JP2001262359A - 触媒膜形成用塗布液、透明導電膜の形成方法、及び透明導電膜 - Google Patents

触媒膜形成用塗布液、透明導電膜の形成方法、及び透明導電膜

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JP2001262359A JP2000080936A JP2000080936A JP2001262359A JP 2001262359 A JP2001262359 A JP 2001262359A JP 2000080936 A JP2000080936 A JP 2000080936A JP 2000080936 A JP2000080936 A JP 2000080936A JP 2001262359 A JP2001262359 A JP 2001262359A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い導電性と高い透明性とが両立した透明導
電を得る。 【解決手段】 Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、
Au又はAgを中心金属とする金属錯体高分子化合物
と、前記金属錯体高分子化合物とは非相溶性の非相溶性
高分子化合物と、前記金属錯体高分子化合物及び前記非
相溶性高分子化合物が共に可溶な相溶性溶剤とを含有
し、かつ前記金属錯体高分子化合物と前記非相溶性高分
子化合物との重量比が、1対2ないし1対5の範囲内で
ある触媒膜形成用塗布液を基材に塗布・乾燥し、この上
に無電解メッキを施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性及び透明性
に優れた透明導電膜に関するものであり、特に、網目状
構造の透明導電膜を無電解メッキにより基材上に形成す
るための触媒膜を形成する触媒膜形成用塗布液、この触
媒膜形成用塗布液を用いる透明導電膜の形成方法、及び
前記透明導電膜の形成方法により形成された導電性及び
透明性が共に優れた透明導電膜に関する。
【0002】
【従来の技術】透明導電膜は帯電防止膜、電磁波遮蔽
膜、タッチパネル等のディスプレイ装置の透明電極、デ
フロスター等の面状発熱体等として多用されており、導
電性と透明性とが共に一層優れたものが求められてい
る。例えば導電性については、帯電防止効果のみを目的
とする場合には表面抵抗値で108 Ω/□台の導電性で
十分とされてきたが、電磁波シールド効果を達成するた
めには104 Ω/□台以下、さらに好ましくは102 Ω
/□台以下への一層の低抵抗化が要求されている。ま
た、透明電極として利用される場合にも電磁波シールド
用と同等以上の導電性が要求されている。更に、面状発
熱体に利用される場合には電磁波シールド用以上の高導
電性(101 〜100 Ω/□台)が求められ、しかも一
層の高透明性が要求されている。
【0003】前記の各種要求に応える透明導電膜の形成
方法としては、大別して、例えばCVD法、スパッタリ
ング法等の気相法と、導電性の微粒子を含む塗布液を基
材上にスピンコート、ディップコート、バーコート、ロ
ールコート、スプレーコート等の手段で塗布し必要によ
り加熱又は紫外線照射等により塗膜を乾燥ないし硬化さ
せる塗布法とが用いられ、またこれら以外にも例えば印
刷法、フォトリソグラフィ等による成膜方法も注目され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこれら従来の透
明導電膜の形成方法には、例えば下記の問題点があっ
た。即ち、気相法の場合、高導電性、高透明性の透明導
電膜を形成することはできるが装置が高価であり、しか
も透明導電膜が被着される基材の大きさが制限されるの
で、量産製品や大型製品には実用化が困難である。印刷
法、フォトリソグラフィ法は前記問題を解決する方法と
して期待されるものの、印刷法については形成された透
明導電膜の視認性、解像度の向上に限界があり、フォト
リソグラフィ法については装置コスト面から量産製品や
大型製品には不向きである。
【0005】一方、塗布法は、透明導電膜を形成する基
材の寸法や形状の制限がなく、透明導電膜を大量、簡便
かつ安価に形成することができるものの、気相法による
透明導電膜と比較するとき、導電性と透明性とを両立さ
せることが困難という問題があった。
【0006】この塗布法の問題を解決するため、例えば
特開平10−340629号公報はスプレーコート法に
より金属が網目状に分布した膜を形成する方法を提案し
ている。しかしこの方法は塗布方法がスプレーコート法
に限定されるので、量産性が必ずしも良好でなく、しか
も基材を大型化した場合には、膜構造・膜質の不均一
等、膜欠陥が生じやすいという問題があった。従って本
発明は、従来技術における前記の課題を解決し、基材の
種類や形状に適した任意の塗布方法が採用できて、しか
も膜特性として気相法により形成された透明導電膜と同
等以上の高導電性及び高透明性を有する透明導電膜を形
成することができる手段、及びこの手段により形成され
る透明導電膜を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
解決のため鋭意研究の結果、Ru、Rh、Pd、Os、
Ir、Pt、Au及びAgからなる群から選ばれた少な
くとも1種を中心金属として含む金属錯体高分子化合物
と、この金属錯体高分子化合物とは非相溶性の高分子化
