JP6588734B2 - パターン状の金属めっき膜が形成されためっき品の製造方法 - Google Patents

パターン状の金属めっき膜が形成されためっき品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、パターン状の金属めっき膜が形成されためっき品の製造方法に関するものである。
回路やアンテナ等の配線を製造する方法として、銅箔をエッチングすることで必要な部位のみを残す方法が一般的である。例えば、プリント配線板の用途では、銅箔と基材を接着させた銅張積層板に対して、フォトリソグラフィーの技術を採用し、銅箔の不要な部位を溶解して回路パターンを形成する方法が通常行われている。
具体的には、例えば特許文献1に記載されているように、銅箔上にフォトレジスト(感光性樹脂)を設け、フォトマスクを介して露光し、現像、エッチング、レジスト剥離という方法を経て、回路パターンを形成する方法が知られている。
ところが、この方法では回路パターンの面積が少なくなると、銅箔をエッチングして除去する部位が多くなるため、効率が悪いという問題があった。
そこで、めっき法により回路パターン等の配線を形成するアディティブ法が注目されてきた。そして、アディティブ法の一つとして、例えば特許文献2に記載されているように、基材フィルム上に導電率が0.01S/cm未満の微粒子が分散された塗料をコーティングしてポリマー層を形成し、続いて、該ポリマー層にマスクパターンを介して紫外線を照射し、続いて、ポリマー層のうち、紫外線を照射されなかった部分について無電解めっき液から金属膜を化学めっきすることにより、パターン状の金属膜が形成されためっき品を製造する方法が開示されている。
特開平09−130016号公報 特開2007−270179号公報
ところが、特許文献2記載の方法は、効率よく簡便にパターン状の金属めっき膜が形成されためっき品を得ることができるが、パターン状の金属めっき膜間(配線間)に、紫外線照射後であっても残存している導電性または還元性の高分子微粒子が多く存在しており、結果、例えば回路として使用した場合には絶縁性が劣る(短絡がある)問題があった。
そこで、本発明は、パターン状の金属めっき膜間(配線間)に、導電性または還元性の高分子微粒子が略存在せず、その結果、絶縁性に優れるパターン状の金属めっき膜が形成されためっき品を製造する方法を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定波長の紫外線を照射することで、その照射部における導電性または還元性の高分子微粒子とバインダー樹脂とを含むめっき下地層を略除去することができることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、
1.基材表面上にパターン状の金属めっき膜が形成されためっき品の製造方法であって、
A1)基材表面上に、導電性高分子微粒子とバインダー樹脂とを含む塗料を塗布してめっき下地層を形成する工程、
A2)めっき下地層の一部に、波長が200nm以下の紫外線を照射し、その照射部におけるめっき下地層を略除去してパターン状のめっき下地層を形成する工程、
A3)基材上に形成されたパターン状のめっき下地層について、該層に含まれる導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性高分子微粒子に変える工程、
A4)脱ドープ処理された前記めっき下地層の上に、無電解めっき処理により金属めっき膜を設ける工程からなることを特徴とする。
2.前記A2)の工程において、合成石英製のフォトマスクを介して、波長が200nm以下の紫外線を照射したことを特徴とする。
3.A1)工程後であって、かつA2)工程前のめっき下地層における厚みは0.1〜0.5μmであることを特徴とする
本発明により、パターン状の金属めっき膜間(配線間)に、導電性または還元性の高分子微粒子が略存在せず、絶縁性に優れるパターン状の金属めっき膜が形成されためっき品を提供できる。
櫛型パターンの銅めっき膜を模式的に示したものであり、実施例や比較例におけるL/S=2μm/100μmの櫛型パターンではなく、実施例における絶縁性の評価を行うにあたり、櫛型パターンの銅めっき膜におけるAとA’部位を説明するための図である。
更に詳細に本発明を説明する。
基材表面上にパターン状の金属めっき膜が形成されためっき品の製造方法であって、
A1)基材表面上に、導電性高分子微粒子とバインダー樹脂とを含む塗料を塗布してめっき下地層を形成する工程、
A2)めっき下地層の一部に、波長が200nm以下の紫外線を照射し、その照射部におけるめっき下地層を略除去してパターン状のめっき下地層を形成する工程、
