JP5375023B2 - パターン化されためっき物の製造方法及びそれに用いる下地塗料 - Google Patents
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Description
該めっき物を無電解めっき法により簡便に且つ効率的に製造するための、パターン印刷により細線パターンを精度良く形成し得る下地塗料に関するものであり、特に、パターン印刷として、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、ドライオフセット印刷、パッド印刷等の工業的に有利な印刷方法に使用し得る下地塗料に関するものである。
この方法は、無電解めっき法により金属膜を形成するためのパターン化されたポリマー層に、還元性の高分子微粒子(導電率0.01S/cm未満のポリマー微粒子)を用いることにより、該高分子微粒子が有する還元性により触媒金属を脱ドープ処理を用いることなく吸着することができ、即ち、アルカリ条件下による長時間の処理を要する脱ドープ処理を回避することができ、これにより、該脱ドープ処理よる密着性の低下を防止でき、更に、既に重合した高分子微粒子を用いることにより、基材上で酸化重合を行うことに由来する問題、即ち、残留した酸化剤による金属めっき膜の腐食の問題、重合触媒層を含む多層構造による密着性不足による易剥離性の問題及びモノマーを重合する際に、専用の装置を必要とするという問題を回避することができるという点で優れた方法といえる。
そこで、特許文献1で使用されている、高分子微粒子を分散させた塗料を用い、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、パッド印刷等の工業的に有利な方法で印刷したところ、パターン印刷することはできるものの、線幅が1.0mm以下の細線のパターンを精度良く印刷することはできなかった。
上記の理由としては、特許文献1に記載の塗料は、その溶液粘度が高いものでも50cps未満であり、汎用の印刷機に使用される塗料の粘度に比して低い(以下の記載参照)ことによるものと考えられた。
汎用の印刷機で使用される塗料の粘度
グラビア印刷:50〜200cps
スクリーン印刷:500〜50000cps
フレキソ印刷:50〜500cps
パッド印刷:500〜50000cps
上記傾向は、バインダー比率の増加により、ポリマー層の表面に存在する高分子微粒子の比率が減少し、それにより、触媒金属の吸着が不十分となったことに起因していると考えられた。
(1)基材上に無電解めっき法によりパターン化された金属膜を形成するための下地塗料であって、
前記下地塗料は、導電性又は還元性の高分子微粒子、バインダー及び無機系フィラーを含み、前記導電性又は還元性の高分子微粒子と前記バインダーとの質量比は、1:11ないし1:60の範囲であり且つ50cps以上の粘度を有する
下地塗料、
(2)導電性又は還元性の高分子微粒子の固形分比が5質量%以下となる該微粒子の分散液に、前記導電性又は還元性の高分子微粒子1質量部に対して11ないし60質量部のバインダーを添加することにより製造される、50cps以上の粘度を有する前記(1)記載の下地塗料、
(3)前記無機系フィラーは、カーボンブラック、酸化チタン又はシリカ粒子である前記
(1)又は(2)記載の下地塗料、
(4)前記バインダーと前記無機系フィラーとの質量比は、1:0.1ないし1:1.5の範囲である前記(1)ないし(3)の何れか1つに記載の下地塗料。
(5)前記高分子微粒子が還元性高分子微粒子である前記(1)ないし(4)の何れか1つに記載の下地塗料、
(6)前記高分子微粒子が導電性高分子微粒子である前記(1)ないし(4)の何れか1つに記載の下地塗料、
(7)基材上に、前記(5)に記載の下地塗料をパターン印刷し、これにより形成された塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることによるパターン化されためっき物の製造方法、
(8)基材上に、前記(6)に記載の下地塗料をパターン印刷し、これにより形成された塗膜層中の導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性とした後、該塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることによるパターン化されためっき物の製造方法、
に関するものである。
本発明は、無機系フィラーを高分子微粒子分散液中に添加すると、多量のバインダーを添加しても、無電解めっき法において優れためっき析出性が維持される下地塗料となり得ることを見出したことによるものである。
しかし、上記のように無機系フィラーの添加により、多量のバインダーを添加しても、無電解めっき法において優れためっき析出性が維持される理由に付いては、今のところ不明である。
上記方法は、工業的に有利な汎用の印刷法を用いることができ、且つ非常に簡易な方法で、密着性に優れ且つ精度良く細線パターンの金属めっき膜が形成されためっき物を製造できるため、非常に優れた方法といえる。
本発明のめっき物の製造方法においては、還元性高分子微粒子だけでなく、導電性高分子微粒子を用いた下地塗料を用いても同様に行うことができる。この場合、無電解めっきを行う前に、導電性高分子微粒子を脱ドープして還元性にしておく必要があるが、得られるめっき物においては、薄い層(導電性高分子微粒子層)においても優れた密着性及び均一性を維持できる。
本発明の下地塗料は、導電性又は還元性の高分子微粒子、バインダー及び無機系フィラーを含み、前記導電性又は還元性の高分子微粒子と前記バインダーとの質量比は、1:11ないし1:60の範囲であり且つ50cps以上の粘度を有するものである。
挙げられる。
また、還元性高分子微粒子としては、0.005S/cm以下の導電率を有する高分子微粒子が好ましい。
還元性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる還元性高分子微粒子を使用することもできる。
