JP5211612B2 - 金属パターン形成体の製造方法 - Google Patents

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本発明は、プラスチック基板上に金属パターンが形成された金属パターン形成体に関するものであり、より詳しくは簡易な工程で上記プラスチック基板と、上記金属パターンとの密着性に優れた金属パターン形成体を製造することが可能な、金属パターン形成体の製造方法に関するものである。
現在、基材上に図案、画像、文字、回路等の種々のパターンを形成するパターン形成体の製造方法としては、様々な方法が提案されている。なかでも、基材上に金属パターンが形成された金属パターン形成体については、近年のディスプレイ技術の急速な発達に伴って、その用途が広がっている。また、上記パターン形成体に用いられる基材についても、その優れたフレキシブル性や軽量であること等の利点から、もっぱらプラスチック基板が用いられるようになっている。例えば、プラスチック基板上に金属パターンが形成された金属パターン形成体としては、液晶表示装置や有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイに用いられる電極基板等に広く用いられている。
従来、上述したような金属パターン形成体を製造する方法としては、種々の方法が知られていたが、なかでも上記プラスチック基板との密着性等との観点からスパッタリング法が用いられることが一般的であった(例えば、非特許文献1〜3)。このような方法としては、マスク等を利用して上記プラスチック基板上に直接金属パターンを形成する方法や、上記プラスチック基板の全面に金属膜を形成した後、当該金属膜を、レジスト法等によって所望の形状にパターニングする方法等が知られている。
このようなスパッタリング法は、パターンを形成するために用いられる金属材料の種類を問わずに、プラスチック基板と、金属パターンとの密着性に優れた金属パターン形成体を作製することができるという利点を有している。
しかしながら、その一方で上述したようなスパッタリング法は、それを実施する工程が煩雑になるという欠点があった。すなわち、上記スパッタリング法はその性質上、真空条件下で実施する必要があるため、この点において製造効率に欠けるという問題点があった。
また上述したように、今日においてはプラスチック基板が用いられた金属パターン形成体の需要が高まっていることから、このような金属パターン形成体の製造方法としても製造効率の高い方法が求められている。この点、上記プラスチック基板は、長尺状に形成されたものを用いることにより、Roll to Rollプロセス等の連続プロセスによって金属パターン形成体を製造することができるという利点を有するが、上記スパッタリング法においては、真空条件で実施することが必須であったためこのような連続プロセスを採用することが困難であるという問題点があった。
このようなことから、従来、プラスチック基板が用いられた金属パターンを高い製造効率をもって製造する方法は知られていなかった。
野村興雄編著「プラズマ化学」第1版 日本工業新聞社(1984年11月30日発行)P.40〜P.41 小沼光晴「著プラズマと成膜の基礎」初版 日刊工業新聞社(1986年8月29日発行)P.125〜P.136 応用物理学会/薄膜・表面物理分科会編「薄膜作製ハンドブック」初版 共立出版株式会社(1991年3月25日発行)P.208〜P.213、P.327〜P.329
ところで、任意の支持体上に金属膜を形成する伝統的な方法としては、銀鏡反応を用いる方法が知られている。この方法は、上述したスパッタリング法等のように真空系を利用する方法ではないため、プラスチック基板を用いた連続プロセスにおいても採用することが可能である。そこで、本発明者らは上記銀鏡反応を用いたプロセスを、プラスチック基板が用いられた金属パターン形成工程に採用することについて検討したところ、銀鏡反応によってプラスチック基板上に均質な金属膜を形成することは可能であり、当該方法は、金属パターン形成体の製造方法に有用であることを見出した。
