WO2015072414A1 - タッチパネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

 本発明の課題は、電極パターンの形成精度が高く、耐久性と視認性に優れたタッチパネルを製造することのできるタッチパネルの製造方法を提供することである。 本発明のタッチパネルの製造方法は、透明電極を具備したタッチパネルの製造方法であって、前記透明電極を、少なくとも下記工程1及び2を経て製造することを特徴とする。 工程1:透明基板上に、中間層と当該中間層に隣接して銀を主成分とする銀薄膜電極を形成する工程 工程2:形成した前記銀薄膜電極を、フォトリソグラフィー法により、少なくとも無機化合物の溶剤を含む銀エッチング液を用いて電極パターンを形成する工程

Description

タッチパネルの製造方法
 本発明は、センサーパターンを有する透明電極を具備したタッチパネルの製造方法に関する。より詳しくは、耐久性と視認性に優れたタッチパネルの製造方法に関する。
 表示パネルの表示面側に配置されるタッチパネルには、抵抗膜式、表面型静電容量式、投影型静電容量式、光学式、超音波式などの様々な方式があるが、投影型静電容量式は多点入力できるという特徴を有しており、スマートフォンなどでの実用化が進んでいる。
 ところで、投影型静電容量方式のように、パネル面の全面にわたって電極が配置される構成のタッチパネルにおいては、透明導電性材料を用いて電極を構成することにより、タッチパネルを介して配置される表示画像の視認性を確保している。
 このようなタッチパネル用の電極(すなわち透明電極)としては、例えば、インジウムスズ酸化物(以下、ITOと略記する。)、銅酸化物、銀ナノワイヤー、カーボンナノチューブ、ポリエチレンジオキシチオフェン等の透明導電膜を用いる方法が開示されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
 しかしながら、ITO等の金属酸化物は、光透過性には優れるものの導電性が十分ではなく、パネルの中央付近で電圧降下が起こりやく、タッチパネルの大型化が阻害される。また、抵抗値を低く抑えようとした場合、ある程度の厚さが必要とされるため、投影型静電容量方式のように電極がパターンを有する場合、このパターンが視認され易くなり、結果として下地となる表示画像の視認性が低下する。
 そこで、近年においては、タッチパネル用の透明電極として、ITOよりも導電性が高い銀ナノワイヤーを用いた構成の検討がなされている(例えば、特許文献3参照。)。
 しかしながら、銀ナノワイヤーを用いて透明電極としての細線を形成する場合、抵抗を下げるためには銀ナノワイヤーの添加量を増加させる必要があり、その結果、銀線が太くなり、目視でも確認できる状態となるため、銀粒子の光散乱により下地となる表示画像の視認性が低下する問題を有していた。
特表2013-532868号公報 特開2013-214173号公報 特開2012-33466号公報
 本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、電極パターンの形成精度が高く、耐久性と視認性に優れたタッチパネルを製造することのできるタッチパネルの製造方法を提供することである。
 本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を進めた結果、透明電極を具備したタッチパネルの製造方法であって、透明基板上に、中間層に隣接して銀を主成分とする銀薄膜電極を形成する工程1と、フォトリソグラフィー法により、少なくとも無機化合物の溶剤を含む銀エッチング液を用いて不要部分の銀を除去して電極パターンを形成する工程2を経て製造することにより、電極パターンの形成精度が高く、耐久性と視認性に優れたタッチパネルを製造することができることを見いだし、本発明に至った。
 すなわち、本発明の上記課題は、下記の手段により解決される。
 1.透明電極を具備したタッチパネルの製造方法であって、
 前記透明電極を、少なくとも下記工程1及び2を経て製造することを特徴とするタッチパネルの製造方法。
 工程1:透明基板上に、中間層と当該中間層に隣接して銀を主成分とする銀薄膜電極を形成する工程
 工程2:形成した前記銀薄膜電極を、フォトリソグラフィー法により、少なくとも無機化合物の溶剤を含む銀エッチング液を用いて電極パターンを形成する工程
 2.前記銀エッチング液が、硝酸、シアン化カリウム及びフェリシアン化カリウムから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする第1項に記載のタッチパネルの製造方法。
 3.前記銀薄膜電極上に、更に前記中間層を形成することを特徴とする第1項又は第2項に記載のタッチパネルの製造方法。
 4.前記中間層が、銀と親和性の高い化合物を含有することを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載のタッチパネルの製造方法。
 5.前記銀と親和性の高い化合物が、含窒素有機化合物、含硫黄有機化合物及び含ハロゲン有機化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする第4項に記載のタッチパネルの製造方法。
 6.前記銀薄膜電極を蒸着法により形成することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載のタッチパネルの製造方法。
 本発明の上記手段により、電極パターンの形成精度が高く、耐久性と視認性に優れたタッチパネルを製造することのできるタッチパネルの製造方法を提供することができる。
 本発明の上記効果の発現機構・作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
 中間層に隣接して銀を主成分とする銀薄膜電極に、少なくとも無機化合物の溶剤を含む銀エッチング液を用いてエッチングするときに、エッチングが進行する際、中間層が存在すると中間層と銀薄膜電極との界面にエッチング液が浸透しやすくなり、エッチング液が銀薄膜電極の下部の端面にも浸透しやすくなり、その結果エッチングされた銀薄膜電極の端面の形状がより垂直に近くなるため、電極パターンの形成精度が高くなり、その結果耐久性と視認性も向上したものと推定している。
タッチパネルに具備する透明電極の構成の一例を示す概略断面図 タッチパネルに具備する透明電極の構成の他の一例を示す概略断面図 透明電極に電極パターンをフォトリソグラフィー法で形成する一例を示す工程フロー図 電極パターンを有する透明電極対を具備したタッチパネルの構成の一例を示す斜視図 タッチパネルを構成する2枚の透明電極の一方の一例を示す平面図 タッチパネルを構成する2枚の透明電極の他方の一例を示す平面図 タッチパネルを構成する電極部分の一例を示す平面模式図 タッチパネルの構成を示す概略断面図 タッチパネルの変形例を説明するための断面模式図 タッチパネルの他の一例を説明するための断面模式図
 本発明のタッチパネルの製造方法は、透明電極を具備したタッチパネルの製造方法であって、前記透明電極を、少なくとも下記工程1及び2を経て製造することを特徴とする。
 工程1:透明基板上に、中間層と当該中間層に隣接して銀を主成分とする銀薄膜電極を形成する工程
 工程2:形成した前記銀薄膜電極を、フォトリソグラフィー法により、少なくとも無機化合物の溶剤を含む銀エッチング液を用いて電極パターンを形成する工程
 この特徴は、請求項1から請求項6に係る発明に共通する技術的特徴である。
 本発明の実施態様としては、前記銀エッチング液が、硝酸、シアン化カリウム及びフェリシアン化カリウムから選ばれる少なくとも1種を含有することが、電極パターンの形成精度の観点から好ましい。
 さらに、本発明においては、前記銀薄膜電極上に、更に前記中間層を形成することが好ましい。これにより、電極からの表面反射を軽減し、透明電極の透過率を高くすることができる。この結果タッチパネルの視認性を向上することができる。
