JP6216646B2 - 透明導電膜及びこれを用いるタッチパネル - Google Patents

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Description

本発明は、透明な基材フィルムの片面又は両面に、金属めっき膜を細線メッシュとして形成した透明導電膜に関するものであり、詳細には、金属めっき膜が形成されていない裏面からフィルムを見た場合でも視認性を確保でき、線幅が細線となっても十分なめっき析出性及び金属めっき膜の密着性を維持し得る透明導電膜に関するものである。
本発明はまた、前記透明導電膜を用いるタッチパネルにも関する。
タッチパネル等に用いる透明導電膜として、通常、ITOをスパッタリングにて成膜した材料が使用されている。近年、タッチパネルが大型化するに伴って、低抵抗の透明導電膜への要求が高まっているが、ITOでは抵抗値が高いため、大型のタッチパネルには対応できないという課題がある。
また、機器の薄型化により、従来使用されていたガラス基板から樹脂フィルムの基板に変わってきているが、これらの樹脂フィルムでは、ITOの低抵抗化に必要となる高温での加熱処理に対応できないため、ITO膜をガラス基板上に設ける場合よりも抵抗値が高くなってしまうという課題がある。
上記の課題を解消するための一つの方法は、ITO膜の代わりに、樹脂フィルムの基板に金属膜を細線状のメッシュとして形成し、これにより、低抵抗で透明性が高い樹脂フィルムの透明導電膜を得ることである。
しかし、上記のように、金属膜を細線状のメッシュとして形成すると、金属膜は光線反射率が高いため、金属調の光沢が発生し、結果として視認性が悪くなるという課題が新たに生じる。
そのため、金属表面に黒化処理により光沢を無くすことが検討されているが、該金属膜の裏面は黒化処理がなされないため、金属膜が形成された樹脂フィルムの基板を、金属膜が形成されていない裏面から見た場合、依然として視認性が悪くなるという課題が残る。
特に、樹脂フィルムの基板の両面に金属膜を形成する場合、表裏の何れの面においても金属調の光沢に起因する視認性の悪化が生じることになる。
一方、特開2011−194824号公報(特許文献1)には、基材フィルムの片面側に導電性高分子微粒子、バインダー及び無機フィラーを含む塗膜層が設けられ、該塗膜層上に無電解めっき膜が設けられた遮光性フィルムが開示されている。
特開2011−194824号公報
特許文献1に記載の発明は、製造が容易で且つ薄膜化及び軽量化が可能な1層の金属薄膜層で高い遮光性能を実現し得る遮光性フィルムに関するものであって、透明導電膜に関する発明ではないが、該文献に記載の遮光性フィルムは、金属薄膜層と基材フィルムとの間に、金属薄膜層の光線反射を抑えることが可能と考えられる塗膜層(導電性高分子微粒子、バインダー及び無機フィラーを含む)を有する構成となっているため、この構成を透明導電膜に採用すれば、金属薄膜層が形成されていない裏面からフィルム見た場合でも視認性を確保することができる透明導電膜になると考えられた。
そのため、特許文献1に記載の遮光性フィルムの構成を採用して、透明導電膜を作成したが、依然として、金属薄膜層が形成されていない裏面からフィルムを見た場合における視認性を確保することができなかった。
この理由は、通常、透明導電膜においては、視認性を確保するために、金属薄膜層を線幅10μm以下の細線メッシュとする必要があるが、特許文献1に記載の方法でこのように細い線(金属めっき膜)を形成する場合、その下地層となる塗膜層の厚みが1.5μm以下と非常に薄いものとなり、結果として、形成された塗膜層により金属薄膜層の光線反射を抑えることができなくなったためであることが分った。
尚、上記のような細線(金属めっき膜)を形成する場合に、その下地層となる塗膜層の厚みが非常に薄い1.5μm以下となる理由は以下の通りである。
特許文献1に記載の方法において塗膜層をパターン形成する場合、印刷版を用いるグラビア印刷等で行われるが、エッチング法で印刷版を形成する場合、一般的に版深の限界深さは線幅に対して約1/2となる。そのため、線幅を10μmとする場合、最大版深は、5μmとなり、転写率、固形分濃度から試算すると、最終的な塗膜層の厚みは1.5μm以下となってしまう。
上記のような視認性の課題に加えて、線幅10μm以下の金属めっき膜を形成しようとすると、めっき析出性及び金属めっき膜の密着性が不十分となり易くなるという課題もある。
従って、本発明は、上記課題を解決し得る、即ち、金属めっき膜が形成されていない裏面からフィルムを見た場合でも視認性を確保でき、線幅が細線となっても十分なめっき析出性及び金属めっき膜の密着性を維持し得る透明導電膜及びこれを用いるタッチパネルの提供を課題とする。
本発明者等は上記課題を解決するために鋭意検討した結果、透明な基材フィルムの片面又は両面に、導電性高分子微粒子、バインダー及び無機フィラーを含む塗膜層をパターン状に形成し、該塗膜層上に無電解めっき法によりパターン状の金属めっき膜を形成して透明導電膜を製造する際、前記導電性高分子微粒子と前記バインダーの固形分比(質量比)を、1:0.25ないし1:10とし、前記バインダーと前記無機フィラーの固形分比(質量比)を、1:1.5ないし1:30とし、前記無機フィラーとしてカーボン粒子を使用すると、前記塗膜層の厚さを、0.1ないし1.5μmと非常に薄くした場合においても、得られた透明導電膜は、金属めっき膜が形成されていない裏面からフィルムを見た場合でも視認性が確保され、線幅が10μm以下の細線となっても十分なめっき析出性及び金属めっき膜の密着性が維持されることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1)透明な基材フィルムと、該基材の片面又は両面に、導電性高分子微粒子、バインダー及び無機フィラーを含むパターン状に形成された塗膜層と、該塗膜層上に無電解めっき法により形成されたパターン状の金属めっき膜とを有してなる透明導電膜であって、
前記導電性高分子微粒子と前記バインダーの固形分比(質量比)は、1:0.25ないし1:10であり、前記バインダーと前記無機フィラーの固形分比(質量比)は、1:1.5ないし1:30であり、前記塗膜層の厚さは、0.1ないし1.5μmであり、前記無機フィラーは、カーボン粒子である透明導電膜。