A3)基材上に形成されたパターン状のめっき下地層について、該層に含まれる導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性高分子微粒子に変える工程、
A4)脱ドープ処理された前記めっき下地層の上に、無電解めっき処理により金属めっき膜を設ける工程からなることを特徴とする。
以下、A1)〜A4)の各工程について順次説明する。
[A1)工程]
この工程は、基材表面上に、導電性高分子微粒子とバインダー樹脂とを含む塗料を塗布してめっき下地層を形成する工程である。
本発明に使用する基材としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ガラス、金属等が挙げられる。また、基材の形状は特に限定されないが、例えば、板状、フィルム状が挙げられる。他にも、基材として、例えば、射出成形などにより樹脂を成形した樹脂成形品が挙げられる。
そして、例えば、ポリイミド樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂からなるフィルム上に、本発明の製造方法によりパターン状の金属めっき膜を設けることにより、電気回路やアンテナ等の配線を作成することができる。
基材の厚さは、5ないし500μmの範囲となるものが好ましく、12ないし300μmの範囲となるものがより好ましい。
本発明に使用する塗料は、導電性高分子微粒子とバインダー樹脂とを含むものである。
先ず、導電性高分子微粒子は、導電性を有するπ−共役二重結合を有する高分子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びそれらの各種誘導体が挙げられ、好ましくは、黒色で光線反射率が低いポリピロールが挙げられる。導電性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる導電性高分子微粒子を使用することもできる。また、導電性高分子微粒子は、導電性を有する粒子であって、0.01S/cm以上の導電率を有する粒子が好ましい。また、導電性高分子微粒子としては、球形の微粒子であるものが挙げられ、その平均粒径(レーザー回析/散乱法により求められる値)は、10〜100nmとするのが好ましい。
上記導電性高分子微粒子は、通常、有機溶媒に分散された分散液として使用されるが、これらの微粒子は、分散液中における分散安定性を維持するために、固形分として該分散液の質量の10質量%以下(固形分比)となるようにするのが好ましい。
前記の微粒子を分散する有機溶媒としては、例えば、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。
続いて、バインダー樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリ(N−ビニルカルバゾール)系樹脂、炭化水素系樹脂、ケトン系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチルセルロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ABS系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂等が挙げられる。
導電性高分子微粒子とバインダー樹脂の固形分比(質量比)は、5:1ないし1:10の範囲となる。上記固形分比において、5:1よりもバインダー樹脂の固形分比が小さくなると金属めっき膜の密着性が低下して剥離が生じ易くなり、1:10よりもバインダー樹脂の固形分比が大きくなると、めっき析出性が低下してめっきが析出し難くなるため、好ましくない。
また、本発明で使用する塗料は、導電性高分子微粒子とバインダー樹脂に加えて無機フィラー、溶媒等を含み得る。更には、黒色インク又は暗色インクを加えることも可能であり、用途や塗布対象物等の必要に応じて、分散安定剤、増粘剤、インキバインダ等の樹脂を加えることも可能である。
無機フィラーとしては、カーボン粒子が挙げられ、カーボン粒子としては、例えば、カーボンブラック等が挙げられる。カーボン粒子としては、平均1次粒子径が1ないし100nmの範囲となるものが好ましい。
溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。また、メチルセルソルブ等の多価アルコール誘導体溶媒、ミネラルスピリット等の炭化水素溶媒、ジヒドロターピネオール、D−リモネン等のテルペン類に分類される溶媒を用いることもできる。
本発明で使用する塗料を基材表面上に塗布してめっき下地層を形成する方法としては、基材表面上に塗料を印刷(全面印刷)する方法が挙げられる。
尚、基材の両面にめっき下地層を形成する場合は、上記の操作を繰り返すことにより達成され得る。