 また前記中間層が、銀と親和性の高い化合物を含有することが好ましい。
 さらに前記銀と親和性の高い化合物が、含窒素有機化合物、含硫黄有機化合物及び含ハロゲン有機化合物から選ばれる少なくとも1種であることが銀薄膜電極の均一性の観点から好ましい。また前記銀薄膜電極を蒸着法により形成することが好ましい。
 以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、以下の説明において示す「~」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
 《タッチパネルの構成の概要》
 本発明に係るタッチパネルは、投影型静電容量式のタッチパネルである。後の「タッチパネルの構成」で詳述する図3に示すようにタッチパネル21は、透明基板11の一主面上に、第1の透明電極1-1及び第2の透明電極1-2がこの順に配置され、この上部が前面板13で覆われている。
 《本発明のタッチパネルの製造方法の概要》
 本発明のタッチパネルの製造方法は、透明電極を具備したタッチパネルの製造方法であって、前記透明電極を、少なくとも下記工程1及び2を経て製造することを特徴とする。
 工程1:透明基板上に、中間層と当該中間層に隣接して銀を主成分とする銀薄膜電極を形成する工程
 工程2:形成した前記銀薄膜電極を、フォトリソグラフィー法により、少なくとも無機化合物の溶剤を含む銀エッチング液を用いて電極パターンを形成する工程
 以下において、各工程の構成要素について詳細な説明をする。
 《透明電極の作製方法》
 本発明に係る透明電極は、透明基板上に、中間層と当該中間層に隣接して銀を主成分とする銀薄膜電極を、フォトリソグラフィー法により、少なくとも無機化合物の溶剤を含む銀エッチング液を用いて電極パターンを形成して作製することを特徴とする。
 [透明電極の概略構成]
 図1は、タッチパネルに具備する透明電極1の構成の一例を示す概略断面図である。
 図1Aに示す透明電極1は透明基板11上に中間層3に隣接して銀薄膜電極5を有している。銀薄膜電極5は銀を主成分として構成されている層である。中間層3は銀と親和性の高い化合物を含有していることが好ましい。
 なお、本願において、「銀を主成分とする」とは、銀薄膜電極5を構成する成分のうち、銀の構成比率が50%を越えることをいう。本発明に係る銀薄膜電極5は、銀を主成分とし、その構成比率は、60質量%以上であることが好ましい。より好ましくは、80質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは98質量%以上である。
 また、本発明の透明電極1でいう透明とは、波長550nmにて測定した光透過率が50%以上であることをいう。
 また、透明電極1の層構成としては、図1Bに示すように、透明基板11上に、中間層3A及び銀薄膜電極5を有し、更に銀薄膜電極5上に、第2の中間層3Bを積層し、中間層3Aと中間層3Bとで銀薄膜電極5を挟持する層構成であることも、好ましい態様の一つである。
 次に、このような積層構造の透明電極1を保持するのに用いられる透明基板11と、透明電極1を構成する中間層及び銀薄膜電極について、更に詳細な構成要件について説明する。
 [透明電極の構成要素]
 〔透明基板〕
 本発明の透明電極1を保持するのに用いられる透明基板11は、波長550nmにて測定した光透過率が60%以上の基板をいう。この様な透明基板として例えば、ガラス、プラスチック等を挙げることができるが、これらに限定されない。好ましく用いることのできる透明基板11としては、ガラス、石英、樹脂フィルムを挙げることができる。
 ガラスとしては、例えば、シリカガラス、ソーダ石灰シリカガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。これらのガラス材料の表面には、中間層との密着性、耐久性、平滑性の観点から、必要に応じて、研磨等の物理的処理が施されていても良いし、無機物又は有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成されている構成であっても良い。
 樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル又はポリアリレート類、アートン(商品名;JSR社製)又はアペル(商品名;三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
 上記樹脂フィルムの表面には、無機物又は有機物からなる被膜(バリア膜ともいう)や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成されている構成であっても良い。このような被膜及びハイブリッド被膜は、JIS-K-7129-1992に準拠した方法で測定される水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度90±2%RH)が0.01g/(m・24時間)以下のバリア性フィルムであることが好ましい。更には、JIS-K-7126-1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10-3cm/(m・24時間・atm)以下、%水蒸気透過度が1×10-5g/(m・24時間)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
 〔中間層〕
 中間層は、銀薄膜電極と隣接する層であり、銀と親和性の高い化合物を含有することが好ましい。銀と親和性のある化合物を含有させることにより、銀薄膜電極を薄くかつ均一にすることが容易になる。銀と親和性の高い化合物としては、含窒素有機化合物、含硫黄有機化合物、含ハロゲン有機化合物、有機配位子を有する有機化合物などを好ましく用いることができる。より好ましくは、銀と親和性の高い化合物が、含窒素有機化合物、含硫黄有機化合物及び含ハロゲン有機化合物から選ばれる少なくとも1種である。
 本発明の透明電極は、中間層の上部に、銀を主成分として含有している銀薄膜電極が設けられており、かつ当該中間層には、銀原子と親和性の高い化合物(以下において、「銀親和性化合物」という。)が含有されているという構成が好ましい。
 これにより、中間層の上部に銀薄膜電極を成膜する際には、銀薄膜電極を構成する銀原子が、中間層に含有されている銀親和性化合物と相互作用し、当該中間層表面上での銀原子の拡散距離が減少し、特異箇所での銀の凝集が抑えられる。
 すなわち、銀原子は、まず銀原子と親和性のある原子を有する化合物を含有する中間層表面上で2次元的な核を形成し、それを中心に2次元の単結晶層を形成するという層状成長型(Frank-van der Merwe:FM型)の膜成長によって成膜されるようになる。
 なお、一般的には、中間層表面において付着した銀原子が表面を拡散しながら結合し3次元的な核を形成し、3次元的な島状に成長するという島状成長型(Volumer-Weber:VW型)での膜成長により島状に成膜しやすいと考えられるが、本発明では、中間層に含有されている銀親和性化合物により、このような様式の島状成長が防止され、層状成長が促進されると推察される。
 したがって、薄い厚さでありながらも、均一な厚さの銀薄膜電極が得られるようになる。この結果、より薄い膜厚として光透過率を保ちつつも、導電性が確保された透明電極とすることができる。
 このような中間層3が基材11上に製膜されたものである場合、その製膜方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法などのウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法(エレクトロンビーム法)など)、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスを用いる方法などが挙げられる。中でも蒸着法が好ましく適用される。
