JP2013041471A - タッチパネル部材、タッチパネル付き表示装置およびタッチパネル - Google Patents

タッチパネル部材、タッチパネル付き表示装置およびタッチパネル Download PDF

Info

Publication number
JP2013041471A
JP2013041471A JP2011178588A JP2011178588A JP2013041471A JP 2013041471 A JP2013041471 A JP 2013041471A JP 2011178588 A JP2011178588 A JP 2011178588A JP 2011178588 A JP2011178588 A JP 2011178588A JP 2013041471 A JP2013041471 A JP 2013041471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
touch panel
layer
insulating layer
substrate
transparent electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011178588A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Hayashi
慎二 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2011178588A priority Critical patent/JP2013041471A/ja
Publication of JP2013041471A publication Critical patent/JP2013041471A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Position Input By Displaying (AREA)

Abstract

【課題】 本発明は、絶縁層の十分な絶縁性を確保しつつ、絶縁層におけるクラックの発生の虞を効果的に抑制されたタッチパネル部材を提供する。
【解決手段】 タッチパネル部材1が、光透過性を有する基板2と、該基板2上に設けられた透明電極層3と、少なくとも透明電極層3の少なくとも一部の上に設けられ且つシロキサン骨格を有し感光性樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層4と、を備えており、絶縁層4を形成する前記感光性樹脂組成物は、シロキサン骨格を形成可能な感光性化合物を含有するとともに、感光性樹脂組成物の固形分の合計質量に対する質量比率で、コロイダルシリカを、30%以上70%以下の範囲で含有するものであることにより、絶縁層4の十分な絶縁性を確保しつつ、絶縁層4におけるクラックの発生の虞を効果的に抑制されたタッチパネル部材1が提供される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、タッチパネル部材、タッチパネル付き表示装置およびタッチパネルに関する。
タッチパネル付き表示装置は、それ単独で使用されるほか、様々な物品に組み込まれて様々な用途で使用される。例えば、タッチパネル付き表示装置は、携帯電話などの携帯端末の表示部や、パーソナルコンピュータの表示部として組み込まれる装置の用途で使用される。タッチパネル付き表示装置としては、液晶表示装置や有機EL(Electro−Luminescence)表示装置等の表示装置にタッチパネルを設けたものが知られている。
タッチパネルとしては、タッチパネル部材を備えてタッチ位置を検出可能な走査可能エリアを有するパネルスクリーンを備えるとともに、パネルスクリーン内の所定領域における座標位置を検出する位置検出装置をパネルスクリーンに電気的に接続してなるものが知られている。タッチパネルは、パネルスクリーンにタッチされた位置を位置検出装置で特定することでタッチ位置の検出を行う。タッチパネルには、タッチ位置の検出方法の違いに応じて様々な方式のものが存在しており、なかでもタッチ位置を静電容量変化に基づき検出する静電容量式のタッチパネルが様々な産業分野で採用されている。
静電容量式のタッチパネルでは、パネルスクリーンに用いられるタッチパネル部材は、基板を備えており、且つ、基板面内の所定領域内の座標位置を検出するための透明電極部を設けて構成されている。透明電極部は、タッチパネル部材の平面視上互いに交差する第1の電極部と第2の電極部とを備えて構成される。通常、第1の電極部と第2の電極部の少なくとも一部は、パターン形成された透明電極層から構成されており、互いに絶縁されている。
タッチパネル部材には、絶縁層が形成されている。絶縁層は、第1の電極部と第2の電極部の少なくとも一方を他の部材に対して非接触の状態として絶縁性を確保する機能を発揮する。通常は、絶縁層は、第1の電極部と第2の電極部を互いに非接触の状態として絶縁性を確保する機能を発揮する。また絶縁層は、更に透明電極部の表面上にも追加形成されることがある。その場合、その追加された絶縁層は、外部に対する透明電極部の絶縁性を確保する機能を発揮する。すなわち、タッチパネル部材の外部にあって導電性を有する部材と、透明電極部との間で短絡を生じる虞が抑制される。さらに、透明電極部の表面上に追加形成される絶縁層は、透明電極部の露出を抑制して透明電極部の損傷を抑制する表面保護層としても機能する。
タッチパネル部材においては、絶縁層として、シロキサン系のフォトレジストなどのシロキサン結合を形成可能なシロキサン系組成物の硬化物からなる層や、アクリル系、エポキシ系のフォトレジストといったケイ素非含有フォトレジストの硬化物からなる有機樹脂層を採用することが提案されている(特許文献1)。シロキサン系組成物の硬化物からなる層は、有機樹脂層に比べて、耐熱性に優れている点で利点を有する。この利点は、特に、表示装置を構成する部材としてタッチパネル部材を組み込む場合に特に有利に作用する。これは、表示装置を製造する工程においては高温処理が実施されることが多く、シロキサン系組成物の硬化物からなる層を絶縁層として採用した場合にそうした高温処理にも耐えられる絶縁層を得ることができるためである。
シロキサン結合を有する硬化物を形成可能なシロキサン系組成物としては、SOG(Spin On Glass)が知られている。また、SOGには、感光性を有するものである感光性SOGが知られている。
感光性SOGは、シロキサン骨格を形成可能な感光性化合物を含む感光性樹脂組成物である。SOGには次のような利点が挙げられる。SOGは、スピンコート法などの塗布法を適宜適用して効率的に塗布膜を形成することができるものである。さらに、感光性SOGについてみるに、これは、加熱及び光照射により容易に硬化物となるものであり、その硬化物は耐熱性と堅牢性に優れる。このため、SOGの塗布膜は、容易にSOGの硬化物の層とされることができる。そして、感光性SOGは、フォトリソグラフィー法を用いて容易に精密な所定のパターンにパターニングされた層を形成することができる。これらの利点から、感光性SOGを用いて絶縁層を形成することは、絶縁層を効率的に耐熱性と堅牢性に優れたものとすることができる点、及び、容易に精密にパターニングされた層とすることができる点で有効であり、つまりタッチパネル部材の製造効率と耐熱性と堅牢性を向上させる点で有効なのである。
そこで、感光性SOGを用いて絶縁層を形成することが検討される。
特開2010−165333号公報
ところで、タッチパネル部材における絶縁層の機能を十分に発揮させるには、絶縁層の絶縁性が十分に確保される必要がある。この点、SOGを用いてタッチパネル部材の絶縁層を形成する場合、絶縁層の厚みを厚く形成することが要請される。多くの場合、その厚みの値として、具体的に1μm以上の値が要請される。
しかしながら、SOGを用いた絶縁層の厚みを厚く形成して絶縁性を確保しようとすると、絶縁層にクラックが発生しやすくなってしまうという問題がある。
本発明は、SOGに例示されるようなシロキサン骨格を形成可能な感光性樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層を有するタッチパネル部材において、絶縁層にクラックの発生する虞を抑制されたタッチパネル部材を提供することを目的とし、そのようなタッチパネル部材を設けたタッチパネルおよびタッチパネル付き表示装置を提供することを目的とする。
本発明は、(1)光透過性を有する基板と、
該基板上に設けられた透明電極層と、
少なくとも透明電極層の少なくとも一部の上に設けられ且つシロキサン骨格を有し感光性樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層と、を備えており、
絶縁層を形成する前記感光性樹脂組成物は、シロキサン骨格を形成可能な感光性化合物を含有するとともに、感光性樹脂組成物の固形分の合計質量に対する質量比率で、コロイダルシリカを、30%以上70%以下の範囲で含有するものである、ことを特徴とするタッチパネル部材、
(2)感光性樹脂組成物に含まれるコロイダルシリカの平均粒子径が5nm以上50nm以下である、上記(1)に記載のタッチパネル部材、
(3) 絶縁層として、第1の絶縁層と第2の絶縁層を備え、
少なくとも第1の絶縁層の一部を、第2の絶縁層と基板の間に形成しており、
第2の絶縁層が、タッチパネル部材の平面視上、透明電極層の形成領域のうち第2の絶縁層の非形成時に露出した領域全体を少なくとも覆うように形成されている、ことを特徴とする上記(1)または(2)に記載のタッチパネル部材、
(4)基板の一方面側に、透明電極層及び絶縁層が形成され、基板の他方面側に、複数の画素片からなる画素群が形成されてなる、上記(1)から(3)のいずれかに記載のタッチパネル部材、
(5)画像を表示可能な表示面を有する表示パネルを備え、表示パネルでは、シール材を介して第1のパネル基板と第2のパネル基板とが貼り合わされ、第1のパネル基板と第2のパネル基板の間に表示媒体が設けられ、第1のパネル基板の表面側に表示面が形成されている表示装置であって、
第1のパネル基板が、上記(1)から(4)のいずれかに記載のタッチパネル部材を含む、タッチパネル付き表示装置、
(6)パネルスクリーンを備えるとともに、パネルスクリーン内の所定領域における座標位置を検出する位置検出装置をパネルスクリーンに電気的に接続可能に備えてなるタッチパネルであって、
パネルスクリーンが、上記(1)から(4)のいずれかに記載のタッチパネル部材にカバー基板を積層してなる、ことを特徴とするタッチパネル、を要旨とする。
本発明によれば、シロキサン骨格を形成可能な感光性化合物を含む感光性樹脂組成物の硬化物を有する絶縁層を備えたタッチパネル部材として、絶縁層の十分な絶縁性を確保しつつ、絶縁層におけるクラックの発生の虞を効果的に抑制されたタッチパネル部材を提供することができ、また、そのようなタッチパネル部材を設けたタッチパネルおよびタッチパネル付き表示装置を得ることができる。
(1A)本発明のタッチパネル部材の実施例の1つを模式的に示す概略平面模式図である。(1B) 図1AのI―I線縦断面の状態を模式的に示す概略縦断面図である。(1C)図1Bの領域Gの部分を模式的に示す概略部分拡大図である。 (2A)図1Aの領域SAの部分を拡大して模式的に示す概略部分拡大図である。(2B)図2AのA−A線縦断面の状態を模式的に示す概略縦断面模式図である。(2C)図2AのB−B線縦断面の状態を模式的に示す概略縦断面模式図である。 (3A)本発明のタッチパネル部材の他の実施例において図1Aの領域SAの部分に対応する部分を拡大して模式的に示す概略部分拡大図である。(3B)図3AのC−C線縦断面の状態を模式的に示す概略縦断面模式図である。(3C)図3AのD−D線縦断面の状態を模式的に示す概略縦断面模式図である。(3D)図3Aの領域Tの部分を拡大して模式的に示す図面であり、且つ、第1の絶縁層4aと第1の透明電極層3aの形成パターンを説明するための概略部分拡大模式図である。 (4A)本発明のタッチパネル部材の他の実施例において図1Aの領域SAの部分に対応する部分を拡大して模式的に示す概略部分拡大図である。(4B)図4AのE−E線縦断面の状態を模式的に示す概略縦断面模式図である。(4C)図4AのF−F線縦断面の状態を模式的に示す概略縦断面模式図である。 (5A)タッチパネル部材の透明電極層の製造工程を模式的に示す工程断面図である。(5B)タッチパネル部材の透明電極層の製造工程を模式的に示す工程断面図である。(5C)タッチパネル部材の透明電極層の製造工程を模式的に示す工程断面図である。(5D)タッチパネル部材の透明電極層の製造工程を模式的に示す工程断面図である。(5E)タッチパネル部材の透明電極層の製造工程を模式的に示す工程断面図である。 (6A)タッチパネル部材の絶縁層の製造工程を模式的に示す工程断面図である。(6B)タッチパネル部材の絶縁層の製造工程を模式的に示す工程断面図である。(6C)タッチパネル部材の絶縁層の製造工程を模式的に示す工程断面図である。(6D)タッチパネル部材の絶縁層の製造工程を模式的に示す工程断面図である。 本発明のタッチパネル部材の他の実施例を説明するための概略断面模式図である。 (8A)図1Aの領域SBの部分を拡大して模式的に示す概略部分拡大図である。(8B)本発明のタッチパネル部材の他の実施例において図1Aの領域SBの部分に対応する部分を拡大して模式的に示す概略部分拡大図である。 本発明のタッチパネル部材の他の実施例を説明するための概略断面模式図である。 本発明のタッチパネル部材の他の実施例を説明するための概略断面模式図である。 タッチパネル部材をもちいたタッチパネルの1実施例を模式的に示す概略斜視模式図である。 (12A)本発明のタッチパネル付き表示装置の1実施例を示すための概略斜視模式図である。(12B)図12AのII−II線縦断面の状態を模式的に示す概略断面模式図である。 実施例1で作製されるタッチパネル部材について、取出電極部の形成パターンを模式的に示す概略平面模式図である。 実施例1で作製されるタッチパネル部材について、第1の透明電極層をパターン形成した状態を模式的に示す概略平面模式図である。 図14の領域SE1の部分を模式的に示す部分拡大平面模式図である。 実施例1で作製されるタッチパネル部材について、第1の絶縁層をパターン形成した状態を模式的に示す概略平面模式図である。 実施例1で作製されるタッチパネル部材について、第2の透明電極層をパターン形成した状態を模式的に示す概略平面模式図である。 図17の領域SE2の部分を模式的に示す部分拡大平面模式図である。 実施例3で作製されるタッチパネル部材について、取出電極部と第1の連結部と第1の絶縁層の形成パターンを模式的に示す概略平面模式図である。 実施例3で作製されるタッチパネル部材について、図14の領域SE1の部分に対応する部分を模式的に示す部分拡大平面模式図である。 実施例1で作製されるタッチパネル部材について、第2の絶縁層を形成した状態を模式的に示す概略平面模式図である。 実施例13で作製されるタッチパネル付き表示装置の概略縦断面構造を部分的に模式的に示す概略部分断面模式図である。
タッチパネル部材について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、タッチパネル部材1が、投影型静電容量式タッチパネルに使用されるタッチパネル部材である場合を例として詳細に説明する。
[タッチパネル部材1]
タッチパネル部材1は、図1A、図1B等に示すように、光透過性を有する基板2を備え、基板2の上に透明電極層3と絶縁層4を備えて積層構造5を形成している。なお、図1Aでは、説明の便宜上、絶縁層4の一部の記載が省略されている。
(基板2)
基板2は、光透過性を有する部材であり、ガラス基板を用いられる。基板2がガラス基板であると、基板2に樹脂板などの非ガラス性の基板を用いる場合よりも耐熱性・耐久性により優れたタッチパネル部材が得られる。そして、タッチパネル付き表示装置の表示パネルを構成する部材としてタッチパネル部材1が組み込まれる場合にあっても、タッチパネル付き表示装置の製造工程時の熱や衝撃によってタッチパネル部材に破損や劣化が生じる虞が抑制される。
基板2に使用可能なガラス基板は、光透過性を有するものであれば特に限定されることなく適宜選択されてよい。例えば、ガラス基板としては、無アルカリガラス、石英ガラス、ソーダライムガラスなどを挙げることができる。
基板2の厚みは、適宜選択可能である。基板2は、タッチパネル部材1の製造工程時における基板2の取り扱いの容易性を維持する観点で、その厚みが0.3mm以上1.5mm以下程度のものを好ましく用いられることが多い。このような厚みの基板2は、剛性を確保されており、製造工程時に破損を生じる虞が抑制されている。
(積層構造5)
積層構造5は、基板2の面56の少なくとも一方面56a側に、少なくとも1層の透明電極層3と、少なくとも1層の絶縁層4とを積層して形成される。積層構造5において、少なくとも1層の透明電極層3と、少なくとも1層の絶縁層4は、この順に基板2の同面側に形成される。このとき、積層構造5は、少なくとも一層の透明電極層3を、基板2の一方面56a側にその透明電極層3の少なくとも一部を直接当接させるように形成し、更に、タッチパネル部材1の平面視上、透明電極層3の少なくとも一部を被覆するように、絶縁層4を基板2面上に形成している。タッチパネル部材1の平面視上とは、タッチパネル部材1の厚み方向に沿った方向を視線方向としてタッチパネル部材1を見た場合の状態を示す。
積層構造5の例として、図2Aから図2Cに示す積層構造5aを用いて具体的に説明する。なお、説明の便宜上、図2Aから図2Cでは、取出電極部30の記載を省略している。積層構造5aの例では、基板2の一方面56a側に、透明電極層3として、第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bとが形成されている。そして、積層構造5aでは、基板2の一方面56a側に第1の透明電極層3aが直接形成されており、更に、タッチパネル部材1の平面視上、第1の透明電極層3aの少なくとも一部を被覆するように、絶縁層4が基板2面上に形成されている。さらに、積層構造5aでは、第2の透明電極層3bが形成されるが、第1の透明電極層3aと絶縁層4の積層体の表面の少なくとも一部の上に、第2の透明電極層3bの少なくとも一部が積層され、第1の透明電極層3aと絶縁層4をこの順に積層した構造が少なくとも一部に形成される。
(透明電極層3)
透明電極層3は、光透過性を有する層であり且つ導電性材料からなる層である。導電性材料としては、例えば、インジウム錫オキサイド(ITO)、酸化インジウム、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性金属酸化物を挙げることができる。
透明電極層3の厚みは、適宜選択可能であり、図1の例のように透明電極層3が第1の透明電極層3a、第2の透明電極層3bといった複数形成される場合には、第1の透明電極層3a、第2の透明電極層3bそれぞれについて個別に適宜選択可能であるが、透明性の確保と製膜性の点で、それぞれ、その厚みを15nm以上500nm以下程度とされることが多い。
(透明電極層3の形成領域)
透明電極層3は、タッチパネル部材1の平面視上、基板2の面内における所定領域として設定された位置検出用領域、図1の例では、タッチパネル部材1において破線で囲まれた所定の部分で特定される領域Rで区画される部分である位置検出用エリア形成部6に、形成される。なお、位置検出用領域Rは、タッチパネル部材1においてタッチ位置の検出可能な領域を構成する部分として設定されるものであり、図1の例では、タッチパネル部材1において長方形状の領域として形成されているが、設計仕様に応じて適宜設定可能である。
(透明電極層3の形成パターン)
