JP6109506B2 - 樹脂組成物、感光性樹脂組成物、スペーサ、及び表示装置 - Google Patents

樹脂組成物、感光性樹脂組成物、スペーサ、及び表示装置 Download PDF

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本発明は、樹脂組成物、当該樹脂組成物を含む感光性樹脂組成物、当該樹脂組成物を用いて形成されたスペーサ、及び当該スペーサを備える表示装置に関する。
少なくともアルカリ可溶性樹脂と、光重合性モノマーと、光重合開始剤とを溶剤に溶解させた感光性樹脂組成物は、種々の用途に使用されている。かかる感光性樹脂組成物では、アルカリ可溶性樹脂が良好に溶解すること、所望の厚さの塗膜を形成できる感光性樹脂組成物を得やすいこと、蒸発性に優れること、人体への毒性が少ないこと等から、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」とも記載する。)が、溶剤として広く使用されている。かかる感光性樹脂組成物の用途の具体例としては、例えば、表示装置におけるスペーサ形成用途が挙げられる。
表示装置では、種々の目的で、2枚の基板間に所定の高さの空間を形成するためのスペーサが利用されている。例えば、液晶パネルにおいては、液晶材料を2枚のガラス基板等の透明な基板でサンドイッチする構造を採るため、液晶材料を充填できるように、2枚の基板間にスペーサを形成することが必要である。
従来、スペーサを形成するには、基板の全面にスペーサとなるビーズ粒子を散布する方法が採られていた。しかし、この方法では高い位置精度でスペーサを形成することが困難であり、画素表示部分にもビーズが付着するため、画像のコントラストや表示画質が低下する問題があった。
他方、感光性樹脂組成物によりスペーサを形成する方法は、感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、所定のマスクを介して露光した後、現像して、ドット状等のスペーサを形成するものである。このため、この方法によれば、画素表示部分以外の所定の部分にのみスペーサを形成することができ、コントラストや画質に優れる画像を形成できる表示装置を製造できる。
この方法に好適に使用できる感光性樹脂組成物としては、エチレン性不飽和カルボン酸及びエチレン性不飽和カルボン酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物とを少なくとも共重合した共重合体をアルカリ可溶性樹脂として用いた感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献1を参照)。
特開2006−184841号公報
しかし、感光性樹脂組成物において、アルカリ可溶性樹脂としてエチレン性不飽和カルボン酸及びエチレン性不飽和カルボン酸無水物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物とを少なくとも共重合した共重合体を用い、溶剤としてPGMEAを含有する溶剤を用いる場合、アルカリ可溶性樹脂の自己反応によってアルカリ可溶性樹脂の分子量が増大しやすく、これに伴い、感光性樹脂組成物の現像性が低下する問題がある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたものであり、PGMEAを含有する溶剤を用いていても、不飽和カルボン酸(a1)とエポキシ基含有不飽和化合物(a2)とを重合させた共重合体(A1)の分子量の増大を抑制できる樹脂組成物、当該樹脂組成物を含有する感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物から形成されたスペーサ、及び当該スペーサを備える表示装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた。その結果、少なくとも不飽和カルボン酸(a1)とエポキシ基含有不飽和化合物(a2)とを重合させた共重合体(A1)を含むアルカリ可溶性樹脂(A)と、PGMEAを含む溶剤(S)とを含有する樹脂組成物に、特定の構造の化合物を配合することにより、アルカリ可溶性樹脂の分子量の増大を抑制できる樹脂組成物が得られ、当該樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物を調製することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
本発明の第一の態様は、アルカリ可溶性樹脂(A)、下記式(1)で表される化合物、及び溶剤(S)を含有し、
前記アルカリ可溶性樹脂(A)は、少なくとも不飽和カルボン酸(a1)とエポキシ基含有不飽和化合物(a2)とを重合させた共重合体(A1)を含み、
前記溶剤(S)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む、樹脂組成物である。
Figure 0006109506
(式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は有機基を示す。ただし、R及びRの少なくとも一方は有機基を示す。R及びRは、それらが結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。Rは、単結合又は有機基を示す。R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基を示す。R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基を示す。ただし、R及びRが水酸基となることはない。R、R、R、及びRは、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。R10は、水素原子又は有機基を示す。)
本発明の第二の態様は、第一の態様に係る樹脂組成物と、光重合性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する、感光性樹脂組成物である。
本発明の第三の態様は、第二の態様に係る感光性樹脂組成物から形成されたスペーサである。
本発明の第四の態様は、第三の態様に係るスペーサを備える表示装置である。
本発明によれば、PGMEAを含有する溶剤を用いていても、不飽和カルボン酸(a1)とエポキシ基含有不飽和化合物(a2)とを重合させた共重合体(A1)の分子量の増大を抑制できる樹脂組成物、当該樹脂組成物を含有する感光性樹脂組成物、当該感光性樹脂組成物から形成されたスペーサ、及び当該スペーサを備える表示装置を提供することができる。
≪樹脂組成物≫
本発明に係る樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(A)、上述の式(1)で表される化合物、及び溶剤(S)を少なくとも含有し、アルカリ可溶性樹脂(A)は、少なくとも不飽和カルボン酸(a1)とエポキシ基含有不飽和化合物(a2)とを重合させた共重合体(A1)を含むものであり、溶剤(S)はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を含む。本発明に係る樹脂組成物は、保管時のアルカリ可溶性樹脂(A)の分子量の増大が抑制されるため、後述する感光性樹脂組成物の調製に好適に用いられる。以下、本発明に係る樹脂組成物に含有される各成分について説明する。
<アルカリ可溶性樹脂(A)>
アルカリ可溶性樹脂とは、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、23℃で2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に1分間浸漬した際に、膜厚0.01μm以上溶解するものをいう。
アルカリ可溶性樹脂(A)としては、従来から感光性樹脂組成物に使用されていた樹脂であって、少なくとも不飽和カルボン酸(a1)とエポキシ基含有不飽和化合物(a2)とを重合させた共重合体(A1)を含むものであれば特に限定されない。かかるアルカリ可溶性樹脂(A)に含まれる共重合体(A1)は、PGMEA溶液とする場合に自己反応によって分子量が増大しやすい。しかし、本発明に係る樹脂組成物は、後述する式(1)で表される化合物を含むため、共重合体(A1)の分子量の増大が抑制される。また、かかる共重合体A1を含むことにより、破壊強度や基板への密着性に優れるスペーサを得やすい。
不飽和カルボン酸(a1)としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸;これらジカルボン酸の無水物;等が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性、得られる樹脂のアルカリ溶解性、入手の容易性等の点から、(メタ)アクリル酸及び無水マレイン酸が好ましい。これらの不飽和カルボン酸(a1)は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
