JP2015122243A - 透明電極及び電子デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、十分な導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ低シート抵抗値を有し、耐久性(シート抵抗安定性)に優れた透明電極と、当該透明電極を備え、十分な導電性と光透過性を有し、低駆動電圧で、耐久性に優れた電子デバイスを提供することである。【解決手段】本発明の透明電極は、導電性層と、前記導電性層に隣接して設けられる少なくとも1層の中間層と、を備える透明電極において、前記導電性層が、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成され、 前記中間層には、1配位、2配位、3配位及び4配位のいずれかである金属錯体が含有されていることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、透明電極及び電子デバイスに関し、より詳しくは導電性と光透過性とを兼ね備え、更に耐久性に優れた透明電極、及びこの透明電極を具備した電子デバイスに関する。
タッチパネル、液晶表示素子、有機材料のエレクトロルミネッセンス(electroluminescence:以下ELと記す。)を利用した有機EL素子(有機電界発光素子ともいう。)、太陽電池などの電子デバイスに用いられる光取り出し側の電極として、酸化インジウムスズ(SnO−In:Indium Tin Oxide、以下ITOと略記。)等の酸化物半導体系の材料が一般的に用いられている。
ITOと銀とを積層して低抵抗化を狙った材料の検討が、例えば、特開2002−15623号公報、特開2006−164961号公報においてなされている。しかしながら、ITOはレアメタルであるインジウムを使用しているため、材料コストが高く、また抵抗を下げるために成膜後に300℃程度でアニール処理する必要があり、さらに低抵抗値化には限界がある等の問題がある。
そこで、電気伝導率の高い銀(Ag)とマグネシウム(Mg)との合金を用いて薄膜を構成する技術や、インジウムに代えて、安価で入手容易な金属材料を原料として薄膜を構成する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
特許文献1に記載の発明では、電極材料として銀とマグネシウムの合金を用いることにより、銀単独で形成した電極に比べ、薄膜条件で所望の導電性を得ることができ、透過率と導電性の両立を図ることができるとされている。
しかしながら、特許文献1に記載されている方法で得られる電極の抵抗値としては、せいぜい100Ω/□前後で、透明電極の導電性としては不十分であり、加えてマグネシウムは、酸化されやすい特性あるため、高温高湿環境下で長期間にわたり保存した際により性能が劣化し、具体的には透明電極の抵抗値のバラツキ幅が増大しやすいという問題を抱えている。
また、特許文献2においては、インジウム(In)の代わりに、安価で入手が容易な亜鉛(Zn)や錫(Sn)などの金属材料を原料として用いた透明導電膜が開示されている。
しかしながら、これらの代替金属では十分に抵抗値が下がらないこと、加えて、亜鉛を含有したZnO系の透明導電膜は、水と反応して性能が変動しやすくなる特性を有している。また、錫を含有したSnO系の透明導電膜は、エッチングによる加工が困難であるという問題を有していることが判明した。
一方、膜厚が15nm程度の薄膜で、光透過性が高い銀膜を蒸着して陰極として用いた有機エレクトロルミネッセンス素子が開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、特許文献3で提案されている方法では、形成している銀膜は、電極としてはいまだ厚いため、透明電極としての光透過率(透明性)が十分でなく、マイグレーション(原子の移動)を起こしやすい。また、銀膜を更に薄くすると、導電性等を維持することが難しくなり、また高温高湿環境下で長期間にわたり保存した際に、透明電極の抵抗値のバラツキ幅が増大しやすくなり、光透過性と導電性を両立すると共に、高い耐久性能を実現する技術開発が切望されている。
我々は既に、銀薄膜と当該銀薄膜に接する中間層として銀と相互作用の強い有機化合物を用いた透明電極を報告しているが(例えば、特許文献4参照。)、それらはITO電極に対して抵抗値、透過率及び保存性に優れているが、電子デバイス用途としてはさらなる高性能化(導電性及び光透過性等)、高耐久性に優れた透明電極が求められている。
特開2006−344497号公報 特開2007−031786号公報 米国特許出願公開第2011/0260148号明細書 国際公開第2013/105569号
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、十分な導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ低シート抵抗値を有し、耐久性(シート抵抗安定性)に優れた透明電極と、当該透明電極を備え、十分な導電性と光透過性を有し、低駆動電圧で、耐久性に優れた電子デバイスを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、導電性層と、導電性層に隣接して設けられる少なくとも1層の中間層と、を備え、導電性層が、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成され、中間層には、1配位、2配位、3配位及び4配位のいずれかである金属錯体が含有されることで、優れた導電性と光透過率とを両立し、更に耐久性に優れた透明電極を実現できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.導電性層と、前記導電性層に隣接して設けられる少なくとも1層の中間層と、を備える透明電極であって、
前記導電性層が、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成され、
前記中間層には、1配位、2配位、3配位及び4配位のいずれかである金属錯体が含有されていることを特徴とする透明電極。
2.前記金属が、銅であることを特徴とする第1項に記載の透明電極。
3.前記金属錯体が、有機配位子を有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の透明電極。
4.前記金属錯体の分子全体における電荷が、中性であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の透明電極。
5.前記金属錯体が、遷移金属原子を有し、かつ前記金属錯体の配位子中の配位原子が、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子及びカルベン炭素原子のいずれかであることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の透明電極。
6.前記金属錯体が、下記一般式(1)〜(5)のいずれかで表される構造を有する化合物であることを特徴とする第5項に記載の透明電極。
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
一般式(1)〜(5)中、Mは遷移金属原子を表し、多座配位子と共有結合及び配位結合を形成している。多座配位子は、互いに結合して三座配位子又は四座配位子となってもよい。Lは、補助配位子を表し、Mと共有結合又は配位結合を形成している。nは、0〜2の整数を表す。nが1のとき、Lは単座配位子又は多座配位子のいずれであってもよく、nが2のとき、Lは同一であっても異なっていてもよいが、分子全体における電荷は中性である。
7.前記一般式(1)で表される金属錯体が、下記一般式(1−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする第6項に記載の透明電極。
Figure 2015122243
一般式(1−1)中、Mは遷移金属原子を表す。R及びRは、それぞれ独立に、置換基を表す。L及びLは、Mと共有結合又は配位結合を形成している配位子を表し、互いに結合して二座配位子を形成してもよい。
8.前記一般式(2)で表される金属錯体が、下記一般式(2−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする第6項に記載の透明電極。
Figure 2015122243
一般式(2−1)中、Mは遷移金属原子を表す。R及びRは、それぞれ独立に、置換基を表す。R〜R12は、それぞれ独立に、置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。
9.前記一般式(3)で表される金属錯体が、下記一般式(3−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする第6項に記載の透明電極。
Figure 2015122243
一般式(3−1)中、Mは遷移金属原子を表す。X〜Xは、それぞれ独立に、−CR21又は窒素原子を表し、R21は、水素原子又は置換基を表す。R13〜R20は、それぞれ独立に、置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。
10.前記一般式(4)で表される金属錯体が、下記一般式(4−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする第6項に記載の透明電極。
Figure 2015122243
一般式(4−1)中、Mは遷移金属原子を表す。R22〜R25は、それぞれ独立に、置換基を表す。環Aは、窒素原子及び炭素原子とともに形成される五員又は六員の芳香族複素環を表し、更に置換基を有していてもよく、それらの置換基が互いに結合して環を形成してもよい。L及びLは、Mと共有結合又は配位結合を形成している配位子を表し、互いに結合して二座配位子を形成してもよい。
11.前記一般式(5)で表される金属錯体が、下記一般式(5−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする第6項に記載の透明電極。
Figure 2015122243
一般式(5−1)中、Mは遷移金属原子を表す。R26〜R29は、それぞれ独立に、置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。X及びXは、それぞれ独立に、−CR30又は窒素原子を表し、R30は水素原子又は置換基を表す。R31は、水素原子又は置換基を表す。L及びLは、Mと共有結合又は配位結合を形成している配位子を表し、互いに結合して二座配位子を形成してもよい。
12.前記遷移金属原子が、Co(II)、Ni(II)、Cu(II)、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)の中から選ばれるいずれか一種であることを特徴とする第5項から第11項までのいずれか一項に記載の透明電極。
13.前記遷移金属原子が、Cu(II)、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)の中から選ばれるいずれか一種であることを特徴とする第12項に記載の透明電極。
14.前記遷移金属原子が、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)の中から選ばれるいずれか一種であることを特徴とする第13項に記載の透明電極。
15.前記遷移金属原子が、Au(III)であることを特徴とする第14項に記載の透明電極。
16.前記中間層が、前記導電性層側から順に、第1中間層及び第2中間層の2層から構成され、
前記第1中間層が、前記金属錯体を含有する層であり、
前記第2中間層が、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環化合物を含有する層であり、
前記第1中間層の層厚が、0.5〜10nmの範囲内であることを特徴とする第1項から第15項までのいずかれ一項に記載の透明電極。
17.前記導電性層が、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分とし、かつ有機溶媒を含有する導電性インクを用いて、湿式法により形成されたことを特徴とする第1項から第16項までのいずれか一項に記載の透明電極。
18.第1項から第17項までのいずれか一項に記載の透明電極が備えられたことを特徴とする電子デバイス。
本発明の上記手段により、十分な導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ低シート抵抗値を有し、耐久性(シート抵抗安定性)に優れた透明電極、及び当該透明電極を備えた電子デバイスを提供することができる。
本発明の効果の発現機構ないし作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように推察している。
本発明の透明電極は、中間層の上部に、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成されている導電性層が設けられており、かつ中間層には、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体が含有されている、という構成である。
1配位〜4配位までの低配位の金属錯体においては、中心金属の周辺が配位子により混み合っておらず、表出していることが多く、一般的な例として、図1(a)に示すような平面性を有する金属錯体が挙げられる。平面金属錯体では、中心金属の垂直軸方向表面が表出しているため、図1(b)に示すとおり、この空間を配位サイトとして、新たな配位子が中心金属と軸配位し、錯体を形成することが知られている。
