JP2016076174A - タッチパネルセンサおよびタッチパネルセンサ用基板 - Google Patents

タッチパネルセンサおよびタッチパネルセンサ用基板 Download PDF

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陽介 和田
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Yoshiko Tanaka
佳子 田中
敦子 千吉良
Atsuko Chigira
敦子 千吉良
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真史 榊
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Abstract

【課題】本発明は、耐光性が良好であり経時的な意匠性の低下を抑制可能なタッチパネルセンサおよびこれに用いるタッチパネルセンサ用基板を提供することを主目的とする。【解決手段】透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含有する加飾層と、上記加飾層が形成された上記透明基板上に形成され、無機屈折率調整粒子および有機材料を含有する屈折率調整層と、上記加飾層上における上記屈折率調整層上にパターン状に形成され、無機導電性材料を含有する配線層と、上記屈折率調整層上にパターン状に形成され、金属酸化物を含む透明電極層と、を有することを特徴とするタッチパネルセンサを提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、透明電極層の骨見えを好適に抑制することができるタッチパネルセンサ、およびこれに用いるタッチパネルセンサ用基板に関する。
今日、入力手段として、タッチパネルセンサが広く用いられている。タッチパネルセンサは、多くの場合、液晶表示装置やプラズマディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置、例えば券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機等に対する入力手段として、表示装置とともに用いられている。このような装置において、タッチパネルセンサは表示装置の表示面に配置され、これにより、タッチパネルセンサは表示装置に対する極めて直接的な入力を可能にする。
タッチパネルセンサは、表示装置とともに用いられることから、透明性が求められ、タッチパネルセンサを構成する電極には、例えばITO等の透明電極層が用いられている。この透明電極層は、通常、透明基板上に所定のパターン形状で形成される。この場合、タッチパネルセンサにおいては、透明電極層が形成されている領域と透明電極層が形成されていない領域とで光の反射率、透過率、透過光の色等の光学特性が異なることにより、透明電極層のパターン形状がタッチパネル操作者に観察される、いわゆる透明電極層の骨見えが生じるという問題がある。
この問題に対しては、例えば、透明基板と透明電極層との間にインデックスマッチング層(屈折率調整層)を形成することが提案されている(例えば特許文献1〜2参照)。
特許文献1には、透明樹脂基体上に所定の屈折率および膜厚を有する中間屈折率層を設け、中間屈折率層上に透明導電膜を形成した液晶ディスプレイ用樹脂基板が提案されている。中間屈折率層の材料としては、アルミナ等の中間屈折率材料単体、シリカ等の低屈折率材料とジルコニア、チタニア等の高屈折率材料とを混合させた中間屈折率材料、SiO等の金属酸窒化物が例示されている。
特許文献2には、基材と、基材上に形成されたインデックスマッチング層と、インデックスマッチング層上に形成され、パターニングされた透明導電体とを有するタッチパネルセンサであって、インデックスマッチング層が、基材上に形成された高屈折率層と、高屈折率層上に形成された低屈折率層とを有し、透明導電体の屈折率は、高屈折率層の屈折率よりも小さく、低屈折率層の屈折率よりも大きいタッチパネルセンサが提案されている。高屈折率層の材料としては五酸化ニオブが例示され、低屈折率層の材料としては二酸化珪素が例示されている。
しかしながら、特許文献1、2に記載されているように、無機材料を用いる場合には、例えば真空蒸着法、スパッタリング法等により屈折率調整層を形成するため、真空成膜装置を必要とし、製造コストが高くなるという問題がある。
そこで、有機材料を用いて塗布法により屈折率調整層を形成することが検討されている。有機材料を含む屈折率調整層としては、例えば、樹脂を含有するものや、屈折率調整粒子および有機材料を含むものが挙げられる。また、屈折率調整層については、厚さが厚いとタッチパネルセンサの透過率が低下したり、色がついたりする場合があることから、より薄膜で形成することが望ましい。また、屈折率調整層は、通常、透明基板上の全域にベタ状に形成されるものである。
ところで、タッチパネルセンサにおいては、非アクティブエリアに引き出し配線、外部接続端子等の配線層が形成される。また、上記配線層を隠すため、非アクティブエリアには例えば額縁状等の加飾層を設けることが望ましい。
特開平8−240800号公報 特開2012−146217号公報
有機材料を含む屈折率調整層について、本発明者らが鋭意研究を行った結果、無機屈折率調整粒子および有機材料を含む屈折率調整層を有するタッチパネルセンサにおいては、透明基板上に屈折率調整層、加飾層および配線層の順に積層された構成を有する場合、加飾層の耐光性が十分ではなく、加飾層における配線層の形成領域において退色が生じる場合があり、タッチパネルセンサの意匠性が経時的に低下する場合があることを初めて知見した。本発明は、上記知見に基づくものである。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、加飾層の耐光性を良好なものとし、タッチパネルセンサの経時的な意匠性の低下を抑制することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含有する加飾層と、上記加飾層が形成された上記透明基板上に形成され、無機屈折率調整粒子および有機材料を含有する屈折率調整層と、上記加飾層上における上記屈折率調整層上にパターン状に形成され、無機導電性材料を含有する配線層と、上記屈折率調整層上にパターン状に形成され、金属酸化物を含む透明電極層と、を有することを特徴とするタッチパネルセンサを提供する。
本発明によれば、透明基板上に加飾層、屈折率調整層および配線層の順に積層された構成を有することにより、加飾層の耐光性を良好なものとすることができ、タッチパネルセンサの経時的な意匠性の低下を抑制することができる。
本発明は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含有する加飾層と、上記加飾層が形成された上記透明基板上に形成され、無機屈折率調整粒子および有機材料を含有する屈折率調整層とを有することを特徴とするタッチパネルセンサ用基板を提供する。
本発明によれば、タッチパネルセンサとした場合に、透明基板上に加飾層、屈折率調整層および配線層の順に積層された構成を有することにより、加飾層の耐光性を良好なものとすることができ、経時的な意匠性の低下を抑制することができる。
本発明のタッチパネルセンサは、加飾層の耐光性を良好なものとし、経時的な意匠性の低下を抑制することができるといった効果を有する。
本発明のタッチパネルセンサの一例を示す概略平面図および断面図である。 本発明のタッチパネルセンサの他の例を示す概略平面図および断面図である。 本発明のタッチパネルセンサの他の例を示す概略断面図である。 本発明のタッチパネルセンサの他の例を示す概略断面図である。 本発明のタッチパネルセンサ基板の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明のタッチパネルセンサおよびタッチパネルセンサ基板の詳細について説明する。
