JP2009016496A - 透明性電磁波シールドフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】透明性電磁波シールドフィルムを提供する。
【解決手段】透明な基材フィルムと、該基材の表面上に導電性高分子微粒子とバインダーを含むパターン状に形成された塗膜層と、該塗膜層上に無電解めっき法により形成された金属めっき膜とを有してなるめっきフィルムであって、
A:前記バインダーは、前記導電性高分子微粒子1質量部に対して0.1ないし10質量部で存在すること、
B:前記塗膜層の厚さが20ないし500nmであること、並びに
C:金属めっき膜の厚さが、100乃至3000nmであることを特徴とする透明性電磁波シールドフィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、透明性電磁波シールドフィルムに関するものであり、特に、簡単な操作で容易に製造でき、また、基材と該基材上に形成されたパターン化された金属層との密着性に優れ、曲げや屈曲の際にも金属層のひび割れ、剥がれ等を起こさない透明性電磁波シールドフィルムに関するものである。
透明性の電磁波シールドフィルムは、例えば、PDPなどの各種表示装置に貼付するフィルム、無線ランを使用する部屋や、病院等の窓に貼付するフィルム、電磁波が発生する装置の周辺を覆う間仕切りカーテンフィルム等として使用されるが、それらは例えば、透明基材に微細なメッシュ状にパターン化された金属層が形成される。
以下に示すように、上記パターン化された金属層を印刷技術に利用して形成する方法が開示されている。
特許文献1は、パラジウムコロイドのような貴金属超微粒子を無電解メッキ触媒として担持したアルミナゲルを含む印刷ペーストを作成し、これをインクとしてスクリーン印刷を行って透明基材上に所望のパターンの触媒層を形成し、該パターン化された触媒層上に無電解メッキを行うことによりパターン化された金属層を形成する方法を開示する。
特許文献2は、表面にインク受容層を有する基板上に、コロイド状の金属微粒子等の無電解メッキ触媒をインクジェット記録方式により噴射して所望形状のパターンを形成し、その後無電解メッキ法により前記パターン状に導電性金属を形成する方法を開示する。
特開平11−170420号公報 特開2000−311527号公報
特許文献1に開示されている方法は、複雑な工程を必要とせず、所望のパターンを有する金属層が形成された透明導電膜を容易に製造できるという点で優れた方法である。しかし、基材上に形成される膜厚は数μm(第1実施例:8μm、第2実施例:7μm)程度であり、そのため、フィルムを曲げたり屈曲した際に、金属層及びその下の触媒層に大きなストレスがかかり、それにより金属層や触媒層が損傷(ひび、割れ)を受け易くなり、また、剥がれが生じ易くなるという問題がある事がわかった。特に、金属層の線幅が細線化されている場合にはこの現象は著しくなる。そして前記のように金属層が損傷を受けるとフィルムの表面抵抗値が高くなり、結果的に電磁波遮断(シールド)性も低下する。
また、特許文献1では、無電解メッキ触媒として、パラジウムコロイドのような貴金属超微粒子をアルミナゲル等に担持させたものを使用しており、そのため、触媒層表面に露出した一部のアルミナゲルに担持されたパラジウムコロイドだけが無電解メッキに使用され、層表面に露出せず層中に存在するその他のアルミナゲルに担持されたパラジウムコロイドは無電解メッキ触媒として使用されない。そのため、希少金属で極めて高価なパラジウムを、本来必要とされる量よりも遥かに多い量を使用しなければならないという点で問題がある。
更に、透明基材と触媒層の密着性を向上させるために、印刷ペーストにはバインダーが添加されるが、該バインダーの添加量を多くすると密着性は向上するものの、層表面に露出するアルミナゲルに担持されたパラジウムコロイドが少なくなり、無電解メッキにおいて金属が析出しにくくなり、逆に、該バインダーの添加量を少なくすると密着性が低下するという問題もあった。
一方、特許文献2は、無電解メッキ触媒であるパラジウムコロイド等の金属微粒子をアルミナゲル等に担持させることなく、インクジェット記録方式により噴射して所望形状のパターンに触媒層を形成するため、特許文献1に記載の方法のように、必要とされる量よりも遥かに多い触媒の量を使用することを必要としない。
しかし、特許文献2に記載の方法は、インクジェット記録方式により触媒層を形成する前に、基板上にインク受容層を作製するという工程を必要とし、また、該インク受容層の厚さは10μm程度であり、この上に触媒層、更にその上に無電解メッキによる金属層が形成されるという構造となるため、各層間での密着強度が問題となると考えられる(層間剥離の可能性)。また、インクジェット記録方式は、グラビア印刷、オフセット印刷等の他の汎用印刷方式に比して生産スピードがおよそ1/100以下程度と、その生産性が低いという問題があった。
本発明は、上記特許文献1,2で指摘された問題を有さない、即ち、簡単な操作で容易に製造でき、且つ、基材と該基材上に形成されたパターン化された金属層との密着性に優れ、曲げや屈曲の際にも金属層のひび割れ、剥がれ等を起こさない透明性電磁波シールドフィルムの提供を課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、還元性高分子微粒子とバインダーを含む塗料で形成した塗膜上には、パラジウム等の触媒金属が該微粒子の還元性により容易に還元・吸着され、これにより容易に無電解めっき法により金属めっき膜を形成できること、前記還元性高分子微粒子とバインダーを含む塗料は、慣用の印刷技術を用いることにより、容易に基材上にパターン化された塗膜層とすることができること、該塗膜層は薄層化が容易であること、該塗膜層の厚さを20ないし500nmとし、金属めっき膜の厚さを100乃至3000nmとすると曲げや屈曲の際にも金属層のひび割れ、剥がれ等が起こらないこと、還元性高分子微粒子とバインダーの比率を特定の範囲とすることにより優れた密着性が得られること、更には、前記還元性高分子微粒子はパラジウム等の触媒金属を還元・吸着することにより導電性の高分子微粒子となり、これにより電磁波遮蔽効率性能が向上することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1)透明な基材フィルムと、該基材の表面上に導電性高分子微粒子とバインダーを含むパターン状に形成された塗膜層と、該塗膜層上に無電解めっき法により形成された金属めっき膜とを有してなるめっきフィルムであって、
