JP2013235315A - タッチパネルセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、金属電極における外光等の反射を抑え、視認性に優れたタッチパネルセンサを提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、透明基材と、上記透明基材の表面上に形成された金属配線部、および上記金属配線部に形成された微粒子を含む低反射層を有する金属電極と、を少なくとも有し、上記低反射層が、使用者から視認される側に位置することを特徴とするタッチパネルセンサを提供することにより、上記課題を解決するものである。
【選択図】図3

Description

本発明は、金属電極における外光等の反射を抑え、視認性に優れたタッチパネルセンサに関する。
近年、入力手段としてタッチパネルが広く用いられている。一般にタッチパネルは、入出力する情報を処理する情報処理部並びに情報入力に対するタッチパネルセンサ、タッチパネルセンサ上への接触位置を検出する制御回路およびタッチパネルセンサと当該情報処理部とを接続する配線を有する基板等を含んでおり、タッチパネルは多くの場合、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ(有機EL)又はプラズマディスプレイ(PDP)等の表示装置が組み込まれた種々の機器等(例えば、パーソナルコンピュータのディスプレイ、券売機等の販売機、ATM(現金自動預け払い機)、携帯電話、携帯情報端末、電子書籍端末、コピー機、デジタルオーディオプレーヤー、ゲーム機およびカーナビゲーション)に対する入力手段として表示装置とともに用いられている。このとき、タッチパネルは表示装置の組み込まれた機器の表示面上に配置され、その機器に対する直接的な入力を可能にする。
タッチパネルの方式は、入力位置の検出方法により、抵抗膜方式、静電容量方式、光学方式、電磁誘導方式、超音波方式等があり、中でも、光学的に明るいこと、意匠性があること、構造が容易であることおよび機能的に優れていること等の理由から静電容量方式(「容量結合方式」又は「静電容量結合方式」ともいう。)のタッチパネルが注目されている。静電容量方式と呼ばれるものは、第1電極/電極間絶縁層/第2電極の層構造を有するタッチパネルセンサと、電極への電力供給や検知信号の出力のためにタッチパネルセンサの外部接続端子に接続されるフレキシブルプリント配線板(以下、FPCと称する場合がある。)とを有するものが用いられる(例えば、特許文献1〜5)。そして、タッチパネルの表面のタッチパネル面に微弱な電流を流して電界を形成し、指等の導電体が軽く触れた場合の静電容量値の変化を電圧の低下等に変換して検知することにより得られた接触位置を信号として出力する。
静電容量方式に用いられるタッチパネルセンサとしては、一般的には、一対の対向する透明基板上に電極および外部接続端子が形成されたものが知られている(例えば、特許文献1〜4)。また、別の態様としては、電極および外部接続端子が一枚の透明基板の両面にそれぞれ形成されたもの(以下、両面タイプタッチパネルセンサとする場合がある。)が知られている(例えば、特許文献5)。
また、タッチパネルセンサに用いられる電極としては、通常、視認性向上の観点から透明な材料からなる透明電極が用いられるが(例えば、特許文献1〜5)、近年の高感度化の要請により非透明な金属材料からなるもの(以下、金属電極とする場合がある。)も検討されている(例えば、特許文献6〜10)。
ここで、金属電極を用いる場合には、金属電極が有する金属光沢による視認性低下に対して金属電極に黒化処理等の低反射処理を施し、視認性向上を図ることがある(例えば、特許文献10)。しかしながら、金属電極に黒化処理を施す場合、例えば、特許文献11に開示される、酸化テルル、塩酸、酢酸および水等の混合液からなる金属黒化処理剤を用いて金属電極を酸化させて黒色化させるため、金属電極全体の抵抗が低下するという問題があった。
特開2009−64343号公報 特開平9−146680号公報 特許第2587975号 特開2011−124332号公報 特開2011−76514号公報 特許第4610416号 特開2010-286886号公報 特開2004-192093号公報 特開2010-277392号公報 特開2009-251785号公報 特開2006−233327号公報
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、金属電極における外光等の反射を抑え、視認性に優れたタッチパネルセンサを提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、透明基材と、上記透明基材の表面上に形成された金属配線部、および上記金属配線部に形成された微粒子を含む低反射層を有する金属電極と、を少なくとも有し、上記低反射層が、使用者から視認される側に位置することを特徴とするタッチパネルセンサを提供する。
本発明によれば、金属配線部に微粒子を含む低反射層が形成されていることにより、金属電極がタッチパネルセンサの使用者から視認されるアクティブエリア内に形成される際に、金属配線部の表面が露出している場合と比較して、視認側に入る外光等の反射を抑えることができ、また、本発明のタッチパネルセンサを表示部として用いた際に、表示部からの出射光が金属配線部の表面で反射されて表示部に戻り映り込むことを防ぐため、視認性に優れたものとすることができる。
さらに、従来の黒化処理とは異なり、金属配線部を酸化させることなく低反射処理を施すことができるため、金属配線部の酸化により金属電極全体の抵抗が変化することを抑制できる。
上記発明においては、上記低反射層に含まれる上記微粒子が、黒色の有機顔料または無機顔料であることが好ましい。黒色の有機顔料または無機顔料は低い光反射率を有するため、低反射層を形成する微粒子として上記黒色の有機顔料または無機顔料を用いることにより、上記低反射層が有する外光等の反射や表示部からの出射光等の反射を抑制する働きをさらに高めることができるからである。
また、本発明においては、透明基材と、上記透明基材の表面上に形成された金属配線部、および上記金属配線部に形成された微粒子を含む低反射層を有する金属電極と、を少なくとも有し、上記低反射層が、使用者から視認される側に位置するタッチパネルセンサの製造方法であって、上記低反射層がインクジェット法により形成されることを特徴とするタッチパネルセンサの製造方法を提供する。
本発明によれば、低反射層がインクジェット法を用いて形成されることにより、金属配線部を酸化させることなく低反射処理を施すことができ、金属配線部の表面が露出している場合と比較して、視認側に入る外光等の反射を抑えることができ、また、本発明の製造方法により製造されたタッチパネルセンサを表示部として用いた際に、表示部からの出射光が金属配線部の表面で反射されて表示部に戻り映り込むことを防ぐため、視認性に優れたタッチパネルセンサを得ることができる。
上記発明においては、上記金属配線部がインクジェット法により形成されることが好ましい。上述した低反射層と同様にインクジェット法を用いることにより、金属配線部と低反射層とを一括形成することができるからである。
本発明によれば、金属配線部と、上記金属配線部に形成された微粒子を含む低反射層とを有する金属電極を用いることにより、低反射処理による金属電極の抵抗変化を生じることなく、金属配線部の表面が露出している場合と比較して視認側に入る外光等の反射を抑えることができ、また、表示部として用いた際に、表示部からの出射光が金属配線部の表面で反射されて表示部に戻り映り込むことを防ぎ、視認性に優れたタッチパネルセンサとすることができるという効果を奏する。
本発明のタッチパネルセンサにおける金属電極の一部を示した簡略説明図である。 本発明のタッチパネルセンサの一例を示す概略平面図である。 図2のA−A線断面図である。 本発明のタッチパネルセンサの他の例を示す概略断面図である。 本発明のタッチパネルセンサの他の例を示す概略平面図である。 図5のB−B線断面図である。 本発明のタッチパネルセンサの製造方法の一例を示す工程図である。
以下、本発明のタッチパネルセンサおよびタッチパネルセンサの製造方法について、詳細に説明する。
A.タッチパネルセンサ
本発明のタッチパネルセンサについて説明する。本発明のタッチパネルセンサは、透明基材と、上記透明基材の表面上に形成された金属配線部、および上記金属配線部に形成された微粒子を含む低反射層を有する金属電極と、を少なくとも有し、上記低反射層が、使用者から視認される側に位置することを特徴とするものである。
まず、本発明のタッチパネルセンサについて図面を参照して説明する。図1は、本発明における金属配線部および低反射層の配置を具体的に説明するために、金属電極の一部を図示した本発明のタッチパネルセンサの簡略説明図である。なお、図1は、タッチパネルセンサを平面座標上に置いた時にX軸断面から見た図であり、Y軸方向に沿って金属電極が延在しているものである。また、タッチパネルの使用者はZ軸方向から視認するものである。
図1(a)に例示するように、本発明のタッチパネルセンサ10は、透明基材1と、上記透明基材1の表面上に形成された金属配線部3、および上記金属配線部3に形成された微粒子を含む低反射層4を有する金属電極2とを有するものである。
なお、この例においては、上記金属電極2はタッチパネルの使用者から視認されるアクティブエリア(図示せず)に形成されており、引き回し配線部5はアクティブエリアの外側の非アクティブエリア内に形成され、金属電極2および外部接続端子と接続されているものである。
本発明のタッチパネルセンサは、図1(a)に例示されるように、透明基材の少なくとも一方の表面上に金属電極を有するものであるが、通常は、図2および図3に例示するように、少なくとも2つの金属電極が、透明基材の一方の表面上、つまり、同一平面上に互いに略垂直になるように形成されるもの(第1態様)、および、図5および図6に例示するように、少なくとも2つの金属電極が、透明基材の両面に上記透明基材を介して互いに略垂直となるように形成されるもの(第2態様)である。なお、図2、図3に例示する第1態様、および、図5、図6に例示する第2態様については、後ほど詳細に説明するため、ここでの説明は省略する。