透明電極層3の形成パターンについては、タッチパネル部材1を組み込むタッチパネルの位置検出機構の内容や、タッチパネル部材1の規格に応じて適宜設定される。透明電極層3は、適宜設定される形成パターンで形成される。図1の例では、第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bは、それぞれ所定のパターンにパターン形成されている。
第1の透明電極層3aの形成パターンは、第1の電極パターン7と、その第1の電極パターン7に交差する第2の電極パターン8のうち第2の連結部12bを除いたパターンとをあわせたパターンとなっている。
第1の電極パターン7は、第1の電極単位パターン9を、第1の方向に間隔をあけて並べて形成されるパターンである。第1の方向は、基板2の面に沿った方向であり、後述するように図1では、矢印y方向に沿った方向、すなわち位置検出領域Rの長手方向である。第1の電極単位パターン9は、第1電極片21の構造に対応するようなパターンである。図1,図2Aに示すように、第1電極片21は、後述する複数の電極パッド11を一列に並べて配置し、隣り合う電極パッド11,11間を連結する連結部12としての第1の連結部12aを形成してなる構造を有するものである。
第2の電極パターン8は、第2の電極単位パターン10を、基板2面上に沿った所定方向であってタッチパネル部材1の平面視上第1の方向に交差する方向である第2の方向に間隔をあけて並べて形成されるパターンである。図1の例では、第2の方向は、後述するように図1A中、矢印x方向に沿った方向であり、位置検出領域Rの短手方向である。なお、矢印x方向と矢印y方向は直交する。第2の電極単位パターン10は、両端に三角形状の電極パッド11(11c)を配するとともに、三角形状の電極パッド11cの間にひし形の電極パッド11(11d)を一列に配し、且つ、図2Aに示すように隣り合う電極パッド11を連結する連結部12である第2の連結部12bを形成して構成される構造に対応するパターンである。第2の電極パターン8のうち第2の連結部12bを除いたパターンは、電極パッド11(11c、11d)を配列してなる構造に対応するパターンとなる。
第2の透明電極層3bは、絶縁層4の上に積層され、また、後述の絶縁層4の孔部15内にも形成される。このとき、第2の透明電極層3bは、図2Bに示すように第2の電極パターン8の電極パッド11に直接接触するとともに隣り合う電極パッド11間を連結する連結部12である第2の連結部12bを、構成する。
したがって、第2の透明電極層3bの形成パターンは、第2の連結部12bの配設構造に対応するパターン、すなわちタッチパネル部材1の平面視上、第2の電極パターン8を構成する電極パッド11,11同士を連結するように構成されるパターンであることとなる。
ところで、第1の透明電極層3aの形成パターンは、第1の電極パターン7を形成する要素となる第1の連結部12を、第2の電極パターン8を形成する要素となる隣り合う電極パッド11,11の間に位置させている。また、図2Aに示すように、タッチパネル部材1の平面視上、第1の連結部12aと第2の連結部12bは、互いに少なくとも一部で重なりあうように交差して、第1の電極パターンと第2の電極パターンが交差している。第1の連結部12aと第2の連結部12bについてみるに、図2B,図2Cに示すように、両者の間には絶縁層4が介在しており、絶縁性が保たれる。また、図2Aに示すように、第1の電極パターン8を構成する電極パッド11の配置パターンと、第2の電極パターン7を構成する電極パッド11の配置パターンは、互いに重なり合わず、隙間13が存在する。すなわち、第1の電極パターンを構成する電極パッドと、第2の電極パターンを構成する電極パッドとの間で絶縁性が保たれる。したがって、第1の透明電極層3a、第2の透明電極層3bは、第1の電極パターン7と第2の電極パターン8とをパターン形成しつつも、両者の絶縁性を保つようにパターン形成される。
(透明電極層3の調製方法)
透明電極層3は、次のように調製できる。透明電極層3を構成する導電性材料を、透明電極層3の下地をなす面の上に、スパッタリングする。例えば、第1の透明電極層3aでは、下地面は、基板2の面56のうち一方面56aであり、この面上に、第1の透明電極層3aを構成する導電性材料をスパッタリングする。これにより、図5Aに示すように、基板2の一方面側の面56a上に導電膜61が一面形成される。このとき、基板2の一方面に導電膜61を形成してなる積層体62が得られる。
積層体62を用い、導電膜61上に、感光性材料を塗工して感光性膜として感光性膜63を形成する。これにより、図5Bに示すように、感光性膜付積層体65が得られる。感光性材料としては、フォトリソグラフィー法を実施する際に使用可能なポジ型レジスト材料、ネガ型レジスト材料などが、適宜選択されてよい。
ここでは感光性材料がネガ型レジスト材料である場合を例として説明を続ける。フォトマスク66として、透明電極層の形成パターンに対応した所定のパターンを有するフォトマスクを準備する。フォトマスク66は、透明電極層3の形成部分に対応する部分を光透過可能としてパターンを形成されている。図5Bに示すように、フォトマスクを感光性膜付積層体65の感光性膜63上の所定位置に配置する。この状態で、図5B中、符号L1に示すように、フォトマスク66の外側位置から感光性膜63に向かって、感光性膜付積層体65に所定波長の光を照射し、感光性膜63に露光処理を施す。照射光は、紫外線光など、感光性材料の特性に応じて適宜定められる。露光処理では、感光性膜63のうち光が照射された部分は硬化部となる。露光処理の後、フォトマスク66を取り除き、感光性膜63を現像する現像処理を施す。現像処理の際には、感光性膜63のうちの未硬化部分が取り除かれる。このように、いわゆるフォトリソグラフィー法を用いることで、図5Cに示すように、感光性膜63は、それぞれ透明電極層3の形成パターンに応じてパターニングされる。この場合、感光性膜付積層体65は、導電膜61のうち、透明電極層3の非形成部分に対応する部分が露出した状態となる。
さらに、図5Dに示すように、感光性膜63をパターニングされた感光性膜付積層体65にエッチングを施す。エッチングにより、導電膜61のうち、感光性膜63で覆われていない露出した部分がエッチング除去され、導電膜61が、感光性膜63の形成パターンに応じてパターニングされることとなる。エッチング液は、導電膜61の内容に応じて適宜選択可能である。例えば、導電膜61がITOで形成されている場合、エッチング液としては、ITO−07N(商標)(関東化学社製)やITO−Echant(商標)(和光純薬工業社製)を用いることができる。エッチングの実施後、更に感光性膜付積層体65の感光性膜を剥離する剥離処理を施し、感光性膜付積層体65から感光性膜63を除去する。剥離処理は、強アルカリ溶液や有機溶媒など公知の感光性樹脂の剥離液で感光性膜付積層体65を洗浄することなどといった公知方法を適宜用いることができる。こうして、図5Eに示すように、基板2の一方面側に、所定のパターンにてパターニングされた導電膜61が形成されて、透明電極層3をなす。
なお、透明電極層3の形成方法は、上記のようなフォトリソグラフィー法を用いる方法に限定されず、印刷法、特にスクリーン印刷法も有効に採用可能である。スクリーン印刷法は、一般的に、露光処理や現像処理が不要であるうえフォトマスクの準備が不要であり、低コストで形成することが可能な方法である。また、印刷法は、現像処理を不要とすることができる方法であることから、現像処理に使用した現像液の処理を不要とすることができる方法であり、環境面からの利点が大きい方法である。
(絶縁層4)
絶縁層4は、基板2の面のうち透明電極層3を積層された方の面と同側の面上に、所定のパターンで形成される。
(絶縁層4の形成パターン)
絶縁層4の形成パターンは、タッチパネル部材1の規格に応じて適宜設定される。図2Aの例では、絶縁層4の形成パターンは、第1の透明電極層3aのうち第2の電極パターンを構成する電極パッド11の形成領域に対向する部分の一部に、複数の孔部15を適宜形成したパターンとなっている。孔部15は、絶縁層4をその厚み方向に貫通して形成されており、図2では第2の電極パターン8におけるひし形の電極パッド11dの部分1箇所に対して向かい合う位置に、2つずつ設けられ、三角形の電極パッド11cの部分1箇所に対して向かい合う位置に、1つずつ設けられる。
(絶縁層4の内容)
絶縁層4は、シロキサン骨格を有するシロキサン層にコロイダルシリカを含有させた層構造を有してなるコロイダルシリカ含有シロキサン層である。このとき、絶縁層4は、コロイダルシリカを含有した感光性樹脂組成物の硬化物を含む層でもあり、すなわちコロイダルシリカ含有感光性シロキサン樹脂層である。
絶縁層4は、図1Cに示すように、感光性樹脂組成物を構成する感光性化合物の分子が連なって形成される構造部を有する連続構造部16と、連続構造部16中に粒子を分散させて形成される粒子分散部17とを形成してなる粒子分散構造を形成している。より具体的には、連続構造部16は、感光性シロキサン樹脂の硬化物を含みシロキサン骨格を有する高分子構造を形成してなる。また、粒子分散部17は、コロイダルシリカの粒子からなる構造部として形成される。粒子分散部17を構成するコロイダルシリカの状態としては、1次粒子の状態のほか、1次粒子の凝集体である2次粒子の状態であってもよい。絶縁層4と絶縁層4以外の層との密着性を脆弱にする虞を抑制する点及び絶縁層4に発生するヘイズを抑制する点では、粒子分散部17を構成するコロイダルシリカの状態は、1次粒子の状態であることが好ましい。
(連続構造部16)
連続構造部16を構成する高分子構造は、シラノール基またはアルコキシ基を有するシラン化合物を、縮合反応させることで形成される。さらに具体的に、連続構造部16を構成する高分子構造は、感光性シロキサン樹脂を含有する感光性シロキサン樹脂組成物を用いて形成される感光性シロキサン樹脂硬化物から形成される。なお、感光性シロキサン樹脂組成物にコロイダルシリカを加えたものが絶縁層4を形成する感光性樹脂組成物となっている。
感光性シロキサン樹脂組成物は、シロキサン樹脂を含む樹脂組成物であり、且つ、感光性を有するものである。感光性を有するものとは、電離放射線硬化性を有することを示す。さらに、感光性シロキサン樹脂組成物は、フォトリソグラフィー法により所定のパターンにパターニングされた層構造を形成可能なシロキサン樹脂材料である。このような感光性のシロキサン樹脂材料であれば、従来公知の材料を適宜選択されることが可能である。
例えば、感光性シロキサン樹脂組成物は、特許第3821165号に開示される放射線硬化性樹脂組成物、即ち、シロキサン樹脂(ただし、フェノール基を有する水性塩基可溶性シリコン含有ポリマーを除く。)光酸発生剤又は光塩基発生剤、及び、上記シロキサン樹脂を溶解可能であり、非プロトン性溶媒(即ち、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル−n−ジ−n−プロピルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、メチルテトラヒドロフラン、ジメチルジオキサン、などのエーテル系溶媒を1種以上含む非プロトン性溶媒)を含有してなり、放射線の照射により硬化する放射線硬化性組成物を、好適に用いることができる。
また、感光性シロキサン樹脂組成物は、特許第3758669号に開示される放射線硬化性樹脂組成物、即ち、シロキサン樹脂、露光する工程で使用される特定波長の放射線を照射することにより、酸性活性物質を放出する光酸発生剤、又は塩基性活性物質を放出する光塩基発生剤、上記シロキサン樹脂成分を溶解可能な溶媒、及び、上記特定波長の放射線を照射しても酸性活性物質及び塩基性活性物質を放出しない硬化促進触媒を含有してなる放射線硬化性組成物を、好適に用いることができる。
なお、フォトリソグラフィー法によりパターニングされた構造体を形成可能なシロキサン樹脂材料の例としては、下記一般式(1)で表される化合物を加水分解反応させた後に得られるシラノールを脱水縮合させて得られる樹脂等が挙げられる。
上記一般式(1)中、Rは、水素(H)原子若しくはフッ素(F)原子、又はホウ素(B)原子、窒素(N)原子、アルミニウム(Al)原子、リン(P)原子、ケイ素(Si)原子、ゲルマニウム(Ge)原子若しくはチタン(Ti)原子を含む基、又は炭素数1以上20以下の有機基を示し、Xは加水分解性基を示し、nは0以上2以下の整数を示し、nが2のとき、各Rは同一でも異なっていてもよく、nが0以上2以下のとき、各Xは同一でも異なっていてもよい。
この感光性シロキサン樹脂組成物は、1種の感光性シロキサン樹脂から形成されてもよく、あるいは、異なる構造式で表わされる2種以上の感光性シロキサン樹脂の任意の組み合わせから形成されてもよい。例えば、上記一般式(1)において示される感光性シロキサン樹脂であって、側鎖が異なる2種以上の感光性シロキサン樹脂を任意に組み合わせてもよい。
(粒子分散部17)
絶縁層4においては、連続構造部16中にコロイダルシリカが分散されて粒子分散部17が形成されている。
粒子分散層17の状態は、絶縁層4を形成するために用いられる感光性樹脂組成物に含まれるコロイダルシリカの量に応じて調整することができる。この点、絶縁層4を形成するために用いられる感光性樹脂組成物には、その感光性樹脂組成物の固形分の合計質量に対する質量比率で、コロイダルシリカが、30%以上70%以下の範囲で含有されていることが好ましい。コロイダルシリカの含有量が30%以上であると、絶縁層4の粒子分散部17がより有効に機能して高温焼成によるクラックの発生を抑制するという効果をより効率的に得ることができる。コロイダルシリカの含有量が70%以下であると、絶縁層4のヘイズ率をできるだけ低い値に抑えるという効果をより効率的に得ることができる。なお、上記ヘイズ率(%)は、(拡散透過率/全透過率)×100で定義される値である。
絶縁層4に含まれるコロイダルシリカについてみるに、絶縁層4を形成する際に用いられる感光性樹脂組成物に含有されるコロイダルシリカの平均粒子径が5nm以上50nm以下であることが好ましい。絶縁層4を形成する感光性樹脂組成物に含まれるコロイダルシリカの平均粒子径が5nm未満の場合、形成される絶縁層4が層強度に劣るものになる虞が大きくなる。絶縁層4に含まれるコロイダルシリカの平均粒子径が、50nmを超える場合、形成される絶縁層4が表面平滑性に劣るものとなる虞がある。
(コロイダルシリカの平均粒子径)
感光性樹脂組成物に含有されるコロイダルシリカの平均粒子径は下記のとおり求められる。まず平均粒子径の計測用の試料を調製した。すなわち、感光性樹脂組成物50gを、遠心分離機を用いて20000Gの遠心力で5時間遠心する遠心処理を行ない、被遠心物を得る。被遠心物の上澄み液を別離して沈殿物を得た後、その沈殿物を溶媒(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA))中に分散させ分散液とした。この分散液を用いて、上記のような遠心処理から分散液を得る処理までの工程を、さらに2回繰り返して実施した。すなわち、上記遠心処理から分散液を得る処理までの工程が、3回繰り返して実施された。その3回繰り返し実施後に得られた分散液を、平均粒子径を計測するための試料分散液とした。そして、この試料分散液を用い、この試料分散液中に分散されたコロイダルシリカの平均粒子径(nm)を、粒度分布測定装置(島津製作所社製、SALD−7100(商標))を用いて測定した。そして、これにより測定された平均粒子径(nm)を、感光性樹脂組成物に含有されるコロイダルシリカの平均粒子径とした。
(絶縁層4の絶縁性能)
絶縁層4は、その絶縁耐圧が200V以上であることが望ましい。絶縁層4の絶縁耐圧が200V以上であることで、後述する第1の電極部22と第2の電極部24との絶縁性を十分に確保することができる。
なお、絶縁耐圧は次のような電流密度測定試験により測定された値である。絶縁層4を構成する感光性樹脂組成物を準備し、第1の電極部を構成する材料と第2の電極部を構成する材料を用いて、試験用セルを調製した。試験用セルとしては、2層のメタル層の間に絶縁層4に対応する構造を有する膜を挟み込ませた3層積層構造体を形成して、メタル・絶縁膜・メタル(Metal−Insulator−Metal;MIM)構造を有するものである。なお、2層のメタル層は、第1の電極部を構成する材料と第2の電極部を構成する材料を用いてそれぞれに形成されるメタル層にて構成される。そして、その試験用セルに対して厚み方向に電圧を印加し、電流密度を計測した。試験用セルに対する印加電圧を徐々に大きくし、電流密度が1×10−6A/cmに達したときの印加電圧を絶縁耐圧とされる。
具体的に、タッチパネル部材1の絶縁耐圧については、後述する透明電極部20を構成する第1の電極部22と第2の電極部24、及び、これら第1の電極部22と第2の電極部24との間に挟まれる絶縁層4とで形成される3層積層構造を、上記したMIM構造に対応する構造として、上記した電流密度測定試験を適用することで、測定することができる。すなわち、タッチパネル部材1の第1の電極部22と第2の電極部24に電圧を印加することで、第1の電極部22と絶縁層4と第2の電極部24との3層積層構造の厚み方向へ電圧を印加した状態を形成する。さらに第1の電極部22と第2の電極部24への印加電圧を徐々に大きくし、電流密度が1×10−6A/cmに達したときの印加電圧として絶縁耐圧が測定される。
(絶縁層4の調製方法)
絶縁層4は、例えば、図6Aから図6Dに示すように、その絶縁層4の下地をなす面上に次に示すようにコロイダルシリカ含有感光性シロキサン樹脂層を形成することで調製できる。下地をなす面となりうる面としては、基板2面や透明電極層3の表面が挙げられる。
コロイダルシリカ含有感光性シロキサン樹脂層を構成する高分子構造を形成可能な感光性化合物を含む感光性樹脂組成物を調製する。ただし、感光性樹脂組成物がネガ型である場合を例とする。感光性樹脂組成物を、下地面の上に塗布して、図6Aに示すように、非硬化状態の塗布膜70を形成する。さらに、塗布膜70を減圧乾燥して乾燥膜となし、さらに乾燥膜を焼成する(第1の焼成)。第1の焼成の後、図6Bのように、さらに乾燥膜に光照射することによってその乾燥膜にゾル・ゲル反応を開始させて硬化準備膜72となす。このとき、光照射は、所定のパターンを形成したフォトマスク71を介して実施され、所定パターンでゾル・ゲル反応による硬化の進行を開始した硬化準備膜72が形成される。そして、硬化準備膜72を必要に応じて更に焼成する(第2の焼成)。この第2の焼成が実施されるとさらにゾル・ゲル反応が進み、図6Cに示すように、硬化準備膜72の硬化が進んで仮硬化膜73が形成される。その後、仮硬化膜73が現像され、図6Dに示すように、所定パターンに形成された仮シロキサン層74が調製される。この仮シロキサン層74に対してさらに焼成が施される(後焼成)。この後焼成を施された仮シロキサン層74が、絶縁層4をなす。これらの各工程について次に更に詳細に述べる。
(感光性樹脂組成物)
塗布膜70を形成するにあたり、感光性樹脂組成物の調製がなされる。この感光性樹脂組成物は、次のように感光性化合物とコロイダルシリカを含有する組成物である。
感光性樹脂組成物には、上記したような感光性シロキサン樹脂組成物にコロイダルシリカを添加してなるものが用いられる。感光性シロキサン樹脂組成物には、感光性化合物と、感光性化合物のゾル・ゲル反応を促進させるゾル・ゲル反応促進剤とを含む材料組成物が用いられ、感光性SOG(Spin On Glass)が例として挙げられる。
(感光性化合物)
感光性化合物は、シロキサン骨格を形成可能な官能基を有する化合物である。その官能基は、感光性化合物におけるゾル・ゲル反応の反応部位となる。感光性化合物は、エネルギー線を受けてゾル・ゲル反応可能な化合物である。また感光性化合物は、フォトリソグラフィー法によりパターニング可能な化合物である。エネルギー線は、電離放射線、紫外線、電子線などを例示することができる。
感光性化合物は、シロキサン骨格を形成可能な化合物であれば、従来公知の材料を適宜採用されてよく、化合物は、モノマーに限らず、オリゴマー、ポリマーなど適宜採用されてよい。