A.タッチパネルセンサ
本発明のタッチパネルセンサは、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含有する加飾層と、上記加飾層が形成された上記透明基板上に形成され、無機屈折率調整粒子および有機材料を含有する屈折率調整層と、上記加飾層上における上記屈折率調整層上にパターン状に形成され、無機導電性材料を含有する配線層と、上記屈折率調整層上にパターン状に形成され、金属酸化物を含む透明電極層と、を有することを特徴とするものである。
本発明のタッチパネルセンサについて図を用いて説明する。図1(a)は本発明のタッチパネルセンサの一例を示す概略平面図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図であり、図1(c)は図1(a)のB−B線断面図である。図1(a)〜(c)に示すように、本発明のタッチパネルセンサ10は、透明基板2と、透明基板2上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含有する加飾層3と、加飾層3が形成された透明基板2上に形成され、無機屈折率調整粒子および有機材料を含有する屈折率調整層4と、加飾層3上における屈折率調整層4上にパターン状に形成され、無機導電性材料を含有する配線層5と、屈折率調整層4上に形成され金属酸化物を含有する透明電極層6とを有するものである。図1(b)、(c)においては屈折率調整層4が屈折率の異なる2層の有機層41、42で構成される例を示している。また、タッチパネルセンサ10は、通常、アクティブエリア11内に配置され、屈折率調整層4の同一面上にパターン状に形成され、互いに絶縁された第1電極13aおよび第2電極13bと、屈折率調整層4上にパターン状に形成され、第2電極13b同士を接続する第2導電部14bと、第2導電部14bを覆うように形成された絶縁層15と、絶縁層15上にパターン状に形成され、第1電極13a同士を接続する第1導電部14aとを有する。また、タッチパネルセンサ10は、通常、アクティブエリア11内において透明電極層6が形成されており、図1(a)〜(c)においては、第1電極13a、第2電極13bおよび第2導電部14bが透明電極層6である例について示している。加飾層3および配線層5は、アクティブエリア11の外側の非アクティブエリア12に形成される。また、配線層5としては、例えば、第1電極13aおよび第2電極13bにそれぞれ接続された取り出し配線51および取り出し配線51に接続された外部接続端子52が挙げられる。なお、説明を容易にするため、図1(a)において絶縁層および加飾層を省略している。
本発明によれば、透明基板上に加飾層、屈折率調整層および配線層の順に積層された構成を有することにより、加飾層の耐光性を良好なものとすることができ、タッチパネルセンサの経時的な意匠性の低下を抑制することができる。
上述したように、本発明者らは、無機屈折率調整粒子および有機材料を含む屈折率調整層を有するタッチパネルセンサにおいては、透明基板上に屈折率調整層、加飾層および配線層の順に積層された構成を有する場合、加飾層の耐光性が十分ではなく、加飾層における配線層の形成領域において退色が生じる場合があり、タッチパネルセンサの意匠性が経時的に低下する場合があることを初めて知見した。加飾層の耐光性を良好なものとし、タッチパネルセンサの経時的な意匠性の低下を抑制するとの課題は、上記知見から本発明において初めて見出された課題である。
ここで、上述した透明基板上に屈折率調整層、加飾層および配線層の順に積層された構成を有するタッチパネルセンサにおいて、加飾層の退色が生じる理由については必ずしも明らかではないが、以下のように推量される。すなわち、上記構成を有するタッチパネルセンサにおいては、通常、屈折率調整層等が形成された面と反対側の面が操作者側に配置される。そのため、タッチパネルセンサの操作者側から光が当たると、透明基板を透過して照射された光により、屈折率調整層に含有される無機屈折率調整粒子と、配線層に含有される無機導電性材料との間で酸化還元反応が生じることが推量される。また、上記酸化還元反応により、屈折率調整層および配線層の間に形成された加飾層における色材が変質して退色することが推量される。
これに対して、加飾層、屈折率調整層および配線層の順に積層された構成とすることにより、加飾層の変色を抑制することができる理由についても必ずしも明らかではないが、以下のように推量される。すなわち、上記構成においては、加飾層が屈折率調整層および配線層の間に形成されないことから、光が当たることにより酸化還元反応が生じた場合も、加飾層への影響が少ないことが推量される。また、加飾層が屈折率調整層よりも操作者側に配置されることにより、タッチパネルセンサの操作者側からの光については、加飾層の色材および有機材料により吸収することができるため、上記酸化還元反応自体を抑制することができると推量される。
なお、加飾層の退色については、屈折率調整層、加飾層および配線層の順に積層された構成によることが考えられることから、例えば、屈折率調整層を透明基板上のアクティブエリア内にパターン状に形成して、加飾層が形成される透明基板上の非アクティブエリアにおいては屈折率調整層が形成されない構成とすることも考えられる。しかしながら、一般的に、感光性樹脂組成物を用いたフォトリソグラフィ法により有機層をパターン状に形成する場合においては、感光性樹脂組成物の塗膜が薄いと、上記塗膜表面においては酸素により光硬化反応が進行しにくくなる硬化阻害が生じることから、パターニングが困難となる場合がある。一方で、屈折率調整層については、その厚さが厚いとタッチパネルセンサの透過率が低下したり、色がついてしまうという問題があることから、その厚さについてはより薄く形成されることが望まれる。そのため、所望の光学特性を有する屈折率調整層を得るためには、フォトリソグラフィ法によるパターニングが困難になる場合がある。
これに対して、本発明においては、屈折率調整層については、パターニングを行う必要がないことから、屈折率調整層については薄くすることができる。
以下、本発明のタッチパネルセンサの各構成について説明する。
1.屈折率調整層
本発明における屈折率調整層は、上記加飾層が形成された上記透明基板上に形成されるものであり、無機屈折率調整粒子および有機材料を含有するものである。
屈折率調整層は、上記加飾層が形成された上記透明基板上に形成されていればよく、透明基板および加飾層の間に形成されていなければよい。また、加飾層上においては、図1に示すように、加飾層上に直に屈折率調整層が形成されていてもよく、後述する図4に示すように、加飾層上にオーバーコート層等の他の層を介して屈折率調整層が形成されていてもよい。本発明においては、中でも、加飾層上に直に屈折率調整層が形成されていることが好ましい。屈折率調整層が形成される透明基板表面の段差を小さくすることができるため、屈折率調整層に膜厚ムラが生じにくいからである。
(1)屈折率調整層の構成
屈折率調整層は透明電極層の骨見えを抑制するために設けられるものであり、本発明においては、通常、屈折率調整層は有機層のみを有するものである。
屈折率調整層としては、1層の有機層で構成されていてもよく、屈折率の異なる複数の有機層が積層されているものであってもよい。中でも、本発明においては、屈折率調整層としては、屈折率の異なる複数の有機層が積層されているものであることが好ましい。また、この場合、各有機層の厚さが10nm〜50nmの範囲内であることがさらに好ましい。透明電極層の骨見えを好適に抑制することができ、屈折率調整層をより薄膜で形成することができるからである。
