JP6986830B2 - 感放射線性樹脂組成物、パターン、パターン形成方法及び表示素子 - Google Patents
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Description
本発明の一実施形態に係る感放射線性樹脂組成物は、炭素数5〜30の脂環式炭化水素基、フェニル基、ベンジル基又はこれらの組み合わせを含む第1構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう。)を有する重合体(以下、「[A]重合体」ともいう。)、[B]感放射線性重合開始剤(以下、単に「[B]重合開始剤」ともいう。)、及び[C]重合性不飽和化合物を含有する。[A]重合体の全構造単位に対する構造単位(I)の含有量は、5モル%以上60モル%以下である。
[A]重合体は、上記構造単位(I)を有する。また、[A]重合体は、後述する構造単位(II)をさらに有することが好ましく、さらにその他の構造単位を有することができる。
構造単位(I)は、炭素数5〜30の脂環式炭化水素基、フェニル基、ベンジル基又はこれらの組み合わせを含む限り特に限定されないが、下記式(1)で表される構造単位であることが好ましい。構造単位(I)は、一種類の構造単位のみから構成されていてもよいし、複数種の構造単位から構成されていてもよい。
シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプタニル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基、シクロヘキサデカニル基、シクロイコサン基等のシクロアルキル基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘプタニル基、シクロオクテニル基、シクロデケニル基、シクロドデケニル基等のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エニル基、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカニル基等の1価の橋かけ環炭化水素基;
スピロビシクロペンタニル基等のスピロ環構造を有する1価の基等を挙げることができる。
シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロオクチルアクリレート、シクロヘキセニルアクリレート、ノルボルニルアクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルアクリレート等のアクリル酸環状アルキルエステル;
シクロペンチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロオクチルメタクリレート、シクロヘキセニルメタクリレート、ノルボルニルメタクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート等のメタクリル酸環状アルキルエステル;
フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート等のアクリル酸アリールエステル;
フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート等のメタクリル酸アリールエステル
が挙げられる。上記不飽和化合物は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等のマレイミド化合物;
スチレン、α−メチルスチレン等の不飽和芳香属化合物
等を挙げることができる。
構造単位(II)は、下記式(2)で表される構造単位である。構造単位(II)は、三員環の環状エーテル構造(エポキシ構造)を側鎖に有する構造単位である。[A]重合体が構造単位(II)を有することにより、現像密着性や、得られるパターンの硬度、耐薬品性等を高めることができる。構造単位(II)は、一種類の構造単位のみから構成されていてもよいし、複数種の構造単位から構成されていてもよい。
グリシジルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート等のアクリル酸エステル;
グリシジルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメタクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。上記不飽和化合物は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
[A]重合体は、カルボキシ基を有する構造単位(III)をさらに有することが好ましい。[A]重合体が構造単位(III)を有することで、アルカリ現像液に対する良好な現像性等を発揮することができる。また、構造単位(II)のオキシラニル基と、構造単位(III)とが架橋反応するため、得られるパターンの硬度や耐薬品性等をより高めることなどができる。
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、4−ビニル安息香酸等の不飽和モノカルボン酸;
マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;
上記不飽和ジカルボン酸の無水物
等が挙げられる。上記不飽和化合物は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(III)以外の構造単位をさらに有することができる。
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸n−ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸n−ステアリル等のメタクリル酸鎖状アルキルエステル;
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸n−ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸n−ステアリル等のアクリル酸鎖状アルキルエステル;
マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジエチル等の不飽和ジカルボン酸ジエステル;
m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メトキシスチレン等の不飽和芳香族化合物;
1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の共役ジエン;
メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、2−メタクリロイルオキシ−プロピオン酸テトラヒドロフルフリルエステル、3−(メタ)アクリロイルオキシテトラヒドロフラン−2−オン等のテトラヒドロフラン骨格を含有する不飽和化合物;
その他、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル等が挙げられる。上記不飽和化合物は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
