JP4242037B2 - 触媒膜形成用塗布液、透明導電膜の形成方法、及び透明導電膜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性及び透明性に優れた透明導電膜に関するものであり、特に、網目状構造の透明導電膜を無電解メッキにより基材上に形成するための触媒膜を形成する触媒膜形成用塗布液、この触媒膜形成用塗布液を用いる透明導電膜の形成方法、及び前記透明導電膜の形成方法により形成された導電性及び透明性が共に優れた透明導電膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明導電膜は帯電防止膜、電磁波遮蔽膜、タッチパネル等のディスプレイ装置の透明電極、デフロスター等の面状発熱体等として多用されており、導電性と透明性とが共に一層優れたものが求められている。例えば導電性については、帯電防止効果のみを目的とする場合には表面抵抗値で108 Ω/□台の導電性で十分とされてきたが、電磁波シールド効果を達成するためには104 Ω/□台以下、さらに好ましくは102 Ω/□台以下への一層の低抵抗化が要求されている。また、透明電極として利用される場合にも電磁波シールド用と同等以上の導電性が要求されている。更に、面状発熱体に利用される場合には電磁波シールド用以上の高導電性(101 〜100 Ω/□台)が求められ、しかも一層の高透明性が要求されている。
【0003】
前記の各種要求に応える透明導電膜の形成方法としては、大別して、例えばCVD法、スパッタリング法等の気相法と、導電性の微粒子を含む塗布液を基材上にスピンコート、ディップコート、バーコート、ロールコート、スプレーコート等の手段で塗布し必要により加熱又は紫外線照射等により塗膜を乾燥ないし硬化させる塗布法とが用いられ、またこれら以外にも例えば印刷法、フォトリソグラフィ等による成膜方法も注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこれら従来の透明導電膜の形成方法には、例えば下記の問題点があった。即ち、気相法の場合、高導電性、高透明性の透明導電膜を形成することはできるが装置が高価であり、しかも透明導電膜が被着される基材の大きさが制限されるので、量産製品や大型製品には実用化が困難である。印刷法、フォトリソグラフィ法は前記問題を解決する方法として期待されるものの、印刷法については形成された透明導電膜の視認性、解像度の向上に限界があり、フォトリソグラフィ法については装置コスト面から量産製品や大型製品には不向きである。
【0005】
一方、塗布法は、透明導電膜を形成する基材の寸法や形状の制限がなく、透明導電膜を大量、簡便かつ安価に形成することができるものの、気相法による透明導電膜と比較するとき、導電性と透明性とを両立させることが困難という問題があった。
【0006】
この塗布法の問題を解決するため、例えば特開平10−340629号公報はスプレーコート法により金属が網目状に分布した膜を形成する方法を提案している。しかしこの方法は塗布方法がスプレーコート法に限定されるので、量産性が必ずしも良好でなく、しかも基材を大型化した場合には、膜構造・膜質の不均一等、膜欠陥が生じやすいという問題があった。
従って本発明は、従来技術における前記の課題を解決し、基材の種類や形状に適した任意の塗布方法が採用できて、しかも膜特性として気相法により形成された透明導電膜と同等以上の高導電性及び高透明性を有する透明導電膜を形成することができる手段、及びこの手段により形成される透明導電膜を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題解決のため鋭意研究の結果、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Au及びAgからなる群から選ばれた少なくとも1種を中心金属として含む金属錯体高分子化合物と、この金属錯体高分子化合物とは非相溶性の高分子化合物とを含む塗布液を用いて膜を形成し、この膜を触媒として引き続き無電解メッキを施すと、前記の課題を解決し得る透明導電膜が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、請求項1において、網目状構造の透明導電膜を無電解メッキにより基材上に形成するための触媒膜を形成する触媒膜形成用塗布液であって、前記触媒膜形成用塗布液は、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Au及びAgからなる群から選ばれた少なくとも1種を中心金属として内包する金属錯体高分子化合物と、前記金属錯体高分子化合物とは非相溶性である非相溶性高分子化合物と、前記金属錯体高分子化合物及び前記非相溶性高分子化合物が共に可溶である相溶性溶剤とを含有し、かつ前記金属錯体高分子化合物と前記非相溶性高分子化合物との重量比が、1対2ないし1対5の範囲内である触媒膜形成用塗布液を提供する。