(2)前記パターン状の金属めっき膜において形成される線の幅が、10μm以下となる前記(1)記載の透明導電膜、
(3)前記パターン状の金属めっき膜の表面が黒化処理されている前記(1)又は(2)
記載の透明導電膜、
(4)前記バインダーは、ポリエステル系樹脂又はメラミン系樹脂である前記(1)ないし(3)の何れか1つに記載の透明導電膜、
(5)前記(1)ないし(4)の何れか1つに記載の透明導電膜を用いるタッチパネル、に関する。
本発明により、金属めっき膜が形成されていない裏面からフィルムを見た場合でも視認性を確保でき、線幅が細線となっても十分なめっき析出性及び金属めっき膜の密着性を維持し得る透明導電膜が提供される。
本発明の透明導電膜のうち、金属めっき膜の表面が黒化処理されるものは、基材フィルムの両面に金属めっき膜が形成される場合にも良好な視認性を提供し得る。
また、本発明の透明導電膜を用いることにより、薄型で且つ大型のタッチパネルを提供することができる。
本発明の透明導電膜の1態様(片面のみに金属めっき膜を形成)を示す模式的な断面図である。 本発明の透明導電膜の別の態様(両面に金属めっき膜を形成)を示す模式的な断面図である。
更に詳細に本発明を説明する。
本発明の透明導電膜は、透明な基材フィルムと、該基材の片面又は両面に、導電性高分子微粒子、バインダー及び無機フィラーを含むパターン状に形成された塗膜層と、該塗膜層上に無電解めっき法により形成されたパターン状の金属めっき膜とを有してなる透明導電膜であって、
前記導電性高分子微粒子と前記バインダーの固形分比(質量比)は、1:0.25ないし1:10であり、前記バインダーと前記無機フィラーの固形分比(質量比)は、1:1.5ないし1:30であり、前記塗膜層の厚さは、0.1ないし1.5μmであり、前記無機フィラーは、カーボン粒子であることを特徴とする。
本発明の透明導電膜においては、パターン状の金属めっき膜の表面が黒化処理されているものが好ましい。
黒化処理としては、パターン状の金属めっき膜の表面を酸化処理又は硫化処理等することにより金属酸化物又は金属硫化物の被膜を形成する方法等が挙げられ、具体的には、CuO膜を形成すること等が挙げられる。
パターン状の金属めっき膜の表面が黒化処理された透明導電膜は、透明な基材フィルムの両面に金属めっき膜が形成される場合にも良好な視認性を提供し得る。
本発明の透明導電膜に使用し得る透明な基材フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリメチルメタクリレートフィルム等のアクリル系樹脂フィルム、ポリプロピレン系樹脂フィルム、シクロオレフィンポリマー系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリイミド系樹脂フィルム等が挙げられる。
コスト等の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が好ましい。
透明な基材フィルムの厚さは、5ないし200μmの範囲となるものが好ましく、12ないし100μmの範囲となるものがより好ましい。
透明な基材フィルム上に存在する塗膜層は、導電性高分子微粒子、バインダー及び無機フィラーを含む下地塗料を調製し、該下地塗料を用いて透明な基材フィルムの片面又は両面にパターン状に形成される。
下地塗料に含まれる導電性高分子微粒子としては、導電性を有するπ−共役二重結合を有する高分子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びそれらの各種誘導体が挙げられ、好ましくは、ポリピロールが挙げられる。
導電性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる導電性高分子微粒子を使用することもできる。
導電性高分子微粒子は、有機溶媒に分散された分散液として使用されるが、該導電性高分子微粒子は、分散液中における分散安定性を維持するために、固形分として該分散液の質量の15質量%以下(固形分比)となるようにするのが好ましい。
導電性高分子微粒子を分散する有機溶媒としては、例えば、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの混合物等が挙げられる。
下地塗料に含まれるバインダーとしては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンオキシド系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリ(N−ビニルカルバゾール)系樹脂、炭化水素系樹脂、ケトン系樹脂、フェノキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチルセルロース系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ABS系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、フォトレジスト用の感光性樹脂等が挙げられる。
好ましいバインダーとしては、ポリエステル系樹脂又はメラミン系樹脂が挙げられる。
導電性高分子微粒子とバインダーの固形分比(質量比)は、1:0.25ないし1:10の範囲となる。上記固形分比において、1:0.25よりもバインダーの固形分比が小さくなると金属めっき膜の密着性が低下して剥離が生じ易くなり、1:10よりもバインダーの固形分比が大きくなると、めっき析出性が低下してめっきが析出し難くなるため、好ましくない。
下地塗料に含まれる無機フィラーは、カーボン粒子であり、カーボン粒子としては、例えば、カーボンブラック等が挙げられる。
カーボン粒子としては、平均1次粒子径が1ないし100nmの範囲となるものが好ましい。
バインダーと無機フィラー(カーボン粒子)の固形分比(質量比)は、1:1.5ないし1:30の範囲である。上記固形分比において、1:1.5よりもカーボン粒子の固形分比が小さくなると金属めっき膜の光線反射を抑えることができなくなって視認性が低下し、1:30よりもカーボン粒子の固形分比が大きくなると、めっき析出性が低下してめっきが析出し難くなるため、好ましくない。
下地塗料は、上記成分に加えて溶媒を含み得る。