また、本発明のタッチパネルセンサは、金属電極の低反射層がタッチパネルセンサの使用者から視認される側に位置することを特徴とするものである。すなわち、使用者から視認される側が透明基材の金属電極を有さない面側か、透明基材の金属電極が形成されている面側か、によって、金属配線部および低反射層の形成される順が異なるものである。図1(a)に例示するように、使用者から視認される側Aが、透明基材1の金属電極2を有する面側である場合は、本発明のタッチパネルセンサ10は、透明基材1上に金属配線部3、低反射層4の順で形成された金属電極2を有するものとなり、一方、図1(b)に例示するように、使用者から視認される側Aが、透明基材1の金属電極2を有さない面側である場合は、本発明のタッチパネルセンサ10は、透明基材1上に低反射層4、金属配線部3の順で形成された金属電極2を有するものとなる。
本発明によれば、金属配線部の使用者から視認される側に低反射層が形成されることにより、従来、低反射処理の方法として用いられてきた、酸化テルル、塩酸、酢酸および水等の混合液を用いて金属配線部を酸化させることにより黒化処理を行う方法とは異なり、金属配線部を酸化させることなく表面に低反射処理を施すことが可能となる。
これにより、上記金属配線部と上記低反射層とを有する金属電極においては、従来の黒化処理のように金属配線部の酸化による金属電極の抵抗の低下を発生させることなく、金属配線部の表面が露出している場合と比較して視認側に入る外光等の反射を抑えることができ、また、本発明のタッチパネルセンサを表示部として用いた際に、表示部からの出射光が金属配線部の表面で反射されて表示部に戻り映り込むことを防ぐため、視認性に優れたものとすることできる。
本発明のタッチパネルセンサは、透明基材および金属電極を少なくとも有するものである。
以下、本発明のタッチパネルセンサにおける各構成について説明する。
1.金属電極
本発明における金属電極は、透明基材の表面上に形成された金属配線部、および上記金属配線部に形成された微粒子を含む低反射層を少なくとも有するものである。また、上記低反射層が、使用者から視認される側に位置するものである。なお、金属電極は、通常、タッチパネルセンサの使用者から視認されるアクティブエリア内に形成されるものである。
以下、金属電極の各構成について分けて説明する。
(1)低反射層
本発明における低反射層は、後述する微粒子を含み、後述する金属配線部に形成されるものであり、金属配線部の表面が露出している場合と比較して、金属電極における外光等の反射や表示部からの出射光等の反射を低減することができる機能(以下、上記の機能を「低反射性」と称する場合がある。)を有するものである。
具体的には、低反射層が金属配線部に形成されることにより、使用者が視認する際に、金属電極が有する金属配線部の表面が露出している場合と比較して、上記金属電極において視認側に入る外光等の反射を低減する機能を有するものである。そのため、上記低反射層は使用者から視認される側に位置するものである。
また、本発明における低反射層は、低反射性のほかに、絶縁性および保護性を有していても良い。
(a)微粒子
本発明における微粒子は、低反射層に含まれるものであり、上記低反射層に対して、金属配線部の表面が露出している場合と比較して、金属配線部の表面に生じる外光等の反射や表示部からの出射光等の反射を低減する機能を付与することができるものである。なお、以下の説明においては、本発明における微粒子の効果をさらに明確なものとするために、「微粒子」を「低反射微粒子」と称して説明する場合がある。
上記低反射微粒子の材料は、金属電極において視認側に入る外光等の反射や表示部からの出射光等の反射を低減することができるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、低反射性を発揮できる暗色を有する有機顔料および無機顔料を用いることができ、中でも、黒色、グレー色、紺色、深緑等の暗色系の有機顔料および無機顔料を用いることが好ましく、特に、最も低い光反射率を有することから、黒色の有機顔料および無機顔料を用いることが好ましい。具体的には、カーボンブラック、黒色酸化チタン、酸窒化チタン、窒化チタン、炭窒化チタン、Cu、Fe、Mn、V、Ni、Co、Zr等の複合酸化物、黒色酸化鉄や二酸化マンガン等の金属酸化物といった黒色無機顔料およびその混合物、アニリンブラック等の黒色有機顔料、ジアントラキノン、ハロゲン化銅フタロシアニン、銅フタロシアニン、その他のフタロシアニン系顔料、ペリレン系顔料、ピラントロン系顔料等の多環キノン系顔料、インジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ピロール系顔料、ピロロピロール系顔料、アゾ系顔料等の有機顔料といった着色剤において、単独または任意の組合せで混合して黒色となる着色剤等を挙げることができる。
本発明における低反射微粒子としては、特に、カーボンブラック、黒色酸化チタンおよびその混合物等を用いることが好ましい。
また、本発明における低反射微粒子として上記の黒色の有機顔料および無機顔料を用いる以外に、使用者から視認される側から見て低反射層の下に位置する層の色と同系色の低反射微粒子を用いることにより、金属電極を目立たなくさせても良い。
本発明における低反射微粒子の平均粒径は、1nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、5nm〜50nmの範囲内であることがより好ましく、10nm〜20nmの範囲内であることがさらに好ましい。低反射微粒子の平均粒径が上記範囲より大きすぎると、低反射層の形成方法としてインクジェット法を用いる場合、インクジェットのノズルから吐出されない可能性があり、一方、上記範囲より小さすぎると、金属配線部に所望の光反射率を有する低反射層を形成させるために低反射微粒子の量を過剰に用いる必要があり、また、有機顔料は粒径が小さくなりすぎると耐光性が低下する恐れがあるからである。なお、上記低反射微粒子の平均粒径の値は、動的光散乱法により得ることができる。また、低反射微粒子の平均粒径の測定方法としては、動的光散乱法の他にレーザー回折法や遠心沈降法を用いて求めることができる。
本発明において低反射微粒子を用いて形成される低反射層は、上記低反射微粒子同志が焼結により接着されたものであってもよく、また、後述するバインダー樹脂を介して低反射微粒子同志が接着されたものであってもよい。
(b)その他材料
本発明における低反射層に含まれる材料としては、上述した低反射微粒子の他に、バインダー樹脂を含有していてもよい。バインダー樹脂を含有することにより、低反射微粒子同志がバインダー樹脂を介して接着し、低反射層を形成することが可能となるからである。
上記バインダー樹脂の種類としては、カラーフィルタにおける樹脂製のブラックマトリックス等に一般的に用いられる材料を本発明においても使用することができ、後述する低反射層の形成方法に応じて適宜選択することができる。例えば、上記低反射層がインクジェット法により形成される場合においては、熱により硬化する熱硬化性樹脂や、可視光線、紫外線、電子線等により硬化する光硬化性樹脂を用いることができる。本発明においては、中でも熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。低反射層の形成において露光や現像等を行う必要がないため、工程回数を減らすことができ、また、後述する金属配線部が例えばインクジェット法を用いて形成される場合に、焼結処理により低反射層と金属配線部とを同時に硬化させることができるからである。
上記バインダー樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合、上記熱硬化性樹脂としては、1分子中に熱硬化性官能基を2個以上有するもの好ましく、例えば、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。中でも、熱硬化性官能基としてエポキシ基を有するエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
上記バインダー樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、1分子中に有するエポキシ基の数としては、2個以上が好ましく、2個〜50個の範囲内がより好ましく、2個〜20個の範囲内がさらに好ましい。また、上記エポキシ基は、オキシラン環構造を有する構造であればよく、例えば、グリシジル基、オキシエチレン基、エポキシシクロヘキシル基等を示すことができる。
上記エポキシ樹脂としては、カルボン酸により硬化することが可能な公知のものを挙げることができ、このようなエポキシ樹脂は、例えば、新保正樹編「エポキシ樹脂ハンドブック」日刊工業新聞社刊(昭和62年)等に広く開示されており、これらを用いることが可能である。
上記熱硬化性樹脂の重量平均分子量としては、例えば、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に3,000〜20,000の範囲内であることが好ましく、4,000〜15,000の範囲内であることがより好ましい。上記範囲よりも熱硬化性樹脂の重量平均分子量が大きいと、粘度上昇が起こりやすくなり、インクジェット法を用いる際に吐出量の安定性や吐出方向の直進性が悪くなる可能性があるからである。
なお、本発明において用いられる熱硬化性樹脂は、1種類であってもよく、2種類以上を併用しても良い。また、上記熱硬化性樹脂を用いる場合には、硬化剤と組み合わせて用いることが好ましく、熱硬化反応を促進させるために触媒等を用いても良い。
一方、上記バインダー樹脂として光硬化性樹脂を用いる場合、上記光硬化性樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する光硬化性樹脂を挙げることができる。通常は、電子線硬化性樹脂または紫外線硬化性樹脂が用いられる。上記光硬化性樹脂として、具体的には、特開2006−106503号公報に記載されているものを用いることができる。
