JP2014054760A - 導電性フィルム、タッチパネル、及び、表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】面方向リタデーション(R0)値が、+50nm≧R0≧−50nmを満たす熱可塑性樹脂からなる基板11と、基板11上に形成された銀を主成分とする透明導電層とを備える導電性フィルム10を構成する。
【選択図】図1
Description
また、低抵抗、高耐久の銀薄膜を用いた透明導電性フィルムの技術が開示されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)。
しかし、この技術においても、透過率、抵抗値、画像視認性、経時安定性を両立することができていない。
また、銀薄膜を用いた透明導電性フィルムの技術においても、透過率、抵抗値、画像視認性、経時安定性を両立することができていない。
本発明のタッチパネルは、上記導電性フィルムを電極として備える。
本発明の表示装置は、上記タッチパネルと、このタッチパネルに重ねて配置された表示パネルとを備える。
また、この導電性フィルムを備えることにより、低抵抗且つ高透過率を有し、経時安定性に優れるタッチパネル、及び、表示装置を構成することができる。
1.導電性フィルム
2.導電性フィルムの変形例(中間層を設けた例)
3.タッチパネル(透明基板上に二層の透明導電層を設けた構成)
4.タッチパネルの変形例1(2枚の透明基板を用いた構成)
5.タッチパネルの変形例2(透明基板の両面に一層ずつ透明電極を設けた構成)
6.タッチパネルの変形例3(透明基板の同一平面上に2パターンの透明電極を設けた構成)
7.表示装置(タッチパネルを用いた構成)
以下本発明の導電性フィルムの具体的な実施の形態について説明する。
図1に、本実施の形態の導電性フィルムの概略構成図(断面図)を示す。図1に示すように、導電性フィルム10は、基板11上に、透明電極12として透明導電層が設けられた構成である。
基板11は、例えば表示パネルの前面板を兼ねていてもよい。このような透明基板11としては、熱可塑性樹脂からなる樹脂フィルムを用いることができる。
基板11には、面方向リタデーション(R0値)が下記式(1)を満たす熱可塑性樹脂を用いる。
+50nm≧R0≧−50nm ・・・(1)
また、好ましくは、面方向リタデーション(R0値)が下記式(2)を満たす熱可塑性樹脂を用いる。
+20nm≧R0≧−20nm ・・・(2)
さらに好ましくは、面方向リタデーション(R0値)が下記式(2)を満たす熱可塑性樹脂を用いる。
+5nm≧R0≧−5nm ・・・(2)
基板の面内リタデーション値は自動複屈折率測定装置(王子計測機器(株)製、商品名KOBRA−21ADH)を用いて測定することができるが、これに限定されるものではない。
なかでもセルロースアシレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、環状オレフィン系、ノルボルネン系樹脂が好ましい。
セルロースアシレート樹脂としては、平均アシル基置換度が2.6以上3.0以下であることが好ましい。
また、樹脂フィルムは、幅手方向の寸法が0.3m以上、長手方向の寸法が200m以上とすることができる。このため、導電性フィルムを長手方向に巻回することにより、ロール状の導電性フィルムとすることができる。
また、導電性フィルムは、カーナビゲーション用タッチパネルやスマートフォンやタブレットと呼ばれる携帯用画像表示機器等においても多く使用されている。こうしたタッチパネルは屋外で使用されることが多く、その表示表面が反射して視認性が低下する。このため、タッチパネル表面の反射を抑えるために、偏光フィルム等が用いられることが多い。しかし、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)では、面方向リタデーション(R0値)が大きく、偏光フィルムを通して視認したタッチパネル表面画面は色むらが生じるという問題があった。
このため、PET等の基板を用いた場合には、色むらを解消する目的で、λ/4波長板等の光学機能フィルムが導電性フィルムに合わせて設けられている。このような光学機能フィルムを用いることにより、デバイスの視認性を向上させている。
