JP5534174B2 - タッチパネル部材、並びに、上記タッチパネル部材を用いた表示装置及びタッチパネル - Google Patents

タッチパネル部材、並びに、上記タッチパネル部材を用いた表示装置及びタッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、タッチパネル部材、並びに、上記タッチパネル部材を用いた表示装置及びタッチパネルに関するものである。
近年、表示装置と座標検出装置を組み合わせた、入力デバイスとしてのタッチパネルが注目を集めている。タッチパネルでは画面の表示に合わせてキーの機能を変化させることが可能であり、限られたスペースでより多彩な情報入力が可能になる。また、表示画面に直接触れて入力することから、より直感的な操作が可能となる利点も有する。さらにキーボードの機能をもタッチパネル化することにより、装置の躯体自体を小さくできるといったメリットを享受できる。これらの利点は、特に限られた面積で入力を行う必要がある携帯端末で有効であり、事実、携帯電話、携帯音楽再生装置などを中心に搭載機種が増加している。さらに最近では、パーソナルコンピュータの画面にも採用され、ますますその用途は拡大傾向にある。
タッチパネルの方式にはその作動原理から、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、超音波表面弾性波方式、電磁誘導方式などが挙げられる。それぞれの方式でメリット、デメリットがあり、用途に応じて使い分けがなされているのが現状である。このうち、静電容量方式は、指先でタッチパネルに触れた際の電気容量の変化を検出することにより、座標情報を取り込む方式で、多点検出が可能なことから複雑な操作が可能であり、最近になって特に普及が進んでいる(たとえば特許文献1)。
上記タッチパネル部材は、対向基板を備えてタッチパネルとして製造された後、最終的に液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置に貼り付けられ、これによりタッチパネル付き表示装置が構成される。
あるいは、近年、表示装置において、軽量化や洗練された外見が求められ、薄型化、軽量化が継続的な課題となっている。上記課題は、表示装置と組み合わせて用いられるタッチパネルにおいても例外ではない。そこで、表示システム全体として薄型化を図るべく、例えば、有機EL表示装置に空気の侵入を防ぐ目的で設置されるカバーガラスにタッチパネル機能を統合すること、あるいは、液晶表示装置のカラーフィルタにタッチパネル機能を統合すること、といった試みも検討されている。
ここで、静電容量方式のタッチパネル部材は一般的に、ガラス基板上にパターニングされた第一の透明電極層、パターニングされた層間絶縁膜、パターニングされた第二の透明電極層、さらに必要に応じて表面保護層が、順に積層されて構成される。あるいは、ガラス基板上に単層の透明電極層がパターニングされ、さらにその上面に表面保護層が積層されて構成される態様でもよい。
上記層間絶縁膜および上記表面保護層は、フォトリソグラフィ法により容易にパターニングが可能な、無色で透明性に優れるアクリル樹脂系のネガ型感光性材料(以下、「アクリル系感光性材料」という場合がある)により形成されることが一般的である。上記アクリル系感光性材料を用いて形成される従来の層間絶縁膜または透明保護層は、そのプロセス条件にもよるが、JIS K 5600−5−4で規定される鉛筆硬度試験において、3H以下の表面硬度を示すことが限界であった。また、上記従来の層間絶縁膜または透明保護層は、耐熱性が230℃程度であった。
特開2009−205321
ここでタッチパネル分野は、上述のとおりその利用が拡大傾向にあり、タッチパネル部材またはタッチパネルを種々の表示装置へ搭載する研究が進んでいる。かかる現状下において、従来の層間絶縁膜または表面保護層の表面硬度および耐熱性では、充分でない場合があり問題であった。特に、表示装置にタッチパネル部材を組み合わせようとする場合において、従来の層間絶縁膜または表面保護層の表面硬度および耐熱性の向上が求められていた。
具体的には、例えば、層間絶縁膜または表面保護層が最表面側に露出するタッチパネル部材を用いてタッチパネルを製造する工程中、層間絶縁膜あるいは表面保護層露出面を搬送面として取り扱う場合、あるいは該タッチパネル部材をピンで吊った状態でオーブン内に設置し加熱する場合などがある。このような場合に、最表面側に露出する層間絶縁膜や表面保護層の不十分な表面硬度に起因して傷が発生する虞があり、問題であった。本発明者らの検討によれば、上述のような製造工程中の層間絶縁膜または表面保護層の傷つきを防止するためには、4H以上の表面硬度が必要であることがわかった。
また、例えば、有機EL表示装置に対し、タッチパネル部材の一体化を図るため、タッチパネル部材における層間絶縁膜あるいは表面保護層を、有機EL表示基板の発光層側に設置し、タッチパネル部材の透明基板が該有機EL表示装置のカバーガラスとなるよう、組み合わせたい場合がある。しかしこの場合、タッチパネル部材側から発光層側に脱ガスが発生し、これによって有機EL表示装置の電気信頼性が低下する虞があった。上記脱ガスの発生を防止するためには、タッチパネル部材を有機EL表示基板に設置する前に、予め400℃以上の高温で加熱処理し、強制的にタッチパネル部材から、低分子量の不純物成分を除去する処理を行うことが望ましい。しかしながら、従来のアクリル系感光性材料で形成される層間絶縁膜または透明保護層は、その耐熱性が230℃程度であり、400℃以上の加熱処理に耐えることができないため、上述のような脱ガス防止のための加熱処理を実施することができなかった。
尚、タッチパネルとは異なる技術分野である、半導体分野では、表面硬度及び耐熱性の高い絶縁膜としてシリコン系SOG(Spin on Glass)からなる絶縁膜が一般的に用いられている。しかし、半導体分野とタッチパネル分野とでは、使用環境の苛酷性、求められる精密度などが全く異なり、技術的な背景が相違することから、一般的に、半導体分野における絶縁膜と、タッチパネル分野における絶縁膜とは、異なる材料によって形成されている。
また、シリコン系SOGは、それ自体ではパターニング機能を有していない。そのため、上記シリコン系SOG材料を用いてパターニング層を形成するためには、まず、全面に上記シリコン系SOG材料をベタ製膜した後に、その上面の所望の領域にポジ感光性材料を積層し、フォトリソグラフィ法によりパターニングし、次いでフッ酸などの酸溶剤によるウェットエッチングにより不要部を除去する必要がある。そして、エッチング完了後、不要となったポジ感光性材料を除去することによりパターニングを完遂する。以上のとおり上記シリコン系SOG材料を用いた場合には、ポジ感光性材料の製版/剥離が必要であり、且つ、取り扱いが難しい酸溶剤を使用してウェットエッチングを実施しなくてはならないなど、従来、タッチパネル部材において用いていたアクリル系感光性材料に比べて、製造工程が複雑化し、生産性に大きな問題があった。
しかも、ウェットエッチングにおいて酸溶剤を用いた場合に、形成される層間絶縁膜または表面保護層の下面に位置する透明電極層に該酸溶剤が接触し、これによって透明電極層の一部が荒れてしまい電気信頼性が低下する虞があった。また、上記ウェットエッチングの代わりに、気相によるドライエッチングを採用することも可能ではあるが、この場合には、真空プロセスが必要となり、従来設備で容易に実施できない場合があり問題であった。