感光性化合物は、上記一般式(1)に示すような樹脂などを挙げることができる。
(ゾル・ゲル反応促進剤)
ゾル・ゲル反応促進剤は、ゾル・ゲル反応促進触媒として機能する重合促進剤であり、具体的に、熱酸発生剤、光酸発生剤を挙げることができる。熱酸発生剤と光酸発生剤は、従前より公知なものを適宜用いることができ、少なくとも光酸発生剤を用いられればよいが、これら両者を組み合わせて用いられるほうが好ましい。熱酸発生剤と光酸発生剤が併用されることで、感光性樹脂組成物の硬化膜をより一層耐熱性に優れたものとすることができる。また、感光性樹脂組成物には、熱酸発生剤と光酸発生剤の両者の性質を併せ持つ化合物がゾル・ゲル反応促進剤として用いられてもよい。
ゾル・ゲル反応促進剤としては、芳香族ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニウム塩、トリアリールセレニウム塩等の各種オニウム塩系化合物、スルフォン酸エステル、ハロゲン化合物等があげられる。
なお、感光性シロキサン樹脂組成物のより具体的な例としては、上記したような特許第3821165号に開示される放射線硬化性樹脂組成物や、特許第3758669号に開示される放射線硬化性樹脂組成物を、好適に用いることができる。
(コロイダルシリカ)
感光性樹脂組成物に含まれるコロイダルシリカは、適宜選択可能であるが、上記したように平均粒子径が5nm以上50nm以下のものであることが好ましい。
コロイダルシリカとしては、具体的には、日産化学工業株式会社製のスノーテックス(登録商標)シリーズとして区分される商品群を挙げることができる。スノーテックスシリーズで指定される商品群の中でも、具体的な商品名として「スノーテックス−20(平均粒子径は10nm以上20nm以下の範囲内にある値)」、「スノーテックス−30(平均粒子径は10nm以上20nm以下の範囲内にある値)」、「スノーテックス−40(平均粒子径は10nm以上20nm以下の範囲内にある値)」、「スノーテックス−N(平均粒子径は10nm以上20nm以下の範囲内にある値)」、「スノーテックス−S(平均粒子径は8nm以上11nm以下の範囲内にある値)」、「スノーテックス−XS(平均粒子径は4nm以上6nm以下の範囲内にある値)」等が好ましいものとして挙げられる。なお、平均粒子径とは、コロイダルシリカの平均粒子径である。
また、コロイダルシリカが含まれた感光性樹脂組成物を調製するにあたり、オルガノシリカゾルが用いられてもよい。オルガノシリカゾルは、コロイダルシリカを安定的に分散させたコロイド溶液であり、具体的に、たとえば日産化学工業株式会社製のオルガノシリカゾルを用いることができる。さらに日産化学工業株式会社製のオルガノシリカゾルとしては、具体的に、「IPA−ST(商標)」、「EG−ST(商標)」、「NPC−ST−30(商標)」、「DMAC−ST(商標)」、「MEK−ST(商標)」、「MIBK−ST(商標)」、「XBA−ST(商標)」、「PMA−ST(商標)」、「PGM−ST(商標)」等で指定される商品を挙げることができる。これらの各商品のいずれについても、平均粒子径は10nm以上20nm以下の範囲内にある値である。なお、平均粒子径とは、オルガノシリカゾル中に分散されるコロイダルシリカの粒子径である。
(感光性樹脂組成物の調製)
感光性樹脂組成物は、感光性シロキサン樹脂組成物とコロイダルシリカを溶媒中に混合することで調製される。感光性樹脂組成物は、感光性シロキサン樹脂組成物を上述したような所定の溶媒に溶かして溶液の状態とするとともにコロイダルシリカをその溶液中に分散させて分散溶液の状態に調製される。
感光性樹脂組成物に使用される溶媒としては、感光性化合物などの固形成分を溶解することが可能な溶剤であれば特に限定されるものではなく、ベンゼン、トルエン、キシレン、n−ブチルベンゼン、ジエチルベンゼンなどを具体的に例示できる。
感光性樹脂組成物におけるコロイダルシリカの含有量については、コロイダルシリカが、感光性樹脂組成物の固形分の合計質量に対する質量比率(固形成分比率)で、30%以上70%以下の範囲で感光性樹脂組成物に含有されていることが好ましい。コロイダルシリカの含有量がこの範囲内にあるとき、感光性樹脂組成物において、コロイダルシリカがより分散した状態となっている。
なお、感光性樹脂組成物において、感光性樹脂組成物の固形分の合計質量に対する質量比率すなわち固形成分比率とは、感光性樹脂組成物を構成する成分を個別にみた場合に、固形成分の総質量に対する対象物となる固形分の質量比率(%)を示すものとして定義される。ここに、上記にいう、固形分とは、感光性樹脂組成物を構成する各成分のうち溶剤以外の成分である非溶媒成分を示すものとする。すなわち、対象物となる成分の状態が個別に液状・固形状のいずれであるかにかかわらず、感光性樹脂組成物の硬化物を形成して絶縁層となしたときに、その固形の硬化物に含まれる成分、すなわち絶縁層4の構成成分として含まれる成分は固形分に該当するものとする。
感光性樹脂組成物としては、ネガ型のものとポジ型のものを調製することができる。ここに、ネガ型の感光性樹脂組成物は、その感光性樹脂組成物の塗膜へ光照射を行った場合に光照射された部分に感光性化合物のゾル・ゲル反応の効率的進行が認められるタイプのものである。ネガ型の感光性樹脂組成物は、例えば、上記一般式(1)で表され且つRが炭素数2以下の官能基であるような感光性化合物と、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタンのような強酸を発生させる光酸発生剤を含有する組成物として、具体的に調製することができる。
ポジ型の感光性樹脂組成物は、感光性樹脂組成物の塗膜へ光照射を行った場合に光照射された部分について感光性化合物の現像処理によって除去可能となるようなものである。ポジ型の感光性樹脂組成物は、例えば、上記一般式(1)で表され且つRが炭素数3以上の官能基であるような感光性化合物と、ナフトキノンジアジドのような弱酸を発生させる光酸発生剤とを含有する組成物として、具体的に調製することができる。
(感光性樹脂組成物の塗布)
上記のように調製された感光性樹脂組成物は、下地面上に塗布されて塗布膜が形成される。感光性樹脂組成物の塗布は、特に限定されず、従前より公知の塗布方法を適宜採用されてよい。塗布方法としては、具体的には、スピンコート法、ダイコート法などを用いることができるが、下地面に均一に塗布可能な方法であれば、特に限定されない。
(塗布膜の減圧乾燥)
感光性樹脂組成物を下地面上に塗布して形成された塗布膜70は、20Pa以上100Pa以下の範囲で減圧乾燥され、絶縁層4において不要となる溶媒を少なくとも部分的に除去されて乾燥膜とされる。減圧乾燥においては、塗布膜の周囲の圧力が低いほど、塗布膜70の乾燥速度を高めることができることから、減圧乾燥時の圧力が100Pa以下であることが好ましく、塗布膜70の突沸や、乾燥ムラの発生を抑制する点で、減圧乾燥時の圧力が20Pa以上であることが好ましい。
(乾燥膜の焼成(第1の焼成)及び光照射)
第1の焼成では、乾燥膜は、焼成温度が70℃以上120℃以下、時間が30秒以上3分以下の条件下で、焼成される。第1の焼成後、さらに、焼成された乾燥膜にフォトマスク71を介して照射エネルギーが50mJ/cm以上500mJ/cm以下で光を照射することによって硬化準備膜72とされる。第1の焼成は、下地面に対する乾燥膜の密着性を向上させる処理であり、焼成温度と時間は、乾燥膜のうち、絶縁層4においてパターニング形成されない部分(非パターニング部分)となることを予定される部分に、ゾル・ゲル反応が起こらない範囲で、適宜調整される。
第1の焼成に引き続き実施される光照射は、絶縁層4がネガ型の感光性樹脂組成物を用いて形成される場合、乾燥膜の硬化反応を促進する酸触媒を発生させるための処理であり、照射エネルギーは酸触媒を発生させる範囲で適宜調整される。絶縁層4がポジ型の感光性樹脂組成物を用いて形成される場合については、上述の光照射は現像可能な反応性基を発生させるための処理であり、照射エネルギーは現像可能な反応性基を発生させる範囲で適宜調整される。
第1の焼成に引き続き実施される光照射は、例えば図6Bに示すように所定のパターンを形成したフォトマスク71を介して乾燥膜に向けて光(図6B中、光の照射方向を矢印L2で示す)を照射することで実施される。このとき、例えば、図1,2の例に示すような絶縁層4を形成する場合、且つ、ネガ型の感光性樹脂組成物を用いる場合には、フォトマスク71としては、孔部15に対応する部分を遮光するようにパターンを形成したフォトマスクが具体的に準備される。孔部15に対応する部分を遮光するようにパターンを形成したフォトマスクは、例えば、図6Bに示すように、光透過性を有するマスク用基板71aに遮光性を有する層71bをパターン形成することで調製することができる。また、図1,2の例に示すような絶縁層4を形成する場合、且つ、ポジ型の感光性樹脂組成物を用いる場合には、フォトマスク71としては、孔部15に対応する部分を開口部としてその周囲の所定領域を遮光するようにパターンを形成したフォトマスクが準備される。
ネガ型の感光性樹脂組成物を用いた場合には、上記第1の焼成及び光照射の後、次のように第2の焼成が実施されることが好適である。
(第2の焼成)
第2の焼成は、ネガ型の感光性樹脂組成物を用いた乾燥膜は第1の焼成及び光照射を施されて硬化準備膜72とされた後、硬化準備膜72は、第2の焼成を施される。第2の焼成は、焼成温度が70℃以上120℃以下、時間が1分以上10分以下の条件下で、硬化準備膜72を焼成する工程である。このとき、硬化準備膜72は、仮硬化膜73とされる。第2の焼成は、硬化準備膜72において絶縁層4においてパターニング形成される部分(パターニング部分)となることを予定される部分でゾル・ゲル反応を十分に進行させる工程である。すなわち、第2の焼成の前に行われた光照射によって、絶縁層4においてパターニング部分となることを予定される部分では、ゾル・ゲル反応が開始しており、その反応が第2の焼成で一層進むことになる。なお、非パターニング部分となることを予定される部分では、ゾル・ゲル反応が開始されず、硬化が抑制されている。第2の焼成において、焼成温度と時間は、非パターニング部分となることを予定される部分でのゾル・ゲル反応が進まず、且つ、パターニング部分となることを予定される部分でゾル・ゲル反応を促進させるべく、上記に示すような範囲で適宜調整される。ネガ型の感光性樹脂組成物を用いた場合、適宜第2の焼成を施した後、仮硬化膜73に対して次に説明する現像工程を施す。
(現像工程)
現像工程では仮硬化膜73が現像され、これによりパターン形成された仮シロキサン層74が形成される。現像に使用する現像液は、感光性樹脂組成物に応じて適宜選択可能であるが、現像工程時に生じる廃液の処理が容易であるという理由から、例えば、無機アルカリ系の現像液や、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)等の有機アミン系の現像液等が好ましく選択される。
(後焼成工程)
現像工程が実施された後、仮シロキサン層74にはさらに焼成が施され、絶縁層4となる。焼成温度は、200℃以上500℃以下の範囲で設定される。焼成時間は、30分以上60分以下の範囲に設定される。
ポジ型の感光性組成物を用いた場合、第1の焼成及び光照射が実施された後、上記第2の焼成を省略して硬化準備膜72に対して現像工程及び後焼成工程が施される。現像工程及び後焼成工程は、上記ネガ型の感光性組成物を用いた場合の現像工程及び後焼成工程と同じ工程でよい。ただし、現像工程においては、現像液としては、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)等の有機アミン系の現像液が好ましく選択される。
絶縁層4は、1種の感光性化合物を含む感光性樹脂組成物から形成されたコロイダルシリカ含有感光性シロキサン樹脂層であってもよく、その他にも、異なる構造式で表わされる2種以上の感光性化合物を含む感光性樹脂組成物から形成されたコロイダルシリカ含有感光性シロキサン樹脂層であってもよい。なお2種以上の感光性化合物の組み合わせは、特に限定されない。例えば、上記一般式(1)において示される化合物から得られる縮合体がコロイダルシリカ含有感光性シロキサン樹脂層を構成する場合において、上記一般式(1)において示される化合物として選択された化合物が、側鎖を異にする2種以上の化合物など、構造の異なる2種類以上を組み合わせて採用されていてもよい。
[積層構造5の機能]
タッチパネル部材1において、積層構造5は、図1Aに示すように、透明電極部20として機能する。
ここで、透明電極部20は、位置検出領域R内におけるタッチ位置を検出する位置検出機構の一部分を構成する。透明電極部20は、第1の電極部22と第2の電極部24とを有してなる。第1の電極部22と第2の電極部24は、タッチパネル部材1の平面視上、互いに交差するように位置検出用エリア形成部6にパターン形成されている。第1の電極部22と第2の電極部24は、タッチパネル部材の位置検出機構などの設計仕様に応じてそれぞれその形状や形成パターンを適宜設定可能であるが、例えば次のように構成される。
第1の電極部22は、多数の第1電極片21を、基板2面に沿った所定方向である第1の方向に間隔をあけて並べて整列配置されている。第2の電極部24は、多数の第2電極片23を、基板2面に沿った方向であり第1の方向とは異なる所定方向である第2の方向に、間隔をあけて並べて整列配置されている。このとき、第1の方向と第2の方向とは、基材8の平面視上、互いに直交する。すなわち、図1Aに示すように、基板2の厚み方向を法線とする平面として互いに直交するx軸とy軸で張られるxy平面を想定した場合に、第2の方向は、x軸方向に沿い、第1の方向は、y軸方向に沿う。また、第1電極片21と第2電極片23は、タッチパネル部材の平面視上、互いに交差するように形成されている。
第1電極片21と第2電極片23は、図1A、図2A、図2B、図2Cに示すような電極パッド11と連結部12を所定のパターンで形成されることでパターン形成される。
第1電極片21は、複数の電極パッド11を互いに間隔をあけて一列に並べられてなる構成を備える。第1電極片21の電極パッド11は、三角形状の電極パッド11aと、ひし形の電極パッド11bとで構成され、電極パッド11aについての三角形状の形状は、ひし形の電極パッド11bを1つの対角線に沿って切断してなる形状に対応する。三角形状の電極パッド11aは、第1電極片21の長手方向(x軸方向)両端に配置され、また、このとき頂角を内側に向けている。ひし形の電極パッド11bは、第1電極片21の長手方向両端にある電極パッド11a、11aの間に配置される。ひし形の電極パッド11bは、その対角線の1つが第1電極片21の長手方向の向きに揃えられるように配置される。個々の第1電極片21において、隣り合う電極パッド11同士の間には連結部12としての第1の連結部12aが形成されて電極パッド11同士が電気的に接続される。第1の連結部12aは、電極パッド11の向かい合わせの頂点同士を連結させる。
第2の電極部24を形成する第2電極片23は、複数の電極パッド11を互いに間隔をあけて一列に並べられてなる構成を備える。第2電極片23の電極パッド11は、三角形状の電極パッド11cと、ひし形の電極パッド11dと、で構成され、電極パッド11cは、ひし形の電極パッド11dの1つの対角線に沿って切断してなる三角形の形状を呈しており、第2電極片23の長手方向(y軸方向)両端に頂角を内側に向けて配置される。ひし形の電極パッド11dは、第2電極片23の長手方向両端にある電極パッド11cの間に配置される。ひし形の電極パッド11dは、その対角線の1つが第2電極片23の長手方向の向きに揃えられるように配置される。個々の第2電極片23において、隣り合う電極パッド11同士は連結構造で電気的に接続され、連結部12としての第2の連結部12bが形成される。第2の連結部12bを形成する連結構造は、電極パッド11の面内の所定位置で電極パッド11に連結し、第1の連結部12aをまたぐように形成されている。
積層構造5において、基板2面に形成された第1の透明電極層3aは、電極パッド11(11a、11b、11c、11d)の形成パターンと第1の連結部12aの形成パターンとをあわせたパターンに対応したパターンに、形成されている。第2の透明電極層3bは、第2の連結部12bの形成パターンに対応したパターンに、形成されている。このことは、透明電極部20は、第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bとで構成されていることを示しており、すなわち、第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bを備える積層構造5は、透明電極部20として機能できる層構造であることになる。
(積層構造5における絶縁層4の機能)
第1電極片31と第2電極片32は、第1の連結部12aと第2の連結部12bの位置で互いに交差しているが、この位置において、第2の連結部12bは第1の連結部12aをまたぐように形成されており、そして両連結部12a、12bの間に絶縁層4が介在されている。このため、連結部12a、12bの位置で第1電極片21と第2電極片23が交差しても互いに離間し非接触の状態が維持されるようになる。また、図2Bに示すように、第1電極片21を構成する電極パッド11と、これに隣り合い第2電極片23を構成する電極パッド11との間には、隙間13が存在しており、タッチパネル部材1の平面視上、第1電極片21の電極パッド11と第2電極片23の電極パッド11とが互いに非接触となるように形成されている。こうしたことからみても、第1の電極部22と第2の電極部24の相互の絶縁性は保たれており、透明電極部20に短絡を生じてしまう虞が抑制されている。
なお、透明電極部30は、第1電極片21と第2電極片23において、第2の連結部12bは第1の連結部12aをまたぐように形成されているが、これは一例であり、第1の連結部12aが第2の連結部12bをまたぐように形成されてもよい。その場合には、第2の透明電極層で第1の連結部12aを形成することになり、第1の透明電極層のパターンに第2の連結部12bのパターンが組み込まれることになる。
(絶縁層4を感光性シロキサン樹脂層とすることに伴う効果)
まず、絶縁層4は、コロイダルシリカを含有する感光性シロキサン樹脂層から構成され、シロキサン骨格を有する層となっており、耐熱性と堅牢性に優れた絶縁層4が形成される。
(絶縁層4にコロイダルシリカを含有させる効果)
産業上、タッチパネル部材を大量生産する際、通常は、基板よりも大面積な基板原板面上の多数箇所に、タッチパネル部材を形成するためのエリアを設定し、エリアごとにタッチパネル部材に対応する構造が形成され、すなわち、タッチパネル部材に対応する構造を一枚の基板原板上に多数形成して、その後、個々のタッチパネル部材に切り出される。タッチパネル部材を構成する各層は、基板原板上に大面積に形成されてパターニングされる。このため、大きな一枚の基板原板上に、絶縁層を大面積に形成することが可能であることが極めて重要なのである。この点、シロキサン層は、塗布法を適宜用いて調製することができるため、絶縁層を広範囲に形成することも容易である。そこで、上記したようにシロキサン層では絶縁性を十分に確保するために厚みが1μm以上であることが必要とされても、塗布法で形成されるシロキサン層を絶縁層とすることが要請される。ただ、一方で、塗布法で形成されるシロキサン層は、厚みが1μm以上となると層自体に割れやヒビといったクラックが入りやすくなるという問題がある。この点、絶縁層4をなすシロキサン層にはコロイダルシリカが所定量含有されており、絶縁層4の厚みが1μm以上の厚みとされても、絶縁層4にクラックが入る虞が効果的に抑制されている。
[タッチパネル部材1の製造]