前記塗料を用いる印刷(全面印刷)としては、特に限定されるものではなく、例えば、スクリーン印刷法、スクリーンオフセット法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インプリント印刷法、反転印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられ、また、印刷方法は、各印刷機を用いる通常の印刷法によって行うことができる。
形成するめっき下地層の厚さは、0.1ないし0.5μmの範囲とするのが好ましい。めっき下地層の厚さが0.1μm未満になると、めっきの析出性が低下する場合がある。
めっき下地層の厚さが0.5μmを超えると、めっきの密着性が悪くなる場合がある。
[A2)工程]
この工程は、めっき下地層の一部に、波長が200nm以下の紫外線を照射し、その照射部におけるめっき下地層を略除去してパターン状のめっき下地層を形成する工程である。具体的には、めっき下地層上にパターンが形成されたフォトマスクを設け、そのフォトマスクを介して、波長が200nm以下の紫外線を照射し、その照射部におけるめっき下地層を略除去してパターン状のめっき下地層を形成する方法、或いは、フォトマスクを介さずに、めっき下地層の一部に直接、波長が200nm以下の紫外線を照射し、その照射部におけるめっき下地層を略除去してパターン状のめっき下地層を形成する方法が挙げられる。
なお、ここでいう照射部におけるめっき下地層を「略除去」してパターン状のめっき下地層を形成するとは、1)照射部におけるめっき下地層を「完全に除去」してパターン状のめっき下地層を形成する場合と、2)照射部におけるめっき下地層の「一部が残存」してのパターン状のめっき下地層を形成する場合とが含まれるが、いずれの場合においても、次のように定義される。
(1)先ず、A1)工程後、又はB1)工程後のめっき下地層の膜厚1を測定する。なお、めっき下地層の膜厚の測定方法は、めっき下地層を設けた基材フィルムにおける任意の断面5点について、走査型電子顕微鏡(SEM:日本電子(株)製のJSM−6700F)により観察し、各めっき下地層の膜厚を測定して平均値を算出し、その平均値をA1)工程後、又はB1)工程後のめっき下地層の膜厚1とする。
(2)続いて、A2)工程後、又はB2)工程後のパターン状のめっき下地層を設けた基材フィルムにおいて、紫外線照射部におけるめっき下地層の膜厚2を測定する。なお、紫外線照射部におけるめっき下地層の膜厚の測定方法は、パターン状のめっき下地層を設けた基材フィルムにおける任意の断面5点(紫外線照射部を含む断面)について、走査型電子顕微鏡(SEM:日本電子(株)製のJSM−6700F)により観察し、各紫外線照射部におけるめっき下地層の膜厚を測定して平均値を算出し、その平均値をA2)工程後、又はB2)工程後の紫外線照射部におけるめっき下地層の膜厚2とする。
(3)続いて、めっき下地層の除去率について、以下の式1を用いて算出する。
[式1]{(膜厚1−膜厚2)/膜厚1}×100[%]
結果、めっき下地層の除去率が90%を超えたものが、紫外線照射部におけるめっき下地層を「略除去」してパターン状のめっき下地層を形成するに該当するものと定義される。そして、めっき下地層の除去率が90%を超えたものであれば、例えば絶縁性に優れるため回路用途として好ましく使用することができ、また視認性にも優れるため透明電極用途としても好ましく使用することができるものである。
また、フォトマスクの材質としては、200nm以下の紫外線を透過し易い理由から合成石英製のものが好ましく使用できる。
フォトマスクのパターンは、特に限定されるものではなく、例えば櫛型パターン、幾何学模様パターン、格子パターンなど何のパターンでも適用できる。
照射する紫外線の光源としては、波長が200nm以下のものであれよい。
[A3)工程]
この工程は、基材上に形成されたパターン状のめっき下地層について、該層に含まれる導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性高分子微粒子に変える工程である。
脱ドープ処理としては、パターン状のめっき下地層が形成された基材を、還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアルキルアミンボラン、及び、ヒドラジン等を含む溶液で処理して還元する方法、又は、アルカリ性溶液で処理する方法が挙げられる。
また、操作性及び経済性の観点からアルカリ性溶液で処理するのが好ましい。
特に、導電性高分子微粒子を含むめっき下地層は非常に薄いものであるため、緩和な条件下で短時間のアルカリ処理により脱ドープを達成することが可能である。例えば、1M 水酸化ナトリウム水溶液中で、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃の温度で、1ないし30分間、好ましくは3ないし10分間処理される。
