JP6376843B2 - パターン化されためっき物の製造方法 - Google Patents

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本発明は、基材上に微細パターンが形成されためっき物の製造方法に関し、特に、タッチパネル等で用いられる透明導電膜への展開が可能となる微細パターンを形成できる、パターン化されためっき物の製造方法に関する。
現在、液晶表示素子やタッチパネル等に用いられる透明導電膜には、一般にITO(酸化インジウムスズ)膜が使用されている。また、電気抵抗値がより低い膜として、金、銀、銅などの金属膜をフィルム基材上にメッシュ状にパターン化した透明導電性フィルムなども提案されている。例えば、銅箔と基材とを接着してなる銅張積層板の表面に、フォトレジスト(感光性樹脂)層を設け、このフォトレジスト層をマスクを介してパターン露光し、次いで現像し、金属面が露出した部位の金属を溶かしてエッチング(ウェットエッチング)し、その後レジスト層を剥離するという工程を経てパターン化銅箔を形成する方法が提案されている(特許文献1)。
特開平09−130016号公報
前述のフォトレジストを使用したパターン形成法では、フォトレジスト層の下層が銅箔であるため、露光時に使用する紫外線等の照射光が銅箔によって反射し、この反射光によって本来は非露光部となるマスク下の部分にまで一部露光(感光)が生ずることがある。そのため、上記フォトレジスト層の形成にネガ型フォトレジストを用いた場合、現像後のフォトレジスト層のパターン幅はマスクパターンより太いものとなり、一方、ポジ型フォトレジストを用いた場合には現像後のフォトレジスト層のパターン幅はマスクパターンよりも細いものとなり、従ってその後のエッチング、及びレジスト剥離によって得られる金属パターンもマスクパターンより太いパターン或いは細いパターンとなる。また現像後のフォトレジストのパターン幅が下層の銅箔の厚みよりも小さい場合、ウェットエッチング工程において生じるオーバーエッチングにより、銅箔自体が消失する場合がある。このように、フォトレジストを用いたパターン形成法では、所望のパターン幅を形成することが容易でないという問題がある。
さらに前述のパターン形成法は、図2に示すように、銅張積層板の表面(図2(a))におけるフォトレジスト層の形成(図2(b))、パターン露光(図2(c))、現像(図2(d))、ウェットエッチング(図2(e))、レジスト剥離(図2(f))という多くの工程を経る必要がある。
本発明は、従来のフォトレジストを使用した金属膜のパターン形成法における問題点を解消すべく為されたものであり、すなわち、所望のパターン幅を少ない工程にて形成でき、しかも高精度なパターンを形成可能であり、とりわけ微細なパターン形成が必要とされる透明導電膜などへの展開が可能なパターン状の金属膜を基材上に製造することができる方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、パターン状の金属膜を基材上に形成するにあたり、無電解めっきの技術を採用することと、そして露光の反射光に
よる過度な露出やオーバーエッチングの問題を回避できるドライエッチングを組み合わせることにより、少ない工程にて、且つ、所望の線幅に近い微細な金属パターンを基材上に形成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は
(1)パターン化されためっき物の製造方法であって、
基材上に還元性高分子微粒子とバインダーを含むめっき下地層を設ける工程(A−1)、前記めっき下地層に対してマスクを介してプラズマを用いたドライエッチングを為すことにより、パターン化されためっき下地層を得る工程(B−1)、及び
前記パターン化されためっき下地層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきする工程(D)、
を含む製造方法、
(2)パターン化されためっき物の製造方法であって、
基材上に導電性高分子微粒子とバインダーを含むめっき下地層を設ける工程(A−2)、前記めっき下地層に対してマスクを介してプラズマを用いたドライエッチングを為すことにより、パターン化されためっき下地層を得る工程(B−2)、
前記パターン化されためっき下地層内の導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性高分子微粒子に変える工程(C)、及び
前記パターン化されためっき下地層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきする工程(D)、
を含む製造方法、
に関するものである。
本発明によれば、目的とするパターン幅を有する金属めっき膜を、従来のフォトレジストを用いたパターン形成法に比して、少ない工程にて形成できる。
しかも本発明を用いることにより、フォトレジストを用いたパターン形成法において生じ得たウェットエッチング時の金属膜(銅箔)の消失を抑制でき、精度よく細線パターンの金属めっき膜が形成されためっき物を製造できるため、非常に優れた方法といえる。
このため本発明は、とりわけ微細なパターン形成が必要とされる透明導電膜などへの展開が可能なパターン状の金属膜を基材上に製造することが可能となることが期待できる。
図1は、本発明のパターン化されためっき物の製造方法における各工程の概略図である。 図2は、従来のフォトレジストを用いたパターン形成法における各工程の概略図であり、図2Aはネガ型フォトレジストを使用した場合、図2Bはポジ型フォトレジストを用いた場合の概略図である。
