JP5862297B2 - タッチパネル、タッチパネルの製造方法、感放射線性組成物およびタッチパネル用硬化膜 - Google Patents

タッチパネル、タッチパネルの製造方法、感放射線性組成物およびタッチパネル用硬化膜 Download PDF

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Description

本発明は、タッチパネル、タッチパネルの製造方法、感放射線性組成物およびタッチパネル用硬化膜に関する。
近年、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)、ノートPC、OA機器またはカーナビゲーションシステム等の電子機器では、それらのディスプレイに入力装置としてタッチパネルが用いられるようになっている。
タッチパネルは、その表面を、操作者の指やペン等でタッチ(押圧)し、そのタッチ操作にかかるデータを各種処理装置に出力することで、電子機器の操作を可能とする。
タッチパネルは、キーボードに変わる入力装置であり、上述した電子機器等において、対話形式で簡便に情報入力することを可能にする。タッチパネルには、動作原理によって、抵抗膜方式、静電容量方式、赤外線方式、超音波方式および電磁誘導結合方式などがある。
こうしたタッチパネルでは、例えば、静電容量方式のように、所定方向に延在する複数の第1検知電極と、それと交差する方向に延在する第2検知電極とを組み合わせて、ガラス等の透明基板上に配置して構成されるものがある。
図6は、従来のタッチパネルを示す平面図である。
図6に示す従来のタッチパネル100は、絶縁性の透明基板101の表面に、図面の水平方向であるX方向に延在する短冊状の第1検知電極102を配置する。そして、その裏面には、第1検知電極102と直交するY方向に延在する短冊状の第2検知電極103を配置する。タッチパネル100は、第1検知電極102と、それに交差する第2検知電極103とが、絶縁性の透明基板101を挟んで配置され構成されている。
従来のタッチパネル100では、第1検知電極102および第2検知電極103をセンサとして静電容量を計測し、操作者の指等のタッチによって生じた静電容量の変化から、指等の接触位置を検知する。
こうした静電容量方式のタッチパネルとしては、図6に示す構造以外に、特許文献1に開示される構造が知られている。特許文献1に開示されるタッチパネルは、透明基板の表面に形成された第1検知電極の上に、絶縁膜を介して第2検知電極を重畳する構造を有する。すなわち、特許文献1のタッチパネルでは、第1検知電極と第2検知電極とが、透明基板の一方の面で、絶縁膜を挟んで、異なる層に配置されている。
また、特許文献2に開示されるように、第1検知電極と第2検知電極とを、透明基板の一方の面の上で同層に配置する構造も知られている。特許文献2に記載のタッチパネルは、第1検知電極および第2検知電極のそれぞれが、菱形形状で大面積の複数の電極パッドと、それらの間を繋ぐ、それらより狭い細幅形状の接続部分とから構成される。そして、第1検知電極と第2検知電極とは、それぞれの接続部分でお互いに交差するが、その交差部分には、光透過性の層間絶縁膜が配置されている。したがって、特許文献2のタッチパネルは、第1検知電極と第2検知電極とが、それぞれの接続部分で層間絶縁膜を介して重畳するよう構成され、絶縁性が確保されるようになっている。
以上の構造のタッチパネルの場合、電子機器のディスプレイの入力装置として好適に使用できるように、高い光透過性が求められる。その結果、タッチパネルの検知電極は、ITO(Indium−Tin Oxide)等の透明導電膜をパターニングして形成されるのが通常である。
特開2011−186717号公報 特開2008−310551号公報
従来のタッチパネルにおいて、パターニングされた透明導電膜を検知電極に用いる場合、光透過性を備えて見えないはずの検知電極が目立ってしまい、ディスプレイの表示の視認性を低下させることがあった。例えば、ガラス基板上に、パターニングされたITOからなる検知電極が配置される場合、検知電極の形成部分とそうでない部分との間で光学的な反射による色差が大きくなり、検知電極が目立って見えてしまうことがあった。所謂「骨見え」と称される問題であり、タッチパネルをディスプレイの入力装置として使用する場合の大きな問題となっていた。
そこで、そうした骨見えの問題を抑えたタッチパネルの開発が求められている。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は検知電極が目立つことを抑えたタッチパネルおよび、そのタッチパネルの製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、所望とする屈折率を有するタッチパネルの硬化膜を形成する感放射線性組成物、およびその感放射線性組成物を用いたタッチパネル用硬化膜を提供することにある。
本発明の第1の態様は、検知電極の配置された基板上に、その検知電極を覆うように配置された硬化膜を有するタッチパネルであって、
硬化膜は、
(A)(A1)芳香環を有する構成単位および(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位を含む重合体、
(B)アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物粒子、
(C)多官能アクリレート、
(D)感放射線性重合開始剤
を含有する感放射線性組成物を用いて形成されることを特徴とするタッチパネルに関する。
本発明の第1の態様において、(A)重合体中の(A1)芳香環を有する構成単位の含有量は、(A)重合体全体の20mol%以上90mol%以下であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、硬化膜は、波長633nmの屈折率が1.55〜1.85であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、硬化膜は、波長400nmの光透過率が85%以上であることが好ましい。
本発明の第2の態様は、検知電極の配置された基板上に、その検知電極を覆うように配置された硬化膜を有するタッチパネルの製造方法であって、
硬化膜を形成する工程は、少なくとも以下の工程を有することを特徴とするタッチパネルの製造方法に関する。
[1]検知電極の配置された基板上に、
(A)(A1)芳香環を有する構成単位、(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位を含む重合体、
(B)アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物粒子、
(C)多官能アクリレート、および
(D)感放射線性重合開始剤
を含有する感放射線性組成物の塗膜を形成する工程、
[2][1]工程で形成された感放射線性組成物の塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
[3][2]工程で放射線を照射された塗膜を現像する工程。
本発明の第3の態様は、
(A)(A1)芳香環を有する構成単位、(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位を含む重合体、
(B)アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物粒子、
(C)多官能アクリレート、および
(D)感放射線性重合開始剤
を含有する感放射線性組成物であって、
タッチパネル用硬化膜の形成に用いられることを特徴とする感放射線性組成物に関する。
本発明の第4の態様は、本発明の第3の態様の感放射線性組成物から形成されることを特徴とするタッチパネル用硬化膜に関する。
本発明の第1の態様によれば、検知電極が目立つことを抑えたタッチパネルが得られる。
本発明の第2の態様によれば、検知電極が目立つことを抑えたタッチパネルの製造方法が得られる。
本発明の第3の態様によれば、所望の屈折率を有するタッチパネルの硬化膜の形成に用いられる感放射線性組成物が得られる。
本発明の第4の態様によれば、所望の屈折率を有するタッチパネル用硬化膜が得られる。
本発明の第1実施形態であるタッチパネルの第1例を示す平面図である。 図1のA−A’線に沿う断面図である。 本発明の第1実施形態であるタッチパネルの第2例の構造を示す断面図である。 本発明の第1実施形態であるタッチパネルの第3例を示す平面図である。 図4のB−B’線に沿う断面図である。 従来のタッチパネルを示す平面図である。
特開2010−434号公報には、製造時に傷が付きにくくて歩留まりが高く、また寿命の長いタッチパネルが開示されている。特開2010−434号公報記載のタッチパネルは、透明導電膜を有する基板の上にシランカップリング剤を塗布した後、電極を保護するための硬化膜を形成し、タッチパネルを提供する。
上述のように、タッチパネルの分野では、検知電極上に硬化膜を配置してそれを保護膜として用いる技術が知られている。
本発明者らは、この検知電極上の硬化膜を利用することにより、上述したタッチパネルの骨見えの問題を低減できることを見出した。
上述したように、タッチパネルの基板に、例えば、ガラス基板を用い、検知電極としてパターニングされたITO電極を用いる場合、ガラス基板とITO電極との屈折率の差によって、骨見えの問題が発生する。
そこで、例えば、ITOからなる検知電極の配置された基板上に、検知電極を覆うように硬化膜を設けるとともに、その硬化膜の屈折率を所望とする値に調整できれば、検知電極の形成部分と非形成部分との間の屈折率差を小さくすることができる。その結果、タッチパネルにおける骨見えを低減することができる。
検知電極を有する基板上に硬化膜を配置する場合、検知電極を引き回す引き回し配線の端部が露出され、外部回路との電気的接続が可能であることが求められる。したがって、基板上に配置される硬化膜は、必要な要件として、パターニングが容易な材料から構成されることが求められる。その場合、特開2010−434号公報に記載されるように、硬化膜は、感放射線性組成物から形成されることが好ましい。すなわち、硬化膜は樹脂からなることが好ましい。
硬化膜の形成に樹脂を用いた場合、問題となるのはその屈折率である。通常、樹脂材料を用いた硬化膜の屈折率は1.5程度となる。ITO膜の屈折率は、通常、1.8〜2.1程度であり、その差は大きい。したがって、骨見えの問題を改善しようとする場合、特開2010−434号公報等に記載の技術をそのまま適用することはできない。そこで、感放射線性組成物から形成される硬化膜の屈折率を高める技術が求められる。
本発明者らは、感放射線性組成物に高屈折率の粒子を添加することにより、形成される硬化膜の屈折率を、タッチパネルの骨見えの改善に有効となるレベルに高めることができることを見出した。一方で、高屈折率の粒子を添加するだけでは、硬化膜のパターニング時に、硬化膜に求められるパターニング性が悪化してしまうことも見出した。例えば、感放射線性組成物が、フォトリソグラフィ技術を用いたパターニングに好適であって、未露光部分を現像液で溶解させて塗膜のパターニングをする感放射線性の組成物である場合、現像剥離や未露光部分の溶解性の悪化が生じてしまうことがわかった。
そこで、本発明者らは、後に詳述するように、タッチパネルの硬化膜の形成に用いられる感放射線組成物の組成を最適化することで、硬化膜における高屈折率化と良好なパターニング性を両立できることを見出した。この本発明の感放射線性組成物を用いれば、高屈折率化とパターニング性が両立され、タッチパネルの構成に好適な硬化膜が提供できる。そして、骨見えの低減された高信頼性のタッチパネルを提供することができる。
以下で、本発明の感放射線性組成物から形成される硬化膜を有するタッチパネルについて説明する。
尚、本発明において、露光に際して照射される「放射線」には、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線および荷電粒子線等が含まれる。
実施の形態1.
