JP2007178783A - パターン形成体の製造方法、および、パターン形成体製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、パターン形成用基板のパターン形成面上にメタルマスクを配置し、上記メタルマスクを上記パターン形成用基板の上記パターン形成面とは反対面側から磁石によって固定する、メタルマスク固定工程と、上記パターン形成面上に固定されたメタルマスクを介して上記パターン形成面に真空紫外光を照射する、真空紫外光照射工程とにより、上記パターン形成面がパターン状に真空紫外光照射処理されたパターン形成体を製造することを特徴とするパターン形成体の製造方法を提供することにより、上記課題を解決するものである。
【選択図】図1
Description
このようなことから、真空紫外光を用いるパターン形成体の製造方法においては、パターンを形成する基材表面に、常時真空紫外光と作用する酸素を存在させておくことが必要となる。
また本発明のパターン形成体の製造方法によれば、上記パターン形成面上に上記メタルマスクを上記パターン形成面とは反対側から磁石によって固定することにより、高精細で厚みの薄いメタルマスクを用いた場合であっても、上記メタルマスクを上記パターン形成面上に密接させた状態で固定できるため、上記パターン形成面が高精細なパターン状に真空紫外光照射処理されたパターン形成体を製造することができる。
また本発明のパターン形成体製造装置によれば、上記磁力発生部によって上記パターン形成面上に上記メタルマスクを上記パターン形成面とは反対側から磁力によって固定することができ、これにより高精細で厚みの薄いメタルマスクを用いた場合であっても、上記メタルマスクを上記パターン形成面上に密接させた状態で固定できるため、上記パターン形成面が高精細なパターン状に真空紫外光照射処理されたパターン形成体を製造することができる。
まず、本発明のパターン形成体の製造方法について説明する。本発明のパターン形成体の製造方法は、パターン形成用基板のパターン形成面上にメタルマスクを配置し、上記メタルマスクを上記パターン形成用基板の上記パターン形成面とは反対面側から磁石によって固定する、メタルマスク固定工程と、上記パターン形成面上に固定されたメタルマスクを介して上記パターン形成面に真空紫外光を照射する、真空紫外光照射工程とを行うことにより、上記パターン形成面がパターン状に真空紫外光照射処理されたパターン形成体を製造することを特徴とするものである。
ここで、上記真空紫外光の照射による酸化分解は、主に真空紫外光と酸素とが作用することによって発生する酸素ラジカルが、上記パターン形成用基板に作用することにより生じるものである。したがって、真空紫外光を用いてパターン形成体を製造する際には、パターン形成用基板のパターン形成面上に常時真空紫外光と作用する酸素を存在させておくことが必要である。
しかしながら、上述したフォトマスクを用いる方法では、拡散光である真空紫外光を用いて高精細なパターン形成を行うためにフォトマスクとパターン形成用基板とを近接させる必要があるが、一般的にフォトマスクは開口部のない透明基板上にパターン状に形成された遮光部とからなるものであるため、これをパターン形成用基板上に近接させると、パターン形成用基板上の酸素が排除されてしまい、その結果として、真空紫外光照射を連続的に照射すると酸素不足に起因してパターン形成の感度が低下してしまうという問題があった。
まず、本発明におけるメタルマスク固定工程について説明する。本工程はパターン形成用基板のパターン形成面上にメタルマスクを配置し、上記メタルマスクを上記パターン形成用基板の上記パターン形成面とは反対面側から磁石によって固定する工程である。本発明は、本工程において上記メタルマスクを上記磁石によって固定することにより、高精細で厚みの薄いメタルマスクを用いることが可能になるものである。
本工程に用いられるメタルマスクについて説明する。本工程に用いられるメタルマスクは、上記パターン形成用基板のパターン形成面に、真空紫外光をパターン状に照射するために用いられるものである。
次に、本工程において上記メタルマスクを固定する磁石について説明する。上記磁石としては、上記パターン形成用基板のパターン形成面の裏面側から上記メタルマスクを固定できる程度の磁力を発生できるものであれば特に限定されない。このような磁石としては、永久磁石、電磁石のいずれであってもよく、また、異方性多極または等方性多極のいずれの着磁形態を有していてもよい。なかでも本工程においては電磁石を用いることが好ましい。電磁石は磁力のスイッチングが可能であることから、例えば、通電していない電磁石上に上記パターン形成用基板を配置し、さらに上記パターン形成用基板のパターン形成面にメタルマスクを配置し、次いでメタルマスクのアライメントを行った後に、上記電磁石に通電して磁力を発生させる等の方法を採用することも可能になり、メタルマスクの配置精度を向上できる等の利点を有するからである。
