JP6340788B2 - 透明電極及び電子デバイス - Google Patents

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本発明は、透明電極及び電子デバイスに関する。より詳しくは、導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ高温保存安定性及び保存性に優れた透明電極、及び当該透明電極を備えた電子デバイスに関する。
従来、タッチパネル、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス(electroluminescence:EL)素子、太陽電池といった各種電子デバイスの光取り出し側の電極として、酸化インジウムスズ(SnO−In:Indium Tin Oxide:ITO)等の酸化物半導体系の材料が一般的に用いられている。
しかし、ITOはレアメタルのインジウムを使用しているため、材料コストが高く、一方で、抵抗を下げるために高温アニールプロセスが必要となる。
そこで、インジウムの代わりに、安価で入手容易な亜鉛(Zn)やスズ(Sn)を原料として用いた透明導電膜について検討されているが(例えば、特許文献1参照。)、抵抗値が十分に下がらない、Znを含有したZnO系の透明導電膜は水と反応して性能が変動しやすい、Snを含有したSnO系の透明導電膜はエッチングが困難である、といった問題があった。
また、銀(Ag)を陰極として膜厚15nmで蒸着した有機EL素子について開示されているが(例えば、特許文献2参照。)、銀薄膜の膜厚が厚いため透過率(透明度)が悪く、マイグレーションしやすい銀を更に薄くして電極特性を維持するためには新たな技術を必要とする。
また、電気伝導率の高い銀とマグネシウム(Mg)との合金を用いて、銀単独のときよりも薄膜で導電性を出すことにより、透過率と導電性との両立を図った技術も開示されてはいるが(例えば、特許文献3参照。)、抵抗値はせいぜい100Ω/□前後と不十分であり、加えて、マグネシウムが酸化されやすいため、経時劣化が著しいという問題があった。
銀は、ITOに比べて導電性に優れている反面、抵抗と透過率とのトレードオフという問題を有している。一方で、銅もITOに比べて導電性に優れているものの、一般的に銀以上に保存性の点において問題がある。
本発明者らは、銀薄膜と当該銀薄膜に接する中間層として銀と相互作用の強い有機化合物を用いた透明電極を報告しており(例えば、特許文献4参照。)、それらはITO電極に対して抵抗値、透過率及び保存性に優れているものの、電子デバイス用途としては更なる高性能化(導電性及び光透過性等)、高耐久性に優れた透明電極が求められている。
特開2007−031786号公報 米国特許出願公開第2011/0260148号明細書 特開2006−344497号公報 国際公開第2013/105569号
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ高温保存安定性及び保存性に優れた透明電極、及び当該透明電極を備えた電子デバイスを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、導電性層と、導電性層に隣接して設けられる中間層と、を備え、導電性層が、銅、金又は白金を主成分として構成され、中間層には、双極子モーメントが特定範囲内である有機化合物が含有されていることで、電性と光透過性とを兼ね備え、かつ高温保存安定性及び保存性に優れた透明電極を提供できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.導電性層と、前記導電性層に隣接して設けられる中間層と、を備える透明電極であって、
前記導電性層が、銅、金又は白金を主成分として構成され、
前記中間層は、双極子モーメントが5.0〜25.0デバイの範囲内であり、かつ、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環を有する有機化合物からなり、
前記有機化合物が、下記一般式(I)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする透明電極。
Figure 0006340788
〔一般式(I)中、Xは、NR、酸素原子又は硫黄原子を表す。E〜Eは、それぞれ独立に、CR又は窒素原子を表し、少なくとも一つは窒素原子を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基若しくはホスホノ基を表す。〕
2.導電性層と、前記導電性層に隣接して設けられる中間層と、を備える透明電極であって、
前記導電性層が、銅、金又は白金を主成分として構成され、
前記中間層は、双極子モーメントが5.0〜25.0デバイの範囲内であり、かつ、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環を有する有機化合物からなり、
前記有機化合物が、下記一般式(II)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする透明電極。
Figure 0006340788
〔一般式(II)中、E〜E17は、それぞれ独立に、CRを表す。Rは、水素原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基若しくはホスホノ基を表す。〕
3.前記導電性層が、銅を主成分として構成されていることを特徴とする第1項又は第2項に記載の透明電極。
.前記一般式(I)又は一般式(II)で表される構造を有する有機化合物の双極子モーメントが、9.0〜20.0デバイの範囲内であることを特徴とする第から第3項までのいずれか一項に記載の透明電極。
.第1項から第項までのいずれか一項に記載の透明電極を備えることを特徴とする電子デバイス。
本発明の上記手段により、導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ高温保存安定性及び保存性に優れた透明電極、及び当該透明電極を備えた電子デバイスを提供することができる。
本発明の効果の発現機構・作用機構については明確になっていないが、以下のように推察している。
すなわち、本発明の透明電極は、中間層の上部に、銅、金又は白金を主成分として構成されている導電性層が設けられており、かつ中間層には銅、金又は白金原子と親和性のある原子を有する化合物(親和性化合物)であって、かつ双極子モーメントが5.0〜25.0デバイの範囲内である有機化合物が含有されている、という構成である。
これにより、中間層の上部に導電性層を成膜する際、導電性層を構成する銅、金又は白金原子が中間層に含有されている双極子モーメント5.0〜25.0デバイの範囲内である有機化合物と相互作用し、中間層表面上での銅、金又は白金原子の拡散距離が減少し、特異箇所での銅、金又は白金の凝集を抑制することができたものである。
すなわち、銅、金又は白金原子は、まず銅、金又は白金原子と親和性のある原子を有する親和性化合物を含有する中間層表面上で2次元的な核を形成し、それを中心に2次元の単結晶層を形成するという層状成長型(Frank−van der Merwe:FM型)の膜成長によって成膜されるようになる。
なお、一般的には、中間層表面において付着した銅、金又は白金原子が表面を拡散しながら結合して3次元的な核を形成し、3次元的な島状に成長するという島状成長型(Volumer−Weber:VW型)での膜成長により、島状に成膜しやすいと考えられる。
しかし、本発明においては、中間層に含有されている親和性化合物である双極子モーメントが5.0〜25.0デバイの範囲内である有機化合物により、島状成長が抑制され、層状成長が促進されると推察される。
したがって、薄い層厚でありながらも均一な層厚の導電性層が得られるようになる。その結果、より薄い膜厚として光透過性を保ちつつも、導電性が確保された透明電極とすることができる。
本発明の透明電極の構成の一例を示す概略断面図 ニトロ基の共鳴式を示す図 窒素原子の結合様式を示す図 ピリジン環の分子軌道を示す模式図 ピロール環の分子軌道を示す模式図 イミダゾール環の分子軌道を示す模式図 δ−カルボリン環の分子軌道を示す模式図 本発明の透明電極の構成の一例を示す概略断面図 透明電極に電極パターンをフォトリソグラフィー法で形成する一例を示す工程フロー図 電極パターンを有する透明電極を具備したタッチパネルの構成の一例を示す斜視図 タッチパネルを構成する各透明電極の電極パターンの一例を示す平面図 タッチパネルを構成する電極部分の一例を示す平面模式図 タッチパネルの構成の一例を示す概略断面図 本発明で好適に用いることができるタッチパネルの構成の一例を示す概略断面図 タッチパネルの構成の他の一例を示す概略断面図 本発明の透明電極を用いた液晶表示素子の概略断面図