共重合体(A1)に占める不飽和カルボン酸(a1)由来の構成単位の割合は、20質量%以上であることが好ましく、20〜30質量%であることがより好ましい。共重合体(A1)が、不飽和カルボン酸(a1)由来の構成単位をかかる範囲で含有する場合、樹脂組成物を用いて、現像性に優れる感光性樹脂組成物を調製しやすい。
エポキシ基含有不飽和化合物(a2)として好適なものとしては、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物、及び脂環式基を有さないエポキシ基含有不飽和化合物が挙げられ、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物がより好ましい。
以下、好適なエポキシ基含有不飽和化合(a2)である、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物について説明する。脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、脂環式エポキシ基を有する不飽和化合物であれば特に限定されない。脂環式エポキシ基を構成する脂環式基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。これらの脂環式エポキシ基含有不飽和化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的に、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物としては、例えば下記式(a2−1)〜(a2−16)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、樹脂組成物を用いて調製される感光性樹脂組成物の現像性を適度なものとするためには、下記式(a2−1)〜(a2−6)で表される化合物が好ましく、下記式(a2−1)〜(a2−4)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0006109506
Figure 0006109506
Figure 0006109506
上記式中、R11は水素原子又はメチル基を示し、R12は炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、R13は炭素数1〜10の2価の炭化水素基を示し、nは0〜10の整数を示す。R12としては、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。R13としては、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、フェニレン基、シクロヘキシレン基、−CH−Ph−CH−(Phはフェニレン基を示す)が好ましい。
次いで、脂環式基を有さないエポキシ基含有不飽和化合物について説明する。脂環式基を有さないエポキシ基含有不飽和化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エポキシアルキルエステル類;α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸6,7−エポキシヘプチル等のα−アルキルアクリル酸エポキシアルキルエステル類;等が挙げられる。これらの中でも、共重合反応性、硬化後の樹脂の強度等の点から、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、及び6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレートが好ましい。これらの脂環式基を有さないエポキシ基含有不飽和化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、共重合体(A1)に占めるエポキシ基含有不飽和化合物(a2)由来の構成単位の割合は、30質量%以上であることが好ましく、35質量%以上であることがより好ましく、35〜80質量%であることが特に好ましい。共重合体(A1)が、エポキシ基含有不飽和化合物(a2)由来の構成単位をかかる範囲で含有する場合、樹脂組成物を用いて、破壊強度や基板との密着性に優れるスペーサを形成できる感光性樹脂組成物を調製しやすい。また、エポキシ基含有不飽和化合物(a2)における、脂環式エポキシ基含有不飽和化合物の比率は、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、100質量%であるのが特に好ましい。
共重合体(A1)は、上記不飽和カルボン酸(a1)及び上記エポキシ基含有不飽和化合物(a2)とともに、エポキシ基を有さない脂環式基含有不飽和化合物(a3)を重合させたものであってもよい。
脂環式基含有不飽和化合物(a3)としては、脂環式基を有する不飽和化合物であれば特に限定されない。脂環式基は、単環であっても多環であってもよい。単環の脂環式基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。また、多環の脂環式基としては、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロノニル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等が挙げられる。これらの脂環式基含有不飽和化合物(a3)は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的に、脂環式基含有不飽和化合物(a3)としては、例えば下記式(a3−1)〜(a3−7)で表される化合物が挙げられる。これらの中でも、樹脂組成物を用いて調製される感光性樹脂組成物の現像性を適度なものするためには、下記式(a3−3)〜(a3−8)で表される化合物が好ましく、下記式(a3−3),(a3−4)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0006109506
Figure 0006109506
上記式中、R21は水素原子又はメチル基を示し、R22は単結合又は炭素数1〜6の2価の脂肪族飽和炭化水素基を示し、R23は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。R22としては、単結合、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が好ましい。R23としては、例えばメチル基、エチル基が好ましい。
共重合体(A1)に占める上記脂環式基含有不飽和化合物(a3)由来の構成単位の割合は、1〜50質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、15〜45質量%であることが特に好ましい。
また、共重合体(A1)は、上記以外の他の化合物をさらに重合させたものであってもよい。このような他の化合物としては、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類等が挙げられる。これらの化合物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリル酸エステル類としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(メタ)アクリレート;クロロエチル(メタ)アクリレート、2,2−ジメチルヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N−アリール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−アリール(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル−N−メチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アリル化合物としては、酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル等のアリルエステル類;アリルオキシエタノール;等が挙げられる。
ビニルエーテル類としては、ヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル;ビニルフェニルエーテル、ビニルトリルエーテル、ビニルクロルフェニルエーテル、ビニル−2,4−ジクロルフェニルエーテル、ビニルナフチルエーテル、ビニルアントラニルエーテル等のビニルアリールエーテル;等が挙げられる。
ビニルエステル類としては、ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルフエニルアセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロル安息香酸ビニル、テトラクロル安息香酸ビニル、ナフトエ酸ビニル等が挙げられる。