合物とを含む塗布液を用いて膜を形成し、この膜を触媒
として引き続き無電解メッキを施すと、前記の課題を解
決し得る透明導電膜が得られることを見出し、本発明を
完成するに至った。即ち本発明は、請求項1において、
網目状構造の透明導電膜を無電解メッキにより基材上に
形成するための触媒膜を形成する触媒膜形成用塗布液で
あって、前記触媒膜形成用塗布液は、Ru、Rh、P
d、Os、Ir、Pt、Au及びAgからなる群から選
ばれた少なくとも1種を中心金属として内包する金属錯
体高分子化合物と、前記金属錯体高分子化合物とは非相
溶性である非相溶性高分子化合物と、前記金属錯体高分
子化合物及び前記非相溶性高分子化合物が共に可溶であ
る相溶性溶剤とを含有し、かつ前記金属錯体高分子化合
物と前記非相溶性高分子化合物との重量比が、1対2な
いし1対5の範囲内である触媒膜形成用塗布液を提供す
る。
【0008】前記金属錯体高分子化合物と非相溶性高分
子化合物とが共通の相溶性溶剤に溶解されてなる触媒膜
形成用塗布液を基材に塗布し、相溶性溶剤を乾燥除去す
ると、触媒膜形成用塗布液に含有された金属錯体高分子
化合物と非相溶性高分子化合物との重量比が1対2ない
し1対5の範囲内である場合には、前記金属錯体高分子
化合物が基材上に網目状に配列した膜を形成するように
なる。ところで金属錯体高分子化合物に内包された前記
の中心金属は、無電解メッキにより金属が析出する際の
触媒となる。従って、本発明の触媒膜形成用塗布液を塗
布して得られる塗布膜は、無電解メッキのための網目状
構造の触媒膜となっていて、この網目状触媒膜の上に無
電解メッキを施すと、メッキ金属が網目状構造の連続組
織を形成して透明導電膜が形成される。
【0009】本発明の触媒膜形成用塗布液を用いて前記
のように無電解メッキにより形成された透明導電膜は、
金属導体が網目状に連続しているので高い導電性が得ら
れると共に、網目の間隙の部分は金属導体が形成されて
いない開口部となっているので光透過性が高く、気相法
により形成された透明導電膜と同等以上の高導電性と高
透明性とが共に達成できる。
【0010】触媒膜形成用塗布液において金属錯体高分
子化合物1重量部に対して非相溶性高分子化合物が2重
量部未満では、網目構造中で非相溶性高分子化合物が形
成する開口部の開口径が小さくなって透明性が低下す
る。金属錯体高分子化合物1重量部に対して非相溶性高
分子化合物が5重量部を越えると、金属錯体高分子化合
物が連続した網目構造を形成し得なくなり、この上に無
電解メッキを施しても、メッキ層の導電性が得られなく
なる。
【0011】前記の金属錯体高分子化合物は、下記式
1、式2、式3、又は式4のいずれかの化学構造を有す
るものであることが好ましい。
【0012】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0013】(前記式1、式2、式3、又は式4におい
て、Mは、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Au
及びAgからなる群から選ばれた少なくとも1種の中心
金属を表す。) これらの金属錯体高分子化合物は特に、無電解メッキに
対する触媒活性が高く、良好な導電性を有するメッキ金
属の網目構造を形成することができる。
【0014】前記の触媒膜形成用塗布液は、金属錯体高
分子化合物の表面張力をγA、非相溶性高分子化合物の
表面張力をγBとするとき、γB>γAであることが好
ましい。表面張力が前記関係にあれば、金属錯体高分子
化合物は非相溶性高分子化合物より表面張力が小さいの
で、島状に延展した非相溶性高分子化合物の周囲に金属
錯体高分子化合物が集合して網目構造を形成し易くな
る。
【0015】前記において触媒膜形成用塗布液は、金属
錯体高分子化合物の中心金属を前記触媒膜形成用塗布液
中に金属換算で0.15重量%以上含有していることが
好ましい。本発明の触媒膜形成用塗布液が金属換算で
0.15重量%以上の前記中心金属を含むことによっ
て、形成される触媒膜の触媒活性が向上し、基材上に形
成される触媒膜が薄くてもこの上に十分な厚みのメッキ
膜を形成することができるようになる。
【0016】本発明は請求項5において、前記の触媒膜
形成用塗布液を基材上に塗布・乾燥して網目状の触媒膜
を形成し、次いでこの触媒膜に無電解メッキを施して透
明導電膜を形成する透明導電膜の形成方法を提供する。
【0017】本発明の透明導電膜の形成方法によれば、
前記のように金属錯体高分子化合物が基材上に網目状に
配列した触媒膜が形成されるので、この網目状の触媒膜
の上に無電解メッキを施すと、メッキ金属が網目状構造
の連続組織を形成して高い導電性と高い透明性とが両立
した透明導電膜となる。
【0018】前記において、金属錯体高分子化合物の表
面張力をγA、前記非相溶性高分子化合物の表面張力を
γB、塗布する基材の表面張力をγSとするとき、γB
>γS>γAとすることが好ましい。
【0019】表面張力を前記関係とすることによって、
金属錯体高分子化合物は前記基材上に良好な網目構造の
触媒相を形成し、非相溶性高分子化合物は網目の間を充
填する非触媒相を形成するようになる。
【0020】更に本発明は請求項7において、前記の透
明導電膜の形成方法により形成され、表面抵抗が103
Ω/□未満でありかつ全光線透過率が60%以上である
透明導電膜を提供する。
【0021】前記本発明の触媒膜形成用塗布液を用い本
発明の透明導電膜の形成方法に従って形成された本発明