透明導電層12は、光透過性を保てる程度、かつ、照射された光がプラズモン損失されない程度に極薄い金属膜である。さらに、透明導電層は、導電性を有する程度に連続した金属膜である。具体的には、波長550nmにおける光透過率が60%以上であることが好ましく、特に80%以上であることが好ましく、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。また、膜厚が1〜30nm、好ましくは1〜20nmであり、シート抵抗が0.0001〜50Ω/□、好ましくは0.01〜40Ω/□である。膜厚が上記範囲以下であることにより、層の吸収成分又は反射成分が低く抑えられ、光透過率が維持されるため好ましい。また、膜厚が上記範囲以上であることにより、導電性も確保される。
次に、導電性フィルムの変形例について説明する。
図2に変形例の導電性フィルムの概略構成図(断面図)を示す。図2に示すように、導電性フィルム10は、基板11上に、透明電極12が設けられた構成である。透明電極12は、中間層13と、この中間層13上に設けられた透明導電層14とを備える。なお、図2に示す導電性フィルムの変形例は、中間層13を備えることを除き、上述の導電性フィルムの実施形態と同様の構成である。このため、第1実施形態と同様の構成には、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
中間層13は、接着層や窒素含有層等から構成される。中間層13は、接着層、又は、窒素含有層のいずれか一方を含んで構成されていることが好ましい。また、接着層、及び、窒素含有層の両方を含んで構成されていてもよい。また透明導電層が、複数の層に分けて積層された構成の場合、導電層と中間層が交互に複数回積層された構成であってもよい。
接着層は、チタン、白金、パラジウム、コバルト、ニッケル、モリブデン等の原子を含む化合物から構成された層であり、透明電極層14若しくは窒素含有層に隣接して設けられる。接着層は、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法等のウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタ法、CVD法等のドライプロセスを用いる方法等によって形成される。なかでも酸化チタンを用い、蒸着法により形成されることが好ましい。
窒素含有層は、窒素原子を含んだ化合物を用いて構成された層であり、透明導電層14に隣接して設けられる。窒素含有層は、基板11上に形成される場合、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法などのウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法など)、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスを用いる方法等によって形成される。なかでも蒸着法が好ましく適用される。
また、窒素原子を含有する化合物としては、次のような化合物1〜3が例示される。
窒素含有層を構成する化合物の一例として、当該化合物に含有される窒素原子のうち、特に透明導電層14を構成する主材料である銀と安定的に結合する窒素原子の非共有電子対を[有効非共有電子対]とし、この[有効非共有電子対]の含有率が所定範囲である化合物が好ましく用いられる。
これに対して、ある窒素原子が芳香環を構成するヘテロ原子でない場合であっても、その窒素原子の非共有電子対の全てが芳香族性に関与していれば、その窒素原子の非共有電子対は[有効非共有電子対]としてカウントされることはない。尚、各化合物において、上述した[有効非共有電子対]の数nは、[有効非共有電子対]を有する窒素原子の数と一致する。
窒素含有層を構成する化合物の他の例として、以上のような有効非共有電子対含有率[n/M]が上述した所定範囲である化合物の他、その形成性の観点から、以降に説明する一般式(1)〜(6)で表される化合物が用いられる。
窒素含有層を構成する化合物のさらに他の例として、以上のような一般式(1)〜(6)で表される化合物の他、下記に具体例を示す化合物1〜118が例示される。これらの化合物は、化合物の安定性が高いため、好ましい。尚、これらの化合物1〜118の中には、上述した有効非共有電子対含有率[n/M]の範囲に当てはまる化合物も含まれ、このような化合物であれば単独で窒素含有層を構成する化合物として好ましく用いられる。さらに、これらの化合物1〜118の中には、上述した一般式(1)〜(6)に当てはまる化合物もある。
