JP6375847B2 - タッチパネルセンサおよびその製造方法、タッチパネルセンサ用基板 - Google Patents
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Description
本発明のタッチパネルセンサは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成され、有機層のみを有する屈折率調整層と、上記透明基板上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含有する加飾層と、上記屈折率調整層上にパターン状に形成され、金属酸化物を含有する透明電極層とを有し、上記屈折率調整層および上記加飾層が同一平面上に形成されていることを特徴とするものである。
図1(a)〜(c)は本発明のタッチパネルセンサの一例を示す概略平面図および断面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図、図1(c)は図1(a)のB−B線断面図である。図1(a)〜(c)に示すように、本発明のタッチパネルセンサ10は、透明基板2と、透明基板2上にパターン状に形成され、有機層のみを有する屈折率調整層3と、透明基板2上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含有する加飾層4と、屈折率調整層3上にパターン状に形成され、金属酸化物を含有する透明電極層5とを有し、屈折率調整層3および加飾層4が同一平面上に形成されていることを特徴とするものである。タッチパネルセンサ10においては、屈折率調整層3はアクティブエリア11内に配置され、加飾層4はアクティブエリア11の外側である非アクティブエリア12に配置される。また、屈折率調整層3は、屈折率の異なる2層の有機層31、32の積層体で構成される。また、タッチパネルセンサ10は、アクティブエリア11内に配置され、屈折率調整層3の同一面上にパターン状に形成され、互いに絶縁された第1電極13aおよび第2電極13bと、屈折率調整層3上にパターン状に形成され、第2電極13b同士を接続する第2導電部14bと、第2導電部14bを覆うように形成された絶縁層17と、絶縁層17上にパターン状に形成され、第1電極13a同士を接続する第1導電部14aと、非アクティブエリア12に配置され、加飾層4上にパターン状に形成され、第1電極13aおよび第2電極13bにそれぞれ接続された取り出し配線15および取り出し配線15に接続された外部接続端子16とを有している。なお、説明を容易にするため、図1(a)において絶縁層、加飾層を省略している。
このタッチパネルセンサ10において、第1電極13aおよび第2電極13b、ならび
に第2電極13b同士を接続する第2導電部14bは、透明電極層5となっている。
これに対して、本発明においては、屈折率調整層と加飾層とを同一平面上に形成することにより、屈折率調整層が形成される面については、段差を有さないものとすることができる。よって、屈折率調整層の厚さを均一なものとすることができる。
本発明における屈折率調整層は、上記透明基板上にパターン状に形成され、有機層のみを含むものである。
なお、図2は本発明のタッチパネルセンサの他の例を示す概略断面図であり、図1(a)のA−A線断面に相当する断面図である。
屈折率調整層が2層の有機層の積層体で構成される場合であって、屈折率調整層が、透明基板上に形成された高屈折率層と、高屈折率層上に形成された低屈折率層とを有する場合、高屈折率層の屈折率は、透明基板および低屈折率層よりも高ければよい。また、低屈折率層の屈折率は、高屈折率層および透明電極層よりも低ければよい。
また、屈折率調整層が2層の有機層の積層体で構成される場合であって、屈折率調整層が、透明基板上に形成された低屈折率層と、低屈折率層上に形成された高屈折率層とを有する場合、低屈折率層の屈折率は、透明基板よりも高く、高屈折率層よりも低ければよい。
また、低屈折率層の屈折率は、1.40〜1.60の範囲内であることが好ましく、中でも1.50〜1.60の範囲内であることが好ましい。
ここで、高屈折率層および低屈折率層の屈折率は、有機層を550nmの波長においてエリプソメータを用いて測定して算出された値である。
ここで、「電離放射線硬化樹脂」とは、電離放射線の照射により硬化した樹脂をいう。
「電離放射線」とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいい、例えば、紫外線や電子線の他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
電離放射線硬化樹脂としては、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂を挙げることができる。中でも、紫外線硬化樹脂が好ましい。
なお、有機層が屈折率調整粒子を含有する場合、有機層は表面に屈折率調整粒子による凹凸を有していてもよい。
