JP2011054419A - 透明電極、有機エレクトロルミネッセンス素子、および有機薄膜太陽電池素子 - Google Patents

透明電極、有機エレクトロルミネッセンス素子、および有機薄膜太陽電池素子 Download PDF

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Abstract

【課題】重合体を透明電極に含有させた場合、高温高湿環境、硫化水素ガス環境下における環境試験後でも高い導電性を有し、安定性に優れた透明電極を提供する。
【解決手段】透明導電膜上に少なくとも導電性繊維11を含む透明導電層31を有する透明電極であって、該導電層に、重合体の繰り返し単位の中に、下記一般式(1)で表される構造の少なくとも1種を含有する重合体を含有する透明電極。
Figure 2011054419

(式中、R101は重合性基を部分構造として有する基であり、Zは置換、未置換の単環または縮環の含窒素芳香族ヘテロ環を表す)
【選択図】図1

Description

本発明は、特定の重合体を透明電極に含有させた場合、高温高湿環境、硫化水素ガス環境下における環境試験後でも高い導電性を有し、更に安定性に優れた透明電極に関するものであり、さらに、該透明電極を用いた経時安定性に優れた有機EL素子、有機薄膜太陽電池素子に関するものである。
近年、薄型TV需要の高まりに伴い、液晶・プラズマ・有機エレクトロルミネッセンス・フィールドエミッション等、各種方式のディスプレイ技術が開発されている。これら表示方式の異なる何れのディスプレイにおいても、透明電極は必須の構成技術となっている。また、テレビ以外でも、タッチパネルや携帯電話、電子ペーパー、各種太陽電池、各種エレクトロルミネッセンス調光素子においても、透明電極は欠くことのできない技術要素となっている。
従来透明電極は、ガラスや透明なプラスチックフィルム等の透明基板上に、インジウム−スズの複合酸化物(ITO)膜を真空蒸着法やスパッタリング法で製膜したITO透明電極が主に使用されてきた。しかし、ITOに用いられているインジウムはレアメタルであり、且つ価格の高騰により、脱インジウムが望まれている。また、ディスプレイの大画面化、生産性向上に伴い、フレキシブル基板を用いたロールtoロールが所望されている。
例えば、銀ナノワイヤをフレキシブルな透明基板上に塗布した透明電極が開示されている(例えば、特許文献1参照)。銀を用いた金属ナノワイヤは、銀本来の高い導電率により良好な導電性と透明性を両立することができる。
しかしながら、銀は、大気中の硫化ガスなどによる硫化により、導電性の低下、透明性の低下という問題を有しており、このような課題に対して、芳香族トリアゾール、ジチオジアゾールを樹脂に混ぜて被覆するなどの方法が提案されている。しかしながら、このような化合物を使用した透明電極を、高温高湿環境、硫化水素ガス環境で保存した場合に、導電性低下の改良効果が不十分である判明した。さらにこの透明電極を用いて、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下有機EL素子ともいう)を作成し、直通電圧を引加し発光させると、経時で発光均一性が低下する課題や、有機薄膜太陽電池素子を作成した場合、経時で素子面内でエネルギー変換効率が低下する課題が発生することが判明し、これらの課題の改良が求められている。
特表2009−505358号公報
本発明は、高温高湿環境下、硫化水素ガス環境下における環境試験後でも高い導電性を有し、更に安定性に優れた透明電極を得ることを目的とする。さらに、本発明は、透明電極を用いた経時安定性に優れた有機EL素子、有機薄膜太陽電池素子が得られることを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明の化合物は下記一般式(1)及び(2)で表される構造の少なくとも1種を含有する重合体であることを特徴とする。前記重合体とすることで、低分子化合物を使用した場合に起こる揮発や他層への拡散により、目的の効果が得られない問題や、他層の性能に悪影響を及ぼすといった問題が低減されるため、本発明の効果が得られることを見出したものである。
本願発明者らは、上記知見を得ることにより本願発明に至った。すなわち、本発明に係る上記課題は以下の手段により解決される。
1.透明基板に少なくとも導電性繊維を含む透明導電層を有する透明電極であって、該導電層に、重合体の繰り返し単位の中に、下記一般式(1)または、一般式(2)で表される構造の少なくとも1種を含有する重合体を含有することを特徴とする透明電極。
Figure 2011054419
(式中、R101は重合性基を部分構造として有する基であり、Zは置換、未置換の単環または縮環の含窒素芳香族ヘテロ環を表す)
Figure 2011054419
(式中、R101は重合性基を部分構造として有する基であり、Zは置換、未置換の単環または縮環の含窒素芳香族ヘテロ環を表す)
2.前記一般式(1)または(2)が、下記一般式(21)〜(32)で表される構造であることを特徴とする1に記載の透明電極。
Figure 2011054419
(式中、R101は重合性基を部分構造として有する基を表し、R21〜R27、29、30、32は置換基を表す。n21、n25、n26、n27、n32は整数0〜3、n22、n23、n30は整数0〜2、n24は整数0〜1、n29は整数0〜4を表す。)
3.前記透明電極に導電性ポリマーの少なくとも1種を含むことを特徴とする1又は2に記載の透明電極。
4.前記導電性繊維が銀ナノワイヤであることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の透明電極。
5.前記R101で表される重合性基を部分構造として有する基が、不飽和エチレン性重合性基であることを特徴とする1〜4のいずれか1項に記載の透明電極。
6.前記一般式(1)または、一般式(2)で表される構造の含有比率が重合体の全体の1〜70質量%で、アクリル酸エステル誘導体、メタクリル酸エステル誘導体、アクリルアミド誘導体またはメタクリルアミド誘導体の少なくとも1種を共重合体成分として含有することを特徴とする1〜5のいずれか1項に記載の透明電極。
7.前記重合体の数平均分子量が、1000〜5万であることを特徴とする1〜6のいずれか1項に記載の透明電極。
8.1〜7のいずれか1項に記載の透明電極を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
9.1〜7のいずれか1項に記載の透明電極を含むことを特徴とする有機薄膜太陽電池素子。
本発明の課題を克服すべく鋭意検討を行った結果、高温高湿条件、硫化水素ガス環境下における環境試験後でも安定性の優れた導電性を有し、更に該透明電極に積層した有機EL素子、有機薄膜太陽電池素子の安定性の優れた透明電極及び有機EL素子、有機薄膜太陽電池素子を提供することができた。
本発明の透明電極の構造模式図である。
本発明を更に詳しく説明する。
前記一般式(1)において、R101は、重合性基を部分構造として有する基を表す。
本発明でいう重合性基とは、不飽和エチレン系重合性基、二官能系重縮合性基又は二官能系重付加性基を意味するが、好ましくは不飽和エチレン系重合性基である。不飽和エチレン系重合性基の具体例としては、ビニル基、アリール基、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、シアン化ビニル基、2−シアノアクリルオキシ基、1,2−エポキシ基、ビニルベンジル基、ビニルエーテル基などが挙げられる。その中でも、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、スチリル基がより好ましく、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド基、またはメタクリルアミド基が特に好ましい。
また、重合性基を部分構造として有するとは、上記重合性基が直接、もしくは2価以上の連結基によって結合していることを意味し、2価以上の連結基とは、例えば、アルキレン基(例えば、メチレン、1,2−エチレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、シクロヘキサン−1,4−ジイルなど)、アルケニレン基(例えば、エテン−1,2−ジイル、ブタジエン−1,4−ジイルなど)、アルキニレン基(例えば、エチン−1,2−ジイル、ブタン−1,3−ジイン−1,4−ジイルなど)、少なくとも一つの芳香族基を含む化合物から誘導される連結基(例えば、置換もしくは無置換のベンゼン、縮合多環炭化水素、芳香族複素環、芳香族炭化水素環集合、芳香族複素環集合など)、ヘテロ原子連結基(酸素、硫黄、窒素、ケイ素、リン原子など)が挙げられるが、好ましくは、アルキレン基、及び/または、ヘテロ原子で連結する基である。これらの連結基は更に組み合わせて複合基を形成してもよい。好ましくは、直接重合性基が結合する場合である。
は置換、未置換基を有する単環または縮環の含窒素芳香族ヘテロ環を表す。