以下に代表的な化合物の合成例として、化合物5の具体的な合成例を示すが、これに限定されない。
窒素雰囲気下、2,8−ジブロモジベンゾフラン(1.0モル)、カルバゾール(2.0モル)、銅粉末(3.0モル)、炭酸カリウム(1.5モル)を、DMAc(ジメチルアセトアミド)300ml中で混合し、130℃で24時間撹拌した。これによって得た反応液を室温まで冷却後、トルエン1Lを加え、蒸留水で3回洗浄し、減圧雰囲気下において洗浄物から溶媒を留去し、その残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(n−ヘプタン:トルエン=4:1〜3:1)にて精製し、中間体1を収率85%で得た。
室温、大気下で中間体1(0.5モル)をDMF(ジメチルホルムアミド)100mlに溶解し、NBS(N−ブロモコハク酸イミド)(2.0モル)を加え、一晩室温で撹拌した。得られた沈殿を濾過し、メタノールで洗浄し、中間体2を収率92%で得た。
窒素雰囲気下、中間体2(0.25モル)、2−フェニルピリジン(1.0モル)、ルテニウム錯体[(η6−C6H6)RuCl2]2(0.05モル)、トリフェニルホスフィン(0.2モル)、炭酸カリウム(12モル)を、NMP(N−メチル−2−ピロリドン)3L中で混合し、140℃で一晩撹拌した。
以上のような窒素含有層が基板11上に形成されている場合、その形成方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法などのウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法など)、スパッタ法、CVD法などのドライプロセスを用いる方法などが挙げられる。なかでも蒸着法が好ましく適用される。
また、以上のような中間層13は、窒素含有層と透明導電層14との界面上に、アルミニウム(Al)の層を設けてよい。アルミニウム層は、透明電極14と窒素含有層との相互作用を阻害しない厚さで形成する。また、アルミニウム層は連続膜ではなく、島状や孔を有する層であってもよい。この場合には、銀の層の一部が窒素含有層に隣接して設けられる。このように、窒素含有層と銀を主成分とする膜との間に他の金属を挟んだ構成であってもよい。この場合には、透明導電層14を構成する銀又は銀を主成分とする合金と、窒素含有層上に設けられたアルミニウム層との間に、合金の層が形成された構成となっていてもよい。
また、以上の透明導電層14の上に、表面保護層(図示省略)を設けてもよい。表面保護層は連続膜であることが好ましく、アクリル系モノマー又はオリゴマーの硬化性組成物や、上記中間層で用いられる金属化合物及び窒素化合物から形成された膜であってもよい。
導電性フィルム11の形成プロセスでは、面方向リタデーション(R0値)が+50nm≧R0≧−50nmを満たす熱可塑性樹脂からなる基板上に、透明電極12を形成する。このとき、透明導電層14及び中間層13の形成プロセスは、透明基板11のガラス転位温度(Tg)を越えないことが好ましい。形成プロセス温度は、透明基板11のガラス転位温度(Tg)から20℃以上低いことが好ましく、40℃以上低いことが更に好ましい。
プロセス中で透明基板の温度を熱可塑性樹脂のガラス転移点以下とすることにより、熱による熱可塑性樹脂への損傷を防ぐことができる。このため、熱可塑性樹脂の面方向リタデーションに影響を与えることなく、透明性、及び、経時安定性に優れる導電性フィルムを形成することができる。また、銀を主成分とする透明導電層を形成することにより、熱可塑性樹脂のガラス転移点以下の温度で、低抵抗な導電性フィルムを形成することができる。
次に、タッチパネルの実施形態について説明する。
図3に、上述の導電性フィルムを用いたタッチパネルの概略構成の斜視図を示す。
また、図4に、タッチパネルの電極構成を示す2枚の透明電極の平面図を示す。図5に、図3及び図4に示すタッチパネルの電極部分の平面模式図を示す。図6に、図5に示すA−A断面に相当する断面模式図を示す。