更に詳細に本発明を説明する。
本発明は、<1>基材上に還元性高分子微粒子又は導電性高分子微粒子とバインダーを含むめっき下地層を設ける工程、<2>めっき下地層に対してマスクを介してドライエッチングを為すことにより、パターン化されためっき下地層を得る工程、<4>前記パターン化されためっき下地層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきする工程より構成され、<1>工程において導電性高分子微粒子を含むめっき下地層を選択した場合には、<2>パターン化されためっき下地層を得る工程の後に<3>前記めっき下地層内の導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性高分子微粒子に変える工程を経た後、<4>化学めっきする工程に付する。
<1>基材上に還元性高分子微粒子又は導電性高分子微粒子とバインダーを含むめっき下地層を設ける工程[工程(A−1)、(A−2)]
本工程は、基材の表面上に、還元性高分子微粒子とバインダーを含むめっき下地層、或いは、導電性高分子微粒子とバインダーを含むめっき下地層を形成する工程である。
前記めっき下地層は、還元性高分子微粒子とバインダーを含む還元性高分子微粒子塗料を基材上に塗布することによって、或いは、導電性高分子微粒子とバインダーを含む導電性高分子微粒子塗料を基材上に塗布することによって、容易に形成することができる。
前記還元性高分子微粒子は、0.01S/cm未満の導電率を有するπ−共役二重結合を有する高分子微粒子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びそれらの各種誘導体が挙げられ、好ましくは、ポリピロールが挙げられる。中でも還元性高分子微粒子として、0.005S/cm以下の導電率を有する高分子微粒子を使用することが好ましい。
還元性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる還元性高分子微粒子を使用することもできる。
還元性高分子微粒子は、有機溶媒に分散された分散液として使用されるが、該還元性高分子微粒子は、分散液中における分散安定性を維持するために、固形分として該分散液の質量の10質量%以下(固形分比)となるようにすることが好ましい。
還元性高分子微粒子を分散する有機溶媒としては、例えば、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。
また、前記導電性高分子微粒子としては、導電性を有するπ−共役二重結合を有する高分子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びそれらの各種誘導体が挙げられ、好ましくは、ポリピロールが挙げられる。
導電性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる導電性高分子微粒子を使用することもできる。
導電性高分子微粒子は、有機溶媒に分散された分散液として使用されるが、該導電性高分子微粒子は、分散液中における分散安定性を維持するために、固形分として該分散液の質量の10質量%以下(固形分比)となるようにすることが好ましい。
導電性高分子微粒子を分散する有機溶媒としては、上述の還元性高分子微粒子を分散する有機溶媒において挙げた有機溶媒と同様のものを好適に使用することができる。
前記バインダーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
上記バインダーは、還元性高分子微粒子又は導電性高分子微粒子1質量部に対して0.1質量部乃至10質量部の量にて使用することが好ましい。バインダーの使用量が前記高分子微粒子1質量部に対して10質量部を超えると金属めっきが析出しにくくなる場合があり、バインダーの使用量が前記高分子微粒子1質量部に対して0.1質量部未満であると、基材への密着性が弱くなる虞がある。
本工程で使用する還元性高分子微粒子塗料或いは導電性高分子微粒子塗料は、上記二成
分(還元性高分子微粒子/又は導電性高分子微粒子、バインダー)に加えて有機溶媒を含み得る。使用する有機溶媒としては特に限定されるものではないが、例えば酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。また、メチルセルソルブ等の多価アルコール誘導体溶媒、ミネラルスピリット等の炭化水素溶媒、ジヒドロターピネオール、D−リモネン等のテルペン類に分類される溶媒を用いることもできる。
さらに上記還元性高分子微粒子塗料或いは導電性高分子微粒子塗料は、用途や塗布対象物等の必要に応じて、分散安定剤、増粘剤、インキバインダ等の樹脂、カーボンブラック等の無機フィラーなどを含んでいてもよい。
本発明に使用することができる基材としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ガラス、金属等が挙げられる。
また、基材の形状は特に限定されないが、例えば、板状、フィルム状が挙げられる。
他にも、基材として、例えば、射出成形などにより樹脂を成形した樹脂成形品が挙げられる。そして、この樹脂成形品に本発明のめっき物を設けることにより、例えば、ポリイミド樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂からなるフィルム上に本発明のめっき物をパターン状で設けることにより、例えば、電気回路品を作成することができる。
