JP7339724B2 - 液晶素子用の電極基板 - Google Patents
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Description
しかしながら、ITO電極自体の抵抗値は103Ω/□程度であり、その電極部分の抵抗値に起因して低電圧駆動が達成されていない問題があった。
そして、画素電極が不透明材料であることから、画素電極を構成する材料として透明電極材料よりも導電率の高い金属材料を用いることができるため、低い電圧で駆動可能にしている。
本発明の液晶素子用の電極は、少なくとも基板、めっき下地層、パターン状の金属電極の順で積層された液晶素子用の電極基板であって、パターン状の金属電極は、線幅が1~5μmであり、めっき下地層は、基板の表面全面に設けられ、厚みが10~100nmであると共に、ポリピロール微粒子とバインダーを含む層であり、ポリピロール微粒子とバインダーの量比が1:5~1:50であることを特徴とする。
また、本発明の液晶素子用の電極は、限定されるものではないが、例えば図1に示すような液晶素子として用いることができる。具体的には、バックライト、偏光板、基板、めっき下地層、パターン状の金属電極、配向膜、液晶分子、配向膜、カラーフィルターおよびブラックマトリックス、基板、偏光板の順で積層されたIPSモードの液晶素子が挙げられる。また、図示省略するが、FSSモードの液晶素子などにも用いることができる。
本発明の基板としては、特に限定されないが、例えばガラス板、樹脂製のフィルムやシートが挙げられる。
樹脂製のフィルムやシートにおける樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。
本発明のめっき下地層は、厚みが10~100nmであると共に、ポリピロール微粒子とバインダーを含む層であり、ポリピロール微粒子とバインダーの量比が1:5~1:50である。
また、ポリピロール微粒子とバインダーの量比が特定範囲を逸脱した場合、無電解めっき法による金属めっき膜が析出し難い、或いは基板との密着性が劣る、或いはバックライト光の透過率が減衰してしまう。
めっき下地層は、ポリピール微粒子の存在により黒色の層である。そして、パターン状の金属電極下部から照射されるバックライト光はめっき下地層で吸収され易いため、めっき下地層上に設けたパターン状の金属電極に直接当たり難い。そのため、パターン状の金属電極下部から照射されるバックライト光の散乱を抑制でき、結果、バックライト光の透過率が減衰することを防ぐことができる。
上記の導電性ポリピロール微粒子とバインダーを含む塗料における導電性ポリピロール微粒子とは、導電性を有する粒子であって、具体的には、0.01S/cm以上の導電率を有する粒子である。
また、導電性ポリピロール微粒子としては、球形の微粒子であるものが挙げられ、その平均粒径(レーザー回析/散乱法により求められる値)は、10~100nmとするのが好ましい。
導電性ポリピロール微粒子は、π-共役二重結合を有するピロールモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる導電性ポリピロール微粒子を使用することもできる。
上記の還元性ポリピロール微粒子とバインダーを含む塗料における還元性ポリピロール微粒子としては、0.01S/cm未満の導電率を有するπ-共役二重結合を有するポリピロールであれば特に限定されないが、例えばポリピロールの誘導体も使用できる。
また、還元性ポリピロール微粒子としては、0.005S/cm以下の導電率を有するポリピロール微粒子が好ましい。
還元性ポリピロール微粒子は、π-共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる還元性ポリピロール微粒子を使用することもできる。
また、還元性ポリピロール微粒子としては、球形の微粒子であるものが挙げられ、その平均粒径(レーザー回析/散乱法により求められる値)は、10~100nmとするのが好ましい。
本発明のめっき下地層は、ポリピロール微粒子と共にバインダーを含んだ層である。
バインダーとしては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリ(N-ビニルカルバゾール)系樹脂、炭化水素系樹脂、ケトン系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチルセルロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ABS系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられる。
更には、用途や塗布対象物等の必要に応じて、分散安定剤、増粘剤、インキバインダ等の樹脂を加えることも可能である。
溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n-オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n-オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。また、メチルセルソルブ等の多価アルコール誘導体溶媒、ミネラルスピリット等の炭化水素溶媒、ジヒドロターピネオール、D-リモネン等のテルペン類に分類される溶媒を用いることもできる。なお、バインダーを若干溶解する成分を含んだ溶媒を用いて、めっき下地層を形成するのがよい。
