JP6241268B2 - 透明電極及び電子デバイス - Google Patents
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Description
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
前記透明電極は、波長550nmでの光透過率が50%以上で、かつ、シート抵抗値が20Ω/□以下であり、
前記中間層は、非共有電子対を有する硫黄原子を含む有機化合物を含有し、
前記導電性層は、銅、金、又は白金のいずれかの金属元素を60質量%以上含有していることを特徴とする透明電極。
すなわち、本発明の透明電極は、中間層の上部に、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有している導電性層が設けられており、かつ、当該中間層には、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属の原子と親和性のある原子を有する化合物である「非共有電子対を有する硫黄原子を含む有機化合物」が含有されているという構成である。
これにより、中間層の上部に導電性層を形成する際には、導電性層を構成する銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属の原子が、中間層に含有されている「非共有電子対を有する硫黄原子を含む有機化合物」と相互作用し、当該中間層表面上での銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属の原子の拡散距離が減少し、特異箇所での銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素の凝集が抑えられる。
すなわち、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属の原子は、まず銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属の原子と親和性のある「前記硫黄原子を含む有機化合物」を含有する中間層表面上で2次元的な核を形成し、それを中心に2次元の単結晶層を形成するという単層成長型(Frank−van der Merwe:FM型)の膜成長によって形成されるようになる。
なお、一般的には、中間層表面において付着した銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属の原子が表面を拡散しながら結合し3次元的な核を形成し、3次元的な島状に成長するという島状成長型(Volumer−Weber:VW型)での膜成長により島状に形成しやすいと考えられるが、本発明では、中間層に含有されている「非共有電子対を有する硫黄原子を含む有機化合物」により、このような様式の島状成長が防止され、単層成長が促進されると推察される。
したがって、薄い層厚でありながらも、均一な厚さの導電性層が得られるようになる。この結果、より薄い層厚として光透過率を保ちつつも、シート抵抗値が低く、かつ、高温保存下でのシート抵抗値変化を抑制することのできる透明電極とすることができる。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、前記有機化合物が、2価の硫黄原子を有する上記一般式(1)で表される構造を有することが、光透過性の向上、低いシート抵抗値及び高温保存下でのシート抵抗値変化の抑制の点から好ましい。
図1は、実施形態の透明電極の構成の一例を示す概略断面図である。
図1の(a)に示す透明電極1は、透明電極1は、中間層3と、この上部に形成された導電性層5とを積層した2層構造であり、例えば、基材11の上部に、中間層3、導電性層5の順に設けられている。このうち、中間層3は、非共有電子対を有する硫黄原子を含む有機化合物が含有されて構成されている層であり、導電性層5は銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有している層である。
なお、本発明の透明電極1でいう透明とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。また、本発明の透明電極1は、シート抵抗値が20Ω/□以下である。ここで、シート抵抗値とは、抵抗率計(三菱化学アナリテック社製MCP−T610)を用い、4端子4探針法定電流印加方式によって測定した値である。
また、本願において、「導電性層の主成分」とは、導電性層を構成する成分のうち、構成比率が最も高い成分をいう。本発明に係る導電性層は、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分とし、その構成比率は、60質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは98質量%以上である。
本発明の透明電極1が形成される基材11は、例えば、ガラス、プラスチック等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、基材11は、透明であっても不透明であってもよい。本発明の透明電極1が、基材11側から光を取り出す電子デバイスに用いられる場合には、基材11は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な基材11としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。
また、さらには、JIS−K−7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m2・24時間・atm)以下、水蒸気透過度が1×10−5g/(m2・24時間)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
さらに、当該バリア性フィルムの脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層(有機層)の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