このような高屈折率粒子としては、金属酸化物粒子を挙げることができ、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO2、屈折率:2.10)、酸化アンチモン(Sb2O5、屈折率:1.79〜2.04)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜2.05)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、燐錫化合物(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、β−Al2O5(屈折率:1.63〜1.76)、γ−Al2O5(屈折率:1.63〜1.76)、チタン酸バリウム(BaTiO3、屈折率:2.4)、酸化チタン(TiO2、屈折率:2.3〜2.7)、酸化セリウム(CeO2、屈折率:1.95〜2.20)、酸化錫(SnO2、屈折率:2.00)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO、屈折率:1.90〜2.00)、アンチモン酸亜鉛(ZnSb2O6、屈折率:1.9〜2.0)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率:1.90)、酸化イットリウム(Y2O3、屈折率:1.87)等が挙げられる。これらの金属酸化物粒子は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
表面処理された高屈折率粒子および低屈折率粒子としては、例えば特開2013−14
2817号公報に記載されているものを挙げることができる。
ここで、平均粒径は、有機層の断面の顕微鏡観察による平均粒径をいう。顕微鏡観察による平均粒径は、例えば、100倍で顕微鏡観察を行い、画像処理ソフト等により任意の粒子の粒子径を100個測定して個数平均することにより得られる。
なお、有機層が屈折率調整粒子を含有する場合であって、有機層が表面に屈折率調整粒子による凹凸を有する場合には、上記の有機層の厚さは、屈折率調整粒子による凸部が存在しない部分の有機層の厚さをいう。
ここで、屈折率調整層の透過率は、例えばヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業株式会社製)を用いて測定された全光線透過率である。
まず、タッチパネルセンサにおいて、透明電極層が形成されている領域と透明電極層が形成されていない領域との反射率の差、透過率の差および透過色差がそれぞれ所望の値となるように光学特性の目標値を設定する。次に、屈折率調整層を構成する各有機層の厚さおよび屈折率と、本発明のタッチパネルセンサに用いられる透明電極層の厚さおよび屈折率とに基づいて、シミュレーションにより透明電極層が形成されている領域と透明電極層が形成されていない領域との反射率の差、透過率の差、透過色差の光学特性の値を求める。次に、屈折率調整層の各有機層の厚さおよび屈折率を可変のパラメータとして、上記の光学特性の目標値を達成することが可能な屈折率調整層の各有機層の厚さおよび屈折率を算出する。これにより、屈折率調整層を設計することができる。上記シミュレーションは、例えば、サイバネットシステムズ(株)製の薄膜設計ソフトウェア(OPTAS−FILM)を用いて行うことができる。屈折率調整層の設計方法の詳細については、特開2012−146217号公報に記載の内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明における加飾層は、上記透明基板上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含むものである。加飾層は、後述するタッチパネルセンサにおける引き出し配線、外部接続端子を隠すとともに、タッチパネルセンサに意匠性を付与する層である。また、加飾層は、文字、図形、記号等の標章を表示するものとしても用いることができる。
ここで、淡色とは、白色ならびに白色および他の色の混色をいう。また、加飾層が淡色を呈するとは、加飾層の色材として、白色顔料を含むことをいう。
加飾層が白色顔料のみを含みニュートラルの白色もしくはニュートラルの白色に近い白色を呈する場合だけでなく、加飾層が、白色顔料と少量の着色顔料(青色顔料・赤色顔料・緑色顔料・黄色顔料・紫顔料・黒顔料)等を添加したものである場合も同様に有効であるからである。
なお、L*a*b*表色系は、JIS 8781−4:2013における規格である。また、本発明においては、上記各数値については、コニカミノルタ社製 分光測色計CM−2600dを用いて測定することができる。
また、ニュートラルな白色とは、a*=0、b*=0である白色をいう。
例えばフォトリソグラフィ法により加飾層を形成する場合、有機材料としては、感光性樹脂が用いられる。感光性樹脂としては、一般的なものを用いることができ、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴム等の反応性ビニル基等の光反応性基を有する感光性樹脂が挙げられる。感光性樹脂は1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えばベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体等のメタクリル酸エステル共重合体、ビスフェノールフルオレン構造を有するエポキシアクリレート等のカルド樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
多官能アクリレート系モノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートまたはアクリレートのいずれかであることを意味する。
光重合開始剤としては、例えばアルキルフェノン系、オキシムエステル系、トリアジン系、チタネート系等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
感光性樹脂組成物は、上記の他、光増感剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、レベリング剤等の公知の各種添加剤を含むことができる。