溶媒としては、特に限定されるものではないが、具体的には、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類、トルエン等の芳香族溶媒、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、シクロヘキサン等の環状飽和炭化水素類、n−オクタン等の鎖状飽和炭化水素類、メタノール、エタノール、n−オクタノール等の鎖状飽和アルコール類、安息香酸メチル等の芳香族エステル類、ジエチルエーテル等の脂肪族エーテル類及びこれらの
混合物等が挙げられる。
また、メチルセルソルブ等の多価アルコール誘導体溶媒、ミネラルスピリット等の炭化水素溶媒、ジヒドロターピネオール、D−リモネン等のテルペン類に分類される溶媒を用いることもできる。
下地塗料は、金属めっき膜の光線反射を更に抑えるために、黒色インク又は暗色インクを加えることも可能である。
更に、下地塗料は用途や塗布対象物等の必要に応じて、分散安定剤、増粘剤、インキバインダ等の樹脂を加えることも可能である。
下地塗料は、上述の成分を含むことにより、その溶液の粘度を50cps以上とすることが好ましい。
上記粘度が50cps未満となる場合、汎用の印刷機、例えば、スクリーン印刷法、スクリーンオフセット法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インプリント印刷法、反転印刷法、インクジェット印刷法等による印刷パターンの印刷精度が低下することがあるためである。
下地塗料を用いて透明な基材フィルムにパターン状に塗膜層を形成する方法としては、透明な基材フィルムに下地塗料をパターン印刷する方法、透明な基材フィルムに下地塗料を全面印刷し、フォトレジストを塗布し、露光、現像、エッチングした後にフォトレジストを剥離してパターン状の塗膜層を形成する方法、透明な基材フィルムに下地塗料を全面印刷し、マスクパターンを介して紫外線やレーザー等を照射して不要な部位を除去することにより、パターン状の塗膜層を形成する方法等が挙げられる。
上記に加えて、バインダーとしてフォトレジスト用の感光性樹脂を用いて下地塗料を調製しておき、該下地塗料を透明な基材フィルムに全面印刷し、露光、現像、エッチングしてパターン状の塗膜層を形成する方法を採用することもできる。
尚、透明な基材フィルムの両面にパターン状に塗膜層を形成する場合は、上記の操作を繰り返すことにより達成され得る。
下地塗料を用いるパターン印刷としては、特に限定されるものではなく、例えば、スクリーン印刷法、スクリーンオフセット法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、フレキソ印刷法、インプリント印刷法、反転印刷法、インクジェット印刷法等が挙げられ、また、印刷方法は、各印刷機を用いる通常の印刷法によって行うことができる。
フォトレジストを用いてパターン状の塗膜層を形成する方法におけるフォトレジストは、ネガ型、ポジ型の何れを用いることができ、また、あらゆる露光波長用のフォトレジストを用いることができる。
紫外線やレーザー等の照射によりパターン状の塗膜層を形成する方法における紫外線の光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、殺菌灯等の一般的に用いられる光源を用いることができ、また、その際の照射エネルギーは、400J/cm2以上であるのが好ましい。
上記のようにして製造された、パターン化された塗膜層において形成される線の幅は、通常、10μm以下となる。
製造された、パターン化された塗膜層の厚さは、0.1ないし1.5μmの範囲とする。塗膜層の厚さが0.1μm未満になると、めっき析出性が低下してめっきが析出し難くなり、塗膜層の厚さが1.5μmを超えると、細線パターン(線幅10μm以下)を形成することが困難となるため、好ましくない。
上記のようにして製造された、パターン化された塗膜層が形成された透明な基材フィルムを脱ドープ処理して、塗膜層中の導電性高分子微粒子を還元性とした後、無電解めっき法によりパターン状の金属めっき膜を設け、必要に応じて金属めっき膜の表面を黒化処理
することにより、本発明の透明導電膜を製造することができる。
脱ドープ処理としては、上記のようにして製造された、パターン化された塗膜層が形成された透明な基材フィルムを、還元剤、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、ジエチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン等のアルキルアミンボラン、及び、ヒドラジン等を含む溶液で処理して還元する方法、又は、アルカリ性溶液で処理する方法が挙げられる。
操作性及び経済性の観点からアルカリ性溶液で処理するのが好ましい。
特に、導電性高分子微粒子を含む塗膜層は1.5μm以下と非常に薄いものであるため、緩和な条件下で短時間のアルカリ処理により脱ドープを達成することが可能である。
例えば、1M 水酸化ナトリウム水溶液中で、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃の温度で、1ないし30分間、好ましくは3ないし10分間処理される。
無電解めっき法としては、通常知られた方法に従って行うことができる。
即ち、前記ドープ処理された透明な基材フィルムを塩化パラジウム等の触媒金属を付着させるための触媒液に浸漬した後、水洗等を行い、無電解めっき浴に浸漬することにより金属めっき膜を設けることができる。
触媒液は、無電解めっきに対する触媒活性を有する貴金属(触媒金属)を含む溶液であり、触媒金属としては、パラジウム、金、白金、ロジウム等が挙げられ、これら金属は単体でも化合物でもよく、触媒金属を含む安定性の点からパラジウム化合物が好ましく、その中でも塩化パラジウムが特に好ましい。
好ましい、具体的な触媒液としては、0.05%塩化パラジウム−0.005%塩酸水溶液(pH3)が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、0.1ないし20分、好ましくは、1ないし10分である。
上記の操作により、ドープ処理により還元性とされた微粒子は、該微粒子上に触媒金属が吸着され、結果的に、導電性高分子微粒子となる。