置換、未置換基を有する単環または縮環の含窒素芳香族ヘテロ環としては、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、セレナゾール、ベンズトリアゾール、ベンズチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズセレナゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ナフトチアゾール、ナフトオキサゾール、アザベンズイミダゾール、プリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、トリアザインデン、テトラザインデン等が挙げられる。
好ましくは5〜7員の含窒素芳香族ヘテロ環であり、より好ましくは5〜6員の含窒素芳香族ヘテロ環である。5〜6員の含窒素芳香族ヘテロ環としては、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、セレナゾール、ベンズトリアゾール、ベンズチアゾール、ベンズオキサゾール、ベンズセレナゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、ナフトチアゾール、ナフトオキサゾール、アザベンズイミダゾール、プリン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、トリアザインデン、テトラザインデン等が挙げられる。
置換基としては、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3−ジメチルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基(ジメチルスルファモイルアミノ基等)、カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えばエチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、フェニルスルホニル基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロパノイル基、ブチロイル基等)、アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、アミンオキシド基(例えばピリジン−オキシド基)、イミド基(例えばフタルイミド基等)、ジスルフィド基(例えばベンゼンジスルフィド基、ベンゾチアゾリル−2−ジスルフィド基等)、カルボキシル基、ヘテロ環基(例えば、ピロール基、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基等)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。更に、好ましくはアリール基、またはアルキル基である。
前記一般式(2)において、R101およびZは、前記一般式(1)のR101およびZで表される置換基と同義である。
前記一般式(1)及び(2)において、前記一般式(21)〜(32)で表される構造が好ましい。
101は重合性基を部分構造として有する基を表し、一般式(1)で挙げた基と同義である。
21〜R27、29、30、32は置換基を表し、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子等)、アルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフルオロメチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p−トリル基、p−クロロフェニル基等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフェノキシ基等)、シアノ基、アシルアミノ基(例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基等)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、ウレイド基(例えば3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレイド基、1,3−ジメチルウレイド基等)、スルファモイルアミノ基(ジメチルスルファモイルアミノ基等)、カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えばエチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基等)、アルコキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボニル基等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル基、ブタンスルホニル基、フェニルスルホニル基等)、アシル基(例えばアセチル基、プロパノイル基、ブチロイル基等)、アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基等)、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミンオキシド基(例えばピリジン−オキシド基)、イミド基(例えばフタルイミド基等)、ジスルフィド基(例えばベンゼンジスルフィド基、ベンゾチアゾリル−2−ジスルフィド基等)、カルボキシル基、スルホ基、ヘテロ環基(例えば、ピロール基、ピロリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、ベンズオキサゾリル基等)等が挙げられる。これらの置換基は更に置換されてもよい。
好ましくは、アルキル基またはアルコキシ基である。
21、n25、n26、27およびn32は、整数0〜3を表し、好ましくは、整数0または1である。n22、n23およびn30は、整数0〜2を表し、好ましくは整数0または1である。n24は、整数0〜1を表す。n29は、整数0〜4を表し、好ましくは、整数0または1である。
下記に一般式(1)、(2)および(21)〜(32)で表される化合物の具体例としては以下のものが挙げられる。
Figure 2011054419
Figure 2011054419
本発明において、重合体の繰り返し単位の中に、一般式(1)、(2)、(21)〜(32)で表される構造の少なくとも1種を含有する重合体が好ましい。
重合体の繰り返し単位の中に、他の重合性モノマーを含有していてもよく、他の重合性モノマーとしては、例えば、スチレン誘導体(例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルナフタレンなど)、アクリル酸エステル誘導体(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジルなど)、メタクリル酸エステル誘導体(例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル等)、アルキルビニルエーテル(例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテルなど)、アルキルビニルエステル(例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなど)、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミドなどの不飽和化合物が挙げられる。好ましくは、アクリル酸メチル、またはメタクリル酸メチルである。
また、他の重合性モノマーとしては、親水性のエチレン性不飽和モノマーが挙げられる。親水性のエチレン性不飽和モノマーとしては、親水性で分子中に重合可能な不飽和二重結合を有するもので有れば特に制限されず、例えば、アクリル酸或いはメタクリル酸等の不飽和カルボン酸、若しくはヒドロキシル基またはエーテル結合を有する、アクリル酸若しくはメタクリル酸エステル(例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、2,3−ジヒドロキシ−2−メチルプロピルメタクリレート、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸ジエチレングリコールエトキシレート、アクリル酸3−メトキシブチルなど)、アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(N−置換)(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリドン等が挙げられる。
親水性のエチレン性不飽和モノマーとしては、水酸基若しくはカルボキシル基を分子内に有する(メタ)アクリレートが好ましく、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、またはアクリル酸2−ヒドロキシエチルが特に好ましい。
本発明の重合体の数平均分子量(Mn)は、1000以上50000以下であることが好ましく、より好ましくは3000以上30000以下である。
数平均分子量(Mn)は、バインダーとの相溶性を高めるため50000未満が好ましく、他層への拡散を抑えるために、1000以上が好ましい。
重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)比は、2.5〜4.5が好ましく、特に3.0〜4.0が好ましい。低分子量成分を減らすために、Mw/Mnは4.5以下が好ましく、一方、工業上の製造特性の点から、2.5以上であることが好ましい。