上記光硬化性樹脂の重量平均分子量としては、例えば、ポリスチレン換算重量平均分子量で表した時に、5,000〜20,000の範囲内であることが好ましく、5,000〜15,000の範囲内にあることがより好ましい。上記範囲よりも光硬化性樹脂の重量平均分子量が大きいと、インクジェット法を用いる際に溶剤に溶解しにくくなったり、インク粘度が高くなることにより流動性や吐出性が悪くなる可能性があるからである。
なお、本発明において用いられる光硬化性樹脂は、1種類であってもよく、2種類以上を併用しても良い。また、紫外線硬化性樹脂を使用する場合には、バインダー樹脂に光重合開始剤が単独または複数組み合わせて使用される。また、紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を用いてもよい。
また、上記バインダー樹脂の含有量としては、低反射層に含有される固体分100重量部当り、10重量部〜90重量部の範囲内であることが好ましく、中でも、20重量部〜80重量部の範囲内であることが好ましい。上記バインダー樹脂の含有量が上記範囲よりも多すぎると、低反射層に含まれる低反射微粒子の含有量が相対的に減り、低反射層の光反射率が増加する可能性があるからである。
本発明における低反射層は上記バインダー樹脂の他に、アクリレート基、メタクリレート基、エポキシ基、イソシアネート基等の架橋性基を有する低分子量の架橋性多官能化合物を含んでいても良い。
(c)低反射層
本発明における低反射層は、図1(a)で例示するように、金属配線部において使用者から視認される側に少なくとも形成されていれば良く、図1(c)で例示するように、金属配線部3の側面を含む全ての面を覆うように低反射層4が形成されていても良い。
また、本発明における低反射層は、金属配線部の他に、後述するタッチパネルの構成部位である引き回し配線部に形成されていてもよい。この場合、低反射層は、引き回し配線部を外部損傷から保護する保護層および絶縁層として用いることができるからである。
本発明における低反射層単体での平均の光反射率としては、金属電極における視認側に入る外光等の反射や表示部からの出射光等の反射を十分に抑制できるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、380nm〜800nmの波長領域における平均の光反射率が、5%以下であることが好ましく、中でも、3%以下であることが好ましく、特に、1%以下であることが好ましい。なお、平均の光反射率は光学測定器にてJIS K7105に従って測定したものをいう。光学測定器は市販品を用いることができ、例えば、村上色彩技術研究所製HR−100を用いることができる。
本発明における低反射層の線幅としては、後述する金属配線部の表面を覆うことができ、金属電極において視認側に入る外光等の反射や表示部からの出射光等の反射を抑制することが可能なものであれば特に限定されるものではなく、後述する金属配線部の線幅に応じて適宜選択することできる。
本発明における低反射層の厚みとしては、金属電極において視認側に入る外光等の反射や表示部からの出射光等の反射を抑制することが可能な厚みであれば特に限定されるものではなく、後述する低反射層の形成方法等に応じて適宜調整されるが、例えば、0.1μm〜3.0μmの範囲内であることが好ましく、中でも、0.5μm〜2.0μmの範囲内であることが好ましく、特に、1.0μm〜1.5μmの範囲内であることが好ましい。上記低反射層の厚みが上記範囲よりも大きいと、例えば、金属配線部の側面を含む全ての面を覆うように低反射層が形成される場合、上記金属配線部の側面に形成される低反射層の厚みの分、透明基材が低反射層により覆われるため、タッチパネルセンサ全体の光透過性を損なう可能性があり、一方、上記範囲よりも小さいと、金属電極において金属電極において視認側に入る外光等の反射や表示部からの出射光等の反射を十分に抑制できない可能性があるからである。なお、本発明において低反射層の厚みとは、例えば、図1(a)において、低反射層4の、金属配線部3と接する面から、上記金属配線部3と接する面と反対側に位置する面(低反射層4の表面)までの距離をいう。
また、本発明における低反射層は絶縁性を有していても良い。低反射層が絶縁性を有することにより、上記低反射層を後述する引き回し配線部において、絶縁層およびカバー層として用いることができるからである。また、後述するように、タッチパネルセンサの2つの金属電極が透明基材の同一平面上に互いに略垂直になるように形成される場合、それぞれの金属電極の金属配線部が交差して接する部分(以下、接触交差点と称する場合がある。)には、通常、絶縁層が用いられるが、上記接触交差点においてそれぞれの金属電極の金属配線部間に絶縁性を有する低反射層を介在させることにより、上記低反射層が絶縁層として機能するため、別途、絶縁層を形成する必要がなくなり、製造工程を減らすことができるというメリットがあるからである。
上記低反射層の絶縁性は、絶縁耐圧で規定することができ、絶縁耐圧は印加電圧200V時のリーク電流が、1×10−6A/cm以下であることが好ましく、5×10−7A/cm以下であることがより好ましい。なお、上記リーク電流は、1μm厚で作製した低反射層の両面に50μm□のITOを積層させ、電圧を印加させた時に流れる電流を計測することで確認できる。
本発明における低反射層の形成方法としては、後述する金属配線部に形成可能な方法を用いることができ、例えば、インクジェット法、スクリーン印刷、フォトリソグラフィ法等を用いることができるが、中でも、本発明においては、インクジェット法を用いることが好ましい。インクジェット法を用いることにより、低反射層の形成において、露光、現像等の工程を用いること無く、また、マスクを介すること無く形成することができる。さらに、後述する金属配線部もインクジェット法を用いて形成される場合は、低反射層および金属配線部を一括形成することができるからである。
上記低反射層の形成方法としてインクジェット法を用いる場合、上記低反射層は、上記低反射微粒子同志を焼結させて接着することにより形成されても良く、また、低反射微粒子同志が上述したバインダー樹脂を介して接着することにより形成されても良い。
なお、インクジェット法による上記低反射層の形成方法については、後述する「B.カラーフィルタの製造方法」の項で説明するため、ここでの記載は省略する。
(2)金属配線部
本発明における金属配線部は、透明基材の片面または両面にパターン状に形成されるものである。
本発明における金属配線部を構成する材料としては、所望の導電性を有する金属材料であれば特に限定されるものではないが、本発明においては、光反射率が高く、目視により金属配線部を容易に認識できる色を有する金属材料であっても好適に用いることができ、例えば、金属単体、金属の複合体、金属と金属化合物の複合体、金属合金等を挙げることができる。具体的には、金属単体としては、金、銀、銅、アルミニウム、白金、鉛、インジウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、オスミウム、タングステン、ニッケル、タンタル、ビスマス、スズ、亜鉛、チタン、コバルト、鉄、モリブデンの単体等を例示することができ、金属の複合体としては、MAM(Mo−Al−Mo、すなわちモリブデン・アルミニウム・モリブデンの3層構造体)等を挙げることができる。また、金属と金属化合物の複合体としては、酸化クロム/クロム形成体等を例示することができ、金属合金としては、銀合金や銅合金、APC合金(Au・Pd・Cu、すなわち銀・パラジウム・銅)等を例示することができる。中でも、本発明においては、銀、銅、アルミニウムの単体、およびそれらの合金であることが好ましい。金属配線部を構成する金属材料が上記の材料であることにより、金属電極を導電性に優れたものとすることができるからである。なお、上記金属材料は単独で用いても良く、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
上記金属材料は、粒子であることが好ましい。上記金属材料が金属粒子であることにより、後述する金属配線部の形成方法においてインクジェット法を用いることが可能となるからである。上記金属粒子の平均粒径は、ナノオーダーの金属粒子でも良く、サブミクロンオーダーの金属粒子でも良いが、中でもナノオーダーの金属粒子であることが好ましい。その平均粒径としては、1nm〜100nmの範囲内であることが好ましく、5nm〜50nmの範囲内であることがより好ましく、10nm〜20nmの範囲内であることがさらに好ましい。
上記金属材料の平均粒径が上記範囲よりも大き過ぎると、金属配線部の形成方法において、上記金属材料を含む塗工液を用いて透明基材上に塗工する方法を用いる場合、塗工する際にノズルに目詰まりが生じる可能性があるからである。また、金属配線部の形成の際に、例えば、焼結による硬化処理を行う場合、高い焼結温度が必要となる可能性があるからである。一方、上記金属材料の平均粒径が上記範囲よりも小さ過ぎると、所望の平均粒径を有する金属粒子を調製することが困難である可能性や、金属配線部の形成方法において、上記金属材料を含む塗工液を用いて透明基材上に塗工する方法を用いる場合、塗工溶剤中で上記金属材料の粒子が凝集し分散安定性が得られない可能性や、金属材料に対する分散剤等の他の材料の体積比が大きくなり、得られる金属配線部中の金属材料の割合が減少する可能性があるからである。
本発明における金属配線部の平面視上のパターンとしては、タッチパネルセンサとして機能しうるパターン形状を適宜選択することができ、例えば、メッシュ状、ストライプ状、菱形状等の任意のパターンとすることができる。なお、メッシュ状であれば、形成が容易であったり、大きい開口率を有する金属配線部とすることができるというメリットを有し、また、菱形状であれば高感度を有する金属配線部とすることができるというメリットを有する。