 また、本発明においては、前記銀薄膜電極上に、更に前記中間層を形成することが好ましい。これにより、電極からの表面反射を軽減し、透明電極の透過率を高くすることができる。この結果タッチパネルの視認性を向上することができる。
 (含窒素有機化合物)
 含窒素有機化合物としては、非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物が好ましく、更には、1分子中の当該窒素原子の比率が高いものが好ましい。
 更に、含窒素有機化合物として、窒素原子を含む芳香族複素環を用いることが好ましく、例えば、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、アザジベンゾフラン、アザジベンゾチオフェン、アザカルバゾール(カルバゾールの炭素原子が一つ以上窒素原子に置き換わったもの)、ベンズイミダゾール、フェナントロリン等が挙げられる。
 本発明に係る窒素原子を有する化合物の具体例としては、下記一般式(1A)で表される芳香族複素環化合物を挙げることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000001
 上記一般式(1A)において、E101~E108は、各々C(R12)又は窒素原子を表し、E101~E108のうち少なくとも一つは窒素原子である。また、一般式(1A)におけるR11、及び上記R12は、各々水素原子又は置換基を表す。
 この置換基の例としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基、ホスホノ基等が挙げられる。
 これらの置換基の一部は、上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
 そのほか、アミン化合物や非芳香族複素環を用いてもよい。なお、本発明においては、上記で説明した化合物に限定されるものではない。
 (含硫黄有機化合物)
 本発明の硫黄原子を含有する有機化合物としては、分子内にスルフィド結合(チオエーテル結合ともいう。)、ジスルフィド結合、メルカプト基、スルホン基、チオカルボニル結合等を有していればよく、特に、スルフィド結合、メルカプト基であることが好ましい。
 具体的には、下記一般式(1)~一般式(4)で表される含硫黄化合物を挙げることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 上記一般式(1)において、R及びRは、各々置換基を表す。
 R及びRで表される置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、リン酸エステル基、亜リン酸エステル基、ホスホノ基等が挙げられる。
 上記一般式(2)において、R及びRは、置換基を表す。
 R及びRで表される置換基としては、R及びRと同様の置換基が挙げられる。
 上記一般式(3)において、Rは、置換基を表す。
 Rで表される置換基としては、R及びRと同様の置換基が挙げられる。
 上記一般式(4)において、Rは、置換基を表す。
 Rで表される置換基としては、R及びRと同様の置換基が挙げられる。
 そのほか、含窒素非芳香族環を用いてもよい。また、1分子中の硫黄原子の比率が高い化合物がより好ましい。なお、本発明においては、上記で説明した化合物に限定されるものではない。
 (含ハロゲン有機化合物)
 本発明に係るハロゲン原子を有する有機化合物としては、少なくとも、ハロゲン原子と炭素原子とを含む化合物であり、その構造に特に制限はないが、下記一般式(A)で表されるハロゲン化アリール化合物が好ましい。
 以下、本発明に好適に用いることができる一般式(A)で表されるハロゲン化アリール化合物について説明する。
 一般式(A)
   R-Ar-〔(L)-X〕
 上記一般式(A)において、Arは芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基を表す。Xはハロゲン原子を表し、mは1~5の整数である。Lは2価の連結基を表し、nは0又は1を表す。Rは、水素原子又は置環基を表す。
 一般式(A)において、Arで表される芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、あるいはアリール基等ともいう。)としては、例えば、フェニル基、p-クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等を挙げることができる。
 また、Arで表される芳香族複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4-トリアゾール-1-イル基、1,2,3-トリアゾール-1-イル基等を挙げることができる。
 本発明においては、Arとしては、芳香族炭化水素基であることが好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
 Rで表される置換基としては、前記一般式(1)におけるR及びRと同様な基を挙げることができる。
 Xで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができるが、その中でも、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましく、更に好ましくは、臭素原子又はヨウ素原子である。更に好ましくは1分子中におけるハロゲン原子の比率が高い化合物が好ましい。
 mは1~5の整数を表すが、好ましくは1又は2である。
 また、上記各有機化合物は、対称軸や対称点を有していても、有していなくてもよいが、好ましくは対称軸や対称点を有していていない有機化合物である。
 上記説明した含窒素有機化合物、含硫黄有機化合物及び含ハロゲン有機化合物の詳細な内容、例示化合物、合成方法等については、例えば、国際公開第2013/073356号、国際公開第2013/099867号、国際公開第2013/105569号、国際公開第2013/122150号、国際公開第2013/122131号、国際公開第2013/137234号、国際公開第2013/141057号、国際公開第2013/141097号、国際公開第2013/161639号、国際公開第2013/161602号、国際公開第2013/161603号、国際公開第2013/161750号、国際公開第2013/162004号、特開2013-157089号公報、特開2013-229218号公報等に記載の内容を参照することができる。
 (銀含有化合物)
 また、本発明に係る中間層においては、銀原子を有する有機化合物も用いることができる。
 本発明に適用可能な銀原子を有する有機化合物としては、その構造に特に制限はないが、下記一般式(5)で表される化合物が好ましい。
 以下、本発明に好適に用いることができる一般式(5)で表される銀化合物について説明する。
 一般式(5) Ag-Y(-R)
 上記一般式(5)において、Yは一価の銀と塩を形成する基を表し、Rは、有機の置換基を表す。nは0又は1を表す。
 一般式(5)において、Yで表される基としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、イオウ原子又はOC(=O)が好ましい。Rが表す有機の置換基は、他の銀原子と結合していてもよい。
 Yが、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す場合は、nは0であり、Yが、イオウ原子又はOC(=O)を表す場合は、nは1である。
 Rで表される有機の置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルキニル基、芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基、非芳香族複素環基等が挙げられる。
 Rで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、ヘンエイコシル基、ドコシル基、トリコシル基等を挙げることができる。
