JP2016124124A - 色調補正フィルム - Google Patents

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雅人 松原
Masahito Matsubara
雅人 松原
孝之 野島
Takayuki Nojima
孝之 野島
聖 小松崎
Satoshi Komatsuzaki
聖 小松崎
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Abstract

【課題】透過光による骨見え現象と反射光による骨見え現象が、いずれも生じないか又は低減された色調補正フィルムを提供する。【解決手段】透明基材フィルムの一方の面に、第1ハードコート層、第1色調補正層、第2色調補正層をこの順に有し、前記透明基材フィルムのもう一方の面に第2ハードコート層を有する色調補正フィルムであって、前記第1ハードコート層の屈折率が1.50〜1.54であり、前記第1ハードコート層の膜厚が1.0〜2.0μmであり、前記第1色調補正層の屈折率が1.67〜1.77であり、前記第1色調補正層の膜厚が40〜50nmであり、前記第2色調補正層の屈折率が1.45〜1.52であり、前記第2色調補正層の膜厚が25〜35nmである色調補正フィルム。【選択図】図1

Description

本発明は、色調補正フィルム、透明導電性フィルム、それを用いたタッチパネル、及びそのタッチパネルを用いた情報端末に関する。
現在、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネル(有機EL等)等の表示装置の画像表示部に直接触れることにより、画面操作や情報入力ができる端末が広く普及している。この方式では、ディスプレイ画面上に光を透過するタッチパネルを配置したものが適用されており、代表的な形式として静電容量式タッチパネルがある。
タッチパネルには、液晶ディスプレイの表示画像のコントラストや輝度を低下させないために、光線透過率が高く、表示画像の色調を変化させないことが求められる。このような要求は、近年の情報端末の高精細化に伴いさらに高まっている。
タッチパネル用の透明導電性フィルムは、透明基材フィルム上にインジウム錫酸化物(ITO)等の透明導電層を積層したものが一般的に用いられている。このような透明導電性フィルムは、透明導電材料である金属酸化物の反射や吸収に由来する短波長領域の透過率の低下による色調変化が課題であった。
また、情報端末の高精細化に伴い、センサー電極としての透明電極の高精細加工性の要求が高まっており、微細加工が可能な材料が求められている。
上記のような問題を解決するために、透明導電層を多層光学膜と組み合わせた透明導電体が提案されている(特許文献1)。
特許文献1では、透明基材の一方の面に第1色相調整層、他方の面に第2色相調整層を設け、第1色相調整層上に屈折率の異なる高屈折率層と低屈折率層とを積層し、両者の光学干渉により反射率が低減されている。また、この高屈折率層と低屈折率層の積層構成上にITO電極が形成されている。この透明導電体は、各層の厚みと屈折率を規定することで、全光線透過率を高めると共に着色の低減が図られている。
しかしながら、上記文献の透明導電層はエッチング時に残渣が発生する問題があった。また、抵抗値を下げることが困難であった。
また、透明導電性フィルムの透明導電層をエッチングした場合、パターン化領域(電極部分)と非パターン化領域において分光透過率及び分光反射率が異なる場合、透明導電層のパターンが視認される現象(いわゆる骨見え現象)が発生する場合がある。
情報端末は狭額縁化や薄型化等のデザイン性が重要視され、それに伴いタッチパネルのセンサー電極が見えてしまう骨見え現象が問題となっている。骨見え現象は、センサー電極のスペースが広い場合や、テーパー角が直角に近い場合に発生することが知られており、タッチパネルとしての性能を高めると同時に、この骨見え現象を解決することも求められている。
特許文献2では、骨見え現象を解決する方法として、光学干渉層を適用することが提案されている。しかしながら、未だエッチング性能に問題があり、骨見え現象のさらなる改善も求められていた。
特開2012−20425号公報 特開2014−156112号公報