一方、五配位以上の配位数を有する金属錯体においては、その中心金属周辺が、複数のあるいは嵩高い配位子により混み入っているため、図1(c)に示すように、分子全体が立体的な構造となり、中心金属表面の表出している部分は少ない。
つまり、1配位〜4配位までの低配位の金属錯体においては、その中心金属周辺に、導電性層の主成分である銅、金、又は白金のいずれかの金属と相互作用が生じるための充分な空間を有している。これにより、中間層の上部に導電性層を成膜する際、導電性層を構成する銅、金、又は白金のいずれかの金属原子が中間層に含有されている該金属錯体の中心金属と相互作用し、中間層表面上での銅、金、又は白金のいずれかの金属原子の拡散距離が減少し、特異箇所での当該金属の凝集を抑制することができたものである。
これに対し、配位数が五配位以上の金属錯体である場合には、銅、金、又は白金のいずれかの金属との相互作用が生じるための空間が少ないため、銅、金、又は白金のいずれかの金属との相互作用が小さくなり、当該金属の凝集を抑制できず、膜質を低下させてしまうものと考えられる。
すなわち、銅、金、又は白金のいずれかの金属は、まず当該金属と親和性のある原子を有する親和性化合物を含有する中間層表面上で2次元的な核を形成し、それを中心に2次元の単結晶層を形成するという層状成長型(Frank−van der Merwe:FM型)の膜成長によって成膜されるようになる。
一般的には、中間層表面において付着した銅、金、又は白金のいずれかの金属が表面を拡散しながら結合して3次元的な核を形成し、3次元的な島状に成長するという島状成長型(Volumer−Weber:VW型)での膜成長により、島状に成膜しやすいと考えられる。
しかし、本発明においては、中間層に含有されている銅、金、又は白金のいずれかの金属との親和性化合物である1配位〜4配位のいずれかである金属錯体により、島状成長が抑制され、層状成長が促進されると推察される。
したがって、薄い層厚でありながらも、均一な層厚の導電性層が得られるようになる。その結果、より薄い層厚として光透過率を保ちつつも、導電性が確保され、更には耐久性にも優れた透明電極とすることができる。
なお、金属錯体の全体構造(配位様式)は、構成している配位子と中心金属の配位数により決定される。したがって、これらの種類や組み合わせを適切に選択することで、銅、金、又は白金のいずれかの金属との相互作用を生じさせるための充分な空間を有する所望の金属錯体を形成することができる。
金属錯体の配位様式を示す模式図 本発明の透明電極の構成の一例を示す概略断面図 本発明の透明電極の別の構成の一例を示す概略断面図 透明電極に電極パターンをフォトリソグラフィー法で形成する一例を示す工程フロー図 電極パターンを有する透明電極対を具備したタッチパネルの構成の一例を示す斜視図 タッチパネルを構成する各透明電極の電極パターンの一例を示す平面図 タッチパネルを構成する電極部分の一例を示す平面模式図 タッチパネルの構成の一例を示す概略断面図 タッチパネルの構成の他の一例を示す概略断面図 タッチパネルの構成の他の一例を示す概略断面図 本発明の透明電極を用いた液晶表示素子の概略断面図
本発明の透明電極は、導電性層と、導電性層に隣接して設けられる少なくとも1層の中間層と、を備え、導電性層が、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成され、中間層には、1配位、2配位、3配位及び4配位のいずれかである金属錯体が含有されていることを特徴とする。この特徴は、請求項1〜18までの請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、前記金属が銅であることが、十分な導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ低シート抵抗値を有し、耐久性(シート抵抗安定性)に優れた透明電極を提供する観点から、好ましい。
また、中間層に含有される金属錯体が、有機配位子を有することが、多様な金属錯体を形成できるという観点から好ましい。
本発明の実施態様としては、中間層に含有される金属錯体の分子全体における電荷が、中性であることが、真空蒸着法による成膜ができるという観点から好ましい。
本発明の実施態様としては、中間層に含有される金属錯体が、遷移金属原子を有する化合物であることが、原子半径が大きく、銅、金、又は白金のいずれかの金属との相互作用が発現しやすい効果が得られることから好ましい。さらには、金属錯体の配位子中の配位原子が、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子及びカルベン炭素原子のいずれかであることがより好ましい。
本発明の実施態様としては、中間層に含有される金属錯体が、一般式(1)〜(5)で表される構造を有する化合物であることが好ましく、更には、一般式(1−1)、(2−1)、(3−1)、(4−1)及び(5−1)で表される構造を有する化合物であることが、配位子自体の平面性が高く、結果として金属錯体全体も平面性の高いものになることから好ましい。
本発明の実施態様としては、平面金属錯体を形成しやすいという観点から、中間層に含有される金属錯体の中心金属である遷移金属原子が、Co(II)、Ni(II)、Cu(II)、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)の中から選ばれるいずれか一種であることが好ましく、中でもCu(II)、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)の中から選ばれるいずれか一種であることがより好ましく、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)の中から選ばれるいずれか一種であることが更に好ましく、Au(III)であることが最も好ましい。
本発明の実施態様としては、中間層が、導電性層側から順に、第1中間層及び第2中間層の2層から構成され、第1中間層が、金属錯体を含有する層であり、第2中間層が、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環化合物を含有する層であり、第1中間層の層厚が、0.5〜10nmの範囲内であることが好ましい。
中間層が、第1中間層及び第2中間層の2層からなる構成の場合、第1中間層の層厚は0.5〜10nmの範囲内と薄いために完全な連続膜となっておらず、導電性層が第2中間層と接している部位が存在し得る。その結果、導電性層の銅、金、又は白金のいずれかの金属が、第2中間層に含有される窒素原子及び第1中間層に含有される金属錯体の中心金属の両者とそれぞれ相互作用し、より当該金属の凝集を抑制するという効果を得ることができる。
本発明の実施態様としては、導電性層が、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分とし、かつ有機溶媒を含有する導電性インクを用いて、湿式法により形成することもできる。
また、本発明の透明電極は、電子デバイスに好適に具備され得る。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
[第1の実施形態]
≪1.透明電極≫
<透明電極の構成>
図2に示すように、透明電極1は、中間層1aと、この中間層1aの上部に導電性層1bとが積層された2層構造であり、例えば、基材11の上部に、中間層1a、導電性層1bの順に設けられている。中間層1aは、1配位〜4配位までのいずれかである金属錯体が含有されて構成されている層であり、導電性層1bは、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成されている層である。導電性層1bの上にさらに中間層1aが積層されていてもよく、導電性層表面を平滑にして、上層との密着性等を向上する観点から好ましい態様である。
なお、導電性層1bの主成分とは、導電性層1bを構成する成分のうち、構成比率が最も高い成分をいう。導電性層1bにおける銅、金、又は白金のいずれかの金属の構成比率としては、60質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることが特に好ましい。
また、透明電極1の透明とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
次に、このような積層構造の透明電極1が設けられる基材11、透明電極1を構成する中間層1a及び導電性層1bの順に、詳細な構成を説明する。
〔基材〕
本発明の透明電極1が形成される基材11としては、例えば、ガラス、プラスチック等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、基材11は、透明であっても不透明であってもよい。本発明の透明電極1が、基材11側から光を取り出す電子デバイスに用いられる場合には、基材11は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な基材11としては、ガラス、石英又は透明樹脂フィルムを挙げることができる。
ガラスとしては、例えば、シリカガラス、ソーダ石灰シリカガラス、鉛ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。これらのガラス材料の表面には、中間層1aとの密着性、耐久性、平滑性の観点から、必要に応じて、研磨等の物理的処理が施されていてもよいし、無機物又は有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成されていてもよい。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類又はそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)あるいはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等が挙げられる。
上記したように、樹脂フィルムの表面には、無機物又は有機物からなる被膜や、これらの被膜を組み合わせたハイブリッド被膜が形成されていてもよい。このような被膜及びハイブリッド被膜は、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度90±2%RH)が0.01g/(m・24h)以下のガスバリアー性フィルム(ガスバリアー膜等ともいう)であることが好ましい。さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が1×10−3ml/(m・24h・atm)以下、及び水蒸気透過度が1×10−5g/(m・24h)以下の高ガスバリアー性フィルムであることが好ましい。
以上のようなガスバリアー性フィルムを形成する材料としては、水分や酸素等の電子デバイスや有機EL素子の劣化をもたらす要因の浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等を用いることができる。さらに、当該ガスバリアー性フィルムの脆弱性を改良するために、これら無機材料からなる層(無機層)と有機材料からなる層(有機層)の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層との積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
ガスバリアー性フィルムの作製方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載の大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。 一方、基材11を不透明な材料で構成する場合には、例えば、アルミニウム、ステンレス等の金属基板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等を用いることができる。
〔中間層〕
本発明に係る中間層1aは、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体を用いて構成された層である。
金属錯体の配位子としては、有機配位子であることが好ましい。
また、金属錯体の分子全体における電荷が、中性であることが好ましい。すなわち、金属錯体が、カウンターアニオン(対イオン)を有さずに、中心金属及び配位子のみからなる構造で、その電荷が中性(電荷量が0)となっていることが好ましい。
本発明に係る金属錯体の配位子としては、複数の配位サイトを持つキレート型配位子であることが好ましい。キレート型配位子は、それ自身が平面性の高い構造を有しており、より容易に平面性を有する金属錯体を形成することができる。また、キレート型配位子は、中心金属に対して複座で配位しているため、結合が強く、安定である。
したがって、より平面性が高く、より安定な金属錯体を形成できる観点から、少なくとも一つのキレート型配位子を用いることが好ましく、キレート型配位子のみ用いることがより好ましい。
キレート型配位子としては、従来公知の中から適宜選択して用いることができるが、中でも、多様な中心金属と錯体を形成できるという観点から、アセチルアセトナート型配位子、サレン型配位子、ポルフィリン型配位子、フタロシアニン型配位子、フェニルピリジン型配位子、フェニルイミダゾール型配位子、フェニルイミダゾールカルベン型配位子であることが好ましい。
一方、中心金属の選択も、平面性の金属錯体を形成するために重要な要素である。
例えば、4配位の金属錯体の場合、正四面体型と平面四角形型の2種類がある。いずれも本発明の効果発現がなされる態様ではあるものの、中心金属周辺がより表出している点で、後者の平面四角形型が好ましいことは明らかである。