A:前記バインダーは、前記導電性高分子微粒子1質量部に対して0.1ないし10質量部で存在すること、
B:前記塗膜層の厚さが20ないし500nmであること、並びに
C:金属めっき膜の厚さが、100乃至3000nmであることを特徴とする透明性電磁波シールドフィルム、
(2)前記導電性高分子微粒子がポリピロールである前記(1)記載の透明性電磁波シールドフィルム、
に関するものである。
本発明により、簡単な操作で容易に製造でき、且つ、基材と該基材上に形成されたパターン化された金属層との密着性に優れ、曲げや屈曲の際にも金属層のひび割れ、剥がれ等を起こさない透明性電磁波シールドフィルムを提供することができる。
本発明に使用する還元性高分子微粒子はその還元性により、パラジウム等の触媒金属を
還元して塗膜層上に吸着することができ、その結果、無電解めっき法による金属めっき膜が、この触媒金属が吸着された塗膜層上に形成できるものである。
従って、還元された触媒金属のコロイド又は該コロイドを担体に担持させたものを直接塗料成分として使用する特許文献1,2とは全く異なるものである。
そして、上記のように、還元性高分子微粒子を含む塗料を使用して塗膜層を形成するため、該塗膜層は、薄くすることが可能であり、そして、該塗膜層の厚さを20ないし500nmとすることにより、十分に金属めっき膜を形成することができ、且つ、金属めっき膜が基材フィルムに対する優れた密着性を示し、例えば、フィルムの曲げ、屈曲に対しても金属めっき膜(金属層)が基材フィルムから剥がれない透明性電磁波シールドフィルムとすることができる。
また、金属めっき膜の厚さを100乃至3000nmとすることにより、十分な電磁波シールド性を維持したまま、フィルムの曲げ、屈曲に対しても金属めっき膜(金属層)が基材フィルムから剥がれなくすることを可能とし、また、使用するバインダー量を、還元性高分子微粒子1質量部に対して0.1質量部ないし10質量部とすることにより、十分に金属めっき膜を形成することができ、且つ、金属めっき膜が基材フィルムに対する優れた密着性を示すことを可能とする。
引用文献1,2においては、フィルムの反射率を低下させて透視率を損なわないようにするために黒色顔料を添加することを開示するが、還元性高分子微粒子として、還元性ポリピロールを使用した場合、還元性ポリピロールは黒色であるため、塗料に別途黒色顔料、染料等を加える必要が無いという点で好ましい。
また、本発明の透明性電磁波シールドフィルムは、スクリーン印刷やインクジェット印刷に限らず、グラビア印刷やフレキソ印刷を使用することができ、これにより、優れた生産効率で透明性電磁波シールドフィルムを製造することができる。
また、本発明の透明性電磁波シールドフィルムは、例えば、フィルム基材上に形成された還元性高分子微粒子を含む塗膜層上に、パラジウム等の触媒金属を還元・吸着させ、該パラジウム等の触媒金属が吸着された塗膜層上に金属めっき膜を形成することにより製造されるが、この際の、パラジウム等の触媒金属の還元及び高分子微粒子への吸着は、例えば、ポリピロールの場合、下図で示される状態になると考えられる。
Figure 2009016496
即ち、還元性の高分子微粒子(ポリピロール)がパラジウムイオンを還元することにより、高分子微粒子上にパラジウム(金属)が吸着されるが、これにより、
高分子微粒子(ポリピロール)はイオン化される、即ち、パラジウムによりドーピングされた状態となり、結果として導電性を発現する。
このように導電性を発現した高分子微粒子(ポリピロール)の上層に金属めっき膜を形成することにより、より電磁波遮蔽性能が向上することが確認された。
これにより、本発明の透明性電磁波シールドフィルムは、著しく薄い金属めっき膜にお
いても高度の電磁波遮蔽性を得る事ができる。
更に詳細に本発明を説明する。
本発明の透明性電磁波シールドフィルムは、
透明な基材フィルムと、該基材の表面上に導電性高分子微粒子とバインダーを含むパターン状に形成された塗膜層と、該塗膜層上に無電解めっき法により形成された金属めっき膜とを有してなるめっきフィルムであって、
A:前記バインダーは、前記導電性高分子微粒子1質量部に対して0.1ないし10質量部で存在し、
B:前記塗膜層の厚さが20ないし500nmであり、
C:金属めっき膜の厚さが、100乃至3000nmであることを特徴とする。
本発明の透明性電磁波シールドフィルムは、透明な基材表面上に、還元性高分子微粒子とバインダーを含む塗料を使用し、印刷技術を用いてパターン状に還元性高分子微粒子とバインダーを含む塗膜層を形成し、該塗膜層上にパラジウム等の触媒金属を還元・吸着させ、該パラジウム等の触媒金属が吸着された塗膜層上に金属めっき膜を形成することにより製造することができる。
尚、上記の製造方法により、塗膜層中に存在する還元性高分子微粒子は、最終的に導電性高分子微粒子となる。
透明な基材としては、透明性を有する基材であれば、特に限定されるものではなく、例えば、ソーダ石灰ガラス、石英ガラス等の無機ガラス質、ポリエチレンテレフタレート、TAC、メタクリル樹脂、ポリカーボネート等の有機高分子のフィルム、シート等が挙げられる。
印刷技術としては、所望のパターンが形成できる方法であれば、特に限定されないが、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷及びオフセット印刷等が挙げられるが、塗膜層を薄くでき、また、生産性に優れるグラビア印刷及びフレキソ印刷が好ましい。
本発明に使用する塗料は、還元性高分子微粒子とバインダーを含む塗料である。
還元性高分子微粒子は、0.01S/cm未満の導電率を有する高分子微粒子であれば特に限定されるものではないが、例えば、還元性ポリアニリン、還元性ポリチオフェン及び還元性ポリピロール等が挙げられ、還元性ポリピロールが好ましい。