なお、本例のタッチパネルには、上述の窒素含有層を中間層として備える導電性フィルムを適用した構成について説明する。
以下、タッチパネル20を構成する主要各層の詳細を、基板21側から順に説明する。尚、ここでは、図3及び図4と共に、図5の電極部分の平面模式図及び、そのA−A断面に相当する図6の断面模式図を用いて説明を行う。また、図2で説明したと同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図3及び図5に示す基板21は、上述の導電性フィルムの実施形態において説明した、面方向リタデーション(R0値)が±50nm、好ましくは±20nmの基板である。
第1の窒素含有層25は、上述の導電性フィルムの変形例において説明した窒素含有層であり、基板21上に形成されている。ここでは一例として、第1の窒素含有層25は、基板21の全面を覆う状態で設けられていることとするが、次に説明する第1の透明導電層26と同一形状にパターニングされていてもよい。
透明導電層
[第1の透明導電層26(第1の透明電極22)]
第1の透明導電層26は、上述の導電性フィルムの実施形態で説明した透明導電層であり、第1の窒素含有層25上においてパターニングされた複数のx電極パターンx1,x2,・・・として構成されている。各x電極パターンx1,x2,・・・は、それぞれがx方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各x電極パターンx1,x2,・・・は、例えばx方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近においてx方向に直線状に連結した形状であることとする。
第2の窒素含有層27は、上述の導電性フィルムの変形例で説明した窒素含有層であり、基板21上に形成されている。ここでは一例として、第2の窒素含有層27は、x配線29xの端子部分を露出させ、他の部分は基板21の一主面の全面を覆う状態で設けられていることとするが、次に説明する第2の透明導電層28と同一形状にパターニングされていてもよい。
第2の透明導電層28は、上述の導電性フィルムの実施形態で説明した電極層であり、第2の窒素含有層27上においてパターニングされた複数のy電極パターンy1,y2,・・・として構成されている。各y電極パターンy1,y2,・・・は、それぞれがx電極パターンx1,x2,・・・と直交するy方向に延設された状態で、互いに間隔を保って並列に配置されている。これらの各y電極パターンy1,y2,・・・は、例えばy方向に配列されたひし形のパターン部分を、ひし形の頂点付近においてy方向に直線状に連結した形状であることとする。
図3及び図6に図示した前面板24は、タッチパネル20において入力位置に対応する部分が押圧される板材である。このような前面板24は、基板21と同様に光透過性を有する板材が用いられる。また、この前面板24は、必要に応じた光学特性を備えた材料を選択して用いてもよい。このような前面板24は、例えば接着層31に(図6参照)よって第2の透明電極23側に張り合わせられている。この接着層31は、光透過性を有するものであれば特に材料が限定されることはない。
以上のようなタッチパネル20を動作させる場合、x配線29x及びy配線29yに接続させたフレキシブルプリント基板等から、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・に対して電圧を印加する。電圧を印加した状態で、前面板24の表面に指又はタッチペンが触れると、タッチパネル20内に存在する各部の容量が変化し、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・の電圧の変化となって現れる。この変化は、指又はタッチペンが触れた位置からの距離によって異なり、指又はタッチペンが触れた位置で最も大きくなる。このため、電圧の変化が最大となる、x電極パターンx1,x2,・・・及びy電極パターンy1,y2,・・・で指定された位置が、指又はタッチペンが触れた位置として検出される。
以上のようなタッチパネル20は、2層の透明電極22,23として、光透過性と共に充分な導電性を備えた導電性フィルムを用いている。これにより、下地の表示画像の視認性を良好に保ちつつ、導電性フィルムを大型化した際の電圧降下を抑えることができ、タッチパネル20の大型化が可能となる。