本発明の透明電極は、導電性層と、導電性層に隣接して設けられる中間層と、を備え、導電性層が、銅、金又は白金を主成分として構成され、中間層には、双極子モーメントが5.0〜25.0デバイの範囲内であり、かつ、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環を有する有機化合物からなり、前記有機化合物が、前記一般式(I)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする。この特徴は、下記各実施態様に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、導電性層が銅を主成分として構成されていることが好ましい。
また、中間層に含有される有機化合物が、一般式(I)又は一般式(II)で表される構造を有する有機化合物であることがより好ましく、さらには、一般式(I)又は一般式(II)で表される構造を有する有機化合物の双極子モーメントが、9.0〜20.0デバイの範囲内であることが特に好ましい。
また、本発明の電子デバイスは、本発明の透明電極を備えることを特徴とする。
なお、本発明における双極子モーメントとは、化合物の電荷の偏りを表すものであり、米国Gaussian社製の分子軌道計算用ソフトウェアであるGaussian03(Gaussian03、Revision D02,M.J.Frisch,et al,Gaussian,Inc.,Wallingford CT,2004.)を用い、本発明に係る化合物をキーワードとしてB3LYP/6−31G*を用いて、対象とする分子構造の構造最適化を行うことにより算出した(デバイ単位換算値)。この計算値が有効な背景には、この手法で求めた計算値と実験値の相関が高いことが知られている。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
≪透明電極≫
<透明電極の構成>
図1は、本発明の透明電極の構成の一例を示す概略断面図である。
図1に示すように、透明電極1は、中間層1aと、この中間層1aの上部に導電性層1bとが積層された2層構造であり、例えば、基材11の上部に、中間層1a、導電性層1bの順に設けられている。このうち中間層1aは、双極子モーメントが5.0〜25.0デバイの範囲内である有機化合物が含有されて構成されている層であり、導電性層1bは銅、金又は白金を主成分として構成されている層である。
なお、本発明において導電性層1bの主成分とは、導電性層1bを構成する成分のうち、構成比率が最も高い成分をいう。本発明に係る導電性層1bは、銅、金又は白金を主成分としており、その構成比率としては、60質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることが特に好ましい。
また、本発明の透明電極1の透明とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
次に、このような積層構造の透明電極1が設けられる基材11、透明電極1を構成する中間層1a及び導電性層1bの順に、詳細な構成を説明する。
[基材]
本発明の透明電極1が形成される基材11としては、例えば、ガラス、プラスチック等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、基材11は透明であっても不透明であってもよい。本発明の透明電極1が、基材11側から光を取り出す電子デバイスに用いられる場合には、基材11は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な基材11としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。
ガラスとしては、例えば、シリカガラス、ソーダ石灰シリカガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。これらのガラス材料の表面には、中間層1aとの密着性、耐久性、平滑性の観点から、必要に応じて、研磨等の物理的処理が施されていてもよいし、無機物又は有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成されていてもよい。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)あるいはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
上記したように、樹脂フィルムの表面には、無機物又は有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成されていてもよい。このような被膜及びハイブリッド被膜は、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度90±2%RH)が0.01g/(m・24h)以下のガスバリアー性フィルム(バリア膜等ともいう。)であることが好ましい。さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m・24h・atm)以下、水蒸気透過度が1×10−5g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
以上のようなガスバリアー性フィルムを形成する材料としては、水分や酸素等の電子デバイスの劣化をもたらす要因の浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等を用いることができる。さらに、当該ガスバリアー性フィルムの脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層(有機層)の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層との積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
ガスバリアー性フィルムの作製方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載の大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
一方、基材11を不透明な材料で構成する場合には、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属基板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等を用いることができる。
[中間層]
本発明に係る中間層1aは、双極子モーメントが5.0〜25.0デバイの範囲内である有機化合物を用いて構成された層である。このような中間層1aが基材11上に成膜されたものである場合、その成膜方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法等のウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタ法、CVD法等のドライプロセスを用いる方法等が挙げられる。中でも蒸着法が好ましく適用される。
本発明において、中間層1aに含有される有機化合物の双極子モーメントは、5.0〜25.0デバイ(16.7×10−30〜83.4×10−30C・m)の範囲内である。
中間層1aに含有される有機化合物の双極子モーメントが5.0デバイより小さい場合には、分子内での電荷の偏りが小さく、表面エネルギーが小さくなってしまうため、中間層1a表面のぬれ性が小さく、また、銅、金若しくは白金(又は銅イオン、金イオン若しくは白金イオン)との親和性が弱くなってしまうため、導電性層1bと中間層1aとの密着性が低下してしまう。
双極子モーメントが25.0デバイより大きい場合には、電荷の偏りが大きくなりすぎてしまい、若しくは電荷分離状態となってしまい、特に、本発明の透明電極1をカソードとして用いた場合、電子が分子内でトラップされ、電子輸送層への電子移動度を低下させ、結果として、素子性能の低下を招いてしまう。
すなわち、本発明の透明電極1は、中間層1aの材料として双極子モーメントの大きい(電荷の偏りが大きい)有機化合物を用いることで、その分子の表面エネルギーを大きくし、これを銅、金又は白金の薄膜形成によってより安定な状態とするものである。より詳しくは、中間層1aに含有される有機化合物の極性の強い部位(δ−)は、銅、金若しくは白金(又は銅イオン、金イオン若しくは白金イオン)との親和性が強いため、両者の接着面積を広くし、より効果的な成膜を可能とするものである。
本発明において、中間層1aに含有される有機化合物の双極子モーメントを高くする手段としては、もともと高双極子モーメントを有するユニットを母核とする有機化合物を用いてもよいし、極性の高い官能基を導入することで達成することもできる。