【0008】
前記金属錯体高分子化合物と非相溶性高分子化合物とが共通の相溶性溶剤に溶解されてなる触媒膜形成用塗布液を基材に塗布し、相溶性溶剤を乾燥除去すると、触媒膜形成用塗布液に含有された金属錯体高分子化合物と非相溶性高分子化合物との重量比が1対2ないし1対5の範囲内である場合には、前記金属錯体高分子化合物が基材上に網目状に配列した膜を形成するようになる。ところで金属錯体高分子化合物に内包された前記の中心金属は、無電解メッキにより金属が析出する際の触媒となる。従って、本発明の触媒膜形成用塗布液を塗布して得られる塗布膜は、無電解メッキのための網目状構造の触媒膜となっていて、この網目状触媒膜の上に無電解メッキを施すと、メッキ金属が網目状構造の連続組織を形成して透明導電膜が形成される。
【0009】
本発明の触媒膜形成用塗布液を用いて前記のように無電解メッキにより形成された透明導電膜は、金属導体が網目状に連続しているので高い導電性が得られると共に、網目の間隙の部分は金属導体が形成されていない開口部となっているので光透過性が高く、気相法により形成された透明導電膜と同等以上の高導電性と高透明性とが共に達成できる。
【0010】
触媒膜形成用塗布液において金属錯体高分子化合物1重量部に対して非相溶性高分子化合物が2重量部未満では、網目構造中で非相溶性高分子化合物が形成する開口部の開口径が小さくなって透明性が低下する。金属錯体高分子化合物1重量部に対して非相溶性高分子化合物が5重量部を越えると、金属錯体高分子化合物が連続した網目構造を形成し得なくなり、この上に無電解メッキを施しても、メッキ層の導電性が得られなくなる。
【0011】
前記の金属錯体高分子化合物は、下記式1、式2、式3、又は式4のいずれかの化学構造を有するものであることが好ましい。
【0012】
【化5】
【化6】
【化7】
【化8】
【0013】
(前記式1、式2、式3、又は式4において、Mは、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Au及びAgからなる群から選ばれた少なくとも1種の中心金属を表す。)
これらの金属錯体高分子化合物は特に、無電解メッキに対する触媒活性が高く、良好な導電性を有するメッキ金属の網目構造を形成することができる。
【0014】
前記の触媒膜形成用塗布液は、金属錯体高分子化合物の表面張力をγA、非相溶性高分子化合物の表面張力をγBとするとき、γB>γAであることが好ましい。
表面張力が前記関係にあれば、金属錯体高分子化合物は非相溶性高分子化合物より表面張力が小さいので、島状に延展した非相溶性高分子化合物の周囲に金属錯体高分子化合物が集合して網目構造を形成し易くなる。
【0015】
前記において触媒膜形成用塗布液は、金属錯体高分子化合物の中心金属を前記触媒膜形成用塗布液中に金属換算で0.15重量%以上含有していることが好ましい。
本発明の触媒膜形成用塗布液が金属換算で0.15重量%以上の前記中心金属を含むことによって、形成される触媒膜の触媒活性が向上し、基材上に形成される触媒膜が薄くてもこの上に十分な厚みのメッキ膜を形成することができるようになる。
【0016】
本発明は請求項5において、前記の触媒膜形成用塗布液を基材上に塗布・乾燥して網目状の触媒膜を形成し、次いでこの触媒膜に無電解メッキを施して透明導電膜を形成する透明導電膜の形成方法を提供する。
【0017】
本発明の透明導電膜の形成方法によれば、前記のように金属錯体高分子化合物が基材上に網目状に配列した触媒膜が形成されるので、この網目状の触媒膜の上に無電解メッキを施すと、メッキ金属が網目状構造の連続組織を形成して高い導電性と高い透明性とが両立した透明導電膜となる。
【0018】
前記において、金属錯体高分子化合物の表面張力をγA、前記非相溶性高分子化合物の表面張力をγB、塗布する基材の表面張力をγSとするとき、γB>γS>γAとすることが好ましい。
【0019】
表面張力を前記関係とすることによって、金属錯体高分子化合物は前記基材上に良好な網目構造の触媒相を形成し、非相溶性高分子化合物は網目の間を充填する非触媒相を形成するようになる。
【0020】
更に本発明は請求項7において、前記の透明導電膜の形成方法により形成され、表面抵抗が103 Ω/□未満でありかつ全光線透過率が60%以上である透明導電膜を提供する。
【0021】