の透明導電膜は、表面抵抗が103 Ω/□未満でかつ全
光線透過率が60%以上となり、気相法により形成され
た透明導電膜と同等以上の高導電性、高透明性を有する
透明導電膜となる。
【0022】前記本発明の透明導電膜は、基材の種類や
形状に適した任意の塗布方法により、導電性、透明性が
共に優れた透明導電膜を形成することができる。本発明
の塗布液を使用して形成された透明導電膜は極めて高導
電性かつ高透明性を有し、しかも成膜の際、高温加熱処
理が不必要なことからプラスチックフイルム上に成膜す
ることも可能であり、塗布方法も制限されないため、量
産性に優れている。このため、基材として硝子からプラ
スチックフイルムまで広く選定可能であり、建造物、車
両、制御機器等の電磁波シールド用の透明導電膜、タッ
チパネル等のディスプレイ装置の透明電極、またデフロ
スター等の面状発熱体等として広範な分野で利用可能と
なる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を掲げ更
に詳しく説明する。なお、この実施の形態は本発明を何
ら制限するものではない。また、本発明において金属錯
体高分子化合物に含まれる中心金属としては、Ru、R
h、Pd、Os、Ir、Pt、Au及びAgからなる群
から選ばれた少なくとも1種であればいずれでもよい
が、なかでもPdは比較的入手が容易でかつ特性も優れ
ているため、以下の実施形態ではPdの場合につき詳細
に説明する。
【0024】触媒膜形成用塗布液 この実施形態に係る触媒膜形成用塗布液(以下「本塗布
液」という)は、金属錯体高分子化合物と、この金属錯
体高分子化合物とは非相溶性の非相溶性高分子化合物
と、前記金属錯体高分子化合物及び前記非相溶性高分子
化合物が共に可溶である溶剤(以下「相溶性溶剤」とい
う)とを少なくとも含有している。そして、本塗布液中
に含有される前記金属錯体高分子化合物と非相溶性高分
子化合物との重量比は1対2から1対5の範囲内、好ま
しくは1対2.25から1対3.25の範囲とされてい
る。本塗布液において、前記金属錯体高分子化合物と非
相溶性高分子化合物と相溶性溶剤とは、相平衡により相
溶状態を保っている。
【0025】ここで、金属錯体高分子化合物は、例え
ば、ポリエステル系、ポリアミン系、ポリビニルアルコ
ール系、又はポリアクリル酸系であって、それぞれ前記
の式1、式2、式3、又は式4に示す構造を有している
ことが好ましい。
【0026】前記式1に示すポリエステル系金属錯体高
分子化合物は、例えば、Pd錯体共存下で高分子重合反
応を起こさせる方法、いわゆる錯体重合法を用いて合成
することができる。この方法においては、通常、クエン
酸とエチレングリコールが好適に使用される。即ち、ク
エン酸は1分子の中に3個のカルボキシル基と1個の水
酸基とを有するので、Pdイオンと安定なキレート錯体
を形成する。このキレート錯体を含むクエン酸・エチレ
ングリコール溶液中で重合エステル化を進行させ、溶液
系をポリエステル樹脂に変換させる。
【0027】前記式2に示すポリアミン系金属錯体高分
子化合物は、例えばポリオキシエチレン、ポリオキサゾ
リン、ポリエチレン等の側鎖あるいは末端の水酸基に、
縮合反応により遷移金属との配位が可能なピピリジル基
等の配位子を導入し、その後Pd塩と反応させることに
より、この配位子とPdイオンとの錯体形成反応を利用
する方法を用いて合成することができる。
【0028】前記式3に示すポリビニルアルコール系
や、式4に示すポリアクリル酸系の金属錯体高分子化合
物は、例えば、Pdイオンと配位可能な水酸基、カルボ
キシル基等の官能基を有するポリビニルアルコールやポ
リアクリル酸等の水溶性高分子を用いて合成することが
できる。即ち、ポリビニルアルコールやポリアクリル酸
等には、Pdイオンに配位可能な水酸基或いはカルボキ
シル基が存在するので、水に可溶なPd塩であれば、P
dが高分子化合物の中に固定された、即ち、Pdを内包
した安定な高分子化合物を得ることができる。
【0029】一方、前記の非相溶性高分子化合物として
は、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデ
ン、ポリビニルアルコール、ビニルブチラール、ビニル
ホルマール等のビニル系樹脂を単独、もしくは複数の共
重合体として、また他の例としてはポリビニルアセター
ル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポ
リエーテル系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、メ
ラミン系樹脂、グアナミン系樹脂、ウレタン系樹脂、エ
ポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、飽和共重合
ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系
樹脂、ポリアミド系樹脂、ナイロン系樹脂、澱粉、ロジ
ン等の天然高分子系、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、エチル・メチルセ
ルロース、ヒドロキシエチル・メチルセルロース、ヒド
ロキシエチル・エチルセルロース、ナトリウム・カルボ
キシメチルセルロース等のセルロースエーテル類が挙げ
られ、これらを単独又は複数組み合わせて用いることが
できる。