本発明は上記問題に鑑みなされたものであり、表面硬度および耐熱性に優れる層間絶縁膜および/または表面保護層などの樹脂層を備えるタッチパネル部材、並びに、上記タッチパネル部材を用いた表示装置及びタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討により、特に、感光性シロキサン樹脂を用いて、層間絶縁膜および/または表面保護層などの樹脂層を形成することによって、上記課題が解決されたタッチパネル部材を提供することができることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、
(1)透明基板上に、直接または間接に透明電極層が形成されているタッチパネル部材において、上記透明電極層として、第一の透明電極層および、上記第一の透明電極層上に積層される第二の透明電極層の2層を備え、且つ、上記第一の透明電極層および上記第二の透明電極層間に層間絶縁膜として感光性シロキサン樹脂層が形成されており、上記第二の透明電極層上に、表面保護層として感光性シロキサン樹脂層が形成されており、上記層間絶縁膜である感光性シロキサン樹脂層と、上記表面保護層である感光性シロキサン樹脂層が、同一成分の感光性シロキサン樹脂を用いて形成されていることを特徴とするタッチパネル部材、
(2)上記透明基板の、透明電極層形成側とは反対側の面において、画素確定層が形成されていることを特徴とする上記(1)記載のタッチパネル部材、
(3)対面する2枚の基板とこれらの基板間に設けられる表示媒体とを備える表示装置であって、上記(1)又は(2)記載のタッチパネル部材における透明基板が、上記表示装置の2枚の基板の一方側の基板となるよう、上記(1)又は(2)記載のタッチパネル部材が、一体的に組み合わされていることを特徴とする表示装置、
(4)上記(1)又は(2)記載のタッチパネル部材と、上記透明電極層を挟んで、上記透明基板に対向する第二基板と、を備えることを特徴とするタッチパネル、
を要旨とするものである。
本発明のタッチパネル部材は、層間絶縁膜や表面保護層といった、透明電極層上に設けられる樹脂層として、感光性シロキサン樹脂を用いて形成された感光性シロキサン樹脂層を備えて構成される。この結果、上記感光性シロキサン樹脂層が、層間絶縁膜であるか、表面保護層であるか、を問わず、タッチパネル部材として充分な4H以上の表面硬度および400℃〜500℃といった高温での加熱にも耐え得る耐熱性が示される。したがって、上記感光性シロキサン樹脂材料で形成された層間絶縁膜または表面保護層が、最表面側に露出した状態のタッチパネル部材であっても、層表面の傷の発生を良好に防止することがきる。また必要に応じてタッチパネル部材製造時、あるいは製造後に400℃〜500℃程度の高温で加熱する場合があっても、該表面保護層および/または層間絶縁膜を損傷することがない。
しかも、感光性シロキサン樹脂を用いて、透明電極層上に層間絶縁膜または表面保護層などの感光性シロキサン樹脂層を形成する場合には、従来のアクリル系感光性材料を使用する場合と同様の製造設備で形成可能であるため、従来に比べ製造工程が増加、あるいは複雑化することがない。さらにシリコン系SOGを使用する場合のように、酸溶剤によるウェットエッチングが不要であるので、酸溶剤で透明電極層を荒らすこともなく、良好な電気信頼性を維持することができる。
本発明のタッチパネル部材の概略断面図である。 第一の透明電極層、第二の透明電極層および層間絶縁膜の積層態様を示す上面図である。 第一の透明電極層、第二の透明電極層および層間絶縁膜の積層態様を示す上面図である。 第一の透明電極層、第二の透明電極層および層間絶縁膜の積層態様を示す上面図である。 画素確定層を備える本発明のタッチパネル部材の一態様を示す概略断面図である。 タッチパネル部材一体型の本発明の液晶表示装置の一態様を示す概略断面図である。 タッチパネル部材一体型の本発明の有機EL表示装置の一態様を示す概略断面図である。 タッチパネル搭載液晶表示装置の概略断面図である。
以下に、本発明のタッチパネル部材およびタッチパネルを、図面を用いて説明する。
本発明のタッチパネル部材は、特に静電容量方式のタッチパネル部材として望ましく用いることができる。
[タッチパネル部材]
(実施態様1)
図1は、本発明の一実施態様を示すタッチパネル部材1を、透明基板に対し略垂直方向に切断した際の、概略断面図である。
タッチパネル部材1は、透明基板2上に、取り出し電極3が形成され、さらに第一の透明電極層4および第二の透明電極層5の2層の透明電極層を備える。第一の透明電極層4および第二の透明電極層5の間には、層間絶縁膜7が設けられており、また第二の透明電極層5の上面には、表面保護層8が設けられて、タッチパネル部材1が構成されている。したがって、タッチパネル部材1の透明基板2とは反対側の表面は、表面保護層8が露出している。
透明基板2は、一般的にはガラス基板が用いられるが、これに限定されず、タッチパネル部材用透明基板あるいは表示装置用透明基板として用いられる透明基板であれば、適宜選択して使用することができる。また上記2層の透明電極層はそれぞれ、タッチパネル部材における透明電極を形成するための材料として一般的に知られる材料を適宜選択して形成することができ、例えばITOやIZOなどが望ましく使用される。また、後述するブリッジ電極は、金属材料で形成してもよい。また第一の透明電極層4および第二の透明電極層5の厚みは特に限定されないが、一般的には、それぞれ10nm〜100nm程度である。
尚、図示はしないが、本発明のタッチパネル部材には、表面保護層を有しない態様も含まれる。例えば、タッチパネル部材1において、表面保護層8が設けられない場合には、タッチパネル部材1の透明基板2と反対側の表面は、第二の透明電極層5と、層間絶縁膜7であって第二の透明電極層5と重複しない領域とが露出する。
第一の透明電極層、第二の透明電極層および層間絶縁膜の積層態様:
本発明において、第一の透明電極層4、第二の透明電極層5および層間絶縁膜7は、静電容量方式において、タッチパネルの表面を指先で触れた際の電気容量の変化を検出できるようそれぞれパターニングされて形成される。より具体的に、これらの積層態様の例を示すため、透明基板2上に、第一の透明電極層4、第二の透明電極層5および層間絶縁膜7が積層された状態の上面図を図2から図4に示す。尚、図2から図4に示す積層体の最下層には透明基板2が存在するが、ここでは図示省略する。
図2は、透明基板上に整列する複数のダイヤ形状がx方向に直線状に連結される複数列の第一の透明電極層4と、第一の透明電極層を覆って設けられる層間絶縁膜7と、層間絶縁膜7上において整列する複数のダイヤ形状がy方向に直線状に連結される複数行の第二の透明電極層5とにより構成される積層態様の例を示すものである。上記層間絶縁膜7は、第一の透明電極層4全面を覆い、且つ、透明基板上において設けられる取り出し電極や、後述する金属配線上部を被覆しないようパターニングされる。層間絶縁膜7が取り出し電極や金属配線を被覆しないようパターニングされる点については、図3および図4に示す層間絶縁膜7も同様である。
図3は、透明基板上に整列する複数のダイヤ形状が、x方向において、独立に整列する列と、x方向に直線状に連結された列とが交互に形成されて構成される第一の透明電極層4と、第一の透明電極層4を覆って設けられる層間絶縁膜7と、層間絶縁膜7上において第一の透明電極層の独立に整列するダイヤ形状をy方向に連結するための複数のブリッジ電極からなる第二の透明電極層5とにより構成される積層態様を示す。上記層間絶縁膜7は、上記ブリッジ電極と、第一の透明電極層4のダイヤ形状とが所定の位置で接触可能となるように、部分的に穴あきとなるようパターニングされる。
図4に示す積層態様は、ちょうど、図3に示す第一の透明電極層4と第二の透明電極層5とを入れ替えたパターンとして構成されている。