上記で処理された透明な基材フィルムは、金属を析出させるためのめっき液に浸され、これによりパターン状の金属めっき膜が形成される。
めっき液としては、通常、無電解めっきに使用されるめっき液であれば、特に限定されない。
即ち、無電解めっきに使用できる金属、銅、金、銀、ニッケル等、全て適用することができるが、銅が好ましい。
無電解銅めっき浴の具体例としては、例えば、ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業(株)社製)等が挙げられる。
処理温度は、20ないし50℃、好ましくは30ないし40℃であり、処理時間は、1ないし30分、好ましくは、5ないし15分である。
得られためっき物は、使用した基材のTgより低い温度範囲において、数時間以上、例えば、2時間以上養生するのが好ましい。
形成されるパターン状の金属めっき膜の厚さは、100ないし2000nmの範囲とするのが好ましく、200ないし500nmの範囲とするのがより好ましい。
また、必要に応じて、無電解めっき法により形成されたパターン状の金属めっき膜上に、電解めっき法による金属めっき膜を形成してもよい。
パターン状の金属めっき膜表面の黒化処理は、酸化処理(例えば、亜塩素酸ナトリウム、水酸化ナトリウム及びリン酸三ナトリウムの水溶液を用いる酸化処理)等を行って、例えば、CuO膜を形成することにより達成され得る。
上記の製造方法により、本発明の透明導電膜を製造することができるが、本発明の透明導電膜はまた、還元性高分子微粒子、バインダー及び無機フィラーを含む下地塗料を調製し、該下地塗料を用いて透明な基材フィルムの片面又は両面にパターン状の塗膜層を形成し、脱ドープ処理を行うこと無しに、無電解めっき法によりパターン状の金属めっき膜を設け、必要に応じて金属めっき膜の表面を黒化処理することによっても製造し得る。
上記下地塗料は、前述の導電性高分子微粒子を含む下地塗料における導電性高分子微粒子を、還元性高分子微粒子に置き換えることにより容易に調製することができる。
還元性高分子微粒子としては、0.01S/cm未満の導電率を有するπ−共役二重結合を有する高分子であれば特に限定されないが、例えば、ポリアセチレン、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン及びそれらの各種誘導体が挙げられ、好ましくは、ポリピロールが挙げられる。
また、還元性高分子微粒子としては、0.005S/cm以下の導電率を有する高分子微粒子が好ましい。
還元性高分子微粒子は、π−共役二重結合を有するモノマーから合成して使用する事ができるが、市販で入手できる還元性高分子微粒子を使用することもできる。
還元性高分子微粒子は、有機溶媒に分散された分散液として使用されるが、該還元性高分子微粒子は、分散液中における分散安定性を維持するために、固形分として該分散液の質量の15質量%以下(固形分比)となるようにするのが好ましい。
還元性高分子微粒子を分散する有機溶媒としては、前述の導電性高分子微粒子を分散する有機溶媒と同様のものを用いることができる。
上記下地塗料における還元性高分子微粒子以外の成分(バインダー、無機フィラー等)の種類、添加量等は、前述の導電性高分子微粒子を含む下地塗料と同様である。
上記の還元性高分子微粒子を用いる製造方法において、パターン状に塗膜層を形成する方法、無電解めっき法による金属めっき膜の形成方法及び黒化処理の方法は、上述の導電性高分子微粒子を用いる透明導電膜の製造方法と同様に行うことができる。
本発明の透明導電膜はまた、上記の製造方法に加えて、以下の方法でも製造することができる。
a)還元性高分子微粒子、バインダー及び無機フィラー(カーボン粒子)を含む下地塗料を調製し、該下地塗料を用いて透明な基材フィルムの片面又は両面の全面に塗膜層を形成し、無電解めっき法により金属めっき膜を設け、該金属めっき膜上にフォトレジストを塗布し、露光、現像、エッチングした後にフォトレジストを剥離して塗膜層及び金属めっき膜をパターン状とし、必要に応じて金属めっき膜の表面を黒化処理する。
b)導電性高分子微粒子、バインダー及び無機フィラー(カーボン粒子)を含む下地塗料を調製し、該下地塗料を用いて透明な基材フィルムの片面又は両面の全面に塗膜層を形成し、形成された塗膜層中の導電性高分子微粒子を脱ドープ処理して還元性とした後、無電解めっき法により金属めっき膜を設け、該金属めっき膜上にフォトレジストを塗布し、露光、現像、エッチングした後にフォトレジストを剥離して塗膜層及び金属めっき膜をパターン状とし、必要に応じて金属めっき膜の表面を黒化処理する。
上記のフォトレジストとしては、ネガ型、ポジ型の何れを用いることができ、また、あらゆる露光波長用のフォトレジストを用いることができる。
上記の製造方法により、結果として、透明な基材フィルムと、該基材の片面又は両面に、導電性高分子微粒子、バインダー及び無機フィラーを含むパターン状に形成された塗膜層と、該塗膜層上に無電解めっき法により形成されたパターン状の金属めっき膜とを有してなる透明導電膜であって、
前記導電性高分子微粒子と前記バインダーの固形分比(質量比)は、1:0.25ないし1:10であり、前記バインダーと前記無機フィラーの固形分比(質量比)は、1:1.5ないし1:30であり、前記塗膜層の厚さは、0.1ないし1.5μmであり、前記無機フィラーは、カーボン粒子である透明導電膜が製造されることになる。
得られた透明導電膜の金属めっき膜における導電率は、1.0Ω/□以下となる。
また、該金属めっき膜において形成される線の幅は視認性の観点から、10μm以下となる。
また、本発明の透明導電膜は、視認性の観点から、380〜780nmにおける平均光線反射率を10%以下とするのが好ましい。
ここで、平均光線反射率の評価は、金属めっき膜が細線メッシュとして形成された本発明の透明導電膜自体での評価が難しいため、本発明品と同条件で塗膜層を全面印刷にて形成し、無電解めっき処理を行って、面全体に金属めっき膜が形成された透明の基材フィルムの平均光線反射率を測定し、得られた値を本発明の透明導電膜の平均光線反射率と見做すことにより行った。この評価方法は、一般的なタッチパネルメーカーが行っている評価方法と同じものであり、一般的には、測定された反射率が10%以下となると良好な視認性とされており、より好ましくは、5%以下とされている。
本発明の透明導電膜の態様を図面(図1、図2)を用いて説明する。
