述した手順に従い、酢酸(20%水溶液)で制御した。反応器は、水圧混合し、多孔性のホースでエアレーションを行った。システムは、半連続的に運転し、培養系の50%を毎日回収し、細胞密度を0.5から1.5g/L 乾燥重量に維持した。培養系の細胞乾燥重量は、各回収の前後に測定した。反応器は、デュプリケートで連続する6日間運転し、その後、すべての培養系を回収した。培養期間の間、細菌数は、総細胞数の5%未満に維持された。システムの生産性は、100g/m・日を超えており、実施例10で述べた体積の小さいバイオリアクターに匹敵する結果を示した。
実施例16
汚染細菌が存在する培養系中での混合栄養成長微細藻類(クロレラ属菌種SNL333)に対する影響を特定するための実験を行った。ヒールッシャーウルトラソニック社製(ドイツ、テルトー)のUID400超音波発生器を用いて、混合栄養培養される微細藻類および細菌の培養系600mLに超音波エネルギーを適用した。この培養系を、30kHz周波数ホーンを用い、95%強度にて1.5分単位で超音波処理し、培養系温度を25〜35℃の範囲に維持するために冷却した。15分間の超音波処理の後、この培養系を、小試験システムに再播種し、処理および未処理微細藻類の成長速度が、10%以内であることが見出された。図31において、棒グラフは細菌濃度を表し、線グラフは生藻類細胞(すなわち、微細藻類細胞)のパーセンテージを表す。結果は、細菌濃度の対数減少が、生微細藻類細胞の著しい喪失を伴うことなく、15分間の超音波処理の後に達成されることを示した。
実施例17
少なくとも何らかの光を受けるバイオリアクターシステムの部分を提供するレースウェイポンド、およびまったく光を受けないバイオリアクターシステムの部分を提供するタンパク質スキマー(すなわち、泡沫分離を行うための気体注入を用いるカラム型装置)を含む混合栄養バイオリアクターシステムを用いて、水性培地中、混合栄養培養条件下にてクロレラ属を培養した。レースウェイポンドは、運転培養深さ30cmで500Lの体積を持ち、調節可能運転体積が408〜466Lである高流速ベンチュリポンプを備えたRK2RK75タンパク質スキマーと流体接続されており、その結果、全バイオリアクターシステム体積は908〜966Lであった。微生物培養系を、レースウェイポンド中でポンプにより循環させ、タンパク質スキマーと流体接続された出口部を通してレースウェイポンドから排出した。培養系の溶存酸素濃度の操作のために、タンパク質スキマーのベンチュリポンプによって空気注入を行った。酢酸の微生物培養系への添加を、20%濃度にて、オメガ計量ポンプによってタンパク質スキマーの排出ライン中へ行い、それは、微生物培養系をレースウェイポンドへ戻し、バイオリアクターシステムのタンパク質スキマー部分とレースウェイポンド部分との間の培養系循環経路が完成した。
pHレベルは、ハンナ(Hannah)pHプローブにより、レースウェイポンドのタンパク質スキマーへの出口部およびタンパク質スキマーからの入り口部で検出した。ユーテック(Eutech)溶存酸素プローブを、タンパク質スキマーの入り口部および排出管に取り付けて、溶存酸素濃度を検出した。レッドフィッシュ(redfish)温度プローブをレースウェイポンドの出口部付近に配置して、微生物培養系の温度を検出した。微生物培養系への照明は、自然光(すなわち、太陽光線)で提供した。30%アルミネットブラインドクロス(30% aluminet shade cloth)による薄型の温室カバーでレースウェイポンドを覆い、少なくともある程度の日光を遮ると同時に、レースウェイポンド中の培養体積を少なくともある程度の日光に暴露させた。温室カバーに取り付けたファンにより、水性微生物培養系の表面および水性微生物培養系の表面の上にある上部空間全体にわたって強制空気循環を起こした。レースウェイポンド部分とタンパク質スキマー部分との間の培養系の循環の結果、5%の負荷サイクルを得た(すなわち、全循環時間に対して微生物培養系が光に暴露される時間量)。pHレベルは、制御設定値7.5により、試験の実施中、約7.5〜約8.5に維持した。
バイオリアクターは、ヘリアエ(Heliae)の標準操作手順に従い、実験前に洗浄し、漂白滅菌した。バイオリアクターに、0.08g/Lの初期濃度で播種を行った。UV処理水および研究室のBG‐11ストックを用いて培地を作製した。培地は、1倍濃縮BG‐11とし、外部反応器用に硝酸およびリン酸を減少させた。この培地に窒素を注入して、溶存酸素(DO)濃度を3(mgO/L)に低下させた(初期播種時のみであり、その後は行わない)。播種の間、クロレラ属のシード培養系を含有するカルボイを開き、シードを、循環する培地へ直接注ぎ入れた。播種の直後、DO濃度が約9(mgO/L)に達したことが分かった。栄養素および細菌のための通常のサンプルの回収はすべて、他の実施例で上述した通りに行った。