上述する積層態様は本発明を何ら限定するものではなく、上記パターンにおいてxy方向が入れ替えられる積層態様、ダイヤ形状の代わりに直線状の電極が採用される積層態様など、静電容量方式のタッチパネル部材において知られる透明積層電極と層間絶縁膜とのパターニングの態様を適宜採用することができる。
また、本発明のタッチパネル部材において、2層以上の透明電極層を備える場合に、上述のとおり透明基板の一方側の面に2層の透明電極層がパターニングされて積層される態様に限定されるものではない。たとえば、2層以上の透明電極層が透明基板の両面にパターニングされて形成される態様であってもよい。より具体的な例としては、ITO透明電極層、透明ガラス基板、ITO透明電極層の順で構成され、さらに上記ITO透明電極層の少なくともいずれか一方側の上面に、感光性シロキサン樹脂層が形成されて本発明のタッチパネル部材が構成されてもよい。本態様においても、ITO透明電極層の上面に感光性シロキサン樹脂層が形成されることにより、感光性シロキサン樹脂層表面の傷の発生を良好に防止することがきる。また必要に応じてタッチパネル部材製造時、あるいは製造後に400℃〜500℃程度の高温で加熱する場合があっても、感光性シロキサン樹脂層表面を損傷することがない。
感光性シロキサン樹脂層:
本発明における層間絶縁膜および表面保護層は、いずれも感光性シロキサン樹脂を含有する感光性シロキサン樹脂材料を用いて形成される感光性シロキサン樹脂層である。本発明者らは、鋭意検討により、感光性シロキサン樹脂層であれば、タッチパネル部材における透明電極層上に形成した際に、表面硬度、耐熱性ともに非常に好ましく、層間絶縁膜であると、表面保護層であると、を問わず、望ましい樹脂層としてタッチパネル部材中に設けることができることを見出した。
上記感光性シロキサン樹脂材料は、構成樹脂としてシロキサン樹脂を含む、感光性(即ち、電離放射線硬化性)材料であって、それ自体において、フォトリソグラフィ法によりパターニング可能なシロキサン樹脂材料を意味する。このような感光性のシロキサン樹脂材料であれば、従来公知の材料を適宜選択し、本発明を製造するために使用することが可能である。中でも、特許第3821165号に開示される放射線硬化性樹脂組成物、即ち、シロキサン樹脂(ただし、フェノール基を有する水性塩基可溶性シリコン含有ポリマーを除く。)光酸発生剤又は光塩基発生剤、及び、上記シロキサン樹脂を溶解可能であり、非プロトン性溶媒(即ち、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−ジ−n−プロピルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、メチルテトラヒドロフラン、ジメチルジオキサン、などの当該公報請求項1に列挙されるエーテル系溶媒を1種以上含む非プロトン性溶媒)を含有してなり、放射線の照射により硬化する放射線硬化性組成物を、本発明における感光性シロキサン樹脂層の構成材料として好適に用いることができる。あるいはまた、特許第3758669号に開示される放射線硬化性樹脂組成物、即ち、シロキサン樹脂、露光する工程で使用される特定波長の放射線を照射することにより、酸性活性物質を放出する光酸発生剤、又は塩基性活性物質を放出する光塩基発生剤、上記シロキサン樹脂成分を溶解可能な溶媒、及び、上記特定波長の放射線を照射しても酸性活性物質及び塩基性活性物質を放出しない硬化促進触媒を含有してなる放射線硬化性組成物を、本発明の感光性シロキサン樹脂材料として好適に用いることができる。尚、フォトリソグラフィ法によりパターニング可能なシロキサン樹脂の例としては、下記一般式(1)で表される化合物を加水分解縮合して得られる樹脂等が挙げられる。
(式1) R SiX4−n (1)
(式中、Rは、H原子若しくはF原子、又はB原子、N原子、Al原子、P原子、Si原子、Ge原子若しくはTi原子を含む基、又は炭素数1〜20の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0〜2の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0〜2のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。)
尚、本発明における感光性シロキサン樹脂層は、1種の感光性シロキサン樹脂から形成されてもよく、あるいは、異なる構造式で表わされる2種以上の感光性シロキサン樹脂の任意の組み合わせから形成されてもよい。例えば、上記式1において示される感光性シロキサン樹脂であって、側鎖が異なる2種以上の感光性シロキサン樹脂を任意に組み合わせて、感光性シロキサン樹脂層を形成してもよい。
また、上記感光性シロキサン樹脂層が、タッチパネル部材中に2層以上形成される場合には、成分の異なるシロキサン樹脂が含有される感光性シロキサン樹脂材料を用いて、それぞれの層を形成してもよい。
但し、タッチパネル部材中に2層以上の感光性シロキサン樹脂層を形成する場合に、各層を同一成分の感光性シロキサン樹脂により形成することによれば、各層の収縮率を同じくすることできるため、設計通りのタッチパネル部材を容易に製造し易く、また各層の屈折率が同じになるため、光学的に反射の発生を防止することができ、望ましい。尚、本発明において「層間絶縁膜である感光性シロキサン樹脂層と、表面保護層である感光性シロキサン樹脂層が、同一成分の感光性シロキサン樹脂を用いて形成されている」とは、層間絶縁膜および表面保護層が、それぞれ1種の感光性シロキサン樹脂から形成される場合には、それぞれの層を形成する感光性シロキサン樹脂の構造式が同一であることを意味する。一方、層間絶縁膜および表面保護層がそれぞれ2種以上の感光性シロキサン樹脂の組み合わせで形成される場合には、それぞれの層における感光性シロキサン樹脂の組み合わせが同一であることを意味し、組み合わされる感光性シロキサン樹脂の含有比率までは、その同一性を問わない。
本発明における感光性シロキサン樹脂層は、上記感光性シロキサン樹脂材料を用い、従来の層間絶縁膜の製造工程、即ち、アクリル系感光性材料を用いた層間絶縁膜の製造工程と同様の製造工程で形成することができる。
より具体的には、感光性シロキサン樹脂材料を準備し、基材面上に塗工して塗膜を形成する。塗工方法は、感光性シロキサン樹脂材料を、基材面に略均一な膜厚で塗工が可能な塗工方法であればいずれの方法を採用しても良く、例えば、スピンコート法、ダイコート法、スリットコート法、グラビアコート法、あるいはこれらの方法を組み合わせた塗工方式、あるいはインクジェット法を適宜選択して実施することができる。
そして、必要に応じて減圧乾燥処理した後、適当な温度で加熱(プリベーク)し、次いで所望のパターンのフォトマスクを介して紫外線などの電離放射線を照射して露光し露光部分を硬化させ、次いで、マスクをはずして未露光部分をアルカリ現像液で現像し、必要に応じて加熱(ポストベーク)することによって、感光性シロキサン樹脂層を形成することができる。ただし、アクリル系感光性材料と異なる点は、感光性シロキサン樹脂材料に含まれる感光性シロキサン樹脂は、加熱工程における加熱温度が、約220℃〜500℃程度の範囲から適宜決定できる点にある。一般的には、感光性シロキサン樹脂材料を用いた場合、プリベーク時には、100℃前後の比較的に低温で加熱して樹脂を半硬化させ、ポストベーク時において、約220℃〜500℃程度の温度範囲において求められる表面硬度が発揮されるよう加熱温度を選択することができる。