ここで、屈折率の異なる複数の有機層が積層されているとは、複数の有機層の積層体において、隣接する有機層の屈折率が異なることをいい、隣接しない有機層の屈折率が同じである場合も含む概念である。例えば、3層の有機層が積層されている場合、1層目および2層目の有機層の屈折率が異なり、2層目および3層目の有機層の屈折率が異なっていればよく、1層目の有機層および3層目の有機層の屈折率は同じであっても異なっていてもよい。
屈折率調整層が屈折率の異なる複数の有機層が積層されたものである場合、高屈折率層および低屈折率層を少なくとも有するものである。有機層の積層数としては、2層以上であればよく、例えば2層、3層等とすることができる。屈折率調整層が2層の有機層の積層体で構成される場合、屈折率調整層としては、例えば、透明基板上に形成された高屈折率層と、高屈折率層上に形成された低屈折率層とを有するもの、透明基板上に形成された低屈折率層と、低屈折率層上に形成された高屈折率層とを有するものが挙げられる。有機層の積層数、屈折率調整層の層構成、高屈折率層および低屈折率層の積層順等については、透明基板およびタッチパネルセンサにおける透明電極層の屈折率、透明電極層の厚さ等に応じて適宜選択することができる。
中でも、屈折率調整層は2層の有機層が積層されたものであることが好ましい。屈折率調整層を少ない層数で構成することができるため、タッチパネルセンサの製造工程をより簡便にすることができ、製造コストを削減することができるからである。
高屈折率層および低屈折率層の屈折率としては、透明電極層の骨見え抑制効果が得られればよく、各有機層の厚さ、有機層の積層数、屈折率調整層の層構成、高屈折率層および低屈折率層の積層順、透明基板およびタッチパネルセンサにおける透明電極層の屈折率、透明電極層の厚さ等に応じて適宜調整される。
屈折率調整層が2層の有機層の積層体で構成される場合であって、屈折率調整層が、透明基板上に形成された高屈折率層と、高屈折率層上に形成された低屈折率層とを有する場合、高屈折率層の屈折率は、透明基板および低屈折率層よりも高ければよい。また、低屈折率層の屈折率は、高屈折率層および透明電極層よりも低ければよい。
また、屈折率調整層が2層の有機層の積層体で構成される場合であって、屈折率調整層が、透明基板上に形成された低屈折率層と、低屈折率層上に形成された高屈折率層とを有する場合、低屈折率層の屈折率は、透明基板よりも高く、高屈折率層よりも低ければよい。
具体的には、高屈折率層の屈折率は、1.70〜1.90の範囲内であることが好ましく、中でも1.70〜1.85の範囲内であることが好ましい。
また、低屈折率層の屈折率は、1.40〜1.60の範囲内であることが好ましく、中でも1.50〜1.60の範囲内であることが好ましい。
ここで、高屈折率層および低屈折率層の屈折率は、有機層を550nmの波長においてエリプソメータを用いて測定して算出された値である。
また、屈折率調整層が1層の有機層を有する場合は、透明基板の屈折率と異なる屈折率を有するように、屈折率が調整されていればよい。この場合、屈折率調整層の屈折率は、透明基板の屈折率よりも高くてもよく、低くてもよい。
(2)有機層
屈折率調整層に用いられる有機層は、少なくとも無機屈折率調整粒子および有機材料を含む層を1層有していればよく、無機屈折率調整粒子を有していない層を有していてもよい。本発明における無機屈折率調整粒子としては、具体的には、後述する高屈折率粒子を挙げることができる。すなわち、本発明においては、通常、高屈折率層は、高屈折率粒子および有機材料を含有する。また、屈折率調整層が1層の有機層を有する場合は、高屈折率粒子と有機材料とを含有する。
有機層に用いられる有機材料としては、透明性を有し、所定の屈折率を示す有機層を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えば樹脂が挙げられる。樹脂としては、熱または紫外線や電子線等の電離放射線の照射により硬化した硬化樹脂を挙げることができ、例えば熱硬化樹脂や電離放射線硬化樹脂が挙げられる。
ここで、「電離放射線硬化樹脂」とは、電離放射線の照射により硬化した樹脂をいう。「電離放射線」とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいい、例えば、紫外線や電子線の他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
電離放射線硬化樹脂としては、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂を挙げることができる。中でも、紫外線硬化樹脂が好ましい。
熱硬化樹脂としては、透明性を有し、所定の屈折率を示す有機層を得ることができるものであればよく、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等を挙げることができる。
紫外線硬化樹脂としては、所定の屈折率を示す有機層を得ることができるものであればよく、例えば、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂等を挙げることができる。
高屈折率層に用いられる高屈折率粒子としては、上記の屈折率を満たす高屈折率層を得ることができるものであれば特に限定されるものではない。中でも、高屈折率粒子の屈折率は1.5〜2.8程度であることが好ましい。
このような高屈折率粒子としては、金属酸化物粒子を挙げることができ、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO、屈折率:2.10)、酸化アンチモン(Sb、屈折率:1.79〜2.04)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜2.05)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、燐錫化合物(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、β−Al(屈折率:1.63〜1.76)、γ−Al(屈折率:1.63〜1.76)、チタン酸バリウム(BaTiO、屈折率:2.4)、酸化チタン(TiO、屈折率:2.3〜2.7)、酸化セリウム(CeO、屈折率:1.95〜2.20)、酸化錫(SnO、屈折率:2.00)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO、屈折率:1.90〜2.00)、アンチモン酸亜鉛(ZnSb、屈折率:1.9〜2.0)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率:1.90)、酸化イットリウム(Y、屈折率:1.87)等が挙げられる。これらの金属酸化物粒子は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
中でも、本発明においては、金属酸化物としては、酸化チタン、酸化ジルコニウムであることが好ましい。
低屈折率層は、低屈折率粒子および有機材料を含有していてもよく、低屈折率粒子を含有せず有機材料のみを含有していてもよい。
低屈折率層に用いられる低屈折率粒子としては、上記の屈折率を満たす低屈折率層を得ることができるものであれば特に限定されるものではなく、無機系、有機系のいずれも用いることができる。中でも、屈折率が低いことから、中空粒子や多孔質粒子が好ましく用いられる。中空粒子および多孔質粒子としては、例えば、多孔質シリカ粒子、中空シリカ粒子、多孔質ポリマー粒子、中空ポリマー粒子が挙げられる。
なお、有機層は表面に、高屈折率粒子または低屈折率粒子による凹凸を有していてもよい。
また、高屈折率粒子および低屈折率粒子は、表面処理されたものであってもよい。粒子に表面処理を施すことにより、樹脂や溶媒との親和性が向上し、粒子の分散が均一となり、粒子同士の凝集が生じにくくなるので、有機層の透過率の低下や、有機層形成用塗工液の塗布性、塗膜強度の低下を抑制することができる。