スチレン類としては、スチレン;メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、シクロヘキシルスチレン、デシルスチレン、ベンジルスチレン、クロルメチルスチレン、トリフルオロメチルスチレン、エトキシメチルスチレン、アセトキシメチルスチレン等のアルキルスチレン;メトキシスチレン、4−メトキシ−3−メチルスチレン、ジメトキシスチレン等のアルコキシスチレン;クロロスチレン、ジクロロスチレン、トリクロロスチレン、テトラクロロスチレン、ペンタクロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、2−ブロモ−4−トリフルオロメチルスチレン、4−フルオロ−3−トリフルオロメチルスチレン等のハロスチレン;等が挙げられる。
共重合体(A1)の質量平均分子量(Mw:ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)のスチレン換算による測定値。本明細書において同じ。)は、2000〜200000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、樹脂組成物を用いて調製される感光性樹脂組成物の、膜形成能、露光後の現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
また、アルカリ可溶性樹脂(A)としては、上記不飽和カルボン酸(a1)に由来する構成単位と、後述する光重合性モノマー(B)との重合可能部位を有する構成単位とを少なくとも有する共重合体(A2)、又は上記不飽和カルボン酸(a1)に由来する構成単位と上記エポキシ基含有不飽和化合物(a2)に由来する構成単位と、後述する光重合性モノマー(B)との重合可能部位を有する構成単位とを少なくとも有する共重合体(A3)を含む樹脂も好適に使用できる。アルカリ可溶性樹脂(A)が共重合体(A2)、又は(A3)を含む場合、感光性樹脂組成物の基板への密着性、感光性樹脂組成物の硬化後の破壊強度を高めることができる。
共重合体(A2)、及び共重合体(A3)は、共重合体(A1)について他の化合物として記載される、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類等をさらに共重合させたものであってもよい。
光重合性モノマー(B)との重合可能部位を有する構成単位は、光重合性モノマー(B)との重合可能部位としてエチレン性不飽和基を有する部位を含むものが好ましい。このような構成単位を有する共重合体は、共重合体(A2)については、上記不飽和カルボン酸(a1)の単独重合体に含まれるカルボキシル基の一部と、上記エポキシ基含有不飽和化合物に含まれるエポキシ基とを反応させることにより、調製することができる。また、共重合体(A3)は、上記不飽和カルボン酸(a1)に由来する構成単位と上記エポキシ基含有不飽和化合物(a2)に由来する構成単位とを有する共重合体におけるエポキシ基の一部と、不飽和カルボン酸(a1)とを反応させることにより、調製することができる。
共重合体(A2)、及び共重合体(A3)の質量平均分子量は、2000〜50000であることが好ましく、5000〜30000であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、樹脂組成物を用いて調製される感光性樹脂組成物の膜形成能、露光後の現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
なお、アルカリ可溶性樹脂(A)としては、共重合体(A1)、及び(A3)から選択される樹脂以外に、従来公知の他のアルカリ可溶性樹脂を含んでいてもよい。ただし、アルカリ可溶性樹脂(A)に占める、共重合体(A1)、及び(A3)から選択される樹脂の割合は80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが最も好ましい。
また、樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂(A)の含有量は特に限定されない。典型的には、樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂(A)の含有量は、5〜60質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。かかる場合、粘度が低く取り扱いやすい樹脂組成物を調製しやすい。
<式(1)で表される化合物>
本発明に係る樹脂組成物は、下記式(1)で表される化合物を含有する。上述のアルカリ可溶性樹脂(A)と、PGMEAを含む溶剤(C)とを含有する樹脂組成物にこの化合物を含有させることによって、アルカリ可溶性樹脂(A)の高分子量化を抑制することができる。
Figure 0006109506
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は有機基を示すが、R及びRの少なくとも一方は有機基を示す。
及びRにおける有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられる。この有機基は、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。この有機基は、通常は1価であるが、環状構造を形成する場合等には、2価以上の有機基となり得る。
及びRは、それらが結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合をさらに含んでいてもよい。環状構造としては、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基等が挙げられ、縮合環であってもよい。
及びRの有機基中の炭化水素基以外の結合としては、本発明の効果が損なわれない限り特に限定されず、酸素原子、窒素原子、珪素原子等のヘテロ原子を含む結合が挙げられる。具体例としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合、アゾ結合等が挙げられる。
耐熱性の観点から、R及びRの有機基中の炭化水素基以外の結合としては、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル結合、チオカルボニル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、イミノ結合(−N=C(−R)−、−C(=NR)−:Rは水素原子又は1価の有機基を示す)、カーボネート結合、スルホニル結合、スルフィニル結合が好ましい。
及びRの有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、本発明の効果が損なわれない限り特に限定されず、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アミノ基(−NH、−NHR、−NRR’:R及びR’はそれぞれ独立に炭化水素基を示す)等が挙げられる。上記置換基に含まれる水素原子は、炭化水素基によって置換されていてもよい。また、上記置換基に含まれる炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、及び環状のいずれでもよい。
及びRの有機基中の炭化水素基以外の置換基としては、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シアノ基、イソシアノ基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、シリル基、シラノール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、チオカルバモイル基、ニトロ基、ニトロソ基、カルボキシル基、カルボキシラート基、アシル基、アシルオキシ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、ヒドロキシイミノ基、アルキルエーテル基、アルケニルエーテル基、アルキルチオエーテル基、アルケニルチオエーテル基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基が好ましい。
以上の中でも、R及びRとしては、少なくとも一方が炭素数1〜12のアルキル基若しくは炭素数1〜12のアリール基であるか、互いに結合して炭素数2〜20のヘテロシクロアルキル基若しくはヘテロアリール基を形成するものであることが好ましい。ヘテロシクロアルキル基としては、ピペリジノ基、モルホリノ基等が挙げられ、ヘテロアリール基としては、イミダゾリル基、ピラゾリル基等が挙げられる。
上記式(1)中、Rは、単結合又は有機基を示す。
における有機基としては、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アラルキル基等から1個の水素原子を除いた基が挙げられる。この有機基は、該有機基中に置換基を含んでいてもよい。置換基としては、R及びRにおいて例示したものが挙げられる。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよい。