本発明における金属配線部の線幅としては、接触位置を精度良く検出できるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、1μm〜30μmの範囲内であることが好ましく、中でも、2μm〜20μmの範囲内であることが好ましく、特に、3μm〜10μmの範囲内であることが好ましい。金属配線部の線幅が上記範囲内であることにより、本発明のタッチパネルセンサを表示部に用いた際に、表示部に表示される情報の視認性に優れたものとすることができるからである。
また、本発明における金属配線部の厚みとしては、特に限定されるものではなく、金属配線部の形成方法等に応じて適宜調整される。具体的には、10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、中でも、50nm〜500nmの範囲内であることが好ましく、特に100nm〜300nmの範囲内であることが好ましい。上記金属配線部の厚みが上記範囲よりも大きいと、金属配線部の内部応力が大きくなり、透明基材上から剥離する可能性があり、一方、上記金属配線部の厚みが上記範囲より小さいと、抵抗値が大きくなりすぎる可能性があるからである。なお、上記金属配線部の厚みとは、例えば図1(a)において、金属配線部3の、透明基材1と接する面から低反射層4と接する面までの距離をいう。
本発明における金属配線部の形成方法としては、後述する透明基材上に高精細に形成することが可能な、タッチパネルセンサの製造方法として一般的な方法を用いることができる。例えば、インクジェット法、フォトリソグラフィ法、真空蒸着法、エッチング、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いる方法を挙げることができるが、中でも、本発明においてはインクジェット法を用いることが好ましい。金属配線部の形成方法としてインクジェット法を用いることにより、金属配線部と上述した低反射層とをインクジェット法により併せて一括で形成させることができるからである。また、インクジェット法を用いることにより、レジスト製膜、エッチング処理、レジスト剥離等を行う必要がなくなるため、製造工程数を減らすことができるからである。さらに、金属配線部の形成時にマスクを用いる必要がないというメリットも有する。
なお、インクジェット法による上記金属配線部の形成方法については、後述する「B.カラーフィルタの製造方法」の項で説明するため、ここでの記載は省略する。
(3)金属電極
本発明における金属電極の厚みは、特に限定されるものではなく、上述した低反射層および金属配線部の形成方法に応じて適宜調整される。例えば、上述した金属配線部および低反射層をインクジェット法により形成する場合、上記金属電極の厚みは110nm〜4000nmの範囲内であることが好ましく、中でも、550nm〜2500nmの範囲内であることが好ましく、特に、1100nm〜1800nmの範囲内であることが好ましい。なお、上記金属電極の厚みとは、上述した金属配線部の厚みと低反射層の厚みの和であり、例えば、図1(a)において、透明基材1の表面から低反射層4の表面までの距離をいう。
本発明における金属電極単体、つまり、低反射層が形成された金属配線部の平均の光反射率としては、380nm〜800nmの波長領域において、5%以下であることが好ましく、中でも、3%以下であることが好ましく、特に、1%以下であることが好ましい。上記光反射率が上述の範囲内であることにより、上記金属電極を不可視性に優れるものであるため、表示される情報を視認性に優れたものとすることができる。なお、光反射率は光学測定器にてJIS K7105に従って測定したものをいう。光学測定器は市販品を用いることができ、例えば、村上色彩技術研究所製HR−100を用いることができる。
本発明における金属電極の構造としては、金属配線部と低反射層とがそれぞれ独立した層からなる2層構造であっても良く、金属配線部の界面と低反射層の界面とが混在した領域を有する単層構造となっていても良い。金属電極を単層構造とすることにより、上記金属配線部と上記低反射層との密着性を向上させることができる。このような単層構造は、例えば、上記金属配線部および上記低反射層をインクジェット法を用いて形成する際に、金属配線部および低反射層の硬化処理を一括で行うことにより得ることが可能である。
本発明における金属電極の配置としては、通常のタッチパネルセンサに用いられる金属電極と同様とすることができ、上述したようにタッチパネルセンサの使用者から視認されるアクティブエリアに配置される。その際に、使用者から視認される側に低反射層が位置するように配置される。
2.透明基材
本発明における透明基材は、表面上に、上述した金属配線部および低反射層を有する金属電極が少なくとも形成されるものである。
本発明における透明基材を構成する材料としては、透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、タッチパネルセンサに一般的に用いられるものを使用することができる。具体的には、ガラス等の無機材料や、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート等の樹脂材料を挙げることができ、中でも、本発明においてはガラスを用いることが好ましい。金属配線部および低反射層を形成する際に、加熱温度や溶剤等により透明基材の変形等を生じにくいからである。なお、ガラスの種類は特に限定されない。
また、上記透明基材は、表面に有機層からなるアンダーコート層や、酸化ケイ素、酸化ニオブ等からなる屈折率調整層等が形成されたものであっても良い。
本発明における透明基材の厚みとしては、上記金属電極等を安定的に支持できるものであれば特に限定されるものではなく、上記透明基材を構成する材料に応じて適宜調整される。具体的には、300μm〜1500μmの範囲内であることが好ましく、300μm〜1000μmの範囲内であることがより好ましく、300μm〜700μmの範囲内であることがさらに好ましい。
3.タッチパネルセンサ
本発明のタッチパネルセンサは、透明基材と、上記透明基材の表面上に形成された金属配線部、および上記金属配線部に形成された低反射微粒子を含む低反射層を有する金属電極と、を少なくとも有するものである。
本発明のタッチパネルセンサにおいて、上記金属電極は、一般的なタッチパネルセンサと同様にタッチパネルセンサの使用者から視認されるアクティブエリア内に形成される。
本発明のタッチパネルセンサは、上述したように、透明基材の少なくとも一方の表面上に金属電極を有するものであるが、通常、タッチパネルセンサとして用いられる態様としては、少なくとも2つの金属電極が、透明基材の一方の表面上、つまり、同一平面上に互いに略垂直になるように形成される態様(第1態様)や、少なくとも2つの金属電極が、透明基材の両面に上記透明基材を介して互いに略垂直となるように形成される態様(第2態様)がある。
それぞれの態様について、図面を参照して説明する。
(1)第1態様
本発明のタッチパネルセンサの第1態様は、少なくとも2つの金属電極が、透明基材の一方の表面上、つまり、同一平面上に互いに略垂直になるように形成されるものである。
発明のタッチパネルセンサの第1態様について、図面を参照して説明する。図2は、本発明のタッチパネルセンサの第1態様の一例を示す概略平面図である。また、図3は、図2のA−A線断面図である。
本発明のタッチパネルセンサ11は、図2に例示するように、透明基材1と、上記透明基材1の一方の表面上、つまり同一平面上に、第1金属電極2aと、第1金属電極2aの延在方向と略垂直になるように第1金属電極2a上に形成された第2金属電極2bと、を有することができる。また、図3に例示するように、第1金属電極2aは、第1金属配線部3aおよび第1金属配線部3aに形成された第1低反射層4aを有しており、第2金属電極2bは第2金属配線部3bおよび第2金属配線部3bに形成された第2低反射層4bを有するものである。
また、第1金属電極2aおよび第2金属電極2bは、タッチパネル使用者が視認可能なアクティブエリア8内に形成されており、引き回し配線部5は、アクティブエリア8の外側の非アクティブエリア内に形成され、末端において外部接続端子と接続されている。
この例においては、使用者から視認される側は、第1金属電極2aおよび第2金属電極2bが形成されている側Aとする。また、この態様において、使用者から視認される側が第1金属電極2aおよび第2金属電極2bが形成されていない透明基材側である場合、第1低反射層4aが上記透明基材1の表面上に直に形成され、第2低反射層4bが第2金属配線部3bよりも透明基材1側に位置していることが好ましい。
上記第1態様において、第1金属配線部3aと第2金属配線部3bとは、同じ材料から形成されていても良く、異なる材料から形成されていても良い。同様に、第1低反射層4aと第2低反射層4bとは、同じ材料から形成されていても良く、異なる材料から形成されていても良い。
また、第1金属配線部3aと第2金属配線部3bとは、同じ厚みや線幅等を有していても良く、異なるものであっても良い。同様に、第1低反射層4aと第2低反射層4bとは、同じ厚みや光反射率等を有していても良く、異なるものであっても良い。
上記第1態様では、第1金属電極2aの第1金属配線部3aと第2金属電極2bの第2金属配線部3bとが、第1低反射層4aを介して交差により接する部分(以下、接触交差点6と称する場合がある。)がある。この接触交差点6において短絡が生じる可能性があるため、少なくとも接触交差点6における両電極間に絶縁層7を設けることが好ましい。また、本発明において低反射層が絶縁性を有する場合は、絶縁層7を設けずに第1金属配線部3aと第2金属配線部3bとの間を介する低反射層を絶縁層とすることも可能である。
上記絶縁層の配置として、上記接触交差点6における短絡の発生を防止するものであるため、少なくとも上記接触交差点6における第1金属電極2aおよび第2金属電極2bの両電極間に絶縁層7を設けることが好ましいが、図4(a)に例示するように、第2金属配線部3bと同じパターン形状となるように、第2金属配線部3bを形成する前に第1金属電極2aを有する透明基材上に絶縁層7を設けても良く、図4(b)に例示するように、第1低反射層4aと同じパターン形状となるように、第1低反射層4a上に絶縁層7を設けても良い。