当該感放射線性樹脂組成物においては[B]感放射線性重合開始剤が含有されていることにより、放射線(可視光線、紫外線、遠紫外線等)の照射によって[C]重合性不飽和化合物等が重合及び硬化し、通常、ネガ型のパターンを形成することができる。
オキシムエステル化合物の市販品としては、例えばNCI−831、NCI−930(以上、株式会社ADEKA社製)、DFI−020、DFI−091(以上、ダイトーケミックス株式会社製)イルガキュアOXE01、OXE02、OXE03(以上、BASF社製)等を使用することもできる。
[C]重合性不飽和化合物とは、通常、複数の重合性基を有する化合物である。重合性基としては、例えばビニル基、(メタ)アクリロイル基等の炭素−炭素不飽和二重結合を含む基等を挙げることができる。[C]重合性不飽和化合物としては、2官能(メタ)アクリル酸エステルや、3官能以上の(メタ)アクリル酸エステル等の多官能(メタ)アクリル酸エステルを例示することができる。
[D]密着助剤は、得られるパターン(硬化膜)と基板との密着性を向上させる成分である。[D]密着助剤としては、カルボキシ基、メタクリロイル基、ビニル基、イソシアネート基、オキシラニル基等の反応性官能基を有する官能性シランカップリング剤が好ましい。
[E]重合禁止剤は、当該感放射線性樹脂組成物の保存安定性を高めることなどができる。[E]重合禁止剤としては、例えば硫黄、キノン類、ヒドロキノン類、ポリオキシ化合物、アミン、ニトロニトロソ化合物等が挙げられ、より具体的には、p−メトキシフェノール、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンアルミニウム等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物は、上述した[A]〜[E]成分以外の他の成分をさらに含有することができる。このような他の成分としては、例えば後述の溶媒の他、酸化防止剤、界面活性剤、連鎖移動剤、[A]重合体以外の重合体等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物は、上記各成分を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記[A]〜[E]成分及び[F]溶媒以外の他の成分の合計の含有量の上限としては、例えば10質量%であってよく、5質量%であってよく、1質量%であってもよい。
酸化防止剤は、露光や加熱により発生したラジカル、又は酸化によって生成した過酸化物を分解し、重合体分子の結合の解裂を防止することができる成分である。その結果、得られるパターンは経時的な酸化劣化が防止され、例えばパターンの膜厚変化を抑制することができる。
界面活性剤は、膜形成性を向上させる成分である。界面活性剤としては、例えばフッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、及びその他の界面活性剤が挙げられる。
連鎖移動剤は、膜形成性を向上させる成分である。連鎖移動剤としては、例えばチオール系連鎖移動剤、芳香族系連鎖移動剤等が挙げられる。
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]重合開始剤、[C]重合性不飽和化合物、及び必要に応じてその他の成分を所定の割合で混合し、好ましくは適当な[F]溶媒に溶解して調製できる。調製した感放射線性樹脂組成物は、例えば孔径0.2μm程度のフィルタでろ過することが好ましい。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度としては、例えば10質量%以上50質量%以下である。
当該感放射線性樹脂組成物の調製に用いられる[F]溶媒としては、当該感放射線性樹脂組成物が含有する各成分を均一に溶解又は分散し、上記各成分と反応しないものが用いられる。
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;
酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等のエステル類;
エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレンジグリコールモノメチルエーテル、エチレンジグリコールエチルメチルエーテル等のエーテル類;
ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類を用いることができる。
本発明の一実施形態に係るパターン(硬化膜)は、当該感放射線性樹脂組成物の硬化物である。当該パターンは、当該感放射線性樹脂組成物から形成されているため、露光ムラが少なく、均質な膜厚等を有する。また、当該パターンは、表面硬度、光透過率、耐薬品性等の諸特性も良好である。このような特性を有する当該パターンは、例えば表示素子等の電子デバイスの層間絶縁膜、平坦化膜、発光層を形成するための領域を規定するバンク(隔壁)、スペーサー、保護膜、カラーフィルタ用着色パターン等に使用できる。特に、当該パターンは、大画面の表示素子に好適に適用することができる。なお、当該パターンの形成方法としては特に限定されないが、次に説明するパターンの形成方法を適用することが好ましい。
本発明の一実施形態に係るパターン形成方法は、
(1)当該感放射線性樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程(以下、「工程(1)」ともいう)、
(2)上記塗膜の少なくとも一部を二重露光する工程(以下、「工程(2)」ともいう)、
(3)上記塗膜を現像する工程(以下、「工程(3)」ともいう)、及び
(4)上記現像された塗膜を加熱する工程(以下、「工程(4)」ともいう)
を備える。
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する。具体的には、溶液状の当該感放射線性樹脂組成物を基板表面に塗布し、好ましくはプレベークを行うことにより溶媒を除去して塗膜を形成する。上記基板としては、例えばガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、及びこれらの表面に各種金属薄膜が形成された基板等が挙げられる。上記プラスチック基板としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリイミド等のプラスチックからなる樹脂基板が挙げられる。
本工程では、上記塗膜の一部に放射線を照射する。具体的には、工程(1)で形成した塗膜に所定のパターンを有するマスクを介して放射線を照射する。このとき用いられる放射線としては、例えば紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等が挙げられる。また、このとき、上記塗膜の一部は放射線が二重に照射される。すなわち、本工程においては、上記塗膜の一部が二重露光されることとなる。