図1に示すタッチパネル部材1の製造方法は、基板2上に第1の透明電極層3を形成する工程(以下、「第1の透明電極層形成工程」とも言う。)と、絶縁層4を形成する工程(以下、「絶縁層形成工程」とも言う。)と、第2の透明電極層3を形成する工程(以下、「第2の透明電極層形成工程」とも言う。)を備える。
(第1の透明電極層形成工程)
第1の透明電極層形成工程では、上記した透明電極層3の調製方法が実施される。ただし、フォトマスクとして第1の透明電極層3aの形成パターンに応じたものが用いられ、また、第1の透明電極層3aの下地をなす面上に第1の透明電極層3aがパターン形成される。なお、第1の透明電極層3aの下地面は基板2の面56のうち一方面56aである。
(絶縁層形成工程)
絶縁層形成工程では、絶縁層4を構成する感光性樹脂組成物を用いて上記した絶縁層4の調製方法が実施される。絶縁層4は、第1の透明電極層3aのうち電極パッド11となる領域内に定められる所定の位置に対して向かい合う位置に孔部15を形成したパターンに形成される。このとき、基板2と第1の透明電極層3aと絶縁層4の積層体が形成される。
(第2の透明電極層形成工程)
第2の透明電極層形成工程では、上記した透明電極層3の調製方法が実施される。ただし第2の透明電極層形成工程では、第1の透明電極層形成工程と異なり、フォトマスクとして第2の透明電極層3bの形成パターンに応じたものが用いられ、また、第2の透明電極層3bの下地をなす面上に第2の透明電極層3bがパターン形成される。具体的には、第2の透明電極層3bの下地面は、基板2と第1の透明電極層3aと絶縁層4との積層体の面のうち、絶縁層4の積層されたほうの面であり、基板2の一方面56a側の表面である。
こうして、基板2上に、第1の透明電極層3aと絶縁層4と第2の透明電極層3bを形成してなる積層構造5が形成されて、タッチパネル部材1が調製される。
[タッチパネル部材1における積層構造5の他の形態]
タッチパネル部材1は、積層構造5として、図2のように構成された積層構造5aを備える場合に限定されない。例えば、タッチパネル部材1は、積層構造5として、次に示す他の形態1から4で記載されているように構成されているものを備えたものであってもよい。
(他の形態1)
図1,2のタッチパネル部材1の例では、積層構造5における絶縁層4が1層であったが、タッチパネル部材1は、積層構造5に絶縁層4を少なくとも1層形成されていればよく、すなわち2層以上形成されていてもよい。例えば、積層構造5aに対応する構造体に対して、絶縁層4が、図7に示すように、透明電極層3の全体を覆うように、更に、追加形成されて、第1の絶縁層4aと、第2の絶縁層4bとが形成されていてもよい。図7では、タッチパネル部材1において、積層構造5aについて絶縁層4として第1の絶縁層4aと第2の絶縁層4bという2層が形成され、少なくとも第1の絶縁層4aの一部を、第2の絶縁層4bと基板2の間に形成しており、且つ、タッチパネル部材1の平面視上、第2の絶縁層4bが、透明電極層3の形成領域のうち少なくとも第2の絶縁層4bの非形成時における透明電極層3の露出領域全体を覆うように、透明電極層3の上に追加形成される。すなわち、第2の絶縁層4bは、少なくとも第2の透明電極層3bの形成領域を覆うように形成される。また、このとき、その追加形成される絶縁層4である第2の絶縁層4bは、透明電極部20を覆うように形成されることになる。
この場合、タッチパネル部材1においては、第1の絶縁層4aと、第2の絶縁層4bについて、それぞれ形成時に使用される感光性樹脂組成物として互いに同一組成のものを用いてもよいし、互いに異なる組成のものを用いてもよい。同一組成とは、対比される組成物(便宜上、組成物A,Bとする)について、組成物Aに含まれる化合物と組成物Bに含まれる化合物が同じであり、且つ、組成物Aに含まれる各化合物の含有量(重量%)とそれらの各化合物に対応し組成物Bに含まれる各化合物の含有量が同一であることを示す。
(第2の絶縁層4bの機能)
第2の絶縁層4bは、タッチパネル部材1外部に対し透明電極層3の絶縁性を確保する機能を発揮する。また、第2の絶縁層4bは、透明電極層3の外部露出を抑制して透明電極層3を保護する表面保護層としても機能する。
(他の形態2)
タッチパネル部材1は、積層構造5として、図9に示すような積層構造5cを備えるものでもよい。積層構造5cは、積層構造5aにおける第2の透明電極層3bを、透明導電性材料とは異なる金属材料からなる金属層25に変更してなる構成となっている。
金属層25は、積層構造5aにおける第2の透明電極層3bと同じ位置に同じ形成パターンにて形成される。このとき、金属材料としては、後述の取出電極部の金属配線に使用される材料を用いることができる。また、この場合、タッチパネル部材1は、基板2面上に透明電極層3と絶縁層4をそれぞれ1層設けて構成されることになる。このように、タッチパネル部材1においては、第2の透明電極層3bのように、基板2上に設けられ第1の透明電極層3aに接続されて隣り合う所定の電極パッド11間を連結させる連結部12を形成する層は、導電性を有する導電層であればよい。
(他の形態3)
タッチパネル部材1は、図2Aから図2Cに示すように構成された積層構造5aを備えるものに限定されず、図3Aから図3Dに示すように構成された積層構造5bを備えるものであってもよい。図3Aは、積層構造5bの部分拡大図である。この図において積層構造5bの拡大部分は、積層構造5aでは図2Aに示される部分に対応した部分である。
(積層構造5b)
積層構造5bは、図3Aから図3Dに示すように、基板2の面56のうち一方面56a側に、透明電極層3として、第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bとが形成され、絶縁層4として、第1の絶縁層4aと第2の絶縁層4bとが形成されている。そして、積層構造5bは、基板2の一方面56a側に第1の透明電極層3aが直接形成されており、更に、タッチパネル部材1の平面視上、第1の透明電極層3aの少なくとも一部を被覆するように、第1の絶縁層4aが基板2面の一方面56a側に形成されている。また、第2の透明電極層3bが、タッチパネル部材1の平面視上、第1の絶縁層4aの少なくとも一部を被覆するように、基板2面の一方面56a側に形成され、さらに、第2の絶縁層4bが、第2の透明電極層3bを少なくとも被覆するように形成される。積層構造5bは、基板2面に近いほうから、第1の透明電極層3a、第1の絶縁層4a、第2の透明電極層3b、第2の絶縁層4bの順に積層された構造を少なくとも一部に有するように構成されている。なお、説明の便宜上、図3Aから図3Cでは、取出電極部30の記載を省略しており、図3Dでは、第2の透明電極層3bおよび第2の絶縁層4bの記載を省略する。
積層構造5bについて、透明電極層3、絶縁層4を構成する材料と調製方法は、積層構造5aと同様の材料と調製方法を採用されてよい。
積層構造5bでは、第1の透明電極層3a、第2の透明電極層3b、第1の絶縁層4a、第2の絶縁層4bの形成パターンは次のようなパターンとなっている。
(透明電極層3の形成パターン)
第1の透明電極層3aの形成パターンは、第1の電極パターン26からなる。ここに、この第1の電極パターン26は、積層構造5aの第1の透明電極層3aにおける第1の電極パターン7と同様のパターンである。したがって、積層構造5bにおける第1の透明電極層3aは、電極パッド11(11a、11b)と、隣り合う電極パッド11を連結する連結部12をなす第1の連結部12aとを形成している。
積層構造5bにおいて、第2の透明電極層3bの形成パターンは、第2の電極パターン27からなる。ここに、積層構造5bにおける第2の電極パターン27は、積層構造5aの第1の透明電極層3aにおける第2の電極パターン8から第2の連結部12bを除いたパターンと同様のパターンと、隣り合う電極パッド11を連結する連結部12をなす第2の連結部28の形成パターンとをあわせて構成されるパターンである。第2の連結部28の形成パターンは、隣り合う電極パッド11の互いに向かい合わせの頂点間を連結するように形成されるパターンである。したがって、積層構造5bにおける第2の透明電極層3bは、電極パッド11(11c、11d)と、隣り合う電極パッド11を連結する連結部12をなす第2の連結部28とを形成している。
(絶縁層4の形成パターン)
第1の絶縁層4aは、タッチパネル部材1の平面視上、第1の透明絶縁層3aのうち第1の連結部12aと、第2の透明電極層3bのうちの第2の連結部28との交差する部分には、少なくとも形成されており、また、第1の絶縁層4aは、タッチパネル部材1の平面視上、飛び地状に形成される。なお、第1の絶縁層4aは、第1の連結部12aと第2の連結部28との交差する部分をはみ出して外側まで形成されてもよい。この場合、第1の絶縁層4aは、第1の透明電極層3aと第2の透明絶縁層3bとの間の絶縁性をより確実にする。
第2の絶縁層4bは、タッチパネル部材1の平面視上、基板2の一方面側に第1の透明絶縁層3aと第1の絶縁層4aと第2の透明絶縁層3bとを積層した積層体における、基板2の一方面側の表面を覆うように、形成されている。第2の絶縁層4bは、一体の層をなして形成されている。第2の絶縁層4bは、タッチパネル部材1外部に対し透明電極層3の絶縁性を確保する機能を発揮する。また、第2の絶縁層4bは、透明電極層3の外部露出を抑制して透明電極層3を保護する表面保護層としても機能する。
(他の形態4)
タッチパネル部材1は、積層構造5a、積層構造5bのいずれかに示すもの備えるものに限らず、図4Aから図4Cに示すような積層構造5dを備えるものであってもよい。図4Aは、積層構造5dの部分拡大図である。この図において積層構造5bの拡大部分は、積層構造5aでは図2Aに示される部分に対応した部分である。
(積層構造5d)
積層構造5dは、図4Aから図4Cに示すように、基板2の面56のうち一方面56a側に、導電性金属層57が形成されており、絶縁層4として、第1の絶縁層4aと第2の絶縁層4bとが形成されている。また、積層構造5dには、1層の透明電極層3がパターン形成される。
より詳しくは、積層構造5bは、基板2の一方面56a側に導電性金属層57がパターン形成されており、更に、タッチパネル部材1の平面視上、導電性金属層57の少なくとも一部を被覆するように、第1の絶縁層4aが基板2面の一方面56a側に形成されている。また、透明電極層3が、タッチパネル部材1の平面視上、第1の絶縁層4aの少なくとも一部を被覆するように、基板2面の一方面56a側に形成される。透明電極層3の少なくとも一部は、基板2面に直接接している。また、第2の絶縁層4bが、透明電極層3を少なくとも被覆するように形成される。積層構造5bは、基板2面に近いほうから、導電性金属層57、第1の絶縁層4a、透明電極層3、第2の絶縁層4bの順に積層された構造を少なくとも一部に有するように構成されている。なお、説明の便宜上、図4Aから図4Cでは、取出電極部30の記載を省略する。
導電性金属層57は、第1の電極パターン58を構成する電極パッド11を連結する連結部12としての第1の連結部59を形成する。導電性金属層57は、透明電極層3とは異なる導電性材料から形成されており、透明電極層3の形成に使用された透明導電性材料を除く金属材料から形成できる。第1の連結部59の形成パターンは、積層構造5aの第1の連結部12aと同様のパターンである。
積層構造5dについて、透明電極層3、絶縁層4を構成する材料と調製方法は、積層構造5a、5bと同様の材料と調製方法を採用されてよい。
積層構造5dでは、透明電極層3、第1の絶縁層4a、第2の絶縁層4bの形成パターンは次のようなパターンとなっている。
(透明電極層3の形成パターン)
積層構造5dにおける透明電極層3の形成パターンは、第1の電極パターン58から第1の連結部59のパターンを除くパターンと、第2の電極パターン60をあわせたパターンからなる。ここに、この第1の電極パターン58から第1の連結部59のパターンを除くパターンは、積層構造5aの第1の透明電極層3aにおける第1の電極パターン7から第1の連結部12aのパターンを除くパターンと同様のパターンである。したがって、第1の電極パターン58から第1の連結部59のパターンを除くパターンは、電極パッド11(11a、11b)の形成パターンに対応するパターンとなる。
積層構造5dにおける第2の電極パターン60は、積層構造5bの第2の電極パターン27と同様に、積層構造5aの第1の透明電極層3aにおける第2の電極パターン8から第2の連結部12bを除いたパターンと同様のパターンと、隣り合う電極パッド11を連結する連結部12をなす第2の連結部28の形成パターンとをあわせて構成されるパターンに対応するパターンである。
(絶縁層4の形成パターン)
第1の絶縁層4aは、前述した積層構造5bにおける第1の絶縁層4aと同様のパターンにパターン形成される。第2の絶縁層4bについても、前述した積層構造5bにおける第1の絶縁層4aと同様のパターンにパターン形成される。
[タッチパネル部材1の追加構成]
タッチパネル部材1には、必要に応じて次に示すような取出電極部30や画素群31などといった他の構成が設けられてよい。
(取出電極部30)
取出電極部30は、透明電極部20の第1の電極部22、第2の電極部24に対して電気的に接続されており、図1A、図1Bに示すように、透明電極層3に対して電気的に接続されて配設される。この例では、取出電極部30は、第1の透明電極層3aに連結するようにパターン形成されている。取出電極部30の形成パターンは、第1の電極パターン7を形成する電極パッド11に接続される金属配線32のパターンである第1の取出電極パターン33と、第2の電極パターン8を形成する電極パッド11に接続される金属配線32のパターンである第2の取出電極パターン34とをあわせたパターンとなっている。ただし、図1Bでは、図1のI−I線の位置での断面に対応する断面が図示される都合上、第1の取出電極部パターン33を形成する金属配線32のみが記載される。
取出電極部30は、金属配線32を基板2の上に所定パターンで配設されることで設けられる。このとき、金属配線32は、透明電極層3aに対して電気的に接続されて配設される。金属配線32は、タッチパネル部材1の平面視上、透明電極層3の端縁位置、図1の例では、それぞれ透明電極層3の形成領域の外端縁部に沿った位置にある電極パッド11の端縁位置から、位置検出用エリアRの外側に向かって延びるように基板2面上に形成され、透明電極層3の形成パターンに応じて適宜のパターンで配設される。金属配線32は、基板2の端縁位置まで延在して、その端縁位置で端子35を形成している。
金属配線32を構成する材料としては、細線化が容易である点と低抵抗化が容易である点から、イオン化可能な金属元素が含有される物質が好ましく用いられ、すなわち金属物質が好ましく用いられる。金属配線32を構成する金属物質としては、金属単体や、金属の複合体や、金属と金属化合物の複合体のほか、金属合金を挙げることができる。金属単体としては、銀、金、銅、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体などを例示することができる。金属の複合体としては、MAMなどを挙げることができ、金属と金属化合物の複合体としては、酸化クロム/クロム積層体などを例示することができる。金属合金としては、銀合金や銅合金が汎用される。また、金属合金としては、APCなどを例示することができる。なお、MAMは、Mo−Al−Moの3層構造体、すなわちモリブデン・アルミニウム・モリブデンの3層構造体を示しており、APCは、Au・Pd・Cu、すなわち銀・パラジウム・銅の合金を示す。
タッチパネル部材1に取出電極部30が設けられていると、透明電極層3から金属配線32および端子35を通じてタッチパネル部材1の外部へと電圧や電流などの電気的情報を効率的に伝えることが容易となる。
取出電極部30は、図8Aに示すように、透明電極層3に金属配線32を直接に接続して構成されてもよいし、図8Bに示すように、透明電極層3に一体的に形成される接続部36を備えて、接続部36を介して金属配線32を透明電極層3に接続して構成されてもよい。接続部36は、透明電極層3を構成する導電性材料を用い、透明電極層3の端部から位置検出用エリアRの外側に導電性材料の層を延設して形成される。その接続部36上に金属配線32の少なくとも一部が重ねられる。このように取出電極部30が金属配線32と接続部36とを備えて構成されることで、金属配線32と透明電極層3との接続を確実にしつつ、金属配線32が位置検出用エリアR内に入り込むことを効果的に規制することが可能となる。
(画素群31)
タッチパネル部材1は、図10に示すように、基板2の一方面56a側に、透明電極層3及び絶縁層4を形成し、基板2の他方面56b側に、複数の画素片37からなる画素群31を形成してなるものでもよい。
画素片37は、光透過性を有する所定色の着色層39から形成される。着色層39は、基板2の他方面56b側に、所定形状でパターン形成してなる。着色層39は、短冊状など適宜形状を有しつつパターン形成される。また、着色層39が所定のパターンで多数形成されることで、多数の画素片37が形成され、これらの多数の画素片37で画素群31が構成される。なお、着色層39の色は、適宜設定可能である。図10では、着色層39の色として、R(Red、赤)G(Green、緑)B(Blue、青)の3色が用いられ、それぞれ着色層39a、着色層39b、着色層39cとして、基板2の他方面56b側に所定形状でパターン形成されている。このとき、着色層39は、タッチパネル部材1の平面視上、所定のパターンで区画され、着色層39のうちその区画された1区画で定められる領域部分が画素片37をなす。
なお、基板2の他方面56b側に、遮光性のブラックマトリクスの層38が縦横格子状などの所定のパターンに塗工形成されてもよい。このとき、ブラックマトリクスの層38の形成部分に囲まれたブラックマトリクス非形成領域が形成されて開口部をなし、この開口部が格子点状に多数形成される。そして、これらの開口部を覆うように三色の着色層39(39a、39b、39c)が短冊状に配列されてもよい。この場合、着色層39のうち1つの開口部に対応する領域に形成された部分が1つの画素片37を構成することになる。基板2の他方面56b側には多数の開口部が形成されており、これら多数の開口部を覆うように着色層39が形成されるから、多数の画素片37が形成されて画素群31が形成されることとなる。
ブラックマトリクスの層38が形成されている場合、ブラックマトリクスで格子状に区画された領域内に着色層39が形成され、着色層39同士の混色を抑制することができる。
タッチパネル部材1が画素群31を形成してなるものである場合、画素群31を形成する着色層39が設けられることになるため、着色層39の内部応力によって、基板2に反りや歪みが生じやすい。するとタッチパネル部材1において、少なくとも1層の絶縁層4が一体の層としてパターン形成されている場合にあっては、そのように一体の層として形成されている絶縁層4は、基板2の反りによって一層クラックが入りやすくなるという虞を有する。絶縁層がコロイダルシリカを所定量含むシロキサン層とされることで絶縁層4のクラックの問題が解決されることは、図1のように絶縁層4を一体の層をなしつつパターン形成され且つ画素群31を形成しているタッチパネル部材1において、大きな課題を解決する貢献をもたらす。
タッチパネル部材1を用いたタッチパネル40について説明する。
[タッチパネル40]
タッチパネル40は、図11に示すように、パネルスクリーン41を備えるとともに、パネルスクリーン41内の所定領域における座標位置を検出する位置検出装置42を、パネルスクリーン41に電気的に接続してなる。パネルスクリーン41は、通常、タッチ位置を検出可能な走査可能エリア41aを形成している。
図11中、符号43は、パネルスクリーン41と位置検出装置42を電気的に結ぶフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits ;FPC)を示す。このFPC43は、パネルスクリーン41と位置検出装置42の両方に対して接合される。なお、タッチパネル40においては、パネルスクリーン41と位置検出装置42を電気的に結ぶ構造としては、FPCに限定されず、配線であってもよい。