 Rで表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
 Rで表されるアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロパルギル基、ブチニル基等を挙げることができる。
 Rで表される芳香族炭化水素環基(アリール基、あるいは芳香族炭化水素基等ともいう。)としては、例えば、フェニル基、p-クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等を挙げることができる。
 Rで表される芳香族複素環基としては、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4-トリアゾール-1-イル基、1,2,3-トリアゾール-1-イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(前記カルボリニル基のカルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等を挙げることができる。
 Rで表される非芳香族複素環基としては、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等を挙げることができる。
 上記アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキレン基、アリーレン基及びヘテロアリーレン基は更に置換基により置換されていてもよい。当該置換基としては、上記アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基等が挙げられる。
 以下に、本発明に適用可能な一般式(5)で表される銀原子を含有する有機化合物の具体的化合物例を示すが、本発明はこれら例示する化合物に限定されるものではない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 本発明に係る一般式(5)で表される銀化合物は、従来公知の合成方法に準じて、容易に合成することができる。
 〔銀薄膜電極〕
 本発明に係る銀薄膜電極5は、銀を主成分として構成されている層であって、中間層3に隣接して形成される。ただし、本発明でいう銀薄膜電極5とは、均一の銀原子により構成されている薄膜電極であり、繊維状の銀ナノワイヤーが分散独立して形成しているような構成の銀電極は除く。銀薄膜電極5は、銀単独で形成する、あるいは銀(Ag)を含有する合金から構成されていてもよい。そのような合金としては、例えば、銀・マグネシウム(Ag・Mg)、銀・銅(Ag・Cu)、銀・パラジウム(Ag・Pd)、銀・パラジウム・銅(Ag・Pd・Cu)、銀・インジウム(Ag・In)などが挙げられる。
 本発明に係る銀薄膜電極5においては、銀を主成分として構成されている層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であっても良い。
  本発明に係る銀薄膜電極5において、薄膜とは電極の厚さが5~20nmの範囲内にあることをいい、更に好ましくは5~10nmの範囲内である。
 更に、銀薄膜電極5の層厚は、5~20nmが好ましく、5~12nmが更に好ましく、5~8nmの範囲にあることが最も好ましい。層厚が20nmより薄いと層の吸収成分又は反射成分が少なくなり、透明電極の透過率が向上するためより好ましい。また、層厚が5nmより厚いと層の導電性が十分になるため好ましい。
 [電極パターンを有する透明電極の形成方法]
 本発明のタッチパネルの製造方法においては、透明基板上に、中間層と当該中間層に隣接して銀を主成分とする銀薄膜電極を形成する工程(工程1)と形成した前記銀薄膜電極を、フォトリソグラフィー法により、少なくとも無機化合物の溶剤を含む銀エッチング液を用いて電極パターンを形成する工程(工程2)を経てタッチパネルを製造する。
 [銀薄膜電極を形成する工程]
 本発明に係る銀薄膜電極の形成方法としては、公知の方法が挙げられる。例えば、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法などのウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法など)、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスを用いる方法などが挙げられる。上記製膜方法の中でも、蒸着法が好ましく適用される。
 [電極パターンを形成する工程]
 (フォトリソグラフィー法)
 本発明では、銀薄膜電極をフォトリソグラフィー法により、エッチング加工することで、所望のパターンの電極を形成することができる。
 本発明に係るフォトリソグラフィー法とは、レジスト塗布、(予備加熱、)露光、現像、リンス、(前処理)、エッチング、レジスト剥離の各工程を経ることにより、銀薄膜電極を所望のパターンに加工する手法である。本発明では、従来公知の一般的なフォトリソグラフィー法を適宜利用することができる。例えば、レジストとしてはポジ型又はネガ型のいずれのレジストでも使用可能である。また、レジスト塗布後、必要に応じて予備加熱又はプリベークを実施することができる。露光に際しては、所期のパターンを有するパターンマスクを配置し、その上から、用いたレジストに適合する波長の光、一般には紫外線、を照射すればよい。露光後、用いたレジストに適合する現像液で現像を行うことができる。現像後、水等のリンス液で現像を止めるとともに洗浄を行うことで、レジストパターンが形成される。
 次いで、形成されたレジストパターンを、必要に応じて前処理又はポストベークを実施してから、エッチングで彫り込むことができる。エッチング後、残留するレジストを剥離することによって、所望のパターンを有する銀薄膜電極が得られる。このように、本発明に適用されるフォトリソグラフィー法は、当業者に一般に認識されている方法であり、その具体的な適用態様は当業者であれば所期の目的に応じて容易に選定することができる。
 図2は透明電極に電極パターンをフォトリソグラフィー法で形成する一例を示す工程フロー図である。
 透明基板11に中間層3と銀薄膜電極5を備えた透明電極(図2a)の上面に感光性レジスト膜6を形成し(図2b)、パターンマスク7の上から光源8で露光を行う(図2c)。感光性レジスト膜6にポジ型感光性レジストを用いる場合、パターンマスク7は銀薄膜電極5から所望のパターンを形成する部分を遮光し、それ以外の部分を露光するように開口部を形成する。ポジ型感光性レジストの市販品として、例えば東京応化工業製OFPR-5000を用いることができる。
 次に(図2d)に示すように、アルカリ水溶液からなる現像液(レジスト現像液)を用いてレジスト現像を行い、露光した感光性レジスト膜6Aを除去する。現像液としては、一例としてTMAH(テトラメチルアンモニウムハイドライド)の2.38質量%水溶液を用いることができる。この場合、現像条件としては、常温(23~30℃程度)、現像時間1分程度とするのが目安である。
 その後、銀エッチング液9を用いて銀薄膜電極のパターニングを行う(図2e)。次に(図2f)に示すように、感光性レジスト膜6を剥離する。以上で電極パターンを形成する。
 (銀エッチング液)
 銀エッチング液は、所望の電極パターンを得るために、不要な銀を除去するために用いる。銀層が溶解除去できる少なくとも無機化合物の溶剤を含む銀エッチング液であれば、銀エッチング液の組成に特に制限はない。
 銀を酸化溶解させて除去することが好ましい。酸化と溶解を2段階で処理してもよいが、簡便さ等から1液の漂白定着液で処理することができる。
 溶液は水溶液であることが好ましいが、下記に記載される漂白剤や定着剤等を溶解することができれば、エタノール等の有機溶媒と水との混合液でもよい。