表面処理された高屈折率粒子および低屈折率粒子としては、例えば特開2013−14
2817号公報に記載されているものを挙げることができる。
高屈折率粒子および低屈折率粒子の平均粒径としては、例えば5nm〜80nmの範囲内であることが好ましく、中でも5nm〜60nmの範囲内、特に10nm〜40nmの範囲内であることが好ましい。平均粒径が上記範囲内にあれば、有機層の透明性を損なうことがなく、良好な粒子の分散状態が得られる。なお、平均粒径が上記範囲内にあれば、平均粒径は1次粒径および2次粒径のいずれであってもよく、また粒子が鎖状に連なっていてもよい。
ここで、平均粒径は、有機層の断面の顕微鏡観察による平均粒径をいう。顕微鏡観察による平均粒径は、例えば、100倍で顕微鏡観察を行い、画像処理ソフト等により任意の粒子の粒子径を100個測定して個数平均することにより得られる。
高屈折率粒子および低屈折粒子の形状は特に限定されるものではなく、例えば、球状、鎖状、針状等を挙げることができる。
高屈折率層における樹脂および高屈折率粒子の含有量としては、高屈折率層全体としての屈折率が上記の屈折率を満たすように適宜設定される。また、低屈折率層における樹脂および低屈折率粒子の含有量としては、有機層全体としての屈折率が上記の屈折率を満たすように適宜設定される。例えば、高屈折率粒子または低屈折率粒子の含有量としては、有機層に含まれる樹脂100質量部当たり、20質量部〜90質量部の範囲内、中でも40質量部〜80質量部の範囲内、特に60質量部〜80質量部の範囲内であることが好ましい。粒子の含有量が多いと、有機層が脆くなったり有機層の形成が困難になったりする場合がある。また、粒子の含有量が少ないと、有機層の屈折率を調整することが困難になる場合がある。
有機層が有機材料として紫外線硬化樹脂を含有する場合、光重合開始剤を含有していてもよい。光重合開始剤としては、一般的なものから適宜選択することができる。
各有機層の厚さは、所望の屈折率を示すことができれば特に限定されないが、10nm〜50nmの範囲内であることが好ましく、各有機層の屈折率、有機層の積層数、屈折率調整層の層構成、高屈折率層および低屈折率層の積層順、透明基板およびタッチパネルセンサにおける透明電極層の屈折率、透明電極層の厚さ等に応じて適宜調整される。例えば屈折率調整層が2層の有機層で構成される場合、2層の有機層のうち少なくとも1層の有機層の厚さが15nm〜45nmの範囲内であることが好ましく、2層の有機層の厚さがそれぞれ20nm〜40nmの範囲内であることが好ましい。有機層の厚さが厚すぎると、透明電極層の骨見え抑制効果が十分に得られない場合があるからである。また、有機層の厚さが薄すぎると、透明基板上に有機層を均一に形成することが困難になるからである。
なお、有機層が表面に高屈折率粒子または低屈折率粒子による凹凸を有する場合には、上記の有機層の厚さは、高屈折率粒子または低屈折率粒子による凸部が存在しない部分の有機層の厚さをいう。
ここで、有機層の厚さについては、一般的な測定方法によって測定することができる。ここで、本発明に用いられる各構成の厚さの測定方法としては、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察像を用いて測定する方法、触針で表面をなぞり凹凸を検出することによって厚さを算出する触針式の方法や、分光反射スペクトルに基づいて厚さを算出する光学式の方法等を挙げることができる。具体的には、ケーエルエー・テンコール株式会社製の触針式厚さ計P−15を用いて厚さを測定することができる。なお、厚さとして、対象となる部材の複数箇所における厚さ測定結果の平均値が用いられてもよい。
屈折率調整層全体の厚さとしては、屈折率調整層を構成する各有機層が所定の厚さを有していればよいが、40nm〜80nmの範囲内であることが好ましい。屈折率調整層全体の厚さが薄すぎると、透明基板上に均一な屈折率調整層を形成することが困難となり、屈折率調整層全体の厚さが厚すぎると、透過率の低下や色味の影響が懸念されるからである。
屈折率調整層の透過率としては、80%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることが好ましく、特に95%以上であることが好ましい。屈折率調整層の透過率が低いと、本発明のタッチパネルセンサを表示装置に用いた場合に、表示画像が見にくくなる可能性があるからである。
ここで、屈折率調整層の透過率は、例えばヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業株式会社製)を用いて測定された全光線透過率である。
屈折率調整層の設計方法としては、公知の方法を適用することができ、例えば以下の方法を挙げることができる。
まず、タッチパネルセンサにおいて、透明電極層が形成されている領域と透明電極層が形成されていない領域との反射率の差、透過率の差および透過色差がそれぞれ所望の値となるように光学特性の目標値を設定する。次に、屈折率調整層を構成する各有機層の厚さおよび屈折率と、本発明のタッチパネルセンサに用いられる透明電極層の厚さおよび屈折率とに基づいて、シミュレーションにより透明電極層が形成されている領域と透明電極層が形成されていない領域との反射率の差、透過率の差、透過色差の光学特性の値を求める。次に、屈折率調整層の各有機層の厚さおよび屈折率を可変のパラメータとして、上記の光学特性の目標値を達成することが可能な屈折率調整層の各有機層の厚さおよび屈折率を算出する。これにより、屈折率調整層を設計することができる。上記シミュレーションは、例えば、サイバネットシステムズ(株)製の薄膜設計ソフトウェア(OPTAS−FILM)を用いて行うことができる。屈折率調整層の設計方法の詳細については、特開2012−146217号公報に記載の内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
屈折率調整層を構成する有機層の形成方法としては、透明基板上に有機層を均一に形成できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、透明基板上に、有機材料を含む有機層形成用塗工液を塗布し硬化させる方法が挙げられる。
有機層形成用塗工液は、必要に応じて溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、一般的なものを用いることができる。
有機層形成用塗工液の塗布方法としては、透明基板上に有機層形成用塗工液を均一に塗布できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、バーコート法等を挙げることができる。
有機層形成用塗工液の塗膜の硬化方法としては、有機材料の種類に応じて適宜選択されるものであり、加熱、紫外線や電子線の照射等が挙げられる。
2.透明基板
本発明における透明基板は、上記屈折率調整層、加飾層、配線層および透明電極層を支持するものである。
透明基板としては、タッチパネルセンサの支持基板として用いることができるものであれば特に限定されるものではなく、例えばガラス基板、樹脂基板等を用いることができる。ガラス基板の場合には、タッチパネルセンサの強度を高めることができ、また加熱温度等の製造条件の設定範囲を広くすることができる。一方、樹脂基板の場合には、タッチパネルセンサの軽量化を図ることができ、また有機層のみで構成される屈折率調整層との密着性を高めることができる。
透明基板は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。
透明基板の透過率としては、80%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることが好ましい。