図1に、片面のみに金属めっき膜が形成された透明導電膜1の模式的な断面図を示した。
透明導電膜1は、透明な基材フィルム2と、該基材の片面に、導電性高分子微粒子、バインダー及びカーボン粒子を含むパターン状に形成された塗膜層3と、該塗膜層上に無電解めっき法により形成された金属めっき膜4とを有してなる。
図2に、両面に金属めっき膜が形成された透明導電膜5の模式的な断面図を示した。
透明導電膜5は、透明な基材フィルム2と、該基材の両面に、導電性高分子微粒子、バインダー及びカーボン粒子を含むパターン状に形成された塗膜層3と、該塗膜層上に無電解めっき法により形成された金属めっき膜4とを有し、該金属めっき膜4の表面には、黒化処理膜6が形成されている。
本発明はまた、上記の透明導電膜を用いるタッチパネルにも関する。
本発明のタッチパネルは、薄型化を可能とする透明な樹脂フィルムを基板とする低抵抗(1.0Ω/□以下)である透明導電膜を用いるものであるため、薄型で且つ大型のタッチパネルに対応し得るものである。
以下に、塗膜層を形成するために使用され得る導電性又は還元性の高分子微粒子を製造するための具体的な方法を記載する。
(1)還元性高分子微粒子の製造方法
還元性高分子微粒子は、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造することができる。
π−共役二重結合を有するモノマーとしては、還元性高分子を製造するために使用されるモノマーであれば特に限定されないが、例えば、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3−メチルピロール、N−メチル−3−エチルピロール、N−フェニル−3−メチルピロール、N−フェニル−3−エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3
−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール及び3−フェニルナフチルアミノピロール等のピロール誘導体、アニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、o−メトキシアニリン、m−メトキシアニリン、p−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン、m−エトキシアニリン、p−エトキシアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン及びp−メチルアニリン等のアニリン誘導体、チオフェン、3−メチルチオフェン、3−n−ブチルチオフェン、3−n−ペンチルチオフェン、3−n−ヘキシルチオフェン、3−n−ヘプチルチオフェン、3−n−オクチルチオフェン、3−n−ノニルチオフェン、3−n−デシルチオフェン、3−n−ウンデシルチオフェン、3−n−ドデシルチオフェン、3−メトキシチオフェン、3−ナフトキシチオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等のチオフェン誘導体が挙げられ、好ましくは、ピロール、アニリン、チオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
また前記製造に用いるアニオン系界面活性剤としては、種々のものが使用できるが、疎水性末端を複数有するもの(例えば、疎水基に分岐構造を有するものや、疎水基を複数有するもの)が好ましい。このような疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤を使用することにより、安定したミセルを形成させることができ、重合後において水相と有機溶媒相との分離がスムーズであり、有機溶媒相に分散した還元性高分子微粒子が入手し易い。
疎水性末端を複数有するアニオン系界面活性剤の中でも、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルナトリウム(疎水性末端4つ)、スルホコハク酸ジ−2−エチルオクチルナトリウム(疎水性末端4つ)および分岐鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩(疎水性末端2つ)が好適に使用できる。
反応系中でのアニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し0.05mol未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.005mol〜0.03molである。0.05mol以上では添加したアニオン性界面活性剤がドーパントとして作用し、得られる微粒子は導電性を発現するため、これを用いて無電解めっきを行うためには脱ドープの工程が必要となる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、アルキルグルコシド類、グリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビダン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類が挙げられる。これらを一種類または複数混ぜて使用してもよい。特に安定的にO/W型エマルションを形成するものが好ましい。
反応系中でのノニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し、アニオン系界面活性剤と足して0.2mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.15molである。0.05mol未満では収率や分散安定性が低下し、一方、0.2mol以上では重合後において、水相と有機溶媒相との分離が困難になり、有機溶媒相にある還元性高分子微粒子を得る事ができなくなる事から好ましくない。
前記製造において乳化液の有機相を形成する有機溶媒は疎水性であることが好ましい。なかでも、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンは、O/W型エマルションの安定性およびπ−共役二重結合を有するモノマーとの親和性の観点から好ましい。両性溶媒でもπ−共役二重結合を有するモノマーの重合を行うことはできるが、生成した還元性高