【0030】本塗布液に用いる相溶性溶剤としては、例
えば下記の溶剤を単独、又は複数組み合わせて用いるこ
とができる。即ち、アルコール類、例えばメタノール、
エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1
−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコー
ル、イソペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−
メチルー1―ペンタノール、4−メチルー2−ペンタノ
ール、2−エチルー1−ブタノール、1−ヘプタノー
ル、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタ
ノール、2−オクタノール、シクロヘキサノール、α―
テルピネオール、エチレングリコール、ヘキシレングリ
コール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノ
ール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソ
プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、フル
フリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1−メトキシー2―プロパノール、1−エトキシー2−
プロパノール、ジプロピレングリコール、ジアセトンア
ルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等:ケトン
類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタ
ノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブ
チルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソ
ブチルケトン、アセトニルアセトン、メシチルオキシ
ド、ホロン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシ
クロヘキサノン、アセトフェノン等:エステル類、例え
ばギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチ
ル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチ
ル、酢酸イソブチル、酢酸sec―ブチル、酢酸ペンチ
ル、酢酸イソペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸
sec―ヘキシル、酢酸2―エチルブチル、酢酸―エチ
ルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロ
ピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブ
チル、酪酸エステル、イソ酪酸エステル、イソ吉草酸エ
ステル、ステアリン酸エステル、マレイン酸エステル、
フタル酸エステル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸
プロピレン、ホウ酸エステル、リン酸エステル等:窒素
化合物、例えばニトロメタン、ニトロエタン、1−ニト
ロプロパン、2−ニトロプロパン、ニトロベンゼン、ア
セトニトリル、ジペンチルアミン、エチレンジアミン、
プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエ
チレンペンタミン、ホルムアミド、N,N―ジメチルホ
ルムアミド、N,N―ジエチルホルムアミド、N,N―
ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピ
ロリドン等:及びその他の例として、例えばジメチルス
ルホキシド、チオフェン、硫化ジメチル、硫化ジエチ
ル、スルホラン、水、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ジオキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
【0031】特に好ましい相溶性溶剤としては、前記溶
剤のうち例えば、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソ
ブチル、ギ酸ペンチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec―ブチ
ル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸2―エチル
ブチル、又はプロピオン酸ブチルを単独又は複数組み合
わせた系と、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニ
ルアセトン、アセトフェノン、2−ペンタノン、3−ペ
ンタノン、2−ヘキサノン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、
酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピ
オン酸エチル、又はジオキサンを単独又は複数組み合わ