また、中間層1aに含有される有機化合物が、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環を有することが好ましい。
なお、本発明において、「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」とは、非共有電子対を持つ窒素原子であって、当該非共有電子対が不飽和環状化合物の芳香族性に必須要素として直接的に関与していない窒素原子のことをいう。すなわち、共役不飽和環構造(芳香環)上の非局在化したπ電子系に、非共有電子対が、化学構造式上、芳香性発現のために必須のものとして関与していない窒素原子をいう。
以下、詳細に説明する。
窒素原子は、第15族元素であり、最外殻に5個の電子を有する。このうち3個の不対電子は他の原子との共有結合に用いられ、残りの2個は一対の非共有電子対となるため、通常窒素原子の結合本数は3本である。
例えば、アミノ基(−NR)、アミド基(−C(=O)NR)、ニトロ基(−NO)、シアノ基(−CN)、ジアゾ基(−N)、アジド基(−N)、ウレア結合(−NRC=ONR−)、イソチオシアネート基(−N=C=S)、チオアミド基(−C(=S)NR)などが挙げられ、これらは本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」に該当する。
このうち、例えば、ニトロ基(−NO)の共鳴式は、図2のように記すことができる。ニトロ基における窒素原子の非共有電子対は、厳密には、酸素原子との共鳴構造に利用されているが、本発明においては、ニトロ基の窒素原子も非共有電子対を持つこととする。
一方、窒素原子は、非共有電子対を利用することで4本目の結合を作り出すこともできる。例えば、図3で示されるように、テトラブチルアンモニウムクロライド(TBAC)は、四つ目のブチル基が窒素原子とイオン結合しており、対イオンとして塩化物イオンを有する第四級アンモニウム塩である。また、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(Ir(ppy))は、イリジウム原子と窒素原子とが配位結合している中性の金属錯体である。これらの化合物は、窒素原子を有するものの、その非共有電子対がそれぞれイオン結合、配位結合に利用されてしまっているため、本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」には該当しない。
すなわち、本発明は、結合に利用されていない窒素原子の非共有電子対を有効利用するというものである。
また、窒素原子は、芳香環を構成することのできるヘテロ原子として一般的であり、芳香族性の発現に寄与することができる。この「含窒素芳香環」としては、例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環等が挙げられる。
ピリジン環の場合、図4に示すとおり、6員環状に並んだ共役(共鳴)不飽和環構造において、非局在化したπ電子の数が6個であるため、4n+2(n=0又は自然数)のヒュッケル則を満たす。6員環内の窒素原子は、−CH=を置換したものであるため、1個の不対電子を6π電子系に動員するのみで、非共有電子対は芳香族性発現のために必須のものとして関与していない。
したがって、ピリジン環の窒素原子は、本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」に該当する。
ピロール環の場合、図5に示すとおり、5員環内を構成する炭素原子の一つが窒素原子に置換された構造であるが、やはりπ電子の数は6個であり、ヒュッケル則を満たした含窒素芳香環である。ピロール環の窒素原子は、水素原子とも結合しているため、非共有電子対が6π電子系に動員されている。
したがって、ピロール環の窒素原子は、非共有電子対を有するものの、芳香族性発現のために必須のものとして利用されてしまっているため、本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」には該当しない。
イミダゾール環は、図6に示すとおり、5員環内に二つの窒素原子が1、3位に置換した構造を有しており、やはりπ電子数が6個の含窒素芳香環である。窒素原子Nは、1個の不対電子のみを6π電子系に動員し、非共有電子対を芳香族性発現のために利用していないピリジン環型の窒素原子である。一方、窒素原子Nは、非共有電子対を6π電子系に動員しているピロール環型の窒素原子である。
したがって、イミダゾール環の窒素原子Nは、本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」に該当する。
含窒素芳香環骨格を有する縮環化合物の場合も同様である。例えば、δ−カルボリンは、図7に示すとおり、ベンゼン環骨格、ピロール環骨格及びピリジン環骨格がこの順に縮合したアザカルバゾール化合物である。ピリジン環の窒素原子Nは1個の不対電子のみを、ピロール環の窒素原子Nは非共有電子対を、それぞれπ電子系に動員しており、環を形成している炭素原子からの11個のπ電子とともに、全体のπ電子数が14個の芳香環となっている。
したがって、δ−カルボリンの二つの窒素原子のうち、ピリジン環の窒素原子Nは本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」に該当するが、ピロール環の窒素原子Nはこれに該当しない。
このように、ピリジン環やピロール環は、その骨格が縮環化合物中に組み込まれている場合でも、その効果が阻害されたり抑制されたりすることはなく、単環として利用したときとなんら相違はない。
以上のように、本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」は、その非共有電子対を導電性層1bの主成分である銅、金又は白金と強い相互作用を発現するために重要である。そのような窒素原子としては、安定性、耐久性の観点から、含窒素芳香環中の窒素原子であることが好ましい。
また、中間層1aに含有される有機化合物が、一般式(I)又は一般式(II)で表される構造を有する有機化合物であることが好ましく、さらには、一般式(I)又は一般式(II)で表される構造を有する有機化合物の双極子モーメントが、9.0〜20.0デバイ(30.0×10−30〜66.7×10−30C・m)の範囲内であることがより好ましい。
[一般式(I)で表される構造を有する化合物]
本発明の透明電極1において、中間層1aに含有される化合物としては、下記一般式(I)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 0006340788
一般式(I)中、Xは、NR、酸素原子又は硫黄原子を表す。E〜Eは、それぞれ独立に、CR又は窒素原子を表し、少なくとも一つは窒素原子を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を表す。
一般式(I)において、Rで表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリニル基のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す。)、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基、ピペリジル基(ピペリジニル基ともいう。)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、リン酸エステル基(例えば、ジヘキシルホスホリル基等)、亜リン酸エステル基(例えばジフェニルホスフィニル基等)、ホスホノ基等が挙げられる。
一般式(I)において、Rで表される置換基としては、Rで表される置換基と同様のものを挙げることができる。
[一般式(II)で表される構造を有する化合物]
本発明の透明電極1において、中間層1aに含有される化合物としては、下記一般式(II)で表される構造を有する化合物であることが好ましい。
Figure 0006340788
一般式(II)中、E〜E17は、それぞれ独立に、CRを表す。Rは、水素原子又は置換基を表す。
一般式(II)において、Rで表される置換基としては、上記一般式(I)におけるRで表される置換基と同様のものを挙げることができる。
[中間層に含有される化合物の具体例]
以下に、本発明に係る中間層1aに含有される有機化合物の具体例(例示化合物(1)〜(49))とその双極子モーメント(デバイ)を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006340788
Figure 0006340788
Figure 0006340788
Figure 0006340788
Figure 0006340788