分子微粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になる。
乳化液における有機相と水相との割合は、水相が75体積%以上であることが好ましい。水相が20体積%以下ではπ−共役二重結合を有するモノマーの溶解量が少なくなり、生産効率が悪くなる。
前記製造で使用する酸化剤としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸およびクロロスルホン酸のような無機酸、アルキルベンゼンスルホン酸およびアルキルナフタレンスルホン酸のような有機酸、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムおよび過酸化水素のような過酸化物が使用できる。これらは単独で使用しても、二種類以上を併用してもよい。塩化第二鉄等のルイス酸でもπ−共役二重結合を有するモノマーを重合できるが、生成した粒子が凝集し、微分散できない場合がある。特に好ましい酸化剤は、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩である。
反応系中での酸化剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、ポリマー微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上では凝集してポリマー微粒子の粒径が大きくなり、分散安定性が悪化する。
前記ポリマー微粒子の製造方法は、例えば以下のような工程で行われる:
(a)アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合させる工程、
(d)有機相を分液しポリマー微粒子を回収する工程。
前記各工程は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。例えば、乳化液の調製時に行う混合攪拌は、特に限定されないが、例えばマグネットスターラー、攪拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。また重合温度は0〜25℃で、好ましくは20℃以下である。重合温度が25℃を越えると副反応が起こるので好ましくない。
酸化重合反応が停止されると、反応系は有機相と水相の二相に分かれるが、この際に未反応のモノマー、酸化剤および塩は水相中に溶解して残存する。ここで有機相を分液回収し、イオン交換水で数回洗浄すると、有機溶媒に分散した還元性高分子微粒子を入手することができる。
上記の製造法により得られるポリマー微粒子は、主としてπ−共役二重結合を有するモノマー誘導体のポリマーよりなり、そしてアニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を含む微粒子である。そしてその特徴は、微細な粒径を有し、有機溶媒中で分散可能であることである。
ポリマー微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径は、10〜100nmとするのが好ましい。
上記のように平均粒径の小さな微粒子にすることで、微粒子の表面積が極めて大きくなり、同一質量の微粒子でも、より多くの触媒金属を吸着できるようになり、それにより塗膜層の薄膜化が可能となる。
得られたポリマー微粒子の導電率は0.01S/cm未満であり、好ましくは、0.005S/cm以下である。
こうして得られた有機溶媒に分散した還元性高分子微粒子は、そのままで、下地塗料の還元性高分子微粒子成分として使用することができる。
(2)導電性高分子微粒子の製造方法
使用する導電性高分子微粒子は、例えば、有機溶媒と水とアニオン系界面活性剤とを混合撹拌してなるO/W型の乳化液中に、π−共役二重結合を有するモノマーを添加し、該モノマーを酸化重合することにより製造することができる。
π−共役二重結合を有するモノマー及びアニオン系界面活性剤としては還元性微粒子の製造の際に例示したものと同様のものが挙げられるが、好ましくは、ピロール、アニリン、チオフェン及び3,4−エチレンジオキシチオフェン等が挙げられ、より好ましくはピロールが挙げられる。
反応系中でのアニオン系界面活性剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対し0.2mol未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.05mol〜0.15molである。0.05mol未満では収率や分散安定性が低下し、一方、0.2mol以上では得られた導電性高分子微粒子に導電性の湿度依存性が生じてしまう場合がある。
前記製造において乳化液の有機相を形成する有機溶媒は疎水性であることが好ましい。なかでも、芳香族系の有機溶媒であるトルエンやキシレンは、O/W型エマルションの安定性およびモノマーとの親和性の観点から好ましい。両性溶媒でもπ−共役二重結合を有するモノマーの重合を行うことはできるが、生成した導電性高分子微粒子を回収する際の有機相と水相との分離が困難になる。
乳化液における有機相と水相との割合は、水相が75体積%以上であることが好ましい。水相が20体積%以下ではπ−共役二重結合を有するモノマーの溶解量が少なくなり、生産効率が悪くなる。
前記製造で使用する酸化剤としては、還元性微粒子の製造の際に例示したものと同様のものが挙げられるが、特に好ましい酸化剤は、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩である。
反応系中での酸化剤の量は、π−共役二重結合を有するモノマー1molに対して0.1mol以上、0.8mol以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.2〜0.6molである。0.1mol未満ではモノマーの重合度が低下し、導電性高分子微粒子を分液回収することが困難になり、一方、0.8mol以上では凝集して導電性高分子微粒子の粒径が大きくなり、分散安定性が悪化する。
前記導電性高分子微粒子の製造方法は、例えば以下のような工程で行われる:
(a)アニオン系界面活性剤、有機溶媒および水を混合攪拌し乳化液を調製する工程、