数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、以下の測定条件で行う。
<GPC測定条件>
装置:Wagers2695(Separations Module)
検出器:Waters 2414 (Refractive Index Detector)
カラム:Shodex Asahipak GF−7M HQ
溶離液:ジメチルホルムアミド(20mM LiBr)
流速:1.0ml/min
温度:40℃
試料温度 :0.1質量%
注入量 :10μl
本発明の重合体の重量平均分子量は、公知の分子量調節方法で調整することができる。そのような分子量調節方法としては、例えば四塩化炭素、ラウリルメルカプタン、チオグリコール酸オクチル等の連鎖移動剤を添加する方法等が挙げられる。重合温度は通常室温から130℃、好ましくは50℃から100℃で行われる。
本発明重合体の重合方法は、特に問わないが、従来公知の方法を広く採用することが出来、例えば、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などが挙げられる。ラジカル重合法の開始剤としては、例えば、アゾ化合物、過酸化物等が挙げられ、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソブチル酸ジエステル誘導体、過酸化ベンゾイル、過酸化水素などが挙げられる。重合溶媒は特に問わないが、例えば、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒、メタノール等のアルコール系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、水溶媒等が挙げられる。溶媒の選択により、均一系で重合する溶液重合、生成したポリマーが沈澱する沈澱重合、ミセル状態で重合する乳化重合、懸濁状態で重合する懸濁重合を行うことも出来る。
前記一般式(1)、(2)、(21)〜(32)とこれと共重合可能な重合性モノマー及び親水性のエチレン性不飽和モノマーの使用割合は、重合体と樹脂との相溶性、導電性繊維、および導電性ポリマーへの影響を考慮して適宜選択される。
重合体の繰り返し単位中の、前記一般式(1)、(2)、(21)〜(32)で表される構造の含有比率は、全体の1〜70質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜50質量%である。
重合体の繰り返し単位中の、前記一般式(1)、(2)、(21)〜(32)で表される構造の含有比率が1質量%未満の場合、所望の性能を満たそうとした場合に大量の添加が必要となり、透明導電層との相溶性が悪くなり、導電性低下の要因となる。
また、含有比率が70質量%を超えると、透明導電層との相溶性が悪くなるため、導電性低下の要因となる。
重合体の付き量は、導電性繊維の種類、表面積、付き量、透明導電膜の層構成等によっても異なるため一様ではないが、好ましくは、1000mg/m〜0.001mg/mが好ましく、100mg/m〜0.01mg・mがより好ましく、50mg/m〜0.05mg・mがより好ましい。
以下に、一般式(1)、(2)、(21)〜(32)で表される構造を含有する重合体の具体例を表1に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2011054419
重合体を添加する方法としては、透明導電層中に添加する方法、溶媒に溶解して塗布する方法、透明なバインダー材料に添加して塗布する方法、溶媒に溶解した中に透明導電膜を浸漬する方法などが挙げられる。透明なバインダー材料に添加して塗布する方法が好ましい。
〔透明基板〕
本発明において、「透明」とは、JIS K 7361−1(ISO 13468−1に対応)の「プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法」に準拠した方法で測定した可視光波長領域における全光線透過率が60%以上であることをいう。
本発明の透明電極に用いられる透明基板としては、高い光透過性を有していればそれ以外に特に制限はない。例えば、基板としての硬度に優れ、またその表面への導電層の形成のし易さ等の点で、ガラス基板、樹脂基板、樹脂フィルムなどが好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から透明樹脂フィルムを用いることが好ましい。
本発明で透明基板として好ましく用いることができる透明樹脂フィルムには特に制限はなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができるが、可視域の波長(380〜780nm)における透過率が80%以上である樹脂フィルムであれば、本発明に係る透明樹脂フィルムに好ましく適用することができる。中でも透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、強度及びコストの点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエーテルサルホンフィルム、ポリカーボネートフィルムであることが好ましく、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、二軸延伸ポリエチレンナフタレートフィルムであることがより好ましい。
本発明に用いられる透明基板には、塗布液の濡れ性や接着性を確保するために、表面処理を施すことや易接着層を設けることができる。表面処理や易接着層については従来公知の技術を使用できる。例えば、表面処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理等の表面活性化処理を挙げることができる。また、易接着層としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ビニル系共重合体、ブタジエン系共重合体、アクリル系共重合体、ビニリデン系共重合体、エポキシ系共重合体等を挙げることができる。透明樹脂フィルムが二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムである場合は、フィルムに隣接する易接着層の屈折率を1.57〜1.63とすることで、フィルム基板と易接着層との界面反射を低減して透過率を向上させることができるのでより好ましい。屈折率を調整する方法としては、酸化スズゾルや酸化セリウムゾル等の比較的屈折率の高い酸化物ゾルとバインダー樹脂との比率を適宜調整して塗設することで実施できる。易接着層は単層でもよいが、接着性を向上させるためには2層以上の構成にしてもよい。また、透明基板にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、透明導電層を転写する反対側にはハードコート層が予め形成されていてもよい。
〔透明電極〕
本発明の透明電極は、透明基板上に透明導電層を有することを特徴とする。
本発明の透明電極の構成として好ましい構造模式図の一例を、図1に示す。好ましい透明電極の構成は、透明基板51上に透明導電層31を有し、該透明導電層31の表面が導電性繊維11と透明導電性材料21を含み構成されていることを特徴とするが、その他の構成には特に制限はなく、例えば図1に示す例のように透明バインダー41からなる透明バインダー層42を有していてもよい。
図1(a)の例では、導電性繊維11によって形成された3次元的なメッシュ構造(導電ネットワーク構造)の電極表面側の隙間に透明導電性材料21が存在する。導電性繊維11は透明導電性材料21と共に電極の表面を構成すると同時に、透明導電性材料21の補助電極として機能することができる。また、導電性繊維11の3次元的なメッシュ構造の透明基板51側の隙間から透明基板51までの間には透明バインダー層42が存在し、透明導電層31を透明基板51に固定化している。
図1(b)の例では、導電性繊維11によって形成された3次元的なメッシュ構造を包含するように透明導電性材料21が存在する。導電性繊維11は透明導電性材料21と共に電極の表面を構成すると同時に、透明導電性材料21の補助電極として機能することができる。また、透明導電性材料21と透明基板51までの間には透明バインダー層42が存在し、透明導電層31を透明基板51に固定化している。この場合、透明導電性材料21と透明基板51までの間の透明バインダー層42が存在せず、透明導電性材料21が直接透明基板51と接していてもよい。
尚、何れの例においても、透明基板51には前述のように表面処理を施したり、目的に応じて各種の機能性層を設けることができる。
本発明の透明電極においては、全光線透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが特に好ましい。全光透過率は、分光光度計等を用いた公知の方法に従って測定することができる。また、本発明の透明電極における透明導電層の電気抵抗値としては、表面抵抗率として1000Ω/□以下であることが好ましく、100Ω/□以下であることがより好ましい。さらには、電流駆動型オプトエレクトロニクスデバイスに適用するためには、50Ω/□以下であることが好ましく、10Ω/□以下であることが特に好ましい。10Ω/□を越えると各種オプトエレクトロニクスデバイスにおいて、透明電極として十分に機能しない場合がある。前記表面抵抗率は、例えば、JIS K 7194:1994(導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験方法)などに準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