本発明の目的は、透過光による骨見え現象と反射光による骨見え現象が、いずれも生じないか又は低減された色調補正フィルムを提供することである。
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の屈折率及び膜厚を有する複数の層を組み合わせることによって骨見え現象を抑制することができることを見出して、本発明を完成した。
本発明によれば、以下の色調補正フィルム等が提供される。
1.透明基材フィルムの一方の面に、第1ハードコート層、第1色調補正層、第2色調補正層をこの順に有し、前記透明基材フィルムのもう一方の面に第2ハードコート層を有する色調補正フィルムであって、
前記第1ハードコート層の屈折率が1.50〜1.54であり、前記第1ハードコート層の膜厚が1.0〜2.0μmであり、
前記第1色調補正層の屈折率が1.67〜1.77であり、前記第1色調補正層の膜厚が40〜50nmであり、
前記第2色調補正層の屈折率が1.45〜1.52であり、前記第2色調補正層の膜厚が25〜35nmである色調補正フィルム。
2.前記第1ハードコート層及び第2ハードコート層から選択される少なくとも1つがアクリル樹脂微粒子を含有する1に記載の色調補正フィルム。
3.前記第2色調補正層が、屈折率1.25以上の酸化物微粒子を含有する1又は2に記載の色調補正フィルム。
4.前記第2色調補正層に含まれる前記酸化物微粒子がシリカである3に記載の色調補正フィルム。
5.前記第1色調補正層が、屈折率1.90〜3.00の正4価金属酸化物微粒子を含有する1〜4のいずれかに記載の色調補正フィルム。
6.前記第1色調補正層に含まれる前記正4価金属酸化物微粒子が酸化チタンである5に記載の色調補正フィルム。
7.前記第2ハードコート層の屈折率が1.50〜1.54であり、前記第2ハードコート層の膜厚が1.0〜2.0μmである1〜6のいずれかに記載の色調補正フィルム。
8.1〜7のいずれかに記載の色調補正フィルムの前記第2色調補正層の上に透明導電層を有する透明導電性フィルムであって、前記透明導電層がインジウム亜鉛酸化物からなり、前記透明導電層の膜厚が20〜40nmである透明導電性フィルム。
9.前記インジウム亜鉛酸化物のインジウムと亜鉛の酸化物換算の重量比率が、酸化インジウムが0.89〜0.96、酸化亜鉛が0.04〜0.11である8に記載の透明導電性フィルム。
10.3.4wt%シュウ酸エッチング液を用いた30℃における前記透明導電層のエッチング速度が40〜200nm/分である8又は9に記載の透明導電性フィルム。
11.全光線透過率が80%以上である8〜10のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
12.8〜11のいずれかに記載の透明導電性フィルムを用いたタッチパネル。
13.12に記載のタッチパネルを用いた情報端末。
本発明によれば、透過光による骨見え現象と反射光による骨見え現象が、いずれも生じないか又は低減された色調補正フィルムが提供できる。
本発明の透明導電性フィルムの構成概略図である。
[色調補正フィルム]
本発明の色調補正フィルムは、透明基材フィルムの一方の面に、第1ハードコート層、第1色調補正層、及び第2色調補正層をこの順に有し、透明基材フィルムのもう一方の面に第2ハードコート層を有する。
第1ハードコート層の屈折率は1.50〜1.54であり、その膜厚は1.0〜2.0μmである。
第1色調補正層の屈折率は1.67〜1.77であり、その膜厚は40〜50nmである。
第2色調補正層の屈折率は1.45〜1.52であり、その膜厚は25〜35nmである。
本発明の色調補正フィルムは、透過光の着色を抑え、全光線透過率に優れ、かつ透過光による骨見え現象と反射光による骨見え現象が抑制されている。
本発明の色調補正フィルムの一実施形態を、図1を用いて説明する。尚、図1は色調補正フィルム1上に透明導電層60が形成された透明導電性フィルム2を示す。
透明基材フィルム20の一方の面(図中、上側の面)に第1ハードコート層30が形成され、他方の面(図中、下側の面)に第2ハードコート層10が形成される。また、第1ハードコート層30の上面に第1色調補正層40が形成され、第1色調補正層40の上面に第2色調補正層50が形成され、色調補正フィルム1が構成される。