パネルスクリーン41は、タッチパネル部材1の積層構造5上に光透過性を有するカバー基板44を積層してなる。カバー基板44は、樹脂板のほか、カバーガラスを挙げることができる。
カバー基板44として使用可能な樹脂板は、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ノルボルネン樹脂、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂などの透明樹脂を板状に成形することで得られる。
カバー基板44がカバーガラスである場合には、強度の点で、特に強化ガラスであることが好ましい。強化ガラスとしては、旭硝子社製のドラゴントレイルガラス(ドラゴントレイルは商標)やコーニング社製のゴリラガラス(ゴリラは商標)を挙げることができる。
位置検出装置42としては、公知の位置検出機構を備えた装置などを適宜用いることが可能である。位置検出装置42は、パネルスクリーン41を構成するタッチパネル部材1の端子35に電気的に接続されており、位置検出領域Rにおけるタッチ位置を電気的に検出する。
[タッチパネル付き表示装置50]
タッチパネル付き表示装置50は、タッチパネルの機能を搭載した表示装置であるが、図12A、図12Bに示すように、画像を表示する表示面51aを有する表示パネル51を備える。
[表示パネル51]
表示パネル51は、従前より公知な液晶ディスプレイ用の液晶パネルや、有機ELディスプレイ用のELパネルなど、視覚情報を表示可能な表示パネルを適宜用いることができる。
表示面51aとしては、例えば、従前より公知な液晶パネルや有機ELパネルなどの表示画面をなす領域を挙げることができる。
表示パネル51では、表示面51aに画像などの視覚情報を表示させる表示機構を形成する表示モジュールが形成されている。表示モジュールは、具体的に、従前より公知な液晶パネルを構成する液晶表示用モジュールや、有機ELパネルを構成する有機EL表示用モジュールなどを挙げることができる。表示モジュールは、通常、間隔をあけて向かい合うパネル基板間に表示媒体を保持した構造を有する。
具体的に、表示パネル51では、シール材54を介して第1のパネル基板52と第2のパネル基板53とが貼り合わされ、第1のパネル基板52と第2のパネル基板53の間に表示媒体55が設けられ、第1のパネル基板52に表示面51aが形成されている。
表示媒体55としては、液晶や、EL素子などを挙げることができる。例えば、表示媒体55が液晶である場合には、表示媒体55は、第1のパネル基板52と第2のパネル基板53の間に液晶を封入してなる液晶層となり、この液晶層は、印加電圧に応じて液晶の配向制御が可能であるように構成される。また、表示媒体55がEL素子である場合、第1のパネル基板52と第2のパネル基板53の間にEL素子が配置されることになる。液晶や、EL素子としては、従前より公知なものを適宜選択されてよい。
[タッチパネル部材1を用いる利点]
タッチパネル部材1は、タッチパネル付き表示装置50が有機ELディスプレイである場合に、特に有効性が高まる。
有機ELディスプレイを製造する際、シール材54を第1のパネル基板52と第2のパネル基板53と間に塗りつけた構造物を焼成するという焼成工程が実施されることで、シール材で第1のパネル基板52と第2のパネル基板53とが貼り合わされる。この焼成工程は、通常、400℃程度といった高温の条件下で実施される。第1のパネル基板52としてタッチパネル部材やこれを組み込んでなる部材を用いるには、タッチパネル部材を構成する透明電極層や絶縁層などといった各構成部についても上記焼成工程に耐えられるものであることが要請される。そこで、有機ELディスプレイでは、特に、絶縁層として、耐熱性に優れる点で、シロキサン骨格を有する感光性化合物を含む感光性樹脂組成物の硬化物からなるシロキサン層が好ましく用いられることになる。そして、シロキサン層は、感光性樹脂組成物を塗布して形成される塗布膜を硬化させて形成されるものである場合には、広範囲にシロキサン層を容易に形成することができる。このことは、広範囲に絶縁層を形成することが可能となることを示しており、大面積の基板2の原材を用いてタッチパネル部材を多面付け形成することが容易となり、産業上、タッチパネル部材の量産を容易とする効果を招来する。
特に、タッチパネル付き表示装置1は、第1のパネル基板として用いられるタッチパネル部材の絶縁層4をなすシロキサン層にコロイダルシリカを所定量含有させているため、絶縁層4にクラックが入る虞が抑制されたものとなっており、耐熱性と堅牢性に優れつつ絶縁性を効果的に保持された絶縁層4を備えたものとなっている。
次に、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
(タッチパネル部材)
実施例1
(基板の準備)
タッチパネル部材の基板の原板として、ガラス基板(無アルカリガラス、NHテクノグラス社製、NA35)(縦550mm×横650mm)を準備し、超純水に界面活性剤(株式会社環境科学センター製、ディポッシュ‐L(商標))を加えた溶液に浸漬する界面活性剤処理し、引き続き超音波洗浄処理により洗浄した。尚、上記原板に、タッチパネル部材を構成する透明電極層や絶縁層といった各層を形成するためのタッチパネル形成用エリアを50箇所設定し、原板からタッチパネル部材50個が形成されるように設定することで多面取り設計を行った。多面取り設計した後、以下のとおりタッチパネル部材を構成する各層を調製した。
(取出電極部の調製)
取出電極部30を構成する金属配線32を次のようにして図13に示すようなパターンにパターン形成した。金属配線32の端縁には端子35が形成される。金属材料としてAPCを用い、基板2をなすガラス基板全面にAPCをスパッタリングすることにより、厚さが30nmの配線形成用金属膜を形成した。次いで、ポジ型レジスト材料としてポジ感光性材料(AZマテリアルズ社製)を用い、配線形成用金属膜面上にポジ感光性材料を塗布し、金属配線の形成パターンと端子の形成パターンをあわせたパターンに応じた所定のパターンを形成したフォトマスクを用いて露光及び現像を施した。こうして、ガラス基板面上で位置検出領域の外側の領域に、金属配線と端子の形成パターンとをあわせたパターンに、感光性層が形成されて、積層体が形成された。感光性層の非形成部分では、配線形成用金属膜が露出している。さらに、この積層体をエッチングした。エッチング液としてリン酸と硝酸と酢酸の混合溶液を用いた。配線形成用金属膜のうち露出している部分がエッチングによって除去された。その後、感光性層を苛性ソーダで剥離し、図13に示すように、端子35とともに金属配線32がパターン形成され、金属配線付ガラス基板が得られた。なお、図13には、多面付け設計された基板原板のうち、1つのタッチパネル部材に対応するエリアを抜き出して表示している。これは、図14、16,17,19,21についても同じである。
(第1の透明電極層の調製)
金属配線付ガラス基板面上に図14及び図15に示すようなパターンの第1の透明電極層3aを、次のようにパターン形成した。図15は、図14の領域SE1の部分を模式的に示す部分拡大平面模式図である。第1の透明電極層3aは、金属配線付ガラス基板面のうち金属配線のパターンが形成された面側を下地面として、その下地面上に次のように形成された。第1の透明電極層を構成する透明導電性材料としてITOを用い、ITOを金属配線付ガラス基板面全面にスパッタリングすることにより、導電膜として厚さが30nmのITO膜を形成した。そして、取出電極部の調製時に用いられたものと同様のポジ感光性材料を用い、ITO膜上にポジ感光性材料を塗布し、第1の透明電極層のパターンに応じた所定のパターンを形成したフォトマスクを用いて露光及び現像を施した。これにより、ガラス基板面上で位置検出領域Rの内側の領域に、所定のパターンに感光性層が形成されて、積層体が形成された。感光性層のパターンは、第1の電極パターンと、第2の電極パターンから第2の連結部を除いたパターンとをあわせたパターンに形成されている。感光性層の非形成部分では、ITO膜が露出している。さらに、この積層体をエッチングした。エッチング液としてシュウ酸系溶液を用いた。ITO膜のうち露出している部分がエッチングによって除去された。その後、感光性層を苛性ソーダで剥離し、第1の透明電極層3aがパターン形成され、第1の透明電極層付ガラス基板が得られた。
第1の透明電極層付ガラス基板において、第1の透明電極層3aは、上記のように図14及び図15に示すような構成を有する層となっている。第1の透明電極層3aでは、複数のひし形状の電極パッド11,11が互いに独立にして所定方向(x方向)に一列に整列し、ひし形の電極パッドを整列配置した構成の両端位置に、三角形状の電極パッドをさらに配置したパターンを有し、且つ、隣り合う電極パッド11,11同士が直線状の第1の連結部12aで連結されたパターンを有して第1の電極単位パターン9を形成するとともに、所定の方向(y方向)に、第1の電極単位パターン9が間隔をあけて多数列並んで第1の電極パターン7を形成している。また、第1の透明電極層3aでは、複数のひし形状の電極パッド11,11が互いに独立にして所定方向(y方向)一列に整列し、ひし形の電極パッドを整列配置した構成の両端位置に、三角形状の電極パッドをさらに配置してなる電極パッド列が、所定の方向(x方向)に、間隔をあけて多数列並んで電極パッド群を構成している。この電極パッド群の形成パターンが、第2の電極パターン8の一部を構成するパターンであり、すなわち第2の電極パターン8から第2の連結部12bを除くパターンに対応する。そして電極パッド列の形成パターンは、第2の電極単位パターン10から第2の連結部12bの形成パターンを除いたパターンに対応する。第1の電極パターン7を構成する電極パッド11と第2の電極パターンを構成する電極パッド11との間には隙間13が形成されている。なお、図14では、説明の便宜上、連結部12の記載を省略している。
実施例1については、隙間13の幅W1は、26μm程度に設定され、第1の接続部12aは、幅W2が26μm程度に設定された。また、個々の電極パッド11については、1辺の長さW3が5000μm程度の正方形状とし、かつ、その2本の対角線がそれぞれx方向とy方向に沿う配置となるように設定された。ただし、第1の電極単位パターンにおいて両端に配置される電極パッドは、上記正方形状の電極パッドの対角線の1つに沿って2分割してなる形状の3角形に対応するサイズに形成される。これは、第2の電極単位パターンについても同じである。
(絶縁層の調製)
第1の透明電極層付ガラス基板面上に、図16のような絶縁層4として第1の絶縁層4aを次のようにパターン形成した。この絶縁層4は、第1の透明電極層付ガラス基板面のうち第1の透明電極層3aのパターンが形成された面側を下地面として、その下地面上に次のように形成された。
絶縁層4を形成するにあたり、まず感光性樹脂組成物を調製した。感光性樹脂組成物の調製にあたり、パターニングが可能な感光性シロキサン樹脂組成物を調製した。感光性シロキサン樹脂組成物として、次のような放射線硬化性組成物を用いた。放射線硬化性組成物は、次のように調製されたものである。
テトラエトキシシラン317.9gとメチルトリエトキシシラン247.9gとをジエチレングリコールジメチルエーテル1116.7gに溶解させた溶液中に、0.644重量%に調製した硝酸167.5gを攪拌下で30分間かけて滴下して反応用溶液を調製する。滴下終了後、反応用溶液を3時間反応させた後、減圧下、温浴中で生成したエタノールおよびジエチレングリコールジメチルエーテルの一部を留去して、ポリシロキサン溶液1077.0gを得る。
ポリシロキサン溶液のうち525.1gをとって、これにジエチレングリコールジメチルエーテル53.0g、2.38重量%に調製されたテトラメチルアンモニウム硝酸塩水溶液(pH3.6)及び水3.0gを添加し、室温(25℃)で30分間攪拌溶解して放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液を得た。なお、GPC法(溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、測定温度:23℃、流速:1.75mL/分、測定時間:45分)によりポリシロキサンの重量平均分子量を測定すると、830である。このポリシロキサンが感光性化合物に対応する化合物である。トラメチルアンモニウム硝酸塩は、既述した光酸発生剤のようなゾル・ゲル反応促進剤とは異なる硬化促進剤として、好ましく添加されるものである。
放射線硬化性組成物用ポリシロキサン溶液10.0gに、ゾル・ゲル反応促進剤として光酸発生剤(PAI−1001、みどり化学社製)0.193gを配合し、放射線硬化性組成物が調製された。なお、感光性化合物となるシロキサン成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して15重量%であり、光酸発生剤成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して1.9重量%であり、硬化促進剤成分の使用量は放射線硬化性組成物総量に対して0.075重量%であった。
感光性シロキサン樹脂組成物にコロイダルシリカ(PMA−ST(商標)、日産化学工業株式会社製、平均粒子径10nm以上20nm以下の範囲の値、固形分濃度30%)を2.43g添加し、コロイダルシリカ含有感光性シロキサン樹脂組成物を調製した。このコロイダルシリカ含有感光性シロキサン樹脂組成物が感光性樹脂組成物をなす。尚、感光性樹脂組成物において、コロイダルシリカの添加量は、その感光性樹脂組成物の固形分の合計質量に対する質量比率で30重量%であった。
(感光性樹脂組成物の下地面上への塗布)
感光性樹脂組成物を、第1の透明電極層付ガラス基板の下地面上に塗布して、塗布膜を形成した、塗布膜は、一部が第1の透明電極層面上に直接に形成され、一部がガラス基板面上に直接形成される。なお、塗布法には、スピンコート法が用いられた。
(塗布膜の乾燥)
塗布膜を形成した第1の透明電極層付ガラス基板面は、減圧乾燥装置内に置かれ、減圧乾燥装置内を27Paまで減圧することで塗布膜に含まれる溶媒を部分的に除去した。なお、溶媒は、ジエチレングリコールジメチルエーテルと水である。
(第1の焼成及び光照射)
溶媒を部分的に除去された塗布膜を形成した第1の透明電極層付ガラス基板に対して第1の焼成を施した。具体的には、第1の透明電極層付ガラス基板をホットプレート上に置くことでこれを加熱(プリベーク)して、溶媒成分を除去して塗布膜を乾燥膜となした。なお、このとき、加熱条件については、加熱温度が90℃、加熱時間が45秒間とされた。
乾燥膜を形成したガラス基板を室温まで冷却した後、絶縁層の形成パターンに対応した所定のパターンを形成したフォトマスクを用いて、乾燥膜上の所定位置にフォトマスクを適用し、プロキシアライナーにより波長365nmの紫外光を用いて200mJ/cmの照射量にて光照射処理した。
絶縁層4(4a)の形成パターンは、図16に示すように、第1の透明電極層3aにおける第2の電極パターン8の電極パッド11の部分に対して向き合う所定の位置に孔部15を形成するようなパターンである。なお、孔部15についてみるに、後に第2の透明電極層3bが形成される際、第2の透明電極層3bを構成する透明導電性材料が孔部15内にも入り、第2の透明電極層3bと第1の透明電極層3aとの接触部を形成するとともに、第2の電極パターン8を構成する第2の連結部12bの形成がなされることになる。
フォトマスクのマスクパターンは、上記したような絶縁層4の形成パターンを考慮したパターンにパターン形成されており、すなわち第1の絶縁層4の孔部15の形成パターンに対応した部分を、光の透過を遮蔽する遮光部とすることで形成される。
(現像工程及び後焼成工程)
さて、乾燥膜に対して光照射処理が施された後、現像工程が行われ、すなわち乾燥膜が現像された。現像液には、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)2.38wt%(東京応化工業社製、NMD−3)が用いられ、現像方法は、ディップ現像法が用いられた。この方法では、現像液中に、乾燥膜を形成したガラス基板全体が浸漬される。これにより、乾燥膜のうち未露光部分が除去され、絶縁層の形成パターンに対応したパターンを形成した仮シロキサン層が得られた。さらに、仮シロキサン層を形成したガラス基板を加熱炉(アドバンテスト社製、FUW210PA)中で加熱(ポストベーク)することで後焼成工程が実施された。後焼成工程の加熱条件については、大気雰囲気下で加熱温度を500℃、加熱時間を1時間とした。この後焼成工程での加熱により、仮シロキサン層に含まれる感光性化合物の架橋重合がより一層進行して硬化物を形成し、仮シロキサン層はより硬化された層となり、これが絶縁層4をなす。こうして、図16に示すような孔部15を有するパターンにパターニングされた絶縁膜4を第1の透明電極層3aの形成面側上に形成し、絶縁層付ガラス基板を得た。調製された絶縁層4は、厚みが2.5μmであり、また、孔部15について、個々の孔部15の形状は、図18にも示すように、一辺の長さWHが50μm程度の平面視正方形状に形成された。図18は、後述する図17の領域SE2の部分を模式的に示す部分拡大平面模式図である。
(第2の透明電極層の調製)
絶縁層付ガラス基板面上に第2の透明電極層3bを次のようにパターン形成した。第2の透明電極層3bは、絶縁層付ガラス基板面のうち絶縁層4が形成された面側を下地面として、その下地面上に形成された。絶縁層付ガラス基板面上にITO膜が形成された点、ITO膜の厚みを50nmとした点、フォトマスクとして第2の透明電極層3bの形成パターンに対応するパターンを形成したものを用いた点のほかは、第1の透明電極層3aの調製と同じ工程を用いてITO膜を所定のパターンにパターニング形成して第2の透明電極層が形成された。第2の透明電極層3bの形成パターンは、図17,図18に示すような第2の連結部12bの形成パターンに対応したパターンとなっている。なお、個々の第2の連結部12bは、孔部15を介して第1の透明電極層3aの電極パッド11に繋がっており、隣り合う電極パッド11同士を連結するように構成される。こうして、第2の透明電極層付ガラス基板が形成される。
第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bのパターン形成がなされたことにより、第1の電極部22と第2の電極部24を有する透明電極部20が形成される。この実施例においては、第1の電極部22は、第1の透明電極層3aにおける第1の電極パターン7に対応する部分で構成される。第2の電極部24は、第1の透明電極層3aにおける、第2の電極パターン8から第2の連結部12bのパターンを除くパターンに対応する部分と、第2の透明電極層3bで構成される。なお、個々の第2の連結部12bは、U字状に形成されており、2箇所で屈曲してその第2の連結部12bの端部に向かって孔部15の空間部分に進出させて第1の透明電極層3aに接触させて2つの進出部12b1,12b1を形成しており、2つの進出部12b1,12b1を繋ぐ繋ぎ部12b2を形成して構成されている。第2の連結部12bの繋ぎ部12b2については、図18にも示すように、幅W5が26μm程度の線状に形成されるが、進出部12b1,12b1に繋がる両端部分については、一辺の長さW4が70μm程度の平面視正方形状に形成されている。
(第2の絶縁層の調製)