濃度および硝酸レベルのためのサンプルを、研究室へ毎日送った。FACs、ペトリフィルム(petrifilm)、および顕微鏡観察用のサンプルを、前述の試験を行う訓練を受けた研究員が作業可能である場合に、毎日提出した。サンプルの回収は、サンプルポートをカバーに配置したバイオリアクターシステムの南側から行った。ログブックに、1日3回記入した。ログブックには以下の記入欄を設けた:日付、時間、pH、温度、DO濃度、PAR、ACID補充、採取サンプル、ユニット体積、回収、署名、および備考。DO濃度を維持するために、タンパク質スキマーへの空気流速を、培養系細胞濃度の増加に従って上昇させた。タンパク質スキマーユニットは、運転時に濡れた泡を発生させるため、タンパク質スキマーの排出バルブを完全に開にして、浮遊する白色の乾燥泡を常に除去し、タンパク質スキマーのユニット体積をそれまでの946Lから908Lに低下させた。タンパク質スキマーの洗浄は、およそ4時間ごとに25秒間で設定し、回収バレルは毎日空にした。運転の大部分において、反応器の目標の硝酸レベルは、700ppmであり、硝酸ナトリウムおよび適切な比率のリン酸カリウムを毎日供給した。回収の目的は、培養系の密度が5g/L以上に達するまで待ち、続いて培養系からの回収を行って、密度を2.25g/Lに低下させることであった。
クロレラ属バイオマスの回収は、全バイオリアクターシステム体積の55%の回収に相当する体積の培養系を、レースウェイポンドからポンプ排出することによって行った。回収時期は、以下の図面中の縦破線で示す。次に、UV処理水、ならびに1倍濃縮BG‐11ストック(硝酸700ppm)を添加して、回収した培養系分を補充し、反応器全体の体積とした。培養系の濃度は、試験実施中の大部分において2〜5g/Lに維持したが、2日間は、少しの間濃度が7〜8g/Lに達した。
実施した試験における経時での濃度、体積成長速度、および面積成長速度の結果を、図32〜33に示す。図中の破線回収線は、55%(約500L)の回収に相当する。第一の回収の前では、濃度の上昇が、典型的な藻類成長曲線を示している(遅滞‐対数‐定常)。
図34〜35は、実施した試験における濃度(g/L)の体積成長速度および面積成長速度に対する相関を示しており、このことは、このバイオリアクターシステムにおいて、反応器の回収および運転を行う場合の下限閾値が3g/Lであるべきであることを示唆し得るものである。5g/Lを超える濃度にて、非常に高い成長を示す点が2つあり、このことは、より高い運転濃度での生産性のさらなる最適化が可能であり得ることを示唆している。
図36〜40は、混合栄養バイオリアクターシステムの培養実施の間の環境パラメーターを示し、温度、pHレベル、溶存酸素濃度、照明(すなわち、光合成有効放射)、および硝酸濃度を含む。温度を示す図において、結果は、日々の温度変化が小さいことから、培養系体積が熱的に安定であることを示している。
試験実施の間、顕微鏡観察を毎日行った。この観察から、培養系が、ほとんどの屋外培養系と同じ進行に従っていることが示され、細胞密度の増加と共に、細胞デブリおよび細菌を含む汚染も増加した。しかし、混合栄養バイオリアクターシステム培養のクロレラ属培養系は、培養系の個体数激減(culture crash)(すなわち、汚染生物による支配)が予測される危険な徴候(例:腐敗臭、捕食生物、または藻類を攻撃する細菌)が観察されなかったため、これまでの反応器で実施した試験とは異なっていた。酢酸を有機炭素源として用いたが、消泡剤、抗生物質、オゾン、またはUVは、この試験に実施時には用いなかった。混合栄養バイオリアクターシステムは密閉せず、非純粋培養条件下で運転した。培養系は、34日間継続して成長し、34日間全体の平均成長速度は、302g/m・日であった。
<有機炭素の組み合わせ>
混合栄養培養系は、単一の有機炭素源の供給物を用いての運転が行われてよいが、微生物の培養系の中には、有機炭素源を組み合わせて用いることから有益性を受け得るものもある。ある実施形態では、有機炭素供給物は、少なくとも1つの有機炭素源を含む。ある実施形態では、有機炭素供給物は、少なくとも2つの有機炭素源を含む。限定されない一つの実施形態では、混合栄養微生物の培養系は、酢酸および少なくとも1つの追加の有機炭素源を含む有機炭素供給物を用いてよい。