 漂白定着液において用いられる漂白剤としては、公知の漂白剤も用いることができ、特に鉄(III)の有機錯塩(例えばアミノポリカルボン酸類の錯塩)、又はクエン酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸、過硫酸塩、過酸化水素等が好ましい。
 これらのうち、鉄(III)の有機錯塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から特に好ましい。鉄(III)の有機錯塩を形成するために有用なアミノポリカルボン酸、又はそれらの塩を列挙すると、生分解性のあるエチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N-(2-カルボキシラートエチル)-L-アスパラギン酸、ベーターアラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸をはじめ、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3-ジアミノプロパン四酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸等のほか、欧州特許0789275号公報の一般式(I)又は(II)で表される化合物を挙げることができる。
 これらの化合物はナトリウム、カリウム、チリウム又はアンモニウム塩のいずれでもよい。これらの化合物の中で、エチレンジアミンジコハク酸(SS体)、N-(2-カルボキシラートエチル)-L-アスパラギン酸、β-アラニンジ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、1,3-ジアミノプロパン四酢酸、メチルイミノ二酢酸はその鉄(III)錯塩が好ましい。これらの第二鉄イオン錯塩は錯塩の形で使用してもよいし、第二鉄塩、例えば硫酸第二鉄、塩化第二鉄、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄アンモニウム、リン酸第二鉄等とアミノポリカルボン酸等のキレート剤とを用いて溶液中で第二鉄イオン錯塩を形成させてもよい。また、キレート剤を、第二鉄イオン錯塩を形成する以上に過剰に用いてもよい。鉄錯体の中でもアミノポリカルボン酸鉄錯体が好ましい。
 漂白定着液に使用される定着剤は、公知の定着剤、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム等のチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム等のチオシアン酸塩、エチレンビスチオグリコール酸、3,6-ジチア-1,8-オクタンジオール等のチオエーテル化合物及びチオ尿素類等の水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上混合して使用することができる。また、特開昭55-155354号公報に記載された定着剤と多量のヨウ化カリウムのようなハロゲン化物等の組み合わせからなる特殊な漂白定着剤等も用いることができる。本発明においては、チオ硫酸塩特にチオ硫酸アンモニウム塩の使用が好ましい。1リットル当たりの定着剤の量は、0.3~2モルが好ましく、さらに好ましくは0.5~1.0モルの範囲である。
 エッチング形状はエッチングムラがなく、エッチングされた銀薄膜電極のパターンの形成精度が高いことが好ましい。このためにはエッチングレートが高すぎないほうがよく、上記エッチング液は、適宜濃度やpHを調整して用いることが好ましい。本発明においては、銀層の厚さが5~20μm程度であるので、エッチングレートが比較的低いものでも用いることができる。
 本発明においては、内田裕久、内田晴久「組織学とエッチングマニュアル」、日刊工業新聞社、1977年、p.71-72に記載の腐食液をエッチング液として好ましく用いることができる。
 例えば、96%エタノールと65%硝酸水溶液の7:3混合物、シアン化カリウム5~10gの100ml水溶液、10%水酸化ナトリウムと30%フェリシアン化カリウム水溶液の1:1混合物が好ましい。硫酸と酸化クロム(VI)の混合水溶液、ペルオキソ硫酸アンモニウムとシアン化カリウムの混合水溶液、アンモニアと過酸化水素の混合水溶液、塩化鉄(III)水溶液、水酸化ナトリウムとフェリシアン化カリウムの混合水溶液、二クロム酸カリウムと硫酸の混合水溶液、二クロム酸カリウムと硫酸とフッ化ナトリウムとの混合水溶液等を挙げることができる。
 これらのエッチング液も適宜濃度とエッチング液時間を調整して用いることが好ましい。エッチング処理の温度及び時間に特に限定はないが、温度5~60℃、時間は10秒~60分とすることができる。
 《タッチパネルの構成》
 次いで、本発明のタッチパネルの製造方法により作製されるタッチパネルの構成について、代表的な実施形態の詳細について説明する。
 〔実施形態1:透明基板上に2層の透明電極を設けた構成〕
 図3は、上述したタッチパネル用の透明電極を用いたタッチパネル21の概略構成を示す斜視図である。また、図4は、タッチパネル21の電極構成を示す2枚の透明電極1-1(図4A)及び1-2(図4B)の平面図である。
 これらの図に示すタッチパネル21は、投影型静電容量式のタッチパネルである。このタッチパネル21は、透明基板11の一主面上に、第1の透明電極1-1及び第2の透明電極1-2がこの順に配置され、この上部が前面板13で覆われている。
 第1の透明電極1-1及び第2の透明電極1-2は、それぞれが、図1及び図2を用いて説明したタッチパネル用の電極パターンが形成された透明電極1である。したがって、第1の透明電極1-1は、第1の中間層3-1と第1の銀薄膜電極5-1とがこの順に積層された構成である。同様に第2の透明電極1-2は、第2の中間層3-2と第2の銀薄膜電極5-2とがこの順に積層された構成である。
 以下、タッチパネル21を構成する主要各層の詳細を、透明基板11側から順に説明する。なお、ここでは、図3及び図4とともに、図5の電極部分の平面模式図及び、そのA-A断面に相当する図6の断面模式図を用いて説明を行う。また、図1及び図2で説明したと同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
 (透明基板11)
 図3及び図5に示す透明基板11は、先のタッチパネル用の透明電極1で説明した透明基板11である。
 (第1の中間層3-1(第1の透明電極1-1))
 第1の中間層3-1は、先のタッチパネル用の透明電極1で説明した中間層3であり、透明基板11上に成膜されている。ここでは一例として、第1の中間層3-1は、透明基板11の全面にパターニングされている。
 (第1の銀薄膜電極5-1(第1の透明電極1-1))
 第1の銀薄膜電極5-1は、先のタッチパネル用の透明電極で説明した銀薄膜電極5であり、第1の中間層3-1上においてパターニングされた複数のx電極パターン5x1、5x2、等々として構成されている。各x電極パターン5x1、5x2、等々は、それぞれがx方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各x電極パターン5x1、5x2、等々は、例えば、x方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近において、x方向に直線状に連結した形状であることとする。
 また、各x電極パターン5x1、5x2、等々には、それぞれの端部にx配線17xが接続されている。これらのx配線17xは、透明基板11上における周縁領域において配線され、透明基板11の端縁に引き出されている。このような各x配線17xは、x電極パターン5x1、5x2、等々と同様に、銀を主成分とする第1の銀薄膜電極5-1として構成されたものである。
 (第2の中間層3-2(第2の透明電極1-2))
 第2の中間層3-2は、先のタッチパネル用の透明電極1で説明した中間層3であり、第1の透明電極1-1の上に成膜されている。
 (第2の電極層5-2(第2の透明電極1-2))