上記絶縁層の材料としては、タッチパネルセンサに一般的に用いられるものを使用することができ、例えば、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリル樹脂、カルド樹脂等の有機絶縁材料、酸化ケイ素、窒化ケイ素等の無機絶縁材料等が挙げられる。
上記絶縁層の絶縁性は絶縁耐圧で規定される。絶縁耐圧は印加電圧200V時のリーク電流が1×10−6A/cm以下であることが好ましく、5×10−7A/cm以下であることがより好ましい。なお、上記リーク電流は、1μm厚で作製した低反射層の両面に50μm□のITOを積層させ、電圧を印加させた時に流れる電流を計測することで確認できる。
また、上記絶縁層の厚みとしては、所望の絶縁性を発揮することが可能であれば特に限定されるものではなく、例えば0.1μm〜3.0μm程度とすることができる。なお、絶縁層の厚みとは、例えば、図4(a)、(b)において、第1低反射層4aと接する絶縁層7の表面から第2金属配線部3bと接する絶縁層7の表面までの距離をいう。
上記絶縁層の形成方法としては、例えば、インクジェット法、スクリーン印刷法、フォトリソグラフィ法、グラビアコート、CVD法、スパッタリング法、オフセット印刷、フレキソ印刷、蒸着法等を挙げることができる。また、光硬化性樹脂層を塗工後、露光、現像を行なって形成しても良い。中でも、インクジェット法を用いることが好ましい。絶縁層と上述した金属配線部および低反射層とをインクジェット法により併せて一括で形成させることができるからである。また、インクジェット法を用いることにより、レジスト製膜、エッチング処理、レジスト剥離等を行う必要がなくなるため、製造工程数を減らすことができるからである。さらに、絶縁層の形成時にマスクを用いる必要がないというメリットも有する。
なお、上記第1態様では、通常、上述した接触交差点における短絡防止のために絶縁層を有するものであるが、本発明においては、上記絶縁層の代わりに、絶縁性を有する低反射層を絶縁層として用いることが好ましい。上記低反射層が絶縁性を有することにより、別途、絶縁層を形成する必要がなくなり、タッチパネルセンサの製造工程を減らすことができるというメリットがあるからである。
(2)第2態様
本発明のタッチパネルセンサの第2態様は、少なくとも2つの金属電極が、透明基材の両面に上記透明基材を介して互いに略垂直となるように形成されるものである。
本発明のタッチパネルセンサの第2態様について、図面を参照して説明する。図5(a)、(b)は、本発明のタッチパネルセンサの第2態様の一例を示す概略平面図であり、図5(a)は透明基材の一方の面側から見た平面図、図5(b)は透明基材の他方の面側から見た平面図である。また、図6は図5(a)、(b)のB−B線断面図である。
本発明のタッチパネルセンサ12は、図5(a)に例示するように、透明基材の一方の面1aに第1金属電極2aが形成され、図5(b)に例示するように、上記透明基材の一方の面1aとは反対側の面1bに、第1金属電極2aの延在方向と略垂直になるように、第2金属電極2bを形成されるものである。また、図6に例示するように、第1金属電極2aは、第1金属配線部3aおよび第1金属配線部3a上に形成された第1低反射層4aを有しており、第2金属電極2bは第2金属配線部3bおよび第2金属配線部3b上に形成された第2低反射層4bを有するものである。
この例においては、第1金属電極2a、および第2金属電極2bは、タッチパネル使用者が視認可能なアクティブエリア8内に形成されており、引き回し配線部5は、アクティブエリア8の外側の非アクティブエリア内に形成され、末端において外部接続端子と接続されている。
上記第2態様においては、図6(a)に例示するように、例えば、使用者から視認される側が、透明基材の面1a側であっても第1低反射層4aが視認される側に位置するため、金属電極において金属電極において視認側に入る外光等の反射や表示部からの出射光等の反射を抑えることができ、また、使用者から視認される側が、上記透明基材の面1aとは反対の面1b側であっても、第2低反射層4bが視認される側に位置するため、金属電極において金属電極において視認側に入る外光等の反射や表示部からの出射光等の反射を抑えることができる。すなわち、両面共に使用者の視認側として用いることが可能となる。
さらに、図6(b)に例示するように、例えば、使用者から視認される側を透明基材の面1a側とした場合において第1低反射層4aが第1金属配線部3aよりも視認される側に位置し、且つ、上記透明基材の反対側の面1bにおいて第2低反射層4bが第2金属配線部3bよりも視認側(透明基材の面1a側)に位置することにより、使用者が透明基材の面1a側から視認する際に、第1金属電極2aおよび第2金属電極2bの両方の金属電極において生じる外光等の反射や表示部からの出射光等の反射を抑えることができる。使用者から視認される側を透明基材の面1b側とした場合においても、それぞれの金属電極について低反射層を金属配線部よりも視認側に配置することにより、同様の効果を有することができる。
なお、図6(a)、(b)に例示すように、上記第2態様においては、第1金属電極2aと第2金属電極2bとは、金属電極同志の交差による接触がないため、絶縁層を設ける必要はない。
上記第2態様において、第1金属配線部3aと第2金属配線部3bとは、同じ材料から形成されていても良く、異なる材料から形成されていても良い。同様に、第1低反射層4aと第2低反射層4bとは、同じ材料から形成されていても良く、異なる材料から形成されていても良い。
また、第1金属配線部3aと第2金属配線部3bとは、同じ厚みや線幅等を有していても良く、異なるものであっても良い。同様に、第1低反射層4aと第2低反射層4bとは、同じ厚みや光反射率等を有していても良く、異なるものであっても良い。
(3)タッチパネルセンサ
本発明のタッチパネルセンサの平均の光反射率としては、本発明のタッチパネルセンサを表示部として用いる際に、優れた視認性を発揮できるものであれば特に限定されるものではないが、透明基材表面の光反射率と同程度であることが好ましく、より具体的には、本発明のタッチパネルセンサにおいて、透明基材の表面のうち、金属電極が形成された側の表面の平均の光反射率が、380nm〜800nmの波長領域において、8.5%以下とするものであることが好ましい。上記光反射率が上述の範囲内であることにより、上記金属電極を不可視性に優れるものであるため、表示される情報を視認性に優れたものとすることができる。なお、光反射率は光学測定器にてJIS K7105に従って測定したものをいう。光学測定器は市販品を用いることができ、例えば、村上色彩技術研究所製HR−100を用いることができる。
また、「金属電極が形成された側の表面の平均の光反射率」とは、タッチパネルにおいて、透明基板の金属電極が形成された表面のうち、アクティブエリア全域の平均の光反射率をいうものであり、具体的には、アクティブエリア内の任意に選択される全ての直径20mmの領域が満たすことができる光反射率をいうものである。
本発明のタッチパネルセンサは、透明基材と、上記透明基材の表面上に形成された金属配線部、および上記金属配線部に形成された微粒子を含む低反射層を有する金属電極と、を少なくとも有するものであるが、必要に応じて他の構成を有するものであっても良い。
このような他の構成として、例えば、金属電極に接続される引き回し配線部、上記引き回し配線部により金属電極に接続される外部接続端子、オーバーコート層、密着層および金属電極や引き回し配線部を少なくとも覆うように形成されるカバー層等を挙げることができる。また、ITOなどの金属酸化物からなる、タッチパネルに一般的に用いられる透明電極と本発明における金属電極とを併用することもできる。
以下、他の構成の中で、引き回し配線部およびカバー層について構成ごとに説明する。
(a)引き回し配線部
本発明における引き回し配線部は、金属電極および外部回路間において電気的流通を可能とする配線であり、通常、金属電極からの電流を外部に取り出すための配線である。
本発明における引き回し配線部を構成する材料は、一般的なタッチパネルセンサに用いられるものと同様とすることができ、導電性材料であれば良く、光透過性の有無は問わない。具体的には、上記金属配線部と同材料からなるものを用いることができる。
引き回し配線部の厚みおよび線幅は、特に限定されるものではなく、引き回し配線部の形成方法等に応じて適宜調整される。例えば、引き回し配線部をインクジェット法により形成する場合は、引き回し配線部の厚みおよび線幅は、上述した「(2)金属配線部」の項に記載した厚みおよび線幅の範囲とすることができる。
本発明における引き回し配線部の形成方法としては、一般的なタッチパネルセンサに用いられる引き回し配線部と同様とすることができ、例えば、インクジェット法、フォトリソグラフィ法、真空蒸着法、エッチング、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等のドライプロセスを用いる方法が挙げられる。また、上述した金属配線部の形成方法と同じ方法を用いて、上記金属配線部の形成時に同時に形成することも可能であり、上述した金属配線部の形成方法と異なる方法を用いることも可能である。
本発明における引き回し配線部の配置としては、一般的なタッチパネルセンサに用いられる配線と同様とすることができ、通常、アクティブエリアの外側に形成される。
(b)カバー層
本発明におけるカバー層は、上記金属電極および上記引き回し配線部を少なくとも覆うように形成されるものであり、絶縁性を有し、外部衝撃から保護するために形成されるものである。
このようなカバー層を構成する材料としては、所望の絶縁性を有し、金属電極および引き回し配線部等を保護できるものであれば特に限定されるものではないが、本発明のタッチパネルが表示部に用いられる場合には、透明性を有する材料であることが好ましい。視認性に優れたものとすることができるからである。
このような透明性を有する材料としては、例えば、強化ガラス、ソーダガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス類、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル等のアクリル系樹脂、ポリカーボネートなどの樹脂類、および他の無機材料類等を挙げることができる。