基材への前記還元性高分子微粒子塗料又は導電性高分子微粒子塗料の塗布方法は特に限定されないが、例えばスピンコート法;ブレードコート法;ディップコート法;ロールコート法;バーコート法;ダイコート法;スプレーコート法;インクジェット法;グラビア印刷;スクリーン印刷等によって塗布することができる。
そして得られた塗布膜において、溶媒を蒸発・乾燥させることにより、めっき下地層を得る。この際の乾燥温度及び乾燥時間は、例えば30℃乃至250℃、5分〜20分にて適宜選択できる。
このようにして基材上に形成されためっき下地膜の厚さは0.01μm乃至10μmとすることが好ましい。厚さが0.01μm未満であると後述する化学めっきを為す工程において金属が析出せず、めっき膜が形成されず、また厚さが10μmを超えると下地膜の強度が低下する。
<2>前記めっき下地層に対してマスクを介してドライエッチングを為すことにより、パターン化されためっき下地層を得る工程[工程(B−1)、(B−2)]
本工程は、前記工程にて得られためっき下地層を、マスクを介してドライエッチングを為す工程であり、すなわち、マスクに被覆されていないめっき下地層の露出部を、プラズマを用いたドライエッチングにより除去し、基材上にめっき下地層からなるパターンを形成する工程である。
本工程においてめっき下地層の除去にかかるドライエッチングに使用するガスとしては、テトラフルオロメタン(CF)、パーフルオロシクロブタン(C)、パーフルオロプロパン(C)、トリフルオロメタン(CHF)、ジフルオロメタン(CH)等のフッ素系ガス、ジクロロボラン、トリクロロボラン、塩素、四塩化炭素、及びクロロホルム等の塩素系ガス、一酸化炭素、アルゴン、酸素、窒素、六フッ化硫黄、三フッ化窒素及び三フッ化塩素等を適宜選択可能である。
なおプラズマの発生方法としては、低周波放電、高周波放電、マイクロ波放電等の方式を用いることができ、プラズマ処理の際の圧力、ガス流量、放電周波数、処理時間等の条件は任意に設定することができる。
<3>前記めっき下地層内の導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性高分子微粒子に変える工程[工程(C)]
本工程は、前述の<1>工程において、めっき下地層の形成に導電性高分子微粒子を含有する塗料を使用した場合に適用される工程であり、前記<2>工程後にめっき下地層内の導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性高分子微粒子に変える工程である。従って前記<1>工程において還元性高分子微粒子を含有する塗料を用いた場合には前記<2>工程の後、本工程を実施せずに続いて後述する<4>工程を実施する。
前記脱ドープ処理としては、還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアルキルアミンボラン、及び、ヒドラジン等を含む溶液で処理して還元する方法、又は、アルカリ性溶液で処理する方法が挙げられる。中でも脱ドープ処理は、操作性及び経済性の観点からアルカリ性溶液で処理するのが好ましい。
導電性高分子微粒子を含むめっき下地層の厚さは0.01μm乃至10μmと非常に薄いため、緩和な条件下で短時間のアルカリ処理により脱ドープを達成することが可能である。例えば、1M 水酸化ナトリウム水溶液中で、20℃乃至50℃、好ましくは30℃乃至40℃の温度で、1分間乃至30分間、好ましくは3分間乃至10分間、浸漬処理することにより、脱ドープ処理がなされる。
<4>前記パターン化されためっき下地層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきする工程[工程(D)]
本工程は、パターン化されためっき下地層を無電解めっきする工程であり、すなわちパターン化されためっき下地層が形成された基材を、めっき浴に浸漬することによる無電解めっき法によりめっき物とする工程である。
本工程における無電解めっき法は、通常知られた方法に従って行うことができる。
即ち、塩化パラジウム等の触媒金属をめっき下地層に付着させるための触媒液に前記基材を浸漬した後、水洗等を行い、その後処理した基材を無電解めっき浴に浸漬することによりめっき物を得ることができる。
本工程で使用する触媒液は、無電解めっきに対する触媒活性を有する貴金属(触媒金属)を含む溶液であり、触媒金属としては、パラジウム、金、白金、ロジウム等が挙げられ、これら金属は単体でも化合物でもよく、触媒金属を含む安定性の点からパラジウム化合物が好ましく、その中でも塩化パラジウムが特に好ましい。
好ましい、具体的な触媒液としては、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液(pH3)、0.05%塩化パラジウム−0.005%塩酸水溶液(pH3)などが挙げられる。
触媒液における処理温度は20℃乃至50℃、好ましくは30℃乃至40℃であり、処理時間は0.1分間乃至20分間、好ましくは1分間乃至10分間である。
上記の操作により、触媒液中の触媒金属はそのイオンの還元によりめっき下地層上に吸着され、それによりめっき下地層中の還元性高分子微粒子は、結果的に導電性高分子微粒子となる。
上記で触媒液により処理された基材は、金属を析出させるためのめっき液に浸され、これによりパターン化されためっき下地層上に無電解めっき膜が形成される。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル等、全て適用するこ