中間層3は、非共有電子対を有する硫黄原子を含む有機化合物が含有されて構成されている層である。このような中間層3が基材11上に形成されたものである場合、その形成方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法などのウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法(エレクトロンビーム法)など)、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスを用いる方法などが挙げられる。なかでも蒸着法が好ましく適用される。
本発明の透明電極1において、中間層3には、非共有電子対を有する硫黄原子を含む有機化合物が含有されている。
本発明において用いられる前記有機化合物は、好ましくは2価の硫黄原子を有する下記一般式(1)、一般式(2)、一般式(3)又は一般式(4)で表される構造を有する。
R1及びR2で表される置換基としては、置換又は無置換の炭化水素基が挙げられる。これらの炭化水素基では、1個以上の酸素原子、リン原子を含んでも良い。
無置換の炭化水素基としては、アルキル基又はアリール基が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、t−ブチル、ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ドデシル、ヒドロキシエチル、メトキシエチル、トリフルオロメチル、又はベンジル等の各基が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、又はナフチル基等が挙げられる。
また、その他の置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基、ピペリジル基(ピペリジニル基ともいう)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、リン酸エステル基(例えば、ジヘキシルホスホリル基等)、亜リン酸エステル基(例えばジフェニルホスフィニル基等)、ホスホノ基等が挙げられる。
R3及びR4で表される置換基としては、R1と同様の置換基が挙げられる。
R5で表される置換基としては、R1と同様の置換基が挙げられる。
R6で表される置換基としては、R1と同様の置換基が挙げられる。
以下に、本発明に係る中間層3に含有することができる、非共有電子対を有する硫黄原子を含む有機化合物の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
本発明に係る導電性層5は、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有している層であって、中間層3上に形成された層である。このような導電性層5の形成方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法などのウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法など)、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスを用いる方法などが挙げられる。なかでも蒸着法が好ましく適用される。
また、導電性層5は、中間層3上に形成されることにより、導電性層を形成した後の高温アニール処理(例えば、150℃以上の加熱プロセス)等がなくても十分に導電性を有することを特徴とするが、必要に応じて、形成後に高温アニール処理等を行ったものであっても良い。
なお、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素の含有量は、60質量%以上であることを要し、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは98質量%以上である。
また、中間層3の下部、すなわち中間層3と基材11との間にも、必要に応じた層を設けた構成としても良い。
以上説明したように、本発明に係る透明電極1は、非共有電子対を有する硫黄原子を含む有機化合物を用いて構成された中間層3上に、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有している導電性層5を設けた構成である。これにより、中間層3の上部に導電性層5を形成する際には、導電性層5を構成する銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属の原子が中間層3を構成する非共有電子対を有する硫黄原子を含む有機化合物と相互作用し、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属の原子の中間層3表面における拡散距離が減少し、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素の凝集の生成を抑制することができる。
したがって、上述のように、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分として含有している導電性層5が、より薄い厚さで導電性が確保されたものとなることにより、透明電極1の光透過性の向上、低いシート抵抗値及び高温保存下でのシート抵抗値変化の抑制を図ることが可能になるのである。
上記構成からなる本発明の透明電極1は、各種電子デバイスに用いることができる。電子デバイスの例としては、例えば、タッチパネル、液晶表示素子、有機エレクトロルミネッセンス素子、LED(light Emitting Diode)、太陽電池等が挙げられ、これらの電子デバイスにおいて、光透過性を必要とされる電極部材として、本発明の透明電極1を用いることができる。
以下、本発明の透明電極を適用した電子デバイスの一例として、本発明の透明電極にフォトリソグラフィー法による電極パターンを形成したのち、それをタッチパネルへの適用する例について説明する。
透明な基材11(以下、「透明基材11」ともいう。)上に、中間層3と当該中間層3に隣接して、銅、金、又は白金を主成分とする導電性層5を有する本発明の透明電極1は、例えば、フォトリソグラフィー法により、例えば、有機溶媒を含有するエッチング液を用いて、図3〜図5に示すような電極パターンを形成することができる。
本発明において、エッチング液としては、少なくとも有機溶媒を含有していることが好ましく、有機溶媒として、特に制限はないが、中間層に対する溶解能を備えた有機溶媒であることが好ましく、より好ましくは、エーテルアルコール、ケトン及びエステルから選ばれる少なくとも1種である。