上記カバー層の厚みについては、所望の絶縁性および保護性を発揮できるものであれば特に限定されるものではなく、カバー層を構成する材料等に応じて適宜設定されるものである。
なお、上記カバー層は、上記材料からなる単一層からなるものであっても良いが、複数層が積層してなるものであっても良い。複数層からなるものとしては、例えば、上述の材料のうち異なる材料からなる層を形成したものや、上記材料からなる層以外に、反射防止層や、防汚層等の機能層を有するものを挙げることができる。また、カバー層がガラス類からなるものである場合には、機能層として表面側に飛散防止フィルムを有するものであっても良い。
4.用途
本発明のタッチパネルセンサの用途としては、例えば、液晶表示部や有機または無機エレクトロルミネッセンス表示装置の表示部等の表示装置を挙げることができる。
また、本発明のタッチパネルセンサは、タッチパネルセンサの両面に有する外部接続端子にフレキシブルプリント配線板(以下、FPCと称する場合がある。)と貼り合わせることにより、接続端子で接続したFPC付きタッチパネルセンサとすることができ、さらに、上記FPC付きタッチパネルセンサと画像表示制御部とを組み合わせて、表面上に透明性を有する接着層を介してカバーレンズを接着させることによりタッチパネルモジュールとすることも可能である。
B.タッチパネルセンサの製造方法
次に、本発明のタッチパネルセンサの製造方法について説明する。本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、透明基材と、上記透明基材の表面上に形成された金属配線部、および上記金属配線部に形成された微粒子を含む低反射層を有する金属電極と、を少なくとも有し、上記低反射層が、使用者から視認される側に位置するタッチパネルセンサの製造方法であって、上記低反射層がインクジェット法により形成されることを特徴とするものである。
このようなタッチパネルセンサの製造方法について、図面を参照して説明する。図7(a)〜(d)は、本発明のタッチパネルセンサの製造方法の一例を示す工程図である。
まず、透明基材1の表面に、インクジェットヘッド21のノズル22から、金属材料を分散させたメタルインク31を所望のパターン形状となるように吐出させる。この時、吐出したメタルインク31の液滴は、上記インクジェットヘッド21と上記透明基材1との間を飛しょうして、上記透明基材1上に着弾され、流動し濡れ広がり、メタルインク塗工層32を形成する(図7(a))。次に、上記メタルインク塗工層32の溶剤を蒸発させ、硬化させることにより、パターン状に形成された金属材料からなる金属配線部3を形成する(図7(b))。
次に、上記金属配線部3のパターン上に、インクジェットヘッド23のノズル24から、低反射微粒子を分散させた低反射微粒子インク33を吐出させる。この時、吐出した上記低反射微粒子インク33の液滴は、上記インクジェットヘッド24と上記金属配線部3との間を飛しょうして、上記金属配線部3に着弾され、流動し濡れ広がり、低反射微粒子塗工層34を形成する(図7(c))。次に、上記低反射微粒子塗工層34の溶剤を蒸発させ、硬化させることにより、上記金属配線部3上に低反射層4が形成されたタッチパネルセンサ10を形成するものである(図7(d))。
本発明においては、インクジェット法により低反射微粒子を含む低反射層を形成させることにより、金属配線部を酸化させることなく低反射処理を施すことができ、金属配線部の表面が露出している場合と比較して、金属電極において視認側に入る外光等の反射を抑え、また、本発明のタッチパネルセンサを表示部として用いた際に、表示部からの出射光が金属配線部の表面で反射されて表示部に戻り映り込むことを防ぎ、視認性に優れたタッチパネルセンサを製造することができる。なお、インクジェット法には、ピエゾタイプとサーマルタイプがあるが、本発明においてはこのようなタイプに制限されることはない。
以下、本発明における、インクジェット法により微粒子を含む低反射層を形成させる工程(以下、「低反射層形成工程」と称する場合がある。)について、詳細に説明する。
1.低反射層形成工程
本発明における低反射層形成工程は、インクジェット法により低反射微粒子を含む低反射層を形成させる工程であり、塗工処理と硬化処理とを有するものである。
以下、本発明における低反射層形成工程について、処理ごとに説明する。
(1)塗工処理
本工程における塗工処理は、少なくとも低反射微粒子を分散させた塗工液(以下、低反射微粒子インクと称する場合がある。)をインクジェット法により塗工し、硬化処理前の低反射層(以下、低反射微粒子塗工層と称する場合がある。)を形成する工程である。
本処理に用いられる低反射微粒子インクは、少なくとも低反射微粒子を分散させたものである。上記低反射微粒子の種類およびその物性等については、上述した「A.タッチパネルセンサ」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、上記低反射微粒子インクは、上記低反射微粒子の他にバインダー樹脂を含んでいても良い。上記バインダー樹脂の種類、物性および含有量等については上述した「A.タッチパネルセンサ」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、上記低反射微粒子インクは、分散剤を含有していても良い。低反射微粒子インクにおいて、低反射微粒子およびバインダー樹脂を均一に分散させることができるからである。上記分散剤としては、具体的には変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、変性ポリエステル、変性ポリアミド等の高分子分散剤、リン酸エステル、アルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の界面活性剤や顔料誘導体等を挙げることができる。上記分散剤の含有量は、低反射微粒子インクに含有される固体分100重量部当り、1重量部〜50重量部の範囲内であることが好ましい。
上記低反射微粒子インクに用いられる溶剤としては、低反射微粒子を所望の量を分散させることができ、インクジェットノズルから液滴の吐出ができるものであれば特に限定されるものではく、低反射微粒子の種類等により適宜選択されることが好ましい。例えば、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、アジピン酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、コハク酸ジメチル、およびコハク酸ジエチル、安息香酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、アニソール、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコール、2−エトキシエチルアセテートよりなる群から選択される1種又は2種以上の有機溶剤を用いることができる。
本発明における低反射微粒子インクの粘度としては、インクジェットノズルから液滴の吐出ができ、所望の低反射層とすることができる粘度であればよく、例えば、3cps〜20cpsの範囲内であることが好ましい。
また、本発明における低反射微粒子インクの固形分濃度としては、低反射微粒子インクが上記粘度を有し、所望の低反射層を形成することができる固形分濃度であればよく、溶剤の種類等によっても異なるが、例えば、10質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
なお、上記低反射微粒子インクの固形分濃度は、上記低反射微粒子インク全体量に対する、低反射微粒子およびバインダー樹脂の総含有量から算出したものである。
上記低反射微粒子インクの調製方法は、一般的な調製方法を用いることができ、例えば、低反射微粒子をバインダー樹脂、高分子分散剤、および溶剤と共に混合させて攪拌し、ミルベースを作製した後、ジルコニアビーズを用いてペイントシェーカー等で分散させ、作製した分散液を所望のろ過径のフィルターを用いてろ過することで、低反射微粒子インクを得ることが出来る。
本処理におけるインクジェット法による低反射微粒子インクの塗工回数は1回でも良く、複数回行うことにより重ね塗りをしても良い。
(2)硬化処理
本工程における硬化処理は、上記塗工処理により形成された低反射微粒子塗工層に含まれる溶剤を除去し、硬化させることにより低反射微粒子が接着し、低反射層とするものである。低反射微粒子塗工層に含まれる溶剤を除去し、低反射微粒子を接着させる方法としては特に限定されないが、低反射微粒子塗工層に含まれるバインダー樹脂の種類により、適宜選択されることが好ましい。
以下、本工程における硬化処理について、(a)低反射微粒子塗工層にバインダー樹脂が含まれない場合、(b)低反射微粒子塗工層に熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂が含まれる場合、および(c)低反射微粒子塗工層に光硬化性樹脂からなるバインダー樹脂が含まれる場合、に分けて説明する。
(a)低反射微粒子塗工層にバインダー樹脂が含まれない場合
低反射微粒子塗工層にバインダー樹脂が含まれない場合、上記低反射微粒子塗工層を硬化させる方法としては、例えば、焼結処理を用いることができる。
この場合、塗工処理により形成された低反射微粒子塗工層を加熱することにより、上記低反射微粒子塗工層に含まれる低反射微粒子同志が接着し、低反射微粒子塗工層が硬化されて低反射層を形成することができる。
本処理において焼結処理を用いる場合、その焼結温度や焼結時間は、低反射微粒子塗工層に含まれる低反射微粒子の種類や粒径、溶剤等に応じて適宜調整されるが、例えば、焼結温度としては、300℃〜500℃の範囲内、中でも、350℃〜400℃の範囲内であることが好ましく、焼結時間としては、30分〜120分の範囲内、中でも、60分〜80分の範囲内が好ましい。