とができるが、銅が好ましい。
無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業株式会社社製)等が挙げられる。
めっき液における処理温度は20乃至50℃、好ましくは30乃至40℃であり、処理時間は1分間乃至30分間、好ましくは5分間乃至15分間である。
なお得られためっき物は、使用した基材のTgより低い温度範囲において、数時間以上、例えば2時間以上養生させた後、その後の使用に供することが好ましい。
上記製造方法により製造されためっき物は優れた密着性を有する。
尚、上記めっき物は、形成された無電解めっき膜上に、電解めっきにより、同一又は異なる金属を更にめっきすることもできる。
また、金属めっき膜は、基材の両面に形成されてもよい。
図1に、本発明の製造方法に係る工程の概略図を示す。
まず図1(a)に示すように、前述の<1>工程にて、基材1上に還元性高分子微粒子又は導電性高分子微粒子とバインダーを含むめっき下地層2を設ける。続いて図1(b)に示すように、前述の<2>工程にて、めっき下地層2に対してマスク3を介してドライエッチングを為し、パターン化されためっき下地層2a(図1(c))を得る。なお前記<1>工程にて導電性高分子微粒子を使用した場合、ここで<3>工程に示す脱ドープ処理を実施する。最後に、図1(d)に示すように、前述の<4>工程にて、パターン化されためっき下地層2aに無電解めっき処理を施し、パターン化された金属めっき膜4を得る。
一方、従来のフォトレジストを用いたパターン形成法における各工程の概略図を図2に示す。図2中、フォトレジストとしてネガ型フォトレジストを使用した場合を図2Aに、ポジ型フォトレジストを用いた場合を図2Bに、それぞれ示すものである。
従来法においては、まず図2(a)に示すように、基材10上に銅箔11を接着させた銅張積層板を用意する。続いて図2(b)に示すように、銅箔11上にネガ型フォトレジスト又はポジ型フォトレジストを塗布(或いは貼付)し、ネガ型フォトレジスト層12(図2A)又はポジ型フォトレジスト層13(図2B)を形成する。その後、図2(c)に示すように、ネガ型フォトレジスト層12又はポジ型フォトレジスト層13にマスク14を介して露光を行い、非露光部12a又は13aと露光部12b又は13bを形成する。
続いて現像を行う。ここでネガ型フォトレジストを使用した場合(図2A)には非露光部12aが溶解・消失し、露光部12bがパターン化されたフォトレジスト層として残存する。一方、ポジ型フォトレジストを使用した場合(図2B)、露光部13bが溶解・消失し、非露光部13aがパターン化されたフォトレジスト層として残存する(図2(d)参照)。
その後、パターン化されたフォトレジスト層12b又は13aをマスク層とし、露出した銅箔11部分をウェットエッチングにて除去し(図2(e))、最後にパターン化されたフォトレジスト層12b又は13aを剥離して、基材10上に形成されたパターン化された銅箔12aを得る。
このように、従来のフォトレジストを用いたパターン形成法では、図1及び図2の比較より明確であるように、本発明の方法と比べて工程数が多く、手順が煩雑である。また図2(c)の露光工程において、銅箔11への露光光の反射が生じ、非露光部12a及び13aの一部が露光する虞があり、結果、マスク14のパターン幅と同じパターン幅を有するパターン化されたフォトレジスト層12b又は13aを得ることに困難が生じる。さらに、また図2(e)工程において、パターン化されたフォトレジスト層12b又は13aのパターン幅が下層の銅箔11の厚みよりも小さい場合、ウェットエッチング工程においてオーバーエッチングが生じ、銅箔11自体が消失する場合がある。
それに対し本発明の方法によれば、少ない工程にて目的とするパターン幅を有する金属めっき膜を形成できる。
以下に、めっき下地層を形成するために使用される還元性高分子微粒子並びに導電性高分子微粒子を製造するための具体的な方法を記載する。
[1]還元性高分子微粒子の製造方法
還元性高分子微粒子は、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造することができる。
π−共役二重結合を有するモノマーとしては、還元性高分子を製造するために使用されるモノマーであれば特に限定されないが、例えば、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール及び3−フェニルナフチルアミノピロール等のピロール誘導体;アニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−メトキシアニリン、m−メトキシアニリン、p−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン、m−エトキシアニリン、p−エトキシアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン及びp−メチルアニリン等のアニリン誘導体;チオフェン、3−メチルチオフェン、3−n−ブチルチオフェン、3−n−ペンチルチオフェン、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−ヘプチルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−n−ノニルチオフェン、3−n−デシルチオフェン、3−n−ウンデシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ナフトキシチオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等のチオフェン誘導体が挙げられ、好ましくは、ピロール、アニリン、チオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