本発明の透明電極の厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一般的に10μm以下であることが好ましく、厚みが薄くなるほど透明性や柔軟性が向上するためより好ましい。
〔透明導電層〕
本発明の態様としては、導電性繊維が金属ナノワイヤまたはカーボンナノチューブの群から選ばれる少なくとも1種であること、導電性材料が導電性高分子及び導電性金属酸化物微粒子の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明に係る透明導電層は、導電性繊維と導電性材料の他に透明なバインダー材料や添加剤を含んでいてもよい。透明なバインダー材料としては、塗布液を形成できる透明な樹脂であれば特に制限はなく、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ブチラール系樹脂等を単独あるいは複数併用して用いることができる。
本発明に係る透明導電層の厚さは、使用する導電性繊維や導電性材料の形状や含有量によって異なるが、大凡の目安として、導電性繊維の平均直径以上500nm以下が好ましい。後述の加圧方法などにより、本発明に係る透明導電層の厚さを薄くすると、厚さ方向の導電性繊維のネットワーク形成を密にすることができるため好ましい。
〔導電性繊維〕
本発明に係る導電性繊維とは、導電性を有し、かつその長さが直径(太さ)に比べて十分に長い形状を持つものである。本発明に係る導電性繊維は、透明導電層内において導電性繊維が互いに接触し合うことにより3次元的な導電ネットワークを形成し補助電極として機能すると考えられる。従って、導電性繊維が長い方が導電ネットワーク形成に有利であるため好ましい。一方で、導電性繊維が長くなると導電性繊維が絡み合って凝集体を生じ、光学特性を劣化させる場合がある。導電ネットワーク形成や凝集体生成には、導電性繊維の剛性や直径等も影響するため、使用する導電性繊維に応じて最適な平均アスペクト比(アスペクト=長さ/直径)のものを使用することが好ましい。大凡の目安として、平均アスペクト比は、10〜10,000であるものが好ましい。
形状としては中空チューブ状、ワイヤ状、ファイバー状のもの等があり、例えば、金属でコーティングした有機繊維や無機繊維、導電性金属酸化物繊維、金属ナノワイヤ、炭素繊維、カーボンナノチューブ等がある。本発明においては、透明性の観点から太さが300nm以下の導電性繊維であることが好ましく、併せて導電性も満足するために、導電性繊維は金属ナノワイヤ及びカーボンナノチューブの群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。さらには、コスト(原材料費、製造費)と性能(導電性、透明性、可撓性)の観点から、銀ナノワイヤを最も好ましく用いることができる。
本発明において上記導電性繊維の長さや直径、アスペクト比の平均値は、十分な数の導電性繊維について電子顕微鏡写真を撮影し、個々の導電性繊維像の計測値の算術平均から求めることができる。導電性繊維の長さは、本来直線状に伸ばした状態で測定すべきであるが、現実には屈曲している場合が多いため、電子顕微鏡写真から画像解析装置を用いてナノワイヤの投影径及び投影面積を算出し、円柱体を仮定して算出する(長さ=投影面積/投影径)こともできる。また、長さや直径の相対標準偏差は、測定値の標準偏差を平均値で除した値に100を乗じた値で表す。計測対象の導電性繊維のサンプル数は、少なくとも100個以上が好ましく、300個以上がより好ましい。
相対標準偏差[%]=測定値の標準偏差/平均値×100
〔金属ナノワイヤ〕
一般に、金属ナノワイヤとは、金属元素を主要な構成要素とする線状構造体のことをいう。特に、本発明における金属ナノワイヤとは、原子スケールからnmサイズの直径を有する線状構造体を意味する。
本発明に係る導電性繊維に適用される金属ナノワイヤとしては、1つの金属ナノワイヤで長い導電パスを形成するために、平均長さが3μm以上であることが好ましく、さらには3〜500μmが好ましく、特に、3〜300μmであることが好ましい。併せて、長さの相対標準偏差は40%以下であることが好ましい。また、平均直径は、透明性の観点からは小さいことが好ましく、一方で、導電性の観点からは大きい方が好ましい。本発明においては、金属ナノワイヤの平均直径として10〜300nmが好ましく、30〜200nmであることがより好ましい。併せて、直径の相対標準偏差は20%以下であることが好ましい。
本発明に係る金属ナノワイヤの金属組成としては特に制限はなく、貴金属元素や卑金属元素の1種または複数の金属から構成することができるが、貴金属(例えば、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)及び鉄、コバルト、銅、錫からなる群に属する少なくとも1種の金属を含むことが好ましく、導電性の観点から少なくとも銀を含むことがより好ましい。また、導電性と安定性(金属ナノワイヤの硫化や酸化耐性、及びマグレーション耐性)を両立するために、銀と、銀を除く貴金属に属する少なくとも1種の金属を含むことも好ましい。本発明に係る金属ナノワイヤが2種類以上の金属元素を含む場合には、例えば、金属ナノワイヤの表面と内部で金属組成が異なっていてもよいし、金属ナノワイヤ全体が同一の金属組成を有していてもよい。
本発明において金属ナノワイヤの製造手段には特に制限はなく、例えば、液相法や気相法等の公知の手段を用いることができる。また、具体的な製造方法にも特に制限はなく、公知の製造方法を用いることができる。例えば、Agナノワイヤの製造方法としては、Adv.Mater.,2002,14,833〜837;Chem.Mater.,2002,14,4736〜4745等、Auナノワイヤの製造方法としては特開2006−233252号公報等、Cuナノワイヤの製造方法としては特開2002−266007号公報等、Coナノワイヤの製造方法としては特開2004−149871号公報等を参考にすることができる。特に、上述した、Adv.Mater.及びChem.Mater.で報告されたAgナノワイヤの製造方法は、水系で簡便にAgナノワイヤを製造することができ、また銀の導電率は金属中で最大であることから、本発明に係る金属ナノワイヤの製造方法として好ましく適用することができる。
〔透明バインダー〕
本発明に係る透明バインダーとは、透明であれば硬化型樹脂でも良いし、熱可塑性樹脂でも良い。
硬化型樹脂として、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂などが挙げられるが、これらの硬化型樹脂のうちでは、樹脂硬化のための設備が簡易で作業性に優れることから、紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。紫外線硬化型樹脂とは紫外線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂で、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられる。例えば、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂等が挙げられる。本発明では、バインダーとしてアクリル系、アクリルウレタン系の紫外線硬化型樹脂を主成分とすることが好ましい。
アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物にさらに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号に記載のものを用いることができる。例えば、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151112号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることができ、特開平1−105738号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
これらの中で、バインダーの主成分として、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレートから選択されるアクリル系の活性線硬化樹脂が好ましい。
これら紫外線硬化型樹脂の光反応開始剤としては、具体的には、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。光増感剤と共に使用してもよい。上記光反応開始剤も光増感剤として使用できる。また、エポキシアクリレート系の光反応開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。紫外線硬化型樹脂組成物に用いられる光反応開始剤また光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜10質量部である。
〔導電性材料〕