また、還元性高分子微粒子としては、0.005S/cm以下の導電率を有する高分子微粒子が好ましい。
バインダーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹
脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミ
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
使用するバインダー量は、還元性高分子微粒子1質量部に対して0.1質量部ないし10質量部である。バインダーが10質量部を超えると金属めっきが析出せず、バインダーが0.1質量部未満であると、基材への密着性が弱くなる。
また、本発明に使用する塗料は有機溶媒を含有する。使用する有機溶媒は、微粒子に損傷を与えず、微粒子を分散させることができ、採用される印刷技術に使用し得る沸点、粘度等を有する有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、高揮発性有機溶媒、低揮発
性有機溶媒の何れの有機溶媒も使用し得る。
前記高揮発性有機溶媒としては、例えば、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類等が挙げられ、前記低揮発性有機溶媒としては、例えば、ミネラルスピリット、イソパラフィン、テレピン油、オレンジ油のリモネン、P−メンタン、α−ピネン、β−ピネン、ターピノーレン、イソボルニルアセテート、ターピニルアセテート、ターピネオール、α−ターピネオール、ジヒドロターピネオール等のターペンティン系溶媒が挙げられる。
例えば、グラビア印刷又はフレキソ印刷を採用する場合、塗料の粘度は、例えば、30cps未満であると液流れが生じて版目に忠実なパターニングが形成され難い場合があり、また、粘度が1000cpsを超えると、液が版目にうまく乗らず、パターン化された線がかすれ易くなる場合があるため、30ないし1000cpsであるのが好ましい。
特に、低揮発性有機溶媒で粘度が30ないし1000cpsであるジヒドロターピネオール、ターピネオール等は、形成された塗膜層と基材フィルムとの密着強度を向上させやすいため好ましい。
例えば、トルエン等のように、高揮発性で粘度が低い(例えば、1〜2cps)有機溶媒を使用する場合は、粘度の高い溶媒を添加するか及び/又は増粘剤等を添加して塗料の粘度を30ないし1000cpsの範囲とするのが好ましい。
上記増粘剤としては、有機溶媒との相溶性がよく、しかも、還元性高分子微粒子が有する触媒金属の吸着作用(還元作用)を阻害しないものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ウレタン樹脂、ゴム等の高分子ポリマー等が好適に使用され得る。
更に、増粘剤以外にも、本発明に使用する塗料は用途や塗布対象物等の必要に応じて、分散安定剤、インキバインダ等の樹脂を加えることも可能である。
上記の塗料を基材に塗布し、乾燥させることによって塗膜層を得ることができるが、この際、塗膜表面上の還元性高分子微粒子の存在比を高くすると触媒金属の吸着量を増加でき、これにより、形成する金属層は、薄い塗膜層においても露出部(ムラ)がない均一なものとすることができ、また、塗膜層の下側半分にはバインダーの存在比が高くなって基材と塗膜層の密着性が向上するため、結果として、金属層と基材との密着性が向上することになる。従って、塗膜層の上側半分の中に還元性高分子微粒子のうち60%以上の粒子が存在する薄膜層を形成するのが好ましい。
低揮発性有機溶媒を主成分とする塗料を使用して塗膜層を形成した場合は、前記低揮発性有機溶媒は低揮発性であるため、揮発されにくく、そのため、成膜されるまで、ある程度の時間を必要とするため、比重の小さな還元性高分子微粒子は、基材上に形成された塗膜層の上側半分に多く存在することになる(例えば、塗膜層の上側半分の中に還元性高分子微粒子のうち60%以上の粒子が存在する)。
高揮発性有機溶媒を主成分とする塗料を使用して塗膜層の上側半分の中に還元性高分子微粒子のうち60%以上の粒子が存在する構成とする場合は、塗料の塗布後、緩和な条件で時間をかけて乾燥することにより達成される。
具体的な方法としては、例えば、30ないし60℃の低い温度で長時間かけて乾燥したり、30ないし60℃の低い温度から徐々に温度を上げて乾燥したり、30ないし60℃の低い温度とこれより高い温度(例えば、100ないし130℃)の2段階、又はそれ以
上の異なった温度(例えば、30ないし60℃→65ないし90℃→100ないし130℃)で乾燥することにより達成することができる。
2段階以上の異なった温度で乾燥する場合は、例えば、高揮発性有機溶媒としてトルエンを使用した場合、40℃で10分間乾燥後、80℃で10分間乾燥し、その後120℃で10分間乾燥することにより塗膜層の上側半分の中に微粒子のうち60%以上の粒子が存在する構成とすることができる。
上記のようにして、基材上に形成される塗膜層の厚さは、20ないし500nmである。
塗膜層の厚さが20nm未満であると金属めっきが析出せず、また、塗膜層の厚みが500nmを超えると、基材フィルムに対する密着性が悪くなり、フィルムの曲げ、屈曲に対して金属めっき膜(金属層)が追従せず、基材フィルムから剥がれ易くなる。
尚、塗膜層の厚さは、塗料における固形成分の含有量を調節することにより調節することができるが、例えば、グラビア印刷を採用する場合は、その版目の深さによって調節することができる。
上記のようにして製造された、塗膜層が形成された基材を無電解めっき法によりめっき物とするが、該無電解めっき法は、通常知られた方法に従って行うことができる。
即ち、前記基材を塩化パラジウム等の触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬した後、水洗等を行い、無電解めっき浴に浸漬することによりめっき物を得ることができる。