以上の中でも、Rとしては、単結合、又は炭素数1〜12のアルキル基若しくは炭素数1〜12のアリール基から1個の水素原子を除いた基であることが好ましい。
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基を示す。
及びRにおける有機基としては、R及びRにおいて例示したものが挙げられる。この有機基は、R及びRの場合と同様に、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
以上の中でも、R及びRとしては、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルケニル基、炭素数7〜16のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、シアノ基を有する炭素数2〜11のアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜11のアミド基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数1〜10のアシル基、炭素数2〜11のエステル基(−COOR、−OCOR:Rは炭化水素基を示す)、炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換したベンジル基、シアノ基、メチルチオ基であることが好ましい。より好ましくは、R及びRの両方が水素原子であるか、又はRがメチル基であり、Rが水素原子である。
上記式(1)中、R、R、R、及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、又は有機基を示す。
、R、R、及びRにおける有機基としては、R及びRにおいて例示したものが挙げられる。この有機基は、R及びRの場合と同様に、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
なお、上記式(1)中、R及びRが水酸基となることはない。
、R、R、及びRは、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。環状構造としては、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基等が挙げられ、縮合環であってもよい。例えば、R、R、R、及びRは、それらの2つ以上が結合して、R、R、R、及びRが結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成してもよい。
以上の中でも、R、R、R、及びRとしては、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルケニル基、炭素数7〜16のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、シアノ基を有する炭素数2〜11のアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜11のアミド基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数1〜10のアシル基、炭素数2〜11のエステル基、炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換したベンジル基、シアノ基、メチルチオ基、ニトロ基であることが好ましい。
また、R、R、R、及びRとしては、それらの2つ以上が結合して、R、R、R、及びRが結合しているベンゼン環の原子を共有してナフタレン、アントラセン、フェナントレン、インデン等の縮合環を形成していてもよい。
より好ましくは、R、R、R、及びRの全てが水素原子であるか、又はR、R、R、及びRのいずれか1つがニトロ基であり、残り3つが水素原子である。
上記式(1)中、R10は、水素原子又は有機基を示す。
10における有機基としては、R及びRにおいて例示したものが挙げられる。この有機基は、R及びRの場合と同様に、該有機基中にヘテロ原子等の炭化水素基以外の結合や置換基を含んでいてもよい。また、この有機基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
上記式(1)で表される化合物は、ベンゼン環のパラ位に−OR10基を有するため、溶媒への溶解性が良好である。
以上の中でも、R10としては、水素原子、又は炭素数1〜12のアルキル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
上記式(1)で表される化合物のうち、特に好ましい具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006109506
Figure 0006109506
Figure 0006109506
上記式(1)で表される化合物の合成方法は特に限定されないが、後述する実施例に記載される方法に従って合成することが可能である。
樹脂組成物における、上記式(1)で表される化合物の含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。上記式(1)で表される化合物の含有量は、典型的には、アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。
<溶剤(S)>
樹脂組成物は、溶剤(S)としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を含む溶剤を含有する。
溶剤(S)におけるPGMEAの含有量は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されないが、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、100質量%が特に好ましい。溶剤(S)におけるPGMEAの含有量が50質量%以上である場合、アルカリ可溶性樹脂(A)の分子量の増大が起こりやすいため、本発明による効果が顕著である。
溶剤(S)がPGMEA以外の他の有機溶剤を含む場合、他の有機溶剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で特に限定されない。PGMEA以外の他の有機溶剤として具体的には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、蟻酸n−ペンチル、酢酸i−ペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;等が挙げられる。これらの中でも、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸アルキルエステル類が好ましく、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類がより好ましい。これらの溶剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
樹脂組成物における溶剤(S)の含有量は特に制限されず、樹脂組成物を用いて調製される感光性樹脂組成物の組成を考慮して適宜決定される。
<樹脂組成物の製造方法>
本発明に係る樹脂組成物は、上記各成分を3本ロールミル、ボールミル、サンドミル等の撹拌機で混合(分散・混練)し、必要に応じて5μmメンブランフィルタ等のフィルタで濾過して調製することができる。
≪感光性樹脂組成物≫
感光性樹脂組成物は、上述の樹脂組成物に加え、光重合性モノマー(B)、及び光重合開始剤(C)を含有する。以下、感光性樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
<アルカリ可溶性樹脂(A)>
アルカリ可溶性樹脂(A)として使用できる樹脂は、樹脂組成物について上述した通りである。
感光性樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂(A)の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分に対して40〜85質量%であることが好ましく、45〜75質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、現像性のバランスをとりやすい傾向がある。
<式(1)で表される化合物>
上記式(1)で表される化合物は、樹脂組成物について上述下通りである。感光性樹脂組成物における上記式(1)で表される化合物の含有量は、樹脂組成物における含有量と同様である。上記式(1)で表される化合物の含有量は、典型的には、アルカリ可溶性樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.01〜5質量部がより好ましい。上記式(1)で表される化合物は、上述の樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物を調製する際に、追加してもよい。