このような平面四角形型の金属錯体を形成するには、その中心金属の最外殻のd軌道を満たしている電子の個数(d電子配置という。)や周期数(周期表の横軸)を考慮する必要がある。中心金属が、d、d及びd電子配置のとき、より好ましくはd電子配置のとき、平面四角形型になりやすく、また、高周期遷移金属原子になるほど平面四角形型になりやすい。
上記理由から、平面四角形型で、かつキレート型配位子のみからなる金属錯体を形成し得る中心金属の種類は多くはない。本発明においては、中心金属が、Co(II)、Ni(II)、Cu(II)、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)の中から選択されるいずれ
か一種であることが好ましい。
Co(II)はd電子配置、Ni(II)はd電子配置であり、平面四角形型を形成することがある。
Pd(II)及びPt(II)は、d電子配置であり、かつそれぞれ第5列、第6列周期の高周期遷移金属原子であり、平面四角形型錯体を形成するため、より好ましい。
また、金属錯体の中心金属と後述する導電性層の銅、金、又は白金のいずれかの金属原子との相互作用は、主に金属−金属結合である。異なる金属種同士の親和性を予測する一つの指標に相図があり、合金の実現や特性について予測がなされるが、化学的特性が似ている同族(周期表の縦列)の金属同士は、一般的に親和性が高い。したがって、例えば銅及び金と親和性が高く、金属−金属結合を形成しやすい遷移金属原子は、同じ第11族である銅及び金であると推察される。同様なことは第10族原子である白金についてもいえる。
上記の観点から、Cu(II)は、d電子配置で平面四角形型を形成することがあり、かつ第11族で銅及び金原子との相互作用が強いため、より好ましい。
Au(III)は、d電子配置で、第6列周期の高周期遷移金属原子であるため平面四
角形型錯体を形成し、かつ第11族で銅及び金原子との相互作用が強いため、最も好ましい。
以下、本発明に係る中間層1aに用いられる一般式(1)〜(5)で表される構造を有する金属錯体について説明する。
(一般式(1)〜(5)で表される構造を有する金属錯体)
中間層1aに含有される金属錯体としては、下記一般式(1)〜(5)で表される構造を有する金属錯体であることが好ましい。
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
一般式(1)〜(5)中、Mは遷移金属原子を表し、多座配位子と共有結合及び配位結合を形成している。多座配位子は、互いに結合して三座配位子又は四座配位子となってもよい。Lは補助配位子を表し、Mと共有結合又は配位結合を形成している。nは、0〜2の整数を表す。nが1のとき、Lは単座配位子又は多座配位子のいずれであってもよく、nが2のとき、Lは同一であっても異なっていてもよいが、分子全体の電荷は中性である。
一般式(1)〜(5)において、Mで表される遷移金属原子としては、特に限定されるものではないが、Co(II)、Ni(II)、Cu(II)、Pd(II)、Pt(II)又はAu(III)であることが好ましく、Cu(II)、Pd(II)、Pt(II)又はAu(III)であることがより好ましく、Pd(II)、Pt(II)又はAu(III)であることが更に
好ましく、Au(III)であることが最も好ましい。
上記一般式(1)で表される構造を有する金属錯体は、下記一般式(1−1)で表される構造を有する金属錯体であることが好ましい。
Figure 2015122243
一般式(1−1)中、Mは遷移金属原子を表す。R及びRは、それぞれ独立に、置換基を表す。L及びLは、Mと共有結合又は配位結合を形成している配位子を表し、互いに結合して二座配位子を形成してもよい。
一般式(1−1)におけるMは、一般式(1)〜(5)におけるMと同義である。
一般式(1)において、R及びRで表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、芳香族炭化水素基(芳香族炭素環基、アリール基等ともいい、例えば、フェニル基、p−クロロフェニル基、メシチル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基、フェナントリル基、インデニル基、ピレニル基、ビフェニリル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリニル基のカルボリン環を構成する任意の炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基、ピペリジル基(ピペリジニル基ともいう)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、リン酸エステル基(例えば、ジヘキシルホスホリル基等)、亜リン酸エステル基(例えば、ジフェニルホスフィニル基等)、ホスホノ基等が挙げられる。
上記一般式(2)で表される構造を有する金属錯体は、下記一般式(2−1)で表される構造を有する金属錯体であることが好ましい。
Figure 2015122243
一般式(2−1)中、Mは遷移金属原子を表す。R及びRは、それぞれ独立に、置換基を表す。R〜R12は、それぞれ独立に、置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(2−1)におけるMは、一般式(1)〜(5)におけるMと同義である。
一般式(2−1)において、R及びRで表される置換基としては、一般式(1)〜(5)におけるR及びRで表される置換基と同様のものが挙げられる。
一般式(2−1)において、R〜R12で表される置換基としては、一般式(1)〜(5)におけるR及びRで表される置換基と同様のものが挙げられる。
上記一般式(3)で表される構造を有する金属錯体は、下記一般式(3−1)で表される構造を有する金属錯体であることが好ましい。
Figure 2015122243
一般式(3−1)中、Mは遷移金属原子を表す。X〜Xは、それぞれ独立に、−CR21又は窒素原子を表し、R21は、水素原子又は置換基を表す。R13〜R20は、それぞれ独立に、置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(3−1)におけるMは、一般式(1)〜(5)におけるMと同義である。
一般式(3−1)において、R21で表される置換基としては、一般式(1)〜(5)におけるR及びRで表される置換基と同様のものが挙げられる。
一般式(3−1)において、R13〜R20で表される置換基としては、一般式(1)〜(5)におけるR及びRで表される置換基と同様のものが挙げられる。
上記一般式(4)で表される構造を有する金属錯体は、下記一般式(4−1)で表される構造を有する金属錯体であることが好ましい。
Figure 2015122243
一般式(4−1)中、Mは遷移金属原子を表す。R22〜R25は、それぞれ独立に、置換基を表す。環Aは、窒素原子及び炭素原子とともに形成される五員又は六員の芳香族複素環を表し、更に置換基を有していてもよく、それらの置換基が互いに結合して環を形成してもよい。L及びLは、Mと共有結合又は配位結合を形成している配位子を表し、互いに結合して二座配位子を形成してもよい。
一般式(4−1)におけるMは、一般式(1)〜(5)におけるMと同義である。
一般式(4−1)において、R22〜R25で表される置換基としては、一般式(1)〜(5)におけるR及びRで表される置換基と同様のものが挙げられる。
上記一般式(5)で表される構造を有する金属錯体は、下記一般式(5−1)で表される構造を有する金属錯体であることが好ましい。
Figure 2015122243
一般式(5−1)中、Mは遷移金属原子を表す。R26〜R29は、それぞれ独立に、置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。X及びXは、それぞれ独立に、−CR30又は窒素原子を表し、R30は水素原子又は置換基を表す。R31は、水素原子又は置換基を表す。L及びLは、Mと共有結合又は配位結合を形成している配位子を表し、互いに結合して二座配位子を形成してもよい。
一般式(5−1)におけるMは、一般式(1)〜(5)におけるMと同義である。
一般式(5−1)において、R26〜R29で表される置換基としては、一般式(1)〜(5)におけるR及びRで表される置換基と同様のものが挙げられる。
一般式(5−1)において、R30及びR31で表される置換基としては、一般式(1)〜(5)におけるR及びRで表される置換基と同様のものが挙げられる。
以下に、本発明に係る中間層1aに含有される金属錯体の具体例(例示化合物(1)〜(258))を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
中間層1aに用いることのできる金属錯体は、従来公知の方法により合成することができる。
このような中間層1aが基材11上に成膜されたものである場合、その成膜方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法等のウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタ法、CVD法等のドライプロセスを用いる方法等が挙げられる。
中間層1aの層厚としては、5.0〜40nmの範囲内であることが好ましい。
〔導電性層〕
本発明に係る導電性層1bは、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成されている層であって、中間層1a上に成膜された層である。
導電性層1bは、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成されている層が、必要に応じて、複数の層に分けて積層された構成であってもよい。
なお、本発明において、導電性層1bの主成分とは、導電性層1b中の銅、金、又は白金のいずれかの金属の含有量が60質量%以上であることをいい、好ましくは当該金属の含有量が80質量%以上であり、より好ましくは含有量が90質量%以上であり、特に好ましくは含有量が98質量%以上である。
導電性層1bに用いられる金属としては、銅であることが特に好ましい。
導電性層1bは、層厚が5〜20nmの範囲内であることが好ましく、5〜12nmの範囲内であることがより好ましい。
層厚が20nmより薄い場合には、層の吸収成分又は反射成分が少なくなり、透明電極1の透過率が向上するため好ましい。また、層厚が5nmより厚い場合には、層の導電性が十分になるため好ましい。
なお、以上のような中間層1aとこの上部に成膜された導電性層1bとからなる積層構造の透明電極1は、導電性層1bの上部が保護膜で覆われていてもよいし、別の中間層や導電性層が積層されていてもよい。この場合、透明電極1の光透過性を損なうことのないように、保護膜及び別の中間層や導電性層が光透過性を有することが好ましい。また、中間層1aの下部、すなわち中間層1aと基材11との間にも、必要に応じた層を設けた構成としてもよい。
導電性層1bの成膜方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法等のウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタ法、CVD法等のドライプロセスを用いる方法等が挙げられる。
中でも、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分とし、かつ有機溶媒を含有する導電性インクを用い、湿式法により導電性層1bを成膜することもできる。
有機溶媒としては、本発明の透明電極1の効果を阻害しない限りにおいて、従来公知のものを特に制限なく使用することができる。
また、導電性層1bは、中間層1a上に成膜されることにより、導電性層成膜後の高温アニール処理(例えば、150℃以上の加熱プロセス)等がなくても十分に導電性を有することを特徴とするが、必要に応じて、成膜後に高温アニール処理等を行ったものであってもよい。
<透明電極の効果>
以上のような構成の透明電極1は、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体を用いて構成されている中間層1a上に、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成されている導電性層1bを設けた構成である。これにより、中間層1aの上部に導電性層1bを成膜する際には、導電性層1bを構成する銅、金、又は白金のいずれかの金属原子が中間層1aを構成する金属錯体の中心金属と相互作用し、銅、金、又は白金のいずれかの金属原子の中間層1a表面での拡散距離が減少し、当該金属の凝集が抑えられる。
ここで、一般的に銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成されている導電性層の成膜においては、島状成長型(Volumer−Weber:VW型)で薄膜成長するため、銅、金、又は白金のいずれかの金属原子が島状に孤立しやすく、層厚が薄いときは導電性を得ることが困難であり、シート抵抗値が高くなる。 したがって、導電性を確保するには層厚を厚くする必要があるが、層厚を厚くすると光透過率が下がるため、透明電極としては不適であった。
しかしながら、本発明構成の透明電極1によれば、上述したように中間層1a上において銅、金、又は白金のいずれかの金属の凝集が抑えられるため、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成されている導電性層1bの成膜においては、層状成長型(Frank−van der Merwe:FM型)で薄膜成長するようになる。
また、本発明の透明電極1の透明とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいうが、中間層1aとして用いられる上述した各材料は、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分とした導電性層1bと比較して、十分に光透過性の良好な膜を形成する。光透過率は、好ましくは70%以上であり、より好ましくは80%以上である。