しかしながら、一方で当該方法は、上述したような金属パターン形成体の用途に照らすと、金属膜とプラスチック基板との密着性が不十分であるという課題があることを見出した。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、銀鏡反応を用いて、金属パターンと、プラスチック基板との密着性に優れた金属パターン形成体を高生産性で製造可能な金属パターン形成体の製造方法を提供することを主目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、銀鏡反応によって金属膜を形成する前に、プラスチック基板表面に真空紫外光を照射することによって、金属膜と、プラスチック基板との密着性を特異的に向上させることができることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち、上記課題を解決するために本発明は、プラスチック基板を用い、上記プラスチック基板の表面に真空紫外光を照射する真空紫外光照射工程と、上記真空紫外光照射工程において、真空紫外光が照射されたプラスチック基板の、真空紫外光照射面上に、銀鏡反応を用いて金属膜を形成する金属膜形成工程と、上記金属膜形成工程によって形成された金属膜をパターニングする金属膜パターニング工程と、を有することを特徴とする、金属パターン形成体の製造方法を提供する。
本発明によれば、金属膜形成工程前に、上記プラスチック基板の表面に真空紫外光を照射する真空紫外光照射工程が実施されることにより、上記金属膜形成工程において形成される金属膜と、上記プラスチック基板との密着性を向上させることができる。このため、本発明によれば金属パターンと、プラスチック基板との密着性に優れた金属パターン形成体を製造することができる。
また、本発明よれば上記金属膜形成工程おいて金属膜を形成する方法が、銀鏡反応を用いる方法であることにより、真空系等を必要としない簡易な工程で金属膜を形成することができる。このため、本発明よれば高生産性で金属パターン形成体を製造することができる。
このようなことから、本発明によれば、金属パターンと、プラスチック基板との密着性に優れた金属パターン形成体を高生産性で製造することができる。
本発明においては、上記真空紫外光照射工程において、上記プラスチック基板に照射される真空紫外光のエネルギーが2J/cm〜15J/cmの範囲内であることが好ましい。真空紫外光のエネルギーが上記範囲よりも高く場合、あるいは、低い場合のいずれであっても、本発明によって製造される金属パターン形成体において上記プラスチック基板と、金属パターンとの密着性が不十分になる可能性があるからである。
本発明の金属パターン形成体の製造方法は、銀鏡反応を用いて、金属パターンと、プラスチック基板との密着性に優れた金属パターン形成体を高生産性で製造することができるという効果を奏する。
以下、本発明の金属パターン形成体の製造方法について説明する。
上述したように、本発明の金属パターン形成体の製造方法は、プラスチック基板を用い、上記プラスチック基板の表面に真空紫外光を照射する真空紫外光照射工程と、上記真空紫外光照射工程において、真空紫外光が照射されたプラスチック基板の、真空紫外光照射面上に、銀鏡反応を用いて金属膜を形成する金属膜形成工程と、上記金属膜形成工程によって形成された金属膜をパターニングする金属膜パターニング工程と、を有することを特徴とするものである。
このような本発明の金属パターン形成体の製造方法について図を参照しながら説明する。図1は本発明の金属パターン形成体の製造方法の一例を示す概略図である。図1に例示するように、本発明の金属パターン形成体の製造方法は、プラスチック基板1を用い(図1(a))、上記プラスチック基板1の表面に真空紫外光を照射する真空紫外光照射工程と(図1(b))、上記真空紫外光照射工程において、真空紫外光が照射されたプラスチック基板1の、真空紫外光照射面上に、銀鏡反応を用いて金属膜2’を形成する金属膜形成工程と(図1(c))、上記金属膜形成工程によって形成された金属膜2’をパターニングする金属膜パターニング工程と(図1(d))、を有するものであり、上記プラスチック基板1上に、金属パターン2が形成された金属パターン形成体10を製造するものである(図1(e))。
本発明によれば、金属膜形成工程前に、上記プラスチック基板の表面に真空紫外光を照射する真空紫外光照射工程が実施されることにより、上記金属膜形成工程において形成される金属膜と、上記プラスチック基板との密着性を向上させることができる。このため、本発明によれば金属パターンと、プラスチック基板との密着性に優れた金属パターン形成体を製造することができる。
ここで、上記プラスチック基板に真空紫外光を照射することにより、金属パターンとの密着性を向上させることができる理由については明らかではないが、次のような理由によるものであると推定される。