<光重合性モノマー(B)>
本発明に係る感光性樹脂組成物に含有される光重合性モノマー(B)(以下、「(B)成分」ともいう。)としては、エチレン性不飽和基を有するモノマーを好ましく用いることができる。このエチレン性不飽和基を有するモノマーには、単官能モノマーと多官能モノマーとがある。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
一方、多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(すなわち、トリレンジイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネート等と2−ビドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、多価アルコールとN−メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物等の多官能モノマーや、トリアクリルホルマール等が挙げられる。これらの多官能モノマーは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの中でも、感光性樹脂組成物の基板への密着性、感光性樹脂組成物の硬化後の破壊強度を高める点から、3官能以上の多官能モノマーが好ましく、6官能以上の多官能モノマーがより好ましい。
(B)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分に対して5〜50質量%であることが好ましく、10〜40質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、感度、現像性、解像性のバランスがとりやすい傾向がある。
<光重合開始剤(C)>
本発明に係る感光性樹脂組成物に含有される光重合開始剤(C)(以下、「(C)成分」ともいう。)としては、特に限定されず、従来公知の光重合開始剤を用いることができる。
光重合開始剤として具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾル−3−イル],1−(O−アセチルオキシム)、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、4−ベンゾイル−4’−メチルジメチルスルフィド、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、4−ジメチルアミノ−2−エチルヘキシル安息香酸、4−ジメチルアミノ−2−イソアミル安息香酸、ベンジル−β−メトキシエチルアセタール、ベンジルジメチルケタール、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、チオキサンテン、2−クロロチオキサンテン、2,4−ジエチルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2−イソプロピルチオキサンテン、2−エチルアントラキノン、オクタメチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、2,3−ジフェニルアントラキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、クメンパーオキシド、2−メルカプトベンゾイミダール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)−イミダゾリル二量体、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、3,3−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、ジクロロアセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、ジベンゾスベロン、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス−(9−アクリジニル)ヘプタン、1,5−ビス−(9−アクリジニル)ペンタン、1,3−ビス−(9−アクリジニル)プロパン、p−メトキシトリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−n−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)フェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(3−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン、2,4−ビス−トリクロロメチル−6−(2−ブロモ−4−メトキシ)スチリルフェニル−s−トリアジン等が挙げられる。これらの中でも、オキシム系の光重合開始剤を用いることが、感度の面で特に好ましい。これらの光重合開始剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(C)成分の含有量は、感光性樹脂組成物の固形分に対して0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、十分な耐熱性、耐薬品性を得ることができ、また塗膜形成能を向上させ、硬化不良を抑制することができる。
また、この(C)成分に、光開始助剤を組み合わせてもよい。光開始助剤としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン等が挙げられる。これらの光開始助剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
<着色剤(D)>
本発明に係る感光性樹脂組成物は、必要に応じ着色剤(D)を含んでもよい。特に、感光性樹脂組成物が着色剤として遮光剤を含む場合、ブラックスペーサの形成用に好適に用いられる。ブラックスペーサによれば、表示装置におけるスペーサ部分からの光抜けを抑制することができ、コントラストの高い好適な画像を表示可能な表示装置を製造できる。
本発明に係る感光性樹脂組成物に含有される着色剤(D)としては、特に限定されないが、例えば、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists社発行)において、ピグメント(Pigment)に分類されている化合物、具体的には、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを用いるのが好ましい。
好適に使用できる黄色顔料の例としては、C.I.ピグメントイエロー1(以下、「C.I.ピグメントイエロー」は同様であり、番号のみを記載する。)、3、11、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、55、60、61、65、71、73,74、81、83、86、93、95、97、98、99、100、101、104、106、108、109、110、113、114、116、117、119、120、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、166、167、168、175、180、及び185が挙げられる。
好適に使用できる橙色顔料の例としては、C.I.ピグメントオレンジ1(以下、「C.I.ピグメントオレンジ」は同様であり、番号のみを記載する。)、5、13、14、16、17、24、34、36、38、40、43、46、49、51、55、59、61、63、64、71、及び73が挙げられる。
好適に使用できる紫色顔料の例としては、C.I.ピグメントバイオレット1(以下、「C.I.ピグメントバイオレット」は同様であり、番号のみを記載する。)、19、23、29、30、32、36、37、38、39、40、及び50が挙げられる。
好適に使用できる赤色顔料の例としては、C.I.ピグメントレッド1(以下、「C.I.ピグメントレッド」は同様であり、番号のみを記載する。)2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48:1、48:2、48:3、48:4、49:1、49:2、50:1、52:1、53:1、57、57:1、57:2、58:2、58:4、60:1、63:1、63:2、64:1、81:1、83、88、90:1、97、101、102、104、105、106、108、112、113、114、122、123、144、146、149、150、151、155、166、168、170、171、172、174、175、176、177、178、179、180、185、187、188、190、192、193、194、202、206、207、208、209、215、216、217、220、223、224、226、227、228、240、242、243、245、254、255、264、及び265が挙げられる。