触媒液は、無電解めっきに対する触媒活性を有する貴金属(触媒金属)を含む溶液であり、触媒金属としては、パラジウム、金、白金、ロジウム等が挙げられ、これら金属は単体でも化合物でもよく、触媒金属を含む安定性の点からパラジウム化合物が好ましく、その中でも塩化パラジウムが特に好ましい。
好ましい、具体的な触媒液としては、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、0.1ないし20分、好ましくは、1ないし10分である。
上記の操作により、塗膜層中の還元性高分子微粒子は、結果的に、導電性高分子微粒子となる。
上記で処理された基材は、金属を析出させるためのめっき液に浸され、これにより無電解めっき膜が形成される。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。
即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル、クロム等、全て適用することができるが、銅が好ましい。
無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)等が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
上記のようにして塗膜層上に形成される金属めっき膜の厚さは、100乃至3000nmとなる。
金属めっき膜の厚さが100nm未満では、電磁波シールド性が弱くなり、3000nmを超えるとフィルムの曲げ、屈曲に対して金属めっき膜(金属層)が追従せず、基材フィルムから剥がれ易くなる。
尚、金属めっき膜の厚さは、無電解めっき操作のめっき浴中における浸漬時間により容
易にコントロールすることができる。
次に、還元性高分子微粒子の製造方法について説明する。
本発明に使用する還元性高分子微粒子は、
1)有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造する方法、又は
2)水性媒体中に可溶化できる量のπ−共役二重結合を有するモノマー、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤、および酸化剤を含む水性媒体において重合を開始し、そして、重合率が10〜60%となる時点で有機溶媒を該重合系に添加し更に重合を進行させることにより製造する方法等により達成することができる。
上記製法1)について説明する。
製法1)におけるπ−共役二重結合を有するモノマーとしては、還元性高分子微粒子を製造するために使用されるモノマーであれば特に限定されないが、例えば、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール及び3−フェニルナフチルアミノピロール等のピロール誘導体、アニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−メトキシアニリン、m−メトキシアニリン、p−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン、m−エトキシアニリン、p−エトキシアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン及びp−メチルアニリン等のアニリン誘導体、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−n−ブチルチオフェン、3−n−ペンチルチオフェン、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−ヘプチルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−n−ノニルチオフェン、3−n−デシルチオフェン、3−n−ウンデシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ナフトキシチオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等のチオフェン誘導体が挙げられ、好ましくは、ピロール、アニリン、チオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
特にポリピロールは、黒色であるため、フィルムの反射率を低下させて透視率を損なわないようにするために、塗料に別途黒色顔料、染料等を加える必要が無いという点でも好ましい。
製法1)に用いるアニオン系界面活性剤としては、種々のものが使用できるが、疎水性末端を複数有するもの(例えば、疎水基に分岐構造を有するものや、疎水基を複数有するもの)が好ましい。このような疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤を使用することにより、安定したミセルを形成させることができ、重合後において水相と有機溶媒相との分離がスムーズであり、有機溶媒相に分散した還元性高分子微粒子が入手し易い。
疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤の中でも、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(疎水性末端4つ)、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナトリウム(疎水性末端4つ)および分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(疎水性末端2つ)が好適に使用できる。
反応系中でのアニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し0.05mol未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.005mol
〜0.03molである。0.05mol以上では添加したアニオン性界面活性剤がドーパントとして作用し、得られる微粒子は導電性を発現するため、これを用いて無電解めっきを行うためには脱ドープの工程が必要となる。