Figure 0006340788
本発明に係る有機化合物は、従来公知の合成方法に準じて、容易に合成することができる。
以下、本発明の中間層1aに含有される有機化合物の合成方法の一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
[合成例:例示化合物(13)の合成]
Figure 0006340788
(1)中間体1の合成
200mlナスフラスコに、化合物1(20g、0.11mol)、化合物2(1.2eq.)、KCO(3.5eq.)及びPd(PPh(0.02eq.)を含むDME(ジメチルエーテル)(100ml)溶液を加えて、窒素雰囲気下、90℃で12時間加熱撹拌した。
その後、室温(25℃)まで戻し、溶液を分液ロートに移して抽出を行った。酢酸エチルと飽和食塩水を加えて有機相と水相に分離した後、有機相を取り出し、減圧留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体1の白色固体(16.2g、収率75%)を得た。
(2)中間体2の合成
200mlナスフラスコに、中間体1(16g、0.078mol)及びNBS(N−ブロモスクシンイミド)(1.0eq.)を含むDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)(120ml)溶液を加えて、窒素雰囲気下、60℃で12時間加熱撹拌した。
その後、室温(25℃)まで戻し、溶液を分液ロートに移して抽出を行った。酢酸エチルと飽和食塩水を加えて有機相と水相に分離した後、有機相を取り出し、減圧留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体2の白色固体(8.5g、収率37%)を得た。
(3)中間体3の合成
200mlナスフラスコに、中間体2(8.0g、0.078mol)及びNaH(2.0eq.)を含むDMSO(ジメチルスルホキシド)(40ml)溶液を加えて、窒素雰囲気下、140℃で5時間加熱撹拌した。
その後、室温(25℃)まで戻し、溶液を分液ロートに移して抽出を行った。酢酸エチルと飽和食塩水を加えて有機相と水相に分離した後、有機相を取り出し、減圧留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体3の白色固体(5.5g、収率27%)を得た。
(4)中間体4の合成
100mlナスフラスコに、中間体3(5.5g、0.021mol)、δ−カルボリン(1.1eq.)、KPO(3eq.)、CuO(0.2eq.)及びジピバロイルメタン(0.5eq.)を含むDMSO(30ml)溶液を加えて、窒素雰囲気下、150℃で12時間還流した。
その後、室温(25℃)まで戻し、溶液を分液ロートに移して抽出を行った。酢酸エチルと飽和食塩水を加えて有機相と水相に分離した後、有機相を取り出し、減圧留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体4の白色固体(5.9g、収率80%)を得た。
(5)中間体5の合成
100mlナスフラスコに、中間体4(5.9g、0.017mol)及びNBS(0.9eq.)を含むDMF(30ml)溶液を加えて、窒素雰囲気下、60℃で8時間加熱撹拌した。
その後、室温(25℃)まで戻し、溶液を分液ロートに移して抽出を行った。酢酸エチルと飽和食塩水を加えて有機相と水相に分離した後、有機相を取り出し、減圧留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、中間体5の白色固体(3.2g、収率44%)を得た。
(6)例示化合物(13)の合成
50mlナスフラスコに、中間体5(3.0g、0.0085mol)、δ−カルボリン(1.1eq.)、KPO(3eq.)、CuO(0.2eq.)及びジピバロイルメタン(0.5eq.)を含むDMSO(30ml)溶液を加えて、窒素雰囲気下、150℃で15時間還流した。
その後、室温(25℃)まで戻し、溶液を分液ロートに移して抽出を行った。酢酸エチルと飽和食塩水を加えて有機相と水相に分離した後、有機相を取り出し、減圧留去した。得られた固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、例示化合物(13)の白色固体(3.0g、収率67%)を得た。
[導電性層]
導電性層1bは、銅、金又は白金を主成分として構成されている層であって、中間層1a上に成膜された層である。中でも、導電性層1bは、銅を主成分として構成されていることが好ましい。
このような導電性層1bの成膜方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法等のウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタ法、CVD法等のドライプロセスを用いる方法等が挙げられる。中でも蒸着法が好ましく適用される。
また、導電性層1bは、中間層1a上に成膜されることにより、導電性層成膜後の高温アニール処理(例えば、150℃以上の加熱プロセス)等がなくても十分に導電性を有することを特徴とするが、必要に応じて、成膜後に高温アニール処理等を行ったものであってもよい。
以上のような導電性層1bは、銅、金又は白金を主成分として構成されている層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であってもよい。
さらに、この導電性層1bは、層厚が5〜20nmの範囲内にあることが好ましく、5〜12nmの範囲内にあることがより好ましい。
層厚が20nmより薄いと、層の吸収成分又は反射成分が少なくなり、透明電極の透過率が向上するためより好ましい。また、層厚が5nmより厚いと、層の導電性が十分になるため好ましい。
なお、以上のような中間層1aとこの上部に成膜された導電性層1bとからなる積層構造の透明電極1は、導電性層1bの上部が保護膜で覆われていてもよいし、別の導電性層が積層されていてもよい。この場合、透明電極1の光透過性を損なうことのないように、保護膜及び別の導電性層が光透過性を有することが好ましい。また、中間層1aの下部、すなわち中間層1aと基材11との間にも、必要に応じた層を設けた構成としてもよい。
<透明電極の効果>
以上のような構成の透明電極1は、双極子モーメントが5.0〜25.0デバイの範囲内である有機化合物を用いて構成されている中間層1a上に、銅、金又は白金を主成分として構成されている導電性層1bを設けた構成である。これにより、中間層1aの上部に導電性層1bを成膜する際には、導電性層1bを構成する銅、金又は白金原子が中間層1aを構成する有機化合物と相互作用し、銅、金又は白金原子の中間層1a表面においての拡散距離が減少し、銅、金又は白金の凝集が抑えられる。
ここで、一般的に銅、金又は白金を主成分として構成されている導電性層の成膜においては、島状成長型(Volumer−Weber:VW型)で薄膜成長するため、銅、金又は白金粒子が島状に孤立し易く、層厚が薄いときは導電性を得ることが困難であり、シート抵抗値が高くなる。
したがって、導電性を確保するには層厚を厚くする必要があるが、層厚を厚くすると光透過率が下がるため、透明電極としては不適であった。
しかしながら、本発明の透明電極1によれば、上述したように中間層1a上において銅、金又は白金の凝集が抑えられるため、銅、金又は白金を主成分として構成されている導電性層1bの成膜においては、層状成長型(Frank−van der Merwe:FM型)で薄膜成長するようになる。
ここで、本発明の透明電極1の透明とは波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいうが、中間層1aとして用いられる上述した各材料は、銅、金又は白金を主成分とした導電性層1bと比較して、十分に光透過性の良好な膜を形成する。一方、透明電極1の導電性は、主に、導電性層1bによって確保される。したがって、上述のように、銅、金又は白金を主成分として構成されている導電性層1bが、より薄い層厚で導電性が確保されたものとなることにより、透明電極1の導電性の向上と光透過性の向上との両立を図ることが可能になるのである。
また、透明電極1は、図8に示すように、導電性層1bの上部に別の中間層1cが積層された3層構造としてもよい。すなわち、透明電極1は、導電性層1bに隣接し、かつ、中間層1aに対向する他の中間層1cを更に有し、導電性層1bを中間層1a及び中間層1cで挟持した構成であってもよい。この中間層1cとしては、中間層1aと同様の有機化合物を用いて構成された層としてもよいし、光取り出し機能を有する層としてもよい。