(b)低反射微粒子塗工層に熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂が含まれる場合
低反射微粒子塗工層に熱硬化性樹脂からなるバインダー樹脂が含まれる場合、上記低反射微粒子塗工層を硬化させる方法としては、例えば、ベーク処理を行う方法を用いることができる。なお、ここでいうベーク処理とは、プリベーク処理とポストベーク処理とを含むものである。
この場合、塗工処理により形成された低反射微粒子塗工層を加熱乾燥させることにより、上記低反射微粒子塗工層に含まれる溶剤は除去される。そして、上記低反射微粒子塗工層に含まれるバインダー樹脂および低反射微粒子は、さらに加熱させることにより上記バインダー樹脂が硬化する際に、上記バインダー樹脂を介して低反射微粒子が接着し、上記低反射微粒子塗工層が硬化されて低反射層を形成することができる。
上記ベーク処理法の温度や処理時間等は、低反射微粒子塗工層に含まれる低反射微粒子の種類や粒径、バインダー樹脂の種類、溶剤等に応じて適宜調整されるが、具体的には、ベーク温度としては、100℃〜250℃の範囲内であることが好ましく、ベーク時間としては、10分〜60分の範囲内、特に20分〜40分の範囲内が好ましい。なお、上記ベーク処理は、通常、クリーンオーブン等が用いられる。
(c)低反射微粒子塗工層に光硬化性樹脂からなるバインダー樹脂が含まれる場合
低反射微粒子塗工層に光硬化性樹脂からなるバインダー樹脂が含まれる場合、上記低反射微粒子塗工層を硬化させる方法としては、プリベークにより溶剤を除去し、露光および現像を行った後、ポストベークを行う方法を用いることができる。
この場合、まず、塗工処理により形成された低反射微粒子塗工層を加熱乾燥させ、上記低反射微粒子塗工層に含まれる溶剤を除去する(プリベーク)。次に、紫外線や可視光線等の光源を用いて露光することにより、低反射微粒子塗工層に含まれるバインダー樹脂は硬化され、その際に、低反射微粒子塗工層に含まれる低反射微粒子は上記バインダー樹脂を介して接着する。露光後、現像し、ポストベークにより上記低反射微粒子塗工層を硬化させることにより、低反射層を形成することができる。
低反射微粒子塗工層に含まれるバインダー樹脂を硬化させる際に用いられる露光光源は、特に限定されるものではなく、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、蛍光ランプなどのランプ光源や、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマレーザー、窒素レーザー、ヘリウムカドミニウムレーザー、半導体レーザーなどのレーザー光源などが挙げられる。
また、上記露光条件等は、低反射微粒子塗工層に含まれるバインダー樹脂の種類や溶剤等に応じて適宜調整されるが、例えば、カラーフィルタの形成において一般的に行われる露光条件と同様とすることができる。
また、プリベークおよびポストベークの温度や処理時間等は、低反射微粒子塗工層に含まれる低反射微粒子の種類や粒径、バインダー樹脂の種類、溶剤等に応じて適宜調整されるが、例えば、カラーフィルタの形成において一般的に行われるポストベークの条件と同様とすることができるので、ここでの記載は省略する。なお、本処理におけるプリベークおよびポストベークは、通常、クリーンオーブン等を用いて行われる。
(3)低反射層形成工程
上記製造方法により形成される低反射層の厚み、物性等については、上述した「A.タッチパネルセンサ」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、本工程において形成される低反射層は、金属配線部の他に、タッチパネルセンサの光透過性を阻害しない部位に形成することができ、例えば、引き回し配線部等に形成されていてもよい。
2.タッチパネルセンサの製造方法
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、上述したようにインクジェット法により低反射層を形成するものであるが、上記低反射層の他に、金属配線部もインクジェット法により形成されることが好ましい。低反射層の形成と同様に金属配線部の形成にもインクジェット法を用いることにより、低反射層と金属配線部とを一括形成することが可能となるからである。
以下、インクジェット法により金属配線部を形成させる工程(以下、「金属配線部形成工程」と称する場合がある。)について、詳細に説明する。
(1)金属配線部形成工程
本発明における金属配線部形成工程は、透明基材の表面上に金属配線部をパターン状に形成する工程であり、塗工処理と硬化処理とを有するものである。
以下、上記金属配線部形成工程について、処理ごとに説明する。
(a)塗工処理
本工程における塗工処理は、金属材料を少なくとも含む塗工液(以下、メタルインクと称する場合がある。)を用い、所望の金属配線部のパターン形状となるように塗工することにより、硬化処理前の金属配線部(以下、メタルインク塗工層と称する場合がある。)を形成するものである。
本処理において用いられるメタルインクは、金属材料を少なくとも含むものである。上記メタルインクに含まれる金属材料の種類およびその物性については、上述した「A.タッチパネルセンサ」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
本発明におけるメタルインクは、上述した金属材料の他に、分散剤を含有していてもよい。分散剤を含有させることにより、上記メタルインク内において金属材料が分散剤により被覆された状態となり、溶剤中で上記金属材料の粒子が凝集するのを抑制し、分散安定性を高めることができるからである。
上記分散剤の種類としては、例えば、ポリビニルアセテート、ポリウレタン、ポリエーテルウレタンを含むポリウレタン共重合体、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート又はセルロースアセテートプロピオネートのようなセルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリアクリル共重合体、ポリビニルアセテート共重合体、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリフルフリルアルコール(PPFA)、ポリスチレン(PS)、ポリスチレン共重合体、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、ポリエチレンオキシド共重合体、ポリプロピレンオキシド共重合体、ポリカーボネート(PC)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリカプロラクトン、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルフルオライド、ポリビニリデンフルオライド共重合体、およびポリアミド等を用いることができる。なお、上記分散剤は単独で用いても良く、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
上記分散剤の含有量としては、上述した金属材料を溶剤中に安定的に分散させることが可能な程度に含有されていればよく、メタルインクに用いられる金属材料の種類や溶剤等に応じて適宜調整されることが好ましい。
上記メタルインクは、金属材料、分散剤の他に必要に応じて、界面活性剤、硬膜剤、重合性化合物、酸化防止剤、粘度調整剤等の添加剤を含有することができる。
上記メタルインクに用いられる溶剤としては、金属材料を所望の量を分散させることができ、インクジェットノズルから液滴の吐出ができるものであれば特に限定されるものではないが、金属材料の種類等により適宜選択されることが好ましい。例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、ドデカン、テトラデカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、またエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル化合物、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートのようなグリコールオリゴマーエーテルエステル化合物、酢酸エチル、安息香酸プロピルのような脂肪族又は芳香族エステル化合物、炭酸ジエチルのようなジカルボン酸ジエステル化合物、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルのようなアルコキシカルボン酸エステル化合物、アセト酢酸エチルのようなケトカルボン酸エステル化合物、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を例示できる。これらのうち、粒子の分散性と分散液の安定性、またインクジェット装置での適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、より好ましい溶剤としては、水、炭化水素系化合物を挙げることができる。
本発明におけるメタルインクの粘度としては、インクジェットノズルから液滴の吐出ができ、所望の形状を有する金属配線部とすることができる粘度であればよく、例えば、3cps〜20cpsの範囲内であることが好ましい。
また、本発明におけるメタルインクの固形分濃度としては、メタルインクが上記粘度を有し、所望の金属配線部を形成することができる固形分濃度であればよく、溶剤の種類等によっても異なるが、例えば、5質量%〜50質量%の範囲内であることが好ましい。
上記メタルインクは、市販品を用いても良く、調製しても良い。市販のメタルインクとしては、例えば、ハリマ化成社製NPS-J等の金属ナノインク(ナノメタルインクと言う。)を用いることができる。
また、メタルインクを調製する場合は、一般的な調製方法を用いることができ、例えば、特開2011−195951号公報、特表2011−529125号公報、国際公開第2010/013588号、国際公開第2011/013542号等に記載される方法を用いることができる。
(b)硬化処理