せて用いるとより効果的である。
【0032】前記の金属錯体高分子化合物と非相溶性高
分子化合物と相溶性溶剤とは、前記例の中から任意に選
択できるが、分子凝集エネルギーをΔE(cal/mol)、
分子容をV(ml/mol)としたとき、一般に δ=(ΔE/V)1/2 で表される溶解パラメーターにおいて、金属錯体高分子
化合物の溶解パラメーターをδA、非相溶性高分子化合
物の溶解パラメーターをδB、相溶性溶剤の溶解パラメ
ーターをδCとすると、相分離せずに安定な塗布液を形
成するには、 |δA−δB|≧0.2、|δC−δA|≦0.5、|
δC−δB|≦0.5 の関係を同時に満足させることが好ましい。
【0033】本塗布液中におけるPdの含有量は、Pd
金属換算で0.15重量%以上であることが好ましい。
Pd含有量が0.15重量%を下回ると良好な無電解メ
ッキ用の触媒膜を形成することができず、導電性に優れ
た透明導電膜が形成し難くなる。本塗布液中におけるP
dの含有量の上限値は、通常、Pd金属換算で5重量%
であり、これを超えて含有させることは不経済である。
【0034】本塗布液には、本発明の効果を損なわない
範囲で、以下に述べる表面張力の関係を改善するために
界面活性剤等を添加することができる。
【0035】透明導電膜の形成方法及び透明導電膜 まず透明導電膜の形成方法について詳しく説明する。本
発明の透明導電膜(以下「本透明導電膜」という)は、
前記の本塗布液を基材上に任意の塗布方法により塗布・
乾燥して網目状構造の無電解メッキ用触媒膜を形成し、
その後、常法に従って無電解メッキを施すことにより形
成される。形成された本透明導電膜は、網目状に連続し
た金属導電部と非導電性の開口部とを有している。
【0036】前記の塗布膜を乾燥する際には、塗膜を十
分に乾燥させるために加熱してもよい。この場合、用い
た基材に適した温度で加熱することができ、この際の加
熱雰囲気は特に制限されない。得られた乾燥膜に無電解
金属メッキを施すと、網目状に分布した金属錯体高分子
化合物中に含まれるPdが触媒となり、触媒膜上にメッ
キ金属が析出することにより、表面の顕微鏡写真を図1
に示すように、メッキ金属が網目状に分布した導電性連
続相が形成される。無電解メッキにより析出させる金属
は、例えばNi、Cu、Ag、Au、Pt又はそれらを
主成分とする金属であり得る。
【0037】前記メッキ金属の連続相となる網目の線
幅、及び光を透過する開口部の開口径は、本塗布液中の
金属錯体高分子化合物と非相溶性高分子化合物との配合
比率を調整することにより制御できる。このとき網目線
幅は概略2〜30μmの範囲で、また開口径は概略10
〜300μmの範囲で任意に調整することができるが、
本透明導電膜の高導電性及び高透明性を確保し、更に視
認性を考慮した場合、網目線幅は5〜15μmの範囲
内、開口径は20〜50μmの範囲内とすることが好ま
しい。
【0038】本塗布液を塗布する基材は、特に制限され
るものではないが、例えば各種硝子、プラスチック、プ
ラスチックフイルム等が使用できる。ここで良好な網目
を形成するためには、金属錯体高分子化合物の表面張力
をγA、非相溶性高分子化合物の表面張力をγB、基材
の表面張力をγSとするとき、γB>γS>γAの関係
が成立するようにすることが好ましい。そこで必要に応
じては、用いる基材に対し放電処理、紫外線処理、放射
線処理、化学薬品処理、又は表面に各種のコーティング
膜を設ける等の表面処理を施してもよい。また前記表面
張力調整のために本塗布液に界面活性剤等を添加しても
よい。
【0039】本塗布液は、基材に塗布する際の塗布方法
に制限がなく、用いる基材の種類、形状に応じてスピン
コート法、ディップコート法、バーコート法、ロールコ
ート法、又はスプレー法等の一般に行われる任意の塗布
法のうち最適な方法を選択して塗布することができる。
【0040】前記により網目状の導電部を有する透明導
電膜が形成される理由は必ずしも明確ではないが、次の
ように考えられる。即ち、本塗布液は金属錯体高分子化
合物と非相溶性高分子化合物と相溶性溶剤とが相平衡に
より相溶状態を保っているが、この塗布液を基材上に塗
布し、放置あるいは加熱により相溶性溶剤を除去する
と、残された金属錯体高分子化合物と非相溶性高分子化
合物との平衡が破れて相分離を起こし、この際、金属錯
体高分子化合物は基材上に網目状に析出し、この網目状
に形成された金属錯体高分子化合物に内包されたPdが
メッキ金属の析出サイトを形成する。一方、島状に独立
した非相溶性高分子化合物の部分にはPdが存在しない
ためメッキ金属の析出がなく、開口部が形成される。
【0041】このようにして得られた透明導電膜は、メ
ッキ金属の連続相が導通部となって導電性を発揮するた
め高い導電性が得られ、メッキ金属の析出がない開口部
によって高い透明性が得られるので、導電性及び透明性
が共に優れた透明導電膜となり、表面抵抗値が103
Ω/□未満、全光線透過率が60%以上の透明導電膜と
なる。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例と比較例を掲げ、本発
明を更に詳説する。 (実施例1)触媒膜形成用塗布液の調製 エチレングリコール0.08gにクエン酸0.12gを
加え、更にPd金属換算で4.34重量%のPdを含む
硝酸パラジウム水溶液を0.57g加えた後、100℃
に加熱しながら3時間攪拌し、Pdのクエン酸錯体をク
エン酸・エチレングリコール中で重合エステル化させた