還元性高分子微粒子は、有機溶媒に分散された分散液として使用されるが、該還元性高分子微粒子は、分散液中における分散安定性を維持するために、固形分として該分散液の質量の5質量%以下(固形分比)となるようにする。
還元性高分子微粒子を分散する有機溶媒としては、例えば、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。
導電性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる導電性高分子微粒子を使用することもできる。
導電性高分子微粒子は、有機溶媒に分散された分散液として使用されるが、該導電性高分子微粒子は、分散液中における分散安定性を維持するために、固形分として該分散液の質量の5質量%以下(固形分比)となるようにする。
導電性高分子微粒子を分散する有機溶媒としては、還元性高分子微粒子を分散する有機溶媒と同様のものを用いることができる。
酢酸ビニル、ABS樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
使用するバインダー量は、導電性又は還元性の高分子微粒子1質量部に対して11質量部以上使用することができ、具体的には、導電性又は還元性の高分子微粒子1質量部に対して11質量部ないし60質量部の範囲である。バインダーが60質量部を超えると金属めっきが析出しにくくなる場合があり、バインダーが11質量部未満であると、塗料の粘度を上げ難くなる。
無機フィラーの使用量は、特に、限定されるものではないが、バインダー1質量部に対して0.1ないし1.5質量部の範囲であるのが好ましい。
無機フィラーの使用量が、バインダー1質量部に対して1.5質量部を超える場合、基材と塗膜層間での剥離が起こり易くなり、良好な密着性が得られ難くなることがあり、また、0.1質量部未満となる場合、金属めっきが析出しにくくなることがある。
溶媒としては、特に限定されるものではないが、具体的には、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭
化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、メチルセルソルブ等の多価アルコール誘導体溶媒、ミネラルスピリット等の炭化水素溶媒、ジヒドロターピネオール、D−リモネン等のテルペン類に分類される溶媒を用いることもできる。
本発明の下地塗料は、上述の成分を含むことにより、その溶液の粘度を50cps以上とする。
上記粘度が50cps未満となる場合、汎用の印刷機、例えば、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、ドライオフセット印刷、パッド印刷等により、線幅が1.0mm以下の細線のパターンを精度良く印刷することができなくなる。
また、基材の形状は特に限定されないが、例えば、板状、フィルム状が挙げられる。
他にも、基材として、例えば、射出成形などにより樹脂を成形した樹脂成形品が挙げられる。そして、この樹脂成形品に本発明のめっき物を設けることにより、例えば、自動車向けの装飾めっき品を作成することができたり、或いは、ポリイミド樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂からなるフィルム上に本発明のめっき物をパターン状で設けることにより、例えば、電気回路品を作成することができる。
印刷方法は、各印刷機を用いる通常の印刷法によって行うことができる。
上記の印刷を行うことにより、下地塗料を精度良く線幅が1.0mm以下の細線パターンの塗膜層として形成することができる。
即ち、前記基材を塩化パラジウム等の触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬した後、水洗等を行い、無電解めっき浴に浸漬することによりめっき物を得ることができる。
好ましい、具体的な触媒液としては、0.05%塩化パラジウム−0.005%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、0
.1ないし20分、好ましくは、1ないし10分である。
上記の操作により、塗膜中の還元性高分子微粒子は、結果的に、導電性高分子微粒子となる。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。
即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル等、全て適用することができるが、銅が好ましい。
無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)等が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
得られためっき物は、使用した基材のTgより低い温度範囲において、数時間以上、例えば、2時間以上養生するのが好ましい。
特に、導電性高分子微粒子を含む塗膜層は薄くできるため、緩和な条件下で短時間のアルカリ処理により脱ドープを達成することが可能である。
例えば、1M 水酸化ナトリウム水溶液中で、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃の温度で、1ないし30分間、好ましくは3ないし10分間処理される。
上記製造方法により製造されためっき物は優れた密着性を有する。
尚、上記めっき物は、形成された無電解めっき膜上に、電解めっきにより、同一又は異なる金属を更にめっきすることもできる。
また、金属めっき膜は、基材の両面に形成されてもよい。
還元性高分子微粒子は、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性
剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造することができる。
疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤の中でも、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(疎水性末端4つ)、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナトリウム(疎水性末端4つ)および分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(疎水性末端2つ)が好適に使用できる。
lに対し、アニオン系界面活性剤と足して0.2mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.15molである。0.05mol未満では収率や分散安定性が低下し、一方、0.2mol以上では重合後において、水相と有機溶媒相との分離が困難になり、有機溶媒相にある還元性高分子微粒子を得る事ができなくなる事から好ましくない。
(a)アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合させる工程、
(d)有機相を分液しポリマー微粒子を回収する工程。
剤を含む微粒子である。そしてその特徴は、微細な粒径を有し、有機溶媒中で分散可能であることである。
ポリマー微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径は、10〜100nmとするのが好ましい。
上記のように平均粒径の小さな微粒子にすることで、微粒子の表面積が極めて大きくなり、同一質量の微粒子でも、より多くの触媒金属を吸着できるようになり、それにより塗膜層の薄膜化が可能となる。
得られたポリマー微粒子の導電率は0.01S/cm未満であり、好ましくは、0.005S/cm以下である。
使用する導電性高分子微粒子は、例えば、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造することができる。
反応系中での酸化剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、導電性高分子微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上では凝集して導電性高分子微粒子の粒径が大きくなり、分散安定性が悪化する。
(a)アニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合しアニオン系界面活性剤にポリマー微粒子を接触吸着させる工程、
(d)有機相を分液し導電性高分子微粒子を回収する工程。
ポリマー微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径は、10〜100nmとするのが好ましい。
上記のように平均粒径の小さな微粒子にすることで、微粒子の表面積が極めて大きくなり、同一質量の微粒子でも、脱ドープ処理して還元性とした際に、より多くの触媒金属を吸着できるようになり、それにより塗膜層の薄膜化が可能となる。
製造例1:還元性ポリピロール微粒子分散液の調製
アニオン性界面活性剤ペレックスOT−P(花王株式会社)0.42mmol、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系ノニオン界面活性剤エマルゲン409P(花王株式会社)2.1mmol、トルエン10mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した還元性能を有する還元性ポリピロール微粒子を得た。尚、得られたトルエン分散液中の還元性ポリピロール微粒子の固形分は、5.0%であった。
アニオン性界面活性剤ペレックスOT−P(花王株式会社)0.42mmol、ソルビタン脂肪酸エステル系ノニオン界面活性剤レオドールSP−030V(花王株式会社)0.424mmolとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(商品名:レオドール
TW−0320V)2.12mmol、トルエン10mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。得られた乳化液にアニリンモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム4mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した還元性能を有する還元性ポリアニリン微粒子を得た。尚、得られたトルエン分散液中の還元性ポリアニリン微粒子の固形分は、5.0%であった。
バインダー:VYLON23CS:ポリエステル系(東洋紡績株式会社製)と無機系フィラー:ブラック#5500:カーボンブラック(東海カーボン株式会社製)とを質量比がバインダー:無機系フィラー=11:1.1となるように配合し、ビーズ入りホモミキサーにて分散させた。
次に、製造例1で調製した還元性ポリピロール微粒子分散液(固形分5%)に、前記で調製したバインダー及び無機フィラーを含む分散液を、還元性微粒子:バインダーの質量比が1:11となるように加え、さらに最終固形分が25%となるように、シクロヘキサノンを混合することにより下地塗料を得た。
尚、得られた下地塗料の粘度をB型粘度計により、25℃の温度条件下で測定した。
表1に示す配合比にて、バインダーと無機系フィラーとを添加した以外は、実施例1と同様の方法にて下地塗料を得た。
無機フィラー:TR−700:酸化チタン(富士チタン工業株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様な方法にて下地塗料を得た。