(b)π−共役二重結合を有するモノマーを乳化液中に分散させる工程、
(c)モノマーを酸化重合しアニオン系界面活性剤にポリマー微粒子を接触吸着させる工程、
(d)有機相を分液し導電性高分子微粒子を回収する工程。
前記各工程は、当業者に既知である手段を利用して行うことができる。例えば、乳化液の調製時に行う混合攪拌は、特に限定されないが、例えばマグネットスターラー、攪拌機、ホモジナイザー等を適宜選択して行うことができる。また重合温度は0〜25℃で、好ましくは20℃以下である。重合温度が25℃を越えると副反応が起こるので好ましくない。
酸化重合反応が停止されると、反応系は有機相と水相の二相に分かれるが、この際に未反応のモノマー、酸化剤および塩は水相中に溶解して残存する。ここで有機相を分液回収し、イオン交換水で数回洗浄すると、有機溶媒に分散した導電性高分子微粒子を入手することができる。
上記の製造法により得られる導電性高分子微粒子は、主としてπ−共役二重結合を有するモノマー誘導体よりなり、そしてアニオン系界面活性剤を含む微粒子である。そしてその特徴は、微細な粒径と、有機溶媒中で分散可能であることである。
ポリマー微粒子は球形の微粒子となるが、その平均粒径は、10〜100nmとするのが好ましい。
上記のように平均粒径の小さな微粒子にすることで、微粒子の表面積が極めて大きくなり、同一質量の微粒子でも、脱ドープ処理して還元性とした際に、より多くの触媒金属を吸着できるようになり、それにより塗膜層の薄膜化が可能となる。
こうして得られた有機溶媒に分散した導電性高分子微粒子は、そのままで、下地塗料の導電性高分子微粒子成分として使用することができる。
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
製造例1:導電性ポリピロール塗料の製造
アニオン性界面活性剤ペレックスOT−P(花王株式会社製)1.5mmol、トルエン10mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した導電性ポリピロール微粒子を得た。尚、得られたトルエン分散液中の導電性ポリピロール微粒子の固形分は、約5.0%であった。
ここに、バインダーとしてバイロン(VYLON)23CS(非晶質ポリエステル樹脂:東洋紡績株式会社製)とカーボン粒子:ブラック#5500(カーボンブラック:東海カーボン株式会社製)とを、バインダー:カーボン粒子=1:10となるように配合し、ビーズ入りホモミキサーにて分散させた。
次に、調製した導電性ポリピロール微粒子分散液(固形分5%)に、前記で調製したバインダー及びカーボン粒子を含む分散液を、固形分比(質量比)が導電性高分子微粒子:バインダーの質量比が1:1となるように加え、さらに最終固形分が25%となるように、シクロヘキサノンを混合することにより塗料を得た。
製造例1で製造した塗料と同様の操作で、バインダー:カーボン粒子の質量比及び導電性高分子微粒子:バインダーの質量比が異なる塗料を別途調製した。
製造例2:還元性ポリピロール塗料の製造
アニオン性界面活性剤ペレックスOT−P(花王株式会社製)0.42mmol、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系ノニオン界面活性剤エマルゲン409P(花王株式会社製)2.1mmol、トルエン10mL、イオン交換水100mLを加えて20℃に保持しつつ乳化するまで撹拌した。得られた乳化液にピロールモノマー21.2mmolを加え、1時間撹拌し、次いで過硫酸アンモニウム6mmolを加えて2時間重合反応を行った。反応終了後、有機相を回収し、イオン交換水で数回洗浄して、トルエンに分散した還元性能を有する還元性ポリピロール微粒子を得た。尚、得られたトルエン分散液中の還元性ポリピロール微粒子の固形分は、5.0%であった。
ここに、バインダーとしてバイロン(VYLON)23CS(非晶質ポリエステル樹脂
:東洋紡績株式会社製)とカーボン粒子:ブラック#5500(カーボンブラック:東海カーボン株式会社製)とを、バインダー:カーボン粒子=1:10となるように配合し、ビーズ入りホモミキサーにて分散させた。
次に、調製した還元性ポリピロール微粒子分散液(固形分5%)に、前記で調製したバインダー及びカーボン粒子を含む分散液を、固形分比(質量比)が還元性高分子微粒子:バインダーの質量比が1:1となるように加え、さらに最終固形分が25%となるように、シクロヘキサノンを混合することにより塗料を得た。
実施例1
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(コスモシャインA4100:東洋紡績株式会社製)に、製造例1で調製した塗料を、グラビアオフセット印刷機にて、L/S=6μm/294μmとなるように膜厚を0.5μmで印刷し、その後、120℃で10分間乾燥して、塗膜層が形成された軟質フィルムを製造した。
上記で作成した塗膜層が形成されたフィルムを、1M水酸化ナトリウム溶液に35℃で5分間浸漬して表面処理を行った。次に、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液中に35℃で5分間浸漬後、イオン交換水で水洗した。次に、該フィルムを無電解銅めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業株式会社製)に浸漬して、35℃で所定の時間浸漬し、銅めっきを施すことにより、透明導電膜を得た。
実施例2
塗膜層の膜厚を1.5μmとした以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、透明導電膜を得た。
実施例3
塗膜層の膜厚を0.1μmとした以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、透明導電膜を得た。
実施例4
導電性高分子微粒子:バインダーの質量比(固形分)を1:0.25とし、バインダー:カーボン粒子=0.25:2.5となるように配合した塗料を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、透明導電膜を得た。
実施例5
導電性高分子微粒子:バインダーの質量比(固形分)を1:10とし、バインダー:カーボン粒子=10:30となるように配合した塗料を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、透明導電膜を得た。