好適に使用できる青色顔料の例としては、C.I.ピグメントブルー1(以下、「C.I.ピグメントブルー」は同様であり、番号のみを記載する。)、2、15、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、及び66が挙げられる。
好適に使用できる、上記の他の色相の顔料の例としては、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン37等の緑色顔料、C.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、C.I.ピグメントブラウン26、C.I.ピグメントブラウン28等の茶色顔料、C.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック7等の黒色顔料が挙げられる。
また、着色剤を遮光剤とする場合、遮光剤としては黒色顔料を用いることが好ましい。黒色顔料としては、カーボンブラック、チタンブラック、銅、鉄、マンガン、コバルト、クロム、ニッケル、亜鉛、カルシウム、銀等の金属酸化物、複合酸化物、金属硫化物、金属硫酸塩又は金属炭酸塩等、有機物、無機物を問わず各種の顔料を挙げることができる。これらの中でも、高い遮光性を有するカーボンブラックを用いることが好ましい。
カーボンブラックとしては、チャンネルブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック、ランプブラック等の公知のカーボンブラックを用いることができるが、遮光性に優れるチャンネルブラックを用いることが好ましい。また、樹脂被覆カーボンブラックを使用してもよい。
また、カーボンブラックの色調を調整するために、補助顔料として上記の有機顔料を適宜添加してもよい。
上記の着色剤を感光性樹脂組成物において均一に分散させるために、さらに分散剤を使用してもよい。このような分散剤としては、ポリエチレンイミン系、ウレタン樹脂系、アクリル樹脂系の高分子分散剤を用いることが好ましい。特に、着色剤として、カーボンブラックを用いる場合には、分散剤としてアクリル樹脂系の分散剤を用いることが好ましい。
また、無機顔料と有機顔料はそれぞれ単独又は2種以上併用してもよいが、併用する場合には、無機顔料と有機顔料との総量100質量部に対して、有機顔料を10〜80質量部の範囲で用いることが好ましく、20〜40質量部の範囲で用いることがより好ましい。
感光性樹脂組成物における着色剤の使用量は、本発明の目的を阻害しない範囲で適宜選択でき、典型的には、感光性樹脂組成物の固形分の合計100質量部に対して、5〜70質量部が好ましく、25〜60質量部がより好ましい。上記の範囲とすることにより、所望の形状のスペーサを形成しやすい。
特に、感光性樹脂組成物を使用してブラックスペーサを形成する場合には、ブラックスペーサの被膜1μm当たりのOD値が0.5以上となるように感光性樹脂組成物における遮光剤の量を調整することが好ましい。ブラックスペーサにおける被膜1μm当たりのOD値が0.5以上あれば、表示装置のスペーサ部分からの光抜けを良好に抑制しやすく、十分な表示コントラストを得ることができる。
着色剤は、分散剤を用いて適当な濃度で分散させた分散液とした後、感光性樹脂組成物に添加することが好ましい。
<溶剤(S)>
感光性樹脂組成物が含有する溶剤(S)としては、上述の樹脂組成物に使用できる溶剤(S)と同種の有機溶媒を使用することができる。感光性樹脂組成物を調製する際、感光性樹脂組成物が所望の固形分濃度となるように、溶剤(S)を追加するか、樹脂組成物を濃縮することができる。樹脂組成物を濃縮する場合は、減圧下において極力低温で溶剤(S)を留去するのが好ましい。樹脂組成物が感光性樹脂組成物として十分な量の溶剤(S)を含んでいる場合、樹脂組成物に対して、新たに溶剤(S)を追加する必要はない。
感光性樹脂組成物における(S)成分の含有量は、特に限定されず、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定される。感光性樹脂組成物の粘度は5〜500cpであることが好ましく、10〜50cpであることがより好ましく、20〜30cpであることがさらに好ましい。また、固形分濃度は5〜100質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることがより好ましい。
<その他の成分>
感光性樹脂組成物には、必要に応じて、光吸収剤、界面活性剤、密着性向上剤、熱重合禁止剤、消泡剤等の添加剤を含有させることができる。いずれの添加剤も、従来公知のものを用いることができる。光吸収剤としては、1,5−ジヒドロキシナフタレン、α−ナフトール等が挙げられ、界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の化合物が挙げられ、密着性向上剤としては、従来公知のシランカップリング剤が挙げられ、熱重合禁止剤としては、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノエチルエーテル等が挙げられ、消泡剤としては、シリコーン系、フッ素系化合物等が挙げられる。
<感光性樹脂組成物の調製方法>
感光性樹脂組成物は、上記各成分を3本ロールミル、ボールミル、サンドミル等の撹拌機で混合(分散・混練)し、必要に応じて5μmメンブランフィルタ等のフィルタで濾過して調製することができる。
なお、アルカリ可溶性樹脂(A)の分子量を低い状態で保持できる点からは、感光性樹脂組成物は、上述の樹脂組成物に光重合性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)と、必要に応じその他の成分を加えた後に、溶剤(S)を所望の量に調整して調製するのが好ましい。
一方、感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂(A)と、上記式(1)で表される化合物と、光重合性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)と、必要に応じその他の成分とを混合した後に、溶剤(S)により感光性樹脂組成物の固形分濃度を所望の範囲に調整することによっても調製できる。この場合、アルカリ可溶性樹脂(A)の分子量は、感光性樹脂組成物を調製する前に幾分増加しているかもしれないが、上記式(1)で表される化合物等を配合して感光性樹脂組成物を調製した後に、アルカリ可溶性樹脂(A)の分子量の増大が抑制される点で好ましい。
≪スペーサ及び表示装置≫
本発明に係るスペーサは、上述の感光性樹脂組成物を用いることの他は、感光性樹脂組成物を用いて形成された従来のスペーサと同様である。また、本発明に係る表示装置は、上述の感光性樹脂組成物により形成されたスペーサを備えることの他は、従来の表示装置と同様である。表示装置の具体例としては、液晶表示装置、有機EL方式の表示装置等が挙げられる。以下ではスペーサの形成方法についてのみ説明する。
上述の感光性樹脂組成物を用いて、スペーサを形成する方法は特に制限されず、従来より採用されている表示装置用のスペーサの形成方法から適宜選択できる。好適なスペーサの形成方法としては、上述の感光性樹脂組成物を基板上に塗布し、感光性樹脂層を形成する塗布工程と、感光性樹脂層を所定のスペーサのパターンに応じて露光する露光工程と、露光された感光性樹脂層を現像して、スペーサのパターンを形成する現像工程と、を含む方法が挙げられる。
まず、塗布工程では、スペーサが形成されるべき基板上に、ロールコーター、リバースコーター、バーコーター等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコーター等の非接触型塗布装置を用いて本発明に係る感光性樹脂組成物を塗布し、必要に応じて、乾燥により溶媒を除去して、感光性樹脂層を形成する。
次いで、表面に感光性樹脂層が形成された基板は、露光工程に供される。露光工程では、ネガ型のマスクを介して、感光性樹脂層に紫外線、エキシマレーザー光等の活性エネルギー線を照射し、感光性樹脂層を所定のスペーサのパターンに応じて部分的に露光する。露光には、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯等の紫外線を発する光源を用いることができる。露光量は感光性樹脂組成物の組成によっても異なるが、例えば50〜600mJ/cm程度が好ましい。
現像工程では、露光後の感光性樹脂層を現像液で現像することにより、スペーサを形成する。現像方法は特に限定されず、浸漬法、スプレー法等を用いることができる。現像液の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機系のものや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩等の水溶液が挙げられる。本発明に係る感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂の分子量の増大が抑制されているため適度な現像性を示すので、適正な現像が可能である。