製法1)におけるノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、アルキルグルコシド類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビダン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類が挙げられる。これらを一種類または複数混ぜて使用してもよい。特に安定的にO/W型エマルションを形成するものが好ましい。
反応系中でのノニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し、アニオン系界面活性剤と足して0.2mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.15molである。0.05mol未満では収率や分散安定性が低下し、一方、0.2mol以上では合後において、水相と有機溶媒相との分離が困難になり、有機溶媒相にある還元性高分子微粒子を得る事ができなくなる事から好ましくない。
製法1)において乳化液の有機相を形成する有機溶媒は疎水性であることが好ましい。なかでも、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンは、O/W型エマルションの安定性およびπ−共役二重結合を有するモノマーとの親和性の観点から好ましい。両性溶媒でもπ−共役二重結合を有するモノマーの重合を行うことはできるが、生成した還元性高分子微粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になる。
乳化液における有機相と水相との割合は、水相が75体積%以上であることが好ましい。水相が20体積%以下ではπ−共役二重結合を有するモノマーの溶解量が少なくなり、生産効率が悪くなる。
製法1)で使用する酸化剤としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸およびクロロスルホン酸のような無機酸、アルキルベンゼンスルホン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸のような有機酸、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムおよび過酸化水素のような過酸化物が使用できる。これらは単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。塩化第二鉄等のルイス酸でもπ−共役二重結合を有するモノマーを重合できるが、生成した粒子が凝集し、微分散できない場合がある。特に好ましい酸化剤は、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩である。
反応系中での酸化剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、ポリマー微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上では凝集してポリマー微粒子の粒径が大きくなり、分散安定性が悪化する。
製法1)は、例えば以下のような工程で行われる:
(a)アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合させる工程、
(d)有機相を分液しポリマー微粒子を回収する工程。
前記各工程は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。例えば、乳化液
の調製時に行う混合攪拌は、特に限定されないが、例えばマグネットスターラー、攪拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。また重合温度は0〜25℃で、好ましくは20℃以下である。重合温度が25℃を越えると副反応が起こるので好ましくない。
酸化重合反応が停止されると、反応系は有機相と水相の二相に分かれるが、この際に未反応のモノマー、酸化剤および塩は水相中に溶解して残存する。ここで有機相を分液回収し、イオン交換水で数回洗浄すると、有機溶媒に分散した還元性高分子微粒子を入手することができる。
上記の製造法により得られるポリマー微粒子は、主としてπ−共役二重結合を有するモノマー誘導体のポリマーよりなり、そしてアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を含む微粒子である。そしてその特徴は、微細な粒径を有し、有機溶媒中で分散可能であることである。
製法1)の製造方法において使用可能な有機溶媒は、比較的、高揮発性有機溶媒に限定される。従って、例えば、グラビア印刷又はフレキソ印刷を採用する場合、上述のように、粘度の高い溶媒を添加するか及び/又は増粘剤等を添加して塗料の粘度を30ないし1000cpsの範囲とするのが好ましい。
次に、製法2)について説明する。
製法2)は、水性媒体中に可溶化できる量のπ−共役二重結合を有するモノマー、アニオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤、および酸化剤を含む水性媒体において重合を開始し、そして、重合率が10〜60%となる時点で有機溶媒を該重合系に添加し更に重合を進行させ、その後、層分離された2層のうちの有機溶媒層を回収することにより達成される。