式1の金属錯体高分子化合物1を含む水溶液を得た。次
に、この液に非相溶性高分子化合物1として塩化ビニル
−酢酸ビニル−PVA共重合体(電気化学工業社製「デ
ンカ1000GK」)を0.6g加えた後、相溶性溶剤
としてメチルエチルケトンを8.63g加え、攪拌し、
実施例1の触媒膜形成用塗布液1を調製した。この塗布
液中における金属錯体高分子化合物1と非相溶性高分子
化合物1との重量比は1対3であった。
【0043】透明導電膜の形成 実施例1の触媒膜形成用塗布液1を、バーコータ(we
t:6.86μm厚type)を用いて基材であるPE
Tフイルムのコロナ処理面上に塗布した後、室温におい
て放置乾燥し次いで大気中100℃で3分間乾燥して、
網目状のPd含有触媒膜を形成させ、その後20℃の無
電解銅メッキ浴に30分間浸漬し、実施例1の透明導電
膜1を得た。なお、この透明導電膜の形成方法におい
て、金属錯体高分子化合物1の表面張力をγA1 、非
相溶性高分子化合物1の表面張力をγB1 、基材の表面
張力をγSとするとき、γB1>γS>γA1の関係を満
足していた。
【0044】透明導電膜の評価 実施例1の透明導電膜1を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、図1の顕微鏡写真に示すように、網目状のPd含有
触媒膜が形成された部位にのみCuの析出が確認され、
Pd含有触媒膜が形成されていない開口部にはCuの析
出が認められなかった。実施例1の透明導電膜につい
て、網目の線幅、開口部の開口径、表面抵抗値(R
s)、全光線透過率(T)、及びヘーズ値(H)をそれ
ぞれ下記の方法又は装置により測定した。結果を表1に
示す。 網目の線幅;透明導電膜を光学顕微鏡を使用して撮影
し、得られた顕微鏡写真により測定。 開口部の開口径;前記顕微鏡写真により測定。 表面抵抗値(Rs);三菱油化社製「ロレスタ・AP」
を使用。 全光線透過率(T);TOKYO DENSHOKU.CO.LTD AUTOMATI
C HAZE METER MODEL TC-HIIIDPを使用。 ヘーズ値(H);TOKYO DENSHOKU.CO.LTD AUTOMATIC HA
ZE METER MODEL TC-HIIIDPを使用。
【0045】(実施例2)触媒膜形成用塗布液の調製 実施例1の金属錯体高分子化合物1を含む水溶液に、非
相溶性高分子化合物2として塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体(信越化学工業社製「SC−400G」)を0.
3g加え、さらに前記非相溶性高分子化合物1を0.3
g加えた後、相溶性溶剤としてジイソブチルケトンを2
g、次いでメチルエチルケトンを6.63g加え、攪拌
し、実施例2の触媒膜形成用塗布液2を調製した。この
触媒膜形成用塗布液2における金属錯体高分子化合物1
と非相溶性高分子化合物(非相溶性高分子化合物1と非
相溶性高分子化合物2との合計量)の重量比は1対3で
あった。
【0046】透明導電膜の形成 前記の触媒膜形成用塗布液2を用いた他は実施例1と同
様にして、実施例2の透明導電膜2を形成した。なお、
この透明導電膜2の形成方法において、金属錯体高分子
化合物1の表面張力をγA1 、非相溶性高分子化合物
(1+2)の表面張力をγB2 、基材の表面張力をγS
とするとき、γB2 >γS>γA1 の関係を満足してい
た。
【0047】透明導電膜の評価 実施例2の透明導電膜2を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、網目状のPd含有触媒膜が形成された部位にのみC
uの析出が確認され、Pd含有触媒膜が形成されていな
い開口部にはCuの析出が認められなかった。実施例2
の透明導電膜について、実施例1と同様にして網目の線
幅、開口部の開口径、表面抵抗値(Rs)、全光線透過
率(T)、及びヘーズ値(H)を測定した。結果を表1
に示す。
【0048】(実施例3)触媒膜形成用塗布液の調製 実施例1の金属錯体高分子化合物1を含む水溶液に、前
記非相溶性高分子化合物1を0.6g加えた後、相溶性
溶剤として酢酸イソプロピルを3.6g、ギ酸プロピル
を2.16g、メチルエチルケトンを1.45g、及び
アセトンを1.42g加え、攪拌し、実施例3の触媒膜
形成用塗布液3を調製した。この触媒膜形成用塗布液3
における金属錯体高分子化合物1と非相溶性高分子化合
物1との重量比は1対3であった。
【0049】透明導電膜の形成 前記の触媒膜形成用塗布液3を用いた他は実施例1と同
様にして、実施例3の透明導電膜3を形成した。なお、
この透明導電膜3の形成方法において、金属錯体高分子
化合物1の表面張力をγA1 、非相溶性高分子化合物1
の表面張力をγB1 、基材の表面張力をγSとすると
き、γB1 >γS>γA1 の関係を満足していた。
【0050】透明導電膜の評価 実施例3の透明導電膜3を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、網目状のPd含有触媒膜が形成された部位にのみC
uの析出が確認され、Pd含有触媒膜が形成されていな
い開口部にはCuの析出が認められなかった。実施例3
の透明導電膜について、実施例1と同様にして網目の線
幅、開口部の開口径、表面抵抗値(Rs)、全光線透過
率(T)、及びヘーズ値(H)を測定した。結果を表1
に示す。