そして、必要に応じ、現像後のスペーサにポストベークを施して加熱硬化する。ポストベークの温度は150〜250℃が好ましい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例、及び比較例では、上記式(1)で表される化合物として下記の化合物1〜7を用い、上記式(1)で表される化合物に対する比較化合物として下記の比較化合物1〜6を用いた。化合物1〜7の合成方法を以下に示す。なお、実施例、及び比較例では、上記式(1)で表される化合物、及び比較化合物を「添加化合物」とも称する。
Figure 0006109506
Figure 0006109506
[化合物1の合成法]
3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸クロリド5.90g(30mmol)を50mlの乾燥したエーテルに溶解し、トリエチルアミン4.59ml(当量比1.1)、ジエチルアミン2.41ml(当量比1.1)を加え、室温にて1時間撹拌した。水50ml、飽和NaHCO水溶液50ml、及び1N塩酸で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。ヘキサン−酢酸エチルを展開溶媒とし、シリカゲルを支持担体としてカラムクロマトグラフィにより精製を行い、対応する化合物1(4.65g,20mmol)を得た。アクリル酸クロリド基準の収率は67%であった。
[化合物2の合成法]
3−(2−ニトロ−4−メトキシフェニル)アクリル酸クロリド7.25g(30mmol)を50mlの乾燥したエーテルに溶解し、トリエチルアミン4.59ml(当量比1.1)、イミダゾール2.25ml(当量比1.1)を加え、室温にて1時間撹拌した。水50ml、飽和NaHCO水溶液50ml、及び1N塩酸で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。ヘキサン−酢酸エチルを展開溶媒とし、シリカゲルを支持担体としてカラムクロマトグラフィにより精製を行い、対応する化合物2(4.08g,15mmol)を得た。アクリル酸クロリド基準の収率は50%であった。
[化合物3の合成法]
3−(3−ニトロ−4−メトキシフェニル)アクリル酸クロリド7.25g(30mmol)を50mlの乾燥したエーテルに溶解し、トリエチルアミン4.59ml(当量比1.1)、イミダゾール2.25ml(当量比1.1)を加え、室温にて1時間撹拌した。水50ml、飽和NaHCO水溶液50ml、及び1N塩酸で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。ヘキサン−酢酸エチルを展開溶媒とし、シリカゲルを支持担体としてカラムクロマトグラフィにより精製を行い、対応する化合物3(4.08g,15mmol)を得た。アクリル酸クロリド基準の収率は50%であった。
[化合物4の合成法]
2−メチル−3−(2−ニトロ−4−メトキシフェニル)アクリル酸クロリド7.67g(30mmol)を50mlの乾燥したエーテルに溶解し、トリエチルアミン4.59ml(当量比1.1)、イミダゾール2.25ml(当量比1.1)を加え、室温にて1時間撹拌した。水50ml、飽和NaHCO水溶液50ml、及び1N塩酸で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。ヘキサン−酢酸エチルを展開溶媒とし、シリカゲルを支持担体としてカラムクロマトグラフィにより精製を行い、対応する化合物4(4.29g,15mmol)を得た。アクリル酸クロリド基準の収率は50%であった。
[化合物5の合成法]
3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸クロリド5.90g(30mmol)を50mlの乾燥したエーテルに溶解し、トリエチルアミン4.59ml(当量比1.1)、イミダゾール2.25ml(当量比1.1)を加え、室温にて1時間撹拌した。水50ml、飽和NaHCO水溶液50ml、及び1N塩酸で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。ヘキサン−酢酸エチルを展開溶媒とし、シリカゲルを支持担体としてカラムクロマトグラフィにより精製を行い、対応する化合物5(3.41g,15mmol)を得た。アクリル酸クロリド基準の収率は50%であった。
[化合物6の合成法]
3−(2−ニトロ−4−メトキシフェニル)アクリル酸クロリド7.25g(30mmol)を50mlの乾燥したエーテルに溶解し、トリエチルアミン4.59ml(当量比1.1)、ジエチルアミン2.41ml(当量比1.1)を加え、室温にて1時間撹拌した。水50ml、飽和NaHCO水溶液50ml、及び1N塩酸で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。ヘキサン−酢酸エチルを展開溶媒とし、シリカゲルを支持担体としてカラムクロマトグラフィにより精製を行い、対応する化合物6(5.55g,20mmol)を得た。アクリル酸クロリド基準の収率は67%であった。
[化合物7の合成法]
3−(3−ニトロ−4−メトキシフェニル)アクリル酸クロリド7.25g(30mmol)を50mlの乾燥したエーテルに溶解し、トリエチルアミン4.59ml(当量比1.1)、ジエチルアミン2.41ml(当量比1.1)を加え、室温にて1時間撹拌した。水50ml、飽和NaHCO水溶液50ml、及び1N塩酸で洗浄後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。ヘキサン−酢酸エチルを展開溶媒とし、シリカゲルを支持担体としてカラムクロマトグラフィにより精製を行い、対応する化合物7(5.55g,20mmol)を得た。アクリル酸クロリド基準の収率は67%であった。
〔実施例1〜14、及び比較例1〜6〕
表1に記載の種類、及び量の、アルカリ可溶性樹脂(A)と、添加化合物とをPGMEAに溶解させて、樹脂濃度30質量%の樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を用いて、下記方法に従って、分子量増加の評価を行った。
なお、表1中、各略号はそれぞれ以下のものを示し、括弧内の数値は配合量(質量部)である。
(アルカリ可溶性樹脂(A))
アルカリ可溶性樹脂として、下記の単量体に由来する単位を下記の質量比で含む樹脂を用いた。
A−1:メタクリル酸:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート:3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメチルメタクリレート=30:45:35
A−2:メタクリル酸:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート:3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメチルメタクリレート=30:25:55
A−3:メタクリル酸:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート:3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメチルメタクリレート:エポキシ化ジシクロペンテニルアクリレート=30:45:35:35
A−4:メタクリル酸:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート:3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメチルメタクリレート:エポキシ化ジシクロペンテニルアクリレート=30:25:55:55
A−5:メタクリル酸:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート:3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメチルメタクリレート:2−(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)−6−メタクリロイルオキシヘプタン酸=30:45:35:35
A−6:メタクリル酸:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート:3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメチルメタクリレート:2−(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)−6−メタクリロイルオキシヘプタン酸=30:25:55:55
A−7:メタクリル酸:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート:3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメチルメタクリレート:グリシジルメタクリレート=30:45:35:35