 第2の電極層5-2は、先のタッチパネル用の透明電極1で説明した銀薄膜電極5であり、第2の中間層3-2上においてパターニングされた複数のy電極パターン5y1、5y2、等々として構成されている。各y電極パターン5y1、5y2、等々は、それぞれがx電極パターン5x1、5x2、等々と直交するy方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各y電極パターン5y1、5y2、等々は、例えば、y方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近においてy方向に直線状に連結した形状であることとする。
 ここで、図5に示すように、各y電極パターン5y1、5y2、等々を構成するひし形のパターン部分は、x電極パターン5x1、5x2、等々を形成するひし形のパターン部分に対して平面視的に重なることのない位置に配置され、重なることのない範囲でできるだけ大きな範囲を占める形状となっている。これにより、透明基板11の中央部の領域においては、第1の電極層5-1で構成されたx電極パターン5x1、5x2、等々、及び第2の電極層5-2で構成されたy電極パターン5y1、5y2、等々が視認され難い構成となっている。
 各y電極パターン5y1、5y2、等々は、ひし形の電極パターンの連結部分においてのみ、各x電極パターン5x1、5x2、等々と積層される。これらの積層部分には、第2の中間層3-2が挟持され、これによってx電極パターン5x1、5x2、等々とy電極パターン5y1、5y2、等々との絶縁性が確保された状態となっている。
 また、各y電極パターン5y1、5y2、等々には、それぞれの端部にy配線17yが接続されている。これらのy配線17yは、透明基板11上における周縁領域において配線され、x配線17xと並ぶように透明基板11の端縁に引き出されている。このような各y配線17yは、y電極パターン5y1、5y2、等々と同様に、銀を主成分とする第2の銀薄膜電極5-2として構成されたものである。
 なお、透明基板11の端縁に引き出されたx配線17x及びy配線17yには、フレキシブルプリント基板などが接続される構成となっている。
 (前面板13)
 図3及び図6に図示した前面板13は、タッチパネル21において入力位置に対応する部分が押圧される板材である。このような前面板13は、光透過性を有する板材であって、透明基板11と同様のものが用いられる。またこの前面板13は、必要に応じた光学特性を備えた材料を選択して用いても良い。このような前面板13は、例えば接着剤15に(図6参照。)よって第2の透明電極1-2側に張り合わせられていることとする。この接着剤15は、光透過性を有するものであれば、特に材料が限定されることはない。
 またこの前面板13には、透明基板11の周縁を覆う遮光膜が設けられ、x電極パターン5x1、5x2、等々から引き出されたx配線17x、及びy電極パターン5y1、5y2、等々から引き出されたy配線17yが、前面板13側から視認されることを防止している。
 (タッチパネルの動作)
 以上のようなタッチパネル21を動作させる場合、x配線17x及びy配線17yに接続させたフレキシブルプリント基板などから、x電極パターン5x1、5x2、等々及びy電極パターン5y1、5y2、等々対して電圧を印加しておく。この状態で、前面板13の表面に指又はタッチペンが触れると、タッチパネル21内に存在する各部の容量が変化し、x電極パターン5x1、5x2、等々及びy電極パターン5y1、5y2、等々の電圧の変化となって現れる。この変化は、指又はタッチペンが触れた位置からの距離によって異なり、指又はタッチペンが触れた位置で最も大きくなる。このため、電圧の変化が最大となる、x電極パターン5x1、5x2、等々及びy電極パターン5y1、5y2、等々でアドレスされた位置が、指又はタッチペンが触れた位置として検出される。
 (タッチパネル21の効果)
 以上のようなタッチパネル21は、2層の透明電極1-1及び1-2として、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用の透明電極を用いている。これにより、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、タッチパネル用の透明電極を大型化した際の電圧降下を抑えることができ、タッチパネル21の大型化をすることが可能となる。
 特に、このタッチパネル21は、x電極パターン5x1、5x2、等々及びこれに直交して配置された電極パターン5y1、5y2、等々を有する投影型静電容量式である。このため、x電極パターン5x1、5x2、等々及びy電極パターン5y1、5y2、等々には、高い導電性が要求される。しかしながら、これらのx電極パターン5x1、5x2、等々及びy電極パターン5y1、5y2、等々は、先に説明したタッチパネル用透明電極の銀薄膜電極5であるため、導電性を維持しつつ薄膜化が可能である。したがって、x電極パターン5x1、5x2、等々及びy電極パターン5y1、5y2、等々自体が視認され難くなり、タッチパネル21を介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
 〔実施形態2:2枚の透明基板を用いた構成〕
 図7は、実施形態のタッチパネルの変形例を説明するための断面模式図であり、図5に示したA-A断面に相当する図である。この図に示すタッチパネル21aは、2枚の透明基板11-1及び11-2の一主面上に、第1の透明電極1-1及び第2の透明電極1-2を設けた構成であり、それ以外の構成は先に説明した実施形態1と同様である。このため、先の実施形態1のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
 すなわち、図7に示す変形例1のタッチパネル21aは、第1の透明電極1-1が設けられた第1の透明基板11-1と、第2の透明電極1-2が設けられた第2の透明基板11-2とを有する。これらの透明基板11-1及び11-2は、透明電極1-1及び1-2の形成面を同一方向に向け、第1の透明基板11-1における第1の透明電極1-1の形成面上に、第2の透明基板11-2が位置するように重ねて配置されている。
 第1の透明基板11-1及び第2の透明基板11-2は、先のタッチパネル用の透明電極で説明したと同様の透明基板11である。また、第1の透明電極1-1及び第2の透明電極1-2は、それぞれが先の実施形態1と同様の構成であり、それぞれが透明基板11-1及び11-2上に、中間層3-1及び3-2と、銀薄膜電極5-1及び5-2をこの順に積層した構成となっている。
 さらに各銀薄膜電極5-1及び5-2の構成も、先の実施形態1と同様であり、第1の電極層5-1で構成されたx電極パターン5x1、5x2、等々、及び第2の電極層5-2で構成されたy電極パターン5y1、5y2、等々が視認され難いパターン構成及び配置構成となっている。ただし、第1の電極層5-1と第2の電極層5-2との間は、第2の透明基板11-2と第2の中間層3-2とによって絶縁性が確保された状態となっている。
 また、積層された第1の透明基板11-1と第2の透明基板11-2との間は、ここでの図示を省略した接着剤によって貼り合せられていることとし、この接着剤によっても、第1の電極層5-1と第2の電極層5-2とが絶縁される。
 以上のようなタッチパネル21aであっても、先の実施形態1のタッチパネルと同様に動作させることができる。
 (タッチパネル21aの効果)
 図7に示すような構成のタッチパネル21aであっても、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用透明電極を用いたことにより、先に説明した実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル21aを介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
 〔実施形態3:透明基板の両面に1層ずつ透明電極を設けた構成〕