本発明に係る導電性材料とは、製膜した状態において透明性を有し、かつ均一な導電性を有する膜を形成できる材料である。このような導電性材料として、例えば、導電性高分子や導電性金属酸化物微粒子、金属微粒子、金属でコーティングした有機微粒子や無機微粒子等がある。本発明においては、透明性と導電性の観点から、導電性材料は導電性高分子や導電性金属酸化物ナノ粒子の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
〔導電性高分子〕
本発明に係る導電性材料に適用される導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各誘導体からなる群より選ばれる化合物等を挙ることができる。
本発明に係る導電性材料は、1種類の導電性高分子を単独に含有してもよいし、2種類以上の導電性高分子を組み合わせて含有してもよいが、導電性及び透明性の観点から、下記一般式(I)または一般式(II)で示される繰り返し単位を有するポリアニリンまたはその誘導体や、下記一般式(III)で示される繰り返し単位を有するポリピロール誘導体、または下記一般式(IV)で示される繰り返し単位を有するポリチオフェン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことがより好ましい。
Figure 2011054419
なお、上記一般式(III)及び一般式(IV)において、Rは主として線状有機置換基であり、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はこれらの基の組み合わせが好ましいが、可溶性導電性高分子としての性質を失わなければよく、さらにこれらにスルホネート基、エステル基、アミド基などが結合しても、組み合わされてもよい。なお、nは整数である。
本発明に係る導電性高分子には、導電性をより高めるためにドーピング処理を施すことができる。導電性高分子に対するドーパントとしては、例えば、炭素数が6〜30の炭化水素基を有するスルホン酸(以下、長鎖スルホン酸ともいう。)あるいはその重合体(例えば、ポリスチレンスルホン酸)、ハロゲン原子、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属ハロゲン化物、遷移金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、MClO(M=Li、Na)、R(R=CH、C、C)、またはR(R=CH、C、C)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。なかでも、上記長鎖スルホン酸が好ましい。
また、導電性高分子に対するドーパントは、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレンなどのフラーレン類に導入されていてもよい。透明導電膜において、上記ドーパントは、導電性高分子100質量部に対して、0.001質量部以上含まれていることが好ましい。さらには、0.5質量部以上含まれていることがより好ましい。
尚、本発明の導電性材料は、長鎖スルホン酸、長鎖スルホン酸の重合体(例えば、ポリスチレンスルホン酸)、ハロゲン、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属ハロゲン化物、遷移金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、MClO、R、およびRからなる群から選ばれる少なくとも1種のドーパントと、フラーレン類との双方を含んでいてもよい。
本発明に係る導電性高分子として、特表2001−511581号公報や特開2004−99640号公報、特開2007−165199号公報などに開示される金属によって改質された導電性高分子を用いることもできる。
本発明に係る導電性高分子を含む導電性材料には、水溶性有機化合物を含有してもよい。水溶性有機化合物の中で、導電性高分子材料に添加することによって導電性を向上させる効果を有する化合物が知られており、2nd.ドーパント(或いは増感剤)と称される場合がある。本発明の導電性材料で用いることができる2nd.ドーパントには特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)やジエチレングリコール、その他酸素含有化合物が好適に挙げられる。
本発明に係る導電性高分子を含む導電性材料においては、導電性高分子100質量部に対する上記2nd.ドーパントの含有量は、0.001質量部以上が好ましく、0.01〜50質量部がより好ましく、0.01〜10質量部が特に好ましい。
本発明に係る導電性高分子を含む導電性材料は、成膜性や膜強度を確保するために、導電性高分子の他に透明な樹脂成分や添加剤を含んでいてもよい。透明な樹脂成分としては、導電性高分子と相溶又は混合分散可能であれば特に制限されず、熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド、ポリアミドイミド等のポリイミド系樹脂、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレア系樹脂、メラミン樹脂、フェノール系樹脂、ポリエーテル、アクリル系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
本発明で用いられるポリアニオンは、高分子カルボン酸、高分子スルホン酸及びこれらの塩の各誘導体からなる群より選ばれる化合物等を挙ることができ、好ましくは高分子スルホン酸及びその塩である。ポリアニオンは単独に含有してもよいし、2種類以上を組み合わせて含有してもよい。また、ポリアニオンは、カルボン酸、スルホン酸を有する構造単位と酸残基を有していないモノマー、例えばアクリレート、メタクリレート及びスチレン等と共重合体を形成してもよい。
高分子カルボン酸、高分子スルホン酸及びこれらの塩の具体例としては、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸またはポリマレイン酸、高分子スルホン酸、ポリスチレンスルホン酸及びポリビニルスルホン酸及びこれらの塩であり、好ましくは、ポリスチレンスルホン酸及びその塩である。
〔製造方法〕
本発明の透明電極の製造方法において、透明基板上に導電性繊維からなる補助電極と導電性材料を含む透明導電層を形成する方法に特に制限はないが、生産性の改善、平滑性や均一性などの電極品質の向上、環境負荷軽減の観点から、透明導電層の形成には塗布法や印刷法などの液相成膜法を用いることが好ましい。塗布法としては、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法などを用いることができる。印刷法としては、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法などを用いることができる。なお、必要に応じて、密着性・塗工性を向上させるための予備処理として、離型性基板表面にコロナ放電処理、プラズマ放電処理などの物理的表面処理を施すことができる。
本発明の透明電極の製造方法において、平滑な離型性基板の離型面上に、導電性繊維と導電性材料を含む透明導電層を形成した後、該透明導電層を透明基板上に転写することにより透明電極を形成する方法を用いることが好ましい。この方法を用いることにより、透明電極の透明導電層表面を簡便にかつ安定に高平滑化することができる。
本発明の透明電極の製造方法で用いられる離型性基板としては、樹脂基板や樹脂フィルムなどが好適に挙げられる。該樹脂には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの合成樹脂の単層あるいは複数層からなる基板やフィルムが好適に用いられる。更にガラス基板や金属基板を用いることもできる。また、離型性基板の表面(離型面)には、必要に応じてシリコーン樹脂やフッ素樹脂、ワックスなどの離型剤を塗布して表面処理を施してもよい。
離型性基板表面は、透明導電層を転写した後の表面の平滑性に影響を与えるため、高平滑であることが望ましく、具体的にはRy≦50nmであることが好ましく、Ry≦40nmであることがより好ましく、Ry≦30nmであることが更に好ましい。また、Ra≦5nmであることが好ましく、Ra≦3nmであることがより好ましく、Ra≦1nmであることが更に好ましい。
透明基板上に、導電性繊維と導電性材料を含む平滑性に優れた透明導電層を形成する具体的な方法として、例えば次のようなプロセスを挙げることができる。
離型性基板の離型面上に、導電性繊維の分散液を塗布(または印刷)・乾燥して導電性繊維からなる導電ネットワーク構造を形成する。次いで、該導電性繊維のネットワーク構造上に導電性材料の分散液を塗布(または印刷)し、基板表面上の導電性繊維のネットワーク構造の隙間に導電性材料を含浸させ、導電性繊維と導電性材料を含む透明導電層を形成する。次いで、該透明導電層または別の透明基板上に接着層を塗設して両者を貼合する。接着層を硬化させた後、離型性基板を剥離することによって透明導電層を透明基板に転写する。
このプロセスによれば、導電性材料層内に導電性繊維のネットワーク構造が3次元的に配置されるため、導電性繊維と導電性材料の接触面積が増えて導電性繊維の補助電極機能を十分に活用することができ、導電性に優れた透明導電層を形成することができる。