製法2)におけるπ−共役二重結合を有するモノマーとしては、還元性高分子微粒子を製造するために使用されるモノマーであれば特に限定されないが、例えば、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール及び3−フェニルナフチルアミノピロール等のピロール誘導体、アニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−メトキシアニリン、m−メトキシアニリン、p−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン、m−エトキシアニリン、p−エトキシアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン及びp−メチルアニリン等のアニリン誘導体、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−n−ブチルチオフェン、3−n−ペンチルチオフェン、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−ヘプチルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−n−ノニルチオフェン、3−n−デシルチオフェン、3−n−ウンデシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ナフトキシチオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等のチオフェン誘導体が挙げられ、好ましくは、ピロール、アニリン、チオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
特にポリピロールは、黒色であるため、フィルムの反射率を低下させて透視率を損なわないようにするために、塗料に別途黒色顔料、染料等を加える必要が無いという点でも好
ましい。
製法2)における水性媒体中に可溶化できるπ−共役二重結合を有するモノマーの量としては、水に対して80g/L以下であり、特に好ましくは、20g/Lないし1g/Lである。
水性媒体中に可溶化できない量のπ−共役二重結合を有するモノマー(飽和濃度以上のπ−共役二重結合を有するモノマー)が添加されると、重合開始直後から塊状のポリマーが生成され、目的とする微粒子は得られない。また、π−共役二重結合を有するモノマーが1g/L以下では、重合反応が極めて遅くなり、所望する微粒子を得るまでの時間が長時間となることからあまり好ましくない。
また製法2)に用いるアニオン系界面活性剤としては、種々のものが使用できるが、疎水性末端を複数有するもの(例えば、疎水基に分岐構造を有するものや、疎水基を複数有するもの)が好ましい。このような疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤を使用することにより、安定したミセルを形成させることができ、重合後において水相と有機溶媒相との分離がスムーズであり、有機溶媒相に分散した還元性高分子微粒子が入手し易い。
疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤の中でも、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(疎水性末端4つ)、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナトリウム(疎水性末端4つ)および分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(疎水性末端2つ)が好適に使用できる。
また、上記のアニオン界面活性剤は単独又は2種以上の混合物として使用することができる。
反応系中でのアニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し0.05mol未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.005mol〜0.03molである。0.05mol以上では添加したアニオン性界面活性剤がドーパントとして作用し、得られる微粒子は導電性を発現するため、これを用いて無電解めっきを行うためには脱ドープの工程が必要となる。
製法2)におけるノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、アルキルグルコシド類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビダン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類が挙げられる。これらを一種類または複数混ぜて使用してもよい。
反応系中でのノニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し、アニオン系界面活性剤と足して0.2mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.15molである。0.05mol未満では収率や分散安定性が低下し、一方、0.2mol以上では合後において、水相と有機溶媒相との分離が困難になり、有機溶媒相にある還元性高分子微粒子を得る事ができなくなる事から好ましくない。
製法2)で使用する酸化剤としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸およびクロロスルホン酸のような無機酸、アルキルベンゼンスルホン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸のような有機酸、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムおよび過酸化水素のような過酸化物が使用できる。これらは単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。塩化第二鉄等のルイス酸でもポリピロールを重合できるが、生成した粒子が凝集し、ポリピロールを微分散できない場合がある。特に好ましい酸化剤は、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩である。
使用する酸化剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、還元性高分子微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上ではポリマーが凝集して還元性高分子微粒子の粒径が大きくなり、分散安定性が悪化する。
製法2)で使用する水性媒体は、基本的に水である。