前記本発明の触媒膜形成用塗布液を用い本発明の透明導電膜の形成方法に従って形成された本発明の透明導電膜は、表面抵抗が103 Ω/□未満でかつ全光線透過率が60%以上となり、気相法により形成された透明導電膜と同等以上の高導電性、高透明性を有する透明導電膜となる。
【0022】
前記本発明の透明導電膜は、基材の種類や形状に適した任意の塗布方法により、導電性、透明性が共に優れた透明導電膜を形成することができる。本発明の塗布液を使用して形成された透明導電膜は極めて高導電性かつ高透明性を有し、しかも成膜の際、高温加熱処理が不必要なことからプラスチックフイルム上に成膜することも可能であり、塗布方法も制限されないため、量産性に優れている。このため、基材として硝子からプラスチックフイルムまで広く選定可能であり、建造物、車両、制御機器等の電磁波シールド用の透明導電膜、タッチパネル等のディスプレイ装置の透明電極、またデフロスター等の面状発熱体等として広範な分野で利用可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を掲げ更に詳しく説明する。なお、この実施の形態は本発明を何ら制限するものではない。
また、本発明において金属錯体高分子化合物に含まれる中心金属としては、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Au及びAgからなる群から選ばれた少なくとも1種であればいずれでもよいが、なかでもPdは比較的入手が容易でかつ特性も優れているため、以下の実施形態ではPdの場合につき詳細に説明する。
【0024】
触媒膜形成用塗布液
この実施形態に係る触媒膜形成用塗布液(以下「本塗布液」という)は、金属錯体高分子化合物と、この金属錯体高分子化合物とは非相溶性の非相溶性高分子化合物と、前記金属錯体高分子化合物及び前記非相溶性高分子化合物が共に可溶である溶剤(以下「相溶性溶剤」という)とを少なくとも含有している。そして、本塗布液中に含有される前記金属錯体高分子化合物と非相溶性高分子化合物との重量比は1対2から1対5の範囲内、好ましくは1対2.25から1対3.25の範囲とされている。本塗布液において、前記金属錯体高分子化合物と非相溶性高分子化合物と相溶性溶剤とは、相平衡により相溶状態を保っている。
【0025】
ここで、金属錯体高分子化合物は、例えば、ポリエステル系、ポリアミン系、ポリビニルアルコール系、又はポリアクリル酸系であって、それぞれ前記の式1、式2、式3、又は式4に示す構造を有していることが好ましい。
【0026】
前記式1に示すポリエステル系金属錯体高分子化合物は、例えば、Pd錯体共存下で高分子重合反応を起こさせる方法、いわゆる錯体重合法を用いて合成することができる。この方法においては、通常、クエン酸とエチレングリコールが好適に使用される。即ち、クエン酸は1分子の中に3個のカルボキシル基と1個の水酸基とを有するので、Pdイオンと安定なキレート錯体を形成する。このキレート錯体を含むクエン酸・エチレングリコール溶液中で重合エステル化を進行させ、溶液系をポリエステル樹脂に変換させる。
【0027】
前記式2に示すポリアミン系金属錯体高分子化合物は、例えばポリオキシエチレン、ポリオキサゾリン、ポリエチレン等の側鎖あるいは末端の水酸基に、縮合反応により遷移金属との配位が可能なピピリジル基等の配位子を導入し、その後Pd塩と反応させることにより、この配位子とPdイオンとの錯体形成反応を利用する方法を用いて合成することができる。
【0028】
前記式3に示すポリビニルアルコール系や、式4に示すポリアクリル酸系の金属錯体高分子化合物は、例えば、Pdイオンと配位可能な水酸基、カルボキシル基等の官能基を有するポリビニルアルコールやポリアクリル酸等の水溶性高分子を用いて合成することができる。即ち、ポリビニルアルコールやポリアクリル酸等には、Pdイオンに配位可能な水酸基或いはカルボキシル基が存在するので、水に可溶なPd塩であれば、Pdが高分子化合物の中に固定された、即ち、Pdを内包した安定な高分子化合物を得ることができる。
【0029】