本工程では、上記放射線が照射された塗膜を現像する。当該パターン形成方法においては、通常、ネガ型現像となる。具体的には、工程(2)で放射線が照射された塗膜に対し、現像液により現像を行って放射線の非照射部分を除去する。上記現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ〔5,4,0〕−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ〔4,3,0〕−5−ノナンなどのアルカリ(塩基性化合物)の水溶液等が挙げられる。また、上記アルカリの水溶液にメタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加した水溶液、又は当該感放射線性樹脂組成物を溶解可能な各種有機溶媒を少量含むアルカリ水溶液を現像液として用いてもよい。
本工程では、上記現像された塗膜を加熱する。加熱方法としては特に限定されないが、例えばオーブンやホットプレート等の加熱装置を用いて加熱することができる。本工程における加熱温度としては、例えば120℃以上250℃以下とすることができる。加熱時間としては、加熱機器の種類により異なるが、例えばホットプレート上で加熱処理を行う場合には5分以上40分以下、オーブン中で加熱処理を行う場合には30分以上80分以下とすることができる。このようにして、目的とする層間絶縁膜等のパターン(パターニングされた硬化膜)を基板上に形成することができる。
本発明の一実施形態に係る表示素子は、当該パターンを備えている。当該表示素子としては、液晶表示素子、プラズマディスプレイ等が挙げられる。これらの表示素子において、当該パターンは、例えば配線間を絶縁する層間絶縁膜、スペーサー、保護膜、カラーフィルタ用着色パターン等として用いられる。当該表示素子は、当該パターンを備えるため、実用面で要求される一般的特性に優れる。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、当該感放射線性樹脂組成物は、複数の照明光学系を有した走査型露光装置以外の露光装置を用いたパターン形成方法にも好適に用いることができる。
重合体のMw及びMnは、東ソー社のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を用い、下記分析条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。分散度(Mw/Mn)は、Mw及びMnの測定結果から算出した。
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
13C−NMR分析は、測定溶媒を重クロロホルムとし、分析機器(日本電子社の「JNM−EX400」)を用いて行った。各構造単位の含有割合は、13C−NMR分析で得られたスペクトルにおける各構造単位に対応するピークの面積比からモル%として算出した。
以下、各合成例及び比較合成例において、(A1)化合物は構造単位(I)を与えるモノマーであり、(A2)化合物は構造単位(II)を与えるモノマーであり、(A3)化合物は構造単位(III)を与えるモノマーであり、(A4)化合物は構造単位(IV)を与えるモノマーである。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.2質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート50質量部、(A2)グリシジルメタクリレート20質量部、(A3)メタクリル酸20質量部、(A4)メチルメタクリレート10質量部、及び連鎖移動剤としてのα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.5質量%、Mw=15,100、Mw/Mn=2.0)。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)の含有量は、それぞれ30.9モル%、21.5モル%、31.8モル%、15.8モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ5.1モル%、1.3モル%、2.1モル%及び2.9モル%であった。この未反応化合物の含有量は、1H−NMR、13C−NMR、FT−IR及び熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析により求めた(以下、同様である)。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.6質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート50質量部、(A2)3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート25質量部、(A3)メタクリル酸22質量部、(A4)メチルメタクリレート3質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって重合体(A−2)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.0質量%、Mw=14,2000、Mw/Mn=2.1)。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)の含有量は、それぞれ34.1モル%、20.8モル%、36.1モル%及び9.0モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ1.0モル%、1.9モル%、2.1モル%及び2.1モル%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート50質量部、(A2)3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート15質量部、(A3)メタクリル酸20質量部、(A4)メチルメタクリレート15質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって重合体(A−3)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.7質量%、Mw=14,300、Mw/Mn=1.9)。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)の含有量は、それぞれ32.8モル%、10.3モル%、34.1モル%及び22.8モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ0.8モル%、2.4モル%、1.2モル%及び0.9モル%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.5質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)シクロヘキシルメタクリレート55質量部、(A2)グリシジルメタクリレート20質量部、(A3)メタクリル酸16質量部、(A4)メチルメタクリレート9質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって重合体(A−4)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=34.2質量%、Mw=13,800、Mw/Mn=2.0)。