色調補正フィルム1の上面、即ち、第2色調補正層50の上面に透明導電層60が形成され、透明導電性フィルム2が構成される。
以下、色調補正フィルムの各構成要素について説明する。
(1)透明基材フィルム
透明基材フィルムは、透明性を有している限り特に制限されないが、屈折率が1.55〜1.70の範囲内のものが好ましい。このような透明基材フィルムを形成する材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET、屈折率:1.67)等のポリエステル、ポリカーボネート(PC、屈折率:1.59)、ポリアリレート(PAR、屈折率:1.60)及びポリエーテルスルフォン(PES、屈折率:1.65)等が好ましい。これらのうち、特にPETフィルムが成形の容易性で好ましい。
透明基材フィルムの厚みは、好ましくは25〜400μm、さらに好ましくは25〜180μmである。透明基材フィルムの厚みが25μmより薄い場合や400μmより厚い場合には、色調補正フィルムの製造時及び使用時における取扱い性が低下して好ましくない。
透明基材フィルムの全光線透過率は、90%以上であることが好ましい。90%未満である場合は透明導電性フィルムの全光線透過率が低くなり好ましくない。
尚、透明基材フィルムには、各種の添加剤が含有されていてもよい。そのような添加剤として例えば、公知の紫外線吸収剤、帯電防止剤、安定剤、可塑剤、滑剤、難燃剤等が挙げられる。
(2)第1ハードコート層及び第2ハードコート層
表面硬度の向上及びカールの低減のために、透明基材フィルムの一方の面に第1ハードコート層を設け、他方の面に第2ハードコート層を設ける。これらのハードコート層の材料、膜厚及び屈折率は、後述の範囲である限り相互に同一であってもよいし、異なっていてもよい。
第1ハードコート層及び第2ハードコート層(以下、単に「ハードコート層」という場合がある)の材料としては、透明導電性フィルム等に用いられる公知のものであれば特に制限されない。例えば、テトラエトキシシラン等の反応性珪素化合物や、活性エネルギー線硬化型樹脂を用いることができ、これらを混合してもよい。
活性エネルギー線硬化型樹脂としては、例えば単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。単官能(メタ)アクリレートとして具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール基含有(メタ)アクリル酸エステル等が好ましい。多官能(メタ)アクリレートとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物、ウレタン変性アクリレート等の(メタ)アクリロイル基を2個以上含む多官能重合性化合物等が挙げられる。
尚、本明細書では、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを指す。また、同様に、後述の「(メタ)アクリル単量体」は、アクリル単量体及びメタクリル単量体を指し、「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基を指す。
これらのうち、生産性及び硬度を両立させる観点より、鉛筆硬度(評価法:JIS−K5600−5−4)がH以上となる活性エネルギー線硬化型樹脂を含む組成物が好ましい。そのような活性エネルギー線硬化型樹脂を含む組成物としては特に限定されるものではないが、例えば、公知の活性エネルギー線硬化型樹脂、又は公知の活性エネルギー線硬化型樹脂を2種類以上混合したもの、紫外線硬化性ハードコート材として市販されているもの等を用いることができる。
ハードコート層は、上記の化合物に光重合開始剤を加えて調製したハードコート層形成用塗液から得られた塗布膜に、紫外線や電子線等の活性エネルギー線を照射して硬化させて形成することができる。
光重合開始剤は、紫外線(UV)等の活性エネルギー線によりハードコート層形成用塗液を硬化させて塗膜を形成する際の重合開始剤として用いられる。