第2の透明電極層付ガラス基板面上に第2の絶縁層4bを次のようにパターン形成した。第2の絶縁層4bは、第2の透明電極層付ガラス基板面のうち第2の透明電極層3bが形成された面側を下地面として、その下地面上に形成された。第2の透明電極層付ガラス基板面上に塗布膜が形成された点、フォトマスクとして第2の絶縁層4bの形成パターンに対応するパターンを形成したものを用いた点のほかは、第1の絶縁層4aの調製と同じ工程を用いて塗布膜を所定のパターンにパターニング形成された硬化膜となして第2の絶縁層4bが形成された。第2の絶縁層4bの形成パターンは、図21に示すように、第2の透明電極層付ガラス基板面上、端子の形成されたエリアを除く全領域を覆いつくすパターンである。したがって、第2の絶縁層4bは、第1の透明電極層3aと第2の透明電極層3bの両層の形成領域を覆いつくすように形成されることなり、表面保護層として機能しうる層をなす。なお、第2の絶縁層4bは、厚さが2.5μmであった。
上記した取出電極部と透明電極層及び絶縁層は、50箇所のタッチパネル形成用エリアのそれぞれについて形成された。そして、タッチパネル形成用エリアごとの分離が行われて、図21に示すようなタッチパネル部材1が調製された。タッチパネル部材1が50個調製された。このうちから任意に1つを選択し、実施例1のタッチパネル部材1とした。
(タッチパネル部材の品質の評価)
調製されたタッチパネル部材1を用いて、次に示す評価1から3の基準によりタッチパネル部材の品質を評価した。評価1では、クラック発生有無を基準として品質が評価され、評価2では、タッチパネル部材のヘイズ率を基準として品質が評価され、評価3では、絶縁層による第1の電極部と第2の電極部間の絶縁性を基準として品質が評価される。
(評価1)
評価1では、タッチパネル部材を光学顕微鏡にて拡大率500倍で拡大した拡大画像を得て、その拡大画像に基づき第1の絶縁層又は第2の絶縁層のいずれかにクラックが発生しているか否かについての観察を行った。クラックが発生すると、そのクラック発生部分で光の反射状態に変化が認められるため、このような観察でクラック発生有無を確認することができる。観察結果に基づき、タッチパネル部材の品質の良否を次のように評価した。
第1の絶縁層及び第2の絶縁層のいずれにもクラックの発生が認められない
・・・○(タッチパネル部材の品質は良好)
第1の絶縁層又は第2の絶縁層のいずれかにはクラックの発生が認められる
・・・×(タッチパネル部材の品質は不良)
実施例1のタッチパネル部材では、第1の絶縁層又は第2の絶縁層のいずれにもクラックの発生は確認されず、評価1での評価結果は、「○」(品質は良好である)であった。
(評価2)
評価2では、タッチパネル部材のヘイズ率を次のように測定した。タッチパネル部材を、ヘイズメーターにセットして、タッチパネル部材の厚み方向のヘイズ率(%)を測定した。ヘイズメーターとしては、東洋精機社製のヘイズガードII(商標)が用いられた。
ヘイズ率の測定結果に基づき、タッチパネル部材の品質の良否を次のように評価した。
ヘイズ率が0.2%以下である ・・・○(タッチパネル部材の品質は良好)
ヘイズ率が0.2%を超える ・・・×(タッチパネル部材の品質は不良)
実施例1のタッチパネル部材のヘイズ率は、0.06%であり、「○」の評価とされるものであり、タッチパネル部材の品質は良好、すなわち良好な光透過性を示すものと評価された。
(評価3)
評価3では、タッチパネル部材における第1の電極部と第2の電極部の絶縁性を次のように測定した。電圧印加装置を準備し、タッチパネル部材の透明電極部を構成する第1の電極部に繋がる端子に接続した。第2の電極部に繋がる端子は、グランド接続した。次に、第1の電極部に対して500Vの電圧を印加し、第1の電極部と第2の電極部の間の電流密度を測定した。この電流密度が極小さいほど、タッチパネル部材の絶縁耐圧が大きいことになり、タッチパネル部材は優れた絶縁性を有するものであることとなって、優れた品質を有すると評価されることになる。具体的に、タッチパネル部材の絶縁性に基づくタッチパネル部材の品質は、次のように評価された。
電流密度が、1×10−6A/cm未満である ・・・○(タッチパネル部材の品質は良好)
電流密度が、1×10−6A/cm以上である ・・・×(タッチパネル部材の品質は不良)
実施例1のタッチパネル部材について測定された電流密度は1×10−6A/cm未満であり、「○」と評価された。
実施例2
絶縁層の調製に用いた感光性樹脂組成物に添加されるコロイダルシリカ(PMA−ST(商標)、日産化学工業株式会社製、平均粒子径10nm以上20nm以下の範囲の値、固形分濃度30%)の使用量を、18.86gとして、コロイダルシリカの使用量を感光性樹脂組成物において、その感光性樹脂組成物の固形分の合計質量に対する質量比率で70重量%となるようにした以外は、実施例1と同様にして、タッチパネル部材を作製した。
実施例2で作製されたタッチパネル部材を用い、実施例1と同様に上記評価1から3によりタッチパネル部材の品質を評価した。実施例2のタッチパネル部材は、評価1から3のいずれについても、○と評価された。なお、実施例2のタッチパネル部材のヘイズ率は0.15%であった。
実施例3
(基板の準備)
実施例1と同様に、タッチパネル部材の基板の原板として、ガラス基板(無アルカリガラス、NHテクノグラス社製、NA35)(縦550mm×横650mm)を準備して、界面活性剤処理し、引き続き超音波洗浄処理により洗浄した。また、実施例1と同様に、タッチパネル形成用エリアを50箇所設定し、原板からタッチパネル部材50個が形成されるように多面取り設定した。
(取出電極部及び第1の連結部の調製)
取出電極部30を構成する金属配線32のパターンと、連結部12をなす第1の連結部59のパターンとを、図19に示すようなパターンに、次のようにして基板2面上にパターン形成した。金属配線32の端部には端子35が形成される。第1の連結部59を構成する導電性金属層57としては、金属配線32と同じ材料が用いられた。すなわち、金属配線32のパターンと、連結部12をなす第1の連結部59のパターンとをあわせたパターンを、同じ材料で形成した。具体的に金属配線32と第1の連結部59を構成する金属材料としてAPCを用い、APCをガラス基板全面にスパッタリングすることにより、厚さが30nmの配線形成用金属膜を製膜した。その後、金属配線32と第1の連結部59のパターンをあわせたパターンに応じた所定のパターンを形成したフォトマスクを用いたほかは、実施例1の取出電極部30の調製と同様の工程を実施して、図19に示すように、端子35とともに金属配線32及び第1の連結部59がパターン形成され、金属配線付ガラス基板が得られた。図20に示すように、個々の第1の連結部59は、幅W6が10μmで、所定長さの線状に形成される。また、第1の連結部59の形成パターンは、位置検出領域内に、多数の第1の連結部59が縦横(図20においてx方向、y方向)に所定の間隔をあけて整列配置されて形成されるパターンである。
(絶縁膜の調製)
金属配線付ガラス基板面上に、絶縁層4として第1の絶縁層4aを次のようにパターン形成した。この絶縁層4は、金属配線付ガラス基板面のうち金属配線32及び第1の連結部59のパターンが形成された面側を下地面として、その下地面上に次のように形成された。
絶縁層4を形成するにあたり、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物が調製された。
感光性樹脂組成物を、実施例1と同様に下地面上に塗布して、塗布膜を形成した。その後、次に示すような絶縁層4の形成パターンに対応したパターンを有するフォトマスクを用いたほかは実施例1と同様の工程を実施して、絶縁層4が図20に示すようにパターン形成され、絶縁層付ガラス基板を得た。
絶縁層4の形成パターンは、図19、20に示すように、第1の連結部59の部分に対して向き合う所定の位置に、個々の第1の連結部59を部分的に被覆するパターンであり、飛び地状のパターンである。絶縁層4を構成する飛び地状のパターンの1区画に対応する部分は、幅W7が20μmの線状に形成されている。また、このとき、個々の第1の連結部59は、その長手方向両端部を除く部分を第1の絶縁層4aで被覆される。
第1の絶縁層4aの形成に使用されるフォトマスクのマスクパターンは、上記したような第1の絶縁層4の形成パターンを考慮したパターンにパターン形成されており、すなわち絶縁層の形成される領域に対応する部分を、光の透過可能な開口部とすることで形成される。
(透明電極層の調製)
絶縁層付ガラス基板面上に透明電極層を次のようにパターン形成した。透明電極層は、絶縁層付ガラス基板面のうち絶縁層が形成された面側を下地面として、その下地面上に形成された。絶縁層付ガラス基板面上にITO膜が形成された点、フォトマスクとして実施例3の透明電極層の形成パターンに対応するパターンを形成したものを用いた点のほかは、実施例1の第1の透明電極層の調製と同じ工程を用いてITO膜を所定のパターンにパターニング形成して透明電極層が形成され、透明電極層付ガラス基板を得た。
透明電極層3は、図20に示すような構成を有する層となっており、タッチパネル部材1つの全体を平面視した場合には、図14に示すような外観を呈している。図20は、実施例3のタッチパネル部材について、図14の領域SE1の部分に対応する領域を模式的に示す部分拡大平面模式図である。透明電極層3では、複数のひし形状の電極パッド11,11が互いに独立にして所定方向(x方向)に一列に整列するとともにひし形の電極パッドを整列配置した構成の両端位置に三角形状の電極パッドをさらに配置している電極パッド列が、所定の方向(y方向)に、間隔をあけて多数列並んで第1の電極パッド群を構成している。この第1の電極パッド群の形成パターンは、第1の電極パターン58から第1の連結部59の形成パターンを除くパターンに対応する。また、透明電極層3では、複数のひし形状の電極パッド11,11が互いに独立にして所定方向(y方向)一列に整列するとともにひし形の電極パッドを整列配置した構成の両端位置に、三角形状の電極パッドをさらに配置している電極パッド列が、所定の方向(x方向)に、間隔をあけて多数列並んで第2の電極パッド群が構成されている。さらに、透明電極層3では、連結部12をなす線状の第2の連結部28がパターン形成されており、第2の電極パッド群における個々の電極パッド列において、隣り合う電極パッド同士を第2の連結部28が連結する。第2の電極パッド群と第2の連結部28の形成パターンをあわせたパターンは、第2の電極パターン60に対応する。
なお、個々の電極パッド11のサイズについては、1辺の長さW3が5000μmの正方形状とし、かつ、その2本の対角線がそれぞれx方向とy方向に沿う配置となるように設定された。また、第1の電極単位パターンにおいて、両端に配置される電極パッドのサイズについては、上記正方形状の電極パッドの対角線の1つに沿って2分割してなる3角形に対応するサイズとなっている。これは、第2の電極単位パターンについても同じである。
第1の連結部59と透明電極層3のパターン形成がなされたことにより、図14に示すように第1の電極部22と第2の電極部24を有する透明電極部20が形成される。第1の電極部22は、第1の連結部59と、透明電極層3における第1の電極パッド群に対応する部分で構成される。第2の電極部24は、透明電極層3における、第2の電極パターン60に対応する部分で構成される。
(第2の絶縁層の調製)
透明電極層付ガラス基板面上に第2の絶縁層を次のようにパターン形成した。第2の絶縁層は、透明電極層付ガラス基板面のうち透明電極層が形成された面側を下地面として、その下地面上に形成された。透明電極層付ガラス基板面上に塗布膜が形成された点、フォトマスクとして実施例3の第2の絶縁層の形成パターンに対応するパターンを形成したものを用いた点のほかは、実施例1の第2の絶縁層の調製と同じ工程を用いて、実施例3の第2の絶縁層が形成された。実施例3の第2の絶縁層の形成パターンは、図21に示すような実施例1の第2の絶縁層4bの形成パターンと同様のバターンであり、透明電極層3を覆いつくすようなパターンである。そして、この実施例3で形成される第2の絶縁層は、表面保護層として機能しうる層である。なお、第2の絶縁層は、厚さが2.5μmであった。
上記した取出電極部と透明電極層及び絶縁層は、50箇所のタッチパネル形成用エリアのそれぞれについて形成された。そして、タッチパネル形成用エリアごとの分離が行われて、タッチパネル部材が調製された。タッチパネル部材が50個調製された。このうちから任意に1つを選択し、実施例3のタッチパネル部材とした。
実施例3で作製されたタッチパネル部材を用い、実施例1と同様に上記評価1から3によりタッチパネル部材の品質を評価した。実施例3のタッチパネル部材は、評価1から3のいずれについても、○と評価された。
実施例4
絶縁層の形成に用いる感光性樹脂組成物として、実施例2の感光性樹脂組成物を用いたほかは、実施例3と同様にして、タッチパネル部材を作製した。
実施例4で作製されたタッチパネル部材を用い、実施例1と同様に上記評価1から3によりタッチパネル部材の品質を評価した。実施例4のタッチパネル部材は、評価1から3のいずれについても、○と評価された。
比較例1
絶縁層の調製に用いた感光性樹脂組成物として、実施例1の感光性シロキサン樹脂組成物を用い、コロイダルシリカ不添加としたものを用いた以外は、実施例1と同様にして、タッチパネル部材を作製した。
比較例1で作製されたタッチパネル部材を用い、実施例1と同様に上記評価1から3によりタッチパネル部材の品質を評価した。比較例1のタッチパネル部材は、評価1から3のいずれについても、×と評価された。
比較例2
絶縁層の調製に用いた感光性樹脂組成物として、比較例1で調製された感光性樹脂組成物を用いたほかは、実施例3と同様にして、タッチパネル部材を作製した。
比較例2で作製されたタッチパネル部材を用い、実施例1と同様に上記評価1から3によりタッチパネル部材の品質を評価した。比較例2のタッチパネル部材は、評価1から3のいずれについても、×と評価された。
比較例3
絶縁層の調製に用いた感光性樹脂組成物に添加されるコロイダルシリカとして、扶桑化学工業株式会社製、PL−7(商標)(平均粒子径75nm)を用い、且つ、このコロイダルシリカの使用量を0.56gとして、コロイダルシリカの使用量を感光性樹脂組成物において、その感光性樹脂組成物の固形分の合計質量に対する質量比率で25%となるようにした以外は、実施例1と同様にして、タッチパネル部材を作製した。
比較例3で作製されたタッチパネル部材を用い、実施例1と同様に上記評価1から3によりタッチパネル部材の品質を評価した。比較例3のタッチパネル部材は、評価2については○であったが、評価1及び評価3については、×と評価された。
比較例4
絶縁層の調製に用いた感光性樹脂組成物に添加されるコロイダルシリカとして、扶桑化学工業株式会社製、PL−7(商標)(平均粒子径75nm)を用い、且つ、このコロイダルシリカの使用量を6.79gとして、コロイダルシリカの使用量を感光性樹脂組成物において、その感光性樹脂組成物の固形分の合計質量に対する質量比率で75重量%となるようにした以外は、実施例1と同様にして、タッチパネル部材を作製した。
比較例4で作製されたタッチパネル部材を用い、実施例1と同様に上記評価1から3によりタッチパネル部材の品質を評価した。比較例4のタッチパネル部材は、評価1及び評価3については、○と評価されたが、評価2については、ヘイズ率が0.32%であり、×と評価された。
比較例5
絶縁層の調製に用いた感光性樹脂組成物として、比較例3で調製された感光性樹脂組成物を用いたほかは、実施例3と同様にして、タッチパネル部材を作製した。
比較例5で作製されたタッチパネル部材を用い、実施例1と同様に上記評価1から3によりタッチパネル部材の品質を評価した。比較例5のタッチパネル部材は、評価2については○であったが、評価1及び評価3については、×と評価された。
比較例6
絶縁層の調製に用いた感光性樹脂組成物として、比較例4で調製された感光性樹脂組成物を用いたほかは、実施例3と同様にして、タッチパネル部材を作製した。
比較例6で作製されたタッチパネル部材を用い、実施例1と同様に上記評価1から3によりタッチパネル部材の品質を評価した。比較例6のタッチパネル部材は、評価1及び評価3については、○と評価されたが、評価2については、ヘイズ率が0.75%であり、×と評価された。
(着色層付きタッチパネル部材)
実施例5
実施例1のタッチパネル部材を用い、ガラス基板面のうち透明電極および絶縁層を形成した面とは逆側の面に、次のように着色層を積層して画素群を形成した。タッチパネル部材においては、画素群は、ブラックマトリクスにて各画素片に区画された。なお、着色層として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)という3色の着色層を形成した。
(着色層の調製)
着色層の調製にあたり、各色の着色層について、着色層の形成に使用する着色材料分散液を調製した。
(着色材料分散液の調製)
ブラックマトリクス(BM)及び赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の着色層を形成するための着色材料分散液として、顔料分散型フォトレジストを用いた。顔料分散型フォトレジストは、着色材料として顔料を用い、分散液組成物(顔料、分散剤及び溶剤を含有する)にビーズを加え、分散機で3時間分散させ、その後ビーズを取り除いた分散液とクリアレジスト組成物(ポリマー、モノマー、添加剤、開始剤及び溶剤を含有する)とを混合することにより得られた。なお、分散機としては、ペイントシェーカー(浅田鉄工社製)を用いた。以下では、ブラックマトリクス(BM)及び赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の着色層を形成するための顔料分散型フォトレジストは、それぞれブラックマトリクス用組成物、赤色着色層用組成物、緑色着色層用組成物、青色着色層用組成物と呼ぶ。
(ブラックマトリクス用組成物)
・カーボンブラック 61重量部
・画素形成用感光性樹脂組成物 39重量部
・メトキシブチルアセテート 300重量部
上記した画素形成用感光性樹脂組成物は、下記組成を有するものである。このことは、以下に用いられる画素形成用感光性樹脂組成物についても、同様である。
(画素形成用感光性樹脂組成物)
・アクリル樹脂 32重量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 42重量部
・エピコート180S70(三菱油化シェル(株)社製) 18重量部
・Irg.907(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製) 8重量部
(赤色着色層用組成物の組成)
・PR254分散液 33重量部
・画素形成用感光性樹脂組成物 67重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400重量部
(緑色着色層用組成物の組成)
・PG36/PY150分散液 34重量部
・画素形成用感光性樹脂組成物 66重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400重量部
(青色着色層用組成物の組成)
・PB15:6/PV23分散液 17重量部
・画素形成用感光性樹脂組成物 83重量部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート 400重量部
(ブラックマトリクスのパターン形成)
実施例1のタッチパネル部材を用い、ガラス基板面のうち透明電極および絶縁層を形成した面とは逆側の面に、ブラックマトリクス用組成物をスピンコート法で塗布し、90℃、3分間の条件でプリベーク(予備焼成)し、所定のパターンに形成されたマスクを用いて、紫外線で露光(100mJ/cm)し、続いて0.05%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、200℃、30分間ポストベーク(焼成)して、厚さが1.2μmのブラックマトリクスをパターン形成したガラス基板であるBM基板を作製した。ブラックマトリクスは格子状のパターンに形成され、ブラックマトリクスで囲まれた開口部が多数形成されて開口部群が形成された。
(着色層のパターン形成)