<タッチパネル>
本実施の形態のタッチパネルは、検知電極の配置された基板上に、当該検知電極を覆うように配置された硬化膜を有するタッチパネルである。
このタッチパネルは、例えば、静電容量方式のタッチパネルとすることができる。
図1は、本発明の第1実施形態であるタッチパネルの第1例を示す平面図である。
図2は、図1のA−A’線に沿う断面図である。
図1に示すように、本実施形態の第1例であるタッチパネル1は、透明基板2の表面に、図面の左右方向(水平方向)であるX方向に延在する第1検知電極3を有する。透明基板2の裏面には、X方向と直交するY方向に延在する第2検知電極4を有する。第1検知電極3は、操作者によるタッチ位置のY方向の座標を検出するために用いられる。第2検知電極4は、操作者によるタッチ位置のX方向の座標を検出するために用いられる。
透明基板2はガラス基板とすることができる。また、透明基板2は、樹脂基板とすることもでき、その場合、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、環状オレフィンの開環重合体フィルムおよびその水素添加物からなるフィルム等を用いることができる。透明基板2の厚みとしては、ガラス基板の場合、0.1mm〜2mmとすることができる。樹脂基板の場合、10μm〜2000μmとすることができる。
図1に示すように、第1検知電極3と第2検知電極4はそれぞれ、細長い短冊状の形状を有する。第1透明電極3と第2検知電極4はそれぞれ、所定の一定間隔で配置され、透明基板2を介して、互いに直交するように配置されている。そして、第1透明電極3と第2検知電極4は、マトリクス状に配置されてタッチパネル1の操作領域を構成する。
第1検知電極3および第2検知電極4は、それぞれ透明電極であることが好ましい。ここで、透明電極とは、可視光に対して高い透過性を備える電極である。第1検知電極3および第2検知電極4としては、ITOからなる電極や、酸化インジウムと酸化亜鉛からなる電極等、透明導電材料からなる電極を用いることができる。第1検知電極3および第2検知電極4がそれぞれITOからなる場合、十分な導電性を確保できるよう、それらの厚さを10nm〜100nmとすることが好ましい。
第1検知電極3および第2検知電極4の形成は、例えば、ITO等の透明導電材料からなる膜をスパッタリング法等を用いて成膜し、フォトリソグラフィ法等を利用してパターニングすることで行うことができる。
タッチパネル1の第1検知電極3と第2検知電極4の端部には、それぞれ端子(図示されない)が設けられており、その端子からそれぞれ引き出し配線(図示されない)が引き出される。引き出し配線は、銀、アルミニウム、クロム、銅、モリブデンまたはこれらを含む合金などを使用した金属配線とすることができる。これら金属配線は、公知の方法により金属膜を形成した後、パターニングすることで形成できるが、銀や銅の場合、銀膜形成組成物や銅膜形成組成物を用いて配線パターンを印刷した後、加熱硬化させ、直接に形成することも可能である。引き出し配線は、その端部の接続端子(図示されない)を用いて、第1検知電極3および第2検知電極4への電圧印加やタッチ操作の位置を検出する外部の制御回路(図示されない)に電気的に接続される。
図1および図2に示すように、第1検知電極3の配置された透明基板2の表面には、第1検知電極3を覆うように、本発明の実施形態の硬化膜5が配置される。同様に、第2検知電極4の配置された裏面側にも、第2検知電極4を覆うように、本発明の実施形態の硬化膜6が配置されている。
硬化膜5、6は、タッチパネル1の操作領域で、第1検知電極3および第2検知電極4を被覆して保護するように形成されるとともに、第1検知電極3および第2検知電極4から引き出される引き出し配線(図示されない)の端部の接続端子が露出するようにパターニングされて形成される。
硬化膜5、6は、後に詳述する本発明の実施形態の感放射線性組成物を用い、所定のパターニングがなされて形成された膜である。本発明の実施形態の感放射線性組成物は、タッチパネル1の硬化膜5、6や、後述する別の例のタッチパネル11、21の硬化膜15、25等、本実施形態のタッチパネルの硬化膜の形成用として、組成の最適化がなされたものである。特に、本発明の実施形態の感放射線性組成物は、本実施形態のタッチパネルの硬化膜において、高屈折率化を実現できるように、高屈折率粒子として、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物粒子を含有する。そして、本実施形態のタッチパネルの硬化膜の高屈折率化を実現するとともに、優れたパターニング性を実現できるように、その他の成分についても最適な設計がなされている。本発明の実施形態の感放射線性組成物については、後に詳細に説明する。
その結果、タッチパネル1では、第1検知電極3と第2検知電極4が目立って見える骨見えの問題を低減できるように、硬化膜5、6の屈折率の調整がなされている。硬化膜5、6の屈折率はそれぞれ、1.55〜1.85の範囲内とされることが好ましい。そして、骨見えの低減とパターニング性との両立を考慮した場合、硬化膜5、6の屈折率はそれぞれ、1.60〜1.80の範囲内とされることがより好ましい。また、骨見えの低減とパターニング性とのより高レベルでの両立を考慮した場合、硬化膜5、6の屈折率はそれぞれ、1.65〜1.75の範囲内とされることがさらに好ましい。
硬化膜5、6の膜厚は特に限定されないが、タッチパネル1における骨見えの問題を低減するのに好適な厚みであることが好ましい。硬化膜5、6の膜厚は、好ましくは0.1μm〜8μm、より好ましくは0.1μm〜6μm、さらに好ましくは0.1μm〜4μmである。本発明の感放射線性組成物から形成された硬化膜は、後述する実施例からも明らかにされるように、透明性および密着性を備えている。
また、硬化膜5、6は、第1検知電極3および第2検知電極4と同様、タッチパネル1を構成する構成要素として、優れた可視光透過性が求められる。硬化膜5、6は、波長400nmの光の透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
タッチパネル1は、透明基板2の第2検知電極4の形成面に、例えば、アクリル系の透明接着剤からなる接着層(図示されない)を設ける。そして、例えば、液晶表示素子等であるディスプレイの上に取り付けることが可能である。また、透明基板2の第1検知電極3の形成面には、例えば、アクリル系の透明接着剤からなる接着層(図示されない)を用いて透明な樹脂からなるカバーフィルム(図示されない)を設けることが可能である。こうして、電子機器のディスプレイの入力装置として好適に使用することが可能である。
以上の構成を有するタッチパネル1は、第1検知電極3と第2検知電極4がマトリクス状に配置された操作領域において静電容量を計測し、操作者の指等のタッチ操作があった場合に生じる静電容量の変化から、指等の接触位置を検知することができる。
このとき、本実施形態のタッチパネル1では、第1検知電極3と第2検知電極4の上に設けられた硬化膜5、6の効果により、骨見えの問題を低減することができる。
本発明の第1実施形態であるタッチパネルでは、上述した第1例のタッチパネル1の第2検知電極4を透明基板2の裏面側に設けず、表面側の第1検知電極3の上に設けて、タッチパネルの第2例を構成することが可能である。
図3は、本発明の第1実施形態であるタッチパネルの第2例の構造を示す断面図である。
図3に示すように、本実施形態の第2例であるタッチパネル11は、図1および図2に示した第1例のタッチパネル1において、裏面側に配置された第2検知電極4が、絶縁層を介して表面側の第1検知電極3の上に重畳する構造を有する。そして、タッチパネル1の硬化膜5は、第2検知電極4が設けられた表面側で、第1検知電極3および第2検知電極4を覆うように設けられる。
すなわち、本実施形態の第2例であるタッチパネル11は、透明基板12の表面に、X方向に延在する複数の第1検知電極13を有する。そして、透明基板12の表面側には、絶縁層17を介して第1検知電極13に重畳するように、Y方向に延在する複数の第2検知電極14が配置される。透明基板12の表面側には、第1検知電極13および第2検知電極14を覆うように、硬化膜15が配置される。
タッチパネル11の第1検知電極13および第2検知電極14は、第2検知電極14の配置が異なること以外、上述したタッチパネル1の第1検知電極3および第2検知電極4とそれぞれ同様のものである。第1検知電極13および第2検知電極14は、マトリクス状に配置されて、タッチパネル11の操作領域を構成する。そして、第1検知電極13は、操作者によるタッチ位置のY方向の座標を検出するために用いられる。第2検知電極14は、操作者によるタッチ位置のX方向の座標を検出するために用いられる。
また、透明基板12もタッチパネル1の透明基板2と同様のものであり、硬化膜15もタッチパネル1の硬化膜5と同様のものとすることができる。
タッチパネル11の絶縁層17は、第1検知電極13と第2検知電極14との間の絶縁性を確保するために設けられる層である。絶縁層17は、誘電体層であって、タッチパネル1における透明基板2の機能を果たす。絶縁層17は、ポリシロキサン、アクリル系樹脂、およびアクリルモノマー等の印刷法を用いて塗布し、必要な場合にパターニングを行った後、それを加熱硬化させて形成することができる。ポリシロキサンを用いて形成した場合には、絶縁層17はシリコン酸化物(SiO)からなる無機絶縁層となる。また、アクリル系樹脂、およびアクリルモノマーを用いた場合には、絶縁層17は樹脂からなる有機絶縁層となる。
以上の構成を有するタッチパネル11は、第1検知電極13と第2検知電極14がマトリクス状に配置された操作領域において静電容量を計測し、操作者の指等のタッチ操作があった場合に生じる静電容量の変化から、指等の接触位置を検知することができる。
このとき、本実施形態のタッチパネル11では、第1検知電極13と第2検知電極14の上に設けられた硬化膜15の効果により、骨見えの問題を低減することができる。
さらに、本発明の第1実施形態であるタッチパネルでは、上述した第2例のタッチパネル11の第1検知電極13および第2検知電極14を、透明基板12の表面側で同じ層に設けて、タッチパネルの第3例を構成することが可能である。
図4は、本発明の第1実施形態であるタッチパネルの第3例を示す平面図である。
図5は、図4のB−B’線に沿う断面図である。
図4に示すように、本実施形態の第3例であるタッチパネル21は、透明基板22の表面に、X方向に延在する第1検知電極23と、Y方向に延在する第2検知電極24を有する。
透明基板22はガラス基板とすることができる。また、透明基板22は、樹脂基板とすることもでき、その場合、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、環状オレフィンの開環重合体フィルムおよびその水素添加物からなるフィルム等を用いることができる。透明基板22の厚みとしては、ガラス基板の場合、0.1mm〜3mmとすることができる。樹脂基板の場合、10μm〜3000μmとすることができる。