上記のプロセスにおいて、導電性繊維を塗布・乾燥した後、カレンダー処理や熱処理を施し導電性繊維間の密着性を高めることや、プラズマ処理を施し導電性繊維間の接触抵抗を低減することは、導電性繊維のネットワーク構造の導電性を向上させる方法として有効である。また、上記プロセスにおいて、離型性基板の離型面は、予めコロナ放電(プラズマ)などにより親水化処理していてもよい。
上記プロセスにおいて、接着層は離型性基板側に設けても良いし、透明基板側に設けても良い。接着層に用いられる接着剤としては、可視領域で透明で転写能を有するバインダー材料であれば特に限定されない。バインダー材料としては、前記透明バインダーの説明で挙げた樹脂が挙げられる。
透明導電層を形成した離型性基板と透明基板とを接着(貼合)し、紫外線等を照射して接着剤を硬化した後に離型性基板を剥離することにより、透明導電層を透明基板側に転写することができる。ここで、接着方法は特に限定されることなく、シートプレス、ロールプレス等により行うことができるが、ロールプレス機を用いて行うことが好ましい。ロールプレスは、ロールとロールの間に接着すべきフィルムを挟んで圧着し、ロールを回転させる方法である。ロールプレスは均一に圧力がかけられ、シートプレスよりも生産性が良く好適に用いることができる。
〔パターニング方法〕
本発明に係る透明導電層はパターニングすることができる。パターニングの方法やプロセスには特に制限はなく、公知の手法を適宜適用することができる。例えば、離型面上にパターニングされた透明導電層を形成した後、透明基板上に転写することによってパターニングされた透明電極を形成する方法を用いることができ、具体的には、以下のような方法を好ましく用いることができる。
i)離型性基板上に印刷法を用いて本発明に係る透明導電層をパターン様に直接形成する方法
ii)離型性基板上に本発明に係る透明導電層を一様に形成した後、一般的なフォトリソプロセスを用いてパターニングする方法
iii)例えば紫外線硬化型樹脂を含む導電性材料を使用して本発明に係る透明導電層を一様に形成した後、フォトリソプロセス様にパターニングする方法
iv)離型性基板上に予めフォトレジストで形成したネガパターン上に本発明に係る透明導電層を一様に形成し、リフトオフ法を用いてパターニングする方法
上記のいずれの方法においても、離型性基板上でパターニングした透明導電層を透明基板上に転写することにより、パターニングされた本発明の透明電極を形成することができる。
〔好ましい用途〕
本発明の透明電極は高い導電性と透明性を併せ持ち、液晶表示素子、有機発光素子、無機電界発光素子、電子ペーパー、有機太陽電池、無機太陽電池等の各種オプトエレクトロニクスデバイスや、電磁波シールド、タッチパネル等の分野において好適に用いることができる。その中でも、透明電極表面の平滑性が厳しく求められる有機エレクトロルミネッセンス素子や有機薄膜太陽電池素子の透明電極として特に好ましく用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
〈一般式(1)、(2)、(21)〜(32)で表される化合物の合成〉
「化合物201の合成」
下記に示す化合物201aを6.0g(44.4mmol、Fw135.1、Aldrich社製)、トリエチルアミンを5.0g(48.8mmol、Fw101.2、東京化成社製)、テトラヒドロフラン200ml(関東化学社製)を400mlナスフラスコに投入し、室温で15分攪拌した。溶液を0℃まで冷却した後、20mlのテトラヒドロフランに溶解したメタクリロイルクロリド5.1g(48.8mmol、Fw104.53)を10分かけて滴下した。6時間加熱還流し、反応溶液を室温に戻した後、反応溶液を4cm桐山ロート(ろ紙:No.5C)で濾過後、テトラヒドロフランをロータリーエバポレーターにより減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(n−ヘキサン/酢酸エチル/トリエチルアミン、1/2/0.015、v/v/v)し、最終目的物である化合物201を2.3g(11.3mmol、Fw203.20、収率25.4%)得た。なお、合成した化合物の構造は、1H−NMR、マススペクトルにより確認した。
「化合物204の合成」
化合物201aの代わりに、化合物204a6.0g(44.4mmol、Fw134.1、Aldrich社製)を用い、メタクリロイルクロリドの代わりにアクリロイルクロリド4.4g(48.8mmol、Fw90.51)使用した以外は「化合物201の合成」と同様な方法により、化合物204を2.60g(13.8mmol、Fw188.2、収率31%)得た。
「化合物205の合成」
JournalofMolecular Structure;322;1994;113-130を参考に合成した化合物205a4.9g(44.4mmol、Fw111.1)を用い、化合物201の合成法と同様な方法で、化合物205を合成した。最終目的物である化合物205を1.9g(10.6mmol、Fw179.2、収率24%)得た。
「化合物210の合成」
Chemical and Pharmaceutical Bulletin;9;1961;808,811を参考に合成した化合物210a 6.0g(44.4mmol、Fw135.1)を用い、化合物204の合成法と同様な方法で、化合物210を合成した。最終目的物である化合物210を2.2g(10.8mmol、Fw203.2、収率24%)得た。
「化合物212の合成」
Journal of the American Chemical Society;82;1960;3144を参考に合成した化合物212a6.0g(44.4mmol、Fw135.1)を用い、化合物204の合成法と同様な方法で、化合物212を合成した。最終目的物である化合物212を2.2g(10.8mmol、Fw203.2、収率24%)得た。
「化合物213の合成」
Journal of Heterocyclic Chemistry;English;42;4;2005;727−730を参考に合成した化合物213a 8.1g(44.4mmol、Fw183.5)を用い、化合物201の合成法と同様な方法で、化合物213を合成した。最終目的物である化合物213を2.5g(10.5mmol、Fw237.3、収率24%)得た。
「化合物215の合成」
Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters;English;15;8;2005;2051−2056を参考に合成した化合物215a 8.1g(44.4mmol、Fw182.3)を用い、化合物204の合成法と同様な方法で、化合物215を合成した。最終目的物である化合物215を4.1g(17.4mmol、Fw236.3、収率39%)得た。
「化合物216の合成」
Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters;English;15;8;2005;2051−2056を参考に合成した化合物216a 7.4g(44.4mmol、Fw167.2)を用い、化合物201の合成法と同様な方法で、化合物216を合成した。最終目的物である化合物216を2.1g(8.9mmol、Fw235.3、収率20%)得た。
「化合物219の合成」
化合物219a7.3g(44.4mmol、Fw165.2、MatrixScientific社製)を用い、化合物204の合成法と同様な方法で、化合物219を合成した。最終目的物である化合物219を2.1g(9.6mmol、Fw219.3、収率22%)得た。
「化合物221の合成」
Journal of Heterocyclic Chemistry;English;26;1989;355−360を参考に合成した化合物221a5.2g(44.4mmol、Fw116.1)を用い、化合物204の合成法と同様な方法で、化合物221を合成した。最終目的物である化合物221を1.8g(9.8mmol、Fw184.2、収率22%)得た。
「化合物222の合成」
Journal of the Indian Chemical Society;English;58;11;1981;1087−1088を参考に合成した化合物222a 8.6g(44.4mmol、Fw194.2)を用い、化合物201の合成法と同様な方法で、化合物222を合成した。最終目的物である化合物222を2.8g(10.7mmol、Fw262.3、収率24%)得た。
「化合物225の合成」
Journal of Organic Chemistry;27;1962;4211,4214を参考に合成した化合物225a5.6g(44.4mmol、Fw127.2)を用い、化合物204の合成法と同様な方法で、化合物225を合成した。最終目的物である化合物225を2.2g(11.3mmol、Fw195.2、収率25%)得た。
「化合物228の合成」
Bollettino Chimico Farmaceutico;English;134;9;1995;492−496を参考に合成した化合物228a5.9g(44.4mmol、Fw133.2)を用い、化合物204の合成法と同様な方法で、化合物228を合成した。最終目的物である化合物228を1.9g(9.32mmol、Fw201.3、収率22%)得た。
「化合物229の合成」
Heterocycles;English;38;11;1994;2415−2422を参考に合成した化合物229a6.0g(44.4mmol、Fw134.1)を用い、化合物201の合成法と同様な方法で、化合物229を合成した。最終目的物である化合物229を2.2g(10.9mmol、Fw202.2、収率25%)得た。