本発明のパターン状の金属電極は、線幅が1~5μmであり、好ましくは1~3μmである。線幅を1~3μmにすることで、よりバックライト光の透過率減衰を抑えることができる。
また、線幅が1μm未満であると、無電解めっき法による金属めっき膜が析出し難いものであり、線幅が5μmを超えると、バックライト光の透過率が減衰してしまう。
ここで線幅が5μm超えると、バックライト光の透過率が減衰してしまう理由について説明する。
液晶ディスプレイ用の液晶素子には、カラーフィルターの色が混ざらないようにするため、幅5μm程度のブラックマトリクスという黒色の部材が存在する。そして、ブラックマトリクスは、バックライト光を透過させないため、ブラックマトリクスの真下に隠れるようにパターン状の金属電極を設けることで、バックライト光の透過率が減衰するのを防止することができるようになる。そのため、パターン状の金属電極の線幅がブラックマトリクスの幅5μm以下が必須であり、パターン状の金属電極の線幅が5μmを超えると、バックライト光の透過率が減衰してしまう。
本発明における液晶素子用の電極の製造方法は、例えば以下の方法が挙げられる。
[工程a]:基板上に、ポリピロール微粒子(導電性ポリピロール微粒子又は還元性ポリピロール微粒子)と、バインダーとを含む塗料を塗布して、基板上にめっき下地層を形成する工程、
[工程b]:続いて、めっき下地層上に、感光性樹脂を含む塗料を塗布して、感光性樹脂層を形成する工程、
[工程c]:続いて、所定パターンを持つフォトマスクを介して、露光する工程、
[工程d]:続いて、現像液にて現像を行い、パターン状の感光性樹脂層を形成する工程、
[工程e]:続いて、工程dで感光性樹脂層の一部が除去された、すなわち、めっき下地層が露出している部位に対して触媒金属を付着させるために、触媒液に浸漬させ、無電解めっき浴に浸漬させることにより、無電解めっき法によりパターン状の金属めっき膜を設ける工程、
[工程f]:
続いて、工程eで形成されたパターン状の金属めっき膜同士の間に形成された感光性樹脂層を剥離し、基板、めっき下地層、パターン状の金属電極(金属めっき膜)の順で積層された液晶素子用の金属電極を得る工程。
工程aは、基板上に、ポリピロール微粒子(導電性ポリピロール微粒子又は還元性高分子微粒子)と、バインダーとを含む塗料を塗布して、基板の表面にめっき下地層を形成する工程である。
ポリピロール微粒子とバインダーとを含む塗料の粘度は50~200000CPSの範囲がよく、好ましくは50~500CPSの範囲内であり、これらの粘度範囲であると、基板の表面にめっき下地層を形成し易い。
なお、導電性ポリピロール微粒子又は還元性ポリピロール微粒子と、バインダーとを含む塗料を、基板の表面上に印刷する方法としては、例えば、スクリーン印刷法、スクリーンオフセット法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インプリント印刷法、反転印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられ、また、印刷方法は、各印刷機を用いる通常の印刷法によって行うことができる。
続いて、めっき下地層上に、感光性樹脂を含む塗料を塗布して、感光性樹脂層を形成する工程である。
感光性樹脂層の形成は、感光性樹脂を用いる慣用の方法により行うことができる。感光性樹脂としては、ネガ型の感光性樹脂、ポジ型の感光性樹脂の何れを用いることもでき、また、あらゆる露光波長用の感光性樹脂を用いることができる。
上述の感光性樹脂は、事前に調製して用いることもできるが、市販されているものを使用することもできる。
続いて、所定パターンを持つフォトマスクを介して、露光する工程である。
具体的には、マスクパターンを介して前記感光性樹脂層に紫外線等の光を照射することにより達成され得る。
マスクパターンは、ネガ型、ポジ型の何れでも適用できる。
照射する紫外線の光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、殺菌灯等の一般的に用いられる光源を用いることができる。
続いて、現像液にて現像を行い、パターン状の感光性樹脂層を形成する工程である。
具体的には、工程bで使用した感光性樹脂に対応した現像液に、工程cで露光されたものを浸漬し、感光性樹脂の一部を除去することにより達成される。
続いて、工程dで感光性樹脂層の一部が除去された、すなわち、めっき下地層が露出している部位に対して、触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬させ、無電解めっき浴に浸漬させることにより、無電解めっき法によりパターン状の金属めっき膜を設ける工程である。
工程eは、めっき下地層が露出している部位に対して、無電解めっき法により金属めっき膜を設ける工程である。
この工程において、導電性ポリピロール微粒子を用いて形成されためっき下地層は、脱ドープ処理を行った後に、無電解めっき法により金属めっき膜が設けられ、また、還元性高分子微粒子を用いて形成されためっき下地層は、脱ドープ処理を行うことなく無電解めっき法により金属めっき膜が設けられる。