一方、前記の非相溶性高分子化合物としては、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ビニルブチラール、ビニルホルマール等のビニル系樹脂を単独、もしくは複数の共重合体として、また他の例としてはポリビニルアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル系樹脂、フェノール系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、グアナミン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、飽和共重合ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ナイロン系樹脂、澱粉、ロジン等の天然高分子系、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチル・メチルセルロース、ヒドロキシエチル・メチルセルロース、ヒドロキシエチル・エチルセルロース、ナトリウム・カルボキシメチルセルロース等のセルロースエーテル類が挙げられ、これらを単独又は複数組み合わせて用いることができる。
【0030】
本塗布液に用いる相溶性溶剤としては、例えば下記の溶剤を単独、又は複数組み合わせて用いることができる。即ち、アルコール類、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、イソペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチルー1―ペンタノール、4−メチルー2−ペンタノール、2−エチルー1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、シクロヘキサノール、α―テルピネオール、エチレングリコール、ヘキシレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1−メトキシー2―プロパノール、1−エトキシー2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジアセトンアルコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等:ケトン類、例えばアセトン、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、メシチルオキシド、ホロン、イソホロン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン等:エステル類、例えばギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec―ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸sec―ヘキシル、酢酸2―エチルブチル、酢酸―エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、酪酸エステル、イソ酪酸エステル、イソ吉草酸エステル、ステアリン酸エステル、マレイン酸エステル、フタル酸エステル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、ホウ酸エステル、リン酸エステル等:窒素化合物、例えばニトロメタン、ニトロエタン、1−ニトロプロパン、2−ニトロプロパン、ニトロベンゼン、アセトニトリル、ジペンチルアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、ホルムアミド、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N―ジエチルホルムアミド、N,N―ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン等:及びその他の例として、例えばジメチルスルホキシド、チオフェン、硫化ジメチル、硫化ジエチル、スルホラン、水、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。
【0031】
特に好ましい相溶性溶剤としては、前記溶剤のうち例えば、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec―ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸2―エチルブチル、又はプロピオン酸ブチルを単独又は複数組み合わせた系と、アセトン、メチルエチルケトン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、又はジオキサンを単独又は複数組み合わせて用いるとより効果的である。
【0032】
前記の金属錯体高分子化合物と非相溶性高分子化合物と相溶性溶剤とは、前記例の中から任意に選択できるが、分子凝集エネルギーをΔE(cal/mol)、分子容をV(ml/mol)としたとき、一般に
δ=(ΔE/V)1/2