実施例6
バインダー:カーボン粒子=1:1.5となるように配合した塗料を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、透明導電膜を得た。
実施例7
バインダー:カーボン粒子=1:30となるように配合した塗料を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、透明導電膜を得た。
実施例8
バインダーであるバイロン(VYLON)23CS(非晶質ポリエステル樹脂:東洋紡績株式会社製)に代えて、スーパーベッカミンJ-820:メラミン系(大日本インキ化学工業株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、透明導電膜を得た。
実施例9
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(コスモシャインA4100:東洋紡績株式会社製)に、製造例2で調製した塗料を、グラビアオフセット印刷機にて、L/S=6μm/294μmとなるように膜厚を0.5μmで印刷し、その後、120℃で10分間乾燥して、塗膜層が形成された軟質フィルムを製造した。
上記で作成した塗膜層が形成されたフィルムを、0.02%塩化パラジウム−0.01%塩酸水溶液中に35℃で5分間浸漬後、イオン交換水で水洗した。次に、該フィルムを無電解銅めっき浴 ATSアドカッパーIW浴(奥野製薬工業株式会社製)に浸漬して、35℃で所定の時間浸漬し、銅めっきを施すことにより、透明導電膜を得た。
比較例1
塗膜層の膜厚を2.0μmとした以外は、実施例1と同様の操作を行ったが、形成された細線パターンは不良であった。
比較例2
塗膜層の膜厚を0.05μmとした以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、透明導電膜を得た。
比較例3
導電性高分子微粒子:バインダーの質量比(固形分)を1:0.1とし、バインダー:カーボン粒子=0.1:3となるように配合した塗料を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、透明導電膜を得た。
比較例4
導電性高分子微粒子:バインダーの質量比(固形分)を1:15とし、バインダー:カーボン粒子=15:45となるように配合した塗料を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、透明導電膜を得た。
比較例5
バインダー:カーボン粒子=1:1となるように配合した塗料を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、透明導電膜を得た。
比較例6
バインダー:カーボン粒子=1:40となるように配合した塗料を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行うことにより、透明導電膜を得た。
試験例1
実施例1〜9及び比較例1〜6で製造した透明導電膜のめっき析出性、密着性及び光線反射率を評価して表1に示した。
尚、評価方法及び評価基準は以下に示した通りである。
また、表1中、A1、A2、B1及びB2は以下を意味する。
A1:導電性ポリピロール
A2:還元性ポリピロール
B1:バイロン(VYLON)23CS(非晶質ポリエステル樹脂:東洋紡績株式会社製)
B2:スーパーベッカミンJ-820:メラミン系(大日本インキ化学工業株式会社製)
<めっき析出性>
評価方法
得られためっき膜を抵抗率試験器(商品名:Loresta HP(MCP−T410
、三菱化学株式会社製))を用い、20×25mmに切り出した膜を測定することにより、導電率を測定した。
評価基準
◎:めっき時間20分以内に1.0Ω/□以下となった。
○:めっき時間20〜40分で1.0Ω/□以下となった。
×:めっき時間40分で1.0Ω/□を超える。
<密着性>
評価方法
JIS H8504に基づいてテープ試験により引き剥がし試験を実施した。引き剥がし試験を合格したものに関しては、2mmの正方形ができるように素地まで達する条痕を作り、テープ試験を実施した(碁盤目試験)。引き剥がしたテープの粘着面に、めっきの付着があった場合は不合格とした。
評価基準
◎:碁盤目試験合格
○:テープ試験合格、碁盤目試験不合格
×:テープ試験不合格
<光線反射率>
試験方法
各実施例及び比較例で使用した塗料を、PETフィルムの全面に塗工して、各実施例及び比較例と同様の膜厚の塗膜層を形成し、無電解めっき処理を行った後に、自記分光光度計(V−570 日本分光株式会社製)にて、380〜780nmにおける平均光線反射率を測定した。
評価基準
◎:1〜5%
○:5〜10%
×:10%を超える
Figure 0006216646
1:透明導電膜(片面のみに金属めっき膜を形成)
2:透明な基材フィルム
3:塗膜層
4:金属めっき膜
5:透明導電膜(両面に金属めっき膜を形成)
6:黒化処理膜

Claims (5)

  1. 透明な基材フィルムと、該基材の片面又は両面に、導電性高分子微粒子、バインダー及び無機フィラーを含むパターン状に形成された塗膜層と、該塗膜層上に無電解めっき法により形成されたパターン状の金属めっき膜とを有してなる透明導電膜であって、
    前記導電性高分子微粒子と前記バインダーの固形分比(質量比)は、1:0.25ないし1:10であり、前記バインダーと前記無機フィラーの固形分比(質量比)は、1:1.5ないし1:30であり、前記塗膜層の厚さは、0.1ないし1.5μmであり、前記無機フィラーは、カーボン粒子である透明導電膜。
  2. 前記パターン状の金属めっき膜において形成される線の幅が、10μm以下となる請求項1記載の透明導電膜。
  3. 前記パターン状の金属めっき膜の表面が黒化処理されている請求項1又は2記載の透明導電膜。
  4. 前記バインダーは、ポリエステル系樹脂又はメラミン系樹脂である請求項1ないし3の何れか1項に記載の透明導電膜。
  5. 請求項1ないし4の何れか1項に記載の透明導電膜を用いるタッチパネル。
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