このように中間層1a及び中間層1cで導電性層1bを挟み込む構造とすることによって、導電性層1bを構成する銅、金又は白金原子が中間層1a及び中間層1cを構成する「双極子モーメントが5.0〜25.0デバイの範囲内である有機化合物」と相互作用し、銅、金又は白金原子の中間層1a及び中間層1c表面における拡散距離が減少し、銅、金又は白金の凝集の生成をより確実に抑制することができる。その結果、十分な導電性が確保され、光透過性の向上、高温保存下における長寿命化及び高保存性を図ることのできる透明電極とすることができる。
≪透明電極の用途≫
上述した構成の透明電極1は、各種電子デバイスに用いることができる。電子デバイスの例としては、タッチパネル、液晶表示素子、有機EL素子、LED(light Emitting Diode)、太陽電池等が挙げられ、これらの電子デバイスにおいて光透過性を必要とされる電極部材として、上述の透明電極1を用いることができる。
以下では、用途の例として、本発明の透明電極1を用いたタッチパネル及び液晶表示素子の実施の形態を説明する。また、透明電極1に用いる金属として銅(Cu)を例にして説明する。
<タッチパネル>
(電極パターンを有する透明電極の形成方法)
本発明の透明電極1においては、上記のように透明基材11上に、本発明に係る中間層3(図1では中間層1aに相当)及び導電性層である銅薄膜電極5(図1では導電性層1bに相当)を積層した後、フォトリソグラフィー法により、好ましくは少なくとも有機溶媒を含有するエッチング液を用いて、例えば、図10〜図12に示すような電極パターンを形成することができる。
(エッチング液:有機溶媒)
本発明に用いられるエッチング液は、少なくとも有機溶媒を含有していることが好ましい。有機溶媒として、特に制限はないが、中間層3に対する溶解能を備えた有機溶媒であることが好ましく、より好ましくは、エーテルアルコール、ケトン及びエステルから選ばれる少なくとも1種である。
(エーテルアルコール)
本発明に用いられるエッチング液に適用可能なエーテルアルコールとしては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができ、その中でも、ジエチレングリコールが好ましい。
(ケトン)
本発明に用いられるエッチング液に適用可能なケトンとしては、例えば、アセトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン等を挙げることができるが、その中でも、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。
(エステル)
本発明に用いられるエッチング液に適用可能なエステルとしては、例えば、ギ酸イソアミル、ギ酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ギ酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピル、酢酸メチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等を挙げることができ、その中でも、酢酸エチルが好ましい。
(製造工程)
以下、フォトリソグラフィー法による電極パターンの形成方法について説明する。
本発明に適用するフォトリソグラフィー法とは、硬化性樹脂等のレジスト塗布、予備加熱、露光、現像(未硬化樹脂の除去)、リンス、有機溶媒を含むエッチング液によるエッチング処理、レジスト剥離の各工程を経ることにより、銅薄膜電極5を、図10〜図12に示すような所望のパターンに加工する方法である。
本発明では、従来公知の一般的なフォトリソグラフィー法を適宜利用することができる。例えば、レジストとしてはポジ型又はネガ型のいずれのレジストでも使用可能である。また、レジスト塗布後、必要に応じて予備加熱又はプリベークを実施することができる。露光に際しては、所望のパターンを有するパターンマスクを配置し、その上から、用いたレジストに適合する波長の光、一般には紫外線や電子線等を照射すればよい。露光後、用いたレジストに適合する現像液で現像を行う。現像後、水等のリンス液で現像を止めるとともに洗浄を行うことで、レジストパターンが形成される。次いで、形成されたレジストパターンを、必要に応じて前処理又はポストベークを実施してから、有機溶媒を含むエッチング液によるエッチングで、レジストで保護されていない領域の中間層3の溶解及び銅薄膜電極5の除去を行う。エッチング後、残留するレジストを剥離することによって、所望のパターンを有する透明電極が得られる。このように、本発明に適用されるフォトリソグラフィー法は、当業者に一般に認識されている方法であり、その具体的な適用態様は当業者であれば目的に応じて容易に選定することができる。
次いで、図を交えて、本発明に適用可能な電極パターンの形成方法について説明する。
図9は、透明電極1に電極パターンをフォトリソグラフィー法で形成する一例を示す工程フロー図である。
第1ステップとして、図9(a)で示すように、透明基材11上に中間層3及び銅薄膜電極5を積層して、未加工の透明電極1を作製する。
次いで、図9(b)で示すレジスト膜の形成工程で、銅薄膜電極5上に感光性樹脂組成物等から構成されるレジスト膜6を均一に塗設する。感光性樹脂組成物としては、ネガ型感光性樹脂組成物あるいはポジ型感光性樹脂組成物を用いることができる。
塗布方法としては、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティングなどの公知の方法によって銅薄膜電極5上に塗布し、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置でプリベークすることができる。プリベークは、例えば、ホットプレート等を用いて、50〜150℃の範囲内で30秒〜30分間行うことができる。
次いで、図9(c)に示す露光工程で、所定の電極パターンにより作製したマスク7を介して、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナーなどの露光機8を用いて、10〜4000J/m程度(波長365nm露光量換算)の光を所定の領域6Aに照射する。露光光源に制限はなく、紫外線、電子線や、KrF(波長248nm)レーザー、ArF(波長193nm)レーザーなどを用いることができる。
次いで、図9(d)に示す現像工程で、露光済みの透明電極1を、現像液に浸漬して、光照射した領域6Aのレジスト膜を溶解する。
現像方法としては、シャワー、ディッピング、パドルなどの方法で現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、公知のアルカリ現像液を用いることができる。具体例としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩などの無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、コリンなどの4級アンモニウム塩を1種あるいは2種以上含む水溶液などが挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、続いて50〜150℃の範囲内で乾燥ベークを行ってもよい。
次いで、図9(e)に示すように、本発明に用いられるエッチング液9を用いたエッチング処理を行う。
具体的には、例えば、エーテルアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒を含むエッチング液に、透明電極1を浸漬し、レジスト膜6で保護されていない、薄膜の銅薄膜電極5及び中間層3を同時に除去することにより、所定の電極パターンを形成する。
最後に、図9(f)に示すように、レジスト膜剥離液、例えば、ナガセケムテックス社製のN−300に浸漬して、銅薄膜電極5上のレジスト膜6を除去する。
<タッチパネルの構成>
次いで、上記のようにして作製されるタッチパネルの構成について、代表的な実施形態の詳細について説明する。
(実施形態1:透明基材上に2層の透明電極を設けた構成)
図10は、上述したタッチパネル用の透明電極1を用いたタッチパネル21の概略構成を示す斜視図である。また、図11は、タッチパネル21の電極構成を示す2枚の透明電極1−1及び1−2の平面図である。
これらの図に示すタッチパネル21は、投影型静電容量式のタッチパネルである。このタッチパネル21は、透明基材11の一主面上に、第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2がこの順に配置され、この上部が前面板13で覆われている。
第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2は、それぞれが、図9を用いて説明したタッチパネル用の電極パターンが形成された透明電極1である。したがって、第1の透明電極1−1は、第1の中間層3−1と第1の銅薄膜電極5−1とがこの順に積層された構成である。同様に第2の透明電極1−2は、第2の中間層3−2と第2の銅薄膜電極5−2とがこの順に積層された構成である。