第1検知電極23と第2検知電極24は、それぞれ複数が配置される。そして、第1検知電極23と第2検知電極24は、タッチパネル21の操作領域でマトリクス状に配置されている。第1検知電極23は、操作者によるタッチ位置のY方向の座標を検出するために用いられる。第2検知電極24は、操作者によるタッチ位置のX方向の座標を検出するために用いられる。第1検知電極23と第2検知電極24は、透明基板22の同一面の同一層に設けられている。尚、第1検知電極23および第2検知電極24の数は図4の例に限られるものではなく、操作領域の大きさと必要とされるタッチ位置の検出精度に応じて決定されることが好ましい。すなわち、より多い数や少ない数の第1検知電極23および第2検知電極24を用い、タッチパネル21を構成することができる。
図4に示すように、第1検知電極23および第2検知電極24はそれぞれ、菱形形状の複数の電極パッド30から構成されている。第1検知電極23と第2検知電極24は、第1検知電極23の電極パッド30がそれと隣接する第2検知電極24の電極パッド30と離間するように配置される。このときそれら電極パッド30間の隙間は、絶縁性が確保できる程度のごく小さなものとされる。
そして、第1検知電極23と第2検知電極24とは、互いに交差する部分をできる限り小さくできるように配置される。そして、第1検知電極23および第2検知電極24を構成する電極パッド30がタッチパネル21の操作領域全体に配置されるようにする。
図4に示すように、電極パッド30は菱形形状とすることができるが、こうした形状に限られず、例えば、六角形等の多角形形状とすることができる。
第1検知電極23および第2検知電極24はそれぞれ、透明電極であることが好ましい。ここで、透明電極とは、可視光に対して高い透過性を備える電極である。第1検知電極23および第2検知電極24としては、ITOからなる電極や、酸化インジウムと酸化亜鉛からなる電極等、透明導電材料からなる電極を用いることができる。第1検知電極23および第2検知電極24がそれぞれITOからなる場合、十分な導電性を確保できるよう、それらの厚さを10nm〜100nmとすることが好ましい。
第1検知電極23および第2検知電極24の形成は、公知の方法を用いて行うことができ、例えば、ITO等の透明導電材料からなる膜をスパッタリング法等を用いて成膜し、フォトリソグラフィ法等を利用してパターニングすることで行うことができる。
図4および図5に示すように、第1検知電極23および第2検知電極24は、透明基板22の同一面上に形成されており、同一層をなしている。そのため、第1検知電極23と第2検知電極24とは、操作領域において、複数の箇所で交差しており、交差部28を形成している。
本実施形態のタッチパネルの第3例では、交差部において、第1検知電極および第2検知電極のいずれか一方が他方と接触しないように分断される。すなわち、図5に示す例のように、交差部28において、第1検知電極23は繋がっているが、図5の左右方向に伸びる第2検知電極24は分断されて形成されている。そして、第2検知電極24の途切れた箇所を電気的に接続させるために、ブリッジ電極32が設けられている。ブリッジ電極32と第1検知電極23との間には、絶縁性物質からなる層間絶縁膜29が設けられている。
図5に示すように、交差部28で、第1検知電極23の上に設けられた層間絶縁膜29は、光透過性に優れた材料から形成されている。層間絶縁膜29は、ポリシロキサン、アクリル系樹脂、およびアクリルモノマー等の印刷法を用いて塗布し、必要な場合にパターニングを行った後、それを加熱硬化させて形成することができる。ポリシロキサンを用いて形成した場合には、層間絶縁膜29はシリコン酸化物(SiO)からなる無機絶縁層となる。また、アクリル系樹脂、およびアクリルモノマーを用いた場合には、層間絶縁膜29は樹脂からなる有機絶縁層となる。層間絶縁膜29にSiOを用いる場合には、例えば、マスクを用いたスパッタリング法によって、交差部28における第1検知電極23の上にのみSiO膜を形成して、層間絶縁膜29を構成することもできる。
層間絶縁膜29の上層には、ブリッジ電極32が設けられている。ブリッジ電極32は、上述したように、交差部28で途切れた第2検知電極24同士を電気的に接続する機能を果たす。ブリッジ電極32は、ITO等の光透過性に優れた材料によって形成されることが好ましい。ブリッジ電極32を設けることにより、第2検知電極24をY方向に電気的に接続することができる。
図5に示すように、第1検知電極23と第2検知電極24は、上述したように、菱形の電極パッド30を縦または横に複数並べた形状を有する。第1検知電極23において、交差部28に位置する接続部分は、第1検知電極23の菱形の電極パッド30より幅の狭い形状とされる。また、ブリッジ電極32も、菱形の電極パッド30より幅の狭い形状であって、短冊状に形成されている。
タッチパネル21の第1検知電極23と第2検知電極24の端部には、それぞれ端子(図示されない)が設けられており、その端子からそれぞれ引き出し配線31が引き出される。引き出し配線31は、銀、アルミニウム、クロム、銅、モリブデンまたはこれらを含む合金などを使用した金属配線とすることができる。これら金属配線は、公知の方法により金属膜を形成した後、パターニングすることで形成できるが、銀や銅の場合、銀膜形成組成物や銅膜形成組成物を用いて配線パターンを印刷した後、加熱硬化させ、直接に形成することも可能である。引き出し配線31は、その端部の接続端子(図示されない)を用いて、第1検知電極23および第2検知電極24への電圧印加やタッチ操作の位置を検出する外部の制御回路(図示されない)に電気的に接続される。
図4および図5に示すように、第1検知電極23および第2検知電極24の配置された透明基板22の表面には、第1検知電極23および第2検知電極24を覆うように、本発明の実施形態の硬化膜25が配置されている。
硬化膜25は、タッチパネル21の操作領域で、第1検知電極23および第2検知電極24を被覆して保護するように形成されるとともに、第1検知電極23および第2検知電極24から引き出される引き出し配線(図示されない)の端部の接続端子が露出するようにパターニングされて形成される。
硬化膜25は、上述した第1例のタッチパネル1の硬化膜5と同様、後に詳述する本発明の実施形態の感放射線性組成物を用い、所定のパターニングがなされて形成された膜である。本発明の実施形態の感放射線性組成物は、上述したように、本実施形態のタッチパネルの硬化膜の高屈折率化を実現できるように、高屈折率粒子として、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物粒子を含有する。そして、本実施形態のタッチパネルの硬化膜の高屈折率化を実現するとともに、優れたパターニング性を実現できるように、その他の成分についても最適な設計がなされている。
その結果、タッチパネル21では、第1検知電極23と第2検知電極24が目立って見える骨見えの問題を低減できるように、硬化膜25の屈折率の選択と調整がなされている。硬化膜25の屈折率は、1.55〜1.85の範囲内とされることが好ましい。そして、骨見えの低減とパターニング性との両立を考慮した場合、硬化膜25の屈折率は、1.60〜1.80の範囲内とされることがより好ましい。また、骨見えの低減とパターニング性とのより高レベルでの両立を考慮した場合、硬化膜25の屈折率は、1.65〜1.75の範囲内とされることがさらに好ましい。
硬化膜25の膜厚は特に限定されないが、タッチパネル21における骨見えの問題を低減するのに好適な厚みであることが好ましい。硬化膜25の膜厚は、好ましくは0.1μm〜8μm、より好ましくは0.1μm〜6μm、さらに好ましくは0.1μm〜4μmである。
また、硬化膜25は、第1検知電極23および第2検知電極24と同様、タッチパネル21を構成する構成要素として、優れた可視光透過性が求められる。硬化膜25は、上述したタッチパネル1の硬化膜5、6と同様、波長400nmの光の透過率が85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
タッチパネル21は、透明基板22の第1検知電極23および第2検知電極24の形成面に、例えば、アクリル系の透明接着剤からなる接着層(図示されない)を用いて透明な樹脂からなるカバーフィルム(図示されない)を設けることが可能である。そして、液晶表示素子等のディスプレイの上に載置し、電子機器のディスプレイの入力装置として好適に使用することが可能である。
以上の構成を有するタッチパネル21は、第1検知電極23と第2検知電極24がマトリクス状に配置された操作領域において静電容量を計測し、操作者の指等のタッチ操作があった場合に生じる静電容量の変化から、指等の接触位置を検知することができる。
そして、本実施形態のタッチパネル21では、第1検知電極23と第2検知電極24の上に設けられた硬化膜25の効果により、骨見えの問題を低減することができる。
以上のように、骨見えの問題の低減された高信頼性のタッチパネルを提供するためには、タッチパネルの形成に用いられる本実施形態のタッチパネル用の硬化膜が重要な構成要素となる。
次に、本発明の第1実施形態であるタッチパネルの硬化膜の形成に用いられる、本発明の第2実施形態である感放射線性組成物について詳しく説明する。
実施の形態2.
<感放射線性組成物>
本発明の第1実施形態のタッチパネルの硬化膜は、上述したように、検知電極の配置されたタッチパネルの基板上で、その検知電極を覆うように配置される。本発明の第2実施形態の感放射線性組成物は、このタッチパネルの硬化膜の形成に好適な感放射線性の組成物である。
本発明の第2実施形態である感放射線性組成物は、(A)重合体として(A1)芳香環を有する構成単位および(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位を含む重合体、(B)アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物粒子、(C)多官能アクリレート、および(D)感放射線性重合開始剤を含有して構成される。
また、本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有してもよい。
以下、本実施形態の感放射線性組成物に含有される各成分について説明する。
<(A)重合体>
(A)重合体は、(A1)芳香環を有する構成単位、(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位を含む重合体である。(A)重合体は、アルカリに可溶なアルカリ可溶性樹脂である。
