JP6274609B2 - 両面回路基板の製造方法 - Google Patents
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本発明の両面回路基板の製造方法は、基材にスルーホールを形成する工程の後、導電性高分子微粒子とバインダーと有機溶媒を含むめっき下地塗料を、前記基材の両面においてはパターン状に印刷してめっき下地層を形成し、かつ、基材の片面にパターン状にめっき下地塗料を印刷する際、基材の印刷面とは反対の裏面側に、紙や多孔質のセラミック板を固定し、その後、基材の片面にパターン状にめっき下地塗料を印刷すると共に、スルーホールを埋めるようにめっき下地塗料を印刷し、スルーホールに埋められた余分な塗料を、基材の印刷面とは反対の裏面側に固定した紙や多孔質のセラミック板で吸収することにより、スルーホールの穴側面にめっき下地層を形成する工程と、前記めっき下地塗料の粘度が、5000〜200000CPSの範囲であり、前記めっき下地塗料を印刷する方法が、スクリーン印刷であり、前記基材が、厚み(t)=25〜188μmのフィルムであり、前記スルーホールの穴径(d)=50〜300μmであり、(d)/(t)≧1であることを特徴とする。
図1(1)に示すように基材1にスルーホール2を形成する方法は、特に限定されないが、電子回路基板の製造工程において一般的に用いられるドリル加工を適用してもよいし、特に、高精細または微細なスルーホール2を形成する場合には、レーザ加工を適用してもよい。なお、スルーホールの形状は、例えば円筒状、鼓状、円錐台状などが挙げられる。
図1(2)に示すように基材1の両面においてパターン状にめっき下地塗料を印刷する方法は、例えば、スクリーン印刷機、グラビア印刷機、フレキソ印刷機、オフセット印刷機、ドライオフセット印刷機、パッド印刷機等を用いて、印刷することができ、特にスクリーン印刷機やグラビア印刷機を用いてパターン状に印刷することが好ましい。
また、スルーホール2の穴側面にめっき下地塗料を印刷する方法は、例えば、基材1の片面にパターン状にめっき下地塗料を印刷する際、その基材1の印刷面とは反対の裏面側に、紙や多孔質のセラミック板を固定し、その後、基材1の片面にパターン状にめっき下地塗料を印刷すると共に、スルーホール2を埋めるようにめっき下地塗料を印刷し、スルーホール2に埋められた余分な塗料を、基材1の裏面側に固定した紙や多孔質のセラミック板で吸収することにより、スルーホール2の穴側面に所定厚みの塗膜を設けることができる。また、基材1の裏面側に多孔質のセラミック板を固定する場合、多孔質の穴から余分な塗料をより吸収するために別途吸引機構を設けることが望ましい。
なお、めっき下地層は、後述する触媒金属を吸着させ無電解めっき法により金属めっき膜を形成し易くするために、めっき下地層の導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して、還元性の高分子微粒子としているが、このような脱ドープ処理を行わない方法としては、例えば還元性の高分子微粒子とバインダーを含むめっき下地塗料を基材の両面においてはパターン状に印刷し、かつスルーホールの穴側面に印刷してめっき下地層を形成する方法が挙げられる。この際の還元性の高分子微粒子の製造方法は、特開2010−095776号公報に記載されている方法を採用することができる
図1(2)に示すように基材1の両面にパターン状に形成されためっき下地層3、およびスルーホール2の穴側面に形成されためっき下地層3を設けたものを、図1(3)に示すように無電解めっき法により金属めっき膜4を設けてめっき物とするが、該無電解めっき法は、通常知られた方法に従って行うことができる。即ち、前記基材を塩化パラジウム等の触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬した後、水洗等を行い、無電解めっき浴に浸漬することによりめっき物を得ることができる。
なお、めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル等、全て適用することができるが、銅が好ましい。無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)等が挙げられる。処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム1.5mmolをトルエン50mLに溶解し、さらにイオン交換水100mLを加え、20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、30分撹拌し、次いで0.12M過硫酸アンモニウム水溶液50mL(6mmol相当)を少量づつ滴下し、4時間反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエン中に黒色の導電性ポリピロール微粒子が分散したポリピロール系分散液を得た。