ここで、透明基板の透過率は、JIS K 7105で規定する方法により測定した値(全光線)とする。
透明基板の屈折率としては、透明基板の材料等に応じて異なるものであるが、通常、1.40〜1.60の範囲内であり、中でも1.45〜1.55の範囲内であることが好ましい。
ここで、透明基板の屈折率は、550nmの波長においてエリプソメータを用いて測定して算出された値である。
透明基板の厚さは、タッチパネルセンサの支持基板として用いることができれば特に限定されないが、一般的には20μm〜1500μm程度である。
3.加飾層
本発明における加飾層は、透明基板上にパターン状に形成されるものであり、色材および有機材料を含むものである。加飾層は、配線層を隠すことができるとともに、意匠性を高める機能を有する。また、加飾層は、文字、図形、記号等の標章を表示するものとしても用いることができる。
加飾層に用いられる色材としては、タッチパネルセンサの用途に応じて適宜選択することができ、例えば黒色顔料、白色顔料、赤色顔料、黄色顔料、青色顔料、緑色顔料、紫色顔料等の着色顔料を用いることができる。着色顔料は1種単独で用いてもよく、同種類の色または異なる色の着色顔料を複数種類用いてもよい。
黒色顔料としては、例えばカーボンブラック、チタンブラック等が挙げられる。
加飾層に用いられる有機材料としては、加飾層の形成方法に応じて適宜選択される。
例えばフォトリソグラフィ法により加飾層を形成する場合、有機材料としては、感光性樹脂が用いられる。感光性樹脂としては、一般的なものを用いることができ、例えばアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ桂皮酸ビニル系樹脂、環化ゴム等の反応性ビニル基等の光反応性基を有する感光性樹脂が挙げられる。感光性樹脂は1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
アクリル系樹脂の場合、例えばアルカリ可溶性樹脂、多官能アクリレート系モノマー、光重合開始剤、その他添加剤等を含有する感光性樹脂組成物を樹脂成分として用いることができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、例えばベンジルメタクリレート−メタクリル酸共重合体等のメタクリル酸エステル共重合体、ビスフェノールフルオレン構造を有するエポキシアクリレート等のカルド樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
多官能アクリレート系モノマーとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
なお、本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタクリレートまたはアクリレートのいずれかであることを意味する。
光重合開始剤としては、例えばアルキルフェノン系、オキシムエステル系、トリアジン系、チタネート系等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
感光性樹脂組成物は、上記の他、光増感剤、分散剤、界面活性剤、安定剤、レベリング剤等の公知の各種添加剤を含むことができる。
また、加飾層には、カラーフィルタの着色層に用いられるカラーレジストを用いることもできる。
また、例えば印刷法により加飾層を形成する場合、有機材料としては、上記の屈折率調整層に用いられるものを使用することができる。
加飾層の厚さについては、タッチパネルセンサの用途に応じて適宜選択することができる。また、加飾層の形成方法としては、一般的なタッチパネルセンサの形成方法において用いられる方法と同様とすることができ、例えば、フォトリソグラフィ法、印刷法等を挙げることができる。
加飾層の呈する色としては、タッチパネルセンサの用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されない。例えば、加飾層の呈する色としては黒色であることが好ましい。加飾層の厚さを薄くすることができるため、透明基板表面の段差を小さくすることができ、屈折率調整層を均一な厚さで形成しやすいからである。
4.第2加飾層
本発明においては、必要に応じて、屈折率調整層上に第2加飾層が形成されていてもよい。第2加飾層は、上述した加飾層の色を補正する機能を有する層であり、通常、加飾層と同一のパターン形状で形成される。第2加飾層を有する場合、タッチパネルセンサにおいては、透明基板に対して、加飾層、屈折率調整層、第2加飾層、配線層の順に積層されて形成される。上記構成においては、タッチパネルセンサにおける操作者側からの光について、加飾層中の色材等により吸収することが可能となる。よって、屈折率調整層に含有される無機屈折率調整粒子と、配線層に含有される無機導電性材料との間で光による酸化還元反応が生じることを抑制することができるため、第2加飾層の退色については抑制することができると考えられる。
第2加飾層は、通常、色材および有機材料を含有する。第2加飾層に用いられる色材、有機材料、形成方法等については、上述した「3.加飾層」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
5.配線層
本発明における配線層は、上記加飾層上における上記屈折率調整層上にパターン状に形成され、無機導電性材料を含有するものである。
上記配線層は上記屈折率調整層上に直接形成されてもよく、他の層を介して形成してもよい。他の層とは、例えば、上述した第2加飾層、後述するオーバーコート層等を挙げることができる。
また、上記配線層は屈折率調整層上に直接形成されていることがより好ましい。本発明のタッチパネルセンサの経時的な意匠性の低下をより抑制することができるからである。
(1)配線層の構成
本発明における配線層は、無機導電性材料を含有する層である。配線層としては、所望の導電性を有していれば特に限定されず、例えば、後述する透明電極層であってもよく、金属電極層であってもよく、透明電極層および金属電極層の積層体であってもよい。
配線層が金属電極層である場合、無機導電性材料としては、例えば、銀、金、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体、これらのいずれかを主体とする金属合金、あるいは金属の複合体等を例示することができる。金属合金としては、APC、すなわち銀・パラジウム合金が汎用される。また、金属の複合体としては、MAM(Mo−Al−Mo、すなわちモリブデン・アルミニウム・モリブデンの3層構造体)等を挙げることができる。
本発明においては、中でも、配線層は透明電極層であることが好ましく、ITOを含むものであることが好ましい。
また、配線層の厚さとしては、所望の導電性を有していれば特に限定されないが、例えば、10nm〜300nmの範囲内、中でも20nm〜200nmの範囲内、特に30nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。配線層の厚さが薄すぎると、電極として十分に機能しない場合がある。また、配線層の厚さが厚すぎると、配線層にクラック、剥離等が生じやすくなる場合がある。
ここで、配線層の厚さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)の観察像を用いて測定することができる。
配線層が透明電極層である場合、無機導電性材料としては後述する金属酸化物を挙げることができる。
(2)配線層の電極
配線層は、上記加飾層上における上記屈折率調整層上にパターン状に形成されるものであり、通常、非アクティブエリアに形成されるものである。配線層を構成する電極としては、タッチパネルセンサの形態に応じて適宜選択することができる。例えば、タッチパネルセンサが静電容量方式である場合、取り出し配線、外部接続端子を挙げることができる。