尚、本発明に関し、電離放射線とは、紫外線などを含む電磁波、及び電子線などを含み分子を重合し得るエネルギー量子を有する粒子線のいずれをも含む。また感光性、あるいは電離放射線硬化性、というときは、上記電離放射線により硬化可能であることを意味する。
本発明における層間絶縁膜および表面保護層としての感光性シロキサン樹脂層の厚みは、特に限定されず、求められる機能を発揮することが可能な範囲で、薄く形成されることが望ましい。即ち、層間絶縁膜は、積層される2層の透明電極層の間における絶縁体として機能し、表面保護層は下地の透明電極層を保護する目的で設置される。共に膜厚は事後的な静電気による破壊などを考慮して、絶縁耐圧が200Vから500V程度となるように設定されることが望ましい。一方、上記層間絶縁膜および上記表面保護層は、全可視光領域での透過率が高く、ほぼ無色透明ではあるが、若干ながら可視光領域の短波長領域に吸収帯を有するため、わずかに黄色く着色する場合がある。このような着色は、タッチパネル部材において好ましくない。また、膜厚を大きく設定するほど、露光の際の回折光の影響により露光エリアが増大し、結果としてパターン太りを招いて解像度が悪化するといった問題も発生し得る。したがって、上記着色の問題および解像度の悪化を回避するために、上記層間絶縁膜および表面保護層は、絶縁耐圧を満足する範囲で必要最低限の膜厚で形成されることが好ましい。一般的には、層間絶縁膜および表面保護層の厚みは、0.5μm以上3.0μm未満の厚さで形成されることが好ましい。
上記感光性シロキサン樹脂層は、表面硬度が、JIS K 5600−5−4における鉛筆硬度試験において4H以上を示すことが可能であり、タッチパネル部材における層間絶縁膜や表面保護層の表面硬度として望ましい。加えて、400℃〜500℃程度の高温で加熱することもできる、という望ましい耐熱性を示すことは上述のとおりである。
ここでさらに、本発明者らの鋭意検討により、半導体分野で使用されるシリコン系SOGによって形成された樹脂層(あるいは、その形成工程)では発揮されない、感光性シロキサン樹脂層に特有の有利な点があることがわかった。
第一に、感光性シロキサン樹脂層を形成する際の加熱温度に選択可能な範囲を有する点が挙げられる。即ち、シリコン系SOGを用いて絶縁膜を形成する場合には、基材面に上記シリコン系SOGを用いてベタ製膜し、ポジレジストを積層する前に、400℃〜500℃程度の高温で充分に焼き固める必要がある。かかる加熱により、製膜されたSOGの表面硬度は充分に硬くなるものの、基材に既に設けられている他層において耐熱温度が400℃未満の部材が存在した場合には、当該部材を加熱により損傷する恐れがあった。これに対し、感光性シロキサン樹脂層を形成する場合には、露光処理後に樹脂を硬化させるためにポストベークを実施するが、このときの加熱温度は、220℃〜500℃程度の範囲で選択可能である。しかも、かかる温度範囲であれば感光性シロキサン樹脂が充分に硬化し、4H以上の表面硬度が発揮可能であることが分かった。したがって、基材面に既に形成されている他層の耐熱性および求められる表面硬度を勘案し、加熱温度を決定することができる。
したがって本発明のタッチパネル部材における層間絶縁膜や表面保護層は、タッチパネル部材自体の態様、使用方法、あるいは表示装置との組み合わせなどによって、加熱温度と表面硬度を選択可能であるという有利な性質を有している。
第二に、感光性シロキサン樹脂材料を用いて層間絶縁膜あるいは表面保護層を製造する場合には、シリコン系SOGを用いる場合に比べて、製造工程を短縮可能であるという点を挙げることができる。
一般的に、タッチパネル部材における透明電極層は、ITOを用いて形成される。ITO、中でも低温製膜型のITOを用いた場合には、まず基板上にITO膜を製膜し、次いで所望の領域にポジレジストを積層し、酸でエッチングした後、加熱処理を実施して焼き固め、これによってパターニングされた透明電極層が形成される。
ここで、上記透明電極層上に層間絶縁膜あるいは表面保護層を形成する場合であって、その材料として感光性シロキサン樹脂材料を用いる場合には、ITO膜を酸でエッチングした後の加熱処理を省略し、続く層間絶縁膜製造工程、あるいは表面保護層製造工程における加熱処理を実施する際に、同時、ITO膜を加熱して焼き固めて透明電極層を形成することが可能であることがわかった。
一方、シリコン系SOGを用いる場合に、上述と同様にITO膜の加熱処理を省略すると、ITO膜の表面が荒れてしまい、電気抵抗値が上昇し電気信頼性が低下するという不具合が発生した。この不具合の発生は、シリコン系SOGを用いて絶縁膜を形成する工程における、酸溶剤を用いたウェットエッチングによるものであることが推察された。即ち、上述のとおり、シリコン系SOGは、それ自体ではパターニング機能を有していないため、ポジ感光性材料を用いて製版/剥離が必要であり、このときに使用する酸溶剤が透明電極層に接触すると、その表面が荒れる可能性がある。しかもITO膜をしっかりと加熱して焼き固める前に、上記酸溶剤が該ITO膜に接触すると、特にダメージが大きいものと考えられた。これに対し、感光性シロキサン樹脂層の形成工程は、酸溶剤は使用されず、アルカリ現像液が使用されるので、焼き固める前の透明電極層(ITO膜)に該アルカリ現像液が接触した場合であっても、電気信頼性を低下させるほどにITO膜にダメージを与えることがないため、上述のとおり加熱処理を省略することができると考えられた。特に、透明電極層を2層に積層させる場合には、各層の製造工程ごとに上記加熱処理を省略可能であるため、製造工程の短縮化においてメリットが大きい。また、生成されるタッチパネル部材自体についても、できるだけ加熱工程を少なくする方が、全体の熱によるダメージを低下させ品質の良好なタッチパネル部材を提供することができるため、望ましい。
第三に、感光性シロキサン樹脂材料を用いて形成された層間絶縁膜あるいは表面保護層は、大型基板を用いて多面取り用に形成される場合であっても、良好な面内均一性が得られるという点が挙げられる。
即ち、半導体分野における基板(ウェハー)は、一般的に直径300mm以下であり、比較的小さい基板面における製膜性が確保されれば充分である。一方、近年の表示用部材およびこれに用いられるタッチパネル部材では、例えば、300cm×300cmといった大型の基板において多面取りして製造される傾向にある。小さい基板面において良好な製膜性を示す材料が、同様に、大型の基板面上においても、良好な製膜性を示し得るかは不明である。そこで、本発明者らが、半導体分野で用いられるシリコン系SOGを用いて、大型基板で複数の基板の多面とりを検討した。その結果、シリコン系SOGを用いて、大型基板で、半導体プロセスと同様にドライエッチングやウェットエッチング工程を実施した場合には、面内均一性が確保できず、シリコン系SOGを用いて形成される膜の良好な面内均一性が得られないことが推察された。これに対し、感光性シロキサン樹脂材料であれば、フラットパネルディスプレイの製造によって確立された技術を駆使して膜を形成することができ、大型の基板を用いた場合であっても、層間絶縁膜および/または表面保護層の面内均一性が充分に確保される。
金属配線:
本発明のタッチパネル部材における透明基板上には必要に応じて、有効表示領域の外周に金属配線を設け、電気の低抵抗化を図ることができる。上記金属配線は、一般的には、透明電極層の外周側と接続され、静電容量方式によって発生した電気信号を容易に取り出し、取り出し電極まで該信号を導くよう構成される。