 図8は、実施形態のタッチパネルの他の一例を説明するための断面模式図であり、図5のA-A断面に相当する図である。図8に示すタッチパネル21bは、透明基板11の両面に第1の透明電極1-1及び第2の透明電極1-2を設けた構成であり、それ以外の構成は先の実施形態1及び2と同様である。このため、先の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
 すなわち、実施形態3で示すタッチパネル21bは、一枚の透明基板11と、透明基板11の一主面側に設けられた第1の透明電極1-1と、透明基板11の他主面側に設けられた第2の透明電極1-2とを有する。このうち第1の透明電極1-1は、中間層3-1及び銀薄膜電極5-1がこの順に透明基板11の一主面上に積層された構成である。一方、第2の透明電極1-2は、中間層3-2及び銀薄膜電極5-2がこの順に透明基板11の他主面上に積層された構成である。
 透明基板11は、先のタッチパネル用の透明電極で説明したと同様のものである。また第1の透明電極1-1及び第2の透明電極1-2を構成する上記の各層は、先の実施形態と同様のものである。
 さらに各電極層5-1及び5-2の構成も、先の実施形態と同様であり、第1の電極層5-1で構成されたx電極パターン5x1、5x2、等々及び第2の電極層5-2で構成されたy電極パターン5y1、5y2、等々が視認され難いパターン構成及び配置構成となっている。ただし、第1の電極層5-1と第2の電極層5-2との間は、第1の中間層3-1、透明基板11、及び第2の中間層3-2によって絶縁性が確保された状態となっている。
 以上のようなタッチパネル21bであっても、先の実施形態のタッチパネルと同様に動作させることができる。
 (タッチパネル21bの効果)
 このような変形例2のタッチパネル21bあっても、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用透明電極を用いたことにより、先に説明した実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル21bを介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
 これらの態様のタッチパネルのなかでも図7で示されるタッチパネルが特に好ましい。
 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
 [実施例1]
 ≪タッチパネル用透明電極の作製≫
 ここでは、試料1~24の各タッチパネル用透明電極(以下、透明電極と称する)を、面積が5cm×5cmとなるように透明基板上に作製した。透明基板としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)基板を用意した。下記表1には、試料1~24の各透明電極における各層の構成を示した。以下に、試料1~24の各透明電極の作製手順を説明する。
 <試料1の透明電極の作製>
 透明基板としてポリエチレンテレフタレートを用い、この一主面上に、銀ナノワイヤーを用いた電極をインクジェット法によって形成した。これにより銀ナノワイヤーを用いた電極のみの単層構造の透明電極を作製した。
 15cP(15mPa・s)に粘度調整した下記銀ナノワイヤー分散液をインクジェットプリンターMJ-800C(セイコーエプソン社製)に装着し、コロナ放電処理を施した厚さ100μmの平滑加工済みポリエチレンテレフタレートフィルム支持体上に1.0mm幅のストライプ状パターンを形成した。なお、その後乾燥処理した後の厚さが、100nmとなるように銀ナノワイヤー分散液の印刷回数を調整した。
 〔銀ナノワイヤー分散液の調製〕
 Adv.Mater.,2002,14,833~837に記載の方法を参考に、ポリビニルピロリドン K30(分子量5万;ISP社製)を用いて、平均短径85nm、平均長さ7.4μmの銀ナノワイヤーを調製し、限外濾過膜を用いて銀ナノワイヤーを濾別、水洗処理した後、水中に再分散し、水溶性バインダーとしてグリセリンを銀に対し25質量%加えて、銀ナノワイヤー分散液を調製した。
 <試料2透明電極の作製>
 透明基板として100μmの厚さのポリエチレンテレフタレート(A4300 コスモシャイン社製)を用い、この透明基板の一主面上に、銀(Ag)からなる銀薄膜電極(厚さ12nm)を蒸着法によって形成した。これにより、銀薄膜電極を用いた単層構造の透明電極を作製した。この際、市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。またタングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、当該真空槽内に取り付けた。次に、真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1~0.2nm/秒で、銀からなる銀薄膜電極を12nmの厚さで形成した。
 <試料3~12の透明電極の作製>
 試料3~12のそれぞれにおいて、100μmの厚さのポリエチレンテレフタレート(A4300 コスモシャイン社製)の透明基板11の一主面上に、下記表1に示した各化合物を用いた中間層3を下記表1に示した各厚さで蒸着法によって形成して、これを1層目とした。これに続けて銀(Ag)からなる銀薄膜電極5を2層目として、下記表1に示した各厚さで蒸着法によって形成した。これにより、中間層3、及び銀薄膜電極5の2層構造の透明電極を作製した。
 このとき、まず透明基板11を市販の電子ビーム蒸着装置の基材ホルダーに固定し、下記表1に示す各化合物をタンタル製抵抗加熱ボートに入れ、真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銀(Ag)を入れ、真空蒸着装置の第2真空槽内に取り付けた。
 続いて、電子ビーム蒸着装置の真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、透明基板を真空のまま真空蒸着装置の第1真空槽に移し、第1真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、各化合物の入った加熱ボートに通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1~0.2nm/秒で透明電極基板上に各厚さの各化合物で構成された中間層3を設けた。
 なお、ここで用いた化合物1~6は以下に示す構造を有するものである。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 次に、中間層3まで成膜した透明基板11を真空のまま第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、銀の入った加熱ボートを通電して加熱した。これにより、蒸着速度0.1~0.2nm/秒で、表1に示した厚さの銀からなる銀薄膜電極5を2層目に形成し、中間層3と銀薄膜電極5との積層構造からなる試料3~12の各透明電極を得た。
 <試料13~24の透明電極の作製>
 2層目まで形成したあと中間層及び銀薄膜電極の上に、さらに3層目として下記表1に示した各化合物を1層目と同様な条件を用いて中間層、銀薄膜電極及び中間層からなる各透明電極を得た。
 <フォトリソグラフィー法による銀エッチング>
 図2で示した各工程により電極パターンをフォトリソグラフィー法で形成した。まず、作製した試料2~24の透明電極の上面にポジ型感光性レジスト膜6としてOFPR5000(東京応化製)を用いパターンマスクを形成し、パターンマスクの上から露光した(図2c)。この際、パターンマスク7は、銀薄膜電極から所望のパターンを形成する部分を遮光し、それ以外の部分を露光するように開口部を形成した。
 次に(図2d)に示すように、アルカリ水溶液からなる現像液(TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドライド)の2.38質量%水溶液を用いる液)を用いてレジスト現像を行い、露光した感光性レジスト膜6Aを除去した。