なお、本工程において複数の磁石を用いる場合は、個々の磁石が上記メタルマスクの面積よりも大きい面積を有している必要はなく、複数の磁石を組み合わせた際の面積が、上記メタルマスクの面積よりも大きくなればよい。
次に、本工程に用いられるパターン形成用基板について説明する。本工程に用いられるパターン形成用基板は、後述する真空紫外光照射工程において、パターン形成面に真空紫外光がパターン状に照射されることによって、パターン形成面がパターン状に真空紫外光照射処理されたパターン形成体を構成するものである。
ここで、上記「パターン形成面」とは、パターン形成用基板のうち上記メタルマスクが配置され、真空紫外光照射処理される表面を指すものとする。
また、上記パターン形成用基板としては、任意の支持基板上に真空紫外光照射処理によって酸化分解される分解除去材料からなる分解除去層が積層された構成を有する分解除去型積層体であっても良い。
ここで、上記分解除去層と上記特性変化層とは、前者が真空紫外光照射によって完全に除去されてしまうものであるのに対し、後者は真空紫外光照射によって表面の特性が変化するが、特性変化層自体は残存する点において異なるものである。
以下、このような上記特性変化基板、上記特性変化型積層体、および、上記分解除去型積層体について説明する。
次に、本工程において上記メタルマスクを上記パターン形成用基板のパターン形成面上に固定する方法について説明する。本工程において上記メタルマスクを固定する方法としては、上記パターン形成用基板のパターン形成面とは反対面側から上記磁石の磁力によって固定できる方法であれば特に限定されない。このような方法としては、例えば、パターン形成用基板のパターン形成面上にメタルマスクを配置した後に、上記パターン形成用基板のパターン形成面とは反対面側に上記磁石を配置することにより固定する方法、および、上記磁石上にパターン形成用基板を配置した後に、上記磁石上に配置されたパターン形成用基板の表面(パターン形成面)にメタルマスクを配置することにより固定する方法等を挙げることができる。また、上記磁石として電磁石を用いる場合は、通電されていない電磁石上にパターン形成用基板を配置した後、上記電磁石上に配置されたパターン形成用基板の表面(パターン形成面)にメタルマスクを配置し、次いで上記電磁石に通電することにより固定する方法を挙げることができる。
次に、本発明における真空紫外光照射工程について説明する。本工程は、上記メタルマスク固定工程において上記パターン形成面上に固定されたメタルマスクを介して、上記パターン形成面に真空紫外光を照射することにより、上記パターン形成面をパターン状に真空紫外光照射処理する工程である。
すなわち、真空紫外光は指向性のない分散光であるため、上記パターン形成面の全面を同時に照射する方法では、例えば、大面積のパターン形成面に真空紫外光を照射する場合に、中央部と端部とで真空紫外光の照射量に差が生じてしまう可能性がある。しかしながら、上記パターン形成面を順次に照射する方法によればたとえ大面積のパターン形成面に真空紫外光を照射する場合であっても、全面に対して均一に照射することが容易になるからである。
本発明のパターン形成体の製造方法の用途としては、例えば、液晶表示装置用のカラーフィルターに用いられるパターン形成体の製造、有機トランジスタのソース/ドレイン配線の形成、有機ELの正孔注入層や発光層の形成、マイクロレンズの形成、バイオチップの形成等に用いることができる。
次に、本発明のパターン形成体製造装置について説明する。本発明のパターン形成体製造装置は、パターン形成用基板を支持するパターン形成用基板支持部と、上記パターン形成用基板支持部に支持されたパターン形成用基板のパターン形成面にメタルマスクを介して真空紫外光を照射する真空紫外光照射部と、上記パターン形成用基板上に上記メタルマスクを、上記パターン形成面とは反対面側から磁力によって固定する磁力発生部とを有することを特徴とするものである。
まず、本発明における上記磁力発生部について説明する。上記磁力発生部は、後述するパターン形成用基板支持部に支持されたパターン形成用基板のパターン形成面上に配置されるメタルマスクを、上記パターン形成用基板のパターン形成面とは反対面側から磁力によって固定するものである。
次に、本発明のパターン形成体製造装置におけるパターン形成用基板支持部について説明する。本発明のパターン形成体製造装置におけるパターン形成用基板支持部は、パターン形成用基板を、安定して支持することが可能なものであれば特に限定されるものではない。このようなパターン形成用基板支持部の形状等は、本発明のパターン形成体製造装置を用いて真空紫外光が照射されるパターン形成用基板の形状や、本発明のパターン形成体製造装置を用いて形成されるパターン形成体の用途等に合わせて適宜選択すれば良く、例えばパターン形成用基板の全面を支えるような構造であってもよく、またパターン形成用基板の一部を支持するような構造であってもよい。