【0051】(実施例4)触媒膜形成用塗布液の調製 10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製「PV
A−205」)を含むPVA水溶液1gに、Pd金属換
算で4.34重量%のPdを含む酢酸パラジウム水溶液
を0.57g加えた後、50℃に加熱しながら12時間
攪拌し、式3の金属錯体高分子化合物2を含む水溶液を
得た。次に、この液に非相溶性高分子化合物3としてポ
リビニルアセタール樹脂(積水化学工業社製「KW−
1」:固形分19.8%)を1.52g加えた後、相溶
性溶剤として水を5.53g、エタノールを1.38g
加え、攪拌し、実施例4の触媒膜形成用塗布液4を調製
した。この塗布液中における金属錯体高分子化合物2と
非相溶性高分子化合物3との重量比は1対3であった。
【0052】透明導電膜の形成 前記の触媒膜形成用塗布液4を用いた他は実施例1と同
様にして、実施例4の透明導電膜4を形成した。なお、
この透明導電膜4の形成方法において、金属錯体高分子
化合物2の表面張力をγA2 、非相溶性高分子化合物3
の表面張力をγB3 、基材の表面張力をγSとすると
き、γB3 >γS>γA2 の関係を満足していた。
【0053】透明導電膜の評価 実施例4の透明導電膜4を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、網目状のPd含有触媒膜が形成された部位にのみC
uの析出が確認され、Pd含有触媒膜が形成されていな
い開口部にはCuの析出が認められなかった。実施例4
の透明導電膜について、実施例1と同様にして網目の線
幅、開口部の開口径、表面抵抗値(Rs)、全光線透過
率(T)、及びヘーズ値(H)を測定した。結果を表1
に示す。
【0054】(実施例5)触媒膜形成用塗布液の調製 ポリアクリル酸溶液(和光純薬工業社製:固形分約25
%)0.4gに、Pd金属換算で4.34重量%のPd
を含む酢酸パラジウム水溶液を0.57g加えた後、7
0℃に加熱しながら8時間攪拌し、式4の金属錯体高分
子化合物3を含む水溶液を得た。次に、この液に非相溶
性高分子化合物4としてポリビニルアセタール樹脂(積
水化学工業社製「KX−1」:固形分8.2%)を3.
66g加えた後、更に水を3.22g、エタノールを
2.15g加え、攪拌し、実施例5の触媒膜形成用塗布
液5を調製した。この塗布液中における金属錯体高分子
化合物3と非相溶性高分子化合物4との重量比は1対3
であった。
【0055】透明導電膜の形成 前記の触媒膜形成用塗布液5を用いた他は実施例1と同
様にして、実施例5の透明導電膜5を形成した。なお、
この透明導電膜5の形成方法において、金属錯体高分子
化合物3の表面張力をγA3 、非相溶性高分子化合物4
の表面張力をγB4 、基材の表面張力をγSとすると
き、γB4 >γS>γA3 の関係を満足していた。
【0056】透明導電膜の評価 実施例5の透明導電膜5を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ、網目状のPd含有触媒膜が形成された部位にのみC
uの析出が確認され、Pd含有触媒膜が形成されていな
い開口部にはCuの析出が認められなかった。実施例5
の透明導電膜について、実施例1と同様にして網目の線
幅、開口部の開口径、表面抵抗値(Rs)、全光線透過
率(T)、及びヘーズ値(H)を測定した。結果を表1
に示す。
【0057】(比較例1)触媒膜形成用塗布液の調製 実施例1で用いた前記金属錯体高分子化合物1を含む水
溶液に前記非相溶性高分子化合物1を1.2g加えた
後、相溶性溶剤としてメチルエチルケトンを8.03g
加え、攪拌し、比較例1の触媒膜形成用塗布液を調製し
た。この塗布液中における金属錯体高分子化合物1と非
相溶性高分子化合物1との重量比は1対6であった。
【0058】透明導電膜の形成 比較例1の触媒膜形成用塗布液を用いた他は実施例1と
同様にして比較例1の透明導電膜を形成しようと試みた
ところ、触媒膜形成時に金属錯体高分子化合物1と非相
溶性高分子化合物1とが、図2の顕微鏡写真に示すよう
に、海−島状に相分離し、網目状のPd含有触媒膜を得
ることはできなかった。この理由は、金属錯体高分子化
合物1に対する非相溶性高分子化合物1の重量比が過大
であったことによる。
【0059】(比較例2)触媒膜形成用塗布液の調製 実施例1で用いた前記金属錯体高分子化合物1を含む水
溶液に前記非相溶性高分子化合物1を0.36g加えた
後、相溶性溶剤としてメチルエチルケトンを8.87g
加え、攪拌し、比較例2の触媒膜形成用塗布液を調製し
た。この塗布液中における金属錯体高分子化合物1と非
相溶性高分子化合物1との重量比は1対1.8であっ
た。
【0060】透明導電膜の形成 比較例2の触媒膜形成用塗布液を用いた他は実施例1と
同様にして比較例2の透明導電膜を形成しようと試みた
ところ、触媒膜形成時に金属錯体高分子化合物1と非相
溶性高分子化合物1とが、図3の顕微鏡写真に示すよう
に、海−島状に相分離し、網目状のPd含有触媒膜を得
ることはできなかった。この理由は、金属錯体高分子化
合物1に対する非相溶性高分子化合物1の重量比が過小
であったことによる。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】本発明の触媒膜形成用塗布液は、金属錯
体高分子化合物と、非相溶性高分子化合物と、相溶性溶
剤とを含有し、かつ前記金属錯体高分子化合物と前記非
相溶性高分子化合物との重量比が、1対2ないし1対5