すなわち、プラスチック基板に真空紫外光を照射すると、(1)フォトンエネルギーの高い真空紫外光で、プラスチック基板表面に付着している汚れの主成分(有機物)の結合を切り、汚れの結合が切れやすく(壊れやすく)なる状態になる、(2)そして、この状態にさらにオゾンや活性酸素種が作用して、有機物を酸化し、二酸化炭素や水にして揮発させて洗浄されると推定される。この様な洗浄原理により、より微小な有機物の除去が湿式法より有効であり、金属膜との密着性が向上したものと考えられる。
ここで、従来用いられてきた低圧水銀ランプで同様の効果を得ようとしても、当該ランプは照度ムラ、発熱が大きい等の問題からプラスチック基板内での面内バラツキが生じ、結果として金属膜との密着性にもムラが生じてしまう結果となる。
したがって、上述した効果は、真空紫外光(200nm以下の紫外光)に特有のものであり、これは、真空紫外光が酸素での吸収が大きく、「酸素(O)に吸収されて酸化力の強いオゾン(O)を生成する光」であり、また、「1個当たりのフォトン(光子)のエネルギーが大きい」という特長を有することに起因するものと考えられる。
また本発明によれば、上記金属膜形成工程おいて金属膜を形成する方法が、銀鏡反応を用いる方法であることにより、真空系等を必要としない簡易な工程で金属膜を形成することができる。このため、本発明よれば高生産性で金属パターン形成体を製造することができる。このようなことから本発明によれば、金属パターンとプラスチック基板との密着性に優れた金属パターン形成体を高生産性で製造することができる。
本発明の金属パターン形成体の製造方法は、少なくとも真空紫外光照射工程と、金属膜形成工程と、金属膜パターニング工程とを有するものである。
以下、本発明に用いられる各工程について順に説明する。
1.真空紫外光照射工程
まず、本発明に用いられる真空紫外光照射工程について説明する。本工程はプラスチック基板を用い、上記プラスチック基板の表面に真空紫外光を照射する工程である。
(1)真空紫外光の照射方法
本工程においてプラスチック基板に真空紫外光を照射する方法について説明する。本工程においてプラスチック基板の表面に照射される真空紫外光の波長は、酸素と作用することにより酸素ラジカルを発生できる範囲内であれば特に限定されるものでない。なかでも本工程においては、150nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。波長が上記範囲よりも長いと、酸素ラジカルの発生効率が低くなり、プラスチック基板と金属パターンとの密着性が不十分になる可能性があるからである。また、波長が上記範囲よりも短いと、安定した真空紫外光の照射が困難となる可能性があるからである。
本工程における真空紫外光の照射量としては、本工程に用いられるプラスチック基板の種類や、後述する金属膜形成工程によって形成される金属膜の種類、さらには後述する金属膜パターニング工程おいて金属膜がパターニングされる形状等に応じて、金属パターンと、プラスチック基板との密着力を所望の範囲内にすることができる程度に適宜調整される。なかでも本工程においてプラスチック基板に照射される真空紫外光のエネルギーは、2J/cm〜15J/cmの範囲内であることが好ましく、2J/cm〜10J/cmの範囲内であることがより好ましく、2J/cm〜5J/cmの範囲内であることがさらに好ましい。本工程に用いられるプラスチック基板の種類や、後述する金属膜形成工程によって形成される金属膜の種類、さらには後述する金属膜パターニング工程おいて金属膜がパターニングされる形状によっては、真空紫外光のエネルギーが上記範囲よりも高い場合、あるいは、低い場合のいずれであっても、上記プラスチック基板と、金属パターンとの密着性が不十分になる可能性があるからである。
たとえば、プラスチック基板としてPENからなる基板を用いる場合は、上記エネルギーは2J/cm〜10J/cmの範囲内が好ましい。また、金属膜がパターニングされる線幅が約10μmの場合は、上記エネルギーは2J/cm〜5J/cmの範囲内が好ましい、また線幅が約20μmの場合は2J/cm〜15J/cmが好ましい。
なお、本工程においては実際に真空紫外光をプラスチック基板に照射する前に、本発明のよって製造する金属パターン形成体の具体的態様に応じて、適切な真空紫外光の照射エネルギーを決定する、真空紫外光エネルギー決定工程を実施してもよい。