使用する水性媒体の量は、使用するπ−共役二重結合を有するモノマーが可溶化できる量、即ち、前記で定義されたように、π−共役二重結合を有するモノマーの濃度が80g/L以下となる量であって、特に好ましくは、20g/Lないし1g/Lとなる量である。
製法2)の製造方法において、水性媒体中に可溶化できる量のπ−共役二重結合を有するモノマー、アニオン系界面活性剤およびノニオン系界面活性剤、および酸化剤を含む水性媒体において重合を開始した後、重合率が10〜60%となる時点で有機溶媒が添加される。重合率が20〜50%となる時点で有機溶媒が添加されるのがより好ましい。重合率が10%未満の時点で有機溶媒が添加された場合、ポリマーの共役二重結合が充分に成長していないため、その後の重合が極めて遅くなる他、水と有機溶媒の分離も極めて悪くなる。逆に重合率が60%を越えた時点で有機溶媒が添加された場合、有機溶媒へ移行するポリマー粒子の大きさは数百nm以上の大きな粒子となり、分散安定性も悪いものとなる。
尚、重合率は、ガスクロマトグラフィーを用いて残存モノマーを測定し、当初の添加モノマー量と残存モノマー量の比から容易に算出することができる。
ポリマーの粒径をあまり大きくせず、また、ポリマーの凝集を起こさないためには、反応系中に、ある程度の量の残存モノマー(未反応のモノマー)の存在が重要であると考えられ、そのため、重合率が向上して残存モノマーの量が減少すると急激にポリマーの粒径の増大及びポリマー粒子の凝集が起こるものと考えられる。
即ち、ポリマーの粒径をあまり大きくせず、また、ポリマー粒子の凝集を起こさないためには、反応系中の残存モノマー(未反応のモノマー)量が、当初に添加したモノマー量の40〜90%が残存する時点で有機溶媒を添加することが重要であるといえる。
また、同様に、有機溶媒を添加する時点において水性媒体中に分散している微粒子の大きさも極めて重要である。水性媒体中におけるポリマーの重合率(%)とその際得られるポリマーの平均粒子径(nm)は相関し、ポリマーの重合率がある一定値を超えるとポリマーの平均粒子径が急激に大きくなり、例えば、ポリマーの平均粒子径が100nmを超えた時点で有機溶媒を添加しても、有機溶媒へ移行するポリマー粒子の大きさは結果的に数百nm以上の大きな粒子となりやすく、また、分散安定性も悪いものとなりやすい。
従って、有機溶媒の添加は、ポリマーの粒子径が100nm以下の時点で行うのが好ましい。
尚、ポリマーの平均粒子径は、レーザードップラー法により容易に測定することができる。
添加する有機溶媒としては、水への溶解度が1%以下の有機溶媒であれば特に限定されないが、例えば、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類が挙げられる。
有機溶媒の使用量は、重合反応に使用する水の量に対して体積比で5ないし40%(v/v)が好ましく、特に好ましくは、10ないし25%(v/v)である。
5%(v/v)未満では、粒子密度が高くなるため分散性が悪くなり、結果として凝集が起こる。40%(v/v)を超える場合は相対的に粒子密度が低くなるため、粒子間の反発力が小さくなり、分散を保てなくなる。
前記還元性高分子微粒子の製造方法は、例えば以下のような工程で行われる:
(a)アニオン界面活性剤およびノニオン界面活性剤並びにπ−共役二重結合を有するモノマーを水に加えて混合攪拌する工程、
(b)酸化剤を加えて酸化重合を開始する工程、
(c)重合率が10〜60%となる時点で有機溶媒を添加する工程、
(d)混合攪拌して更に重合反応を進行させる工程、
(e)有機相を分液し有機溶媒層にナノ分散した還元性高分子微粒子を回収する工程。
前記各工程は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。例えば、混合攪拌は、特に限定されないが、例えばマグネットスターラー、攪拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。また重合温度は0〜25℃で、好ましくは20℃以下である。重合温度が25℃を越えると副反応が起こるので好ましくない。
上記の製造法により得られるポリマー微粒子は、主としてπ−共役二重結合を有するモノマー誘導体のポリマーよりなり、そしてアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を含む微粒子である。そしてその特徴は、微細な粒径を有し、有機溶媒中で分散可能であることである。
製法2)の製造方法において使用可能な有機溶媒は、高揮発性有機溶媒、低揮発性有機溶媒の何れもが使用可能である。従って、上述のように、低揮発性で、30ないし1000cpsの粘度である有機溶媒を使用することが好ましいグラビア印刷又はフレキソ印刷を採用する場合、重合反応から回収した分散液がそのまま使用できるため好ましい。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
製造例1:還元性ポリピロール微粒子を含む低揮発性で高粘度の塗料(塗料1〜6)の調製
ポリオキシエチレンアルキルエーテル系ノニオン界面活性剤(エマルゲン409P/花王株式会社製)2.1mmolをイオン交換水100mLに溶解し、次いでピロールモノマー21.2mmolを加え30分撹拌し、次いで0.12M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(6mmol相当)を加え、20℃で1時間反応を行った。(重合率52%、平均粒子径86nm)次いで、ジヒドロターピネオール25mLを添加し、4時間攪拌した。攪拌終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄してジヒドロターピネオールに分散した還元性能を有する還元性ポリピロール微粒子分散液を得た。
上記で得られたジヒドロターピネオール分散液中の還元性ポリピロール微粒子の固形分は、約1.3%であったが、ここに、バインダーA、Bを種々の質量部で加えて表1に示す還元性ポリピロール微粒子を含む塗料を調製した。