(a)取り出し配線
本発明における取り出し配線は、後述するセンサ電極に接続されるものである。取り出し配線のパターン形状については、本発明のタッチパネルセンサの用途に応じて適宜選択される。
取り出し配線の線幅としては、一般的なタッチパネルセンサと同様とすることができ、例えば、0.01mm〜0.2mm程度とすることができる。
(b)外部接続端子
本発明における外部接続端子は、上記取り出し配線に接続され、例えば、フレキシブルプリント配線基板等のタッチパネルセンサの外部の構成との接続に用いられるものである。
外部接続端子の形成箇所および外部接続端子の材料については、タッチパネルセンサに一般的に用いられるものとすることができ、具体的には、上記取り出し配線と同様とすることができる。
外部接続端子の端子幅、厚さおよび平面視形状や、外部接続端子部内における外部接続端子間の間隔については、一般的なタッチパネルセンサと同様とすることができる。具体的には、特開2011−210176号公報に記載されるものと同様とすることができる。
(3)配線層の形成方法
本発明における配線層の形成方法としては、一般的なタッチパネルセンサにおける電極の形成方法と同様とすることができ、例えば、フォトリソグラフィ法を好適に用いることができる。また、配線層が金属電極層の場合は、導電性ペースト、金属ナノワイヤー等を含むインク等を用いてインクジェット法等の印刷法を用いることもできる。
(4)その他
本発明においては、上述した不可視化層に含まれる無機屈折率粒子が酸化チタンまたは酸化ジルコニウムであり、配線層に含まれる無機導電性材料がITOであることが好ましい。上記組み合わせにおいて、屈折率調整層、加飾層および配線層の順に積層された構成とした場合に、特に、光による加飾層の変色が生じやすいからである。
6.透明電極層
本発明における透明電極層は、屈折率調整層上にパターン状に形成され、金属酸化物を含有するものである。本発明のタッチパネルセンサは、通常、加飾層が形成されていない領域における屈折率調整層上にパターン状に形成された透明電極層を有する。透明電極層は、通常、アクティブエリア内に形成される。
上記透明電極層は、通常、金属酸化物を含有する。
金属酸化物としては、透明電極に用いられる一般的な導電性材料であれば特に限定されるものではなく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系等が挙げられる。また、これらの金属酸化物が2種以上複合された材料も用いることができる。
透明電極層の厚さとしては、所望の導電性を有する透明電極層を得ることができれば特に限定されるものではなく、例えば、10nm〜300nmの範囲内、中でも20nm〜200nmの範囲内、特に30nm〜150nmの範囲内であることが好ましい。透明電極層の厚さが薄すぎると、電極として十分に機能しない場合がある。また、透明電極層の厚さが厚すぎると、透明電極層にクラック、剥離等が生じやすくなる場合がある。
ここで、透明電極層の厚さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)の観察像を用いて測定することができる。
透明電極層の屈折率としては、透明電極層の材料に応じて適宜決定されるものであり、通常、透明基板の屈折率よりも高くなる。具体的には、透明電極層の屈折率は、1.70〜2.20程度であり、中でも1.80〜2.00の範囲内であることが好ましい。
ここで、透明電極層の屈折率は、550nmの波長においてエリプソメータを用いて測定して算出された値である。
透明電極層の形成方法としては、フォトリソグラフィ法を好適に用いることができる。具体的には、透明基板、加飾層および屈折率調整層が形成されたタッチパネルセンサ用基板を準備し、屈折率調整層上の全面に透明電極層を形成する。次に、透明電極層上にレジスト層を形成し、パターン露光および現像して、レジストパターンを形成する。次に、透明電極層の露出部分をエッチングして、レジストパターンを剥離する。これにより、所定のパターン状に透明電極層を形成することができる。
透明電極層の成膜方法としては、一般的な方法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いる方法を挙げることができる。
また、透明電極層のエッチングに用いられるエッチング液としては、透明電極層を構成する金属酸化物に応じて適宜設定されるものである。具体的には、透明電極層がITOからなる場合には、塩化第二鉄と塩酸との混合水溶液や塩酸、シュウ酸、臭化水素酸等を用いることができる。
レジストについては、一般的なフォトリソグラフィ法に用いられているものと同様とすることができる。また、レジストの現像液、レジストの剥離液としては、例えば、水酸化カリウム水溶液等を挙げることができる。
透明電極層は、本発明のタッチパネルセンサを構成する電極であればよく、このような電極としては、後述するように、例えばセンサ電極、導電部、取り出し配線、外部接続端子等が挙げられる。中でも、透明電極層は、少なくともセンサ電極であることが好ましい。また、上述した配線層が、透明電極層で構成されていてもよい。
(1)センサ電極
本発明におけるセンサ電極は、アクティブエリア内に形成され、接触位置を検出するために用いられるものであり、互いに絶縁された第1電極および第2電極を有するものである。
なお、第1電極および第2電極が互いに絶縁されているとは、両電極が電気的に接続されていないことをいう。
センサ電極は、上記透明電極層であってもよく、透明電極層でなくてもよいが、透明電極層であることが好ましい。
センサ電極の平面視形状、平面視外形形状としては、例えば、特開2011−210176号公報、特開2010−238052号公報、特許第4610416号公報、特開2010-286886号公報、特開2004-192093号公報、特開2010-277392号公報や特開2011−129501号公報、特開2013−156773号公報、特開2013−143059号公報に挙げられるような一般的なタッチパネルセンサに用いられるものと同様とすることができる。
センサ電極の平面視形状としては、開口部を含まない面状であることが好ましい。また、センサ電極の平面視外形形状としては、具体的には長方形、平面視略正方形形状等の多角形状等とすることができる。
また、第1電極および第2電極の透明基板に対する形成箇所としては、タッチパネルセンサのアクティブエリア内であって両電極が絶縁されるように形成されていれば特に限定されない。例えば図1(a)〜(c)に示すように、透明基板2上に屈折率調整層4が形成され、屈折率調整層4上に第1電極13aおよび第2電極13bの両方が形成されていてもよく、図2(a)、(b)に示すように、透明基板2上に屈折率調整層4が形成され、屈折率調整層4上に第2電極13bが形成され、絶縁層15を介して第1電極13aが形成されていてもよい。また、図示しないが、透明基板および屈折率調整層を有する基板を2枚準備し、各基板の屈折率調整層上にそれぞれ第1電極および第2電極を別々に形成してもよい。この場合、少なくとも操作側に配置される基板については、上記加飾層を有する。
なお、図2(a)、(b)は本発明のタッチパネルセンサの他の例を示す概略平面図および断面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図である。図2(a)、(b)に示す例においては、第1電極13aおよび第2電極13b、ならびに第1電極13a同士を接続する第1導電部14aおよび第2電極13b同士を接続する第2導電部14bが、透明電極層6となっている。図2(a)において説明を容易にするため絶縁層および加飾層を省略している。
センサ電極の形成方法としては、センサ電極が上記透明電極層である場合、上記透明電極層の形成方法と同様とすることができる。