(A1)芳香環を有する構成単位は、下記式(1)で示される構成単位である。(A1)芳香環を有する構成単位を含むことによって、得られる硬化膜の屈折率を向上することができ、さらに硬化膜の耐熱性も向上することができる。
上記式(1)中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、水酸基、炭素数1〜12のアルコキシル基、ハロゲンを示す。Rは、単結合、メチレン基、炭素数2〜6のアルキレン基を示す。Rは、単結合、エステル結合を示す。Rは水素原子、メチル基を示す。
(A1)芳香環を有する構成単位を形成するための具体的な重合性化合物としては、以下のものがあげられる。
スチレン、p−ヒドロキシスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−メトキシスチレン、p−(t−ブトキシ)スチレン、
アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸4−ヒドロキシフェニル、メタクリル酸4−ヒドロキシフェニル、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェネチル、メタクリル酸フェネチル等が挙げられる。
これらのうち特に、スチレン、アクリル酸ベンジル、メタクリル酸ベンジルが重合性の観点から望ましい。
(A)重合体における(A1)芳香環を有する構成単位の含有量は、(A)重合体全成分のうちの20mol%以上90mol%以下であることが好ましく、さらに好ましくは、50mol%以上80mol%以下である。
20mol%より少ない含有量の場合、得られる保護膜の屈折率を十分に向上させることが難しく、耐熱性も十分でない。また、90mol%を超える含有量の場合、現像時の現像不良の原因となり、現像残渣が発生しやすくなる。
(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位は、重合体中のカルボキシル基にエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させて得られる。反応後の(メタ)アクリル基を有する構成単位は、下記式(2)で表される。
上記式(2)中、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基である。aは、1〜6の整数である。Rは、下記式(2−1)または下記式(2−2)で表される2価の基である。
上記式(2−1)中、Rは、水素原子またはメチル基である。上記式(2−1)および上記式(2−2)中、*は、酸素原子と結合する部位を示す。
上記式(2)で表される構成単位について、例えば、カルボキシル基を有する重合体に、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸2−メチルグリシジル等の化合物を反応させた場合、式(2)中のRは、式(2−1)となる。一方、メタクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル等の化合物を反応させた場合、式(2)中のRは、式(2−2)となる。
重合体中のカルボキシル基とエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステル等の不飽和化合物との反応においては、必要に応じて適当な触媒の存在下において、好ましくは重合禁止剤を含む重合体の溶液に、エポキシ基を有する不飽和化合物を投入し、加温下で所定時間攪拌する。上記触媒としては、例えば、テトラブチルアンモニウムブロミド等が挙げられる。上記重合禁止剤としては、例えば、p−メトキシフェノール等が挙げられる。反応温度は、70℃〜100℃が好ましい。反応時間は、8時間〜12時間が好ましい。
(A)重合体における(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位の含有量は、(A)重合体全成分のうちの10mol%以上70mol%以下であることが好ましく、20mol%以上50mol%以下であることがより好ましい。
(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位の含有量が10mol%より少ない場合、感放射線性組成物の放射線への感度が低下する傾向にあり、得られる硬化膜の耐熱性も十分でない。また、70mol%より多く含有する場合では、現像時の現像不良の原因となり、現像残渣が発生しやすくなる。
重合体中のカルボキシル基は、以下に示すカルボキシル基を有する不飽和単量体を重合することで導入することができる。
そのような不飽和単量体としては、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸の無水物、多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル等が挙げられる。
不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等が挙げられる。不飽和ジカルボン酸の無水物としては、例えば、上記ジカルボン酸として例示した化合物の無水物等が挙げられる。
多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステルとしては、例えば、コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等が挙げられる。
これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性および入手の容易性からより好ましい。これらの化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
使用割合は、(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位の使用割合よりも5mol%〜20mol%多いことが望ましい。カルボキシル基の全てをエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルと反応させてしまうと、アルカリ現像液に対する現像性が損なわれてしまうためである。そこで、5mol%以上90mol%以下の範囲であることが好ましく、15mol%以上70mol%以下の範囲であることがより好ましい。
(A)重合体は、(A1)芳香環を有する構成単位(以下、単に(A1)構成単位と言うことがある。)、(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有するの構成単位(以下、単に(A2)構成単位と言うことがある。)、および上述のカルボキシル基を有する構成単位(以下、(A3)構成単位と言う。)以外に、以下の不飽和単量体由来の構成単位(以下、(A4)構成単位と言う。)を有してもよい。
(A4)構成単位としては、以下のオキセタニル基を有する構成単位等を挙げることができる。
オキセタニル基を有する構成単位を形成する不飽和単量体としては、例えば、
3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン等のアクリル酸エステル;
3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、3−(2−メタクリロイルオキシエチル)−2,2−ジフルオロオキセタン等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
(A4)構成単位であるアルキル基を有する構成単位を形成する不飽和単量体としては、例えば、
メタクリル酸鎖状アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸n−ステアリル等が挙げられる。
また、メタクリル酸環状アルキルエステルとしては、例えば、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル、メタクリル酸イソボロニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸n−ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸n−ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル、アクリル酸イソボロニル等が挙げられる。
(A4)構成単位であるマレイミド骨格を有する構成単位を形成する不飽和単量体としては、
マレイミド化合物としては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−(4−ヒドロキシベンジル)マレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等が挙げられる。
テトラヒドロフラン骨格を含有する構成単位を形成する不飽和単量体としては、例えば、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、2−メタクリロイルオキシ−プロピオン酸テトラヒドロフルフリルエステル、3−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロフラン−2−オン等が挙げられる。
(A4)構成単位を構成する不飽和単量体のうち、メタクリル酸メチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル、アクリル酸−2−メチルシクロヘキシル、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、メタクリル酸テトラヒドロフルフリルが、共重合反応性およびアルカリ水溶液に対する溶解性の点から好ましい。
これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
使用割合としては、(A1)構成単位、(A2)構成単位、カルボキシル基を有する構成単位((A3)構成単位)、(A4)構成単位との合計に基づいて、10質量%〜80質量%が好ましい。
(A)重合体は、例えば、溶媒中で重合開始剤の存在下、上記(A1)構成単位を形成するための化合物(以下、(A1)化合物とも言う。)並びに(A2)構成単位を形成するための化合物(以下、(A2)化合物とも言う。)(任意の(A3)構成単位を形成するための化合物(以下、(A3)化合物とも言う。)化合物および(A4)構成単位を形成するための不飽和単量体(以下、(A4)化合物とも言う。))を共重合することによって製造できる。
(A)重合体を製造するための重合反応に用いられる溶媒としては、例えば、アルコール、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、メチル−3−メトキシプロピオネート、ケトン、エステル等が挙げられる。