の範囲内とされているので、これを基材に塗布・乾燥し
て得られる触媒膜は前記金属錯体高分子化合物が網目状
の組織を形成し、この上に無電解メッキを施すと、メッ
キ金属が網目状構造の連続組織を形成して透明導電膜が
形成される。本発明の透明導電膜の形成方法は、前記の
触媒膜形成用塗布液を基材上に任意の塗布方法で塗布・
乾燥して網目状の触媒膜を形成し、次いでこの触媒膜に
無電解メッキを施すものであるので、導電性、透明性が
共に極めて優れた透明導電膜を形成することができるば
かりでなく、成膜の際に高温加熱処理が不必要なことか
ら基材として硝子からプラスチックフイルムまで広く選
定可能であり、塗布方法も制限されないため量産性にも
優れている。本発明の透明導電膜の形成方法に従って形
成された本発明の透明導電膜は、表面抵抗が103 Ω/
□未満でありかつ全光線透過率が60%以上という、極
めて優れた導電性及び透明性を有しているので、建造
物、車両、制御機器等の電磁波シールド用の透明導電
膜、またタッチパネル等のディスプレイ装置の透明電
極、デフロスター等の面状発熱体等として広く利用可能
な透明導電膜となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の透明導電膜の表面を示す顕微鏡写
真。
【図2】 比較例の触媒膜の表面を示す顕微鏡写真。
【図3】 他の比較例の触媒膜の表面を示す顕微鏡写
真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B32B 7/02 104 B32B 7/02 104 Fターム(参考) 4F100 AB01C AB17 AK41 AR00A AT00B BA03 BA10B BA10C BA33 DC16 DC16A DC16C EH46A EH71C EJ86A GB41 JG01 JG01A JL08A JM02A JN01 JN01A 4J038 DM021 EA011 KA04 PA01 4K022 AA01 AA03 AA11 AA13 AA44 AA46 AA49 BA01 BA03 BA08 BA14 BA18 BA31 BA36 CA06 CA22 DA03 5G307 FA01 FA02 FB02 FC09 5G323 BA01 BB06 BC03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 網目状構造の透明導電膜を無電解メッキ
    により基材上に形成するための触媒膜を形成する触媒膜
    形成用塗布液であって、 前記触媒膜形成用塗布液は、Ru、Rh、Pd、Os、
    Ir、Pt、Au及びAgからなる群から選ばれた少な
    くとも1種を中心金属として内包する金属錯体高分子化
    合物と、前記金属錯体高分子化合物とは非相溶性である
    非相溶性高分子化合物と、前記金属錯体高分子化合物及
    び前記非相溶性高分子化合物が共に可溶である相溶性溶
    剤とを含有し、かつ前記金属錯体高分子化合物と前記非
    相溶性高分子化合物との重量比が、1対2ないし1対5
    の範囲内であることを特徴とする触媒膜形成用塗布液。
  2. 【請求項2】 前記の金属錯体高分子化合物は、下記式
    1、式2、式3、又は式4のいずれかの化学構造を有す
    るものであることを特徴とする請求項1に記載の触媒膜
    形成用塗布液。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (前記式1、式2、式3、又は式4において、Mは、R
    u、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Au及びAgから
    なる群から選ばれた少なくとも1種の中心金属を表
    す。)
  3. 【請求項3】 前記の触媒膜形成用塗布液は、金属錯体
    高分子化合物の表面張力をγA、非相溶性高分子化合物
    の表面張力をγBとするとき、γB>γAであることを
    特徴とする請求項1に記載の触媒膜形成用塗布液。
  4. 【請求項4】 前記触媒膜形成用塗布液は、金属錯体高
    分子化合物の中心金属を前記触媒膜形成用塗布液中に金
    属換算で0.15重量%以上含有することを特徴とする
    請求項1に記載の触媒膜形成用塗布液。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の触媒膜形成用塗布液を
    基材上に塗布・乾燥して網目状の触媒膜を形成し、次い
    でこの触媒膜に無電解メッキを施して透明導電膜を形成
    することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の透明導電膜の形成方法
    において、前記金属錯体高分子化合物の表面張力をγ
    A、非相溶性高分子化合物の表面張力をγB、塗布する
    基材の表面張力をγSとするとき、γB>γS>γAと
    することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の透明導電膜の形成方法
    により形成され、表面抵抗が103 Ω/□未満でありか
    つ全光線透過率が60%以上であることを特徴とする透
    明導電膜。
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