一方、透明電極1の導電性は、主に、導電性層1bによって確保される。したがって、上述のように、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成されている導電性層1bが、より薄い層厚で導電性が確保されたものとなることにより、透明電極1の導電性の向上と光透過性の向上との両立を図ることが可能になるのである。
本発明に係る導電性層1bは、均一の金属原子により構成されている薄膜電極であり、成膜方法としては、例えば、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法などのウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法など)、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスを用いる方法などが挙げられる。上記成膜方法のなかでも、蒸着法が好ましく適用される。また、本発明に係る導電性層1bは、中間層1a上に成膜されることにより、金属電極薄膜を成膜した後の高温アニール処理(例えば、150℃以上の加熱プロセス)等がなくても十分に導電性を有することを特徴とするが、必要に応じて、成膜後に高温アニール処理等を施しても良い。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、主に、下記の点で第1の実施形態と異なっている。
<透明電極の構成>
図3に示すように、透明電極2は、前記導電性層側から順に、2層からなる中間層2a1及び2a2が積層された3層構造となっている。すなわち、このような透明電極2は、基材11の上部に、第1中間層2a1、第2中間層2a2、導電性層1bの順に設けられている。
〔中間層〕
中間層2aは、1配位〜4配位までのいずれかである金属錯体が含有されて構成されている第1中間層2a1と、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環化合物が含有されて構成されている第2中間層2a2とを有している。
第1中間層2a1は、第1の実施形態に係る中間層1aと同様であるが、第2中間層2a2とともに導電性層1bに含有される銅、金、又は白金のいずれかの金属の凝集を抑制する観点から、その層厚は0.5〜10nmの範囲内であることが好ましい。
第2中間層2a2の層厚としては、20〜100nmの範囲内であることが好ましい。
第2中間層2a2は、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環化合物が含有されて構成されている層である。
第2中間層2a2の成膜方法としては、第1中間層2a1同様に、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法等のウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタ法、CVD法等のドライプロセスを用いる方法等が挙げられる。
(芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物)
本発明の透明電極1においては、第2中間層2a2は、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を主成分として含有することが好ましい。
本発明でいう主成分とは、前述のとおり、中間層全質量に対し、本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物を50.0質量%以上含有していることを意味し、好ましくは55.0〜99.5質量%の範囲内であり、好ましくは、90.0〜99.5質量%の範囲内であり、さらに好ましくは、95.0〜99.0質量%の範囲内である。
本発明において、「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」とは、非共有電子対を持つ窒素原子であって、当該非共有電子対が不飽和環状化合物の芳香族性に必須要素として直接的に関与していない窒素原子のことをいう。すなわち、共役不飽和環構造(芳香環)上の非局在化したπ電子系に、非共有電子対が、化学構造式上、芳香性発現のために必須のものとして関与していない窒素原子をいう。
以下、本発明に係る「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」について説明する。
窒素原子は第15族元素であり、最外殻に5個の電子を有する。このうち3個の不対電子は他の原子との共有結合に用いられ、残りの2個は一対の非共有電子対となるため、通常窒素原子の結合本数は3本である。
例えば、アミノ基(−NR)、アミド基(−C(=O)NR)、ニトロ基(−NO)、シアノ基(−CN)、ジアゾ基(−N)、アジド基(−N)、ウレア結合(−NRC=ONR−)、イソチオシアネート基(−N=C=S)、チオアミド基(−C(=S)NR)などが挙げられ、これらは本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」に該当する。なお、R及びRはそれぞれ置換基を表す。
このうち、例えば、ニトロ基(−NO)の共鳴式は、下記のように表すことができる。ニトロ基における窒素原子の非共有電子対は、厳密には、酸素原子との共鳴構造に利用されているが、本発明においては、ニトロ基の窒素原子も非共有電子対を持つこと定義する。
Figure 2015122243
一方、窒素原子は、非共有電子対を利用することで4本目の結合を作り出すこともできる。例えば、下記に示すように、テトラブチルアンモニウムクロライド(略称:TBAC)は、四つ目のブチル基が窒素原子とイオン結合しており、対イオンとして塩化物イオンを有する第四級アンモニウム塩である。
また、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy))は、イリジウム原子と窒素原子が配位結合している中性の金属錯体である。これらの化合物は窒素原子を有するものの、その非共有電子対がそれぞれイオン結合、配位結合に利用されてしまっているため、本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」には該当しない。
すなわち、本発明は、結合に利用されていない窒素原子の非共有電子対を有効利用するというものである。
下記に示す構造式において、左側はテトラブチルアンモニウムクロライド(略称:TBAC)、右側はトリス(2−フェニルピリジン)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy))の構造を示す。
Figure 2015122243
また、窒素原子は、芳香環を構成することのできるヘテロ原子として一般的であり、芳香族性の発現に寄与することができる。この「含窒素芳香環」としては、例えばピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、などが挙げられる。
ピリジン環の場合、下記に示すように、6員環状に並んだ共役(共鳴)不飽和環構造において、非局在化したπ電子の数が6個であるため、4n+2(n=0又は自然数)のヒュッケル則を満たす。6員環内の窒素原子は、−CH=を置換したものであるため、1個の不対電子を6π電子系に動員するのみで、非共有電子対は、芳香族性発現のために必須のものとして関与していない。
したがって、ピリジン環の窒素原子は、本発明に係る「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」に該当する。以下に、ピリジン環の分子軌道を示す。
Figure 2015122243
ピロール環の場合は、下記に示すように、5員環内を構成する炭素原子の一つが窒素原子に置換された構造であるが、やはりπ電子の数は6個であり、ヒュッケル則を満たした含窒素芳香環である。ピロール環の窒素原子は、水素原子とも結合しているため、非共有電子対が6π電子系に動員されている。
したがって、ピロール環の窒素原子は、非共有電子対を有するものの、芳香族性発現のために必須のものとして利用されてしまっているため、本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」には該当しない。
以下に、ピロール環の分子軌道を示す。
Figure 2015122243
一方、イミダゾール環は、下記に示すように、5員環内に二つの窒素原子が1、3位に置換した構造を有しており、やはりπ電子数が6個の含窒素芳香環である。窒素原子Nは、1個の不対電子のみを6π電子系に動員し、非共有電子対を芳香族性発現のために利用していないピリジン環型の窒素原子である。一方、窒素原子Nは、非共有電子対を6π電子系に動員しているピロール環型の窒素原子である。
したがって、イミダゾール環の窒素原子Nは、本発明の「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」に該当する。以下に、イミダゾール環の分子軌道を示す。
Figure 2015122243
また、含窒素芳香環骨格を有する縮環化合物の場合も同様である。例えば、δ-カルボリンは、下記に示すように、ベンゼン環骨格、ピロール環骨格及びピリジン環骨格がこの順に縮合したアザカルバゾール化合物である。ピリジン環の窒素原子Nは、1個の不対電子のみを、ピロール環の窒素原子Nは、非共有電子対を、それぞれπ電子系に動員しており、環を形成している炭素原子からの11個のπ電子とともに、全体のπ電子数が14個の芳香環となっている。
したがって、δ-カルボリンの二つの窒素原子のうち、ピリジン環の窒素原子Nは本発明に係る「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」に該当するが、ピロール環の窒素原子Nはこれに該当しない。
このように、ピリジン環やピロール環は、その骨格が縮環化合物中に組み込まれている場合でも、その効果が阻害されたり抑制されたりすることはなく、単環として利用したときとなんら相違はない。以下に、δ−カルボリンの分子軌道を示す。
Figure 2015122243
以上のように、本発明で規定する「芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子」は、その非共有電子対を導電性層の主成分である銅、金、又は白金と強い相互作用を発現するために重要である。そのような窒素原子としては、安定性、耐久性の観点から、含窒素芳香環中の窒素原子であることが好ましい。
本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物としては、芳香族複素環を有することが好ましく、該芳香族複素環としては、ピリジン環が好ましい。
また、本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物は、臭素原子、ヨウ素原子又は硫黄原子を有する有機化合物であることが好ましい。中間層に含有される有機化合物は、これらの原子を用いることで、主骨格によることなく、本発明の目的とする効果を発現できる。
本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物の具体的化合物として、特に制限はないが、下記一般式(I)〜一般式(IV)で表される化合物を一例として挙げることができる。
本発明の透明電極1において、中間層3に芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物として、下記一般式(I)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2015122243
上記一般式(I)において、XはNR、酸素原子又は硫黄原子を表す。E〜Eは、それぞれ独立にCR又は窒素原子を表し、少なくとも1つは窒素原子を表す。R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
一般式(I)において、Rで表される置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルキニル基、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、複素環基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、シクロアルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルファモイル基、アシル基、アシルオキシ基、アミド基、カルバモイル基、ウレイド基、スルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はヘテロアリールスルホニル基、アミノ基、ハロゲン原子、フッ化炭化水素基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基、リン酸エステル基、ホスホノ基等が挙げられる。
一般式(I)において、Rで表される置換基としては、Rで表される置換基と同様のものを挙げることができる。
上記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2015122243
上記一般式(II)において、E〜E15はそれぞれ独立にCRを表す。R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
上記一般式(II)において、R及びRで表される置換基としては、上記一般式(I)におけるRで表される置換基と同様のものを挙げることができる。
また、上記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(III)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2015122243