(A)重合体を製造するための重合反応に用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用できる。ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物が挙げられる。
(A)重合体を製造するための重合反応においては、分子量の調整を目的として、分子量調整剤を使用することができる。
分子量調整剤としては、例えば、クロロホルム、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等が挙げられる。
(A)重合体の重量平均分子量(Mw)は、1000〜30000が好ましく、5000〜20000がより好ましい。(A)重合体のMwを上記範囲とすることで、感放射線性組成物の放射線に対する感度および現像性を高めることができる。尚、本明細書における重合体のMwおよび数平均分子量(Mn)は、下記の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した。
装置:GPC−101(昭和電工製)
カラム:GPC−KF−801、GPC−KF−802、GPC−KF−803およびGPC−KF−804を結合
移動相:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<(B)金属酸化物粒子>
(B)金属の酸化物粒子(以下、単に金属酸化物粒子とも言う。)は、本実施形態の感放射線性組成物中に含有されることで、得られる硬化膜の屈折率を向上させることができる。
(B)金属酸化物粒子は、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属の酸化物粒子であり、この中でもジルコニウム、チタニウムまたは亜鉛の酸化物粒子が好ましく、ジルコニウムまたはチタニウムの酸化物粒子がより好ましい。
これらの金属酸化物粒子は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、(B)金属酸化物粒子としては、上記金属の複合酸化物粒子であってもよい。この複合酸化物粒子としては例えば、ATO(Antimony−Tin Oxide)、ITO、IZO(Indium−Zinc Oxide)等が挙げられる。これらの金属酸化物粒子としては、市販のものを使用することができる。例えば、シーアイ化成(株)によるナノテック等を使用することができる。
(B)金属酸化物粒子の形状は、特に限定されず、球状でも不定形のものでもよく、中空粒子、多孔質粒子、コア・シェル型粒子等であっても構わない。
また、動的光散乱法で求めた(B)金属酸化物粒子の数平均粒子径は5nm以上200nm以下が好ましく、5nm以上100nm以下がより好ましく、10nm以上80nm以下がさらに好ましい。(B)金属酸化物粒子の数平均粒子径が5nm未満であると、硬化膜の硬度が低下するおそれがあり、200nmを超えると硬化膜のヘイズが高くなるおそれがある。
(B)金属酸化物粒子において、より好ましい金属であるジルコニウムやチタニウムを用いた場合は、さらに高い屈折率を得ることができる。ジルコニウムやチタニウムを用いることでさらに屈折率が高まる理由としては定かではないが、電気陰性度の低さから、粒子内の分極が高く、その結果、屈折率が向上することなどが考えられる。従って、(B)金属酸化物粒子としては、電気陰性度1.7以下の金属の酸化物粒子が好ましく、電気陰性度1.6以下の金属の酸化物粒子がより好ましい。
(B)金属酸化物粒子は、分散剤とともに分散媒に分散させ、金属酸化物粒子分散液として感放射線性組成物に用いられることが望ましい。このようにすることで、分散剤を含有することにより均一に(B)金属酸化物粒子を分散させ、塗布性を高めることができ、得られる硬化膜の密着性を高め、屈折率を偏り無く一様に高めることができる。
分散剤としては、ノニオン系分散剤、カチオン系分散剤、アニオン系分散剤等を挙げることができるが、ポジ型の感放射線特性およびパターニング性の向上の観点からは、ノニオン系分散剤が好ましい。このノニオン系分散剤としては、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、高分子量ポリカルボン酸のアミドアミン塩、エチレンジアミンPO−EO縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたは脂肪酸アルカノールアミドであることが好ましい。
分散媒としては、(B)金属酸化物粒子を均一に分散可能であれば、特に限定されない。分散媒は、分散剤を効果的に機能させ、(B)金属酸化物粒子を均一に分散させることができる。
分散媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート等のエステル類;ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類を用いることができる。中でも、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネートがより好ましい。分散媒は1種また2種以上を混合して用いることができる。
分散液の金属酸化物粒子は、好ましくは5%〜50%、さらに好ましくは10%〜40%であることが望ましい。
(B)金属酸化物粒子の配合量としては、特に限定されないが、(A)重合体100質量部に対して、0.1質量部以上1500質量部以下が好ましく、1質量部以上1000質量部以下がより好ましい。(B)金属酸化物粒子の配合量が0.1質量部より少ないと、得られる硬化膜の屈折率を向上させる効果が十分に得られない。逆に、金属酸化物粒子の配合量が1500質量部を超えると、感放射線性組成物の塗布性が低下し、また、得られる硬化膜のヘイズが高くなるおそれがある。
(B)金属酸化物粒子の比表面積(窒素を用いたBET比表面積測定法による)は、10m/g以上1000m/g以下が好ましく、100m/g以上500m/g以下がより好ましい。尚、(A)重合体にオキシラニル基等のカチオン重合性の高い重合性基が存在する場合、(B)金属酸化物粒子に上記のものを用いることで、紫外線等の放射線の照射によって(B)金属酸化物粒子の表面が光触媒的に作用し、(A)重合体の架橋反応を触媒的に促進する場合がある。その場合、(B)金属酸化物粒子の比表面積が上記範囲であることで、上記光触媒的な作用が効果的に発現し、さらに高い所望の感放射線特性が発揮される。
<(C)多官能アクリレート>
本実施形態の感放射線性組成物は、多官能アクリレートとして、分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物を含有する。この重合性化合物の機能の一つとしては、感放射線性組成物に放射線である光が照射された際に、重合して高分子量化することや架橋構造を形成することが挙げられる。こうした重合性化合物の含有により、感放射線性組成物の塗膜全体を硬化させることができる。そして、光照射部分とそうでない部分のコントラストを向上させ、現像時の剥離の防止と残渣の形成を抑制することができる。
尚、ここで、「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基またはメタアクリロイル基のことを指し、「分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有する」とは、その分子内に存在するアクリロイル基およびメタアクリロイル基の合計が2以上であることを指す。その場合、それら基の合計数が2以上であればよく、アクリロイル基およびメタアクリロイル基のいずれかが存在しなくてもよい。
分子内に複数の(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物の例としては、以下のものを挙げることができる。
分子内に2つの(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物としては、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、フルオレンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
分子内に3つの(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスルトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等が挙げられる。
分子内に4つの(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物としては、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート等が挙げられる。
分子内に5つの(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物としては、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが挙げられる。
分子内に6つの(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(C)多官能アクリレートは、7つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する重合性化合物であってもよい。また、(C)多官能アクリレートは、上述の重合性化合物のうち、水酸基を有する(メタ)アクリレート類、およびこれらの水酸基へのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレート類であってもよい。さらに、(C)多官能アクリレートとしては、2つ以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であれば、オリゴエステル(メタ)アクリレート類、オリゴエーテル(メタ)アクリレート類、およびオリゴエポキシ(メタ)アクリレート類等を用いることができる。
(C)多官能アクリレートとしては、これらの中では、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、フルオレンジ(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート(デンドリマー(メタ)アクリレート)が、重合性に優れる点でより好ましい。