また、加飾層には、カラーフィルタの着色層に用いられるカラーレジストを用いることもできる。
加飾層の厚さが厚すぎると、透明電極層の断線が生じやすくなる可能性があるからであり、加飾層の厚さが薄すぎると、本発明のタッチパネルセンサに十分な意匠性を付与することが困難となる可能性があるからである。
また、加飾層の厚さとしては、上述した範囲の中でも、より厚いことが好ましい。発明において、屈折率調整層と加飾層とを同一平面上に形成することにより、屈折率調整層が形成される面については、段差を有さないものとすることができることの効果を高く発揮することができるからである。また、加飾層の呈する色が淡色である場合は、例えば、加飾層が黒色を呈する場合に比べて、所望の色を付与するためにその厚みを厚くする必要があるからである。
本発明における透明基板は、上記屈折率調整層、加飾層および透明電極層を支持するものである。
透明基板は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。
ここで、透明基板の透過率は、JIS K 7105で規定する方法により測定した値(全光線)とする。
ここで、透明基板の屈折率は、550nmの波長においてエリプソメータを用いて測定して算出された値である。
本発明における透明電極層は、屈折率調整層上にパターン状に形成され、金属酸化物を含有するものである。
ここで、透明電極層の厚さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)の観察像を用いて測定することができる。
ここで、透明電極層の屈折率は、550nmの波長においてエリプソメータを用いて測定して算出された値である。
また、透明電極層のエッチングに用いられるエッチング液としては、透明電極層を構成する金属酸化物に応じて適宜設定されるものである。具体的には、透明電極層がITOからなる場合には、塩化第二鉄と塩酸との混合水溶液や塩酸、シュウ酸、臭化水素酸等を用いることができる。
レジストについては、一般的なフォトリソグラフィ法に用いられているものと同様とすることができる。また、レジストの現像液、レジストの剥離液としては、例えば、水酸化カリウム水溶液等を挙げることができる。
本発明のタッチパネルセンサを構成する電極としては、タッチパネルセンサの形態に応じて適宜選択することができる。例えばタッチパネルセンサが静電容量方式の場合、電極としては、アクティブエリア内に形成されるセンサ電極および導電部、アクティブエリアの外側に形成される取り出し配線および外部接続端子を挙げることができる。以下、取り出し配線および外部接続端子を配線層と称して説明する場合がある。
本発明におけるセンサ電極は、アクティブエリア内に形成され、接触位置を検出するために用いられるものであり、互いに絶縁された第1電極および第2電極を有するものである。
なお、第1電極および第2電極が互いに絶縁されているとは、両電極が電気的に接続されていないことをいう。
センサ電極の平面視形状としては、開口部を含まない面状であることが好ましい。また、センサ電極の平面視外形形状としては、具体的には長方形、平面視略正方形形状等の多角形状等とすることができる。
本発明における導電部は、上記センサ電極を構成する第1電極間および第2電極間をそれぞれ接続する第1導電部および第2導電部を有するものである。通常、第1導電部および第2導電部はその一部が平面視上重なるように形成される。
導電部が上記透明電極層ではない場合、導電部に用いられる導電性材料としては、例えば、アルミニウム、モリブデン、銀、クロム等の金属およびその合金等を用いることができる。
本発明における取り出し配線は、上記センサ電極に接続されるものである。
取り出し配線が上記透明電極層ではない場合、取り出し配線に用いられる導電性材料としては、銀、金、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体、あるいはこれらのいずれかを主体とする合金等を例示することができる。金属合金としては、APC、すなわち銀・パラジウム合金が汎用される。また、金属の複合体としては、MAM(Mo−Al−Mo、すなわちモリブデン・アルミニウム・モリブデンの3層構造体)等も適用可能である。
本発明における外部接続端子は、上記取り出し配線に接続され、例えば、フレキシブルプリント配線基板等のタッチパネルセンサの外部の構成との接続に用いられるものである。
外部接続端子の端子幅、厚さおよび平面視形状や、外部接続端子部内における外部接続端子間の間隔については、一般的なタッチパネルセンサと同様とすることができる。具体的には、特開2011−210176号公報に記載されるものと同様とすることができる。
本発明のタッチパネルセンサは、上記の透明基板と屈折率調整層と透明電極層と加飾層とを有するものであればよく、必要に応じて他の構成を有していてもよい。
本発明においては、必要に応じて絶縁層が形成されていてもよい。絶縁層は、上記センサ電極を構成する第1電極および第2電極間や、上記導電部を構成する第1導電部および第2導電部間の短絡を防止するために形成されるものである。
絶縁層の詳細については、例えば特開2013−210733号公報に記載のものと同様とすることができる。
本発明においては、センサ電極、導電部および取り出し配線を覆うようにオーバーコート層が形成されていてもよい。
オーバーコート層としては、絶縁性および透明性を有するものであればよい。絶縁性および透明性を有する被覆層の材料としては、例えばアクリル樹脂等の有機材料や酸化ケイ素等の無機材料等を挙げることができる。