で表される溶解パラメーターにおいて、金属錯体高分子化合物の溶解パラメーターをδA、非相溶性高分子化合物の溶解パラメーターをδB、相溶性溶剤の溶解パラメーターをδCとすると、相分離せずに安定な塗布液を形成するには、
|δA−δB|≧0.2、|δC−δA|≦0.5、|δC−δB|≦0.5
の関係を同時に満足させることが好ましい。
【0033】
本塗布液中におけるPdの含有量は、Pd金属換算で0.15重量%以上であることが好ましい。
Pd含有量が0.15重量%を下回ると良好な無電解メッキ用の触媒膜を形成することができず、導電性に優れた透明導電膜が形成し難くなる。本塗布液中におけるPdの含有量の上限値は、通常、Pd金属換算で5重量%であり、これを超えて含有させることは不経済である。
【0034】
本塗布液には、本発明の効果を損なわない範囲で、以下に述べる表面張力の関係を改善するために界面活性剤等を添加することができる。
【0035】
透明導電膜の形成方法及び透明導電膜
まず透明導電膜の形成方法について詳しく説明する。
本発明の透明導電膜(以下「本透明導電膜」という)は、前記の本塗布液を基材上に任意の塗布方法により塗布・乾燥して網目状構造の無電解メッキ用触媒膜を形成し、その後、常法に従って無電解メッキを施すことにより形成される。形成された本透明導電膜は、網目状に連続した金属導電部と非導電性の開口部とを有している。
【0036】
前記の塗布膜を乾燥する際には、塗膜を十分に乾燥させるために加熱してもよい。この場合、用いた基材に適した温度で加熱することができ、この際の加熱雰囲気は特に制限されない。得られた乾燥膜に無電解金属メッキを施すと、網目状に分布した金属錯体高分子化合物中に含まれるPdが触媒となり、触媒膜上にメッキ金属が析出することにより、表面の顕微鏡写真を図1に示すように、メッキ金属が網目状に分布した導電性連続相が形成される。無電解メッキにより析出させる金属は、例えばNi、Cu、Ag、Au、Pt又はそれらを主成分とする金属であり得る。
【0037】
前記メッキ金属の連続相となる網目の線幅、及び光を透過する開口部の開口径は、本塗布液中の金属錯体高分子化合物と非相溶性高分子化合物との配合比率を調整することにより制御できる。このとき網目線幅は概略2〜30μmの範囲で、また開口径は概略10〜300μmの範囲で任意に調整することができるが、本透明導電膜の高導電性及び高透明性を確保し、更に視認性を考慮した場合、網目線幅は5〜15μmの範囲内、開口径は20〜50μmの範囲内とすることが好ましい。
【0038】
本塗布液を塗布する基材は、特に制限されるものではないが、例えば各種硝子、プラスチック、プラスチックフイルム等が使用できる。ここで良好な網目を形成するためには、金属錯体高分子化合物の表面張力をγA、非相溶性高分子化合物の表面張力をγB、基材の表面張力をγSとするとき、γB>γS>γAの関係が成立するようにすることが好ましい。そこで必要に応じては、用いる基材に対し放電処理、紫外線処理、放射線処理、化学薬品処理、又は表面に各種のコーティング膜を設ける等の表面処理を施してもよい。また前記表面張力調整のために本塗布液に界面活性剤等を添加してもよい。
【0039】
本塗布液は、基材に塗布する際の塗布方法に制限がなく、用いる基材の種類、形状に応じてスピンコート法、ディップコート法、バーコート法、ロールコート法、又はスプレー法等の一般に行われる任意の塗布法のうち最適な方法を選択して塗布することができる。
【0040】
前記により網目状の導電部を有する透明導電膜が形成される理由は必ずしも明確ではないが、次のように考えられる。即ち、本塗布液は金属錯体高分子化合物と非相溶性高分子化合物と相溶性溶剤とが相平衡により相溶状態を保っているが、この塗布液を基材上に塗布し、放置あるいは加熱により相溶性溶剤を除去すると、残された金属錯体高分子化合物と非相溶性高分子化合物との平衡が破れて相分離を起こし、この際、金属錯体高分子化合物は基材上に網目状に析出し、この網目状に形成された金属錯体高分子化合物に内包されたPdがメッキ金属の析出サイトを形成する。一方、島状に独立した非相溶性高分子化合物の部分にはPdが存在しないためメッキ金属の析出がなく、開口部が形成される。
【0041】
このようにして得られた透明導電膜は、メッキ金属の連続相が導通部となって導電性を発揮するため高い導電性が得られ、メッキ金属の析出がない開口部によって高い透明性が得られるので、導電性及び透明性が共に優れた透明導電膜となり、表面抵抗値が103 Ω/□未満、全光線透過率が60%以上の透明導電膜となる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明の実施例と比較例を掲げ、本発明を更に詳説する。