(2枚の透明基板を用いた構成)
図7は、実施形態のタッチパネルの変形例を説明するための断面模式図であり、図5のA−A断面に相当する図である。この図に示すタッチパネル30は、2枚の基板21A,21Bの一主面上に、第1の透明電極22及び第2の透明電極23を設けた構成であり、それ以外の構成は上述の実施形態と同様である。このため、上述の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
このような変形例のタッチパネル30であっても、光透過性と共に充分な導電性を備えた導電性フィルムを用いたことにより、上述の実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル30を介した表示画像の視認性の劣化を防止できる。
(透明基板の両面に一層ずつ透明電極を設けた構成)
図8は、実施形態のタッチパネルの変形例を説明するための断面模式図であり、図5のA−A断面に相当する図である。この図に示すタッチパネル32は、基板21の両面に第1の透明電極22及び第2の透明電極23を設けた構成であり、それ以外の構成は上述の実施形態と同様である。このため、上述の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
以上のようなタッチパネル32は、上述の実施形態のタッチパネルと同様に動作させることができる。
このような変形例2のタッチパネル32であっても、光透過性と共に充分な導電性を備えた導電性フィルムを用いたことにより、上述の実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル32を介した表示画像の視認性の劣化を防止できる。
(透明基板の同一平面上に2パターンの透明電極を設けた構成)
図9は、実施形態のタッチパネルの変形例を説明するための断面模式図であり、図5のB−B断面に相当する図である。ただし、変形例3のタッチパネル40の積層構造と、図5に示すタッチパネル20の積層構造とは、次に説明するとおりに異なる。すなわちこの図に示すタッチパネル40は、基板21の同一平面上に、x電極パターンx1,x2,・・・を有する透明導電層26と、y電極パターンy1,y2,・・・を有する透明導電層28とを設けた構成であり、それ以外の構成は上述の実施形態と同様である。このため、上述の実施形態のタッチパネルと同様の構成には同様の符号を付し、重複する説明は省略する。
基板21、及び窒素含有層25は、それぞれ上述の導電性フィルムで説明したと同様の構成である。また、窒素含有層25は、一例として、基板21の一主面の全面を覆うように設けられているが、上述の実施形態と同様に、透明導電層26,28と同一形状にパターニングされていてもよい。
透明導電層26,28は、上述の導電性フィルムで説明した電極層であり、窒素含有層25上においてパターニングされた複数のx電極パターンx1,x2,・・・と複数のy電極パターンy1,y2,・・・とを有して構成されている。
接続電極42は、各y電極パターンを構成する、例えばひし形のy電極パターンの頂点付近においてy方向に直線状に連結する。接続電極42は、x電極パターンx1,x2,・・・のひし形のパターンを連結する部分と平面視的に交差する各位置に配置される。これらの交差部分において、層間絶縁膜41がx電極パターンx1,x2,・・・のひし形のパターンを連結する部分を覆い、接続電極42はx電極パターンx1,x2,・・・上に層間絶縁膜41を介して積層されている。従って、x電極パターンx1,x2,・・・とy電極パターンy1,y2,・・・との絶縁性が確保された状態となっている。なお、接続電極42には、銀等の一般的な電極材料、又はITO等の光透過性を有する電極材料を用いればよく、タッチパネル40を介しての下地の表示画像の視認性の観点から、好ましくは、光透過性を有する電極材料を用いる。
上述の変形例3のタッチパネル40は、光透過性と共に充分な導電性を備えた導電性フィルムを用いたことにより、上述の実施形態のタッチパネルと同様に大型化が可能であり、タッチパネル40を介した表示画像の視認性の劣化を防止できる。
[タッチパネルを用いた構成]