次に、赤色着色層用組成物を上記BM基板のBM形成面側上にスピンコート法で塗布し、80℃、3分間の条件でプリベークし、所定の赤色の着色層の形成パターンに対応するパターンを有するフォトマスクを用いて、紫外線で露光(200mJ/cm)した。さらに、0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、200℃、30分間ポストベーク(焼成)し、BM形成面上に、BMの形成パターンに対して所定の位置に赤色の着色層がパターン形成された。赤色の着色層は、開口部群のうち所定の開口部を覆うように形成された。赤色の着色層は、厚さが1.2μmに形成された。
続いて、上記赤色の着色層の形成方法と同様の方法を用いて、緑色の着色層、青色の着色層それぞれが、所定のパターンで形成された。このとき、個々開口部には着色層が積層されて画素片が形成された。こうして、タッチパネル部材として、ガラス基板の一方面側に、透明電極層及び絶縁層を形成し、基板の他方面側に、複数の画素片からなる画素群を形成してなるものが得られた。このタッチパネル部材を着色層付タッチパネル部材と呼ぶ。
実施例5で作製された着色層付きタッチパネル部材を用い、実施例1と同様に上記評価1から3によりタッチパネル部材の品質を評価した。実施例5の着色層付きタッチパネル部材は、評価1から3のいずれについても、○と評価された。
(タッチパネル)
実施例6
実施例1で作製したタッチパネル部材を用いて、次のようにタッチパネルを作製した。タッチパネル部材に接合するフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits ;FPC)を準備した。FPCには、タッチパネル部材の透明電極部と位置検出装置との間で電気信号のやり取りを行うための電気回路が形成されている。FPCには、タッチパネル部材に接続可能な端子と、位置検出装置に接続可能な端子が形成されており、それらは電気回路につながっている。
(FPCの接合)
タッチパネル部材における金属配線の端部で連結される端子にFPCの端子を向かい合わせて接続して、この端子同士の向かい合う部分を含む所定の領域に異方性導電性フィルム(Anisotropic Conductive Film;ACF)をあてがい、タッチパネル部材にFPCを熱圧着することで、タッチパネル部材にFPCが接合された。
タッチパネル部材に接続されたFPCは、位置検出装置との接続可能な端子を位置検出装置につなげられ、タッチパネルが作製された。位置検出装置には、位置検出用ICチップと駆動用ICチップを接地されたプリント基板が搭載されており、FPCの端子は、位置検出用ICチップに電気的に接続される。また、位置検出装置は、投影型静電容量式タッチパネルに適用されるものである。
(タッチパネルの評価)
調製されたタッチパネルを用いて、次に示す評価4によりタッチパネルの品質を評価した。
(評価4)
評価4は、マイグレーション試験の結果に基づく評価である。タッチパネルの絶縁層にクラックが発生しにくいほど、タッチパネルはマイグレーションを生じにくく、タッチパネルはマイグレーション抑制性の点でも良好な品質のものなる。そこで、評価4では、マイグレーション試験を実施して、タッチパネルにおいて、高温・高湿な環境下でも第1の電極部に繋がる金属配線間の絶縁性及び第2の電極部に繋がる金属配線間の絶縁性が保持されているか否かが検証される。ここで、マイグレーション試験は、次のように実施された。
(マイグレーション試験)
作製したタッチパネルを温度85℃、湿度85%の恒温槽中に置く。このとき、第1の電極部について、取出電極部を構成しこの第1の電極部に繋がる多数の金属配線を1つおきに選択して、選択された金属配線に繋がる各端子に対して電圧印加装置を接続した。さらに選択された金属配線を除いた残りの金属配線については、グランド接続した。また、第2の電極部についても、第1の電極部と同様に、金属配線を1つおきに選択して、選択された金属配線に繋がる各端子に対して電圧印加装置を接続し、さらに選択された金属配線を除いた残りの金属配線について、グランド接続した。電圧印加装置に接続された端子に向けて、10Vの直流電圧が印加された。これにより、第1の電極部、第2の電極部のいずれに関しても、10Vの直流電流の印加される端子に繋がる金属配線と、グランド接続された端子に繋がる金属配線が交互に形成される。このとき、電圧印加される第1電極片と、グランド接続される第1電極片が交互に並ぶ。また、電圧印加される第2電極片と、グランド接続される第2電極片が交互に並ぶ。この状態で、タッチパネルを100時間放置した。その後、第1の電極部に繋がる隣り合う金属配線間での抵抗値(Ω)及び第2の電極部に繋がる隣り合う金属配線間での抵抗値(Ω)についての変化有無を、回路計(テスター)を用いて測定した。なお、この試験で使用した回路計で測定可能な抵抗値の上限は、2MΩであった。
マイグレーション試験において、位置検出領域Rの外側周囲に形成されて第1の電極部に繋がる隣り合う金属配線間、及び、位置検出領域Rの外側周囲に形成されて第2の電極部に繋がる隣り合う金属配線間、のいずれについても絶縁性が確保されている場合は、第1の電極部に繋がる金属配線間での抵抗値及び第2の電極部に繋がる金属配線間での抵抗値が回路計で計測できない程度に極端に大きい場合に相当する。これに対して、抵抗値が回路計で計測可能なレベルまで抵抗値の低下があると認められる場合は、隣り合う金属配線間に短絡が生じている場合に相当しており、タッチパネルにおいて金属配線間で絶縁性が確保されていない状態が生じたことになる。タッチパネルが絶縁層にクラックや浮きが多く生じているほど、タッチパネルを高温・高湿下で通電した状態が続いた場合に、そのクラック等から水分が絶縁層を通って透明電極層へ入りやすく、また透明電極層に繋がる金属配線の形成部分にまで入りこみやすくなって、さらに、その入り込んだ水分によって金属配線におけるマイグレーションが加速しやすくなる。これを踏まえ、マイグレーション試験の結果に基づき、具体的に次のようにタッチパネルの品質が評価された。
回路計で抵抗値が計測されない ・・・○(第1の電極部と第2の電極部に繋がる金属配線のいずれについても絶縁性が保持されており、この点でタッチパネルの品質は良好である)
回路計で抵抗値が計測される ・・・×(第1の電極部と第2の電極部に繋がる外周金属配線の少なくともいずれかについては短絡が生じており、この点でタッチパネルの品質は不良である)
実施例6のタッチパネルでは、マイグレーション試験の結果、第1の電極部と第2の電極部に繋がる金属配線のいずれについても絶縁性が保持されており、評価4での評価結果は、「○」であった。
実施例7
実施例2で作製したタッチパネル部材を用いた以外は実施例6と同様にしてタッチパネルを作製した。
実施例7で作製されたタッチパネルについて、実施例6で説明した評価4を用いて品質の評価を行った。実施例7のタッチパネルでは、評価4での評価結果は○であった。
実施例8
実施例3で作製したタッチパネル部材を用いた以外は実施例6と同様にしてタッチパネルを作製した。
実施例8で作製されたタッチパネルについて、実施例6で説明した評価4を用いて品質の評価を行った。実施例8のタッチパネルでは、評価4での評価結果は○であった。
実施例9
実施例5で作製した着色層付きタッチパネル部材を用いた以外は実施例6と同様にしてタッチパネルを作製した。
実施例9で作製されたタッチパネルについて、実施例6で説明した評価4を用いて品質の評価を行った。実施例9のタッチパネルでは、評価4での評価結果は○であった。
比較例7
比較例1で作製したタッチパネル部材を用いた以外は実施例6と同様にしてタッチパネルを作製した。
比較例7で作製されたタッチパネルについて、実施例6で説明した評価4を用いて品質の評価を行った。比較例7のタッチパネルでは、評価4での評価結果は×であった。
(タッチパネル付き液晶表示装置)
実施例10
実施例6で作製されたタッチパネルを用い、タッチパネル付き表示装置を組み立てた。表示装置としては、表示面を有する透過型の液晶表示装置が採用された。表示装置の表示面上に上記のタッチパネルの位置検出領域が重なるように位置あわせつつ表示装置にタッチパネルを固定して、タッチパネル付き液晶表示装置を得た。
(タッチパネル付き表示装置の評価)
実施例10で調製されたタッチパネル付き表示装置を用い、次に示す評価5により、この実施例10のタッチパネル付き表示装置の品質を評価した。評価5では、タッチパネル付き表示装置において、高温・高湿な環境下でも透明電極部の第1の電極部と第2の電極部との間の絶縁性が保持されて正常にタッチパネルの機能が作動しているか否かが検証される。
(評価5)
評価5は、タッチパネルの動作試験に基づく評価である。
(タッチパネルの動作試験)
作製したタッチパネル付き表示装置を温度85℃、湿度85%の恒温槽中に置くとともに、タッチパネルへの印加電圧5Vとした状態で300時間放置した。その後、直径5mm×長さ5cmの鉄製の丸棒を試験棒として用い、試験棒の端面を、タッチパネルの表面且つ位置検出領域内から選択された所定位置に当接させた。次に、試験棒を、タッチパネルの表面に接触させた状態を維持しつつ、タッチパネルの平面視上、位置検出領域内でW字を描くように一定の速度で走査した。このとき、走査に伴って時々刻々と移動する試験棒のタッチ位置が、位置検出装置から検出されるか否かを確認した。具体的に、タッチパネル上の試験棒の走査に同調して位置検出装置から出力される電気信号が変化し、且つ、電気信号に基づき特定されるタッチパネルの位置検出領域上の試験棒のタッチ位置が実際のタッチ位置に対応した位置になっているか否かについて測定された。
実施例10のタッチパネル付き表示装置を用いた上記の動作試験では、試験棒の走査と位置検出装置からの電気信号の同調が認められ、電気信号から特定されるタッチ位置と実際のタッチ位置との整合性も確認され、タッチ位置のタッチパネルの透明電極部を構成する第1の電極部と第2の電極部の静電容量変化に伴う位置検出装置の信号の追従性が認められることが確認された。
実施例11
実施例7で作製したタッチパネルを用いた以外は、実施例10と同様にして、タッチパネル付き表示装置を作製した。
実施例11で作製されたタッチパネル付き表示装置について、実施例10で説明した評価5を用いて品質の評価を行った。実施例11のタッチパネル付き液晶表示装置では、評価5での評価結果は○であった。
実施例12
(液晶表示装置の組み立て)
実施例5で作製した着色層付きタッチパネル部材を用いて、次に示すように表示装置を組み立てた。表示装置としては、透過型の液晶表示装置が採用された。液晶表示装置は、画像を表示する表示面を有する表示パネルを備えるものである。また、表示パネルでは、シール材を介して第1のパネル基板と第2のパネル基板とが貼り合わされ、第1のパネル基板と第2のパネル基板の間に表示媒体が設けられ、第1のパネル基板に表示面が形成される。そこで、液晶表示装置を構成する表示パネルの調製を行った。
(表示パネルの調製)
まず、次のように第1のパネル基板を調製した。
(第1のパネル基板の調製)
着色層付タッチパネル部材を用い、画素群を覆うように、表示装置用の透明電極層を形成し、光学素子を得た。表示装置用の透明電極層としては、ITOからなる層が用いられた。表示装置用の透明電極層は、直流(DC)マグネトロンスパッタリング法を用いることで形成した。DCマグネトロンスパッタリング法の実施条件は、ガラス基板温度200℃でアルゴンと酸素を放電ガスとし、ITOをターゲットとする条件で行われた。
上記にて得られた光学素子を用いて、次に示すように柱と配向膜の形成を行った。ここに、柱は、液晶表示装置において第1のパネル基板と第2のパネル基板との間のギャップ(セルギャップ)を保持するための部材として機能する。柱の形成にあたっては、次のような組成の柱レジストが調製された。
(柱レジストの調製)
・ポリマー(P) ・・・・・・・・・・・ 13.5重量部
(ただし、ポリマー(P)は、メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体[メタクリル酸:ベンジルメタクリレート=30:70(モル比)、酸価=113mgKOH/g、ポリスチレン換算重量平均分子量=30000]を使用した。)
・多官能モノマー ・・・・・・・・ 12.0重量部
(多官能モノマーは、サートマー(株)製、SR399を使用した。)
・光重合開始剤1 ・・・・・・・・・ 1.5重量部
(光重合開始剤1は、チバガイギー社製、イルガキュアー907を使用した。)
・溶媒 ・・・・・・・・・・・・・ 70.0重量部
(溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)
・エポキシ樹脂 ・・・・・・・・・・ 3.0重量部
(エポキシ樹脂は、ダイセル化学工業社製、エポリードGT401を使用した。)
(柱の形成)
調製した柱レジストを用い、上記光学素子の所定の位置に柱を形成した。すなわち、柱レジストをスピンコート法で光学素子に対して所定の領域に塗布し、さらに、80℃、3分間の条件でプリベークし、柱の形成パターンに対応した所定のパターンを有するフォトマスクを用いて、紫外線露光(200mJ/cm)した。さらに、0.1%KOH水溶液を用いたスプレー現像を60秒行った後、230℃、30分間ポストベーク(焼成)し、BMの形成パターンに対して所定の位置に多数の柱がパターン形成された。個々の柱は、高さ3.2μmの横断面円形状に形成された。具体的に、光学素子の平面視上、BMの形成部分と重なる所定位置に、柱がパターン形成された。
(配向膜の形成)
光学素子の面のうち、柱の形成されたほうの面側の全面に、配向膜形成用組成物を塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を固化させて固化膜の表面をラビングして配向膜となした。配向膜形成用組成物としては、ポリイミドを含む配向膜形成用組成物(日産化学工業社製のSE−7511)が用いられた。
こうして、第1のパネル基板が調製された。
なお、第1のパネル基板には、予めフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuits ;FPC)が次のように接合された。なお、FPCには、実施例6で準備されたものと同じものが使用された。
(FPCの接合)
第1のパネル基板のタッチパネル部材における金属配線の端部に形成される端子にFPCの端子を向かい合わせて接続して、この端子同士の向かい合う部分を含む所定の領域に異方性導電性フィルムをあてがい、タッチパネル部材にFPCを熱圧着することで、第1のパネル基板にFPCが接合された。
(第2のパネル基板の準備)
次に、第2のパネル基板が準備された。第2のパネル基板は、第2のパネル基板用に準備しておいたガラス基板面上に複数の薄膜トランジスタ(TFT)を所定のパターンで形成され、さらにそのガラス基板面のTFT形成面側上に、配向膜を形成したものが用いられた。なお、第2のパネル基板には、特許第4216092号に記載されている方法により作製されたアレイ基板等を用いることができる。また、第2のパネル基板における、配向膜にはラビング処理が施されている。
(表示パネルの組み立て)
第2のパネル基板面のTFT形成面上に、駆動液晶としてTN(Twisted Nematic)液晶(メルク社製 ZLI−4792;屈折率異方性Δn=0.088)を15mL滴下し、第1のパネル基板を、その配向膜の形成面側をTN液晶の滴下面に向けつつ、第1のパネル基板と第2のパネル基板とを、TN液晶を挟むように重ね合わせた。このとき、TN液晶が第1のパネル基板と第2のパネル基板の間から外部に漏れ出さないように第1のパネル基板と第2のパネル基板の端縁部に沿ってシール材を塗布し、常温下(23℃下)で第1のパネル基板と第2のパネル基板の積層体の厚み方向に0.3kg/cmの圧力をかけながら400mJ/cmの照射量で露光した。シール材には、紫外線硬化性樹脂が用いられた。これにより、第1のパネル基板と第2のパネル基板とが接合され、第1のパネル基板と第2のパネル基板との間に液晶の層が形成されるとともにシール材で第1のパネル基板と第2のパネル基板との間の空間に液晶が内封され表示パネル用液晶セルが形成された。この表示パネル用液晶セルに対して、第1のパネル基板の外面側に、偏光板を、その透過軸が第1のパネル基板の配向膜のラビング方向に一致するように配置した。また、第2のパネル基板の外側面に、偏光板を、その透過軸が第2のパネル基板の配向膜のラビング方向とでそれぞれ一致するように配置した。こうして表示パネルが得られた。
表示パネルに組み込まれたタッチパネル部材に接合したFPCを位置検出装置と駆動回路からなる位置検出機構に接続し、所定の位置にバックライトを配備して、タッチパネル付き表示装置としての液晶表示装置が組み立てられた。
実施例12で作製されたタッチパネル付き表示装置について、実施例10で説明した評価5を用いて品質の評価を行った。実施例12のタッチパネル付き表示装置では、評価5での評価結果は○であった。
(タッチパネル付き有機EL表示装置)
実施例13
実施例6で作製されたタッチパネルを用い、そのタッチパネルを組み込んだタッチパネル付き表示装置を組み立てた。表示装置としては、表示面を有する有機EL表示装置が採用された。また、実施例13では、トップエミッション型の有機EL表示装置が採用された。すなわち、タッチパネル付き有機EL表示装置100は、図22に示すような構成を有する。図22は、タッチパネル付き有機EL表示装置100の部分的な概略断面を模式的に示す概略縦断面模式図である。
(タッチパネル付き有機EL表示装置100の構成)
表示装置としての有機EL表示装置100は、第1のパネル基板52としての封止基板75と、第2のパネル基板53としてのベース基板80に表示媒体55としての有機EL素子79を設けた有機EL素子搭載基板76と、を備えるとともに、第1のパネル基板52と有機EL素子搭載基板76とを、所定の間隔をあけつつ、シール材54としての接合部材77で接合してなる構造を備える。このとき、第1のパネル基板52と第2のパネル基板53とがシール材53を介して接合され、第1のパネル基板52と第2のパネル基板53との間に空間部78が形成され、この空間部78内の第2のパネル基板53面側に表示媒体55が設けられており、第2のパネル基板53と表示媒体55とで有機EL素子搭載基板76が構成される。また空間部78には、複数の有機EL素子79が設けられるように有機EL素子79を構成する各層が形成されており、空間部78中、有機EL素子79の周囲に不活性ガスが充填されている。不活性ガスとしては、窒素ガス等が挙げられる。
さて、第2のパネル基板53を含む有機EL素子搭載基板76は、ベース基板80に、有機EL素子79を設けられて構成されている。ベース基板80は、基材81の上に、TFT回路をなすTFT素子82、絶縁層83、及び平坦化層84が順次積層され、所定パターンでバンク85を備えて構成される。有機EL素子搭載基板76において、有機EL素子79は、それぞれ下部電極86、有機EL層87及び上部電極88が順次積層された積層構造を有するものであるが、この積層構造は、それぞれバンク85によって区画されており、有機EL素子搭載基板76に複数の有機EL素子79が形成されることになる。このとき、有機EL素子79の形成された部分のうちバンク85で区画化された1つの区画部分が1つの画素に対応する部分をなす。また、この例では、上部電極88は、バンク85の外縁部まで設けられており、その外縁部にはアノードレイヤ(陰極層)と接続するためのコンタクト部89が形成されている。
(第1のパネル基板52の調製)
第1のパネル基板52としての封止基板75としては、実施例6で作成されたタッチパネルが採用された。
(有機EL素子搭載基板76の調製)
まず、予め第2のパネル基板53をなすベース基板80に有機EL素子79を構成する下部電極86を形成しておいた下部電極付きベース基板を準備した。
(下処理)
次に、下部電極付きベース基板にUV・オゾン洗浄処理を施し、その後、1×10−2Pa、50℃の条件下で、7時間加熱処理(真空ベーク)を施した。