以下、タッチパネル21を構成する主要各層の詳細を、透明基材11側から順に説明する。なお、ここでは、図10及び図11とともに、図12の電極部分の平面模式図、及びそのA−A断面に相当する図13の断面模式図を用いて説明を行う。
(透明基材)
図10及び図12に示す透明基材11は、先の透明電極1で説明した透明な基材11と同様である。
(第1の中間層)
第1の中間層3−1は、先の透明電極1で説明した中間層3(図1では中間層1a)であり、透明基材11上に成膜されている。ここでは一例として、第1の中間層3−1は、透明基材11に銅薄膜電極5−1と同一形状にパターニングされている。
(第1の銅薄膜電極)
第1の銅薄膜電極5−1は、先の透明電極で説明した銅薄膜電極5(図1では導電性層1b)であり、図11(a)に示すように、第1の中間層3−1上においてパターニングされた複数のx電極パターン5x1、5x2、(中略)等として構成されている。各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等は、それぞれがx方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等は、例えば、x方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近において、x方向に直線状に連結した形状であることとする。
また、各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等には、それぞれの端部にx配線17xが接続されている。これらのx配線17xは、透明基材11上における周縁領域において配線され、透明基材11の端縁に引き出されている。このような各x配線17xは、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等と同様に、銅を主成分とする第1の銅薄膜電極5−1として構成されたものである。
(第2の中間層)
第2の中間層3−2は、先の透明電極1で説明した中間層3であり、透明電極1−1上に成膜されていて、第2の銅薄膜電極5−2と同一形状にパターニングされている。
(第2の銅薄膜電極)
第2の銅薄膜電極5−2は、先の透明電極1で説明した銅薄膜電極5であり、図11(b)に示すように、第2の中間層3−2上においてパターニングされた複数のy電極パターン5y1、5y2、(中略)等として構成されている。各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、それぞれがx電極パターン5x1、5x2、(中略)等と直交するy方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、例えば、y方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近においてy方向に直線状に連結した形状であることとする。
ここで、図12に示すように、各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等を構成するひし形のパターン部分は、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等を形成するひし形のパターン部分に対して平面視的に重なることのない位置に配置され、重なることのない範囲でできるだけ大きな範囲を占める形状となっている。これにより、透明基材11の中央部の領域においては、第1の銅薄膜電極5−1で構成されたx電極パターン5x1、5x2、(中略)等及び第2の銅薄膜電極5−2で構成されたy電極パターン5y1、5y2、(中略)等が視認されにくい構成となっている。
各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、ひし形の電極パターンの連結部分においてのみ、各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等と積層される。これらの積層部分には、第2の中間層3−2が挟持され、これによってx電極パターン5x1、5x2、(中略)等とy電極パターン5y1、5y2、(中略)等との絶縁性が確保された状態となっている。
また、各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等には、それぞれの端部にy配線17yが接続されている。これらのy配線17yは、透明基材11上における周縁領域において配線され、x配線17xと並ぶように透明基材11の端縁に引き出されている。このような各y配線17yは、y電極パターン5y1、5y2、(中略)等と同様に、銅を主成分とする第2の銅薄膜電極5−2として構成されたものである。
なお、透明基材11の端縁に引き出されたx配線17x及びy配線17yには、フレキシブルプリント基板などが接続される構成となっている。
(前面板)
図10及び図13に図示した前面板13は、タッチパネル21において入力位置に対応する部分が押圧される板材である。このような前面板13は、光透過性を有する板材であって、透明基材11と同様のものが用いられる。また、この前面板13は、必要に応じた光学特性を備えた材料を選択して用いてもよい。このような前面板13は、例えば、接着剤15(図13参照。)によって第2の透明電極1−2側に張り合わせられていることとする。この接着剤15は、光透過性を有するものであれば、特に材料が限定されることはない。
また、この前面板13には、透明基材11の周縁を覆う遮光膜が設けられ、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等から引き出されたx配線17x、及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等から引き出されたy配線17yが、前面板13側から視認されることを防止している。
(タッチパネルの動作)
以上のようなタッチパネル21を動作させる場合、x配線17x及びy配線17yに接続させたフレキシブルプリント基板などから、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等に対して電圧を印加しておく。この状態で、前面板13の表面に指又はタッチペンが触れると、タッチパネル21内に存在する各部の容量が変化し、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等の電圧の変化となって現れる。この変化は、指又はタッチペンが触れた位置からの距離によって異なり、指又はタッチペンが触れた位置で最も大きくなる。このため、電圧の変化が最大となる、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等でアドレスされた位置が、指又はタッチペンが触れた位置として検出される。
(タッチパネルの効果)
以上のようなタッチパネル21は、2層の透明電極1−1及び1−2として、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用の透明電極1を用いている。これにより、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、タッチパネル用の透明電極を大型化した際の電圧降下を抑えることができ、タッチパネル21の大型化をすることが可能となる。
特に、このタッチパネル21は、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びこれに直交して配置された電極パターン5y1、5y2、(中略)等を有する投影型静電容量式である。このため、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等には、高い導電性が要求される。しかしながら、これらのx電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、先に説明したタッチパネル用透明電極1の銅薄膜電極5であるため、導電性を維持しつつ薄膜化が可能である。したがって、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等自体が視認されにくくなり、タッチパネル21を介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
(実施形態2:2枚の透明基材を用いた構成)