A−8:メタクリル酸:トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルメタクリレート:3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イルメチルメタクリレート:グリシジルメタクリレート=30:25:55:55
[分子量増加の評価]
調製直後の実施例1〜14、及び比較例1〜6の樹脂組成物について、各樹脂組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した。次いで、実施例1〜14、及び比較例1〜6の樹脂組成物を、恒温槽に、25℃で168時間(1週間)静置した後、各樹脂組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂の質量平均分子量(Mw)をゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定した。MwとMwとを用い、下式によって分子量増加率を算出した。各樹脂組成物の分子量増加率を表1に記す。
<分子量増加率算出式>
分子量増加率(%)=Mw/Mw×100
算出された分子量増加率に基づき、下記の基準に従って、分子量増加の程度について判定した。判定結果を表1に記す。
○:分子量増加率が120%以下である。
×:分子量増加率が120%超である。
Figure 0006109506
表1によれば、上記式(1)で表される化合物を含む実施例1〜14の樹脂組成物では、いずれも分子量増加率が120%以下に抑制されていることが分かる。他方、上記式(1)で表される化合物に類似する構造の比較化合物を含む比較例1〜6の樹脂組成物では、いずれも分子量増加率が125%以上となっている。これらの結果より、樹脂組成物に上記式(1)で表される化合物が添加されていなければ、樹脂組成物に含まれる、少なくとも不飽和カルボン酸とエポキシ基含有不飽和化合物とを重合させた共重合体であるアルカリ可溶性樹脂の分子量の増大が進行しやすいことが分かる。
〔実施例15〜28、及び比較例7〜12〕
実施例1〜14、及び比較例1〜6で得られた、調製直後の樹脂組成物と、25℃で168時間保存後の樹脂組成物とを用いて、実施例15〜28、及び比較例7〜12の感光性樹脂組成物を調製した。具体的には表2に記載の量のアルカリ可溶性樹脂(A)と添加化合物とを含む、表2に記載の種類の樹脂組成物に、表2に記載の種類、及び量の光重合性モノマー(B)と光重合開始剤(C)とを加えた後、PGMEAにより固形分濃度を調整し、固形分濃度15質量%の感光性樹脂組成物を調製した。得られた感光性樹脂組成物を用いた、下記方法に従って、感光性樹脂組成物の現像性の評価を行った。
なお、表2中、各略号はそれぞれ以下のものを示し、括弧内の数値は配合量(質量部)である。
(光重合性モノマー(B))
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製)
(光重合開始剤(C))
OXE01:1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF社製「IRGACURE OXE01」)
[現像性評価]
ガラス基板(コーニング社製、Eagle−XG)上に、上記各実施例及び比較例で調製した感光性樹脂組成物をスピンコーターで塗布した後、80℃で5分間乾燥して、3.0〜5.0μmの膜厚の感光性樹脂層を得た。次いで、この感光性樹脂層に対して、5〜10μmのドットパターンが形成されたマスクを介して紫外線を照射した。次いで、23℃に加温された濃度0.04質量%の水酸化カリウム水溶液中でスプレー現像することにより、ドット状のパターンを形成した。そして、未露光部が完全に溶解されるまでの時間(BP:ブレイクポイント)を計測することにより、現像性を評価した。現像性の評価は、調製直後の樹脂組成物を用いて得た感光性樹脂組成物と、25℃で168時間保存された後の樹脂組成物を用いて得た感光性樹脂組成物とに対して行った。結果を表2に記す。
Figure 0006109506
表2によれば、上記式(1)で表される化合物を含む実施例1〜14の樹脂組成物に、光重合性モノマー(B)と光重合開始剤(C)とを加えた、実施例15〜28の感光性樹脂組成物は、調製直後の樹脂組成物を用いて得た感光性樹脂組成物と、168時間保存後の樹脂組成物を用いて得た感光性樹脂組成物とについて、BPの差が0〜5秒であって、両者では現像時間に殆ど差がないことが分かる。
一方、上記式(1)で表される化合物に類似する構造の比較化合物が加えられている比較例1〜6の樹脂組成物に、光重合性モノマー(B)と光重合開始剤(C)とを加えた、比較例7〜12の感光性樹脂組成物は、調製直後の樹脂組成物を用いて得た感光性樹脂組成物と、168時間保存後の樹脂組成物を用いて得た感光性樹脂組成物とについて、BPの差が10秒以上であって、調製直後の樹脂組成物を用いて感光性樹脂組成物を調製しなければ、現像時間が大幅に遅延することが分かる。

Claims (8)

  1. アルカリ可溶性樹脂(A)、下記式(1)で表される化合物、及び溶剤(S)を含有し、
    前記アルカリ可溶性樹脂(A)は、少なくともエチレン性不飽和二重結合を有するカルボン酸(a1)と、エチレン性不飽和二重結合及びエポキシ基を含有する化合物(a2)とを重合させた共重合体(A1)を含み、
    前記溶剤(S)は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む、樹脂組成物。
    Figure 0006109506
    (式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は有機基を示す。ただし、R及びRの少なくとも一方は有機基を示す。R及びRは、それらが結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。Rは、単結合を示す。R及びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、又は有機基を示す。 及びR は、それぞれ独立に水素原子、ニトロ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基を示す。R びRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、スルフィド基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、ニトロソ基、スルフィノ基、スルホ基、スルホナト基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスホナト基、アミノ基、アンモニオ基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルキル基、炭素数4〜13のシクロアルケニル基、炭素数7〜16のアリールオキシアルキル基、炭素数7〜20のアラルキル基、シアノ基を有する炭素数2〜11のアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数2〜11のアミド基、炭素数1〜10のアルキルチオ基、炭素数1〜10のアシル基、炭素数2〜11のエステル基、炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換した炭素数6〜20のアリール基、電子供与性基及び/又は電子吸引性基が置換したベンジル基、又はメチルチオ基を示す。R 、R、R、及びRは、それらの2つ以上が結合して環状構造を形成していてもよく、ヘテロ原子の結合を含んでいてもよい。R10は、水素原子又は有機基を示す。)
  2. 、及びRが、それぞれ独立に水素原子又はニトロ基である、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記カルボン酸(a1)が、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸若しくはこれらジカルボン酸の無水物、(メタ)アクリル酸又はクロトン酸である、請求項1又は2のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  4. 前記アルカリ可溶性樹脂(A)における、前記化合物(a2)に由来する単位の割合が30質量%である、請求項1〜のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  5. 前記アルカリ可溶性樹脂(A)における、前記カルボン酸(a1)に由来する単位の割合が20質量%以上である、請求項1〜のいずれか1項記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜いずれか1項記載の樹脂組成物と、光重合性モノマー(B)と、光重合開始剤(C)とを含有する、感光性樹脂組成物。
  7. 請求項記載の感光性樹脂組成物から形成されたスペーサ。
  8. 請求項記載のスペーサを備える表示装置。
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