上記一般式(III)において、E16〜E22はそれぞれ独立にCRを表す。Rは水素原子又は置換基を表す。
上記一般式(III)において、Rで表される置換基としては、上記一般式(I)におけるRで表される置換基と同様のものを挙げることができる。
また、上記一般式(I)で表される化合物は、下記一般式(IV)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2015122243
上記一般式(IV)において、E23〜E28はそれぞれ独立にCRを表す。R及びRはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
上記一般式(IV)において、R及びRで表される置換基としては、上記一般式(I)におけるRで表される置換基と同様のものを挙げることができる。
以下に、本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物の具体例として、上記一般式(I)〜一般式(IV)で表される化合物例と、その他の構造を有する当該有機化合物例を示すが、本発明においてはこれら例示する有機化合物にのみ限定されるものではない。
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
Figure 2015122243
本発明に係る芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する有機化合物は、従来公知の合成方法に準じて、容易に合成して得ることができる。
《2.透明電極の用途》
上述した構成の透明電極1は、各種電子デバイスに用いることができる。電子デバイスの例としては、タッチパネル、液晶表示素子、有機EL素子、LED(Light Emitting Diode)、太陽電池等が挙げられ、これらの電子デバイスにおいて光透過性を必要とされる電極部材として、上述の透明電極1を用いることができる。
以下では、用途の一例として、本発明の透明電極1を用いたタッチパネル及び液晶表示素子の実施形態を説明する。また、透明電極に用いる本発明に係る金属として銅(Cu)を例にして説明する。
<2.1タッチパネル>
[電極パターンを有する透明電極の形成方法]
本発明に係る透明電極においては、上記のように透明基板11上に、本発明に係る中間層3(図2では中間層1aに相当)及び導電性層である銅薄膜電極5(図2では導電性層1bに相当)を積層した後、フォトリソグラフィー法により、好ましくは少なくとも有機溶媒を含有するエッチング液を用いて、例えば、図5〜図7に示すような電極パターンを形成することができる。
〔エッチング液:有機溶媒〕
本発明に用いられるエッチング液は、少なくとも有機溶媒を含有していることが好ましい。有機溶媒として、特に制限はないが、中間層に対する溶解能を備えた有機溶媒であることが好ましく、より好ましくは、エーテルアルコール、ケトン及びエステルから選ばれる少なくとも1種である。
〈エーテルアルコール〉
本発明に用いられるエッチング液に適用可能なエーテルアルコールとしては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等を挙げることができ、その中でも、ジエチレングリコールが好ましい。
〈ケトン〉
本発明に用いられるエッチング液に適用可能なケトンとしては、例えば、アセトン、ジイソプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン等を挙げることができるが、その中でも、アセトン、メチルエチルケトンが好ましい。
〈エステル〉
本発明に用いられるエッチング液に適用可能なエステルとしては、例えば、ギ酸イソアミル、ギ酸イソブチル、ギ酸エチル、ギ酸ブチル、ギ酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピル、酢酸メチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等を挙げることができ、その中でも、酢酸エチルが好ましい。
(製造工程)
以下、フォトリソグラフィー法による電極パターンの形成方法について説明する。
本発明に適用するフォトリソグラフィー法とは、硬化性樹脂等のレジスト塗布、予備加熱、露光、現像(未硬化樹脂の除去)、リンス、有機溶媒を含むエッチング液によるエッチング処理、レジスト剥離の各工程を経ることにより、銅薄膜電極を、図5〜図7に示すような所望のパターンに加工する方法である。
本発明では、従来公知の一般的なフォトリソグラフィー法を適宜利用することができる。例えば、レジストとしてはポジ型又はネガ型のいずれのレジストでも使用可能である。また、レジスト塗布後、必要に応じて予備加熱又はプリベークを実施することができる。露光に際しては、所期のパターンを有するパターンマスクを配置し、その上から、用いたレジストに適合する波長の光、一般には紫外線や電子線等を照射すればよい。露光後、用いたレジストに適合する現像液で現像を行う。現像後、水等のリンス液で現像を止めるとともに洗浄を行うことで、レジストパターンが形成される。次いで、形成されたレジストパターンを、必要に応じて前処理又はポストベークを実施してから、有機溶媒を含むエッチング液によるエッチングで、レジストで保護されていない領域の中間層の溶解及び銅薄膜電極の除去を行う。エッチング後、残留するレジストを剥離することによって、所期のパターンを有する透明電極が得られる。このように、本発明に適用されるフォトリソグラフィー法は、当業者に一般に認識されている方法であり、その具体的な適用態様は当業者であれば所期の目的に応じて容易に選定することができる。
次いで、図を交えて、本発明に適用可能な電極パターンの形成方法について説明する。
図4は、透明電極に電極パターンをフォトリソグラフィー法で形成する一例を示す工程フロー図である。
第1ステップとして、図4の(a)で示すように、透明基板11上に中間層3及び銅薄膜電極5を積層して、未加工の透明電極1を作製する。
次いで、図4の(b)で示すレジスト膜の形成工程で、銅薄膜電極5上に感光性樹脂組成物等から構成されるレジスト膜6を均一に塗設する。感光性樹脂組成物としては、ネガ型感光性樹脂組成物あるいはポジ型感光性樹脂組成物を用いることができる。
塗布方法としては、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティングなどの公知の方法によって銅薄膜電極上に塗布し、ホットプレート、オーブンなどの加熱装置でプリベークすることができる。プリベークは、例えば、ホットプレート等を用いて、50℃以上、150℃以下の範囲で30秒〜30分間行うことができる。
次いで、図4の(c)に示す露光工程で、所定の電極パターンにより作製したマスク7を介して、ステッパー、ミラープロジェクションマスクアライナー(MPA)、パラレルライトマスクアライナーなどの露光機を用いて、10〜4000J/m程度(波長365nm露光量換算)の光を照射する。露光光源に制限はなく、紫外線、電子線や、KrF(波長248nm)レーザー、ArF(波長193nm)レーザーなどを用いることができる。
次いで、図4の(d)に示す現像工程で、露光済みの透明電極を、現像液に浸漬して、光照射した領域のレジスト膜6を溶解する。
現像方法としては、シャワー、ディッピング、パドルなどの方法で現像液に5秒〜10分間浸漬することが好ましい。現像液としては、公知のアルカリ現像液を用いることができる。具体例としては、アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、リン酸塩、ケイ酸塩、ホウ酸塩などの無機アルカリ、2−ジエチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド、コリンなどの4級アンモニウム塩を1種あるいは2種以上含む水溶液などが挙げられる。現像後、水でリンスすることが好ましく、続いて50℃以上150℃以下の範囲で乾燥ベークを行ってもよい。
次いで、図4の(e)に示すように、本発明に用いられるエッチング液9を用いたエッチング処理を行う。
具体的には、例えば、エーテルアルコール、ケトン、エステル等の有機溶媒を含むエッチング液に、透明電極1を浸漬し、レジスト膜6で保護されていない領域の中間層3を溶解するとともに及び中間層に保持されている薄膜の銅薄膜電極も同時に除去することにより、所定の電極パターンを形成する。
最後に、図4の(f)に示すように、レジスト膜剥離液、例えば、ナガセケムテックス社製のN−300に浸漬して、銅薄膜電極5(1b)上のレジスト膜6を除去する。
[タッチパネルの構成]
次いで、本発明のタッチパネルの製造方法により作製されるタッチパネルの構成について、代表的な実施形態の詳細について説明する。
〔実施形態1:2枚の透明基板上に透明電極を設けた構成〕
図5は、上述したタッチパネル用の透明電極を用いたタッチパネル21の概略構成を示す斜視図である。また、図6は、タッチパネル21の電極構成を示す2枚の透明電極1−1及び1−2の平面図である。
これらの図に示すタッチパネル21は、投影型静電容量式のタッチパネルである。このタッチパネル21は、透明基板11−1及び11−2の一主面上に、第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2がこの順に配置され、この上部が前面板13で覆われている。
第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2は、それぞれが、図2を用いて説明したタッチパネル用の電極パターンが形成された透明電極1である。したがって、第1の透明電極1−1は、第1の中間層3−1と第1の銅薄膜電極5−1とがこの順に積層された構成である。同様に第2の透明電極1−2は、第2の中間層3−2と第2の銅薄膜電極5−2とがこの順に積層された構成である。
以下、タッチパネル21を構成する主要各層の詳細を、透明基板11−1側から順に説明する。なお、ここでは、図5及び図6とともに、図7の電極部分の平面模式図及び、そのA−A断面に相当する図8の断面模式図を用いて説明を行う。
(透明基板11)
図5及び図7に示す透明基板11−1及び11−2は、先の透明電極1で説明した透明基板11である。
(第1の中間層3−1(第1の透明電極1−1))
第1の中間層3−1は、先の透明電極1で説明した中間層3(図2では中間層1a)であり、透明基板11−1上に成膜されている。ここでは一例として、第1の中間層3−1は、透明基板11−1に銅薄膜電極5−1と同一形状にパターニングされている。
(第1の銅薄膜電極5−1(第1の透明電極1−1))
第1の銅薄膜電極5−1は、先の透明電極で説明した銅薄膜電極5(図2では導電性層1b)であり、第1の中間層3−1上においてパターニングされた複数のx電極パターン5x1、5x2、(中略)等として構成されている。各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等は、それぞれがx方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等は、例えば、x方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近において、x方向に直線状に連結した形状であることとする。
また、各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等には、それぞれの端部にx配線17xが接続されている。これらのx配線17xは、透明基板11−1上における周縁領域において配線され、透明基板11−1の端縁に引き出されている。このような各x配線17xは、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等と同様に、銅を主成分とする第1の銅薄膜電極5−1として構成されたものである。
(第2の中間層3−2(第2の透明電極1−2))
第2の中間層3−2は、先の透明電極1で説明した中間層3(1a)であり、透明基板11−2上に成膜されていて、第2の電極層5−2と同一形状にパターニングされている。
(第2の電極層5−2(第2の透明電極1−2))
第2の電極層5−2は、先の透明電極1で説明した銅薄膜電極5(1b)であり、第2の中間層3−2上においてパターニングされた複数のy電極パターン5y1、5y2、(中略)等として構成されている。各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、それぞれがx電極パターン5x1、5x2、(中略)等と直交するy方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、例えば、y方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近においてy方向に直線状に連結した形状であることとする。
ここで、図7に示すように、各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等を構成するひし形のパターン部分は、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等を形成するひし形のパターン部分に対して平面視的に重なることのない位置に配置され、重なることのない範囲でできるだけ大きな範囲を占める形状となっている。これにより、透明基板11−2の中央部の領域においては、第1の電極層5−1で構成されたx電極パターン5x1、5x2、(中略)等及び第2の電極層5−2で構成されたy電極パターン5y1、5y2、(中略)等が視認され難い構成となっている。