上記金属配線を構成する材料としては、銀合金や銅合金が汎用されるが、あるいは、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウム、APC(Au・Pd・Cu、銀・パラジウム・銅)、MAM(Mo・Al・Mo、モリブデン・アルミニウム・モリブデン)、酸化クロム/クロム積層体などであってもよい。また、複数の異なる金属を積層構成させて金属配線を構成してもよい。
以上に、図面に示されるタッチパネル部材1用いて本発明の態様を説明したが、本発明のタッチパネル部材は、これに限定されるものではない。本発明において、透明電極層上に、感光性シロキサン樹脂層が形成されていることが重要であって、特に、感光性シロキサン樹脂層が層間絶縁膜および/または表面保護層であり、これによって本発明の所期の目的が良好に解決されることが重要である。
したがって、本発明のタッチパネル部材は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜変更することができ、例えば、透明電極層が単層の電極層として形成され、その上面に感光性シロキサン樹脂層が、表面保護層として積層されてなるタッチパネル部材であってもよい。
(実施態様2)
次に、画素確定層が設けられた本発明のタッチパネル部材の実施態様について、図5を用いて説明する。図5に示されるタッチパネル部材11は、透明基板2の透明電極層形成面とは反対側の面に、パターニング形成された遮光画素確定層12および赤色画素13R、緑色画素13G、青色画素13Bの3色から構成される着色画素確定層13が形成される以外は、図1に示すタッチパネル部材1と同様に形成される。
図5に例示的に示すとおり、発明のタッチパネル部材には、透明基板の、透明電極層形成面(以下、「タッチパネル面」ともいう)とは反対側の面において、画素を確定するための遮光領域となる遮光画素確定層と着色領域である着色画素確定層を任意で設けることができる。
本発明における画素確定層は、本発明のタッチパネル部材を、表示装置に搭載した際の、該表示装置における画素を確定するための層であって、例えば、液晶表示装置用カラーフィルタ等において、遮光領域として形成されるブラックマトリクスを本発明における画素確定層とすることができる(以下、「遮光画素確定層」ともいう)。あるいは、各種のカラー表示装置における着色層を本発明の画素確定層とすることができる(以下、「着色画素確定層」ともいう)。さらに、図5に示すとおり遮光画素確定層および着色画素確定層を積層して、本発明の画素確定層としてもよい。
上記遮光画素確定層の形成材料としては、ブラックマトリクスを構成する材料(例えば、金属クロム薄膜やタングステン薄膜など、遮光性または光吸収性を有する金属薄膜または黒色顔料を樹脂中に分散させた樹脂ブラック薄膜)を用いることができる。また着色画素確定層の形成材料は、従来公知の着色層を形成するための着色レジストまたは着色インキを適宜選択して用いることができる。遮光画素確定層および着色画素確定層は、従来のブラックマトリクスあるいは着色層と同様に、上記材料を用いて、転写方式あるいはフォトリソグラフィ方式などの従来公知の方法で、タッチパネル部材の透明基板上に所望のパターンで形成することができる。
図5に示すように、遮光画素確定層12と着色画素確定層13とを同時に備えるタッチパネル部材11の態様では、液晶表示装置と組み合わせることによって、液晶表示装置におけるカラーフィルタとタッチパネル部材を一枚の基板に統合することが可能である。また同様に、有機EL表示装置とタッチパネル部材11とを組み合わせることによって、有機EL表示装置において白色発光層とは別に設けられる着色層とタッチパネル部材を統合することが可能である。
また、タッチパネル部材11において、着色画素確定層13が省略された場合には、該タッチパネル部材を、白黒表示用の表示装置、別途着色層の設けられた表示装置、あるいは、有色の発光材料を用いる3色発光方式の有機EL表示装置などに組み合わせる(あるいは搭載する)ことができる。このように、遮光画素確定層と表示装置の着色層とが直接接しない場合であっても、本発明における遮光画素確定層は、画素確定の作用を発揮する。
あるいはまた、タッチパネル部材11において、遮光画素確定層12が省略された場合であっても、着色画素確定層13が、該タッチパネル11と組み合わされる表示装置の画素を確定することが可能であって、カラーフィルタ基板とタッチパネル基板との統合が可能となる。
尚、遮光画素確定層12、あるいはさらに積層形成される着色画素確定層13は、表面硬度が充分ではないため、タッチパネル部材11を製造する場合には、まず、タッチパネル面を形成した後に、該タッチパネル面を搬送面側として、他方面側に遮光画素確定層12および着色画素確定層13を形成することが望ましい。
しかしながら、従来のアクリル系感光性材料により構成されていた層間絶縁膜や表面保護層は、遮光画素確定層や着色画素確定層よりは表面硬度が高いものの、搬送面側に設置された場合には、搬送コロやプッシャーピンとの接触により、傷が発生してしまう場合があり問題であった。これに対し、本発明における層間絶縁膜や表面保護層は、上述のとおり感光性シロキサン樹脂層であって、4H以上の表面硬度が実現されるので、搬送面側に設置された場合であっても、露出面に傷が発生することが良好に防止される。
[表示装置]
以上に、説明する本発明のタッチパネル部材は、さらに、表示装置と一体的に組み合わせることによって、タッチパネル部材一体型の表示装置を提供することができる。本発明において「タッチパネル部材と表示装置とを一体的に組み合わせる」とは、上述する本発明のタッチパネル部材の透明基板が、表示装置における対面する2枚の基板の一方側の基板ともなるよう、タッチパネル部材と表示装置の一方側の基板における機能を一枚の基板に統合することを意味する。この結果、従来のタッチパネル部材の基板を表示装置の一方側の基板に張り合わせるなどして搭載する態様に比べて基板数を減らすことができ、表示装置の薄型化、軽量化を図ることができる。
タッチパネル部材と一体的に組み合わされる表示装置とは、たとえば2枚の基板間に表示媒体として駆動用液晶材料が充填される液晶表示装置や、一方側の基板に表示媒体として有機EL素子を介して2層の電極層が形成され、一方側の基板に対面して他方の基板(カバーガラス)が設置される有機EL表示装置が例示される。
(実施態様3)
タッチパネル部材一体型の本発明の表示装置の一実施態様として、タッチパネル部材一体型の液晶表示装置を用い、これを基板面に略垂直方向に切断した際の概略断面図を図6として示す。図6に示すタッチパネル部材一体型の液晶表示装置21は、図5に示すタッチパネル部材11を用い、透明基板2を、液晶表示装置の一方側の基板となるよう、液晶駆動用回路および液晶駆動用電極などを備える電極基板22と対向させて、組み合わせ、且つ、透明基板2と電極基板22との間をシール部材24で囲まれた密閉空間とし、ここに駆動用液晶材料23を充填して構成される。尚、液晶表示装置には、上記密閉空間を維持するためのスペーサや駆動用液晶材料配向膜など、従来の液晶表示装置に備わる構成が適宜付加されてよい。また任意に、本発明のタッチパネル部材11において、着色画素確定層13の上面にさらに駆動用液晶材料用配向膜などの液晶表示装置に必要な構成をさらに形成し、その後、電極基板と組み合わせてもよい。
タッチパネル部材一体型の液晶表示装置は、所謂カラーフィルタと、タッチパネルとを、1つの透明基板において実現することができるので、液晶表示装置の薄膜化、軽量化、および組み合わせ工程の減少などの有利な効果を有する。
(実施態様4)