また前記製造に用いるアニオン系界面活性剤としては種々の界面活性剤が使用できるが、中でも疎水性末端を複数有する界面活性剤(例えば、疎水基自体に分岐構造を有する化合物や、疎水基を複数有する化合物)を用いることが好ましい。このような疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤を使用することにより、安定したミセルを形成させることができ、重合後において水相と有機溶媒相との分離をスムーズなものとし、そして有機溶媒相に分散した還元性高分子微粒子を回収し易いという利点を得られ得る。
疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤の中でも、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(疎水性末端4つ)、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナトリウム(疎水性末端4つ)および分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(疎水性末端2つ)が好適に使用できる。
反応系中でのアニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し0.05mol未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.005mol乃至0.03molである。0.05mol以上では添加したアニオン性界面活性剤がドーパントとして作用し、得られる高分子微粒子が導電性を発現するため、これを用いて無電解めっきを行うためには前述の脱ドープ処理の工程が必要となる。
またノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、アルキルグルコシド類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビダン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類が挙げられる。前記製造においてはこれらを一種類又は複数種を混合して使用してもよい。特に安定的にO/W型エマルションを形成するものが好ましい。
反応系中でのノニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し、アニオン系界面活性剤との合計量で0.2mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05mol乃至0.15molである。両者の合計量が0.05mol未満では収率や分散安定性が低下し、一方、0.2mol以上では、重合後において水相と有機溶媒相との分離を困難なものとし、有機溶媒相にある還元性高分子微粒子を回収することが困難なものとなることから好ましくない。
前記製造において、乳化液の有機相を形成する有機溶媒は疎水性であることが好ましい。なかでも、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンは、O/W型エマルションの安定性およびπ−共役二重結合を有するモノマーとの親和性の観点から好ましい。なお両性溶媒でもπ−共役二重結合を有するモノマーの重合を行うことはできるが、生成した還元性高分子微粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になるため好ましい態様であるとはいえない。
また乳化液における有機相と水相との割合は、水相が75体積%以上であることが好ましい。水相が20体積%以下ではπ−共役二重結合を有するモノマーの溶解量が少なくなり、生産効率が悪くなる。
前記製造で使用する酸化剤としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸およびクロロスルホン酸などの無機酸;アルキルベンゼンスルホン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸などの有機酸;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムおよび過酸化水素などの過酸化物等が使用できる。これら酸化剤は単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。また、酸化剤として塩化第二鉄等のルイス酸を用いた場合でもπ−共役二重結合を有するモノマーを重合できるが、この場合、生成した粒子が凝集し、微分散できない場合がある。特に好ましい酸化剤は、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩である。
反応系中での酸化剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2mol乃至0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、還元性高分子微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上では凝集して還元性高分子微粒子の粒径が大きくなり、分散安定性が悪化する。