図14は、本発明で特に好ましく適用することができるタッチパネルの構成を説明するための断面模式図であり、図12に示したA−A断面に相当する図である。この図に示すタッチパネル21aは、2枚の透明基材11−1及び11−2の一主面上に、第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2をそれぞれ設けた構成であり、それ以外の構成は先に説明した実施形態1と同様である。このため、先の実施形態1のタッチパネル21と同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
すなわち、図14に示すタッチパネル21aは、第1の透明電極1−1が設けられた第1の透明基材11−1と、第2の透明電極1−2が設けられた第2の透明基材11−2とを有する。これらの透明基材11−1及び11−2は、透明電極1−1及び1−2の形成面を同一方向に向け、第1の透明基材11−1における第1の透明電極1−1の形成面上に、第2の透明基材11−2が位置するように重ねて配置されている。
第1の透明基材11−1及び第2の透明基材11−2は、先のタッチパネル用の透明電極1で説明したと同様の透明な基材11である。また、第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2は、それぞれが先の実施形態1と同様の構成であり、それぞれが透明基材11−1及び11−2上に、中間層3−1及び3−2と、銅薄膜電極5−1及び5−2をこの順にそれぞれ積層した構成となっている。
さらに、各銅薄膜電極5−1及び5−2の構成も、先の実施形態1と同様であり、第1の銅薄膜電極5−1で構成されたx電極パターン5x1、5x2、(中略)等、及び第2の銅薄膜電極5−2で構成されたy電極パターン5y1、5y2、(中略)等が視認されにくいパターン構成及び配置構成となっている。ただし、第1の銅薄膜電極5−1と第2の銅薄膜電極5−2との間は、第2の透明基材11−2と第2の中間層3−2とによって絶縁性が確保された状態となっている。
また、積層された第1の透明基材11−1と第2の透明基材11−2との間は、ここでの図示を省略した接着剤によって貼り合せられていることとし、この接着剤によっても、第1の銅薄膜電極5−1と第2の銅薄膜電極5−2とが絶縁される。
以上のようなタッチパネル21aであっても、先の実施形態1のタッチパネル21と同様に動作させることができる。
(タッチパネルの効果)
図14に示すような構成のタッチパネル21aであっても、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用透明電極1を用いたことにより、先に説明した実施形態1のタッチパネル21と同様に大型化が可能であり、タッチパネル21aを介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
(実施形態3:透明基材の両面に1層ずつ透明電極を設けた構成)
図15は、タッチパネルの他の一例を説明するための断面模式図であり、図12のA−A断面に相当する図である。図15に示すタッチパネル21bは、透明基材11の両面に第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2を設けた構成であり、それ以外の構成は先の実施形態1及び2と同様である。このため、先の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
すなわち、実施形態3で示すタッチパネル21bは、1枚の透明基材11と、当該透明基材11の一主面側に設けられた第1の透明電極1−1と、透明基材11の他主面側に設けられた第2の透明電極1−2とを有する。このうち、第1の透明電極1−1は、中間層3−1及び銅薄膜電極5−1がこの順に透明基材11の一主面上に積層された構成である。一方、第2の透明電極1−2は、中間層3−2及び銅薄膜電極5−2がこの順に透明基材11の他主面上に積層された構成である。
透明基材11は、先のタッチパネル用の透明電極1で説明したと同様のものである。また第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2を構成する上記の各層は、先の実施形態と同様のものである。
さらに、各銅薄膜電極5−1及び5−2の構成も、先の実施形態と同様であり、第1の銅薄膜電極5−1で構成されたx電極パターン5x1、5x2、(中略)等及び第2の銅薄膜電極5−2で構成されたy電極パターン5y1、5y2、(中略)等が視認されにくいパターン構成及び配置構成となっている。ただし、第1の銅薄膜電極5−1と第2の銅薄膜電極5−2との間は、第1の中間層3−1、透明基材11及び第2の中間層3−2によって絶縁性が確保された状態となっている。
以上のようなタッチパネル21bであっても、先の実施形態のタッチパネルと同様に動作させることができる。
(タッチパネルの効果)
このような実施形態3のタッチパネル21bあっても、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用透明電極1を用いたことにより、先に説明した実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル21bを介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
<液晶表示素子>
図16に、本発明の透明電極を用いた液晶表示素子の構成を示す概略断面図を示す。この液晶表示素子の構成は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
液晶表示素子は、一般に、液晶表示装置、液晶ディスプレイともいい、液晶の駆動方式によって、STN、TN、OCB、HAN、VA(MVA、PVA)、IPS、OCBなどの各種駆動方式の液晶表示装置が挙げられる。通常液晶ディプレイとしてTVや液晶パネル等に好ましく用いられる駆動方式は、VA(MVA,PVA)型液晶表示装置である。
図16で示す液晶表示素子100は、バックライト側から、偏光フィルター101A、ガラス基板102A、透明電極1A、配向膜104A、液晶105、スペーサー106、配向膜104B、透明電極1B、カラーフィルター103、ガラス基板102B、偏光フィルター101Bの構成であり、本発明の透明電極1は十分な導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ低シート抵抗値を有し、耐久性に優れていることから、上記透明電極1A及び1Bとして好ましく用いることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
≪透明電極の作製≫
以下に説明するように、透明電極1〜67を、導電性領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。透明電極1〜4は、導電性層のみからなる単層構造の透明電極として作製し、透明電極5〜67は、中間層と導電性層との積層構造の透明電極として作製した。
(1)透明電極1の作製
まず、透明な無アルカリガラス製の基材を、市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅(Cu)を充填し、当該真空槽内に取り付けた。次に、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚5nmの銅からなる導電性層を成膜し、単層構造の透明電極1を作製した。
(2)透明電極2〜4の作製
透明電極1の作製において、導電性層の層厚をそれぞれ8nm、10nm、15nmに変更した以外は同様にして、透明電極2〜4を作製した。
(3)透明電極5の作製
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、下記構造式に示すET−1をタンタル製抵抗加熱ボートに充填し、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅を充填し、第2真空槽内に取り付けた。
Figure 0006340788
この状態で、まず、第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、ET−1の入った加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚20nmのET−1からなる中間層を設けた。
次に、中間層まで成膜した基材を真空のまま第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銅の入った加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、層厚8nmの銅からなる導電性層を形成し、中間層と導電性層との積層構造からなる透明電極5を作製した。
(4)透明電極6〜8の作製
透明電極5の作製において、中間層の構成材料をそれぞれ下記構造式に示すET−2〜ET−4に変更した以外は同様にして、透明電極6〜8を作製した。
Figure 0006340788
(5)透明電極9の作製