(2)導電部
本発明における導電部は、上記センサ電極を構成する第1電極間および第2電極間をそれぞれ接続する第1導電部および第2導電部を有するものである。通常、第1導電部および第2導電部はその一部が平面視上重なるように形成される。
導電部は、上記透明電極層であってもよく、透明電極層でなくてもよい。
導電部が上記透明電極層ではない場合、導電部に用いられる導電性材料としては、例えば、アルミニウム、モリブデン、銀、クロム等の金属およびその合金等を用いることができる。
導電部の平面視外形形状としては、一般的なタッチパネルセンサと同様とすることができ、例えば、センサ電極の平面視外形形状より幅の狭いライン形状、センサ電極の平面視外形形状と同等の幅を有するライン形状等とすることができる。
また、第1導電部および第2導電部の形成箇所としては、第1電極間および第2電極間をそれぞれ安定的に接続でき、かつ、両者が絶縁されるように形成されるものであれば特に限定されるものではない。例えば、既に説明した図2に示すように第1電極13aおよび第2電極13bが異なる表面上または異なる部材上に形成されている場合には、第1導電部14aおよび第2導電部14bをそれぞれ第1電極13aおよび第2電極13bと同一表面上に形成することができる。また、図1に示すように第1電極13aおよび第2電極13bの両者が屈折率調整層3の同一表面上に形成されている場合には、第1導電部14aおよび第2導電部14bの少なくとも一方を絶縁層15を介して形成することができる。
導電部の形成方法としては、導電部が上記透明電極層である場合、上記透明電極層の形成方法と同様とすることができる。また、導電部が上記透明電極層ではない場合、導電部の形成方法としては、フォトリソグラフィ法の他、インクジェット法を挙げることができる。
7.その他の構成
本発明のタッチパネルセンサは、上記の透明基板と加飾層と屈折率調整層と配線層と透明電極層とを有するものであればよく、必要に応じて他の構成を有していてもよい。他の構成としては、例えば、絶縁層、オーバーコート層、赤外線吸収層、前面板等を挙げることができる。
(1)絶縁層
本発明においては、必要に応じて絶縁層が形成されていてもよい。絶縁層は、上記センサ電極を構成する第1電極および第2電極間や、上記導電部を構成する第1導電部および第2導電部間の短絡を防止するために形成されるものである。
絶縁層の詳細については、例えば特開2013−210733号公報に記載のものと同様とすることができる。
(2)オーバーコート層
本発明においては、図3に示すように、第1電極(図示なし)および第2電極13b等のセンサ電極、第1導電部14aおよび第2導電部14b等の導電部および取り出し配線51等の配線層5を覆うようにオーバーコート層7が形成されていてもよい。また、本発明においては、例えば、図4に示すように加飾層3上にパターン状にオーバーコート層7が形成されていてもよい。また、図示はしないが、オーバーコート層は、屈折率調整層と配線層およびタッチパネルセンサの電極との間に形成されていてもよい。
なお、図3および図4は本発明のタッチパネルセンサの他の例を示す概略断面図であり、図3および図4において説明していない符号については、図1において説明した符号と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
オーバーコート層としては、絶縁性および透明性を有するものであればよい。絶縁性および透明性を有する被覆層の材料としては、例えばアクリル樹脂等の有機材料や酸化ケイ素等の無機材料等を挙げることができる。
(3)赤外線吸収層
本発明においては、センサ電極、導電部および配線層を覆うように赤外線吸収層が形成されていてもよい。赤外線吸収層としては、絶縁性および透明性を有するものであれば特に限定されず、一般的なタッチパネルセンサに用いられるものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
(4)前面板
本発明においては、タッチパネルセンサの操作面側の最表面に前面板が配置されていてもよい。前面板としては、タッチパネルセンサに用いられる一般的なものを使用することができる。
本発明においては、透明基板が前面板を兼ねることが好ましい。この場合、前面板一体型タッチパネルセンサとすることができる。
8.用途
本発明のタッチパネルセンサは、表示装置用のタッチパネルセンサとして用いられることが好ましい。本発明のタッチパネルセンサを用いた表示装置は、例えば、表示パネルと、表示パネルの表面上に配置されたタッチパネルセンサとを有するものである。
タッチパネルセンサおよび表示パネルは、通常、接着層を介して貼合される。接着層には、例えばOCAと称される光学用透明接着剤を用いることができる。
表示パネルとしては、タッチパネルセンサを適用可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば液晶パネル、有機ELパネル、電子ペーパー等のフラットディスプレイパネルが挙げられる。
B.タッチパネルセンサ用基板
本発明のタッチパネルセンサ用基板は、透明基板と、上記透明基板上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含有する加飾層と、上記加飾層が形成された上記透明基板上に形成され、無機屈折率調整粒子および有機材料を含有する屈折率調整層とを有することを特徴とするものである。
本発明のタッチパネルセンサ用基板について図を用いて説明する。
図5は本発明のタッチパネルセンサ用基板の一例について説明する概略断面図である。図5に示すように、本発明のタッチパネルセンサ用基板1は、透明基板2と、透明基板2上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含有する加飾層3と、加飾層3が形成された透明基板2上に形成され、無機屈折率調整粒子および有機材料を含有する屈折率調整層4とを有することを特徴とするものである。屈折率調整層4については、上述した図1において説明したものと同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明によれば、タッチパネルセンサとした場合に、透明基板上に加飾層、屈折率調整層および配線層の順に積層された構成を有することにより、加飾層の耐光性を良好なものとすることができ、経時的な意匠性の低下を抑制することができる。
本発明に用いられる各構成については、上述した「A.タッチパネルセンサ」の項に記載された内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、本発明においては、必要に応じて、屈折率調整層上の全域に透明電極層が形成されていてもよい。透明電極層については、上述した「A.タッチパネルセンサ」の項に記載された内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明のタッチパネルの詳細について説明する。
[準備]
(共重合樹脂溶液の調製)
重合槽中にメタクリル酸メチル(MMA)を63質量部、アクリル酸(AA)を12質量部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル(HEMA)を6質量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMDG)を88質量部仕込み、攪拌し溶解させた後、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を7質量部添加し、均一に溶解させた。その後、窒素気流下、85℃で2時間攪拌し、更に100℃で1時間反応させた。得られた溶液に、更にメタクリル酸グリシジル(GMA)を7質量部、トリエチルアミンを0.4質量部、及びハイドロキノンを0.2質量部添加し、100℃で5時間攪拌し、共重合樹脂溶液(固形分50%)を得た。