本発明においては、センサ電極、導電部および配線層を覆うように赤外線吸収層が形成されていてもよい。赤外線吸収層としては、絶縁性および透明性を有するものであれば特に限定されず、一般的なタッチパネルセンサに用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明においては、タッチパネルセンサの操作面側の最表面に前面板が配置されていてもよい。前面板としては、タッチパネルセンサに用いられる一般的なものを使用することができる。
本発明においては、透明基板が前面板を兼ねることが好ましい。この場合、前面板一体型タッチパネルセンサとすることができる。
本発明のタッチパネルセンサは、表示装置用のタッチパネルセンサとして用いられることが好ましい。本発明のタッチパネルセンサを用いた表示装置は、例えば、表示パネルと、表示パネルの表面上に配置されたタッチパネルセンサとを有するものである。
本発明のタッチパネルセンサ用基板は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成され、有機層のみを含む屈折率調整層と、上記透明基板上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含む加飾層とを有し、上記屈折率調整層と上記加飾層とが同一平面上に形成されていることを特徴とするものである。
図5は、本発明のタッチパネルセンサ用基板の一例を示す概略断面図である。図5に示すように、本発明のタッチパネルセンサ用基板1は、透明基板2と、透明基板2上にパターン状に形成され、屈折率の異なる2層の有機層31、32の積層体で構成され、有機層のみを含む屈折率調整層3と、透明基板2上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含む加飾層4とを有し、屈折率調整層3と加飾層4とが同一平面上に形成されていることを特徴とするものである。
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、屈折率調整層用硬化性樹脂組成物を透明基板上の全面に塗布して塗膜を形成し、上記塗膜を全面硬化させることにより、有機層のみを有する屈折率調整層を形成する屈折率調整層形成工程と、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて、上記屈折率調整層上にレジスト層をパターン状に形成するレジスト層形成工程と、上記レジスト層が形成された上記屈折率調整層における露出部分をエッチングすることにより上記屈折率調整層をパターニングするエッチング工程と、上記エッチング工程後に上記レジスト層を剥離するレジスト層剥離工程と、色材および有機材料を含む加飾層用樹脂組成物を用いて、上記透明基板上に加飾層をパターン状に形成する加飾層形成工程と、上記屈折率調整層上に金属酸化物を含む透明電極層をパターン状に形成する透明電極層形成工程とを有し、上記屈折率調整層と上記加飾層とを同一平面上に形成することを特徴とする製造方法である。
図6(a)〜(f)は本発明のタッチパネルセンサの製造方法の一例を示す工程図である。本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、図示はしないが、屈折率調整層用硬化性樹脂組成物を透明基板上の全面に塗布して塗膜を形成し、塗膜を全面硬化させる。以上により、図6(a)に示すように、透明基板2上の全面に有機層のみを有する屈折率調整層3を形成する(屈折率調整層形成工程)。次に、図6(b)に示すように、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて、屈折率調整層3上にレジスト層20をパターン状に形成する(レジスト層形成工程)。次に、図6(c)に示すように、エキシマ紫外線Lを用いて、レジスト層20が形成された屈折率調整層3における露出部分をエッチングすることにより屈折率調整層3をパターニングする(エッチング工程)。次に、図6(d)に示すように、エッチング工程後にレジスト層を剥離する(レジスト層剥離工程)。次に、図6(e)に示すように、色材および有機材料を含む加飾層用樹脂組成物を用いて、透明基板2上に加飾層4をパターン状に形成する(加飾層形成工程)。次に、図6(f)に示すように、加飾層4上に取り出し配線15および外部接続端子(図示なし)を形成し、屈折率調整層3上に第1電極13a、第2電極(図示なし)、第1導電部14a、第2導電部14b、絶縁層17等のタッチパネルセンサの電極を形成する。図6(f)においては、透明電極層5として、屈折率調整層3上に第1電極13a、第2電極(図示なし)、第2導電部14bを形成する例について示している(透明電極層形成工程)。なお、図6(a)〜(f)においては、図1(a)〜(c)に示すタッチパネルセンサを製造する例を示しており、図6(a)〜(f)は図1(a)におけるB−B線断面を示している。
本発明における屈折率調整層形成工程は、屈折率調整層用硬化性樹脂組成物を透明基板上の全面に塗布して塗膜を形成し、上記塗膜を全面硬化させることにより、有機層のみを有する屈折率調整層を形成する工程である。
紫外線を照射する場合は、例えば、メタルハライドランプを用いることができる。
また、塗膜の硬化は、大気下で行なってもよく、窒素等の不活性ガスにより大気を置換した環境下で行なってもよい。
本発明におけるレジスト層形成工程は、ポジ型感光性樹脂組成物を用いて、上記屈折率調整層上にレジスト層をパターン状に形成する工程である。