酢酸を主たる有機炭素源として用いる混合栄養条件下で微生物を培養する場合、培地への少量のコハク酸の排出が、代謝オーバーフローによって発生し得る。コハク酸の排出は、培地のアルカリ性を低下させ、培地中に存在する残留酢酸に取って代わる可能性がある。クロレラ属の混合栄養培養系へ酢酸を投与するためにpHオーソスタットシステムを用いる一つの実施形態では、培地中へコハク酸が排出されたが、酢酸はそれでも供給され、微生物によって消費され、残留濃度が0.5g 酢酸/L超であることが観察された。
コハク酸は、酢酸の代謝を担うトリカルボン酸サイクル(TCA)の中間体であることから、そのようなコハク酸が培地中に蓄積されることは、ある種の代謝ストレスまたは代謝不全に起因して、微生物中での有機炭素源の利用が最適以下であることを示唆し得る。酢酸からのエネルギーは、非触媒サイクルであるTCAを通して産生される。TCAは非触媒サイクルであることから、供給されるオキサロ酢酸の量は、アセチル‐coAがサイクル中に入る量ではなく、出発物質に依存する。グルコース供給微生物培養系では、オキサロ酢酸は、ピルビン酸カルボキシラーゼを通してピルビン酸から産生され得るが、酢酸供給微生物培養系では、ピルビン酸は、光合成‐解糖系を通して供給され得る。コハク酸(TCA中間体)の排出は、光合成がオキサロ酢酸に対する代謝需要を満たすことができていない可能性があることを示している。
本技術分野では、酢酸供給渦鞭毛藻類培養系(例:クリプテコジニウム・コニイ(Crypthecodinium cohnii))において、プロピオン酸がオキサロ酢酸の再循環の補助となり得ることが知られている。また、真菌において、プロピオン酸が、スクシニル‐coAへの変換後、またはシトラマル酸を介してTCA中に入ることも本技術分野で知られている。スクシニル‐coAへの変換後、またはシトラマル酸を介してTCA中に入ることにより、TCAの活性化に必要とされるオキサロ酢酸の供給が増加され得るものであり、従って成長および生合成にとって充分なエネルギーが産生される。ピルビン酸も、ピルビン酸の不可逆的なカルボキシル化を触媒する酵素ピルビン酸カルボキシラーゼによってオキサロ酢酸へ変換され得る。この知見を、混合栄養微生物の酢酸供給培養系の状況に適用することにより、混合栄養微生物中の酢酸の代謝を改善するための方法が作り出され得る。
ある実施形態では、オキサロ酢酸のTCAへの再循環の補助、成長の促進、バイオマス生産性の向上、およびTCAに対する1つ以上の阻害剤の阻害効果の低減のために、少量のオキサロ酢酸促進剤が、培養容器中の混合栄養微生物培養系に供給される酢酸と組み合わせられてよい。オキサロ酢酸促進剤は、ピルビン酸、ピルビン酸のヘキソース糖前駆体、プロピオン酸、ならびに奇数鎖脂肪酸、バリン、イソロイシン、スレオニン、およびメチオニンなどのプロピオン酸の前駆体を含み得る。ある実施形態では、酢酸のオキサロ酢酸促進剤に対する比率は、10:0.01〜10:2の範囲であってよい。ある実施形態では、酢酸は、酢酸、及びその前駆体、例えば酢酸塩および無水酢酸など、を含んでよい。
実施例18
クロレラ属の種を、有機炭素源供給容器中に100g/Lの酢酸および10g/Lのプロピオン酸(酢酸:プロピオン酸比 10:1)を含むpH‐オーソスタットシステムを持つ混合栄養バイオリアクターシステムで培養した。培養容器には、800mLの運転容量を持つ気泡カラム反応器(bubbled column reactor)を用いた。クロレラ属を、半連続モードで培養し、この場合、混合栄養成長の過程で、培養系の80%を2日ごとに回収した。培養系の回収を図41に示し、ここで、細胞乾燥重量のグラフのトレンドラインは、急激な低下を見せている。回収ごとに、失われた培地を補充するために、新しい培地(BG‐11)を培養系に添加した。
培養系を、25℃、および1分間あたり50体積分 空気/培養系体積(VVM)の一定のエアレーションに維持した。培養容器の片側に、200μmol 光子/m・秒にて、24時間の連続明期で蛍光を当てた。培養容器の光路は4cmであった。実験全体を通して、細菌レベルは、総細胞数の5%未満に維持した。