Figure 2011054419
〈重合体の合成〉
「重合体P−1の重合」
50ml三ツ口フラスコにTHF20mlを加え10分間加熱還流させた後、窒素下で室温に冷却した。化合物201 0.4g(2.0mmol、Fw203.2)、メタクリル酸メチル0.6g(6.0mmol、Fw100.1)、AIBN130mg(0.8mmol、Fw162.2)を加え、5時間加熱還流した。室温に冷却した後、600mlのヘキサン中に重合溶液を滴下し、1時間攪拌した。溶液を15cmヌッチェでろ過し、得られた固形分を50℃で3時間減圧乾燥した。その結果、数平均分子量6500の重合体P−1を0.89g(収率89%)得た。
なお重合体の構造、分子量は各々1H−NMR(400MHz、日本電子社製)、GPC(Waters2695、Waters社製)で測定した。
「重合体P−2〜5の重合」
重合体P−1の重合において、重合開始剤AIBNの添加量を変更することによって、数平均分子量が異なる重合体P−2〜5を得た。得られた重合体の数平均分子量、収量、収率を表2に示す。
「重合体P−6、17、19、23、25、28、30の重合」
化合物201の代わりに化合物204、219、221、225、228、229、212を各々0.4gに変更し、AIBN量を、化合物204、219、221、225、228、229、212の各々のモル添加量とメタクリル酸メチルのモル添加量の合計量の10%に相当するモル添加量に変更する以外は「重合体P−1の重合」と同様な方法により重合を行なった。得られた重合体の数平均分子量、収量、収率を表2に示す。
「重合体P−7の重合」
重合体P−1の重合において、原料を化合物201 0.4g(2.0mmol、Fw203.2)、メタクリル酸メチル0.5g(5.0mmol、Fw100.1)、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル0.1g(0.8mmol、Fw130.1)、AIBN126.5mg(0.78mmol、Fw162.2)に変更する以外は同様な方法で重合を行った。得られた重合体の数平均分子量、収量、収率を表2に示す。
「重合体P−8の重合」
重合体P−1において、原料を化合物201 1.0g(4.92mmol、Fw203.2)、AIBN 80mg(0.49mmol、Fw162.21)に変更する以外は同様な方法で重合を行った。得られた重合体の数平均分子量、収量、収率を表2に示す。
「重合体P−10の重合」
重合体P−1の重合において、原料を化合物205 0.4g(2.2mmol、Fw179.2)、アクリル酸メチル0.6g(7.0mmol、Fw86.1)、AIBN149.2mg(0.92mmol、Fw162.2)に変更する以外は同様な方法で重合を行った。得られた重合体の数平均分子量、収量、収率を表2に示す。
「重合体P−13、15の重合」
化合物205の代わりに化合物210、215を各々0.4gに変更し、AIBN量を、化合物210、215の各々のモル添加量とアクリル酸メチルのモル添加量の合計量の10%に相当するモル添加量に変更する以外は「重合体P−6の重合」と同様な方法により重合を行なった。得られた重合体の数平均分子量、収量、収率を表2に示す。
「重合体P−14の重合」
重合体P−1の重合において、原料を化合物213 0.4g(1.7mmol、Fw237.3)、酢酸ビニル0.6g(7.0mmol、Fw86.1)、AIBN141.1mg(0.87mmol、Fw162.2)に変更する以外は同様な方法で重合を行った。得られた重合体の数平均分子量、収量、収率を表2に示す。
「重合体P−20の重合」
重合体P−1の重合において、原料を化合物222 0.4g(1.5mmol、Fw262.3)、アクリル酸メチル0.6g(7.0mmol、Fw86.1)、アクリル酸2−ヒドロキシエチル0.1g(0.94mmol、Fw116.1)、AIBN130mg(0.8mmol、Fw162.2)に変更する以外は同様な方法で重合を行った。得られた重合体の数平均分子量、収量、収率を表2に示す。
「重合体P−26の重合」
化合物201の代わりに、化合物228 1.0g(5.0mmol、Fw201.3)、AIBN81.1mg(0.5mmol、Fw162.2)に変更する以外は「重合体P−8の重合」と同様な方法により重合を行なった。得られた重合体の数平均分子量、収量、収率を表2に示す。
「重合体P−27の重合」
重合体P−3の重合において、原料を化合物228 0.4g(2.0mmol、Fw201.3)、メタクリル酸メチル0.5g(5.0mmol、Fw100.1)、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル0.1g(0.77mmol、Fw130.1)、AIBN 126.5mg(0.78mmol、Fw162.2)に変更する以外は同様な方法で重合を行った。得られた重合体の数平均分子量、収量、収率を表2に示す。
「比較重合体1の重合」
重合体P−1の合成において、原料をメタクリル酸メチル1.0g(10.0mmol、Fw100.1)、AIBN162.2mg(1.0mmol、Fw162.2)に変更する以外は同様な方法で重合を行った。得られた重合体の数平均分子量、収量、収率を表2に示す。なおMw/Mnは、3.7であった。
Figure 2011054419
実施例2[透明電極の作製]
本実施例では、導電性繊維として銀ナノワイヤ、透明導電性材料としてPEDOT/PSS(poly(3,4−ethylenedioxythiophene)−poly(styrenesulfonate))を用いた。銀ナノワイヤは、Adv.Mater.,2002,14,833〜837に記載の方法を参考に、平均直径75nm、平均長さ35μmの銀ナノワイヤを作製し、限外濾過膜を用いて銀ナノワイヤを濾別かつ水洗処理した後、エタノール中に再分散して銀ナノワイヤ分散液(銀ナノワイヤ含有量5質量%)を調製した。また、PEDOT/PSSの分散液は、BaytronR PH510(H.C.Starck社製)を使用た。また、何れの実施例および比較例においても、導電性繊維と導電性材料の塗布はアプリケーターを用いて行った。
《第1電極TC−1の作製》
前述の本発明の透明電極の好ましい製造プロセスに従い透明電極を作製した。離型性基板として、表面の平滑性がRy=35nm、Ra=2nmであるPETフィルムを用いた。該PETフィルム表面にコロナ放電処理を施した後、銀ナノワイヤ分散液を銀ナノワイヤの目付け量が80mg/mとなるように塗布し乾燥して、銀ナノワイヤネットワーク構造を形成した。
さらに、透明導電性材料としてDMSOを5%含むPEDOT/PSSの分散液を、乾燥膜厚が100nmとなるよう上記銀ナノワイヤネットワーク構造にオーバーコートし乾燥した後、80℃で3時間熱処理して、本発明に係る透明導電層を形成した。
上記プロセスでは、PEDOT/PSSは銀ナノワイヤネットワーク構造の隙間に含浸するので、本発明に係る透明導電層には銀ナノワイヤとPEDOT/PSSの両者が存在し、かつ本発明に係る透明導電層がPETフィルムに接する面は銀ナノワイヤとPEDOT/PSSの両者を含み構成される。次いで、バリア層と易接着層を有するPETフィルム(全光透過率90%)上に接着層として本発明の重合体P−1をテトラヒドロフランに溶解して添加した紫外線硬化型樹脂(JSR社製、NN803)を塗布し、溶媒成分を気化させた後、上記の本発明に係る透明導電層と貼合した。
重合体P−1の付き量は0.25mg/mになるようにした。
続いて、紫外線を照射して接着層を十分に硬化させた後、離型性基板であるPETフィルムを剥離することによって透明導電層をPETフィルムに転写し、本発明の透明電極TC−1を作製した。
次に、紫外線硬化型樹脂(JSR社製、NN803)に添加する重合体の種類と付き量を表3のように変更する以外は全く同じ方法で、本発明の透明電極TC−1〜TC−21、および比較の透明電極TC−22〜TC−25を2組作成した。なお、使用した比較化合物を下記に示す。
Figure 2011054419
[表面抵抗率]
以上のように作製した本発明の透明電極TC−1〜TC−21、比較の透明電極TC−22〜TC−25に対して、表面抵抗率の測定を行った。
ついで、1組を透明導電膜を60℃90%RH条件下、もう1組を硫化水素濃度が平均濃度8ppmになるように調整した雰囲気下で20日間各々保存し、それぞれの表面抵抗率を測定し、下記の式1に従って、各条件下で保存による変化比率を求め、下記の基準で判定を行った。表面抵抗率は以下の方法で測定を行った。結果を表3に示す。
JIS K 7194:1994に準拠して、三菱化学社製ロレスターGP(MCP−T610型)を用いて、測定した。
保存による変化比率(%)=((保存後の表面抵抗率/保存前の表面抵抗率)×100・・式1
<保存による変化比率>
◎:1%以下
○:3%以下
△:8%未満
×:8%以上
Figure 2011054419
表3に示した様に、その結果、比較例であるTC−22〜TC−25に対して、本発明の重合体を用いた透明導電膜は、高温高湿条件下、硫化水素環境下で保存による表面抵抗率の変化が小さく、経時安定性に優れていることが判る。
[実施例3[有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)の作製]