各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、ひし形の電極パターンの連結部分においてのみ、各x電極パターン5x1、5x2、(中略)等と積層される。これらの積層部分には、第2の中間層3−2が挟持され、これによってx電極パターン5x1、5x2、(中略)等とy電極パターン5y1、5y2、(中略)等との絶縁性が確保された状態となっている。
また、各y電極パターン5y1、5y2、(中略)等には、それぞれの端部にy配線17yが接続されている。これらのy配線17yは、透明基板11−2上における周縁領域において配線され、x配線17xと並ぶように透明基板11の端縁に引き出されている。このような各y配線17yは、y電極パターン5y1、5y2、(中略)等と同様に、銅を主成分とする第2の銅薄膜電極5−2として構成されたものである。
なお、透明基板11−1及び11−2の端縁に引き出されたx配線17x及びy配線17yには、フレキシブルプリント基板などが接続される構成となっている。
(前面板13)
図5に図示した前面板13は、タッチパネル21において入力位置に対応する部分が押圧される板材である。このような前面板13は、光透過性を有する板材であって、透明基板11と同様のものが用いられる。またこの前面板13は、必要に応じた光学特性を備えた材料を選択して用いても良い。このような前面板13は、例えば接着剤15に(図8参照。)よって第2の透明電極1−2側に張り合わせられていることとする。この接着剤15は、光透過性を有するものであれば、特に材料が限定されることはない。
またこの前面板13には、透明基板11の周縁を覆う遮光膜が設けられ、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等から引き出されたx配線17x、及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等から引き出されたy配線17yが、前面板13側から視認されることを防止している。
(タッチパネルの動作)
以上のようなタッチパネル21を動作させる場合、x配線17x及びy配線17yに接続させたフレキシブルプリント基板などから、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等に対して電圧を印加しておく。この状態で、前面板13の表面に指又はタッチペンが触れると、タッチパネル21内に存在する各部の容量が変化し、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等の電圧の変化となって現れる。この変化は、指又はタッチペンが触れた位置からの距離によって異なり、指又はタッチペンが触れた位置で最も大きくなる。このため、電圧の変化が最大となる、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等でアドレスされた位置が、指又はタッチペンが触れた位置として検出される。
(タッチパネル21の効果)
以上のようなタッチパネル21は、2層の透明電極1−1及び1−2として、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用の透明電極を用いている。これにより、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、タッチパネル用の透明電極を大型化した際の電圧降下を抑えることができ、タッチパネル21の大型化をすることが可能となる。
特に、このタッチパネル21は、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びこれに直交して配置された電極パターン5y1、5y2、(中略)等を有する投影型静電容量式である。このため、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等には、高い導電性が要求される。しかしながら、これらのx電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等は、先に説明したタッチパネル用透明電極の電極層5であるため、導電性を維持しつつ薄膜化が可能である。したがって、x電極パターン5x1、5x2、(中略)等及びy電極パターン5y1、5y2、(中略)等自体が視認され難くなり、タッチパネル21を介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
図8は、実施形態のタッチパネルで、本発明で特に好ましく適用することができるタッチパネルの構成を説明するための断面模式図であり、図7に示したA−A断面に相当する図である。この図に示すタッチパネル21は、2枚の透明基板11−1及び11−2の一主面上に、第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2を設けた構成であり、それ以外の構成は先に説明した実施形態1と同様である。このため、先の実施形態1のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
すなわち、図8に示す変形例のタッチパネル21aは、第1の透明電極1−1が設けられた第1の透明基板11−1と、第2の透明電極1−2が設けられた第2の透明基板11−2とを有する。これらの透明基板11−1及び11−2は、透明電極1−1及び1−2の形成面を同一方向に向け、第1の透明基板11−1における第1の透明電極1−1の形成面上に、第2の透明基板11−2が位置するように重ねて配置されている。
第1の透明基板11−1及び第2の透明基板11−2は、先のタッチパネル用の透明電極で説明したと同様の透明基板11である。また、第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2は、それぞれが先の実施形態1と同様の構成であり、それぞれが透明基板11−1及び11−2上に、中間層3−1及び3−2と、銅薄膜電極5−1及び5−2をこの順に積層した構成となっている。
さらに各銅薄膜電極5−1及び5−2の構成も、先の実施形態1と同様であり、第1の電極層5−1で構成されたx電極パターン5x1、5x2、(中略)等、及び第2の電極層5−2で構成されたy電極パターン5y1、5y2、(中略)等が視認され難いパターン構成及び配置構成となっている。ただし、第1の電極層5−1と第2の電極層5−2との間は、第2の透明基板11−2と第2の中間層3−2とによって絶縁性が確保された状態となっている。
また、積層された第1の透明基板11−1と第2の透明基板11−2との間は、ここでの図示を省略した接着剤によって貼り合せられていることとし、この接着剤によっても、第1の電極層5−1と第2の電極層5−2とが絶縁される。
以上のようなタッチパネル21であっても、先の実施形態1のタッチパネルと同様に動作させることができる。
(タッチパネル21の効果)
図8に示すような構成のタッチパネル21であっても、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用透明電極を用いたことにより、先に説明した実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル21を介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
〔実施形態2:1枚の透明基板を用いた構成〕
図9は、実施形態のタッチパネルの他の一例を説明するための断面模式図であり、図7のA−A断面に相当する図である。図9に示すタッチパネル21aは、透明基板11の上に第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2を設けた構成であり、それ以外の構成は先の実施形態1と同様である。このため、先の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
すなわち、実施形態2で示すタッチパネル21aは、一枚の透明基板11と、透明基板11の一主面側に設けられた第1の透明電極1−1と、その上に設けられた第2の透明電極1−2とを有する。このうち第1の透明電極1−1は、中間層3−1及び銅薄膜電極5−1がこの順に透明基板11の一主面上に積層された構成である。一方、第2の透明電極1−2は、中間層3−2及び銅薄膜電極5−2がこの順に第1の透明電極面上に積層された構成である。
透明基板11は、先のタッチパネル用の透明電極で説明したと同様のものである。また第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2を構成する上記の各層は、先の実施形態と同様のものである。
さらに各電極層5−1及び5−2の構成も、先の実施形態と同様であり、第1の電極層5−1で構成されたx電極パターン5x1、5x2、(中略)等及び第2の電極層5−2で構成されたy電極パターン5y1、5y2、(中略)等が視認され難いパターン構成及び配置構成となっている。ただし、第1の電極層5−1と第2の電極層5−2との間は、第1の中間層3−1、透明基板11、及び第2の中間層3−2によって絶縁性が確保された状態となっている。
以上のようなタッチパネル21aであっても、先の実施形態のタッチパネルと同様に動作させることができる。
(タッチパネル21aの効果)
このような変形例1のタッチパネル21aあっても、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用透明電極を用いたことにより、先に説明した実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル21aを介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
〔実施形態3:透明基板の両面に1層ずつ透明電極を設けた構成〕
図10は、実施形態のタッチパネルの他の一例を説明するための断面模式図であり、図7のA−A断面に相当する図である。図10に示すタッチパネル21bは、透明基板11の両面に第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2を設けた構成であり、それ以外の構成は先の実施形態1及び2と同様である。このため、先の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
すなわち、実施形態3で示すタッチパネル21bは、一枚の透明基板11と、透明基板11の一主面側に設けられた第1の透明電極1−1と、透明基板11の他主面側に設けられた第2の透明電極1−2とを有する。このうち第1の透明電極1−1は、中間層3−1及び銅薄膜電極5−1がこの順に透明基板11の一主面上に積層された構成である。一方、第2の透明電極1−2は、中間層3−2及び銅薄膜電極5−2がこの順に透明基板11の他主面上に積層された構成である。
透明基板11は、先のタッチパネル用の透明電極で説明したと同様のものである。また第1の透明電極1−1及び第2の透明電極1−2を構成する上記の各層は、先の実施形態と同様のものである。
さらに各電極層5−1及び5−2の構成も、先の実施形態と同様であり、第1の電極層5−1で構成されたx電極パターン5x1、5x2、(中略)等及び第2の電極層5−2で構成されたy電極パターン5y1、5y2、(中略)等が視認され難いパターン構成及び配置構成となっている。ただし、第1の電極層5−1と第2の電極層5−2との間は、第1の中間層3−1、透明基板11、及び第2の中間層3−2によって絶縁性が確保された状態となっている。
以上のようなタッチパネル21bであっても、先の実施形態のタッチパネルと同様に動作させることができる。
(タッチパネル21bの効果)
このような変形例2のタッチパネル21bあっても、先に説明した光透過性とともに充分な導電性を備えたタッチパネル用透明電極を用いたことにより、先に説明した実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル21bを介しての下地の表示画像の視認性を劣化させることをも防止できる。
<2.2液晶表示素子>
図11に、本発明の透明電極を用いた液晶表示素子の構成を示す概略断面図を示す。この液晶表示素子の構成は一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
液晶表示素子は、一般に液晶表示装置、液晶ディスプレイともいい、液晶の駆動方式によって、STN、TN、OCB、HAN、VA(MVA、PVA)、IPS、OCBなどの各種駆動方式の液晶表示装置が挙げられる。通常液晶ディプレイとしてTVや液晶パネル等に好ましく用いられる駆動方式はVA(MVA,PVA)型液晶表示装置である。
図11で示す液晶表示素子31は、バックライト側から、偏光フィルター32−1、ガラス基板33−1、透明電極34−1、配向膜35−1、液晶36、スペーサー37、配向膜35−2、透明電極34−2、カラーフィルター38、ガラス基板33−2、偏光フィルター32−2の構成であり、本発明の透明電極は十分な導電性と光透過性とを兼ね備え、かつ低シート抵抗値を有し、耐久性に優れていることから、上記透明電極34−1及び34−2として好ましく用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《透明電極の作製》
以下に説明するように、透明電極101〜125を、導電性領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。透明電極101〜104は、導電性層のみからなる単層構造の透明電極として作製し、透明電極105〜125は、中間層と導電性層との積層構造の透明電極として作製した。
(1)透明電極101の作製
まず、透明な無アルカリガラス製の基材を、市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅(Cu)を充填し、当該真空槽内に取り付けた。次に、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚5nmの銅(Cu)からなる導電性層を成膜し、単層構造の透明電極101を作製した。