前記還元性高分子微粒子の製造方法は、例えば以下のような工程で行われる:
(a)アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合撹拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合させる工程、
(d)有機相を分液し、有機相から還元性高分子微粒子を回収する工程。
前記各工程は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。例えば、乳化液の調製時に行う混合撹拌は、特に限定されないが、例えばマグネットスターラー、撹拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。また重合温度は0℃乃至25℃で実施可能であり、好ましくは20℃以下である。重合温度が25℃を越えると副反応が起こるので好ましくない。
酸化重合反応が停止されると、反応系は有機相と水相の二相に分かれるが、この際に未反応のモノマー、酸化剤および塩は水相中に溶解して残存する。ここで有機相を分液回収し、イオン交換水で数回洗浄すると、有機溶媒に分散した還元性高分子微粒子を回収することができる。
上記の製造法により得られる還元性高分子微粒子は、主としてπ−共役二重結合を有するモノマー誘導体のポリマーよりなり、そしてアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を含む微粒子である。そしてその特徴は、微細な粒径を有し、有機溶媒中で分散可能であることである。
上記還元性高分子微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径(レーザー回折/散乱法により求められる値)が10nm乃至100nmであるような粒径の小さい微粒子であること好ましい。このように平均粒径の小さな微粒子はその表面積が極めて大きいものとなり、従って同一質量の微粒子の中でもより多くの触媒金属を吸着できるようになり、その結果、めっき下地層の薄膜化を可能とする。
また得られた還元性高分子微粒子の導電率は0.01S/cm未満であり、好ましくは、0.005S/cm以下である。
こうして得られた有機溶媒に分散した還元性高分子微粒子は、そのままで、めっき下地層の形成に用いる前記塗料の還元性高分子微粒子成分として使用することができる。
[2]導電性高分子微粒子の製造方法
導電性高分子微粒子は、例えば、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造することができる。
π−共役二重結合を有するモノマー及びアニオン系界面活性剤としては還元性高分子微粒子の製造の際に例示したものと同様のものが挙げられる。
好ましくはπ−共役二重結合を有するモノマーとして、ピロール、アニリン、チオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
またアニオン系界面活性剤として、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナトリウムおよび分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩を好適に使用できる。
反応系中でのアニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し0.2mol未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.05mol乃至0.15molである。0.05mol未満では導電性高分子微粒子の収率の低下や分散安定性の低下につながり、一方、0.2mol以上では得られた導電性高分子微粒子に導電性の湿度依存性が生じてしまう場合がある。
前記製造において、乳化液の有機相を形成する有機溶媒は疎水性であることが好ましい。なかでも、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンは、O/W型エマルションの安定性およびπ−共役二重結合を有するモノマーとの親和性の観点から好ましい。なお両性溶媒でもπ−共役二重結合を有するモノマーの重合を行うことはできるが、生成した導電性高分子微粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になるため好ましい態様であるとはいえない。
また乳化液における有機相と水相との割合は、水相が75体積%以上であることが好ましい。水相が20体積%以下ではπ−共役二重結合を有するモノマーの溶解量が少なくなり、生産効率が悪くなる。
前記製造で使用する酸化剤としては、前述の還元性高分子微粒子の製造の際に例示したものと同様のものが挙げられ、特に好ましい酸化剤として過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩を挙げることができる。
反応系中での酸化剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2mol乃至0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、導電性高分子微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上では凝集して導電性高分子微粒子の粒径が大きくなり、分散安定性が悪化する。