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)の含有量は、それぞれ43.1モル%、20.5モル%、24.2モル%及び12.2モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ2.5モル%、0.8モル%、2.1モル%及び1.3モル%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.1質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)シクロヘキシルメタクリレート55質量部、(A2)3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート25質量部、(A3)メタクリル酸16質量部、(A4)メチルメタクリレート4質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって重合体(A−5)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.6質量%、Mw=14,200、Mw/Mn=2.1)。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)の含有量は、それぞれ47.2モル%、19.5モル%、26.2モル%及び7.1モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ1.5モル%、2.2モル%、1.8モル%及び0.3モル%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.1質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)ベンジルメタクリレート55質量部、(A2)グリシジルメタクリレート20質量部、(A3)メタクリル酸16質量部、(A4)メチルメタクリレート9質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって共重合体(A−6)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.2質量%、Mw=14,000、Mw/Mn=2.2)。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)の含有量は、それぞれ44.1モル%、19.9モル%、24.1モル%及び11.9モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ2.8モル%、1.4モル%、0.3モル%及び2.4モル%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.1質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)ベンジルメタクリレート55質量部、(A2)3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート25質量部、(A3)メタクリル酸16質量部、(A4)メチルメタクリレート4質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって共重合体(A−7)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.0質量%、Mw=15,400、Mw/Mn=2.0)。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)の含有量は、それぞれ45.9モル%、20.1モル%、26.2モル%及び7.8モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ2.1モル%、2.5モル%、0.9モル%及び0.5モル%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)6.2質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート25質量部、(A2)グリシジルメタクリレート20質量部、(A3)メタクリル酸16質量部、(A4)メチルメタクリレート39質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって重合体(a−4)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.5質量%、Mw=12,800、Mw/Mn=2.2)。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)の含有量は、それぞれ13.1モル%、18.3モル%、21.1モル%、及び47.5モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物、及び(A4)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ1.8モル%、0.8モル%、2.1モル%、及び3.2モル%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7.0質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)スチレン63質量部、(A2)グリシジルメタクリレート17質量部、(A3)メタクリル酸16質量部、(A4)メチルメタクリレート4質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって重合体(a−1)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=29.5質量%、Mw=11,800、Mw/Mn=1.8)。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)の含有量は、それぞれ61.0モル%、14.3モル%、19.3モル%及び5.4モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物及び(A4)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ15.0モル%、2.4モル%、0.8モル%及び1.1モル%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7.1質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A2)グリシジルメタクリレート20質量部、(A3)メタクリル酸12質量部、(A4)メチルメタクリレート68質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって重合体(a−2)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.1質量%、Mw=14,200、Mw/Mn=1.9)。13C−NMR分析の結果、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)の含有量は、それぞれ15.2モル%、14.1モル%及び70.7モル%であった。