次に、本発明に用いられる真空紫外光照射部について説明する。本発明に用いられる真空紫外光照射部は、上記パターン形成用基板に所望の波長を有する真空紫外光を照射できる光源を有するものであれば特に限定されない。本発明における真空紫外光照射部から照射される真空紫外光の波長としては、通常、100nm〜250nmの範囲内であることが好ましく、なかでも150nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。
ンプ、低圧水銀ランプ等を挙げることができる。
本発明のパターン形成体製造装置においては、上記パターン形成用基板支持部と上記磁力発生部とが一体となって構成されているものであっても良い。このように、本発明において、上記パターン形成用基板支持部と上記磁力発生部とが一体となって構成されている場合について図を参照しながら説明する。図3は本発明のパターン形成体製造装置の他の例を示す概略図である。図3に例示するように、本発明のパターン形成体製造装置50’は、パターン形成用基板支持部と磁力発生部とが一体となり、パターン形成用基板1を全面で支持する機能と、上記パターン形成用基板1上に配置されたメタルマスク2を上記パターン形成用基板1のパターン形成面Pの反対面から磁力で固定する機能を兼ね備える構成(図3中、40で表される構成)を有するものであっても良い。このような構成を有することにより、本発明のパターン形成体製造装置の構成を機能を損なわずに簡略化することができる。
(パターン形成用基板の作製)
デシルメトキシシラン(信越シリコーン製LS-5258)0.5mlを入れたガラス容器とガラス基板(10cm角)とを蓋付きの耐熱容器に入れ密閉した。上記耐熱容器を240℃に加熱したオーブンに投入し1時間保持することで、上記耐熱容器内をデシルメトキシシラン雰囲気にし、ガラス基板表面にデシルメトキシシランを蒸着させ、透明で均一な、真空紫外光の作用により濡れ性が変化する特性変化層(濡れ性変化層)を有するパターン形成用基板を得た。
鉄−ニッケル合金からなる開口部が線幅20μm、遮光部(メタル部分)が線幅20μmのメタルマスクを、上記濡れ性変化層上に配置し、次いで、パターン形成用基板の濡れ性変化層が形成されている面とは反対側に板状の永久磁石を配置することにより、メタルマスクを密着させた。
次いで、メタルマスク側からエキシマランプにて、波長が172nmの真空紫外光を、10mW/cm2の照度で照射することにより露光し、濡れ性変化層の表面に濡れ性変化パターンを形成した。得られた濡れ性変化パターンは未露光部における水との接触角が108°、および表面張力が40mN/mの液体との接触角は72°であり、露光部における水との接触角が10°以下、および表面張力が40mN/mの液体との接触角が9°以下になるのに、100sを要した。また、露光部の線幅をAFM測定した結果、露光部の線幅は10cm角基板内で20μm±1μmであった。
実施例1と同様のパターン形成用基板とメタルマスクとを用いて、メタルマスクをパターン形成用基板に磁石を用いずに配置し、実施例1と同様の露光条件にて露光を行った。露光部の線幅をAFM測定した結果、露光部の線幅は10cm角基板内で20μm±3μmであった。
2 … メタルマスク
3 … 磁石
10 … パターン形成用基板支持部
20 … 真空紫外光照射部
30 … 磁力発生部
50、50’ … パターン形成体製造装置
Claims (3)
- パターン形成用基板のパターン形成面上にメタルマスクを配置し、前記メタルマスクを前記パターン形成用基板の前記パターン形成面とは反対面側から磁石によって固定する、メタルマスク固定工程と
前記パターン形成面上に固定されたメタルマスクを介して前記パターン形成面に真空紫外光を照射する、真空紫外光照射工程と、
を行うことにより、前記パターン形成面がパターン状に真空紫外光照射処理されたパターン形成体を製造することを特徴とする、パターン形成体の製造方法。 - 前記パターン形成用基板が、前記パターン形成面に真空紫外光により分解される分解処理層を有するものであり、かつ、前記真空紫外光照射処理が前記分解処理層の分解除去であることを特徴とする、請求項1に記載のパターン形成体の製造方法。
- パターン形成用基板を支持する、パターン形成用基板支持部と、
前記パターン形成用基板支持部に支持されたパターン形成用基板のパターン形成面にメタルマスクを介して真空紫外光を照射する、真空紫外光照射部と、
前記パターン形成用基板上に、前記メタルマスクを前記パターン形成面とは反対面側から磁力によって固定する磁力発生部と、
を有することを特徴とする、パターン形成体製造装置。
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