上記脱ドープ処理により、めっき下地層中に存在する導電性高分子微粒子は、還元性高分子微粒子となる。
[A4)工程]
この工程は、脱ドープ処理された前記めっき下地層の上に、無電解めっき処理により金属めっき膜を設ける工程である。
無電解めっき法としては、通常知られた方法に従って行うことができる。即ち、A3)工程で脱ドープ処理を施されたパターン状のめっき下地層が形成された基材を、塩化パラジウム等の触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬した後、水洗等を行い、無電解めっき浴に浸漬することにより金属めっき膜を設けることができる。
触媒液は、無電解めっきに対する触媒活性を有する貴金属(触媒金属)を含む溶液であり、触媒金属としては、パラジウム、金、白金、ロジウム等が挙げられ、これら金属は単体でも化合物でもよく、触媒金属を含む安定性の点からパラジウム化合物が好ましく、その中でも塩化パラジウムが特に好ましい。
好ましい、具体的な触媒液としては、0.05%塩化パラジウム−0.005%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、0.1ないし20分、好ましくは、1ないし10分である。
上記の操作により、脱ドープ処理により還元性とされた微粒子は、該微粒子上に触媒金属が吸着され、結果的に、導電性高分子微粒子となる。
上記で処理された基材は、金属を析出させるためのめっき液に浸され、これによりパターン状の金属めっき膜が形成される。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル等、全て適用することができるが、銅が好ましい。
無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)等が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
得られためっき品は、使用した基材のTgより低い温度範囲において、数時間以上、例えば、2時間以上養生するのが好ましい。
形成されるパターン状の金属めっき膜の厚さは、100ないし2000nmの範囲とするのが好ましく、200ないし500nmの範囲とするのがより好ましい。
本発明の基材表面上にパターン状の金属めっき膜が形成されためっき品の別の製造方法としては、
B1)基材表面上に、還元性高分子微粒子とバインダー樹脂とを含む塗料を塗布してめっき下地層を形成する工程、
B2)めっき下地層の一部を、波長が200nm以下の紫外線で照射し、その照射部におけるめっき下地層を略除去してパターン状のめっき下地層を形成する工程、
B3)基材上に形成されたパターン状の前記めっき下地層の上に、無電解めっき処理により金属めっき膜を設ける工程からなることを特徴とする。
B1)工程は、上述したA1)工程における導電性高分子微粒子に代えて還元性高分子微粒子を用いる以外は、全く同様の条件で行うことができる。
還元性高分子微粒子としては、0.01S/cm未満の導電率を有するπ−共役二重結合を有する高分子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びそれらの各種誘導体が挙げられ、好ましくは、黒色で光線反射率が低いポリピロールが挙げられる。
また、還元性高分子微粒子としては、0.005S/cm以下の導電率を有する高分子微粒子が好ましい。
還元性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる還元性高分子微粒子を使用することもできる。
還元性高分子微粒子は、有機溶媒に分散された分散液として使用されるが、該還元性高分子微粒子は、分散液中における分散安定性を維持するために、固形分として該分散液の質量の10質量%以下(固形分比)となるようにするのが好ましい。
また、還元性高分子微粒子としては、球形の微粒子であるものが挙げられ、その平均粒径(レーザー回析/散乱法により求められる値)は、10〜100nmとするのが好ましい。
次に、B2)工程は、上述したA2)工程と全く同様の条件で行うことができる。
また、このB1)〜B3)の製造方法では、還元性高分子微粒子を用いるものであるため、上述したA3)工程、即ち、導電性高分子微粒子を還元性高分子微粒子に変える脱ドープ処理の工程を必要としない。
そして、B3)工程は、上述したA4)工程と全く同様の条件で行うことができる。
また、上述したA1)〜A4)或いはB1)〜B3)の製造方法で得られためっき品に対して、具体的には無電解めっき法により形成されたパターン状の金属めっき膜上に、必要に応じて電解めっき法による金属めっき膜を形成してもよく、また、黒化処理を行うこともできる。