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、本発明の例示化合物(1)をタンタル製抵抗加熱ボートに充填し、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀を充填し、第2真空槽内に取り付けた。
この状態で、まず、第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、例示化合物(1)の入った加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚20nmの例示化合物(1)からなる中間層を設けた。
次に、中間層まで成膜した基材を真空のまま第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銀の入った加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、層厚8nmの銀からなる導電性層を形成し、中間層と導電性層との積層構造からなる透明電極9を作製した。
(6)透明電極10の作製
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、本発明の例示化合物(1)をタンタル製抵抗加熱ボートに充填し、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅を充填し、第2真空槽内に取り付けた。
この状態で、まず、第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、例示化合物(1)の入った加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚20nmの例示化合物(1)からなる中間層を設けた。
次に、中間層まで成膜した基材を真空のまま第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銅の入った加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、層厚5nmの銅からなる導電性層を形成し、中間層と導電性層との積層構造からなる透明電極10を作製した。
(7)透明電極11〜13の作製
透明電極10の作製において、導電性層の層厚をそれぞれ8nm、10nm、20nmに変更した以外は同様にして、透明電極11〜13を作製した。
(8)透明電極14及び15の作製
透明電極11の作製において、導電性層の構成材料をそれぞれ金(Au)、白金(Pt)に変更した以外は同様にして、透明電極14及び15を作製した。
(9)透明電極16〜63の作製
透明電極10の作製において、中間層の構成材料を表1〜3に記載の例示化合物に変更した以外は同様にして、透明電極16〜63を作製した。
(10)透明電極64〜67の作製
透明電極27、51、62及び63の作製において、基材を無アルカリガラスからPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに変更した以外は同様にして、透明電極64〜67を作製した。
≪透明電極の評価≫
作製した透明電極1〜67について、下記の方法に従い、光透過率、シート抵抗値、高温保存安定性(光透過率の変化量)及び保存性の測定、評価を行った。
(1)光透過率の測定
作製した各透明電極について、分光光度計(日立製作所製U−3300)を用い、各透明電極の基材をリファレンスとして、波長550nmにおける光透過率(%)を測定した。
測定結果を表1〜3に示す。
(2)シート抵抗値の測定
作製した各透明電極について、抵抗率計(三菱化学社製MCP−T610)を用い、4端子4探針法定電流印加方式でシート抵抗値(Ω/□)を測定した。
測定結果を表1〜3に示す。
(3)高温保存安定性(光透過率の変化量)の測定
作製した各透明電極について、高温環境下(80℃)で150時間保存し、光透過率を測定して、その変化量を算出した。
測定結果を表1〜3に示す。
なお、各透明電極の光透過率の変化量は、透明電極9の光透過率の変化量を100とする相対値で示している。
(4)保存性
作製した各透明電極について、THF溶液中(25℃)に浸漬し、シート抵抗値が初期値の2倍のシート抵抗値となるまでに要する時間を求め、これを保存性の指標とした。
測定結果を表1〜3に示す。
なお、各透明電極の保存性は、透明電極9の保存性を100とする相対値で示している。
Figure 0006340788
Figure 0006340788
Figure 0006340788
(5)まとめ
表1〜3から明らかなように、本発明の透明電極10〜67は、いずれも光透過率が63%以上であり、シート抵抗値が9.7Ω/□以下に抑えられている。これに対して、比較例の透明電極1〜9は、光透過率が63%未満のものがあり、しかもシート抵抗値が9.7Ω/□を超えるものがあった。
また、高温保存安定性(光透過率の変化量)及び保存性においても、本発明の透明電極10〜67が、比較例の透明電極1〜9と比較して、優れていることがわかる。
以上から、導電性層が、銅、金又は白金を主成分として構成され、中間層には、双極子モーメントが5.0〜25.0デバイの範囲内である有機化合物が含有されていることが、高い光透過率と導電性とを兼ね備え、高温保存安定性及び保存性に優れた透明電極を提供することに有用であることが確認された。
1,1−1,1−2 透明電極
1a,1c 中間層
1b 導電性層
3,3−1,3−2 中間層
5,5−1,5−2 銅薄膜電極
5x1、5x2、5x3等 x電極パターン(第1の銅薄膜電極)
5y1,5y2、5y3等 y電極パターン(第2の銅薄膜電極)
6 レジスト膜
6A 領域
7 マスク
8 露光機
9 エッチング液
11 基材、透明基材
13 前面板
15 接着剤
17,17x,17y 配線
21,21a タッチパネル
100 液晶表示素子
101A,101B 偏光フィルター
102A,102B ガラス基板
1A,1B 透明電極
103 カラーフィルター
104A,104B 配向膜
105 液晶
106 スペーサー

Claims (5)

  1. 導電性層と、前記導電性層に隣接して設けられる中間層と、を備える透明電極であって、
    前記導電性層が、銅、金又は白金を主成分として構成され、
    前記中間層は、双極子モーメントが5.0〜25.0デバイの範囲内であり、かつ、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環を有する有機化合物からなり、
    前記有機化合物が、下記一般式(I)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする透明電極。
    Figure 0006340788
    〔一般式(I)中、Xは、NR、酸素原子又は硫黄原子を表す。E〜E8は、それぞれ独立に、CR又は窒素原子を表し、少なくとも一つは窒素原子を表す。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基若しくはホスホノ基を表す。〕
  2. 導電性層と、前記導電性層に隣接して設けられる中間層と、を備える透明電極であって、
    前記導電性層が、銅、金又は白金を主成分として構成され、
    前記中間層は、双極子モーメントが5.0〜25.0デバイの範囲内であり、かつ、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環を有する有機化合物からなり
    前記有機化合物が、下記一般式(II)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする透明電極。
    Figure 0006340788
    〔一般式(II)中、E〜E17は、それぞれ独立に、CRを表す。Rは、水素原子又はアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基若しくはホスホノ基を表す。〕
  3. 前記導電性層が、銅を主成分として構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透明電極。
  4. 前記一般式(I)又は一般式(II)で表される構造を有する有機化合物の双極子モーメントが、9.0〜20.0デバイの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の透明電極。
  5. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の透明電極を備えることを特徴とする電子デバイス。
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