ここで、表1中のバインダーA、Bは以下のものを意味し、また、バインダーの使用量は、還元性ポリピロール微粒子1質量部に対する使用したバインダーの質量部数を示す。A:スーパーベッカミンJ-820:メラミン系(大日本インキ化学工業(株)社製)
B:バイロン240:ポリエステル系(東洋紡績(株)社製)
Figure 2009016496
製造例2:還元性ポリピロール微粒子を含む高揮発性で高粘度の塗料(塗料9)の調製
製造例1において、後から加えるジヒドロターピネオールをトルエンに変更した以外は同様にして合成した。得られたトルエン分散液中の還元性ポリピロール微粒子の固形分は、約1.2%であったが、ここに、還元性ポリピロール微粒子1質量部に対して1質量部のバインダーAと増粘剤であるアクリル系のポリマー(ハイパールM−4003/根上工業(株)社製)1質量部を添加して塗料7を調製した。
製造例3:塗膜層の形成
基材として軟質フィルムC,Dを用い、該基材上に上記で調製した塗料1ないし7を、グラビア校正機(K303マルチコーター、松尾産業社製)を用いて、格子状にL/S=100/500μm、開口率70%になる様に印刷を施し、その後、120℃の乾燥オーブン中に10分間入れて乾燥し、表2に示す乾燥膜厚の塗膜層1ないし12を得た。尚、塗膜の膜厚は、グラビア版目の異なった深さ・形状により塗工量を増減して調整した。
尚、表中の軟質フィルムC,Dは以下のものを意味する。
C:樹脂 PET、商品名 コスモシャインA4100、東洋紡績(株)社製
D:樹脂 PP、商品名 OP U−0、東セロ(株)社製
Figure 2009016496
製造例4:無電解めっき法によるめっき物の製造
上記で製造した塗膜層が形成されたフィルム(塗膜1ないし12)を、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液中に35℃で7分間浸漬後、水道水で水洗した。次に、該フィルムを無電解銅めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)に浸漬して、35℃で表3に示す時間浸漬して銅めっきを施した。
尚、実施例5及び比較例4については、無電解めっきによって、1000nm厚のめっき膜を得た後、その上に更に、電解めっきを行って、それぞれ3000nm及び4000nm厚のめっき膜とした。電解めっきの方法は、無電解めっきを施したフィルムを、硫酸銅0.4mol/L、硫酸2mol/L、塩化ナトリウム1.5mmol/Lを含有する銅めっき浴に浸漬し、温度25℃、電流密度2A/dm2にて表3に示す時間通電して上
記膜厚とした。
製造例5:Sn−Pdめっき法による無電解めっきによるめっき物の製造(比較例7)
軟質フィルムCに前処理としてOPC−1050コンディショナー(奥野製薬工業(株)社製)に60℃で5分間浸漬した後水道水で水洗し、次に、ATSプリコンディションPIW−1(奥野製薬工業(株)社製)に45℃で2分間浸漬した後水道水で水洗し、次にATSコンディクリンCIW−2浴(奥野製薬工業(株)社製)に60℃で5分間浸漬した後水道水で水洗し、次にプリディップ液として、OPC−SALM浴(奥野製薬工業(株)社製)に20℃で2分間浸漬した後水道水で水洗し、次に、キャタリスト液として、OPC−80キャタリスト浴(奥野製薬工業(株)社製)に25℃で6分間浸漬した後水道水で水洗し、次に活性化剤として、OPC−500アクセレーターMX浴(奥野製薬工業(株)社製)に35℃で5分間浸漬した後水道水で水洗し、次に無電解銅めっき浴ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)に35℃で10分間浸漬し、銅めっきを施すことにより、フィルム上に金属めっきを膜を形成させた。この膜に、ドライフィルムレジストをラミネートし、露光、現像、エッチング工程を経て格子状にL/S=10
0/500μm、開口率70%にパターニングを行った。
このフィルムを比較例7とした。
試験例1
上記で製造した実施例1ないし10及び比較例1ないし7のフィルムにおいて、各種の評価試験を行いその結果を表3に纏めた。
尚、評価試験項目及びその評価方法・評価基準は以下の通りである。
<めっき外観>
めっき部の状態をマイクロスコープ(D3−3N、マイクロスクェア社製)で観察した結果を下記の評価基準で示した。
○:細線部に、完全にめっきが施されている
△:細線部の一部にめっきが施されていないか又は脱落している
×:細線部の半分以上にめっきが施されていないか又は脱落している。
<電磁波シールド性評価>
KEC法にて10MHz〜1GHzの周波数帯域で測定した結果の平均値を電磁波シールド性の値として示した。
<めっきフィルムの耐久試験方法>
得られた透明電磁波シールドフィルムを縦200mm、横100mmに切断して試験試料とした。次に、軸径が10mmφで長さ300mmのステンレス製の円筒軸を用意し、これに試験試料の縦方向を合わせて、めっき部が外側になる様に巻き付け、次にめっき部が内側になる様に巻き付ける。この操作を1セットとして、10セット繰り返した。この操作の後、日東電工(株)社製の粘着テープ(セロハンテープ No.29)を貼り付けた後にこれを剥がす操作を3回繰り返した後の、めっき部の電磁波シールド性を測定すると同時に、マイクロスコープ(D3−3N、マイクロスクェア社製)で観察した。
Figure 2009016496

Claims (2)

  1. 透明な基材フィルムと、該基材の表面上に導電性高分子微粒子とバインダーを含むパターン状に形成された塗膜層と、該塗膜層上に無電解めっき法により形成された金属めっき膜とを有してなるめっきフィルムであって、
    A:前記バインダーは、前記導電性高分子微粒子1質量部に対して0.1ないし10質量部で存在すること、
    B:前記塗膜層の厚さが20ないし500nmであること、並びに
    C:金属めっき膜の厚さが、100乃至3000nmであることを特徴とする透明性電磁波シールドフィルム。
  2. 前記導電性高分子微粒子がポリピロールである請求項1記載の透明性電磁波シールドフィルム。
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