操作性及び経済性の観点からアルカリ性溶液で処理するのが好ましい。
特に、導電性ポリピロール微粒子を含むめっき下地層は非常に薄いものであるため、緩和な条件下で短時間のアルカリ処理により脱ドープを達成することが可能である。
例えば、1M 水酸化ナトリウム水溶液中で、20ないし50℃、好ましくは30ない
し40℃の温度で、1ないし30分間、好ましくは3ないし10分間処理される。
上記脱ドープ処理により、めっき下地層中に存在する導電性ポリピロール微粒子は、還元性高分子微粒子となる。
即ち、導電性ポリピロール微粒子を用いて形成されためっき下地層については、脱ドープ処理を行い、また、還元性ポリピロール微粒子を用いて形成されためっき下地層は脱ドープ処理を行うことなく、めっき下地層が露出した部位に対して、塩化パラジウム等の触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬した後、水洗等を行い、無電解めっき浴に浸漬することにより金属めっき膜を設けることができる。
触媒液は、無電解めっきに対する触媒活性を有する貴金属(触媒金属)を含む溶液であり、触媒金属としては、パラジウム、金、白金、ロジウム等が挙げられ、これら金属は単体でも化合物でもよく、触媒金属を含む安定性の点からパラジウム化合物が好ましく、その中でも塩化パラジウムが特に好ましい。
好ましい、具体的な触媒液としては、0.05%塩化パラジウム-0.005%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、0.1ないし20分、好ましくは、1ないし10分である。
上記の操作により、めっき下地層中の還元性ポリピロール微粒子上に触媒金属が吸着され、結果的に、導電性のポリピロール微粒子となる。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。
即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル等、全て適用することができるが、銅が好ましい。
無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)等が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
得られためっき品は、使用した基材のTgより低い温度範囲において、数時間以上、例えば、2時間以上養生するのが好ましい。
形成される金属めっき膜の厚さは、5μm以下が好ましく、より好ましくは金属めっき膜の線幅以下に厚みを調整することがよい。
続いて、工程eで形成されたパターン状の金属めっき膜同士の間に形成された感光性樹脂層を剥離し、基板、めっき下地層、パターン状の金属電極(金属めっき膜)の順で積層された液晶素子用の金属電極を得た工程である。
具体的には、工程bで使用した感光性樹脂に対応したリンス液に浸漬し、工程eで形成されたパターン状の金属めっき膜同士の間に形成された感光性樹脂層を除去することにより、基板、めっき下地層、パターン状の金属電極(金属めっき膜)の順で積層された液晶素子用の金属電極を得る。
(製造例1:めっき下地層用塗料Aの調製)
アニオン性界面活性剤:ペレックスOT-P(花王(株)製)1.5mmol、トルエン10mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。
得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。
反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した導電性ポリピロール微粒子が分散したポリピロール分散液を得た。
なお、ここで得られたポリピロール分散液中の導電性ポリピロール微粒子の固形分は、約5.0%であった。また、導電性ポリピロール微粒子の粒径は、動的光散乱式ナノトラック粒度分布計:UPA-EX250(日機装(株)製)で測定した結果、最大粒径が100nmであった。
製造例1で調製したポリピロール系分散液に、バインダー:アミディアJ-820(DIC(株)製:メラミン系樹脂)を加え、固形分比で導電性ポリピロール微粒子:バインダー=1:5、かつ固形分が約5.0%となるようにめっき下地層用塗料Bを調製した。
製造例1で調製したポリピロール系分散液に、バインダー:アミディアJ-820(DIC(株)製:メラミン系樹脂)を加え、固形分比で導電性ポリピロール微粒子:バインダー=1:100、かつ固形分が約5.0%となるようにめっき下地層用塗料Cを調製した。
製造例1で調製したポリピロール系分散液に、バインダー:アミディアJ-820(DIC(株)製:メラミン系樹脂)を加え、固形分比で導電性ポリピロール微粒子:バインダー=1:1、かつ固形分が約5.0%となるようにめっき下地層用塗料Dを調製した。
[工程a]
PETフィルム基板:コスモシャインA4100(東洋紡(株)製)上に、製造例1で調製しためっき下地層用塗料Aをバーコーターにて塗工し、120℃で5分間乾燥して、厚みが50nmのめっき下地層を形成した。
ここで、工程aで形成されためっき下地層の厚みについて、走査型電子顕微鏡:JSM-6700F(日本電子(株)製)にてめっき下地層断面を観察し、任意の10箇所の膜厚を測定し、その膜厚の平均値を「めっき下地層の厚み」とし、結果、厚みが50nmであった。