 その後、下記した銀エッチング液を用いて、エッチングし、銀薄膜電極のパターニングを行った(図2e)。次に(図2f)に示すように、感光性レジスト膜6を剥離し、図4A、及び図4Bで示される電極パターンを形成した。
 以下に、用いたエッチング液の組成と条件を示す。
 (エッチング液A)
 96%エタノール               70ml
 65%硝酸水溶液               30ml
 温度 40℃
 時間 5分
 (エッチング液B)
 シアン化カリウム                 7g
 蒸留水                   100ml
 温度 25℃
 時間 3分
 (エッチング液C)
 10%水酸化ナトリウム水溶液         10ml
 30%フェリシアン化合物カリウム水溶液    10ml
 温度 25℃
 時間 15秒
 <実施例1の各試料の評価>
 上記で作製した試料1~24の各透明電極について、電極パターン、耐久性及び文字の視認性評価を行った。
 (電極パターン)
 上記にて作製された透明電極を常温常湿(23℃50RH%)環境で24時間調湿した後、テスターを用い、各透明電極の通電性を調べた。すなわち図4A、及び図4Bで示される電極パターンの各50枚について、配線の断線と、隣り合う配線の短絡の数の合計を全ての配線について調べた。計100枚の透明電極について、配線の断線と、隣り合う配線の短絡の数の合計数を電極パターンの形状の精度の尺度として評価した。
 上記通電性及び絶縁性の評価を行った透明電極100枚のうち、電極パターンの全てが「合格」であった枚数を計測し、下記の評価基準に則り電極パターンの形成性を評価した。○であれば、電極パターン形成時のエッチングの精度が高いことを表す。
 ○:透明電極100枚全てで、導電性あるいは通電性が確認され、全て合格品で、生産効率(歩留り)に優れている
 △:透明電極100枚のうち、1~3枚の範囲で不合格品が発生し、生産効率(歩留り)が若干低い
 ×:透明電極100枚のうち、4~10枚の範囲で不合格品が発生し、生産効率(歩留り)が悪い
 ××:透明電極100枚のうち、11枚以上で不合格品が発生し、エッチング加工精度が低く、生産効率(歩留り)も極めて悪い
 (耐久性)
 透明導電性シートのサンプル5cm×5cmを、常温常湿(23℃50RH%)環境で24時間調湿した後、三菱化学アナリテック株式会社製ロレスタEP:MCP-T360を用いてJIS-K7194準拠の手法にて表面抵抗(耐久試験前)を測定した(Rs0)。このサンプルを高温低湿環境である80℃の恒温庫内(80℃Dry;非加湿)に移して、耐久試験のため240時間放置した。その後、サンプルを常温常湿環境に戻し、24時間調湿後、同様の手法にて表面抵抗(耐久試験後)を測定した。耐久試験前の表面抵抗に対する耐久試験後の抵抗の増加率を測定し、以下の尺度耐久性を評価した。
 評価結果を表1に示す。
○:耐久試験前に対する耐久試験後のシート抵抗の変化率が、10%未満である。
△:耐久試験前に対する耐久試験後のシート抵抗の変化率が、10%以上、20%未満である。
×:耐久試験前に対する耐久試験後のシート抵抗の変化率が、20%以上である。
 (文字の視認性)
 文字の視認性は、文字を表した画像の上部に透明電極が形成された透明基板を重ね合わせ、これらを介しての文字の見えやすさを5段階評価した。5段階評価は、透明電極の電極面に対する方線方向を0°とし0°と45°の二つの角度から10人の被験者で行い、これを平均して以下の評価尺度で評価した。
5段階評価
5:文字がにじみなく鮮明に見える
4:文字が僅かに滲んで見える
3:文字が滲んでいるが判読できる。
2:文字が滲んで判読し難い
1:文字が滲んで判読できない
評価尺度
◎:評価値が、4.5以上である。
○:評価値が、3.5以上、4.5未満である。
△:評価値が、2.5以上、3.5未満である。
×:評価値が、1.5以上、2.5未満である。
 これらの評価結果を下記表1に合わせて示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000010
 <実施例1の評価結果>
 表1から明らかなように、試料3~12、すなわち中間層3と銀薄膜電極層5とを積層させた透明電極は、実質的な導電性を担う銀を用いた銀薄膜電極が薄膜でありながらも、シート抵抗値の測定が可能であり、単層成長型(Frank-van der Merwe:FM型)の膜成長によってほぼ均一な厚さで形成されていることが確認された。
 これに対して、銀ナノワイヤーを用いた単層構造の試料1は、光散乱のために文字の視認性が極めて低かった。
 さらに試料2の透明電極、すなわち中間層を設けていない銀からなる銀薄膜電極のみの単層構造の透明電極は、シート抵抗の測定が不可能であり、電極として用いることができなかった。
 試料13~24の3層構成の透明電極も良好な結果をあることができた。
 [実施例2]
 ≪タッチパネルの作製≫
 実施例1で作製した試料1~24の各透明電極を2枚重ねて簡易式の各タッチパネルを作製した。
 <実施例2の各試料の評価及び評価結果>
 作製した各タッチパネルについて、実施例1と同様の方法で文字の視認性を評価した。この結果、試料3~24の各透明電極と同程度に、タッチパネル3~24も良好な文字の視認性が得られることを確認した。
 本発明のタッチパネルの製造方法により製造されたタッチパネルは、電極パターンの形成精度が高く、耐久性と視認性に優れている。特に、投影型静電容量方式のように、パネル面の全面にわたって電極が配置される構成のタッチパネルにおいて好ましく適用できる。
 1 タッチパネル用透明電極(透明電極)
 1-1 第1の透明電極
 1-2 第2の透明電極
 3、3A、3B 中間層
 3-1 第1の中間層
 3-2 第2の中間層
 5 電極層
 5-1 第1の電極層
 5-2 第2の電極層
 5x1、5x2 x電極パターン(第1の電極層)
 5y1、5y2 y電極パターン(第2の電極層)
 6 感光性レジスト膜
 7 パターンマスク
 8 光源
 9 銀エッチング液
 11 透明基板
 13 前面板
 15 接着剤
 17、17x、17y 配線
 21、21a、21b タッチパネル

Claims (6)

  1.  透明電極を具備したタッチパネルの製造方法であって、
     前記透明電極を、少なくとも下記工程1及び2を経て製造することを特徴とするタッチパネルの製造方法。
     工程1:透明基板上に、中間層と当該中間層に隣接して銀を主成分とする銀薄膜電極を形成する工程
     工程2:形成した前記銀薄膜電極を、フォトリソグラフィー法により、少なくとも無機化合物の溶剤を含む銀エッチング液を用いて電極パターンを形成する工程
  2.  前記銀エッチング液が、硝酸、シアン化カリウム及びフェリシアン化カリウムから選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルの製造方法。
  3.  前記銀薄膜電極上に、更に前記中間層を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のタッチパネルの製造方法。
  4.  前記中間層が、銀と親和性の高い化合物を含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のタッチパネルの製造方法。
  5.  前記銀と親和性の高い化合物が、含窒素有機化合物、含硫黄有機化合物及び含ハロゲン有機化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項4に記載のタッチパネルの製造方法。
  6.  前記銀薄膜電極を蒸着法により形成することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のタッチパネルの製造方法。
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