播種の4日後、および第一の半連続的回収の後、酢酸:プロピオン酸(10:1)の有機炭素プラス促進剤処理を受けた培養系は、細胞密度およびバイオマス生産性という点で、酢酸のみの処理を受けた培養系を上回り始めた。実験の終了時には、酢酸:プロピオン酸(10:1)の有機炭素プラス促進剤処理を受けた培養系は、酢酸のみを受けた培養系と比較して、25%の生産性の上昇を見せた。図41および表6に示されるように、酢酸およびプロピオン酸の混合物は、日々、酢酸と同等かまたは酢酸よりも良好な性能を示した。
当業者であれば、通常の実験以上を用いることなく、本明細書で具体的に記載した特定の実施形態の数多くの均等物を、認識し、または確認することができるであろう。そのような均等物は、以下の請求項の範囲内に包含されることを意図している。

Claims (13)

  1. a.非純粋培養条件下で、開放培養容器中において、クロレラを含む培養物を水性培地に播種して、クロレラ及び汚染細菌を含む培養系を得ること;
    b.前記クロレラを含む培養系に、1日24時間あたり10時間〜16時間の明期に光合成有効放射(PAR)を含む光供給を行い、残りの時間を暗期とすること;
    c.前記水性培地における酢酸ナトリウムの初期濃度を0.05g/L〜10g/Lの範囲として、6〜9の範囲内の値をpH設定値として作動しpH調整のために前記クロレラを含む培養系への15%〜50%(v/v)の濃度の酢酸の供給を開始するpHオーソスタットシステムを作動させること;及び
    d.前記クロレラを含む培養系1Lあたりの溶存酸素(DO)濃度を1mgO〜6mgOの範囲内に維持すること
    を含み、前記クロレラの培養の少なくとも最初の5日間が経過した時点における前記汚染細菌の細胞数は前記培養系の総細胞数の10%未満である、非純粋培養混合栄養条件下でクロレラを培養する方法。
  2. さらに冷却及び加熱により培養系の温度を10℃〜30℃の範囲内に制御することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記供給される酢酸がプロピオン酸を含有する第二の有機炭素成分と混合される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記酢酸と前記プロピオン酸との混合物におけるプロピオン酸の濃度(g/L)に対する酢酸の濃度(g/L)の比率(酢酸:プロピオン酸)が10:0.01〜10:2の範囲である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記供給される酢酸が、硝酸塩およびリン酸塩から成る群より選択される少なくとも1つを含む他の少なくとも1つの栄養素と混合される、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記酢酸と前記他の少なくとも1つの栄養素との混合物におけるNOの濃度(g/L)に対する酢酸の濃度(g/L)の比率(酢酸:NO)が10:0.5〜10:2の範囲である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記培養系におけるクロレラの播種密度が0.3g/L〜0.5g/Lである、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記クロレラの培養の少なくとも最初の5日間が経過した時点における前記汚染細菌の細胞数が前記培養系の総細胞数の5%未満である、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記培養系におけるクロレラの密度が5g/L以上に達したら、クロレラを培養系から回収することを周期的に行うことをさらに含む、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 酢酸ナトリウムの前記初期濃度が0.1g/L〜6g/Lである、請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記初期濃度の酢酸ナトリウムが、前記播種の後の最初の1日間〜5日間にわたって供給される、請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記培養系のpHが7.5〜8.5の範囲内に維持される、請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記培養系の深さが20cm〜10mの範囲にある、請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の方法。
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