続いて、工程aで形成されためっき下地層上に、ネガ型感光性樹脂:OMR-83(東京応化工業(株)製)を含む塗料をバーコーターにて塗布し、85℃で30分間乾燥して、厚みが2μmの感光性樹脂層を形成した。
続いて、L/P=3/10μmの櫛歯パターンを持つフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて露光した。なお、ここでいうL/Pとは、ライン/ピッチを指す。
続いて、現像液:OMR(東京応化工業(株)製)にて1分間浸漬して現像を行い、パターン状の感光性樹脂層を形成した。
続いて、工程dで感光性樹脂層の一部分が除去された、すなわち、めっき下地層が露出している部位に対して、1M水酸化ナトリウム溶液に35℃で5分間浸漬して脱ドープ処理を行った。
続いて、0.02%塩化パラジウム-0.01%塩酸水溶液に35℃で5分間浸漬後、イオン交換水で水洗した。
続いて、無電解めっき浴:ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に浸漬し、35℃で10分間浸漬し、線幅が3μmで、厚みが300nmのパターン状の金属めっき膜を形成した。
続いて、工程eで形成された無電解めっき法による金属めっき膜同士の間に形成された感光性樹脂層を剥離し、具体的には剥離液:OMR 502A(東京応化工業(株)製)に1分間浸漬して剥離し、基材上にパターン状の無電解めっき法による金属めっき膜(金属電極)、すなわち基板上に、めっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
基板として、ガラス基板を使用した以外は、実施例1と同様の方法にて、基板上にめっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
製造例2で調製しためっき下地層用塗料Bを使用した以外は、実施例1と同様の方法にて、基板上にめっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
工程aにおいて、めっき下地層の厚みを10nmとした以外は、実施例1と同様の方法にて、基板上にめっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
工程aにおいて、めっき下地層の厚みを100nmとした以外は、実施例1と同様の方法にて、基板上にめっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
工程cにおいて、L/P=1/10μmの櫛歯パターンを持つフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて露光した以外は、実施例1と同様の方法にて、基板上にめっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
工程cにおいて、L/P=5/10μmの櫛歯パターンを持つフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて露光した以外は、実施例1と同様の方法にて、基板上にめっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
製造例3で調製しためっき下地層用塗料Cを使用した以外は、実施例1と同様の方法にて、基板上にめっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
製造例4で調製しためっき下地層用塗料Dを使用した以外は、実施例1と同様の方法にて、基板上にめっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
工程aにおいて、めっき下地層の厚みを1nmとした以外は、実施例1と同様の方法にて、基板上にめっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
工程aにおいて、めっき下地層の厚みを1μmとした以外は、実施例1と同様の方法にて、基板上にめっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
工程cにおいて、L/P=0.5/10μmの櫛歯パターンを持つフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて露光した以外は、実施例1と同様の方法にて、基板上にめっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
工程cにおいて、L/P=10/10μmの櫛歯パターンを持つフォトマスクを介して、高圧水銀灯にて露光した以外は、実施例1と同様の方法にて、基板上にめっき下地層を介して、パターン状の金属電極を積層された液晶素子用の電極を得た。
[工程a’]
マイクロプリントコンタクト法で用いるポリジメチルシロキサン(PDMS)などのシラン化合物と結合するスタンプを作製する。この時のパターンは、線幅が3μmで櫛歯パターンの反転パターンに設計する。