また、未反応の(A2)化合物、(A3)化合物、及び(A4)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ3.1モル%、1.2モル%及び2.2モル%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7.1質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1’)n−ラウリルメタクリレート60質量部、(A2)グリシジルメタクリレート20質量部、(A3)メタクリル酸14質量部、(A4)メチルメタクリレート6質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって重合体(a−3)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=32.5質量%、Mw=13,300、Mw/Mn=2.1)。13C−NMR分析の結果、構造単位(I’)、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)の含有量は、それぞれ38.1モル%、24.8モル%、26.1モル%、及び11.0モル%であった。また、未反応の(A1’)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物、及び(A4)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ5.1モル%、2.2モル%、0.8モル%、及び1.1モル%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)6.2質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート25質量部、(A2)グリシジルメタクリレート20質量部、(A3)メタクリル酸16質量部、(A4)メチルメタクリレート39質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって重合体(a−4)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.5質量%、Mw=12,800、Mw/Mn=2.2)。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)、構造単位(III)及び構造単位(IV)の含有量は、それぞれ13.1モル%、18.3モル%、21.1モル%、及び47.5モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、(A3)化合物、及び(A4)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ1.8モル%、0.8モル%、2.1モル%、及び3.2モル%であった。
冷却管及び攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)6.2質量部及び3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部を仕込んだ。引き続き、(A1)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート85質量部、(A2)グリシジルメタクリレート5質量部、(A3)メタクリル酸10質量部、及びα−メチルスチレンダイマー0.5質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって重合体(a−5)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=33.2質量%、Mw=12,900、Mw/Mn=2.2)。13C−NMR分析の結果、構造単位(I)、構造単位(II)及び構造単位(III)の含有量は、それぞれ70.7モル%、7.2モル%、及び22.1モル%であった。また、未反応の(A1)化合物、(A2)化合物、及び(A3)化合物の含有量は、各モノマーの仕込みの100モル%に対し、それぞれ1.1モル%、1.9モル%、及び2.2モル%であった。
A1−1:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート
A1−2:シクロヘキシルメタクリレート
A1−3:ベンジルメタクリレート
A1−4:スチレン
A2−1:グリシジルメタクリレート
A2−2:3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート
A2−3:3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルアクリレート
A3−1:メタクリル酸
A4−1:メチルメタクリレート
A1’−1:n−ラウリルメタクリレート
実施例及び比較例の感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[A]重合体、[B]重合開始剤、[C]重合性不飽和化合物、[D]密着助剤、[E]重合禁止剤及び[F]溶媒を以下に示す。
A−1〜A〜8:合成例1〜8でそれぞれ合成した重合体(A−1)〜(A−8)
a−1〜a−5:比較合成例1〜5でそれぞれ合成した重合体(a−1)〜(a−5)
B−1:O−アシルオキシム化合物(ADEKA社の「NCI−930」)
B−2:1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕(BASF社の「イルガキュアOXE01」)
B−3:O−アシルオキシム化合物(BASF社の「イルガキュアOXE03」)
B−4:エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(BASF社の「イルガキュアOXE02」)
C−1:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合物(日本化薬社の「KAYARAD DPHA」)
C−2:1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社の「ライトアクリレート1,9ND―A」)
C−3:トリシクロデカンメタノールジアクリレート(新中村化学工業の「NKエステルA−DCP」)
D−1:メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウコーニング社の「XIAMETER(R) OFS−6030 SILANE」)
E−1:2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン(和光純薬工業社)
F−1:3−メトキシプロピオン酸メチル
F−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
重合体(A−1)を含有する溶液に、重合体(A−1)100質量部(固形分)に相当する量に対して、重合開始剤(B−1)1質量部、重合開始剤(B−2)1質量部、重合性不飽和化合物(C−1)65質量部、密着助剤(D−1)1質量部、及び重合禁止剤(E−1)0.1質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように溶媒(F−1)と溶媒(F−2)との混合溶媒(質量比1:1)に溶解させた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して感放射線性樹脂組成物(S−1)を調製した。