本工程における硬化処理は、上述の塗工処理により形成されたメタルインク塗工層に含まれる溶剤を除去し、金属材料の粒子同士を接着させて硬化させることにより金属配線部とするものである。
本処理において、メタルインク塗工層に含まれる溶剤を除去し、金属材料の粒子同士を接着させる方法については特に限定されないが、例えば、焼結処理を用いることができる。
焼結処理を用いる場合の焼結温度および焼結時間は、メタルインク塗工層に含まれる金属材料の種類や粒径、溶剤等に応じて適宜調整されるが、例えば、焼結温度としては、80℃〜350℃の範囲内であることが好ましく、80℃〜250℃の範囲内であることがより好ましく、80℃〜220℃の範囲内であることが特に好ましい。また、焼結時間としては、10分〜90分の範囲内、中でも、30分〜60分の範囲内が好ましい。
また、本処理においてメタルインク塗工層に焼結処理を施すことにより、金属材料の粒子同士が接着されるが、この時、含有される分散剤は、分解や脱離により除去されても良く、金属材料の粒子同士の接着に寄与することにより金属配線部内に残留していても良いが、形成される金属配線部の抵抗値を上昇させないためにも、上記分散剤は分解や脱離により除去されることが好ましい。
(c)金属配線部形成工程
本発明における金属配線部形成工程により形成される金属配線部の厚み、線幅等については、上述した「A.タッチパネルセンサ」の項に記載の内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、本工程においてタッチパネルセンサの使用者から視認されるアクティブエリア内の金属配線部を形成することができるが、金属配線部の他に、引き回し配線部を同時に形成することもできる。
(2)その他の工程
本発明のタッチパネルセンサの製造方法は、上述した低反射層形成工程および金属配線部形成工程の他に、必要に応じて他の工程を有するものであっても良い。このような他の工程としては、引き回し配線部形成工程、絶縁層形成工程、保護層形成工程等を行っても良い。
(3)タッチパネルセンサの製造方法
本発明のタッチパネルセンサの製造方法について、通常、図7で例示したように、金属配線部、低反射層の順で形成することできるが、先に透明基材上に低反射層を形成した後に、上記低反射層上に金属配線部を形成しても良い。
本発明のタッチパネルセンサの製造が金属配線部、低反射層の順で行われる場合は、使用者から視認される側が、金属電極が形成されている面側となるタッチパネルセンサ(図1(a))とすることができる。一方、本発明のタッチパネルセンサの製造が低反射層、金属配線部の順で形成される場合は、使用者から視認される側が透明基材の金属電極を有さない面側となるタッチパネルセンサ(図1(b))とすることができる。
また、上述した低反射層形成工程と金属配線部形成工程とをそれぞれ別々に行うことにより、金属配線部と低反射層とが界面を有する独立した層からなる2層構造とすることができるが、一方の塗工層(例えば、メタルインク塗工層とする。)を形成する塗工処理後に、他方の塗工層(例えば、低反射微粒子塗工層とする。)を形成する塗工処理を行い、その後、形成された2種類の塗工層に対して同時に硬化処理を行い、金属配線部と低反射層とを一括形成してもよい。硬化処理が1度で済むため、工程回数を減らすことができるからである。この場合、金属配線部の界面と低反射層の界面とが混在した単層構造とすることができ、金属配線部と低反射層との接着性を向上させることが可能となる。
本発明のタッチパネルセンサの製造方法において、図2および図3に例示する第1態様を有するタッチパネルセンサを製造する方法としては、例えば、透明基材上に金属配線部形成工程および低反射層形成工程により第1金属電極を形成した後、上記第1金属電極の上に金属配線部形成工程および低反射層形成工程を行うことにより、第2金属電極を形成することができる。
また、図5および図6に例示する、第2態様を有するタッチパネルセンサを製造する方法としては、例えば、透明基材の一方の表面上において金属配線部形成工程および低反射層形成工程により第1金属電極を形成した後、透明基材を反転させて他方の表面上においても同様の工程を行い第2金属電極を形成することにより、透明基材の両表面に金属電極を形成することができる。この場合、第1金属電極および第2金属電極の形成順は問わない。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
[合成例]
(バインダー樹脂の合成)
酸価200、分子量5000のスチレン・アクリル酸樹脂(共重合比スチレン:アクリル酸=60:40(重量比))20g、p−メトキシフェノール0.2g、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド0.2gおよびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40gをフラスコに仕込み、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルアクリレート7.6gを滴下し、100℃の温度で30時間反応させた。次にエピクロロヒドリン10.6gを滴下し、70℃で4時間反応させ、反応液を得た。続いて、上記反応液を水に再沈殿、乾燥させて、側鎖にメタクリレート基とエポキシ基を有するバインダー樹脂を得た。この樹脂についてGPCで測定した重量平均分子量は12000であった。
(低反射微粒子インクの調製)
下記組成の低反射微粒子インクを調製した。まず、上記合成例のバインダー樹脂5g、顔料(デグサ・ヒュルス ジャパン社製、Special Black 100)20g、6官能アクリレート(日本化薬社製、DPHA)5g、高分子分散剤(味の素ファインテクノ社製、アジスパー PB822)1g、および溶剤(ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート)69gを混合し、攪拌し、ミルベースを作った。これをペイントシェーカーで、粒径0.3mmのジルコニアビーズを用い、室温で4時間分散処理して黒色顔料分散液を調製した。次いで、6官能アクリレート(日本化薬社製、DPHA)5gを加え、1μmのメンブレンフィルターおよび0.1μmのメンブレンフィルターで濾過して低反射微粒子インクを調製した。
[実施例]
(タッチパネルセンサの作製)
まず、市販のインクジェット装置(富士フィルム社製、ダイマティックス・マテリアル・プリンター DMP−2831)に銀ナノメタルインク(CABOT社製、CCI−300)をセットした。次に、透明基材として、厚さ0.7mmの10cm□無アルカリガラス(日本板ガラス社製、NA35)を準備し、上記無アルカリガラス上に、図2に示すようなタッチパネルのメタルインク塗工膜を線幅30μm、ピッチ5mmで印刷した。その後、230℃で60分焼結させ、無アルカリガラス上に目的とする金属配線部を形成した。
次に、市販のインクジェット装置(富士フィルム社製、ダイマティックス・マテリアル・プリンター DMP−2831)に、上述した合成例において調製した低反射微粒子インクをセットし、上記無アルカリガラス上に形成された金属配線部上に、線幅30μmの低反射微粒子塗工膜を印刷した。その後、230℃で30分焼結させ、金属配線部上に目的とする低反射層を形成した。
これにより、無アルカリガラスと、上記無アルカリガラス上に金属配線部および低反射層がこの順で形成された金属電極を有する、本発明のタッチパネルセンサを得た。
[比較例]
金属配線部上に低反射層を形成しなかったこと以外は、実施例と同様にしてタッチパネルセンサを作製した。
[評価]
(1)目視評価
実施例および比較例で得られたタッチパネルセンサを黒色フィルム上に設置した。次に投光機を用いて光を投射し、金属電極部分の反射の有無を確認した。実施例で得られたタッチパネルセンサの金属電極では、光の反射によるぎらつきは見られなかったが、比較例で得られたタッチパネルセンサの金属電極では光反射によるぎらつきが確認された
(2)光反射率評価
実施例および比較例で得られたタッチパネルセンサの、可視光領域(400nm〜800nm)の光反射率を分光光度計(島津製作所製、UV2450)で測定した。実施例のタッチパネルセンサの光反射率は8.0%であったのに対し、比較例のタッチパネルセンサの光反射率は9.2%であり、低反射層を有することで、タッチパネルセンサの光反射率の低減を図ることができると確認された。
1 … 透明基材
2 … 金属電極
2a … 第1金属電極
2b … 第2金属電極
3 … 金属配線部
4 … 低反射層
7 … 絶縁層
8 … アクティブエリア
10、11、12 … タッチパネルセンサ
21、23 … インクジェットヘッド
22、24 … インクジェットノズル
31 … メタルインク
32 … メタルインク塗工層
33 … 低反射微粒子インク
34 … 低反射微粒子塗工層
A … 使用者から視認される側

Claims (4)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材の表面上に形成された金属配線部、および前記金属配線部に形成された微粒子を含む低反射層を有する金属電極と、
    を少なくとも有し、
    前記低反射層が、使用者から視認される側に位置することを特徴とするタッチパネルセンサ。
  2. 前記低反射層に含まれる前記微粒子が、黒色の有機顔料または無機顔料であることを特徴とする請求項1に記載のタッチパネルセンサ。
  3. 透明基材と、
    前記透明基材の表面上に形成された金属配線部、および前記金属配線部に形成された微粒子を含む低反射層を有する金属電極と、
    を少なくとも有し、
    前記低反射層が、使用者から視認される側に位置するタッチパネルセンサの製造方法であって、
    前記低反射層がインクジェット法により形成されることを特徴とするタッチパネルセンサの製造方法。
  4. 前記金属配線部がインクジェット法により形成されることを特徴とする、請求項3に記載のタッチパネルセンサの製造方法。
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