スタンプ上に、第一のシランカップリング材からなるインク薄膜を塗布して形成する。この際、第一のシランカップリング材を有機溶剤や水に溶解させてインクを調整する。シランカップリング材には、スタンプ(PDMS)に付着し、パラジウム触媒を吸着する材料とし、ここではn-2(アミノメチル)3-アミノプロピルトリメトキシシランを用いる。n-2(アミノメチル)3-アミノプロピルトリメトキシシラン 0.02mmol/dm3のエタノール溶液に、前述のスタンプを1分晒す。
その後、窒素ブローを行い、3分間乾燥することでインク薄膜を得る。
[工程b’]
ガラス基板に対して、スタンプのインク薄膜を1分間密着させることで、インクを転写する。
その後、120℃/10分間焼成する。
[工程c’]
ガラス基板の露出部に対して、第二のシランカップリング材を塗布する。このシランカップリング材は、ガラス基板に密着し、第一のシランカップリング材のパターンに密着せず、パラジウム触媒も吸着しない材料とし、ここでは(トリデカフルオロ-1,1,2,2,-テトラヒドロオクチル)トリエトキシシランを用いる。
(トリデカフルオロ-1,1,2,2,-テトラヒドロオクチル)トリエトキシシランの完全フッ素化溶剤(フロリナートFC-77;3M社製)に、10mmol/dm3で溶解させた溶液とし、その溶液に、工程b’により得た基板を10分浸漬する。
その後、120℃で10分間焼成する。
最後に、リンス工程として、水やエタノールで第一のシランカップリング材を洗浄する。
[工程d’]
工程c’で得られた基板に、パラジウム層を吸着させる。
パラジウム触媒(IG-0218A;ディップソール社製)に5分間浸漬させ、その後、純水で超音波洗浄する。
[工程e’]
工程d’で得られた基板に、無電解めっきを行い、パラジウム上にNiめっき膜を設ける。
Ni-B成膜用めっき液BEL-801;上村工業製を60℃で1分間処理する。
その後200℃で1時間アニールすることで、基板上に、厚さ:200nm L/P=3/10μmの櫛歯パターンの金属電極を得た。
実施例1~7、および比較例1~7で得られた液晶素子用の電極について、めっき析出性、密着性、透過率の各評価を行い、その結果を表1に示した。なお、評価方法および評価基準は以下の通りとした。
[評価方法]
得られた液晶素子用の電極から1cm×1cm角に切断して試験試料を得た。
次に、得られた試験試料の両端にテスターを当てての導通テストを任意の10点で測定した。
[評価基準]
○:任意の8点以上で導通が確認された。
△:任意の1~7点で導通が確認された。
×:任意の10点何れにおいても導通が確認されなかった。
[評価方法]
得られた液晶素子用の電極から10cm×10cm角に切断して試験試料を得た。
続いて、得られた液晶素子用の電極上に配向膜を設けるため、ポリイミド樹脂の塗布、仮焼成、本焼成、ラビング処理、ラビング処理後の洗浄を実施し、配向膜を形成した。
続いて、配向膜を設けた試験資料をマイクロスコープで拡大観察し、試験資料の電極パターン(1cm×1cm角)における電極の断線箇所数を計測した。
[評価基準]
○:電極の断線が確認されなかった。
△:電極の断線が1~2箇所確認された。
×:電極の断線が3箇所以上確認された。
[評価方法]
得られた液晶素子用の電極から10cm×10cm角に切断して試験試料を得た。
続いて、得られた液晶素子用の電極上に配向膜を設けるため、ポリイミド樹脂の塗布、仮焼成、本焼成、ラビング処理、ラビング処理後の洗浄を実施し、配向膜を形成した。続いて、配向膜上に、ドット状カラムスペーサー(JSR(株)製 型番JNPC-123-V2、高さ約5μm)を配置し、注入口エリアとなる部分を除く基材周囲に熱硬化型シール材(三井化学(株)製 型番XN21-S)を塗布した後、他方をガラス基板と重ね合わせ、バネ式冶具加圧環境下、160℃/5hで加熱することで基材同士を張り合わせた。
続いて、液晶組成物を注入口からキャピラリーで注入した後、UV接着剤(スリーボンド製 型番3027D) で封止した。液晶セルのセルギャップは3μmであった。
続いて、偏光顕微鏡BX-50p (オリンパス(株))の偏光子と検光子をパラレルニコルにし、マルチチャンネルアナライザPMA-11(浜松ホトニクス(株))で液晶組成物の入っていない空セルから得られた透過光スペクトルの380nmから760nmのピーク面積を100%とした。
また、液晶組成物を注入したセルをクロスニコル下で観察を行い、交流装置 WF1948(エヌエフ回路設計ブロック(株))で10V電圧を印加して測定したときの透過光強度を用いて、光透過率を算出した。
この測定をセルの応答部分を9分割し、9つの領域で行った。算出した9点の光透過率から平均を求め、平均に最も近い値を光透過率として示した。
[評価基準]
○:印加電圧10Vの際の透過率が35%以上であった。
△:印加電圧10Vの際の透過率が30%以上~35%未満であった。
×:印加電圧10Vの際の透過率が30%未満であった。
Claims (1)
- 少なくとも基板、めっき下地層、パターン状の金属電極の順で積層された液晶素子用の電極基板であって、
パターン状の金属電極は、線幅が1~5μmであり、
めっき下地層は、基板の表面全面に設けられ、厚みが10~100nmであると共に、ポリピロール微粒子とバインダーを含む層であり、
ポリピロール微粒子とバインダーの量比が1:5~1:50であることを特徴とする液晶素子用の電極基板。
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