ポジ型感光性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、バーコート法等を挙げることができる。
露光条件については、ポジ型感光性樹脂の種類に応じて適宜選択することができ、一般的な露光装置を用いて露光をすることができる。
現像液としては、ポジ型感光性樹脂を現像することができれば特に限定されないが、例えば、ローム・アンド・ハース社製のALC1350等が挙げられる。
レジスト層の厚さが厚すぎると後述するレジスト層剥離工程において、レジスト層を良好に剥離することが困難となる可能性があるからであり、レジスト層の厚さが薄すぎるとエッチング工程において屈折率調整層を十分に保護することが困難となる可能性があるからである。
本発明におけるエッチング工程は、上記レジスト層が形成された上記屈折率調整層における露出部分をエッチングすることにより上記屈折率調整層をパターニングする工程である。
ドライエッチング法としては、例えば、エキシマ紫外線照射、プラズマ照射装置で光を照射し有機物を光分解させることで最表面の膜を分解し除去することができる。本発明においては、中でも、エキシマ紫外線照射により屈折率調整層をエッチングすることが好ましい。上記露出部分については、良好に除去することができるからである。また、レジスト層表面にエキシマ紫外線を照射することにより、後述するレジスト層剥離工程において、レジスト層の剥離が容易になるからである。
本発明におけるレジストレジスト層剥離工程は、上記エッチング工程後に上記レジスト層を剥離する工程である。
レジスト層の剥離方法としては、一般的なフォトリソグラフィ法におけるレジストの剥離方法と同様とすることができる。例えば、レジスト層に紫外線を照射し、現像液に対する溶解性を付与した後に剥離する方法を挙げることができる。
本発明における加飾層形成工程は、色材および有機材料を含む加飾層用樹脂組成物を用いて、上記透明基板上に加飾層をパターン状に形成する工程である。
加飾層の形成方法および加飾層については、上述した「A.タッチパネルセンサ」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明における透明電極層形成工程は、上記屈折率調整層上に金属酸化物を含む透明電極層をパターン状に形成する工程である。
透明電極層の形成方法および透明電極層については、上述した「A.タッチパネルセンサ」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、屈折率調整層形成工程と、レジスト層形成工程と、エッチング工程と、レジスト層剥離工程と、加飾層形成工程と、透明電極層形成工程とを有していれば特に限定されず、必要な工程を適宜選択して追加することができる。例えば、タッチパネルセンサの電極を形成する工程、絶縁層を形成する工程、オーバーコート層を形成する工程、赤外線吸収層を形成する工程等を挙げることができる。
本発明のタッチパネルセンサの製造方法により、製造されるタッチパネルセンサについては、上述した「A.タッチパネルセンサ」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(共重合樹脂溶液の調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63質量部、アクリル酸(AA)を12質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7質量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部、及びハイドロキノンを0.2質量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
次に下記材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物を得た。
<硬化性樹脂組成物の組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%) 16質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399) 24質量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) 4質量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
4質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 52質量部
まず、下記材料を混合し、サンドミルにて十分に分散し、白色顔料分散液を調製した。
<白色顔料分散液の組成>
・白色顔料 23質量部
・高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株) Disperbyk111) 2質量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) 75質量部
<加飾層形成用組成物の組成>
・上記白色顔料分散液 61質量部
・上記硬化性樹脂組成物 20質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 30質量部
次に、下記材料を室温で攪拌、混合して屈折率調整層形成用組成物を調製した。
<屈折率調整層形成用組成物の組成>
・屈折率調整用分散液 8.9質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 61.1質量部
・シクロヘキサノールアセテート 30質量部