以上で(C)多官能アクリレートとして例示された重合性化合物の市販品については、例えば、東亞合成株式会社製アロニックス(登録商標)M−400、M−404、M−408、M−450、M−305、M−309、M−310、M−313、M−315、M−320、M−350、M−360、M−208、M−210、M−215、M−220、M−225、M−233、M−240、M−245、M−260、M−270、M−1100、M−1200、M−1210、M−1310、M−1600、M−221、M−203、TO−924、TO−1270、TO−1231、TO−595、TO−756、TO−1343、TO−902、TO−904、TO−905、TO−1330、TO−1450、TO−1382、日本化薬株式会社製KAYARAD(登録商標) D−310、D−330、DPHA、DPCA−20、DPCA−30、DPCA−60、DPCA−120、DN−0075、DN−2475、SR−295、SR−355、SR−399E、SR−494、SR−9041、SR−368、SR−415、SR−444、SR−454、SR−492、SR−499、SR−502、SR−9020、SR−9035、SR−111、SR−212、SR−213、SR−230、SR−259、SR−268、SR−272、SR−344、SR−349、SR−601、SR−602、SR−610、SR−9003、PET−30、T−1420、GPO−303、TC−120S、HDDA、NPGDA、TPGDA、PEG400DA、MANDA、HX−220、HX−620、R−551、R−712、R−167、R−526、R−551、R−712、R−604、R−684、TMPTA、THE−330、TPA−320、TPA−330、KS−HDDA、KS−TPGDA、KS−TMPTA、共栄社化学株式会社製ライトアクリレート PE−4A、DPE−6A、DTMP−4A、大阪有機化学工業株式会社製ビスコート#802;トリペンタエリスリトールオクタアクリレートおよびトリペンタエリスリトールヘプタアクリレートの混合物等を挙げることができる。
本実施形態の感放射線性組成物における(C)多官能アクリレートの含有量は、感放射線性組成物全体に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましい。また、本実施形態の感放射線性組成物が、有機溶剤を含有する場合、感放射線性組成物における(C)多官能アクリレート重合性化合物の含有量は、有機溶剤を除く成分の合計に対して5質量%以上50質量%以下の範囲内とすることが好ましく、10質量%以上40質量%以下の範囲内であることがより好ましい。(C)多官能アクリレートが上記範囲で含有されることで、感放射線性組成物から、高い硬度の硬化膜を得ることができる。
<(D)感放射線性重合開始剤>
本実施形態の感放射線性組成物は、(C)多官能アクリレートとともに(D)感放射線性重合開始剤を含有する。(D)感放射線性重合開始剤は、放射線に感応して(C)多官能アクリレートの重合を開始し得る活性種を生じる成分である。(D)感放射線性重合開始剤は、例えば、光ラジカル重合開始剤である。このような(D)感放射線性重合開始剤としては、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
(D)感放射線性重合開始剤の例であるO−アシルオキシム化合物としては、例えば、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、1−〔9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
これらのうち、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)またはエタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
(D)感放射線性重合開始剤の例であるアセトフェノン化合物としては、例えば、α−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物等が挙げられる。
(D)感放射線性重合開始剤の例であるα−アミノケトン化合物としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
(D)感放射線性重合開始剤の例であるα−ヒドロキシケトン化合物としては、例えば、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
(D)感放射線性重合開始剤の例であるアセトフェノン化合物としては、α−アミノケトン化合物が好ましく、特に、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが好ましい。
(D)感放射線性重合開始剤の例であるビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールまたは2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましく、そのうち、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールがより好ましい。
(D)感放射線性重合開始剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
(D)感放射線性重合開始剤の含有量は、(A)重合体100質量部に対して、1質量部〜40質量部が好ましく、5質量部〜30質量部がより好ましい。(D)感放射線性重合開始剤の含有量を1質量部〜40質量部とすることで、感放射線性組成物は、低露光量であっても、高い耐溶媒性、高い硬度および高い密着性を有する硬化膜を形成できる。
<任意成分>
本実施形態の感放射線性組成物は、(A)重合体、(B)金属酸化物粒子、(C)多官能アクリレートおよび(D)感放射線性重合開始剤に加え、(B)金属酸化物粒子とともに使用される分散剤および分散媒の他、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、界面活性剤等のその他の任意成分を含有できる。任意成分は、2種以上を混合して使用してもよい。以下、各成分について記載する。
[界面活性剤]
本実施形態の感放射線性組成物に含有される界面活性剤は、感放射線性組成物の塗布性の改善、塗布ムラの低減、放射線照射部の現像性を改良するために添加することができる。好ましい界面活性剤の例としては、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば1,1,2,2−テトラフルオロオクチル(1,1,2,2−テトラフルオロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル等のフルオロエーテル類;パーフルオロドデシルスルホン酸ナトリウム;1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフルオロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロデカン等のフルオロアルカン類;フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム類;フルオロアルキルオキシエチレンエーテル類;フルオロアルキルアンモニウムヨージド類;フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル類;パーフルオロアルキルポリオキシエタノール類;パーフルオロアルキルアルコキシレート類;フッ素系アルキルエステル類等を挙げることができる。
これらのフッ素系界面活性剤の市販品としては、エフトップ(登録商標)EF301、303、352(新秋田化成(株)製)、メガファック(登録商標)F171、172、173(DIC(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG(登録商標)710、サーフロン(登録商標)S−382、SC−101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、FTX−218((株)ネオス製)等を挙げることができる。
シリコーン系界面活性剤の例としては、市販されている商品名で、SH200−100cs、SH28PA、SH30PA、ST89PA、SH190、SH 8400 FLUID(東レダウコーニングシリコーン(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
任意成分として界面活性剤を使用する場合、その含有量は、(A)重合体100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上10質量部以下、より好ましくは0.05質量部以上5質量部以下である。界面活性剤の使用量を0.01質量部以上10質量部以下とすることによって、感放射線性組成物の塗布性を最適化することができる。
<感放射線性組成物の調製>
本実施形態の感放射線性組成物は、(A)重合体、(B)金属酸化物粒子、(C)多官能アクリレート、(D)感放射線性重合開始剤、さらに必要に応じて界面活性剤を混合して調製される。このとき、分散液状態の感放射線性組成物を調製するため、有機溶剤を用いることができる。有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
有機溶剤の機能としては、感放射線性組成物の粘度等を調節して、例えば、基板等への塗布性を向上させることの他、操作性、成形性を向上させること等が挙げられる。有機溶剤等の含有によって実現される感放射線性組成物の粘度としては、例えば、0.1mPa・s以上50000mPa・s以下(25℃)が好ましく、より好ましくは、0.5mPa・s以上10000mPa・s以下(25℃)である。
感放射線性組成物に使用可能な有機溶剤としては、他の含有成分を溶解または分散させるとともに、他の含有成分と反応しないものを挙げることができる。
例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート等のエステル類;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類等が挙げられる。
本実施形態の感放射線性組成物において用いられる有機溶剤の含有量は、感光性組成物の粘度等を考慮して適宜決めることができる。
分散液状態の感放射線性組成物を調製する際の分散方法としては、ペイントシェーカ、SCミル、アニュラー型ミル、ピン型ミル等を用いて通常周速5m/s〜15m/sで、粒径の低下が観察されなくなるまで継続する方法によって行われるとよい。この継続時間としては、通常数時間である。また、この分散の際に、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ等の分散ビーズを用いることが好ましい。このビーズ径は特に限定されないが、好ましくは0.05mm〜0.5mm、より好ましくは0.08mm〜0.5mm、さらに好ましくは0.08mm〜0.2mmである。
実施の形態3.