次に、上述のタッチパネルを用いた表示装置の実施の形態について説明する。図10に、本実施の形態の表示装置の構成の斜視図を示す。この図に示す表示装置50は、表示パネル52における表示面上に、タッチパネル51を設けた情報入力機能付きの表示装置である。表示装置50のタッチパネル51には、上述の実施形態及び変形例のタッチパネルを適用することができる。
本実施形態の表示装置50によれば、上述した実施形態及び各変形例のタッチパネル51を用いることにより、薄型化及び大型化が可能である。
〈導電性フィルムの作製〉
(透明基板の準備)
実施例に使用する透明基板を以下のように準備した。
なお、以下に示す各透明基板の膜厚は接触式膜厚計 DIGIMICRO MH−15M(ニコン社製)を用いて測定した。また、面内リタデーション値(R0値)は、各透明基板を温度23℃、相対湿度55%RHの環境下で24時間以上放置した後、自動複屈折率測定装置(王子計測機器社製、商品名KOBRA−21ADH)を用い、波長590nmにて測定した。
ポリエチレンテレフタレートフィルムとして、コスモシャインA4300(東洋紡製)を準備した。膜厚は50μm、R0値は4200nmであった。
ポリカーボネートフィルムとして、ピュアエースC110−100(帝人社製)を準備した。膜厚は100μm、R0値は10nmであった。
環状オレフィンフィルムとして、アートン(JSR社製)を準備した。膜厚は50μm、R0値は4nmであった。
シクロオレフィンフィルムとして、ゼオノアZF14(ゼオン社製)を準備した。膜厚は100μm、R0値は3nmであった。
トリアセチルセルロースフィルムとして、コニカミノルタタックKC−4UY(コニカミノルタ社製)を準備した。膜厚は40μm、R0値は4nmであった。なお、樹脂のアシル置換度は、2.90であった。
アクリルフィルムとして、アクリプレンHBS006(三菱レイヨン社製)を準備した。膜厚は50μm、R0値は3nmであった。
透明基板105を20cm角に切り出し、フィルム2軸延伸機(ヒラノテクシード社製)を用い、180℃にて縦1.4倍、横1.4倍の2軸延伸を施した。膜厚は23μm、R0値は5nmであった。
上記透明基板102〜107の両面に、下記ハードコート層塗布液をダイコーターにより塗布し、ハードコート層となる塗膜を形成した。その塗膜を70℃で乾燥後、酸素濃度が1.0体積%以下の雰囲気になるように窒素パージしながら、紫外線ランプを用い、照射部の照度が300mW/cm2、照射量を0.3J/cm2として塗膜を硬化させ、さらに加熱処理ゾーンにおいて、130℃で5分間加熱処理し、透明基板108〜113を作製した。なお、硬化後のハードコート層の膜厚は各々5μmであった。
下記の各構成材料を混合、攪拌、溶解して、ハードコート層塗布液を調製した。
・ハードコート層塗布液
ペンタエリスリトールテトラアクリレート 30質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 60質量部
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート 50質量部
イルガキュア184(BASF社製) 5質量部
イルガキュア907(BASF社製) 5質量部
ZX−212(フッ素−シロキサングラフトポリマー、ティーアンドケイ東華社製)
5質量部
シーホスターKEP−50(粉体のシリカ粒子、平均粒径0.47〜0.61μm、日本触媒株式会社製) 24.3質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 20質量部
酢酸メチル 40質量部
メチルエチルケトン 60質量部
透明基板101の片面上に、上述の表1の化合物No.10を用いて中間層13(膜厚25nm)を蒸着法によって形成し、これに続けて銀(Ag)からなる電極層5(膜厚8nm)を蒸着法によって形成した。さらに続けて、酸化チタン(TiO2)からなる表面保護層(膜厚30nm)を蒸着法によって形成した。これにより、中間層と透明導電層、表面保護層との3層構造の透明電極を有する導電性フィルム201を作製した。
なお蒸着膜厚は、J.A.Woollam Co.Inc.製のVB−250型VASEエリプソメータで測定した。