(実施例1)
触媒膜形成用塗布液の調製
エチレングリコール0.08gにクエン酸0.12gを加え、更にPd金属換算で4.34重量%のPdを含む硝酸パラジウム水溶液を0.57g加えた後、100℃に加熱しながら3時間攪拌し、Pdのクエン酸錯体をクエン酸・エチレングリコール中で重合エステル化させた式1の金属錯体高分子化合物1を含む水溶液を得た。
次に、この液に非相溶性高分子化合物1として塩化ビニル−酢酸ビニル−PVA共重合体(電気化学工業社製「デンカ1000GK」)を0.6g加えた後、相溶性溶剤としてメチルエチルケトンを8.63g加え、攪拌し、実施例1の触媒膜形成用塗布液1を調製した。この塗布液中における金属錯体高分子化合物1と非相溶性高分子化合物1との重量比は1対3であった。
【0043】
透明導電膜の形成
実施例1の触媒膜形成用塗布液1を、バーコータ(wet:6.86μm厚type)を用いて基材であるPETフイルムのコロナ処理面上に塗布した後、室温において放置乾燥し次いで大気中100℃で3分間乾燥して、網目状のPd含有触媒膜を形成させ、その後20℃の無電解銅メッキ浴に30分間浸漬し、実施例1の透明導電膜1を得た。なお、この透明導電膜の形成方法において、金属錯体高分子化合物1の表面張力をγA1 、非相溶性高分子化合物1の表面張力をγB1 、基材の表面張力をγSとするとき、γB1>γS>γA1の関係を満足していた。
【0044】
透明導電膜の評価
実施例1の透明導電膜1を光学顕微鏡で観察したところ、図1の顕微鏡写真に示すように、網目状のPd含有触媒膜が形成された部位にのみCuの析出が確認され、Pd含有触媒膜が形成されていない開口部にはCuの析出が認められなかった。
実施例1の透明導電膜について、網目の線幅、開口部の開口径、表面抵抗値(Rs)、全光線透過率(T)、及びヘーズ値(H)をそれぞれ下記の方法又は装置により測定した。結果を表1に示す。
網目の線幅;透明導電膜を光学顕微鏡を使用して撮影し、得られた顕微鏡写真により測定。
開口部の開口径;前記顕微鏡写真により測定。
表面抵抗値(Rs);三菱油化社製「ロレスタ・AP」を使用。
全光線透過率(T);TOKYO DENSHOKU.CO.LTD AUTOMATIC HAZE METER MODEL TC-HIIIDPを使用。
ヘーズ値(H);TOKYO DENSHOKU.CO.LTD AUTOMATIC HAZE METER MODEL TC-HIIIDPを使用。
【0045】
(実施例2)
触媒膜形成用塗布液の調製
実施例1の金属錯体高分子化合物1を含む水溶液に、非相溶性高分子化合物2として塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(信越化学工業社製「SC−400G」)を0.3g加え、さらに前記非相溶性高分子化合物1を0.3g加えた後、相溶性溶剤としてジイソブチルケトンを2g、次いでメチルエチルケトンを6.63g加え、攪拌し、実施例2の触媒膜形成用塗布液2を調製した。
この触媒膜形成用塗布液2における金属錯体高分子化合物1と非相溶性高分子化合物(非相溶性高分子化合物1と非相溶性高分子化合物2との合計量)の重量比は1対3であった。
【0046】
透明導電膜の形成
前記の触媒膜形成用塗布液2を用いた他は実施例1と同様にして、実施例2の透明導電膜2を形成した。なお、この透明導電膜2の形成方法において、金属錯体高分子化合物1の表面張力をγA1 、非相溶性高分子化合物(1+2)の表面張力をγB2 、基材の表面張力をγSとするとき、γB2 >γS>γA1 の関係を満足していた。
【0047】
透明導電膜の評価
実施例2の透明導電膜2を光学顕微鏡で観察したところ、網目状のPd含有触媒膜が形成された部位にのみCuの析出が確認され、Pd含有触媒膜が形成されていない開口部にはCuの析出が認められなかった。
実施例2の透明導電膜について、実施例1と同様にして網目の線幅、開口部の開口径、表面抵抗値(Rs)、全光線透過率(T)、及びヘーズ値(H)を測定した。結果を表1に示す。
【0048】
(実施例3)
触媒膜形成用塗布液の調製
実施例1の金属錯体高分子化合物1を含む水溶液に、前記非相溶性高分子化合物1を0.6g加えた後、相溶性溶剤として酢酸イソプロピルを3.6g、ギ酸プロピルを2.16g、メチルエチルケトンを1.45g、及びアセトンを1.42g加え、攪拌し、実施例3の触媒膜形成用塗布液3を調製した。
この触媒膜形成用塗布液3における金属錯体高分子化合物1と非相溶性高分子化合物1との重量比は1対3であった。
【0049】
透明導電膜の形成