バインダー樹脂溶液:バイロン(VYLON)23CS(非晶質ポリエステル樹脂:東洋紡績株式会社製)と無機フィラー:粉末シリカ アエロジル200(平均1次粒子径:12nm 日本アエロジル株式会社製)とを固形分比(質量比)がバインダー:無機フィラー=4:1.15となるように配合し、プレ攪拌後、3本ロールミルにて粉末シリカを分散させて、バインダー及び無機フィラーを含む分散液を得た。
次に、上記で調製したポリピロール系分散液に、前記で調製したバインダー及び無機フィラーを含む分散液を、固形分比(質量比)がポリピロール微粒子:バインダー:シリカ=1:4:1.15となるように配合し、攪拌、脱泡を行うことによりめっき下地塗料を得た。
基材として、厚み(t)=50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製のコスモシャインA4300)を用い、NCドリル装置により、穴径(d)=200μmのスルーホールを設けた。
続いて、スルーホールを設けた基材を吸引機構のついた多孔質セラミック板上に固定した。そして、得られためっき下地塗料を粘度30000CPSに調整し、該調整した塗料をスクリーン印刷機を用いて印刷し、基材の両面にパターン状にめっき下地層を形成し、かつスルーホール穴側面にもめっき下地層を形成した。
続いて、前記めっき下地層を有する基材を、1M水酸化ナトリウム水溶液中に35℃で5分間浸漬し、脱ドープ処理をして導電性のポリピロール微粒子を還元性とした。
続いて、脱ドープ処理した前記めっき下地層を有する基材を0.05%塩化パラジウム−0.005%塩酸水溶液中に35℃で5分間浸漬後、洗浄水で水洗した。
続いて、該フィルムを無電解銅めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)製)に35℃で20分間浸漬することにより、めっき下地層が形成された部分にのみ銅めっきが施された両面回路基板が得られた。
基材として、厚み(t)25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ(株)製のエンブレットS)を用い、NCドリル装置により、スルーホールの穴径(d)=50μmを空けた以外は、実施例1と同じ方法にて両面回路基板を得た。
基材として、厚み(t)188μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製のコスモシャインA4300)を用い、NCドリル装置により、スルーホールの穴径(d)=300μmを空けた以外は、実施例1と同じ方法にて両面回路基板を得た。
基材として、厚み(t)50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡(株)製のコスモシャインA4300)を用い、NCドリル装置により、スルーホールの穴径(d)=50μmを空けた以外は、実施例1と同じ方法にて両面回路基板を得た。
得られたポリピロール系塗料を粘度5000CPSに調整した以外は、実施例1と同じ方法にて両面回路基板を得た。
得られたポリピロール系塗料を粘度20000CPSに調製した以外は、実施例1と同じ方法にて両面回路基板を得た。
得られた両面回路基板について、図4に示すようにテスター(CUSTOM(株)製のCDM−2000D)にて基材1の両面に設けた金属めっき膜4の導通性を確認した。
○:上下の導通が確認できた。
×:上下の導通が確認できなかった。
図2に示すように基材1の片面、およびスルーホール2の穴側面にめっき下地塗料を印刷後、印刷面とは反対の面への塗料のにじみ幅(W)を測定した。
◎:塗料のにじみ幅(W)が200μm以内であった。
○:塗料のにじみ幅(W)が200μmを超えるものであった。
2:スルーホール
3:めっき下地層
4:金属めっき膜
Claims (1)
- 基材にスルーホールを形成する工程の後、
導電性高分子微粒子とバインダーと有機溶媒を含むめっき下地塗料を、前記基材の両面においてはパターン状に印刷してめっき下地層を形成し、かつ、基材の片面にパターン状にめっき下地塗料を印刷する際、基材の印刷面とは反対の裏面側に、紙や多孔質のセラミック板を固定し、その後、基材の片面にパターン状にめっき下地塗料を印刷すると共に、スルーホールを埋めるようにめっき下地塗料を印刷し、スルーホールに埋められた余分な塗料を、基材の印刷面とは反対の裏面側に固定した紙や多孔質のセラミック板で吸収することにより、スルーホールの穴側面にめっき下地層を形成する工程と、
前記めっき下地層上に、無電解めっき法により金属めっき膜を形成する工程とを有し、
前記めっき下地塗料の粘度が、5000〜200000CPSの範囲であり、
前記めっき下地塗料を印刷する方法が、スクリーン印刷であり、
前記基材が、厚み(t)=25〜188μmのフィルムであり、
前記スルーホールの穴径(d)=50〜300μmであり、
(d)/(t)≧1であることを特徴とする両面回路基板の製造方法。
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