無機フィラー:AEROSIL90:シリカ粒子(日本エアロジル株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様な方法にて下地塗料を得た。
製造例2で調製した還元性アニリン微粒子分散液(固形分5%)を用いた以外は実施例2と同様な方法にて下地塗料を得た。
表1に示す配合比にて、バインダーと無機系フィラーとを添加した以外は、実施例1と同様の方法にて下地塗料を得た。
無機系フィラーを用いず、且つ表1に示す使用量のバインダーを添加した以外は、実施例1と同様の方法にて下地塗料を得た。
表1に示す配合比にて、バインダーと無機系フィラーとを添加した以外は、実施例1と同様の方法にて下地塗料を得た。
基材として、厚み50μmの易接着処理ポリエステルフィルム A4100を用い、該基材上に、実施例1ないし4、9及び10並びに比較例1、2及び4ないし6で調製した下地塗料をグラビア校正機にてパターン印刷した。
尚、L/S=1.0mm/1.0mmのストレートラインを形成する版にて印刷を行い、100℃の熱風オーブンで10分間加熱乾燥を行った。
基材として、厚み50μmの易接着処理ポリエステルフィルム A4100を用い、該基材上に、実施例5ないし8、11及び12並びに比較例3で調製した下地塗料をスクリ
ーン印刷機にてパターン印刷した。
尚、L/S=1.0mm/1.0mmのストレートラインを形成する版にて印刷を行い、100℃の熱風オーブンで10分間加熱乾燥を行った。
基材として、厚み50μmの易接着処理ポリエステルフィルム A4100を用い、該基材上に、実施例5ないし8、11及び12並びに比較例3で調製した下地塗料をパッド印刷機にてパターン印刷した。
尚、L/S=1.0mm/1.0mmのストレートラインを形成する版にて印刷を行い、100℃の熱風オーブンで10分間加熱乾燥を行った。
実施例1ないし12並びに比較例2、3及び6で作成された、パターン化された印刷膜が形成されたフィルムを0.05%塩化パラジウム−0.005%塩酸水溶液中に35℃で5分間浸漬後、洗浄水で水洗した。次に、該フィルムを無電解銅めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に35℃で20分間浸漬することにより、印刷膜が形成された部分にのみ銅めっきが施されたポリエステルフィルムが得られた。
尚、比較例1、4及び5で作成された、パターン化された印刷膜が形成されたフィルムは、印刷されたパターンが、L/S=1.0mm/1.0mm(±10%以内)の基準外であったため、無電解めっきを行わなかった。
実施例1〜12及び比較例1〜6で作成した、パターン化された印刷膜が形成されたフィルムの印刷特性、無電解めっきによるめっき析出性及びめっき物の密着性を評価して表1に示した。
尚、評価方法は以下に示した通りである。
また、表1中、aないしfは、以下に示すものを意味し、“比率A:B”は、高分子微粒子とバインダーの質量比を意味し、“比率B:C”は、バインダーと無機系フィラーの質量比を意味する。
a:還元性ポリピロール微粒子
b:還元性ポリアニリン微粒子
c:バインダー:VYLON23CS:ポリエステル系(東洋紡績株式会社製)
d:無機系フィラー:ブラック#5500:カーボンブラック(東海カーボン株式会社製)
e:無機フィラー:TR−700:酸化チタン(富士チタン工業株式会社製)
f:無機フィラー:AEROSIL90:シリカ粒子(日本エアロジル株式会社製)
評価
<印刷特性>
グラビア印刷、スクリーン印刷、パッド印刷のいずれかにより印刷されたパターンが以下の基準内であれば○、基準外であれば×とした。
基準:L/S=1.0mm/1.0mm(±10%以内)
<めっき析出性>
完全に被覆され、基材露出なしのものを○、10%未満基材の露出有りのものを△、10%以上基材の露出有りのものを×とした。
<密着性>
無電解めっきが施されたパターン印刷基材にセロハンテープを貼り付け、剥離することによりめっき膜の密着性を評価した。テープで剥離しないものを○、10%未満剥離有りを△、10%以上剥離するものを×とした。
Claims (8)
- 基材上に無電解めっき法によりパターン化された金属膜を形成するための下地塗料であって、
前記下地塗料は、導電性又は還元性の高分子微粒子、バインダー及び無機系フィラーを含み、前記導電性又は還元性の高分子微粒子と前記バインダーとの質量比は、1:11ないし1:60の範囲であり且つ50cps以上の粘度を有する
下地塗料。 - 導電性又は還元性の高分子微粒子の固形分比が5質量%以下となる該微粒子の分散液に、前記導電性又は還元性の高分子微粒子1質量部に対して11ないし60質量部のバインダーを添加することにより製造される、50cps以上の粘度を有する請求項1記載の下地塗料。
- 前記無機系フィラーは、カーボンブラック、酸化チタン又はシリカ粒子である請求項1又は2記載の下地塗料。
- 前記バインダーと前記無機系フィラーとの質量比は、1:0.1ないし1:1.5の範囲である請求項1ないし3の何れか1項に記載の下地塗料。
- 前記高分子微粒子が還元性高分子微粒子である請求項1ないし4の何れか1項に記載の下地塗料。
- 前記高分子微粒子が導電性高分子微粒子である請求項1ないし4の何れか1項に記載の下地塗料。
- 基材上に、請求項5に記載の下地塗料をパターン印刷し、これにより形成された塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることによるパターン化されためっき物の製造方法。
- 基材上に、請求項6に記載の下地塗料をパターン印刷し、これにより形成された塗膜層中の導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性とした後、該塗膜層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることによるパターン化されためっき物の製造方法。
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