透明基板111の片面に、上述の表1の化合物No.10を用いて中間層13(膜厚25nm)を蒸着法により成膜した後、第1真空層から取り出し、その後、中間層13上にITO膜をスパッタ法によって作製した。なお、ITO膜厚は20nmであった。
導電性フィルム202の作製において、ITO膜厚が130nmとなるよう、スパッタ時間を変えた以外は同様にして、導電性フィルム203を作製した。
導電性フィルム201の作製において、透明基材の種類、中間層の化合物及び膜厚、電極層の膜厚を表3に示す条件に変えた以外は同様にして、導電性フィルム204〜220を作製した。
作製した導電性フィルム201〜220について、表面抵抗率、耐屈曲性、干渉ムラ、湿熱耐久後の表比抵抗劣化を測定した。
作製した導電性フィルムを温度23℃、相対湿度55%RHの環境下で24時間放置した後、20cm角に切り出し、25μmの両面接着テープ(リンテック社製 基材レステープ MO−3005C)を介し、表面を予めエタノールで洗浄したガラス板(厚さ1.2mm)に、導電層が表となるようガラス面に貼合した。
その後、抵抗率計(三菱化学社製MCP−T610)を用い、4端子4探針法定電流印加方式で任意の10点を測定し、平均値をサンプルの表面抵抗率とした。
作製した導電性フィルムを温度23℃、相対湿度55%RHの環境下で24時間放置した後、透過率をヘイズメーター(濁度計)(型式:NDH 2000、日本電色(株)製)を用いて測定した。
作製した導電性フィルムを、JIS K 5400に規定の方法に準じて耐屈曲性を評価した。耐屈曲性評価にあたり、光学フィルム試料の巻き付けには直径10mmのステンレス棒を用いた。
電極層の状態について、下記のようにランク評価を行った。
◎ : 何らの変化もなかった
○ : 僅かに変形したが、実用上問題ない
△ : 電極層に微細なクラックが発生した
× : 電極層に割れが発生した
New iPad(Apple社製 9.7インチIPS液晶のタブレット型コンピューター)のタッチパネルを外し、作製した導電性フィルムを25μmの両面接着テープ(リンテック社製 基材レステープ MO−3005C)を介し、導電層がディスプレイ面に向くように貼り合せた。ディスプレイに白色を表示し、斜め45°より偏光サングラスを通してディスプレイ表面を観察した。
試験の結果、下記のようにランク評価を行った。
◎ : 色むらは全く観察されなかった
○ : 僅かに色むらが見られたが、実用上問題ない
△ : 色むらが見られた
× : 非常に濃い虹状の色むらが観察された
表面抵抗率を測定したサンプルを、温度60℃、相対湿度90%RHの環境下で300時間放置した後、任意の10点の表比抵抗値を測定し、平均値をサンプルの湿熱耐久後の表面抵抗率とした。
試験の結果、下記のようにランク評価を行った。
[表面抵抗劣化]=[(湿熱耐久後の表面抵抗率)−(湿熱耐久前の表面抵抗率)]/[湿熱耐久前の表面抵抗率]としたとき、
◎ : 表面抵抗劣化が、±10%未満である
○ : 表面抵抗劣化が、±10%以上、±20%未満である
△ : 表面抵抗劣化が、±20%以上、±30%未満である
× : 表面抵抗劣化が、±30%である
No.204〜220の導電性フィルムは、表面抵抗率、透過率、屈曲性に優れ、また、湿熱耐久による表面抵抗劣化も少なく、表示パネルに貼り合せた時の色むらに優れている。
また、No.204〜220の導電性フィルムにおいて、各試料の基材のR0値、及び、基材膜厚の影響により、色むらの評価に差が出る傾向が見られる。各試料では、基材のR0値が小さい方が、導電性フィルムの色むらの評価が高くなる傾向にある。さらに、基材膜厚が小さい方が、色むらの評価が高くなる傾向にある。また、耐屈曲性は、基材の材質に影響を受けていると考えられる。
〈ロール状導電性フィルムの作製〉
(ロール状導電性フィルム301の作製)
幅手1000mm、長手500mのロール状の透明基板101の片面上に、真空下のロールツーロール方式でロール間を連続走行させながら、上述の表1の化合物No.10を用いて中間層13(膜厚25nm)を蒸着法によって形成し、これに続けて銀(Ag)からなる電極層5(膜厚8nm)を蒸着法によって形成した。さらに続けて、酸化チタン(TiO2)からなる表面保護層(膜厚30nm)を蒸着法によって形成した。これにより、中間層と透明導電層との3層構造の透明電極を有するロール状導電性フィルム301を作製した。