以下、フォトリソグラフィー法による電極パターンの形成方法について説明する。
次いで、本発明の透明電極を適用することができるタッチパネルの構成について、代表的な実施形態の詳細について説明する。
図3は、上述した本発明の透明電極を用い、後述の図6で示す構成からなるタッチパネル21の概略構成を示す斜視図である。また、図4は、タッチパネル21の電極構成を示す2枚の透明電極1−1及び1−2の平面図である。
図3〜図5までに示す第1の透明基材11−1、第2の透明基材11−2は、先の透明電極1で説明した基材11である。
第1の中間層3−1は、先の透明電極1で説明した中間層3であり、透明基材11上に成膜されている。ここでは一例として、第1の中間層3−1は、第1の透明基材11−1に導電性層5−1と同一形状にパターニングされている。
第1の導電性層5−1は、先の透明電極で説明した導電性層5であり、第1の中間層3−1上においてパターニングされた複数のx電極パターン5x1、5x2、(中略)等として構成されている。各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等は、それぞれがx方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等は、例えば、x方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近において、x方向に直線状に連結した形状であることとする。
第2の中間層3−2は、先の透明電極1で説明した中間層3であり、第2の透明基材11−2上に成膜されていて、第2の導電性層5−2と同一形状にパターニングされている。
第2の導電性層5−2は、先の透明電極1で説明した導電性層5であり、第2の中間層3−2上においてパターニングされた複数のy電極パターン5y1、5y2、(中略)等として構成されている。各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、それぞれがx電極パターン5x1、5x2、(中略)等と直交するy方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、例えば、y方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近においてy方向に直線状に連結した形状であることとする。
また、積層された第1の基材11−1と第2の基材11−2との間は、ここでの図示を省略した接着剤によって貼り合せられており、この接着剤によっても、第1の導電性層5−1と第2の導電性層5−2とが絶縁される。
図3及び図6に図示した前面板13は、タッチパネル21において入力位置に対応する部分が押圧される板材である。このような前面板13は、光透過性を有する板材であって、透明基材11と同様のものが用いられる。またこの前面板13は、必要に応じた光学特性を備えた材料を選択して用いてもよい。このような前面板13は、例えば接着剤15に(図6参照。)よって第2の透明電極1−2側に張り合わせられていることとする。この接着剤15は、光透過性を有するものであれば、特に材料が限定されることはない。
以上のようなタッチパネル21を動作させる場合、x配線17x及びy配線17yに接続させたフレキシブルプリント基材などから、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等に対して電圧を印加しておく。この状態で、前面板13の表面に指又はタッチペンが触れると、タッチパネル21内に存在する各部の容量が変化し、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等の電圧の変化となって現れる。この変化は、指又はタッチペンが触れた位置からの距離によって異なり、指又はタッチペンが触れた位置で最も大きくなる。このため、電圧の変化が最大となる、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等でアドレスされた位置が、指又はタッチペンが触れた位置として検出される。
以上のようなタッチパネル21は、2層の透明電極1−1及び1−2として、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えた透明電極を用いている。これにより、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、タッチパネル用の透明電極を大型化した際の電圧降下を抑えることができ、タッチパネル21の大型化をすることが可能となる。
図7は、実施形態のタッチパネルの他の一例を説明するための断面模式図であり、図7に示すタッチパネル21aは、透明基材11上に第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2を設けた構成であり、それ以外の構成は先の実施形態1と同様である。このため、先の実施形態のタッチパネル21と同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
次いで、電子デバイスとして液晶表示装置への本発明の透明電極を組み入れた例を説明する。
《透明電極の作製》
以下に示す方法に従って、透明電極1〜66を、導電性領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。透明電極1〜4は、単層構造の透明電極として作製し、透明電極5〜66は、中間層と導電性層との積層構造からなる透明電極を作製した。
下記に示す方法に従って、単層構造からなる比較例の透明電極1を作製した。
上記透明電極1の作製において、導電性層の厚さを、それぞれ8nm、10nm及び15nmに変更した以外は同様にして、透明電極2〜4を作製した。
透明な無アルカリガラス製の基材上に、下記に構造を示すAlq3をスパッタ法により厚さ25nmの中間層として形成し、この上部に、透明電極1の作製において、導電性層の形成に用いたのと同様の方法(真空蒸着法)で、厚さが8nmの銅(Cu)からなる導電性層を蒸着によって形成して透明電極5を作製した。