<硬化膜およびタッチパネルの製造>
本発明の第3実施形態であるタッチパネルの製造方法においては、上述した本実施の形態の感放射線性組成物を用いて硬化膜を形成する工程が主要な工程として含まれる。この硬化膜の形成工程では、硬化膜のパターニングが行われる。以下、主要工程である硬化膜の形成工程を主に説明し、本実施形態のタッチパネルの製造方法について説明する。
本実施形態のタッチパネルの製造方法では、検知電極等の配置された基板上に硬化膜が形成されるように、少なくとも下記の工程[1]〜工程[3]を下記の順で含むことが好ましい。
[1]本発明の第1実施形態の感放射線性組成物の塗膜を形成する工程
[2]工程[1]で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程
[3]工程[2]で放射線を照射された塗膜を現像する工程
以下で、[1]〜[3]の各工程について説明する。
[1]感放射線性組成物の塗膜を基板上に形成する工程
工程[1]においては、基板上に本発明の第1実施形態の感放射線性組成物を塗布する。次いで、好ましくは塗布面を加熱(プレベーク)し、塗膜に溶剤が含有される場合にその溶剤を除去して、塗膜を形成する。
基板としては可視光透過性に優れた透明基板を用いることが好ましい。使用できる基板の例としては、ガラス基板や樹脂基板等を挙げることができる。樹脂基板の具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、環状オレフィンの開環重合体フィルムおよびその水素添加物からなるフィルム等を挙げることができる。
そして、この基板には、検知電極および配線が形成されている。検知電極は、公知の方法により形成されたものである。すなわち、ITOからなる透明導電膜や、酸化インジウムと酸化亜鉛からなる透明導電膜等を、上記のガラス基板や樹脂基板上に公知の方法を用いて形成した後、必要な場合に、フォトリソグラフィ法によるエッチングを行って形成することができる。
感放射線性組成物の塗布方法としては、特に限定されない。例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法等の適宜の方法を採用することができる。これらの塗布方法の中でも、特にスピンコート法またはスリットダイ塗布法が好ましい。プレベークの条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、好ましくは70℃〜120℃で1分間〜10分間程度とすることができる。
[2]塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程
工程[2]では、工程[1]で形成された基板上の塗膜の少なくとも一部に、放射線を照射(以下、露光とも言う。)する。この場合、塗膜の一部に露光する際には、通常、タッチパネルの硬化膜形成に好適な所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。露光に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用できる。これらの放射線の中でも、波長が190nm〜450nmの範囲にある放射線が好ましく、特に365nmの紫外線を含む放射線が好ましい。
工程[2]における露光量は、放射線の波長365nmにおける強度を、照度計(OAI model356、OAI Optical Associates Inc.製)により測定した値として、好ましくは100J/m〜10000J/m、より好ましくは500J/m〜6000J/mである。
[3]現像工程
工程[3]では、工程[2]で得られた露光後の塗膜を現像することにより、不要な部分(感放射線性組成物の塗膜がポジ型の場合は、放射線の照射部分。ネガ型の場合は、放射線の非照射部分。)を除去して、所定のパターンを形成する。
現像工程に使用される現像液としては、アルカリ(塩基性化合物)の水溶液からなるアルカリ現像液の使用が好ましい。アルカリの例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
また、このようなアルカリ現像液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。アルカリ現像液におけるアルカリの濃度は、適当な現像性を得る観点から、好ましくは0.1質量%以上5質量%以下とすることができる。現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等の適宜の方法を利用することができる。現像時間は、感放射線性組成物の組成によって異なるが、好ましくは10秒間〜180秒間程度である。このような現像処理に続いて、例えば、流水洗浄を30秒間〜90秒間行った後、例えば、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、所望のパターンを形成することができる。
このように工程[1]〜工程[3]により形成された基板上の硬化膜は、透明性が高く、また、高い屈折率を有している。本実施形態の感放射線性組成物から形成される硬化膜は、各成分の配合比等によって異なるが、1.50以上、さらには1.55以上の高い値の屈折率を有している。
硬化膜の膜厚としては、好ましくは0.1μm〜8μm、より好ましくは0.1μm〜6μm、さらに好ましくは0.1μm〜4μmである。本発明の感放射線性組成物から形成された硬化膜は、後述する実施例からも明らかにされるように、透明性および密着性を備えている。
以上のようにして、光透過性を有する基板上に検知電極と配線と硬化膜とを配置して、本実施の形態のタッチパネルを製造することができる。
以下、実施例に基づき本発明の実施形態を詳述するが、この実施例によって本発明が限定的に解釈されるものではない。
<感放射線性組成物の調製>
合成例1
[共重合体(α)の合成]
(A)重合体である共重合体(α)の合成を、以下に従い行った。
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4質量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート190質量部を仕込み、引き続きメタクリル酸55質量部、メタクリル酸ベンジル45質量部、並びに分子量調節剤としてのα−メチルスチレンダイマー2質量部を仕込み、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇し、この温度を4時間保持した後、100℃に上昇させ、この温度を1時間保持して重合することにより共重合体を含有する溶液を得た。次いで、この共重合体を含む溶液に、テトラブチルアンモニウムブロミド1.1質量部、重合禁止剤としての4−メトキシフェノール0.05質量部を加え、空気雰囲気下90℃で30分間攪拌後、メタクリル酸グリシジル74質量部を入れて90℃のまま10時間反応させることにより、共重合体(α)を得た(固形分濃度=35.0%)。共重合体(α)のMwは、9000であった。
このとき、H−NMR、FT−IRから求めた、共重合体(α)中の、上述した(A1)構造単位の含有率は、37.5mol%であった。
合成例2
[共重合体(β)の合成]
(A)重合体である共重合体(β)の合成を、以下に従い行った。
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4質量部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート190質量部を仕込み、引き続きメタクリル酸85質量部、メタクリル酸ベンジル15質量部、並びに分子量調節剤としてのα−メチルスチレンダイマー2質量部を仕込み、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を80℃に上昇し、この温度を4時間保持した後、100℃に上昇させ、この温度を1時間保持して重合することにより共重合体を含有する溶液を得た。次いで、この共重合体を含む溶液に、テトラブチルアンモニウムブロミド1.1質量部、重合禁止剤としての4−メトキシフェノール0.05質量部を加え、空気雰囲気下90℃で30分間攪拌後、メタクリル酸グリシジル74質量部を入れて90℃のまま10時間反応させることにより、共重合体(β)を得た(固形分濃度=35.5%)。共重合体(β)のMwは、10000であった。
このとき、H−NMR、FT−IRから求めた、共重合体(β)中、(A1)構造単位の含有率は、8.5mol%であった。
合成例3
[エポキシ基を有する樹脂(γ)の合成]
比較例を構成するために、エポキシ基を有する樹脂である共重合体(γ)の合成を、以下に従い行った。
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部およびジエチレングリコールメチルエチルエーテル220質量部を仕込んだ。引き続き、メタクリル酸10質量部、メタクリル酸グリシジル40質量部、メタクリル酸メチル50質量部を仕込み、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、共重合体(γ)を含有する溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は31.9質量%であり、共重合体(γ)のMwは、9000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.3であった。
実施例1
[感放射線性組成物の調製]
分散剤としてポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル3質量部、分散媒としてメチルエチルケトン90質量部を混合し、ホモジナイザーで撹拌しながら(B)金属酸化物粒子としてジルコニウム酸化物粒子(ZrO粒子)7質量部を約10分間にわたって徐々に加えた。ジルコニウム酸化物粒子の添加の後、約15分撹拌した。得られたスラリーをSCミルを用いて分散し、ZrO粒子分散液を得た。
(A)重合体として合成例1で合成した共重合体(α)を含む溶液(共重合体100質量部(固形分)に相当する量)に、上記ZrO粒子分散液415質量部、(C)多官能アクリレートである多官能アクリレート1としてコハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)製の「アロニックス(登録商標)TO−756」)100質量部、(D)感放射線性重合開始剤として2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)907)3質量部、シリコン系の界面活性剤としてSH8400 FLUID(東レダウコーニングシリコーン(株)製)0.3質量部を加え、感放射線性組成物を調製した。
実施例2
[感放射線性組成物の調製]
実施例2では、(B)金属酸化物粒子としてジルコニウム酸化物粒子(ZrO粒子)に代えてTiO粒子を用いた以外は、実施例1と同様にしてTiO粒子分散液を調整した。次いで、このTiO粒子分散液を用い、(C)多官能アクリレートとして多官能アクリレート2であるMAX−3510(日本化薬(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にして、感放射線性組成物を調製した。
実施例3
[感放射線性組成物の調製]
実施例3では、(B)金属酸化物粒子としてジルコニウム酸化物粒子(ZrO粒子)に代えてZnO粒子を用いた以外は、実施例1と同様にしてZnO粒子分散液を調整した。次いで、このZnO粒子分散液を用い、(C)多官能アクリレートとして多官能アクリレート2であるMAX−3510(日本化薬(株)製)を用いた以外は実施例1と同様にして、感放射線性組成物を調製した。
実施例4
[感放射線性組成物の調製]
実施例4では、実施例1と同様の方法で得られたZrO粒子分散液を用いた。
(A)重合体として合成例2で合成した共重合体(β)を含む溶液(共重合体100質量部(固形分)に相当する量)に、上記ZrO粒子分散液415質量部、(C)多官能アクリレートである多官能アクリレート2としてMAX−3510(日本化薬(株)製)100質量部、(D)感放射線性重合開始剤として2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)907)3質量部、シリコン系の界面活性剤としてSH8400 FLUID(東レダウコーニングシリコーン(株)製)0.3質量部を加え、感放射線性組成物を調製した。
比較例1
[感放射線性組成物の調製]
比較例1では、実施例1と同様の方法で得られたZrO粒子分散液を用いた。