前記導電性高分子微粒子の製造方法は、例えば以下のような工程で行われる:
(a)アニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合撹拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合し、その際、ドーパントとして作用するアニオン系界面活性剤にポリマー微粒子を接触吸着させる工程、
(d)有機相を分液し、有機層から導電性高分子微粒子を回収する工程。
前記各工程は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。例えば、乳化液の調製時に行う混合撹拌は、特に限定されないが、例えばマグネットスターラー、撹拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。また重合温度は0℃乃至25℃で実施可能であり、好ましくは20℃以下である。重合温度が25℃を越えると副反応が起こるので好ましくない。
酸化重合反応が停止されると、反応系は有機相と水相の二相に分かれるが、この際に未反応のモノマー、酸化剤および塩は水相中に溶解して残存する。ここで有機相を分液回収し、イオン交換水で数回洗浄すると、有機溶媒に分散した導電性高分子微粒子を入手することができる。
上記の製造法により得られる導電性高分子微粒子は、主としてπ−共役二重結合を有するモノマー誘導体のポリマーよりなり、そしてアニオン系界面活性剤を含む微粒子である。そしてその特徴は、微細な粒径を有し、有機溶媒中で分散可能であることである。
上記導電性高分子微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径(レーザー回折/散乱法により求められる値)が10nm乃至100nmであるような粒形の小さい微粒子であることが好ましい。このように平均粒径の小さな微粒子はその表面積が極めて大きいものとなり、従って該微粒子を脱ドープ処理して還元性高分子微粒子とした際に、同一質量の微粒子の中でもより多くの触媒金属を吸着できるようになり、その結果、めっき下地層より塗膜層の薄膜化を可能とする。
こうして得られた有機溶媒に分散した導電性高分子微粒子は、そのままで、めっき下地層の形成に用いる前記塗料の導電性高分子微粒子成分として使用することができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
<導電性ポリピロール塗料の製造および塗膜調製>
アニオン性界面活性剤ペレックスOT−P(花王株式会社製)1.5mmol、トルエン10mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過
硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した導電性高分子微粒子を得た。ここで得られたトルエン分散液中の導電性ポリピロール微粒子の固形分は、約5.0質量%であった。
ここに、バインダーとしてスーパーベッカミンJ−820(DIC株式会社製、ブチル化メラミン樹脂)をポリピロール:バインダー樹脂=1:3(ポリピロール、バインダー樹脂ともに固形分換算した場合の質量比)となる割合にて加え、さらにトルエンを加えて固形分(ポリピロール及びバインダー樹脂)の濃度を調整し、該固形分が約5.0質量%となる導電性ポリピロール塗料を調製した。
<工程1:めっき下地層の形成(図1(a))>
上記で調製した塗料を、PETフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4100)(基材1)にバーコーターで薄く塗工し、120℃で5分乾燥してめっき下地層2を作製した。尚、めっき下地層2の厚みは5μmであった。
<工程2:めっき下地層のエッチング(図1(b)(c))>
形成しためっき下地層2上に、L/S(ラインアンドスペース)=2μm/100μmのパターンを持つ金属マスク3を載置し、プラズマ洗浄装置CV−e300(株式会社モリエンジニアリング製)を用いて、露出しためっき下地層をRIEモードにてエッチング除去(エッチングガス:O(酸素ガス))して、線幅が2μmのパターン状めっき下地層2aを得た。
<工程3:無電解めっき処理(図1(d))>
上記で製造したパターン状めっき下地層2aが形成されたフィルムを、まず1M 水酸化ナトリウム溶液中に35℃で5分間浸漬し、表面処理を行った。
次に表面処理を行ったフィルムを、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液中に35℃で5分間浸漬後、イオン交換水で水洗した。
そして該フィルムを、無電解銅めっき浴ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業株式会社製)中に35℃で10分間浸漬し、銅めっきを施し、パターン状に銅めっきされた金属膜4を製造した。
[実施例2]
<還元性ポリピロール塗料の製造および塗膜調製>
アニオン性界面活性剤ペレックスOT−P(花王株式会社製)0.42mmol、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系ノニオン界面活性剤エマルゲン409P(花王株式会社製)2.1mmol、トルエン10mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した還元性能を有する還元性ポリピロール微粒子を得た。ここで得られたトルエン分散液中の還元性ポリピロール微粒子の固形分は、約5.0%であった。