次に、タッチパネル部材一体型の本発明の表示装置の異なる実施態様として、タッチパネル部材一体型の有機EL表示装置を用い、これを基板面に略垂直方向に切断した際の概略断面図を図7として示す。図7に示すタッチパネル部材一体型の有機EL表示装置31を製造するためには、まず、表面保護層8が設けられていないこと以外は、図1に示すタッチパネル部材1と同様に形成されたタッチパネル部材32を準備する(図中、取り出し電極3は図示省略する)。一方、透明基板33上に有機EL素子34が設けられた有機EL用基板35を準備する。そして、タッチパネル部材32における第二の透明電極層5と、有機EL用基板35における有機EL素子34とが向かい合う向きで互いに組み合わせることにより製造することができる。このとき両基板間は、スペーサ36により適当な距離で保たれる。
有機EL素子34は、一般的には、透明基板33上にTFTを備える駆動用回路が形成され、必要に応じて駆動用回路上に平坦化膜や保護膜が設けられた後、Al、Ag、Auなどの有機EL素子における金属電極として公知の材料を用いて金属電極が形成され、次いで、発光層を備える有機層が公知の材料から形成された後、さらに金属電極が形成されることによって構成される。ただし、本発明における有機EL素子、あるいはこれを備える有機EL基板の構成はこれに限定されず、従来公知の有機EL用基板を適宜選択し、タッチパネル部材と一体的に組み合わせてよい。尚、タッチパネル部材側に形成される金属電極は、光取り出しのために、金属酸化物からなる透明導電膜などの透明電極として形成される。
通常、有機EL表示装置では、有機EL用基板に対向して透明基板(カバーガラス)が設置されるが、本発明のタッチパネル部材一体型の有機EL表示装置31では、該透明基板(カバーガラス)が、タッチパネル部材32における透明基板2と兼用されるため、薄膜化、軽量化が図られている。
尚、本発明のタッチパネル部材では、層間絶縁膜および表面保護層のいずれも、耐熱性が高く、400℃以上の加熱処理にも耐えられるため、タッチパネルの製造工程中に、400℃以上の加熱で層間絶縁膜および表面保護層を形成するか、あるいは製造されたタッチパネル部材に、400℃以上の加熱処理を実施することによって、従来の課題であった、脱ガスの問題を解消することができる。
(実施態様5)
また、本発明のタッチパネル部材は、表示装置と一体型に組み合わせるために用いるだけでなく、独立のタッチパネルを製造するために用いることもできる。図8に本発明のタッチパネル部材1を用いてなるタッチパネル41を、液晶表示装置42の表示基板側に搭載したタッチパネル搭載液晶表示装置43の概略断面図を示す。
本発明のタッチパネル41は、図1に示すタッチパネル部材1を用い、透明電極層などを介して、透明基板2に対向する第二基板44を設置して製造される。第二基板44としては、透明ガラス基板や、透明フィルム基板などが好ましく用いられるが、これに限定されるものではない。尚、透明基板2と第二基板44とは、表示領域を外れる基板の縁に設けられるスペーサ45によって互いの距離が確保されている。
一方、液晶表示装置42は、表示側基板46と電極基板47とを対向させ、シール部材48で両基板間に空間を設けた状態で密着させ、当該空間に駆動用液晶材料49を充填させ構成されている。表示側基板46は、透明基板50上に、ブラックマトリクス51を設け、次いで、赤色着色画素52R、緑色着色画素52G、青色着画素52Bからなる着色層52を設け、さらに駆動用液晶材料用配向膜53を着色層52上に設けて構成されている。また電極基板47は、図示省略する液晶駆動用回路および液晶駆動用電極などを透明基板上に設けて構成されている。液晶表示装置42は、単なる例示であり、一般的に駆動用液晶材料を用いてなる液晶表示装置として理解される装置であれば、その表示側基板を構成する透明基板と、本発明のタッチパネルの透明基板とが直接または間接に重なるよう、本発明のタッチパネルを搭載することができる。また同様に、有機EL表示装置などの他の表示装置においても、同様に表示側基板と、本発明のタッチパネルの透明基板とが直接または間接に重なるよう、本発明のタッチパネルを貼り付けることによって搭載することができる。
尚、図8では、第二基板44が指でタッチされる面側となるよう、本発明にタッチパネル41を使用する例を示したが、本発明のタッチパネルにおけるタッチ面はこれに限定されない。図示はしないが、図8において示す本発明のタッチパネル搭載液晶表示装置43におけるタッチパネル41を上下に回転させ、第二基板44と、透明基板50とが当接させてもよい。このようにタッチパネル41を、液晶表示装置42に搭載させることによって、透明基板2をタッチ面側として、タッチパネル搭載液晶表示装置を構成することもできる。
(実施例1)
(下地基板の準備)
まず、透明基板としてのガラス基板(無アルカリガラス、NHテクノグラス社製、NA35)550mm×650mmを準備し、超純水を用いて界面活性剤処理し、引き続き超音波洗浄処理により洗浄した。尚、上記透明基板に、タッチパネル部材が50面取りできるよう設計して以下のとおり作成し、そのうちの任意の一面を実施例1とした。
(金属配線の製版)
外周配線部の抵抗を補助する金属配線として、APCを上記ガラス基板全面にスパッタにより30nmの厚さで製膜した。引き続き、ポジ感光性材料(AZマテリアルズ社製)を用い、フォトリソグラフィプロセスにより、有効表示エリア外に金属配線パターンと電極取り出し部のパターンを焼き付けた。さらにエッチャントとしてリン酸、硝酸、酢酸系混合溶液を用い、不要部分を除去し、引き続いて不要となったポジ感光性材料を苛性ソーダで剥離して金属配線パターンを形成した。
(第一の透明電極層の製膜)
次に製版された金属配線上に、第一の透明電極層を形成するために、スパッタにより全面に30nmの厚さでITOを製膜した。そして、金属配線と同様のポジ感光性材料を用いてフォトリソグラフィの手法により、整列する複数のダイヤ形状が、x方向において、独立に整列する列と、x方向に直線状に連結された列とが交互に形成されるパターンで第一の透明電極層を形成した。ITOのエッチャントとしてはシュウ酸系溶液を用いた。尚、本実施例においてガラス基板上に形成する第一の透明電極層、層間絶縁膜、および第二の透明電極層は、図3で示す積層態様を採用した。
(層間絶縁膜の製膜)
特許第3821165号公報の実施例2記載(同公報段落0125)の手法、即ち「テトラエトキシシラン317.9gとメチルトリエトキシシラン247.9gとをジエチレングリコールジメチルエーテル1116.7gに溶解させた溶液中に、0.644重量%に調製した硝酸167.5gを攪拌下で30分間かけて滴下した。滴下終了後3時間反応させた後、減圧下、温浴中で生成エタノールおよびジエチレングリコールジメチルエーテルの一部を留去して、ポリシロキサン溶液1077.0gを得た。このポリシロキサン溶液525.1gにジエチレングリコールジメチルエーテル53.0g、2.38重量%に調製したテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液(pH3.6)及び水3.0gを添加し、室温(25℃)で30分間攪拌溶解して放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液を得た。GPC法によりポリシロキサンの重量平均分子量を測定すると、830であった。この放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液10.0gに光酸発生剤(PAI−1001、みどり化学社製)0.193gを配合し、放射線硬化性組成物を調製した。なお、(a)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して15重量%であり、(b)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して1.9重量%であり、(d)成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して0.075重量%であった。」なる記載に倣い、パターニングが可能な感光性シロキサン樹脂材料を調製した。