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、下記に示す構造のET−1をタンタル製抵抗加熱ボートに充填し、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅(Cu)を入れ、第2真空槽内に取り付けた。
透明電極6の作製において、中間層の形成材料の種類をET−1から下記に示す構造のET−2及びET−3にそれぞれ変更した以外は同様にして、透明電極7及び8を作製した。
上記透明電極6の作製において、導電性層の構成金属元素を銅に代えて、それぞれ銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)を用い、かつ、中間層の形成材料の種類を表1〜表3までの記載の条件にした以外は同様にして、単膜の導電性層から構成される透明電極9〜11を作製した。
上記透明電極6の作製において、中間層の形成材料の種類及び導電性層における銅層の厚さを、それぞれ表1〜表3までに記載の条件に変更した以外は同様にして、透明電極12〜58を作製した。
上記透明電極53、31、32の作製において、基材の種類を無アルカリガラスからPET(ポリエチレンテレフタレート)に変更した以外は同様にして、透明電極59〜61を作製した。
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、化合物S−1をタンタル製抵抗加熱ボートに充填し、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅(Cu)を入れ、第2真空槽内に取り付けた。
化合物S−1からなる中間層3の上部に銅からなる導電性層5を積層し、さらにこの上部に化合物S−1からなる第2の中間層3Aを積層した透明電極62を得た。
透明電極59の作製において、中間層3、3Aの形成材料を表2に記載の化合物にそれぞれ変更した以外は同様にして、透明電極63〜66を作製した。
上記作製した透明電極1〜66について、下記の方法に従って、光透過率、シート抵抗値及び高温保存下でのシート抵抗値変化の測定を行った。
上記作製した各透明電極について、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ社製U−3300)を用い、各透明電極の作製に用いた基材をリファレンスとして、波長550nmにおける光透過率(%)を測定した。
上記作製した各透明電極について、抵抗率計(三菱化学アナリテック社製MCP−T610)を用い、4端子4探針法定電流印加方式でシート抵抗値(Ω/□)の測定を行った。
上記作製した各透明電極について、大気下、120℃、300時間後のシート抵抗値の変化比率を測定した。
シート抵抗値の変化比率=(初期のシート抵抗値−300時間後のシート抵抗値)/初期のシート抵抗値×100
各透明電極のシート抵抗値の変化比率は、透明電極5の変化比率を100とする相対値で表示した。
リン酸緩衝液として市販されている、Phosphate pH Standard Solution リン酸塩pH 標準液 第2種(pH 7.41)(和光純薬工業(株))をビーカーに入れ、溶液の温度が25℃を保つように調整した。
作製した透明電極を、導電性領域の面積(5cm×5cm)がリン酸緩衝液に完全に浸漬するようにして静置させ、20分間おきに取り出してその都度シート抵抗値を測定した。
リン酸塩緩衝液浸漬下の電極寿命として、透明電極5のシート抵抗値が初期値の2倍となるに要する時間を100とする相対値を求めた。
測定結果を表1〜3までに示す。
上記結果により本発明が、中間層を、非共有電子対を有する硫黄原子を含む有機化合物を用いて形成することにより、その上に形成する銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分とした導電性層の凝集やモトルの発生を抑制することができ、ある程度の厚さを有する銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を主成分とした導電性層を形成しても、銅、金及び白金の凝集が抑制され、高い光透過性、低いシート抵抗値、寿命の向上及び高温保存下でのシート抵抗値変化の抑制を実現されることが示された。
さらに、導電性層を2層の中間層で狭持した構成とした透明電極62〜66においても、より好ましい結果を得ることができることを確認することができた。
また、中間層としてAlq3、ET−1〜ET−3を用いた透明電極5〜8でも、光透過率が低く、かつシート抵抗値が所望の条件まで低下させることができなかった。さらに、高温保存下でのシート抵抗値の変化比率は100以上と大きかった。
さらに、銀を主成分とした導電性層を設けた透明電極9では、耐久性(電極寿命)が97となり、本発明に比べ低い数値を示した。
3、3A、3−1、3−2 中間層
5、5−1、5−2 導電性層
5x1、5x2、5x3等 x電極パターン(第1の導電性層)
5y1、5y2、5y3等 y電極パターン(第2の導電性層)
6 レジスト膜
7 マスク
8 露光機
9 エッチング液
11 透明基板
13 前面板
15 接着剤
17、17x、17y 配線
21、21a タッチパネル
100 液晶表示装置
101A、101B 偏光フィルター
102A、102B ガラス基板
103 カラーフィルター
104A、104B 配向膜
105 液晶
106 スペーサー
Claims (8)
- 導電性層と、前記導電性層に隣接して設けられる中間層と、を備える透明電極であって、
前記透明電極は、波長550nmでの光透過率が50%以上で、かつ、シート抵抗値が20Ω/□以下であり、
前記中間層は、非共有電子対を有する硫黄原子を含む有機化合物を含有し、
前記導電性層は、銅、金及び白金から選ばれるいずれか1種の金属元素を60質量%以上含有していることを特徴とする透明電極。 - 前記金属元素が、銅であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
- 前記導電性層の上に更に第2の中間層を有し、2層の中間層により前記導電性層を挟持した構成であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の透明電極。
- 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の透明電極が具備されていることを特徴とする電子デバイス。
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