(A)重合体として合成例3で合成した共重合体(γ)を含む溶液(共重合体100質量部(固形分)に相当する量)に、上記ZrO粒子分散液415質量部、(C)多官能アクリレートである多官能アクリレート1としてコハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)製の「アロニックス(登録商標)TO−756」)100質量部、(D)感放射線性重合開始剤として2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)907)3質量部、シリコン系の界面活性剤としてSH8400 FLUID(東レダウコーニングシリコーン(株)製)0.3質量部を加え、感放射線性組成物を調製した。
比較例2
[感放射線性組成物の調製]
比較例2では、(B)金属酸化物粒子を含有せずに感放射線性組成物を調製した。
(A)重合体として合成例1で合成した共重合体(α)を含む溶液(共重合体100質量部(固形分)に相当する量)に、(C)多官能アクリレートである多官能アクリレート1としてコハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成(株)製の「アロニックス(登録商標)TO−756」)100質量部、(D)感放射線性重合開始剤として2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社製、イルガキュア(登録商標)907)3質量部、シリコン系の界面活性剤としてSH8400 FLUID(東レダウコーニングシリコーン(株)製)0.3質量部を加え、感放射線性組成物を調製した。
実施例5
[硬化膜とタッチパネルの評価]
実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例2で調製した感放射線性組成物を使用し、以下のように硬化膜を形成し、特性の評価を行った。そして、実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例2で調製した感放射線性組成物を使用し、以下のようにタッチパネルを形成し、骨見えの評価を行った。
(透過率の評価)
ガラス基板(「コーニング(登録商標)7059」(コーニング社製))に、実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例2で調製した感放射線性組成物を、スピンナを用いて塗布した後、ホットプレート上で90℃にて2分間プレベークして塗膜を形成した。次いで、キヤノン(株)製PLA(登録商標)−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い露光を行い、0.05質量%とした水酸化カリウム水溶液を用いて現像を行った。乾燥後、この硬化膜が形成されたガラス基板について、分光光度計「150−20型ダブルビーム」((株)日立製作所製)を用いて波長400nm〜800nmの範囲の光透過率を測定し、各ガラス基板について、波長400nm〜800nmの範囲の光透過率の最低値(最低光透過率とも言う。)を評価した。そして、波長400nmでの光透過率を評価の基準とし、波長400nmの光透過率が85%以上の場合、光透過率特性が特に良好であると判断した。評価結果は、「硬化膜の透過率(%)」として、後述する表1にまとめて示した。
実施例1〜実施例4および比較例2で調製した感放射線性組成物を用いて得られた硬化膜は、いずれも波長400nmでの光透過率が90%以上であり、光透過率特性は特に良好であった。比較例1で調製した感放射線性組成物を用いて得られた硬化膜は、波長400nmでの光透過率が83%であり、良好な光透過率特性は得られなかった。
(屈折率の評価)
アッベ屈折計を用いて、実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例2で調製した感放射線性組成物を用い、上述の(透過率の評価)の方法によって得られた硬化膜の25℃、633nmの光線における屈折率を測定した。評価結果は、「硬化膜の屈折率(633nm)」として、後に示す表1にまとめて示した。
(パターニング性の評価)
実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例2で調製した感放射線性組成物を用い、それぞれについて上述の(透過率の評価)と同様にして塗膜を形成した。次いで、得られたガラス基板上の塗膜に対し、キヤノン(株)製PLA(登録商標)−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、5cm×8cmのパターンを有するマスクを介して露光を行った。その後、0.05質量%の水酸化カリウム水溶液にて25℃、60秒間、現像した。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、パターニングされた硬化膜を形成した。
パターニングされた各硬化膜の端部分を光学顕微鏡で観察し、現像残渣がなく、パターンが直線状に形成されている場合をパターニング性良好と判断した。
一方、パターンの端部分に現像残渣がある場合、パターニング性不良と判断した。評価結果は、「パターニング性」として、後に示す表1にまとめて示した。尚、表1においては、パターニング性良好と判断した場合に○印を付し、不良と判断した場合に×印を付した。
(タッチパネルの製造と評価)
0.7mm厚で100mm×100mmの大きさのガラス基板の表面に、検知電極として、所定の方向に延在する短冊状のITO電極が複数配列され、その裏面に、表面側のITO電極と直交する方向に延在する複数の短冊状のITO電極が配列されたタッチパネル用の電極基板を準備した。この電極基板では、それぞれ短冊状のITO電極が、ガラス基板の両面で直交するストライプ状のパターンを形成するように構成されている。そして、各ITO電極の厚みは20nmとした。この電極基板におけるガラス基板上でのITO電極の配置構造は、図1に示したタッチパネル1の第1検知電極3および第2検知電極4の透明基板2上の配置構造と同様である。
そして、実施例1で調製した感放射線性組成物を用い、上記電極基板の表面に、上述の(透過率の評価)と同様の方法にしたがって塗膜を形成した。次いで、得られた電極基板上の塗膜に対し、キヤノン(株)製PLA(登録商標)−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、5cm×8cmのパターンを有するマスクを介して露光を行った。その後、0.05質量%の水酸化カリウム水溶液にて25℃、60秒間、現像した。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、電極基板のITO電極の形成されている表面にパターニングされた硬化膜を形成した。同様の方法に従い、ITO電極の形成されている裏面にパターニングされた硬化膜を、表面の硬化膜と同様の位置に形成し、タッチパネルを製造した。こうして、製造されたタッチパネルは、ITO電極のある電極基板の表と裏の両方の面に硬化膜を有する。そして、タッチパネルでは、実施例1の感放射線性組成物を用いて形成された硬化膜が、ITO電極の形成された電極基板の面の一部を覆うことで、複数のITO電極の一部とそれらの間のITO電極が形成されていない部分を覆うように構成されている。
次に、実施例2〜実施例4および比較例1〜比較例2で調製した各感放射線性組成物を用い、それぞれ上記と同様の電極基板を用い、上記と同様の方法に従って、上記と同様の構造のタッチパネルを製造した。
製造された各タッチパネルを用い、硬化膜の形成部分と非形成部分とを目視によって比較し、ITO電極の骨見えを評価した。評価結果は、「タッチパネルの骨見え評価」として、表1にまとめて示した。尚、表1においては、硬化膜によって、ITO電極が見立たずに骨見えが問題とならないと感じられた場合に、骨見え評価が良好と判断して○印を付した。一方、硬化膜があってもITO電極が目立って骨見えが明確に認識された場合には、不良と判断して×印を付した。
表1には、実施例1〜実施例4および比較例1〜比較例2で調製した感放射線性組成物の組成を示すとともに、それらを用いて製造された硬化膜とタッチパネルの評価結果をまとめて示している。尚、表1の組成欄中の「−」は該当する成分を使用しなかったことを表す。
表1に示すように、実施例1〜実施例4および比較例2で調製した感放射線性組成物を用いて製造された硬化膜は、それぞれ優れたパターニング性を有する。一方、比較例1で調製した感放射線性組成物を用いて製造された硬化膜は、パターニング性が不良であった。
また、実施例1〜実施例4および比較例1で調製した感放射線性組成物を用いて製造された硬化膜は、いずれも1.6以上の高い屈折率を示した。比較例2で調製した感放射線性組成物を用いて製造された硬化膜は、1.55を超える屈折率は得られなかった。
その結果、実施例1〜実施例4および比較例1で調製した感放射線性組成物を用いて製造されたタッチパネルでは、それぞれ骨見え評価が良好であった。一方、比較例2で調製した感放射線性組成物を用いて製造されたタッチパネルは、骨見え評価は不良であった。
尚、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
本発明のタッチパネルは骨見えが低減され、高い信頼性を有する。したがって、本発明のタッチパネルは、優れた表示品位と信頼性が求められる携帯用情報機器の入力装置として好適である。
1、11、21、100 タッチパネル
2、12、22、101 透明基板
3、13、23、102 第1検知電極
4、14、24、103 第2検知電極
5、6、15、25 硬化膜
17 絶縁層
28 交差部
29 層間絶縁膜
30 電極パッド
31 引き出し配線
32 ブリッジ電極

Claims (6)

  1. 検知電極の配置された基板上に、当該検知電極を覆うように配置された硬化膜を有するタッチパネルであって、
    前記硬化膜は、
    (A)(A1)芳香環を有する構成単位および(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位を含む重合体、
    (B)アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物粒子、
    (C)多官能アクリレート、
    (D)感放射線性重合開始剤
    を含有する感放射線性組成物を用いて形成され、波長633nmの屈折率が1.55〜1.85であることを特徴とするタッチパネル。
  2. (A)重合体中の(A1)芳香環を有する構成単位の含有量は、(A)重合体全体の20mol%以上90mol%以下であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネル。
  3. 前記硬化膜は、波長400nmの光透過率が85%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のタッチパネル。
  4. 検知電極の配置された基板上に、当該検知電極を覆うように配置された波長633nmの屈折率が1.55〜1.85である硬化膜を有するタッチパネルの製造方法であって、
    前記硬化膜を形成する工程は、少なくとも以下の工程を有することを特徴とするタッチパネルの製造方法。
    [1]検知電極の配置された基板上に、
    (A)(A1)芳香環を有する構成単位および(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位を含む重合体、
    (B)アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物粒子、
    (C)多官能アクリレート、
    (D)感放射線性重合開始剤
    を含有する感放射線性組成物の塗膜を形成する工程、
    [2][1]工程で形成された前記感放射線性組成物の塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
    [3][2]工程で放射線を照射された塗膜を現像する工程。
  5. (A)(A1)芳香環を有する構成単位および(A2)(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位を含む重合体、
    (B)アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一種の金属の酸化物粒子、
    (C)多官能アクリレート、
    (D)感放射線性重合開始剤
    を含有する感放射線性組成物であって、
    波長633nmの屈折率が1.55〜1.85であるタッチパネル用硬化膜の形成に用いられることを特徴とする感放射線性組成物。
  6. 請求項5に記載の感放射線性組成物から形成され、波長633nmの屈折率が1.55〜1.85であることを特徴とするタッチパネル用硬化膜。
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