(硬化性樹脂組成物の調製)
次に下記材料を室温で攪拌、混合して硬化性樹脂組成物を得た。
<硬化性樹脂組成物の組成>
・上記共重合樹脂溶液(固形分50%) 16質量部
・ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(サートマー社 SR399) 24質量部
・オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(油化シェルエポキシ社 エピコート180S70) 4質量部
・2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン
4質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 52質量部
(加飾層形成用組成物の調製)
まず、下記材料を混合し、サンドミルにて十分に分散し、黒色顔料分散液を調製した。
<黒色顔料分散液の組成>
・黒色顔料 23質量部
・高分子分散剤(ビックケミー・ジャパン(株) Disperbyk111) 2質量部
・溶剤(ジエチレングリコールジメチルエーテル) 75質量部
次に、下記材料を室温で攪拌、混合して加飾層形成用組成物を調製した。
<加飾層形成用組成物の組成>
・上記黒色顔料分散液 61質量部
・上記硬化性樹脂組成物 20質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 30質量部
(屈折率調整層形成用組成物の調製)
次に、下記材料を室温で攪拌、混合して屈折率調整層形成用組成物を調製した。
<屈折率調整層形成用組成物の組成>
・屈折率調整用分散液 8.9質量部
・ジエチレングリコールジメチルエーテル 61.1質量部
・シクロヘキサノールアセテート 30質量部
屈折率調整用分散液は、屈折率調整粒子として、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子を含む紫外線硬化性樹脂組成物であり、屈折率調整層の屈折率n=1.58となるように調合されたものである。
[実施例]
(加飾層の形成)
透明基板として厚み1.1mmのガラス基板(旭硝子(株)製 AN材、屈折率n=1.5)上に上記加飾層形成用組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、膜厚約1.5μmの加飾層形成用層を形成した。上記加飾層形成用層を、超高圧水銀ランプで枠状のパターンに露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、上記透明基板を180℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して加飾層を形成した。
(屈折率調整層の形成)
加飾層が形成された透明基板上に屈折率調整層形成用組成物をスピンコートで塗布し80℃で3分間乾燥させ、メタルハライドランプにて全面露光した後、230℃で25分焼成し膜厚60nmの屈折率調整層を形成した。
(オーバーコート層の形成)
上記屈折率調整層上に上記硬化性樹脂組成物をスピンコーターで塗布し、100℃で3分間乾燥させ、膜厚約3μmのオーバーコート層形成用層を形成した。上記基板を、超高圧水銀ランプでパターン露光した後、0.05wt%水酸化カリウム水溶液で現像し、その後、上記透明基板を200℃の雰囲気下に30分間放置することにより加熱処理を施して加飾層上にオーバーコート層(保護層)を形成した。
(配線層およびタッチパネルセンサの電極の作製)
次に、加飾層が形成されている領域において、上記オーバーコート層上にフォトリソグラフィ法によりITOから構成される取り出し配線および外部接続端子をパターン状に形成した。次いで、アクティブエリアにおける屈折率調整層上にフォトリソグラフィ法によりITOから構成される透明電極層をパターン状に形成し、図1(a)〜(c)に例示するような第1電極および第2電極を有するセンサ電極と第2導電部とを形成した。透明電極層の厚さは1300Åとした。次いで、第2導電部を覆うように絶縁層を形成し、絶縁層上に第1導電部を形成した。
以上により、配線層およびタッチパネルセンサの電極を形成した。
[比較例]
タッチパネルセンサの層構成を、透明基板に対して、屈折率調整層、加飾層、オーバーコート層、ならびに配線層およびタッチパネルセンサの電極の順に形成したこと以外は、実施例と同様にして、タッチパネルセンサを得た。
[評価]
実施例および比較例のタッチパネルセンサについて、株式会社東精機製作所製 Xenon Weather meter Ci4000を用いて、耐光性試験を100時間実施した。試験前の色度と試験後の色度を比較し、加飾層において、配線層が形成されている領域の反射光と配線層が形成されていない領域の反射光との色差ΔEab を求めた。色度は、タッチパネルセンサにおいて加飾層等が形成された表面側とは反対側(操作面側)からの加飾層の色度を求めた。結果を表1に示す。
ここで、ΔEab は、下記式(1)により算出される。
ΔEab =[(ΔL2+(Δa2+(Δb21/2 (1)
ΔEab :色差
ΔL:配線層が形成されている領域のLと配線層が形成されていない領域のLとの差
Δa:配線層が形成されている領域のaと配線層が形成されていない領域のaとの差
Δb:配線層が形成されている領域のbと配線層が形成されていない領域のbとの差
、aおよびb:L表色系の値
Figure 2016076174
表1に示すように、実施例においては、耐光試験の前後において、加飾層において配線層が形成されている領域と、配線層が形成されていない領域との色差については、変化の少ないものとすることができた。一方、比較例においては、耐光試験の前後において、加飾層において配線層が形成されている領域と、配線層が形成されていない領域との色差が大きくなった。実施例と比較例の耐光性前後のΔEab の値で大きく差が出ており、本発明により骨見えが軽減されることがわかった。
また、目視で評価した場合も、実施例においては、耐光試験の前後において、操作面側から加飾層を観察した場合において配線層のパターンは確認されなかった。一方、比較例においては、耐光試験前においては操作面側から加飾層を観察した場合において配線層のパターンは確認されなかったが、耐光試験後においては操作面側から加飾層を観察した場合において、配線層のパターンが確認された。
1 … タッチパネルセンサ用基板
2 … 透明基板
3 … 加飾層
4 … 屈折率調整層
5 … 配線層
6 … 透明電極層
10 … タッチパネルセンサ
13a … 第1電極
13b … 第2電極
14a … 第1導電部
14b … 第2導電部

Claims (2)

  1. 透明基板と、
    前記透明基板上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含有する加飾層と、
    前記加飾層が形成された前記透明基板上に形成され、無機屈折率調整粒子および有機材料を含有する屈折率調整層と、
    前記加飾層上における前記屈折率調整層上にパターン状に形成され、無機導電性材料を含有する配線層と、
    前記屈折率調整層上にパターン状に形成され、金属酸化物を含む透明電極層と、
    を有することを特徴とするタッチパネルセンサ。
  2. 透明基板と、
    前記透明基板上にパターン状に形成され、色材および有機材料を含有する加飾層と、
    前記加飾層が形成された前記透明基板上に形成され、無機屈折率調整粒子および有機材料を含有する屈折率調整層と
    を有することを特徴とするタッチパネルセンサ用基板。
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