なお、パターン状の金属めっき膜表面の黒化処理は、酸化処理(例えば、亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及びリン酸三ナトリウムの水溶液を用いる酸化処理)等を行って、例えば、CuO膜を形成することにより達成され得る。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
製造例1:導電性ポリピロール塗料の調製
アニオン性界面活性剤ペレックスOT−P(花王(株)製)1.5mmol、トルエン10mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。次に、得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した導電性ポリピロール微粒子を得た。ここで得られたトルエン分散液中の導電性ポリピロール微粒子の固形分は、約5.0%であった。
ここに、バインダー樹脂としてスーパーベッカミンJ−820(DIC(株)製)を、固形分比で導電性ポリピロール微粒子:バインダー樹脂=1:3となるように加え、導電性ポリピロール塗料を調製した。
製造例2:還元性ポリピロール塗料の調製
アニオン性界面活性剤ペレックスOT−P(花王(株)製)0.42mmol、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系ノニオン界面活性剤エマルゲン409P(花王(株)製)2.12mmol、トルエン50mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。次に、得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム4mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機層を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した還元性能を有する還元性ポリピロール微粒子を得た。ここで得られたトルエン分散液中の還元性ポリピロール微粒子の固形分は、約5.0%であった。
ここに、バインダー樹脂としてスーパーベッカミンJ−820(DIC(株)製)を、固形分比で還元性ポリピロール微粒子:バインダー樹脂=1:3となるように加え、還元性ポリピロール塗料を調製した。
(実施例1)
A1)工程
製造例1で調製した導電性ポリピロール塗料を、PETフィルム(東洋紡(株)製のコスモシャインA4100)にバーコーターで薄く塗工し、120℃で5分乾燥して、厚みが0.5μmのめっき下地層を得た。
A2)工程
続いて、上記A1)工程で得られためっき下地層に対して、L/S=2μm/100μmの櫛型パターンを持つフォトマスクを介して、MEIRH−M−1−152−H((株)エム・ディ・エキシマ製)装置による紫外線(波長が191nm、強度が70mW/cm)を10分間照射し、その照射部におけるめっき下地層を略除去して、L/S=2μm/100μmの櫛型パターンのめっき下地層を得た。なお、ここでいう照射部は、L/SにおけるSの部分である。
A3)工程
続いて、上記A2)工程で得られためっき下地層を有するフィルムを、1M水酸化ナトリウム溶液に35℃で5分間浸漬して表面処理(脱ドープ処理)を行った。
A4)工程
続いて、上記A3)工程で得られためっき下地層を有するフィルムを、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液に35℃で5分間浸漬後、イオン交換水で水洗した。
続いて、上記フィルムを無電解めっき浴ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に浸漬して、35℃で10分間浸漬し、基材表面上に櫛型パターン状の銅めっき膜が形成されためっき品を製造した。
(実施例2)
実施例1のA2)工程で照射した紫外線において、光源の波長を165nmに変更した以外は、実施例1と同じ方法でめっき品を製造した。
参考例
B1)工程
製造例2で調製した還元性ポリピロール塗料を、PETフィルム(東洋紡(株)製のコスモシャインA4100)にバーコーターで薄く塗工し、120℃で5分乾燥して、厚みが0.5μmのめっき下地層を得た。
B2)工程
続いて、上記B1)工程で得られためっき下地層に対して、L/S=2μm/100μmの櫛型パターンを持つフォトマスクを介して、MEIRH−M−1−152−H((株)エム・ディ・エキシマ製)装置による紫外線(波長が191nm、強度が70mW/cm)を10分間照射し、その照射部におけるめっき下地層を略除去して、L/S=2μm/100μmの櫛型パターンのめっき下地層を得た。なお、ここでいう照射部は、L/SにおけるSの部分である。