上記感光性シロキサン樹脂材料を、上述のとおり製膜した第一の透明電極層を備えるガラス透明基板上であって、該第一の透明電極層面に直接に、スピンコート法により塗工して塗膜を形成した。引き続き減圧乾燥装置にて0.02torrまで減圧して溶剤を部分的に除去し、さらに90℃のホットプレート上で45秒間加熱(プリベーク)して、完全に溶剤成分を除去した。基板を室温まで冷却した後、後工程で形成予定の第二の透明電極層であるITO配線のブリッジ部分にコンタクトホールを設置したパターンのフォトマスクを適用し、プロキシアライナーにより365nmで200mJの露光量で露光処理した。
上述のとおり露光処理が終了した塗膜面を、現像液であるテトラメチルアンモニウムヒドロキシド2.38wt%(TMAH、東京応化工業社製:NMD−3)でディップ現像し、未露光部分を除去してパターンを形成した。さらに露光後の基板は加熱炉(アドバンテスト社製FUW210PA)中、大気雰囲気下で500℃1時間加熱(ポストベーク)して硬化させ、膜厚1.5μmのパターニングされた層間絶縁膜を第一の透明電極層上に形成した。
(第二の透明電極層の製膜)
さらに上記層間絶縁膜上に、ブリッジ部を構成する2層目の透明電極層を形成するために、ITOを用い、スパッタにより全面に50nmの厚さで製膜し、第一の透明電極層と同様にポジ感光性材料を用いフォトリソグラフィの手法により所定の位置に複数のブリッジが形成されるパターンで第二の透明電極層を形成した。
(表面保護層の製膜)
層間絶縁膜を形成する際に調製した感光性シロキサン樹脂層と同様のものを用い、最表面層用のパターン向けのフォトマスクに変更した以外は、層間絶縁膜と同様の製膜手法により、第二の透明電極層を形成した基材面に厚さ1.5μmの表面保護層を製膜した。
(着色画素確定層の製膜)
次に表面保護層を備えるガラス基板の、該表面保護層を搬送面側として設置し、ガラス基板上に直接に、一般的な液晶表示装置におけるブラックマトリクス形成手法に倣い、下記遮光画素確定層形成用レジストを用いて遮光画素確定層を形成した。より具体的には、ガラス基板表面を洗浄し、次いで、下記遮光画素確定層形成用レジストをガラス基板表面に塗工し、次いで、乾燥、露光、現像、加熱の一連のプロセスからなるフォトリソグラフィの手法により、格子状のパターンで構成される遮光画素確定層を形成した。
次いで、一般的な液晶表示装置における着色層形成手法に倣い、赤色画素、緑色画素、青色画素が帯状のパターンで順に繰り返される配列となるよう構成される着色画素確定層を形成した。これによって一枚の透明基板において50面の整列するタッチパネル部材を得た。最後に、上記50面に裁断し、裁断された任意の1面からなるタッチパネル部材を実施例1とした。
遮光画素確定層形成用レジスト
下記に示すとおり、着色材料として顔料を用い、分散液組成物(顔料、分散剤及び溶剤を含有する)にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液とクリアレジスト組成物(ポリマー、モノマー、添加剤、開始剤及び溶剤を含有する)とを混合して、遮光画素確定層形成用レジストを調製した。尚、分散機としては、ペイントシェーカーを用いた。
・黒顔料・・・・・14.0重量部 (大日精化工業(株)製TMブラック♯9550)
・分散剤・・・・・1.2重量部 (ビックケミー(株)製Disperbyk111)
・ポリマー・・・・・2.8重量部 (昭和高分子(株)製VR60)
・モノマー・・・・・3.5重量部 (サートマー(株)製SR399)
・添加剤・・・・・0.7重量部 (綜研化学(株)製L−20)
・開始剤・・・・・1.6重量部 (2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1)
・開始剤・・・・・0.3重量部 (4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン)
・開始剤・・・・・0.1重量部 (2,4−ジエチルチオキサントン)
・溶剤・・・・・75.8重量部 (エチレングリコールモノブチルエーテル)
タッチパネル部材表面の評価:
本段落におけるタッチパネル部材表面の評価は、上述のとおり遮光画素確定層および着色画素確定層を設けた透明基板を50面に裁断する前の状態で実施した。
まず、透明基板上に整列する50面の表面保護層を肉眼観察した。その結果、いずれの表面保護層にもプッシャーピンに起因する打痕や、搬送ローラーに起因するスクラッチなどは確認されず、実施例1の表面保護層が良好な状態を維持し、これによってタッチパネル部材の品質が良好に保持されていることが確認された。
また、実施例1の表面保護層の面内均一性を評価するために、触針式膜厚計を用いて表面保護層の厚みを測定した。測定箇所は、裁断前の整列する50面のタッチパネル部材から任意に10面選択し、それぞれにおけるパターニングされた表面保護層のパターン部の段差を、1面につき1箇所ずつ、計10箇所測定した。そして、測定されたいずれの膜厚も、表面保護層の設計厚み1.5μmに対し、1.35μm以上1.65μm以下の範囲内(即ち、設計厚みに対し、プラスマイナス10%以内の厚みの範囲)であった場合には、面内均一性を良好とし、1箇所でも上記範囲を外れる場合には、面内均一性が不良と評価した。その結果、実施例1の表面保護層の膜厚の面内均一性は良好であった。
表面硬度の測定:
次に実施例1の表面硬度を以下のとおり測定した。実施例1の表面として、表面保護層を表側にし、JIS K5600−5−4に準拠した鉛筆硬度試験方法により表面保護層の硬度を測定した。荷重は750グラムに設定し、走査速度は0.75mm/sに設定した。その結果、実施例1の表面保護層の鉛筆硬度は、5Hであった。
(実施例2)
実施例1における層間絶縁膜および表面保護層のポストベークにおける加熱温度を、それぞれ230℃とした以外は実施例1と同様の材料、手法を用いて、画素確定層を備えるタッチパネル部材を製造し、これを実施例2とした。
(比較例1)
実施例1において、層間絶縁膜および表面保護層を構成する材料として用いた感光性シロキサン樹脂材料の代わりに、透明アクリル系感光性材料(JSR社製NN880)に変更し、且つ、層間絶縁膜および表面保護層の形成条件の一部を以下のとおり変更した以外は、実施例1の製造方法と同様の手法でタッチパネル部材を形成し、比較例1を得た。
比較例1における層間絶縁膜および表面保護層は、実施例1におけるこれらの形成条件に対し、プリベーク時の加熱時間を60秒間に変更し、また、露光処理における露光量を100mJに変更した。また、これらの層を形成するための露光処理が終了した基板を現像する際には、現像液としての無機アルカリ溶液(JSR社製 CD150−CR)を用い、未露光部分を除去してパターンを形成した。さらに露光後の基板は加熱炉(アズワン社製DO−450FPA)中、大気雰囲気下で230℃30分加熱して硬化させ、膜厚1.4μmのパターニングされた層間絶縁膜および表面保護層をそれぞれ形成した。
(実施例3)