(2)透明電極102〜104の作製
透明電極101の作製において、導電性層の層厚をそれぞれ8nm、10nm、15nmに変更した以外は同様にして、透明電極102〜104を作製した。
( 3)透明電極105の作製
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、下記に示す比較化合物(1)をタンタル製抵抗加熱ボートに充填し、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅を充填し、第2真空槽内に取り付けた。
Figure 2015122243
この状態で、まず、第1真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、比較化合物(1)の入った加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚25nmの比較化合物(1)からなる中間層を設けた。
次に、中間層まで成膜した基材を真空のまま第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銅(Cu)の入った加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、層厚8nmの銅からなる導電性層を形成し、中間層と導電性層との積層構造からなる透明電極105を作製した。
(4)透明電極106及び107の作製
透明電極105の作製において、中間層の構成材料をそれぞれ下記に示す比較化合物(2)及び(3)に変更した以外は同様にして、透明電極106及び107を作製した。
Figure 2015122243
(5)透明電極108の作製
透明電極105の作製において、中間層の構成材料を例示化合物(11)に変更し、導電性層の材料を、銅(Cu)、導電性層の層厚を5nmに変更した以外は同様にして、透明電極108を作製した。
(6)透明電極109の作製
透明電極108の作製において、導電性層の材料を、銀(Ag)に変えて、かつ導電性層の層厚を8μmにした以外は同様にして、透明電極109を作製した。
(7)透明電極110の作製
透明電極108の作製において、導電性層の材料を、金(Au)に変えて、かつ導電性層の層厚を8μmにした以外は同様にして、透明電極110を作製した。
(8)透明電極111の作製
透明電極108の作製において、導電性層の材料を、白金(Pt)に変えて、かつ導電性層の層厚を8μmにした以外は同様にして、透明電極111を作製した。
(9)透明電極112〜114の作製
透明電極108の作製において、導電性層の層厚を8nm、10nm、20nmに変更した以外は同様にして、透明電極112〜114を作製した。
(10)透明電極115〜122の作製
透明電極105の作製において、中間層の構成材料を例示化合物(11)から、表1に記載の化合物に変更し、導電性層の層厚を8nmに変更した以外は同様にして、透明電極115〜122を作製した。
(11)透明電極123〜125の作製
透明電極120〜122の作製において、基材を無アルカリガラスからPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに変更した以外は同様にして、透明電極123〜125を作製した。
《透明電極の評価》
作製した透明電極101〜125について、下記の方法に従い、光透過率、シート抵抗値、耐久性(電極寿命)及びpH10の炭酸塩緩衝液に浸漬下の電極寿命の測定を行った。
(1)光透過率の測定
作製した各透明電極について、分光光度計(日立ハイテクフィールディング製U−3300)を用い、各透明電極の基材をリファレンスとして、波長550nmにおける光透過率(%)を測定した。
測定結果を表1に示す。
(2)シート抵抗値の測定
作製した各透明電極について、抵抗率計(三菱化学アナリテック社製MCP−T610)を用い、4端子4探針法定電流印加方式でシート抵抗値(Ω/□)を測定した。
測定結果を表1に示す。
(3)電極寿命の測定
作製した各透明電極に、大気下において10Aの電流を流し続け、シート抵抗値が初期値の2倍のシート抵抗値になるのに要する時間を測定した。
なお、電極寿命は、透明電極106の電極寿命を100とする相対値で示している。
(4)炭酸塩緩衝液に浸漬下の電極寿命
炭酸塩緩衝液として市販されている、炭酸塩pH標準液 (pH10.01)(和光純薬工業(株)) をビーカーに入れ、溶液の温度が25℃を保つように調整した。
作製した透明電極を、導電性領域の面積(5cm×5cm)が炭酸塩緩衝液に完全に浸漬するようにして静置させ、20分間おきに取り出してその都度シート抵抗値を測定した。
炭酸塩緩衝液浸漬下の電極寿命として、透明電極106(比較化合物(2))のシート抵抗値が初期値の2倍となるに要する時間を100とする相対値を求めた。
透明電極の構成及び測定結果を表1に示す。
Figure 2015122243
(5)まとめ
表1から明らかなように、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体を用いた中間層上に銅(Cu)、金(Au)、又は白金(Pt)を主成分とした導電性層を設けた本発明の透明電極108、110〜125は、いずれも光透過率が55%以上であり、シート抵抗値が16.1Ω/□以下に抑えられている。これに対して、比較例の透明電極101〜107は、光透過率が55%未満のものがあり、しかもシート抵抗値が16.1Ω/□を超えるものがあった。
また、耐久性(電極寿命)においても、本発明の透明電極108、110〜125が、比較例の透明電極101〜107と比較して、優れていることがわかる。
また、pH10の炭酸塩緩衝液に浸漬下の電極寿命においても、本発明の透明電極108、110〜125が、比較例の透明電極101〜107と比較して、優れていることがわかる。
以上から、本発明の透明電極は、高い光透過率と導電性とを兼ね備え、更に耐久性に優れていることが確認された。
実施例2
《透明電極の作製》
実施例1と同様に、透明電極201〜223を、導電性領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。透明電極201〜204は、導電性層のみからなる単層構造の透明電極として作製し、透明電極205〜223は、中間層と導電性層との積層構造の透明電極として作製した。
(1)透明電極201の作製
まず、透明な無アルカリガラス製の基材を、市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅(Cu)を充填し、当該真空槽内に取り付けた。次に、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚5nmの銅(Cu)からなる導電性層を成膜し、単層構造の透明電極201を作製した。
(2)透明電極202〜204の作製
透明電極201の作製において、導電性層の層厚をそれぞれ8nm、10nm、15nmに変更した以外は同様にして、透明電極202〜204を作製した。
(3)透明電極205の作製
透明な無アルカリガラス製の基材に、比較化合物(1)のトルエン溶液を用い、スピンコート法により薄膜を形成した。150℃で1時間加熱乾燥し、層厚25nmの比較化合物(1)からなる中間層を設けた。
この中間層上に、透明電極201と同様の方法にて、層厚8nmの銅からなる導電性層を蒸着成膜して、透明電極205を作製した。
(4)透明電極206及び207の作製
透明電極205の作製において、中間層の構成材料をそれぞれ比較化合物(2)及び(3)に変更した以外は同様にして、透明電極206及び207を作製した。
(5)透明電極208の作製
透明電極205の作製において、中間層の構成材料を例示化合物(3)に変更し、導電性層の層厚を5nmに変更した以外は同様にして、透明電極208を作製した。
(6)透明電極209〜211の作製
透明電極208の作製において、導電性層の層厚をそれぞれ8nm、10nm、20nmに変更した以外は同様にして、透明電極209〜211を作製した。
(7)透明電極212〜220の作製
透明電極209の作製において、中間層の構成材料を表2に記載の例示化合物に変更した以外は同様にして、透明電極212〜220を作製した。
(8)透明電極221〜223の作製
透明電極218〜220の作製において、基材を無アルカリガラスからPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに変更した以外は同様にして、透明電極221〜223を作製した。
《透明電極の評価》
作製した透明電極201〜223について、下記の方法に従い、光透過率、シート抵抗値及び耐久性(電極寿命)の測定を行った。
(1)光透過率及びシート抵抗値の測定
作製した各透明電極について、実施例1と同様にして、光透過率(%)及びシート抵抗値(Ω/□)を測定した。
測定結果を表2に示す。
(2)電極寿命の測定
作製した各透明電極に、大気下において8Aの電流を流し続け、シート抵抗値が初期値の2倍のシート抵抗値になるのに要する時間を測定した。
(3)炭酸塩緩衝液に浸漬下の電極寿命
実施例1と同様に温度25℃、pH10の炭酸塩緩衝液に浸漬下の電極寿命について、シート抵抗値が浸漬前の2倍になるのに要する時間を測定した。
透明電極の構成及測定結果を表2に示す。
なお、電極寿命は、透明電極206の電極寿命を100とする相対値で示している。
Figure 2015122243
(4)まとめ
表2から明らかなように、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体を用いた中間層上に銅(Cu)を主成分とした導電性層を設けた本発明の透明電極208〜223は、いずれも光透過率が54%以上であり、シート抵抗値が17.1Ω/□以下に抑えられている。これに対して、比較例の透明電極201〜207は、光透過率が54%未満のものがあり、しかもシート抵抗値が17.1Ω/□を超えるものがあった。
また、耐久性(電極寿命)においても、本発明の透明電極208〜223が、比較例の透明電極201〜207と比較して、優れていることがわかる。
以上から、本発明の透明電極は、高い光透過率と導電性とを兼ね備え、更に耐久性に優れていることが確認された。
実施例3
《透明電極の作製》
実施例1と同様に、透明電極301〜318を、導電性領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。透明電極301及び302は、導電性層のみからなる単層構造の透明電極として作製し、透明電極303〜318は、中間層と導電性層との積層構造の透明電極として作製した。
(1)透明電極301の作製
透明な無アルカリガラス製の基材上に、導電性層材料として銅ナノインク(石原ケミカル株式会社)0.1mLを、スピンコート法により塗布・パターニングした後、130℃で5分間焼成し、層厚12nmの銀(Ag)からなる導電性層を形成し、単層構造の透明電極301を作製した。
(2)透明電極302の作製
透明電極301の作製において、導電性層の層厚を20nmに変更した以外は同様にして、透明電極302を作製した。
(3)透明電極303の作製
無アルカリガラス製の基材上に、比較化合物(1)のトルエン溶液を用い、スピンコート法により薄膜を形成した。150℃で1時間加熱乾燥し、層厚40nmの比較化合物(1)からなる中間層を設けた。
この中間層上に、導電性層材料として銅ナノインク(石原ケミカル株式会社)0.1mLを、スピンコート法により塗布・パターニングした後、130℃で5分間焼成し、層厚12nmの銅からなる導電性層を形成し、中間層と導電性層との積層構造からなる透明電極303を作製した。
(4)透明電極304〜315の作製
透明電極303の作製において、中間層の構成材料をそれぞれ表3に記載の化合物に変更した以外は同様にして、透明電極304〜315を作製した。なお、透明電極307の導電性層の層厚は、20nmとした。
(5)透明電極316〜318の作製
透明電極313〜315の作製において、基材を無アルカリガラスからPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに変更した以外は同様にして、透明電極316〜318を作製した。
《透明電極の評価》
(1)光透過率、シート抵抗値及び電極寿命の測定
作製した各透明電極について、実施例1と同様にして、光透過率(%)、シート抵抗値(Ω/□)、電極寿命及び炭酸塩緩衝液に浸漬下の電極寿命を測定した。なお、電極寿命は、透明電極304の電極寿命を100とする相対値で示している。
透明電極の構成及測定結果を表3に示す。
Figure 2015122243
(2)まとめ
表3から明らかなように、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体を用いた中間層上に銅(Cu)を主成分とした導電性層を設けた本発明の透明電極306〜318は、いずれも光透過率が55%以上であり、シート抵抗値が16.1Ω/□以下に抑えられている。これに対して、比較例の透明電極301〜305は、光透過率が55%未満のものがあり、しかもシート抵抗値が16.1Ω/□を超えるものがあった。
また、耐久性(電極寿命)においても、本発明の透明電極306〜318が、比較例の透明電極301〜305と比較して、優れていることがわかる。
以上から、本発明の透明電極は、高い光透過率と導電性とを兼ね備え、更に耐久性に優れていることが確認された。
実施例4
《透明電極の作製》
実施例1と同様に、透明電極401〜421を、導電性領域の面積が5cm×5cmとなるように作製した。透明電極401〜404は、導電性層のみからなる単層構造の透明電極として作製し、透明電極405〜421は、第1中間層、第2中間層と導電性層との積層構造の透明電極として作製した。