実施例1で作製した透明電極TC−1〜TC−25各々をアノード電極として、以下の手順で有機EL素子OEL−1〜OEL−25を作製した。
〈正孔輸送層の形成〉
アノード電極上に、1.2.ジクロロエタン中に1質量%となるように正孔輸送材料の4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)を溶解させた正孔輸送層形成用塗布液をスピンコート装置で塗布した後、80℃、60分間乾燥して、厚さ40nmの正孔輸送層を形成した。
〈発光層の形成〉
正孔輸送層が形成された各フィルム上に、ホスト材のポリビニルカルバゾール(PVK)に対して、赤ドーパント材BtpIr(acac)が1質量%、緑ドーパント材Ir(ppy)が2質量%、青ドーパント材FIr(pic)が3質量%にそれぞれなるように混合し、PVKと3種ドーパントの全固形分濃度が1質量%となるように1.2.ジクロロエタン中に溶解させた発光層形成用塗布液をスピンコート装置で塗布した後、100℃、10分間乾燥して、厚さ60nmの発光層を形成した。
〈発光層の形成〉
正孔輸送層が形成された各フィルム上に、ホスト材のポリビニルカルバゾール(PVK)に対して、赤ドーパント材BtpIr(acac)が1質量%、緑ドーパント材Ir(ppy)が2質量%、青ドーパント材FIr(pic)が3質量%にそれぞれなるように混合し、PVKと3種ドーパントの全固形分濃度が1質量%となるように1.2.ジクロロエタン中に溶解させた発光層形成用塗布液をスピンコート装置で塗布した後、100℃、10分間乾燥して、厚さ60nmの発光層を形成した。
Figure 2011054419
〈電子輸送層の形成〉
形成した発光層上に、電子輸送層形成用材料としてLiFを5×10−4Paの真空下にて蒸着し、厚さ0.5nmの電子輸送層を形成した。
〈カソード電極の形成〉
形成した電子輸送層の上に、Alを5×10−4Paの真空下にて蒸着し、厚さ100nmのカソード電極を形成した。
〈封止膜の形成〉
形成した電子輸送層の上に、ポリエチレンテレフタレートを基板とし、Alを厚さ300nmで蒸着した可撓性封止部材を使用した。アノード電極及びカソード電極の外部取り出し端子が形成出来る様に端部を除きカソード電極の周囲に接着剤を塗り、可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
[発光輝度ムラ]
KEITHLEY製ソースメジャーユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し発光させた。200cd/mで発光させた有機EL素子OEL−1〜OEL−25について、50倍の顕微鏡で各々の発光均一性を観察した。さらに、有機EL素子OEL−1〜OEL−25を200cd/mで1000時間発光させた後の発光均一性を観察した。
<発光均一性の評価基準>
◎:EL素子全体が均一に発光している
○:EL素子全体がほぼ均一に発光している
△:EL素子の発光にややムラが認められる
×:EL素子の発光に明らかなムラが認められる
上記評価結果を表4に示す。
Figure 2011054419
表4に示した結果において、OEL−22〜OEL−25(比較例)に対して、本発明の重合体を含む透明導電膜を用いた有機EL素子OEL−1〜OEL−21(本発明)は、発光均一性に優れており、経時安定性に優れていることが判る。
実施例4[有機薄膜太陽電池素子の作製]
実施例1で作製した透明導電性フィルムTC−1〜TC−25各々をアノード電極として、以下の手順で有機薄膜太陽電池素子STC−1〜STC−25を作製した。
《有機薄膜太陽電池素子STC−1の作製》
アノード電極TC−1上に、導電性高分子であるPEDOT/PSS(Baytron P4083、H.C.Starck社製)を30nmの膜厚でスピンコートした後、140℃で大気中10分間加熱乾燥した。
これ以降は、アノード電極TC−1(以後第1電極と略す)をグローブボックス中に持ち込み、窒素雰囲気下で作業した。
まず、窒素雰囲気下で上記第1電極を180℃で3分間加熱処理した。次に、クロロベンゼンにP3HT(リーケメタル社製;Mn=45000、レジオレギュラータイプ、高分子p型半導体材料)1.0質量%、下記PCBM(Mw=911、低分子n型半導体材料)を1.0質量%溶解した液を調製し、0.45μmのフィルターでろ過しながら500rpmで60秒、ついで2200rpmで1秒間のスピンコートを行い、室温で30分放置後、160℃で30分加熱した。
次に、上記一連の有機発電層部を成膜した第1電極を真空蒸着装置内に設置した。2mm幅のシャドウマスクが透明電極と直交するように素子をセットし、10−3Pa以下にまでに真空蒸着機内を減圧した後、蒸着速度2nm/秒で、フッ化リチウムを5nm、Alを80nm蒸着し、2mm角のサイズの有機薄膜太陽電池素子STC−1を得た。得られた有機薄膜太陽電池素子STC−1は、アノード電極及びカソード電極の外部取り出し端子が形成できるように端部を除きカソード電極の周囲に接着剤を塗り、ポリエチレンテレフタレートを基板とした可撓性封止部材を貼合した後、熱処理で接着剤を硬化させた。
〔有機薄膜太陽電池素子の評価〕
(有機薄膜太陽電池素子の評価:光電変換効率)
ガラス製の封止キャップとUV硬化樹脂を用いて封止を行った有機光電変換素子に、ソーラシュミレーター(AM1.5G)の光を100mW/cmの強度で照射して、
短絡電流密度Jsc(mA/cm)及び開放電圧Voc(V)、フィルファクターFFを、同素子上に形成した4箇所の受光部をそれぞれ測定し、式2に従ってエネルギー変換効率η(%)を求めた。
続いて上記作製した素子を、100Wハロゲンランプの光に1000時間暴露した。続いて、暴露後の素子について、上述の方法と同様にしてエネルギー変換効率を求め、式3に従って保持率を求め、表5に示した。
Jsc(mA/cm)×Voc(V)×FF=η(%)・・・式2
保持率(%)=暴露後の変換効率/暴露前の変換効率×100・・式3
上記評価結果を表5に示す。
Figure 2011054419
表5に示した結果において、比較例であるSTC−22〜STC−25(比較)に対して、本発明の重合体を含む透明導電膜を使用した有機薄膜太陽電池素子STC−1〜STC−21(本発明)は、暴露後の保持率が高く経時安定性に優れていることが判る。
11 導電性繊維
21 透明導電性材料
31 透明導電層
41 透明バインダー
42 透明バインダー層
51 透明基板

Claims (9)

  1. 透明基板上に少なくとも導電性繊維を含む透明導電層を有する透明電極であって、
    該導電層に、重合体の繰り返し単位の中に、下記一般式(1)または、一般式(2)で表される構造の少なくとも1種を含有する重合体を含有することを特徴とする透明電極。
    Figure 2011054419
    (式中、R101は重合性基を部分構造として有する基であり、Zは置換、未置換の単環または縮環の含窒素芳香族ヘテロ環を表す)
    Figure 2011054419
    (式中、R101は重合性基を部分構造として有する基であり、Zは置換、未置換の単環または縮環の含窒素芳香族ヘテロ環を表す)
  2. 前記一般式(1)または(2)が、下記一般式(21)〜(32)で表される構造であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
    Figure 2011054419
    (式中、R101は重合性基を部分構造として有する基を表し、R21〜R27、R29、R30、R32は置換基を表す。n21、n25、n26、n27、n32は整数0〜3、n22、n23、n30は整数0〜2、n24は整数0〜1、n29は整数0〜4を表す。)
  3. 前記透明電極に導電性ポリマーの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の透明電極。
  4. 前記導電性繊維が銀ナノワイヤであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明電極。
  5. 前記R101で表される重合性基を部分構造として有する基が、不飽和エチレン性重合性基であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明電極。
  6. 前記一般式(1)または、一般式(2)で表される構造の含有比率が重合体の全体の1〜70質量%で、アクリル酸エステル誘導体、メタクリル酸エステル誘導体、アクリルアミド誘導体またはメタクリルアミド誘導体の少なくとも1種を共重合体成分として含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明電極。
  7. 前記重合体の数平均分子量が、1000〜5万であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明電極。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明電極を含むことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の透明電極を含むことを特徴とする有機薄膜太陽電池素子。
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