遮光画素確定層および着色画素確定層を形成しなかった事を除いては、実施例1と同様にタッチパネル部材を製造した。一方、トップエミッションタイプの有機EL用基板を下記の通り作成した。まず、ガラス基板上に、TFTを備える駆動用回路を形成し、次いで、厚さ約3μmの有機パッシベーション層を形成した。該有機パッシベーション層は、基材面を平坦化させるための層としても兼用される。このように基材面を平坦化した後、Al合金を用いて反射電極を形成し、次いで、ITOを用い、厚み約20nmの下部電極を形成した。さらに、下部電極上に、厚み約60nmの正孔注入層、厚み約20nmの正孔輸送層、厚み約80nmの発光層からなる有機EL層を形成した。尚、上記発光層は、高分子樹脂含有インキを用い、帯状の赤色画素、緑色画素、青色画素が繰り返し配列するようグラビア印刷方式で形成したが、発光層の形成方法および形成材料は、特にこれに限定されるものではない。さらに、有機EL層上に、ITOを用いて厚み約20nmの透明電極を形成して、トップエミッションタイプの有機EL用基板を完成した。
上述のとおり準備したタッチパネル部材と、トップエミッションタイプの有機EL用基板とを、層間絶縁膜/透明保護層が発光層側になるよう対向させて貼合し、タッチパネル部材一体型の有機EL表示装置を完成し、実施例3とした。実施例3では、有機EL用基板に対し、通常、設置されるカバーガラスが省略され、タッチパネル部材の透明基板が、有機EL用基板の対向基板として設置された。尚、実施例3では、トップエミッションタイプの有機EL基板を用いた例を示したが、タッチパネル部材一体型の本発明の表示装置において用いられる有機EL用基板はこれに限定されず、たとえば、ボトムエミッションタイプの有機EL基板を用いてもよい。
電気信頼性評価:
実施例3を用い、有機EL素子に7mAの定電流を流して発光させ、発光部の写真をパソコンに取り込み画像処理によって発光面積を算出した。測定結果は4mmであった。次いで、実施例3を、85℃、湿度85%の環境下において、100時間の恒温恒湿評価に供した。その後、再度、上述の同様の方法で実施例3を発光させ、その発光面積を測定したところ、発光面積は、3.6mmであった。以上の結果から、恒温恒湿評価の前の発光面積に対する評価後の発光面積の比率は、90%であり、厳しい環境下に長時間さらされた場合であっても、良好に電気信頼性が維持されたことが示された。
(比較例2)
遮光画素確定層および着色画素確定層を形成しなかったことを除いては、比較例1と同様にタッチパネル部材を製造した。そして、実施例3において用いたトップエミッションタイプの有機EL用基板を用い、実施例3と同様の方法で、上記タッチパネルとトップエミッションタイプの有機EL用基板とを、層間絶縁膜/透明保護層が発光層側になるよう対向させて貼合し、タッチパネル部材一体型の有機EL表示装置を完成し、比較例2とした。
続いて、評価時間を24時間に変更した以外は実施例3と同様に、電気信頼性評価を実施した。その結果、恒温恒湿評価の前の発光面積は、4mm、評価後の発光面積は、2.4mmであり、恒温恒湿評価の前の発光面積に対する評価後の発光面積の比率は、60%であった。比較例2は、実施例3に対し、恒温恒湿評価時間を4分の1弱としたにも関わらず、発光面積の減少が著しく、電気信頼性が充分でないことが確認された。また、実施例3と比較例2とは、層間絶縁膜および表面保護層の形成材料が異なる以外は、同様に製造されていることから、比較例2の電気信頼性が不良である理由は、層間絶縁膜および表面保護層にあると理解され、高温処理されていないこれらの層から、恒温恒湿評価の際に低分子量の不純物が発光層に移行し、その結果、電気信頼性が低下したものと推察された。
上述のとおり得られた実施例2、実施例3、比較例1、および比較例2について、実施例1と同様に、表面硬度の測定を実施した。また、実施例2および比較例1について、実施例1と同様に、タッチパネル部材表面の評価を行った。結果については、表1にまとめて示す。
表1に示すとおり、実施例1から3における表面保護層の表面硬度はいずれも4H以上とタッチパネル部材の表面保護層として望ましい硬さであることが示された。そして、4H以上の表面硬度が示される表面保護層を搬送面側にして、画素確定層を形成しても、該表面保護層に有意な傷がつかなかったことが確認された。しかも、実施例1から3は、比較例と同様に面内均一性が良好であることが確認された。
また実施例1および実施例3では、ポストベーク時に500℃の高温で加熱しているが、何らの損傷もなく、特に、実施例3の電気信頼性評価において確実に発光することも確認された。即ち、感光性シロキサン樹脂材料によって形成された層間絶縁膜あるいは表面保護層が耐熱性においても優れることが確認された。また換言すると、実施例3は、層間絶縁膜および表面保護層の形成工程において高温の加熱処理が実施され、この際に層間絶縁膜および表面保護層中に存在する低分子量の不純物が強制的に除外されたため、有機EL表示装置と一体的に組み合わされ、且つ、厳しい環境下に晒された際にも、有機EL表示の電気信頼性を良好に維持することができた。
さらに、実施例2のように、層間絶縁膜および表面保護層を形成する際のポストベークにおいて、230℃程度の温度で加熱工程を実施した場合であっても、4Hという望ましい硬度を示すことができた。
以上の結果から、本発明のタッチパネル部材では、望ましい硬度を確保した上で、形成時の加熱温度をアクリル樹脂系のネガ型感光性材料を用いた場合と同等の加熱温度(230℃程度)から、500℃程度まで選択可能であることが確認された。
Figure 0005534174
1 タッチパネル部材、2 透明基板、3 取り出し電極、4 第一の透明電極層、5 第二の透明電極層、7 層間絶縁膜、8 表面保護層、11 タッチパネル部材、12 画素確定層、13 着色層、21 タッチパネル部材一体型の液晶表示装置、22 電極基板、23 駆動用液晶材料、24 シール部材、31 タッチパネル部材一体型の有機EL表示装置、32 タッチパネル部材、33 透明基板、34 有機EL素子、35 有機EL用基板、36 スペーサ、41 タッチパネル、42 液晶表示装置、43 タッチパネル搭載液晶表示装置、44 第二基板、45 スペーサ、46 表示側基板、47 電極基板、48 シール部材、49 駆動用液晶材料、50 透明基板、51 ブラックマトリクス、52 着色層、53 駆動用液晶材料用配向膜

Claims (4)

  1. 透明基板上に、直接または間接に透明電極層が形成されているタッチパネル部材において、
    上記透明電極層として、第一の透明電極層および、上記第一の透明電極層上に積層される第二の透明電極層の2層を備え、且つ、上記第一の透明電極層および上記第二の透明電極層間に層間絶縁膜として感光性シロキサン樹脂層が形成されており、
    上記第二の透明電極層上に、表面保護層として感光性シロキサン樹脂層が形成されており、
    上記層間絶縁膜である感光性シロキサン樹脂層と、上記表面保護層である感光性シロキサン樹脂層が、同一成分の感光性シロキサン樹脂を用いて形成されていることを特徴とするタッチパネル部材。
  2. 上記透明基板の、透明電極層形成側とは反対側の面において、画素確定層が形成されていることを特徴とする請求項記載のタッチパネル部材。
  3. 対面する2枚の基板とこれらの基板間に設けられる表示媒体とを備える表示装置であって、
    上記請求項1又は2記載のタッチパネル部材における透明基板が、上記表示装置の2枚の基板の一方側の基板となるよう、
    上記請求項1又は2記載のタッチパネル部材が、一体的に組み合わされていることを特徴とする表示装置。
  4. 請求項1又は2記載のタッチパネル部材と、上記透明電極層を挟んで、上記透明基板に対向する第二基板と、を備えることを特徴とするタッチパネル。
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