屈折率調整用分散液は、屈折率調整粒子として、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子を含む紫外線硬化性樹脂組成物であり、屈折率調整層の屈折率n=1.58となるように調合されたものである。
透明基板として厚み1.1mmのガラス基板(旭硝子(株) AN材、屈折率n=1.5)上に上記屈折率調整層形成用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、上記塗膜を全面露光し膜厚約100nmの屈折率調整層を形成した。
上記屈折率調整層上にポジレジストSC500E(54%希釈)をスピンコーターにて塗布後パターン露光を行い、続いてローム・アンド・ハース社製のALC1350社製の現像液を用いて現像を行い、屈折率調整層上に膜厚1μmのレジスト層をパターニングした。
上記屈折率調整層が形成された透明基板をエキシマ紫外線照射で3分間エキシマレーザーを照射しドライエッチングを行った。その後、水洗浄を行い薄膜上のポジ膜の除去を行い、230℃で20分間焼成を行い、薄膜のパターニング基板を作成した。
上記基板上に加飾層形成用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、膜厚約25μmの加飾層形成用層を形成した。上記加飾層形成用層を、超高圧水銀ランプで枠状のパターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、上記透明基板を220℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して加飾層を形成した。
上記屈折率調整層および加飾層上に上記硬化性樹脂組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、膜厚約3μmの塗膜を塗布した。上記塗膜を、超高圧水銀ランプでパターン露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、上記透明基板を200℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して加飾層上にオーバーコート層を形成した。
次に、加飾層が形成されている領域において、上記オーバーコート層上にフォトリソグラフィ法によりITOから構成される取り出し配線および外部接続端子をパターン状に形成した。次いで、アクティブエリアにおける屈折率調整層上にフォトリソグラフィ法によりITOから構成される透明電極層をパターン状に形成し、図1(a)〜(c)に例示するような第1電極および第2電極を有するセンサ電極と第2導電部とを形成した。透明電極層の厚さは1300Åとした。次いで、第2導電部を覆うように絶縁層を形成し、絶縁層上に第1導電部を形成した。
以上により、配線層およびタッチパネルセンサの電極を形成して、タッチパネルセンサを得た。
得られたタッチパネルセンサは、屈折率調整層がパターン状に形成され、屈折率調整層と加飾層とが透明基板上に形成されたものである。
透明基板上の全面に屈折率調整層を形成した後、加飾層を形成したこと以外は、実施例と同様にしてタッチパネルセンサを作製した。得られたタッチパネルセンサは、屈折率調整層が透明基板上の全面に形成され、屈折率調整層上に加飾層が形成されたものである。
実施例および比較例1のタッチパネルセンサにおける屈折率調整層側とは反対側(操作面側)からの加飾層のL*値、a*値、b*値の値を、コニカミノルタ社製 分光測色計CM−2600dを用いて測定した。結果を表1に示す。なお、測定は、SCE(正反射光除去)で行ない、D65光源を用いた。
透明基板上に加飾層を形成した後、加飾層が形成された透明基板上の全面に屈折率調整層を形成したこと以外は、実施例と同様にしてタッチパネルセンサを得た。得られたタッチパネルセンサは、透明基板に対して、加飾層、屈折率調整層、オーバーコート層、ならびに配線層およびタッチパネルセンサの電極の順に形成され、屈折率調整層がパターン状に形成されていないものである。
比較例2で作製したタッチパネルセンサにおいては、加飾層が形成された非アクティブエリアとアクティブエリアの境界において、屈折率調整層による干渉ムラが発生していたのに対し、実施例では干渉ムラは確認されず品位が向上されていることがわかった。
2 … 透明基板
3 … 屈折率調整層
4 … 加飾層
5 … 透明電極層
10 … タッチパネルセンサ
13a … 第1電極
13b … 第2電極
14a … 第1導電部
14b … 第2導電部
Claims (1)
- 屈折率調整層用硬化性樹脂組成物を透明基板上の全面に塗布して塗膜を形成し、前記塗膜を全面硬化させることにより、有機層のみを有する屈折率調整層を形成する屈折率調整層形成工程と、
ポジ型感光性樹脂組成物を用いて、前記屈折率調整層上にレジスト層をパターン状に形成するレジスト層形成工程と、
前記レジスト層が形成された前記屈折率調整層における露出部分をエッチングすることにより前記屈折率調整層をパターニングするエッチング工程と、
前記エッチング工程後に前記レジスト層を剥離するレジスト層剥離工程と、
色材および有機材料を含む加飾層用樹脂組成物を用いて、前記透明基板上に加飾層をパターン状に形成する加飾層形成工程と、
前記屈折率調整層上に金属酸化物を含む透明電極層をパターン状に形成する透明電極層形成工程と
を有し、
前記屈折率調整層と前記加飾層とを同一平面上に形成することを特徴とするタッチパネルセンサの製造方法。
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