[A]重合体、[B]重合開始剤及び[C]重合性不飽和化合物について、下記表2に示す種類及び配合量の各成分を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物(S−2)〜(S−17)及び(CS−1)〜(CS−5)を調製した。なお、表2において、「−」は該当する成分を配合しなかったことを示す。
実施例1〜17及び比較例1〜5の感放射線性樹脂組成物から硬化膜を形成し、以下に説明する手法に従って放射線感度、解像性、残渣、現像密着性、二重露光部安定性、化学薬品耐性、及び光透過率を評価した。評価結果を表2に示す。
ガラス基板上にスピンナーを用いて感放射線性樹脂組成物を塗布した後、90℃にて2分間ホットプレート上でプレベークして膜厚4.0μmの塗膜を形成した。次いで、露光機(キヤノン社の「PLA−501F」:超高圧水銀ランプを使用)を用い、露光量を変化させて複数の矩形遮光部(10μm×10μm)を有するパターンマスクを介して塗膜の露光を行った。次いで、2.38質量%の濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(現像液)を用い、液盛り法によって25℃で現像処理を行った。現像処理の時間は100秒であった。現像処理後、超純水で1分間、塗膜の流水洗浄を行い、乾燥させてガラス基板上にパターンを形成した。このガラス基板をクリーンオーブン内にて230℃で30分加熱して硬化膜を得た。この硬化膜の膜厚について、下記式で表される残膜率(パターン状薄膜が適正に残存する比率)が85%以上になる露光量を感度として求め、以下の基準に従って感度を評価した。
残膜率(%)=(現像後膜厚/現像前膜厚)×100
A:200J/m2未満
B:200J/m2以上400J/m2未満
C:400J/m2以上800J/m2未満
D:800J/m2以上
露光量を200J/m2とした以外は放射線感度の評価と同様にして貫通孔を有する硬化膜を形成し、この硬化膜の貫通孔の最小径を光学顕微鏡にて観察した。解像性は、以下の基準に従って評価した。
A:貫通孔の最小径が10μm以上
B:貫通孔の最小径が8μm以上10μm未満
C:貫通孔の最小径が5μm以上8μm未満
D:貫通孔が形成されない
露光量を200J/m2とした以外は放射線感度の評価と同様にして貫通孔を有する硬化膜を形成し、この硬化膜の貫通孔を光学顕微鏡にて観察した。残渣は、以下の基準に従って評価した。
A:残渣が確認できない
B:わずかに残渣が確認できる
C:残渣をはっきりと確認できる
D:残渣が大量に確認できる
ライン・アンド・スペース比(L/S)が1:1(ライン幅及びスペース幅が40−5μm)のマスクを用い、露光量を200J/m2とした以外は放射線感度の評価と同様に硬化膜を形成した。この硬化膜について、現像後に剥離せずに残るラインの最小幅を光学顕微鏡にて観察し、以下の基準に従って現像密着性を評価した。
A:最小幅が10μm未満
B:最小幅が10μm以上30μm未満
C:最小幅が30μm以上
D:すべて剥離
ライン・アンド・スペース比(L/S)が4:1(ライン幅が400μm、スペース幅が100μm)のマスクを用い、露光量200J/m2で1回露光、または露光量100J/m2で2回露光とした以外は放射線感度の評価と同様に硬化膜を形成した。露光量200J/m2で1回露光した硬化膜と露光量100J/m2で2回露光した硬化膜の膜厚差を算出し、以下の基準に従って二重露光部安定性を評価した。
A:膜厚差が0.10μm未満
B:膜厚差が0.10μm以上0.20μm未満
C:膜厚差が0.20μm以上0.30μm未満
D:膜厚差が0.30μm以上
上記放射線感度の評価で作成した硬化膜を65℃に加熱したN−メチル−2−ピロリドンに6分間浸漬し、浸漬の後超純水で5秒間、塗膜の流水洗浄を行い、乾燥させた。処理後の絶縁膜の膜厚を、触針式膜厚計を用いて測定した。下記式に従ってN−メチル−2−ピロリドン膨潤率(%)を算出し、下記基準に従って化学薬品耐性を評価した。
N−メチル−2−ピロリドン膨潤率(%)
=(浸漬後の残膜(μm)/浸漬前の残膜(μm)−1)×100
A:3%未満
B:3%以上5%未満
C:5%以上7%未満
D:7%以上
ガラス基板(コーニング社の「コーニング7059」)に、実施例1〜実施例17及び比較例1〜比較例5で調製した感放射線性樹脂組成物を、スピンナーを用いて塗布した後、ホットプレート上で90℃にて2分間プレベークして塗膜を形成した。次いで、キヤノン社の「PLA−501F」露光機(超高圧水銀ランプ)を用い露光を行い、2.38質量%としたテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像を行った。さらに230℃で30分加熱することで膜厚3.0μmの硬化膜を得た。この硬化膜が形成されたガラス基板について、分光光度計(日立製作所社の「150−20型ダブルビーム」)を用いて波長400nm〜800nmの範囲の光透過率を測定し、各ガラス基板について、波長400nm〜800nmの範囲の光透過率の最低値(最低光透過率とも称する。)を評価した。最低光透過率を表2に示す。
Claims (6)
- 下記式(1)で表される第1構造単位と下記式(2)で表される第2構造単位とを有する重合体、
感放射線性重合開始剤、及び
重合性不飽和化合物
を含有し、
上記重合体の全構造単位に対する上記第1構造単位の含有量が、20モル%以上60モル%以下であり、
上記重合体100質量部に対する重合性不飽和化合物の含有量が、30質量部以上80質量部以下であり、
上記感放射線性重合開始剤がオキシムエステル化合物を含み、
上記重合体100質量部に対する上記オキシムエステル化合物の含有量が、3質量部以上10質量部以下である感放射線性樹脂組成物。
- 上記式(1)中のXが、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプタニル基若しくはシクロオクチル基、炭素数5〜8のシクロアルケニル基又は炭素数5〜8のスピロ環構造を有する1価の基である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 電子デバイスの層間絶縁膜、平坦化膜、隔壁、保護膜又はカラーフィルタ用着色パターン形成用である請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
- 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物の硬化物であるパターン。
- 請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物を用い、基板上に塗膜を形成する工程、
上記塗膜の少なくとも一部を二重露光する工程、
上記塗膜を現像する工程、及び
上記現像された塗膜を加熱する工程
を備えるパターン形成方法。 - 請求項4に記載のパターンを備える表示素子。
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