本工程においてプラスチック基板上に真空紫外光を照射する態様としては、本発明によって製造する金属パターン形成体の具体的態様や用途等に応じて、適宜決定することができるものであり、特に限定されるものではない。このような態様としては、例えば、プラスチック基板の全面に真空紫外光を照射する態様や、上記プラスチック基板の表面の一部分に真空紫外光を照射する態様等を挙げることができる。ここで、後者の態様としては、たとえば、メタルマスク等を用い、上記プラスチック基板の表面に真空紫外光をパターン状に照射する態様を例示することができる。
本工程においては、これらのいずれの態様であっても好適に用いることができるが、なかでもプラスチック基板の全面に真空紫外光を照射する態様が好ましい。
本工程において、真空紫外光の照射に用いることできる光源としては、例えば、エキシマランプ、低圧水銀ランプ、その他種々の光源を挙げることができる。
本工程において真空紫外光をプラスチック基板の表面に照射する方法としては、均一な照射量で真空紫外光を照射できる方法であれば特に限定されない。このような照射方法としては、例えば、上記パターン形成面の全面を同時に照射する方法、および、光源またはパターン形成用基板の少なくとも一方を移動させながら、上記パターン形成面を順次に照射する方法とを挙げることができる。なかでも本工程においては、上記パターン形成面を順次に照射する方法が好ましい。その理由は次の通りである。
すなわち、真空紫外光は指向性のない分散光であるため、上記プラスチック基板の全面を同時に照射する方法では、例えば、大面積のプラスチック基板に真空紫外光を照射する場合に、中央部と端部とで真空紫外光の照射量に差が生じてしまう可能性がある。しかしながら、上記プラスチック基板を順次に照射する方法によればたとえ大面積のプラスチック基板に真空紫外光を照射する場合であっても、全面に対して均一に照射することが容易になるからである。
また、上記プラスチック基板として長尺に形成された基板を用い、本工程を連続プロセスによって実施する場合、上記プラスチック基板の全面を同時に照射する方法は、そもそも採用することが困難であるという事情もあるからである。
なお、本工程に用いられる真空紫外光の光源は、1つであってもよく、または、複数個を用いてもよい。
(2)プラスチック基板
本工程に用いられるプラスチック基板としては、プラスチック材料からなるものであれば特に限定されるものではなく、本発明により製造される金属パターン形成体の用途等に応じて、任意のプラスチック材料からなる基板を用いることができる。このようなプラスチック材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、セルローストリアセテート、ポリイミド、PPS、アラミド等を挙げることができる。
なお、本工程に用いられるプラスチック基板は、単一層からなる構成であってもよく、あるいは、複数の層が積層された構成を有するものであってもよい。
本工程に用いられるプラスチック基板の厚みは、通常、1μm〜1mmの範囲内であることが好ましく、10μm〜500μmの範囲内であることがより好ましく、50μm〜200μmの範囲内であることがさらに好ましい。
2.金属膜形成工程
次に、本発明に用いられる金属膜形成工程について説明する。本工程は、上記真空紫外光照射工程において、真空紫外光が照射されたプラスチック基板の、真空紫外光照射面上に、銀鏡反応を用いて金属膜を形成する工程である。
本工程において、上記プラスチック基板上に金属膜を形成する方法としては銀鏡反応を用いた方法であれば特に限定されるものではなく、一般的に銀鏡反応を用いて無電界めっきを実施する際に用いられる方法として公知の方法を用いることができる。
なお、本工程において形成される金属膜は銀鏡反応によって形成されるものであるから、通常、Agからなるものとなる。
本工程において形成される金属膜の厚みとしては、本発明によって製造される金属パターン形成体の種類や用途、および、後述する金属膜パターニング工程によってパターニングされる形状等に応じて任意に決定することができるものであり、特に限定されるものではない。なかでも本工程において形成される金属膜の厚みは、0.1μm〜10μmの範囲内であることが好ましく、0.2μm〜5μmの範囲内であることがより好ましく、0.5μm〜2μmの範囲内であることが特に好ましい。
3.金属膜パターニング工程
次に、本発明に用いられる金属膜パターニング工程について説明する。本工程は上記金属膜形成工程によって形成された金属膜をパターニングする工程である。