前記の触媒膜形成用塗布液3を用いた他は実施例1と同様にして、実施例3の透明導電膜3を形成した。なお、この透明導電膜3の形成方法において、金属錯体高分子化合物1の表面張力をγA1 、非相溶性高分子化合物1の表面張力をγB1 、基材の表面張力をγSとするとき、γB1 >γS>γA1 の関係を満足していた。
【0050】
透明導電膜の評価
実施例3の透明導電膜3を光学顕微鏡で観察したところ、網目状のPd含有触媒膜が形成された部位にのみCuの析出が確認され、Pd含有触媒膜が形成されていない開口部にはCuの析出が認められなかった。
実施例3の透明導電膜について、実施例1と同様にして網目の線幅、開口部の開口径、表面抵抗値(Rs)、全光線透過率(T)、及びヘーズ値(H)を測定した。結果を表1に示す。
【0051】
(実施例4)
触媒膜形成用塗布液の調製
10重量%のポリビニルアルコール(クラレ社製「PVA−205」)を含むPVA水溶液1gに、Pd金属換算で4.34重量%のPdを含む酢酸パラジウム水溶液を0.57g加えた後、50℃に加熱しながら12時間攪拌し、式3の金属錯体高分子化合物2を含む水溶液を得た。
次に、この液に非相溶性高分子化合物3としてポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業社製「KW−1」:固形分19.8%)を1.52g加えた後、相溶性溶剤として水を5.53g、エタノールを1.38g加え、攪拌し、実施例4の触媒膜形成用塗布液4を調製した。この塗布液中における金属錯体高分子化合物2と非相溶性高分子化合物3との重量比は1対3であった。
【0052】
透明導電膜の形成
前記の触媒膜形成用塗布液4を用いた他は実施例1と同様にして、実施例4の透明導電膜4を形成した。なお、この透明導電膜4の形成方法において、金属錯体高分子化合物2の表面張力をγA2 、非相溶性高分子化合物3の表面張力をγB3 、基材の表面張力をγSとするとき、γB3 >γS>γA2 の関係を満足していた。
【0053】
透明導電膜の評価
実施例4の透明導電膜4を光学顕微鏡で観察したところ、網目状のPd含有触媒膜が形成された部位にのみCuの析出が確認され、Pd含有触媒膜が形成されていない開口部にはCuの析出が認められなかった。
実施例4の透明導電膜について、実施例1と同様にして網目の線幅、開口部の開口径、表面抵抗値(Rs)、全光線透過率(T)、及びヘーズ値(H)を測定した。結果を表1に示す。
【0054】
(実施例5)
触媒膜形成用塗布液の調製
ポリアクリル酸溶液(和光純薬工業社製:固形分約25%)0.4gに、Pd金属換算で4.34重量%のPdを含む酢酸パラジウム水溶液を0.57g加えた後、70℃に加熱しながら8時間攪拌し、式4の金属錯体高分子化合物3を含む水溶液を得た。
次に、この液に非相溶性高分子化合物4としてポリビニルアセタール樹脂(積水化学工業社製「KX−1」:固形分8.2%)を3.66g加えた後、更に水を3.22g、エタノールを2.15g加え、攪拌し、実施例5の触媒膜形成用塗布液5を調製した。この塗布液中における金属錯体高分子化合物3と非相溶性高分子化合物4との重量比は1対3であった。
【0055】
透明導電膜の形成
前記の触媒膜形成用塗布液5を用いた他は実施例1と同様にして、実施例5の透明導電膜5を形成した。なお、この透明導電膜5の形成方法において、金属錯体高分子化合物3の表面張力をγA3 、非相溶性高分子化合物4の表面張力をγB4 、基材の表面張力をγSとするとき、γB4 >γS>γA3 の関係を満足していた。
【0056】
透明導電膜の評価
実施例5の透明導電膜5を光学顕微鏡で観察したところ、網目状のPd含有触媒膜が形成された部位にのみCuの析出が確認され、Pd含有触媒膜が形成されていない開口部にはCuの析出が認められなかった。
実施例5の透明導電膜について、実施例1と同様にして網目の線幅、開口部の開口径、表面抵抗値(Rs)、全光線透過率(T)、及びヘーズ値(H)を測定した。結果を表1に示す。
【0057】
(比較例1)
触媒膜形成用塗布液の調製
実施例1で用いた前記金属錯体高分子化合物1を含む水溶液に前記非相溶性高分子化合物1を1.2g加えた後、相溶性溶剤としてメチルエチルケトンを8.03g加え、攪拌し、比較例1の触媒膜形成用塗布液を調製した。この塗布液中における金属錯体高分子化合物1と非相溶性高分子化合物1との重量比は1対6であった。
【0058】
透明導電膜の形成
比較例1の触媒膜形成用塗布液を用いた他は実施例1と同様にして比較例1の透明導電膜を形成しようと試みたところ、触媒膜形成時に金属錯体高分子化合物1と非相溶性高分子化合物1とが、図2の顕微鏡写真に示すように、海−島状に相分離し、網目状のPd含有触媒膜を得ることはできなかった。この理由は、金属錯体高分子化合物1に対する非相溶性高分子化合物1の重量比が過大であったことによる。