さらに、下部電極付きベース基板を、有機EL層87を形成するための蒸着装置の前処理室内へ移し置いた後、蒸着装置の前処理室内を真空排気し、前処理室に設けられたリング状電極に50Wの高周波電力(RF(Radio Frequency)電力)を投入して下部電極付きベース基板に酸素プラズマ洗浄処理を施した。酸素プラズマ洗浄処理において、酸素圧力及び処理時間は、それぞれ0.6Pa、40秒とされた。
下部電極付きベース基板には、有機EL層87、上部電極層88を次に示すように順次形成される。これにより、これら有機EL層87、上部電極層88と予め形成された下部電極86とあわせて有機EL素子79が形成される。
(有機EL層87の形成)
有機EL層87は、正孔輸送層(図22では図示を省略)、発光層90、電子注入層91を次のように順次積層して構成される。
(正孔輸送層の形成)
正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成材料として、ナフチル置換ジアミン誘導体(αNPD)を準備した。ここでは、具体的には、正孔輸送層形成材料としてN,N’−ビス(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニルベンジジンが準備された。
下部電極付きベース基板を、前処理室から成膜室へ移し置き、成膜室内の排気を行って真空度を1×10−4Paとした後、抵抗加熱蒸着法によりαNPDを下部電極付きベース基板上に蒸着し、αNPDの蒸着膜を得た。蒸着条件については、蒸着膜の形成速度を0.2nm/secとし、蒸着膜の膜厚を35nmとした。この蒸着膜が正孔輸送層をなす。正孔輸送層の形成パターンは、すべての画素に対応する領域に蒸着膜の部分が形成されるよう、格子状に形成される。そして、蒸着膜の形成の際には、正孔輸送層の形成パターンに対応した格子状のパターンを形成したメタルマスクが用いられてメタルマスクを介して、下部電極付きベース基板上へのαNPDの蒸着が実施された。これにより正孔輸送層形成ベース基板が得られた。
(発光層90の形成)
正孔輸送層形成ベース基板に対し、その正孔輸送層の上に発光層を次のように積層形成した。
まず、発光層を形成する発光材料として、アルキレート錯体(Tris(8−quinolinolate)aluminum;Alq3)を準備した。正孔輸送層形成ベース基板の正孔輸送層上に、抵抗加熱蒸着法により、Alq3の蒸着膜を成膜した。このとき、その蒸着膜が発光層をなす。なお、蒸着条件に関し、成膜室の真空度及び蒸着膜の形成速度は、正孔輸送層形成時と同じ条件とした。ただし、Alq3の蒸着膜の膜厚は15nmとした。
発光層90の形成パターンについては、発光層90を複数種の色種に塗り分ける場合における各色の配列パターンに対応するパターンとした。発光層90が、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色に対応する層として赤色用の発光層、緑色用の発光層、青色用の発光層の3種類存在するものとし、赤色用の発光層、緑色用の発光層、青色用の発光層が所定のパターンで配列される場合には、赤色用の発光層、緑色用の発光層、青色用の発光層それぞれの配列パターンに対応して、それぞれの色に対応する発光層がパターン形成されることになる。そして、Alq3の蒸着膜の形成の際には、このような発光層の形成パターンに対応したパターンを形成したメタルマスクが用いられてメタルマスクを介して、正孔輸送相付きベース基板上へのAlq3の蒸着が実施された。これにより発光層形成ベース基板が得られた。
(電子注入層91の形成)
発光層形成ベース基板に対し、その発光層90の上に電子注入層91を次のように積層形成した。
電子注入層91を形成する電子注入材料としては、Alq3と炭酸セシウム(CsCO)を準備した。Alq3は、上記発光材料としても使用されたものである。発光層形成ベース基板の発光層90上に、抵抗加熱共蒸着法により、Alq3と炭酸セシウムの共蒸着膜を成膜した。共蒸着膜は、Alq3と炭酸セシウムとを、膜厚比にして9:1の割合で混合され、かつ、蒸着速度が0.3nm/secになるように、夫々の蒸着速度を調整しながら共蒸着してなる膜である。また、共蒸着膜の膜厚については35nmに調製された。こうして得られた共蒸着膜が電子注入層91をなす。ただし、Alq3の蒸着膜の膜厚は15nmとした。電子注入層91の形成パターンは、発光層90の形成領域を覆うとともに、電子注入層91形成前には発光層90の周辺部に平坦化層84及びバンク85の露出していた部分の領域すべてを覆うようなパターンである。そして、共蒸着膜の形成の際には、このような電子注入層91の形成パターンに対応したパターンを形成したメタルマスクが用いられてメタルマスクを介して、発光層付きベース基板上への共蒸着が実施された。これによりベース基板80上に有機EL層87を形成した有機EL層形成ベース基板が得られた。
(上部電極88の形成)
有機EL層形成ベース基板に対し、その電子注入層91の上に上部電極88を次のように形成した。
上部電極88としては、ITO(Indium Tin Oxide)からなるITO膜が選択された。ITO膜は、次のように形成された。すなわち、有機EL層形成ベース基板をスパッタリング装置のスパッタ室に移し置き、電子注入層91の上へのITOのスパッタリングにより、ITO膜が形成された。ITO膜の膜厚は、130nmであった。また、このとき、上部電極88の形成パターンに応じたパターンを形成したマスクが使用され、マスクを介して電子注入層91の上へITOがスパッタリングされた。スパッタリングには、DCマグネトロンスパッタリング法が適用された。
なお、スパッタリング条件については、周囲温度に関しては室温とし、また成膜圧力を1.0Paとし、使用するAr、H0及びOガスの流量を、それぞれ500sccm、1.5sccm、5.0sccmとし、ターゲットに印加する投入パワーを500Wとした。
このようにITO膜が形成されることで上部電極88が形成された。上部電極は、450nmにおける透過率が約85%、比抵抗値が約8×10−4Ω・cmである。
こうして、下部電極付きベース基板上に有機EL素子79が設けられ、有機EL素子搭載基板76が調製された。
(有機EL表示装置の組み立て)
上記のように得られた第1のパネル基板52をなすタッチパネルと、第2のパネル基板53に表示媒体55を設けた構造体に対応する有機EL素子搭載基板76とを、シール材で次のように互いに接合した。
まず、タッチパネルにおけるタッチパネル部材の裏面側(基板2の面のうち透明電極層3の非形成面側)の側周縁の領域に、結合部材を形成する結合部材形成材料をシール材として塗布して塗布部を形成した。結合部材形成材料としては、フリットガラスを含むペーストが用いられた。このペーストを、シリンジに取り付けられたニードルの先端からペーストを吐出して塗布するディスペンス法にて上記側周縁の領域に塗布した。この実施例では、ニードルの口径を0.84mmとし、タッチパネル部材とニードルとの間の距離を0.10mmとし、ペーストの塗布スピードを15mm/sとし、塗布圧力を0.2MPaとして、上記ペーストを塗布した。
結合部材形成材料を塗布されたタッチパネルにおけるタッチパネル部材と、有機EL素子搭載基板76を互いに位置あわせしつつ対向させ、タッチパネル部材と有機EL素子搭載基板76とを結合部材形成材料を介して接触させるように互いに押しあてた。このとき、有機EL素子搭載基板76は、有機EL素子79の形成面側をタッチパネル部材に向き合わせて配置された。この後、タッチパネル部材と有機EL素子搭載基板76とを結合部材形成材料を介して互いに押圧された状態を維持しつつ、結合部材形成材料の塗布された塗布部に対してレーザー照射を行った。このとき、レーザー照射は、タッチパネルの平面視上特定される塗布部の形成領域を走査しつつ実施された。レーザー照射条件について、レーザー波長、出力及び走査速度はそれぞれ、1064nm、15W、5mm/sとした。このとき、結合部材形成材料を塗布されたタッチパネル部材の周囲の水分量は、10ppm以下程度に制御された。
これにより、塗布部が硬化してシール材54からなる構造体に対応する接合部材77をなし、タッチパネルと有機EL素子搭載基板76とが接合部材77を介して接合されることとなる。こうして、タッチパネル付き有機EL表示装置100が完成した。
実施例13で作製されたタッチパネル付き表示装置100について、実施例10で説明した評価5を用いて品質の評価を行った。実施例13のタッチパネル付き表示装置100では、評価5での評価結果は○であった。
比較例8
比較例7で作製したタッチパネルを用いた以外は、実施例13と同様にして、タッチパネル付き表示装置としてのタッチパネル付き有機EL表示装置を作製した。
比較例8で作製されたタッチパネル付き表示装置について、実施例10で説明した評価5を用いて品質の評価を行った。比較例8のタッチパネル部材では、評価5での評価結果は×であった。
1 タッチパネル部材
2 基板
3 透明電極層
3a、3b 透明電極層
4 絶縁層
4a、4b 絶縁層
5 積層構造
5a、5b、5c 積層構造
6 位置検出用エリア形成部
7 第1の電極パターン
8 第2の電極パターン
9 第1の電極単位パターン
10 第2の電極単位パターン
11,11a,11b,11c,11d 電極パッド
12 連結部
12a 第1の連結部
12b 第2の連結部
13 隙間
15 孔部
16 連続構造部
17 粒子分散部
20 透明電極部
21 第1電極片
22 第1の電極部
23 第2電極片
24 第2の電極部
25 金属層
26 第1の電極パターン
27 第2の電極パターン
28 第2の連結部
30 取出電極部
31 画素群
32 金属配線
33 第1の取出電極パターン
34 第2の取出電極パターン
35 端子
36 接続部
37 画素片
38 ブラックマトリクスの層
39 着色層
40 タッチパネル
41 パネルスクリーン
42 位置検出装置
43 配線
44 カバー基板
50 タッチパネル付き表示装置
51 表示パネル
51a 表示面
52 第1のパネル基板
53 第2のパネル基板
54 シール材
55 表示媒体
56 56a、56b 面
57 導電性金属層
58 第1の電極パターン
59 第1の連結部
60 第2の電極パターン
61 導電膜
62 積層体
63 感光性膜
65 感光性膜付積層体
66 フォトマスク
70 塗布膜
71 フォトマスク
72 硬化準備膜
73 仮硬化膜
74 仮シロキサン層
75 封止基板
76 有機EL素子搭載基板
77 接合部材
78 空間部
79 有機EL素子
80 ベース基板
81 基材
82 TFT素子
83 絶縁層
84 平坦化層
85 バンク
86 下部電極
87 有機EL層
88 上部電極
89 コンタクト部
90 発光層
91 電子注入層
100 有機EL表示装置

Claims (6)

  1. 光透過性を有する基板と、
    該基板上に設けられた透明電極層と、
    少なくとも透明電極層の少なくとも一部の上に設けられ且つシロキサン骨格を有し感光性樹脂組成物の硬化物を含む絶縁層と、を備えており、
    絶縁層を形成する前記感光性樹脂組成物は、シロキサン骨格を形成可能な感光性化合物を含有するとともに、感光性樹脂組成物の固形分の合計質量に対する質量比率で、コロイダルシリカを、30%以上70%以下の範囲で含有するものである、ことを特徴とするタッチパネル部材。
  2. 感光性樹脂組成物に含まれるコロイダルシリカの平均粒子径が5nm以上50nm以下である、請求項1に記載のタッチパネル部材。
  3. 絶縁層として、第1の絶縁層と第2の絶縁層を備え、
    少なくとも第1の絶縁層の一部を、第2の絶縁層と基板の間に形成しており、
    第2の絶縁層が、タッチパネル部材の平面視上、透明電極層の形成領域のうち第2の絶縁層の非形成時に露出した領域全体を少なくとも覆うように形成されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載のタッチパネル部材。
  4. 基板の一方面側に、透明電極層及び絶縁層が形成され、基板の他方面側に、複数の画素片からなる画素群が形成されてなる、請求項1から3のいずれかに記載のタッチパネル部材。
  5. 画像を表示可能な表示面を有する表示パネルを備え、表示パネルでは、シール材を介して第1のパネル基板と第2のパネル基板とが貼り合わされ、第1のパネル基板と第2のパネル基板の間に表示媒体が設けられ、第1のパネル基板の表面側に表示面が形成されている表示装置であって、
    第1のパネル基板が、請求項1から4のいずれかに記載のタッチパネル部材を含む、タッチパネル付き表示装置。
  6. パネルスクリーンを備えるとともに、パネルスクリーン内の所定領域における座標位置を検出する位置検出装置をパネルスクリーンに電気的に接続可能に備えてなるタッチパネルであって、
    パネルスクリーンが、請求項1から4のいずれかに記載のタッチパネル部材にカバー基板を積層してなる、ことを特徴とするタッチパネル。
JP2011178588A 2011-08-17 2011-08-17 タッチパネル部材、タッチパネル付き表示装置およびタッチパネル Withdrawn JP2013041471A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011178588A JP2013041471A (ja) 2011-08-17 2011-08-17 タッチパネル部材、タッチパネル付き表示装置およびタッチパネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011178588A JP2013041471A (ja) 2011-08-17 2011-08-17 タッチパネル部材、タッチパネル付き表示装置およびタッチパネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013041471A true JP2013041471A (ja) 2013-02-28

Family

ID=47889791

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011178588A Withdrawn JP2013041471A (ja) 2011-08-17 2011-08-17 タッチパネル部材、タッチパネル付き表示装置およびタッチパネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013041471A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101481567B1 (ko) 2013-10-17 2015-01-15 일진디스플레이(주) 터치 스크린 패널 및 터치 스크린 패널 제조 방법
WO2015146779A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 東レ株式会社 導電積層体およびそれを用いたタッチパネル
CN111208922A (zh) * 2016-12-02 2020-05-29 阿尔卑斯阿尔派株式会社 透明电极构件及其制造方法和使用该透明电极构件的静电电容式传感器

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101481567B1 (ko) 2013-10-17 2015-01-15 일진디스플레이(주) 터치 스크린 패널 및 터치 스크린 패널 제조 방법
WO2015146779A1 (ja) * 2014-03-26 2015-10-01 東レ株式会社 導電積層体およびそれを用いたタッチパネル
CN111208922A (zh) * 2016-12-02 2020-05-29 阿尔卑斯阿尔派株式会社 透明电极构件及其制造方法和使用该透明电极构件的静电电容式传感器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5534174B2 (ja) タッチパネル部材、並びに、上記タッチパネル部材を用いた表示装置及びタッチパネル
JP5587066B2 (ja) タッチスクリーンパネル一体型平板表示装置及びその製造方法
JP5525589B2 (ja) 有機発光表示装置及びその製造方法
US9828469B2 (en) Polyimide precursor, polyimide resin film produced from said polyimide precursor, display element, optical element, light-receiving element, touch panel and circuit board each equipped with said polyimide resin film, organic EL display, and methods respectively for producing organic EL element and color filter
JP2013020530A (ja) タッチセンサパネル部材、タッチセンサパネル部材を備えた表示装置、及びタッチセンサパネル部材の製造方法
WO2011052392A1 (ja) タッチパネル付き表示装置
TW201306250A (zh) 有機el裝置、有機el裝置之製造方法及電子機器
JP2012203701A (ja) タッチパネル部材、透明電極層付き基板、基板積層型タッチパネル部材、および、上記タッチパネル部材または上記基板積層型タッチパネル部材を用いた座標検出装置
JP2014215702A (ja) 前面板一体型タッチパネルセンサー基板及び表示装置
JP2017084153A (ja) タッチパネル一体型有機エレクトロルミネッセンス表示装置用センサ電極基材、タッチパネル一体型有機エレクトロルミネッセンス表示装置、およびタッチパネル一体型有機エレクトロルミネッセンス表示装置の製造方法
KR102589055B1 (ko) 저반사 구현 가능한 표시장치용 어레이 기판 및 이를 포함하는 표시장치
JP2013041471A (ja) タッチパネル部材、タッチパネル付き表示装置およびタッチパネル
CN103698925A (zh) 彩膜基板及其制作方法、液晶显示面板及显示装置
WO2016098268A1 (ja) 電極付きカラーフィルタ基板、該基板を含む表示装置、ならびに該基板の製造方法
JP2013041470A (ja) タッチパネル部材、タッチパネル付き表示装置およびタッチパネル
KR101250320B1 (ko) 터치인식 횡전계형 액정표시장치 및 이의 제조 방법
JP2011150115A (ja) カラーフィルタ基板及びその製造方法
JP2017173492A (ja) タッチパネル電極付カラーフィルタ基材、およびそれを用いたタッチパネル一体型有機エレクトロルミネッセンス表示装置
JP2013020529A (ja) タッチセンサパネル部材、タッチセンサパネル部材を備えた表示装置、及びタッチセンサパネル部材の製造方法
JP2017142382A (ja) 電極付きカラーフィルタ基板および液晶ディスプレイ
KR102003844B1 (ko) 횡전계형 액정표시장치 및 이의 제조방법
JP2010191283A (ja) アクティブ素子基板の製造方法、アクティブ素子基板、アクティブ型表示装置
JP6375847B2 (ja) タッチパネルセンサおよびその製造方法、タッチパネルセンサ用基板
JP2013238923A (ja) タッチパネル用前面板、タッチパネル用前面板とタッチパネルセンサーとの一体型センサー基板、およびこれらを備えた表示装置
JP2018105965A (ja) 加飾部材、それを用いた表示装置および加飾部材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20141104