本工程において金属膜をパターニングする方法としては、本発明によって形成される金属パターン形成体の用途等に応じて、所望のパターンを形成できる方法であれば特に限定されるものではない。このような方法としては、フォトレジスト法、スクリーン印刷法、EB法等を挙げることができる。本工程においてはこれらのいずれの方法であっても好適に用いることができる。
4.任意の工程
本発明の金属パターン形成体の製造方法は、少なくとも上記真空紫外光照射工程と、上記金属膜形成工程と、上記金属膜パターニング工程とを有するものであるが、必要に応じて他の任意の工程が用いられてもよいものである。本発明に用いられる任意の工程としては、本発明によって製造される金属パターン形成体の用途等に応じて、当該金属パターン形成体に所望の機能を付与することができる工程や、本発明による金属パターン形成体の製造効率をさらに向上させる工程等、特に限定されるものではない。
5.用途
次に、本発明の金属パターン形成体の製造方法の用途について説明する。本発明の用途としては、金属パターン形成体を製造する用途であれば特に限定されるものではない。このような用途としては、例えば、TFT電極を備える半導体素子を製造する工程において、ゲート電極、あるいは、ソース電極およびドレイン電極がプラスチック基板上に形成された金属パターン形成体を製造する方法としての用途、あるいはICタグ配線を形成する方法としての用途等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
1.実施例1
厚さ100μm、大きさA4サイズのPEN(帝人デュポン社製)フィルムを水洗、乾燥した後、VUV(175nm)を全面照射した。照射エネルギーは3J/cmとした。その後、フィルム全体に銀鏡反応を行い、銀膜を厚み500nmで形成した。その後上記フィルムにフォトレジスト(ポジ)をスピンコートした。このときのスピンコートは、1800rpmで10sec保持させた。その後、フィルム基板を100℃で1分乾燥させた後、50mJ/cmでパターン露光した。次に、露光部分のレジスト現像を行い、その後、150℃のオーブンで60分乾燥させた。次いで、レジストのない部分のAgのエッチングを行い、金属パターン形成体を作製した。その結果、Agパターンとフィルムとの密着性は強く、線幅10μmまでのLine&Spaceの形成が可能であった。
2.実施例2
照射エネルギーを10J/cmとしたこと以外は、実施例1と同様の方法により金属パターン形成体を作製した。Agパターンとフィルムとの密着性は良好であり、線幅20μmまでのLine&Spaceの形成が可能であった。
3.比較例1
VUV照射を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により金属パターン形成体を作製した。その結果、Agエッチングの際にAgが基材から全て剥離してしまった。
4.比較例2
真空紫外光に替えて、紫外線(波長254nm)を用いたこと以外は実施例1と同様の方法により金属パターン形成体を作製した。その結果、Agパターンとフィルムとの密着性が乏しく、線幅50μmまでのLine&Spaceしか形成することができなかった。
5.比較例3
真空紫外光に替えて、紫外線(波長254nm)を用いたこと以外は実施例2と同様の方法により金属パターン形成体を作製した。その結果、Agパターンとフィルムとの密着性が乏しく、線幅50μmまでのLine&Spaceしか形成することができなかった。
本発明の金属パターン形成体の製造方法の一例を示す概略図である。
符号の説明
1 … プラスチック基板
2’ … 金属膜
2 … 金属パターン
10 … 金属パターン形成体

Claims (2)

  1. プラスチック基板を用い、前記プラスチック基板の表面に真空紫外光を照射する、真空紫外光照射工程と、
    前記真空紫外光照射工程において、真空紫外光が照射されたプラスチック基板の真空紫外光照射面上に、銀鏡反応を用いて金属膜を形成する、金属膜形成工程と、
    前記金属膜形成工程によって形成された金属膜をパターニングする、金属膜パターニング工程と、を有することを特徴とする、金属パターン形成体の製造方法。
  2. 前記真空紫外光照射工程において、前記プラスチック基板に照射される真空紫外光のエネルギーが2J/cm〜15J/cmの範囲内であることを特徴とする、請求項1に記載の金属パターン形成体の製造方法。
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