(1)透明電極401の作製
まず、透明な無アルカリガラス製の基材を、市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、真空蒸着装置の真空槽に取り付けた。また、タングステン製の抵抗加熱ボートに銅(Cu)を充填し、当該真空槽内に取り付けた。次に、真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、抵抗加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚5nmの銅(Cu)からなる導電性層を成膜し、単層構造の透明電極401を作製した。
(2)透明電極402〜404の作製
透明電極401の作製において、導電性層の層厚をそれぞれ8nm、10nm、15nmに変更した以外は同様にして、透明電極402〜404を作製した。
(3)透明電極405の作製
透明な無アルカリガラス製の基材を市販の真空蒸着装置の基材ホルダーに固定し、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環化合物である化合物(18)をタンタル製抵抗加熱ボートに充填し、これらの基板ホルダーと加熱ボートとを真空蒸着装置の第1真空槽に取り付けた。次いで、真空蒸着装置の第1真空槽を真空度4×10−4Paまで減圧し、上記材料が入った加熱ボートを順次通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚20nmの芳香族複素環化合物(18)からなる第2中間層2a2を設けた。
次いで、実施例1の透明電極112の作製と同様にして、比較化合物(1)の入った加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、基材上に層厚5nmの比較化合物(1)からなる第1中間層2a1を設けた。
次に、第1中間層2a1まで成膜した基材を真空のまま第2真空槽に移し、第2真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、銅(Cu)の入った加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒の範囲内で、層厚8nmの銅からなる導電性層1bを形成し、第2中間層2a2、第1中間層2a1及び導電性層1bの積層構造からなる透明電極405を作製した。
(4)透明電極406及び407の作製
透明電極405の作製において、第1中間層2a1の構成材料をそれぞれ比較化合物(2)及び(3)に変更した以外は同様にして、透明電極406及び407を作製した。
(5)透明電極408〜411の作製
透明電極405の作製において、第1中間層2a1の構成材料をそれぞれ例示化合物(16)に、導電性層1bの構成材料を銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)及び白金(Pt)に変更した以外は同様にして、透明電極408〜411を作製した。
(6)透明電極412及び413の作製
透明電極408の作製において、第1中間層2a1の構成材料をそれぞれ例示化合物(56)及び例示化合物(77)に、導電性層1bの層厚をそれぞれ10nm及び15nmに変更した以外は同様にして、透明電極412及び413を作製した。
(7)透明電極414及び415の作製
透明電極408の作製において、第2中間層2a2の構成材料を下記ET−3及び化合物(9)に変更した以外は同様にして、透明電極414及び415を作製した。
Figure 2015122243
(8)透明電極416〜418の作製
透明電極408の作製において、第1中間層2a1の構成材料をそれぞれ例示化合物(108)、例示化合物(191)及び例示化合物(258)に変更した以外は同様にして、透明電極416〜418を作製した。
(8)透明電極419〜421の作製
透明電極408の作製において、基材を無アルカリガラスからPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに、第1中間層2a1の構成材料をそれぞれ例示化合物(108)、例示化合物(191)及び例示化合物(258)に変更した以外は同様にして、透明電極419〜421を作製した。
《透明電極の評価》
作製した透明電極401〜421について、下記の方法に従い、光透過率、シート抵抗値及び耐久性(電極寿命)の測定を行った。
(1)光透過率及びシート抵抗値の測定
作製した各透明電極について、実施例1と同様にして、光透過率(%)及びシート抵抗値(Ω/□)を測定した。
透明電極の構成及び測定結果を表4に示す。
(2)炭酸塩緩衝液に浸漬下の電極寿命
実施例1と同様に温度25℃、pH10の炭酸塩緩衝液に浸漬下の電極寿命について、シート抵抗値が浸漬前の2倍になるのに要する時間を測定した。
測定結果を表4に示す。
なお、電極寿命は、透明電極406の電極寿命を100とする相対値で示している。
Figure 2015122243
(3)まとめ
表4から明らかなように、1配位〜4配位のいずれかである金属錯体を用いた中間層上に銅(Cu)、金(Au)及び白金(Pt)を主成分とした導電性層を設けた本発明の透明電極408、410〜421は、いずれも光透過率が61%以上であり、シート抵抗値が13.8Ω/□以下に抑えられている。これに対して、比較例の透明電極401〜407は、光透過率が61%未満のものがあり、しかもシート抵抗値が13.8Ω/□を超えるものがあった。
また、耐久性(電極寿命)においても、本発明の透明電極408、410〜421は、比較例の透明電極401〜407と比較して、優れていることがわかる。
以上から、本発明の透明電極は、高い光透過率と導電性とを兼ね備え、更に耐久性に優れていることが確認された。
1 透明電極
1a 中間層
1b 導電性層
2 透明電極
2a 中間層
2a1 第1中間層
2a2 第2中間層
1−1、1−2 透明電極
3、3A、3B、3−1、3−2 中間層
5、5−1、5−2 銅薄膜電極
5x1、5x2、5x3等 x電極パターン(第1の銅薄膜電極)
5y1,5y2、5y3等 y電極パターン(第2の銅薄膜電極)
6 レジスト膜
7 マスク
8 露光機
9 エッチング液
11、11−1、11−2 透明基板
13 前面板
15 接着剤
17、17x,17y 配線
21、21a タッチパネル
31 液晶表示素子
32−1、32−2 偏光フィルター
33−1、33−2 ガラス基板
34−1、34−2 透明電極
35−1、35−2 配向膜
36 液晶
37 スペーサー

Claims (18)

  1. 導電性層と、前記導電性層に隣接して設けられる少なくとも1層の中間層と、を備える透明電極であって、
    前記導電性層が、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分として構成され、
    前記中間層には、1配位、2配位、3配位及び4配位のいずれかである金属錯体が含有されていることを特徴とする透明電極。
  2. 前記金属が、銅であることを特徴とする請求項1に記載の透明電極。
  3. 前記金属錯体が、有機配位子を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の透明電極。
  4. 前記金属錯体の分子全体における電荷が、中性であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の透明電極。
  5. 前記金属錯体が、遷移金属原子を有し、かつ前記金属錯体の配位子中の配位原子が、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、リン原子及びカルベン炭素原子のいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の透明電極。
  6. 前記金属錯体が、下記一般式(1)〜(5)のいずれかで表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項5に記載の透明電極。
    Figure 2015122243
    Figure 2015122243
    Figure 2015122243
    Figure 2015122243
    Figure 2015122243
    〔一般式(1)〜(5)中、Mは遷移金属原子を表し、多座配位子と共有結合及び配位結合を形成している。多座配位子は、互いに結合して三座配位子又は四座配位子となってもよい。Lは、補助配位子を表し、Mと共有結合又は配位結合を形成している。nは、0〜2の整数を表す。nが1のとき、Lは単座配位子又は多座配位子のいずれであってもよく、nが2のとき、Lは同一であっても異なっていてもよいが、分子全体における電荷は中性である。〕
  7. 前記一般式(1)で表される構造を有する金属錯体が、下記一般式(1−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項6に記載の透明電極。
    Figure 2015122243
    〔一般式(1−1)中、Mは遷移金属原子を表す。R及びRは、それぞれ独立に、置換基を表す。L及びLは、Mと共有結合又は配位結合を形成している配位子を表し、互いに結合して二座配位子を形成してもよい。〕
  8. 前記一般式(2)で表される構造を有する金属錯体が、下記一般式(2−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項6に記載の透明電極。
    Figure 2015122243
    〔一般式(2−1)中、Mは遷移金属原子を表す。R及びRは、それぞれ独立に、置換基を表す。R〜R12は、それぞれ独立に、置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。〕
  9. 前記一般式(3)で表される構造を有する金属錯体が、下記一般式(3−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項6に記載の透明電極。
    Figure 2015122243
    〔一般式(3−1)中、Mは遷移金属原子を表す。X〜Xは、それぞれ独立に、−CR21又は窒素原子を表し、R21は、水素原子又は置換基を表す。R13〜R20は、それぞれ独立に、置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。〕
  10. 前記一般式(4)で表される構造を有する金属錯体が、下記一般式(4−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項6に記載の透明電極。
    Figure 2015122243
    〔一般式(4−1)中、Mは遷移金属原子を表す。R22〜R25は、それぞれ独立に、置換基を表す。環Aは、窒素原子及び炭素原子とともに形成される五員又は六員の芳香族複素環を表し、更に置換基を有していてもよく、それらの置換基が互いに結合して環を形成してもよい。L及びLは、Mと共有結合又は配位結合を形成している配位子を表し、互いに結合して二座配位子を形成してもよい。〕
  11. 前記一般式(5)で表される構造を有する金属錯体が、下記一般式(5−1)で表される構造を有する化合物であることを特徴とする請求項6に記載の透明電極。
    Figure 2015122243
    〔一般式(5−1)中、Mは遷移金属原子を表す。R26〜R29は、それぞれ独立に、置換基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。X及びXは、それぞれ独立に、−CR30又は窒素原子を表し、R30は水素原子又は置換基を表す。R31は、水素原子又は置換基を表す。L及びLは、Mと共有結合又は配位結合を形成している配位子を表し、互いに結合して二座配位子を形成してもよい。〕
  12. 前記遷移金属原子が、Co(II)、Ni(II)、Cu(II)、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)の中から選ばれるいずれか一種であることを特徴とする請求項5から請
    求項11までのいずれか一項に記載の透明電極。
  13. 前記遷移金属原子が、Cu(II)、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)の中から
    選ばれるいずれか一種であることを特徴とする請求項12に記載の透明電極。
  14. 前記遷移金属原子が、Pd(II)、Pt(II)及びAu(III)の中から選ばれるいずれか一種であることを特徴とする請求項13に記載の透明電極。
  15. 前記遷移金属原子が、Au(III)であることを特徴とする請求項14に記載の透明電
    極。
  16. 前記中間層が、前記導電性層側から順に、第1中間層及び第2中間層の2層から構成され、
    前記第1中間層が、前記金属錯体を含有する層であり、
    前記第2中間層が、芳香族性に関与しない非共有電子対を持つ窒素原子を有する芳香族複素環化合物を含有する層であり、
    前記第1中間層の層厚が、0.5〜10nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項15までのいずかれ一項に記載の透明電極。
  17. 前記導電性層が、銅、金、又は白金のいずれかの金属を主成分とし、かつ有機溶媒を含有する導電性インクを用いて、湿式法により形成されたことを特徴とする請求項1から請求項16までのいずれか一項に記載の透明電極。
  18. 請求項1から請求項17までのいずれか一項に記載の透明電極が備えられたことを特徴とする電子デバイス。
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