ここに、バインダーとしてスーパーベッカミンJ−820(DIC株式会社製、ブチル化メラミン樹脂)をポリピロール:バインダー樹脂=1:3(ポリピロール、バインダー樹脂ともに固形分換算した場合の質量比)となる割合にて加え、さらにトルエンを加えて固形分(ポリピロール及びバインダー樹脂)の濃度を調整し、該固形分約5.0%となる還元性ポリピロール塗料を調製した。
<工程1〜工程3>
前述の実施例1において、導電性ポリピロール塗料の代わりに還元性ポリピロール塗料を用いた以外は、実施例1と同様の手順にてめっき下地層の形成、めっき下地層のエッチング、及び無電解めっき処理を行い、パターン状に銅めっきされた金属膜を製造した。
尚、本実施例では、無電解めっき処理において、1M 水酸化ナトリウム溶液中に35
℃で5分間浸漬する表面処理を行う工程は行っていない。
[実施例3]
<工程2:めっき下地層のエッチング>において使用したエッチングガスを、CF(フッ素系ガス)とした以外は、実施例1と同様の手順にてパターン状に銅めっきされた金属膜を製造した。
[比較例1]
<銅張積層板の作製(図2(a))>
ケミットK−1294(東レ株式会社製、非晶性ポリエステル樹脂)100質量部、スタフィックス(富士フイルム株式会社製、溶剤可溶性ポリエステル樹脂)20質量部、エピコート(現:jER)Ep871(ジャパンエポキシレジン株式会社(現:三菱化学株式会社)製、可撓性エポキシ樹脂)50質量部を、モノクロルベンゼンおよびメチルイソブチルケトンの1:1(質量比)混合溶媒に混合し、固形分25%の接着剤を作製した。
続いて、作製した接着剤をPETフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4100)上に厚み5μmとなるようにコーティングし、この接着剤コーティング上に厚み9μmの銅箔F−WS(古河電気工業株式会社製)をラミネートし、オーブンにて乾燥させて、銅張積層板を作製した(図2中、基材(PETフィルム)10、銅箔:11)。
<フォトエッチング(図2(b)〜図2(d)>
続いて、銅張積層板上に、ネガ型感光性レジストOMR−83(東京応化工業株式会社製)をバーコーターにてコーティングし、85℃で30分間乾燥させ、厚みが1μmのレジスト層12を得た(図2(b))。
続いて、L/S=2μm/100μmのパターンを持つマスク14を用いて、高圧水銀灯にて該レジスト層を露光した(図2(c))。続いて、この露光したレジスト層(露光部12b)を有する銅張積層板を、OMR現像液(東京応化工業株式会社製)中に1分間浸漬して現像を行い、銅箔上にレジストパターン(パターン化されたフォトレジスト層12b)を形成した(図2(d))。
続いて該積層板を塩化第二鉄水溶液からなるエッチング液中に3分間浸漬することにより、レジストパターン間に露出した銅を除去し、パターン化された銅箔11aとした(図2(e))。
最後に、パターン化された銅箔11a上のフォトレジスト層12bを剥離した(図2(f))。
[結果]
実施例1〜実施例3では、めっき下地層のエッチングにおいてマスク通りのL/S=2μm/100μmの線幅を有するパターンが形成されためっき下地層が得られ、このめっき下地層を無電解めっき処理することにより、最終的に得られるパターン状に銅めっきされた金属膜においてもL/S=2μm/100μmの線幅を有するパターンが形成された金属膜が得られた。
一方、比較例1は、ネガ型フォトレジストより形成したレジスト層への、その下層である銅箔からの露光照射光の反射が生じ、この反射光により、マスク下の非露光部であっても一部感光が生じ、現像後のフォトレジスト幅は使用したマスクのパターン幅と比べて太くなった。
また、銅張積層板の銅箔厚みは9μmであり、その厚みよりも現像後のフォトレジスト幅は細いものであり、フォトエッチング時に生じたオーバーエッチングにより、銅箔が消失し、パターン状の金属膜を得ることができなかった。
1・・・基材
2・・・めっき下地層
2a・・・パターン化されためっき下地層
3・・・マスク
4・・・パターン化された金属めっき膜
10・・・基材
11・・・銅箔
11a・・・パターン化された銅箔
12・・・ネガ型フォトレジスト層
12a・・・非露光部(溶解部)
12b・・・露光部/パターン化されたフォトレジスト層
13・・・ポジ型フォトレジスト層
13a・・・非露光部/パターン化されたフォトレジスト層
13b・・・露光部(溶解部)
14・・・マスク

Claims (1)

  1. パターン化されためっき物の製造方法であって、
    基材上に導電性高分子微粒子とバインダーを含むめっき下地層を設ける工程(A−2)、前記めっき下地層に対してマスクを介してプラズマを用いたドライエッチングを為すことにより、パターン化されためっき下地層を得る工程(B−2)、
    前記パターン化されためっき下地層内の導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性高分子微粒子に変える工程(C)、及び
    前記パターン化されためっき下地層に無電解めっき液から金属膜を化学めっきする工程(D)、
    を含む製造方法。
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