なお蒸着膜厚は、J.A.Woollam Co.Inc.製のVB−250型VASEエリプソメータで測定した。
ロール状導電性フィルム301の作製において、透明基材の種類、中間層の化合物及び膜厚、電極層の膜厚を表4に示す材料に変えた以外は同様にして、ロール状導電性フィルム302〜309を作製した。
作製したロール状導電性フィルムを、温度60℃、相対湿度90%の高温多湿環境下で1000時間放置した。その後、得られたロール体の最外周側の表面抵抗率について、幅方向に一方の端部から全幅の25%の点、50%の点、75%の点での表面抵抗率をそれぞれ測定した。次に、導電性フィルムの長手方向に、ロール体の巻外側から巻芯側への500mの範囲について、10mおきに同様の測定を繰り返し、計150点(3点×50)の表面抵抗率を測定した。そして、全測定点の平均値を100としたときの、全測定点における表面抵抗率の最大値と最小値の差の割合(%)を「導電性フィルム1のバラツキ」として求めた。
そして、得られた表面抵抗率1のバラツキと表面抵抗率2のバラツキを以下の式に当てはめて、表面抵抗率のバラツキの増大幅を求めた。
バラツキの増大幅(%)=表面抵抗率1のバラツキ(%)−表面抵抗率2のバラツキ(%)
そして、ロール体を高温多湿下で保存後の表面抵抗率のムラを、下記の基準に従って評価した。
◎:バラツキの増大幅が1.0%未満である
○:バラツキの増大幅が1.0%以上2.0%未満である
△:バラツキの増大幅が2.0%以上5.0%未満である
×:バラツキの増大幅が5.0%以上である
No.304〜309のロール状導電性フィルムは、ロール体での保存においても、表面抵抗率の変化が少なく良好である。
〈タッチパネル付き液晶表示装置の作製〉
(タッチパネル付き液晶表示装置401〜409の作製)
VAモード型液晶表示装置(画像表示装置)として、SONY製BRAVIAV1、40インチ型を準備した。
実施例2で作製したロール状の導電性フィルム301〜309を長辺900mm×短辺500mmの大きさに2枚切りだした。一方を長辺方向、一方を短辺方向に導電性を有するようフォトエッチングでパターニングを行い、表面を予めエタノールで洗浄したガラス板(長辺900mm×短辺500mm、厚さ1.2mm)の片面に、25μmの両面接着テープ(リンテック社製 基材レステープ MO−3005C)を介し、ガラス、両面テープ、導電性フィルム、両面テープ、導電性フィルムとなるよう積層した。引き出し電極及びドライバICと接続し、上記VAモード型液晶表示装置の表示面に、空隙が1.5mmとなるよう重ね合わせ、簡易タッチパネル付きVAモード型液晶表示装置401〜409を作製した。
(タッチパネル性能)
タッチパネルの操作において、
○ : 良好に操作できる
× : タッチパネルが反応しない
ディスプレイにカラーバーを表示し、斜め45°より目視にてディスプレイ表面を観察した。試験の結果、下記のようにランク評価を行った。
◎ : 干渉むらは全く観察されなかった
○ : 僅かに干渉むらが見られたが、実用上問題ない
△ : 干渉むらが見られた
× : 非常に濃い虹状の干渉むらが観察された
Claims (6)
- 面方向リタデーション(R0値)が、+50nm≧R0≧−50nmを満たす熱可塑性樹脂からなる基板と、
前記基板上に形成された銀を主成分とする透明導電層と
を備える導電性フィルム。 - 前記透明導電層の厚さが1nm以上20nm以下であり、全光線透過率が80%以上である請求項1に記載の導電性フィルム。
- 前記熱可塑性樹脂が、セルロースアシレート樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、及び(メタ)アクリル樹脂から選ばれる少なくともいずれか一つである請求項1又は2に記載の導電性フィルム。
- 前記導電性フィルムが幅手方向の寸法が0.3m以上、長手方向の寸法が200m以上であり、長手方向に巻回されたロール状である請求項1〜3に記載の導電性フィルム。
- 請求項1〜4に記載の導電性フィルムを電極として備えるタッチパネル。
- 請求項5に記載のタッチパネルと、前記タッチパネルに重ねて配置された表示パネルを備える表示装置。
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