【0059】
(比較例2)
触媒膜形成用塗布液の調製
実施例1で用いた前記金属錯体高分子化合物1を含む水溶液に前記非相溶性高分子化合物1を0.36g加えた後、相溶性溶剤としてメチルエチルケトンを8.87g加え、攪拌し、比較例2の触媒膜形成用塗布液を調製した。この塗布液中における金属錯体高分子化合物1と非相溶性高分子化合物1との重量比は1対1.8であった。
【0060】
透明導電膜の形成
比較例2の触媒膜形成用塗布液を用いた他は実施例1と同様にして比較例2の透明導電膜を形成しようと試みたところ、触媒膜形成時に金属錯体高分子化合物1と非相溶性高分子化合物1とが、図3の顕微鏡写真に示すように、海−島状に相分離し、網目状のPd含有触媒膜を得ることはできなかった。この理由は、金属錯体高分子化合物1に対する非相溶性高分子化合物1の重量比が過小であったことによる。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】
本発明の触媒膜形成用塗布液は、金属錯体高分子化合物と、非相溶性高分子化合物と、相溶性溶剤とを含有し、かつ前記金属錯体高分子化合物と前記非相溶性高分子化合物との重量比が、1対2ないし1対5の範囲内とされているので、これを基材に塗布・乾燥して得られる触媒膜は前記金属錯体高分子化合物が網目状の組織を形成し、この上に無電解メッキを施すと、メッキ金属が網目状構造の連続組織を形成して透明導電膜が形成される。
本発明の透明導電膜の形成方法は、前記の触媒膜形成用塗布液を基材上に任意の塗布方法で塗布・乾燥して網目状の触媒膜を形成し、次いでこの触媒膜に無電解メッキを施すものであるので、導電性、透明性が共に極めて優れた透明導電膜を形成することができるばかりでなく、成膜の際に高温加熱処理が不必要なことから基材として硝子からプラスチックフイルムまで広く選定可能であり、塗布方法も制限されないため量産性にも優れている。
本発明の透明導電膜の形成方法に従って形成された本発明の透明導電膜は、表面抵抗が103 Ω/□未満でありかつ全光線透過率が60%以上という、極めて優れた導電性及び透明性を有しているので、建造物、車両、制御機器等の電磁波シールド用の透明導電膜、またタッチパネル等のディスプレイ装置の透明電極、デフロスター等の面状発熱体等として広く利用可能な透明導電膜となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の透明導電膜の表面を示す顕微鏡写真。
【図2】 比較例の触媒膜の表面を示す顕微鏡写真。
【図3】 他の比較例の触媒膜の表面を示す顕微鏡写真。
Claims (7)
- 網目状構造の透明導電膜を無電解メッキにより基材上に形成するための触媒膜を形成する触媒膜形成用塗布液であって、
前記触媒膜形成用塗布液は、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Au及びAgからなる群から選ばれた少なくとも1種を中心金属として内包する金属錯体高分子化合物と、前記金属錯体高分子化合物とは非相溶性である非相溶性高分子化合物と、前記金属錯体高分子化合物及び前記非相溶性高分子化合物が共に可溶である相溶性溶剤とを含有し、かつ前記金属錯体高分子化合物と前記非相溶性高分子化合物との重量比が、1対2ないし1対5の範囲内であることを特徴とする触媒膜形成用塗布液。 - 前記の触媒膜形成用塗布液は、金属錯体高分子化合物の表面張力をγA、非相溶性高分子化合物の表面張力をγBとするとき、γB>γAであることを特徴とする請求項1に記載の触媒膜形成用塗布液。
- 前記触媒膜形成用塗布液は、金属錯体高分子化合物の中心金属を前記触媒膜形成用塗布液中に金属換算で0.15重量%以上含有することを特徴とする請求項1に記載の触媒膜形成用塗布液。
- 請求項1に記載の触媒膜形成用塗布液を基材上に塗布・乾燥して網目状の触媒膜を形成し、次いでこの触媒膜に無電解メッキを施して透明導電膜を形成することを特徴とする透明導電膜の形成方法。
- 請求項5に記載の透明導電膜の形成方法において、前記金属錯体高分子化合物の表面張力をγA、非相溶性高分子化合物の表面張力をγB、塗布する基材の表面張力をγSとするとき、γB>γS>γAとすることを特徴とする透明導電膜の形成方法。
- 請求項5に記載の透明導電膜の形成方法により形成され、表面抵抗が103 Ω/□未満でありかつ全光線透過率が60%以上であることを特徴とする透明導電膜。
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