B3)工程
続いて、上記B2)工程で得られためっき下地層を有するフィルムを、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液に35℃で5分間浸漬後、イオン交換水で水洗した。
続いて、上記フィルムを無電解めっき浴ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に浸漬して、35℃で10分間浸漬し、基材表面上に櫛型パターン状の銅めっき膜が形成されためっき品を製造した。
(比較例1)
実施例1のA2)工程で照射した紫外線において、光源の波長を308nmに変更した以外は、実施例1と同じ方法でめっき品を製造した。
(比較例2)
実施例1のA2)工程で照射した紫外線において、光源の波長を222nmに変更した以外は、実施例1と同じ方法でめっき品を製造した。
実施例1〜2、参考例、および比較例1〜2で得られた各めっき品について、(1)めっき析出性、(2)絶縁性をそれぞれ評価し、その結果を表1に示した。なお、評価方法や評価基準は以下の通りである。
(1)めっき析出性
得られた各めっき品について、A2)工程或いはB2)工程において紫外線を照射した部位における銅めっき膜の存在を目視で評価した。
○:銅めっき膜の存在なし
×:銅めっき膜の存在あり
(2)絶縁性
得られた各めっき品を、温度60℃×湿度90%の環境下に1000時間放置した後、図1に示すように、櫛型パターン状の銅めっき膜におけるAとA’部位に端子をつけ、50Vの電圧を印加し、短絡の有無を確認した。なお、図1は、櫛型パターンの銅めっき膜を模式的に示したものであり、実施例や比較例におけるL/S=2μm/100μmの櫛型パターンではなく、AとA’部位を説明するための図である。
○:短絡無し
×:短絡有り
Figure 0006588734
また、A2)工程、又はB2工程において、紫外線照射部におけるめっき下地層がどのくらい除去されたかについて、以下のように評価を行い、その結果を表2に示した。
(1)先ず、A1)工程後、又はB1)工程後のめっき下地層の膜厚1を測定した。なお、めっき下地層の膜厚1の測定方法は、A1)工程後、又はB1)工程後のめっき下地層を設けた基材フィルムにおける任意の断面5点について、走査型電子顕微鏡(SEM:日本電子(株)製のJSM−6700F)により観察し、各めっき下地層の膜厚を測定して平均値を算出し、その平均値を膜厚1とした。
(2)続いて、A2)工程後、又はB2)工程後のパターン状のめっき下地層を設けた基材フィルムにおいて、紫外線照射部におけるめっき下地層の膜厚2を測定した。なお、紫外線照射部におけるめっき下地層の膜厚の測定方法は、A2)工程後、又はB2)工程後のパターン状のめっき下地層を設けた基材フィルムにおける任意の断面5点(紫外線照射部を含む断面)について、走査型電子顕微鏡(SEM:日本電子(株)製のJSM−6700F)により観察し、各紫外線照射部におけるめっき下地層の膜厚を測定して平均値を算出し、その平均値を膜厚2とした。
(3)続いて、めっき下地層の除去率について、以下の式1を用いて算出した。
[式1]{(膜厚1−膜厚2)/膜厚1}×100[%]
Figure 0006588734

Claims (3)

  1. 基材表面上にパターン状の金属めっき膜が形成されためっき品の製造方法であって、
    A1)基材表面上に、導電性高分子微粒子とバインダー樹脂とを含む塗料を塗布してめっき下地層を形成する工程、
    A2)めっき下地層の一部に、波長が200nm以下の紫外線を照射し、その照射部におけるめっき下地層を略除去してパターン状のめっき下地層を形成する工程、
    A3)基材上に形成されたパターン状のめっき下地層について、該層に含まれる導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性高分子微粒子に変える工程、
    A4)脱ドープ処理された前記めっき下地層の上に、無電解めっき処理により金属めっき膜を設ける工程からなることを特徴とする製造方法。
  2. 前記A2)の工程において、合成石英製のフォトマスクを介して、波長が200nm以下の紫外線を照射したことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. A1)工程後であって、かつA2)工程前のめっき下地層における厚みは0.1〜0.5μmであることを特徴とする請求項1または2記載の製造方法。
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