光重合開始剤としては、活性エネルギー線照射により重合を開始するものであれば特に限定されず、公知の化合物を使用できる。例えば、1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフェリノプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等のアセトフェノン系重合開始剤、ベンゾイン、2,2−ジメトキシ1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンゾイン系重合開始剤、ベンゾフェノン、[4−(メチルフェニルチオ)フェニル]フェニルメタノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系重合開始剤、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系重合開始剤等が挙げられる。
塗液の溶媒は、色調補正フィルム等において各層形成用の塗液に従来から使用されている公知のものであれば特に制限はなく、例えばアルコール系、ケトン系、エステル系等の溶媒が使用できる。
また、ハードコート層は透光性微粒子を含有していてもよい。透光性微粒子は、ハードコート層の表面に凹凸を形成し、製造工程上の巻き取り性を向上させるものである。
透光性微粒子としては、任意の材料を用いることができるが、例えばシリカのほか、塩化ビニル、(メタ)アクリル単量体、スチレン及びエチレンから選択される少なくとも1種の単量体を重合して得られる重合体等から形成される。その中でも、透明性が高く、低価格なアクリル樹脂微粒子を含有することが好ましい。透明性が高く、低価格なアクリル樹脂微粒子はハードコート層の強度を損なわず、透過率の低下も改善する。
さらに、ハードコート層は、その他添加剤を含有していてもよい。その他の添加剤としては、公知の表面調整剤やスリップ剤等が挙げられる。
ハードコート層の屈折率は、1.50〜1.54であり、好ましくは1.51〜1.53である。
屈折率が1.50未満の場合、透明基材フィルムとハードコート層との屈折率差が大きくなり、干渉ジマが発生するおそれがあるため好ましくない。屈折率が1.54よりも大きい場合、屈折率を大きくするためにハードコート層へ高屈折率材料を多く添加する必要があるが、高屈折率材料に起因した光の吸収や光の散乱が発生し、ハードコート層が着色し、全光線透過率が低下するおそれがあるため好ましくない。
ハードコート層の屈折率は、実施例に記載の方法により測定する。
ハードコート層の乾燥硬化後の膜厚は、1.0〜2.0μmであり、好ましくは1.2〜1.8μmである。
膜厚が1.0μmより薄い場合は、硬度が不十分となるため好ましくない。膜厚が2.0μmより厚い場合は、硬化収縮によるカールが強くなるとともに、ロールトゥロールによる生産性や作業性が低下するおそれがあるため好ましくない。
ハードコート層の屈折率と膜厚を上記範囲とすることで、骨見え現象を抑制することができる。
尚、第1ハードコート層及び第2ハードコート層の原料、膜厚、屈折率等は、同一であっても異なっていてもよい。
(3)第1色調補正層
第1色調補正層は、後述する第2色調補正層との屈折率の相対関係によって、互いに関連して色調補正フィルム又は透明導電性フィルムの色調を調整する層であり、即ち、透過色の着色を抑制する層である。
第1色調補正層の屈折率は1.67〜1.77であり、好ましくは1.69〜1.75である。
第1色調補正層の屈折率が1.67未満の場合、JIS Z 8729に規定されているLab表色系における透過色のb*の値が大きくなってしまい、透明導電性フィルムの透過色の黄色味が明瞭に認識されるようになるおそれがある。また、第1色調補正層の屈折率が1.77より大きい場合は、塗膜中の粒子の割合が多くなり、ヘイズ値が上昇してしまうため全光線透過率が低下するおそれがある。
第1色調補正層の屈折率は、実施例に記載の方法により測定する。
第1色調補正層は、屈折率が1.67〜1.77であればその成分は特に制限されないが、金属酸化物微粒子、特に屈折率が高い正4価の金属酸化物微粒子を含むことが好ましい。
金属酸化物微粒子は、屈折率を積極的に高めるために配合されるものであり、好ましくは屈折率が1.9〜3.0、より好ましくは屈折率が2.1〜2.8のものを用いる。
このような金属酸化物としては酸化チタンが好ましい。酸化チタンの屈折率は製法によって異なるが、通常1.9〜3.0である。
金属酸化物微粒子は、好ましくは、第1色調補正層中に40〜80wt%含まれる。金属酸化物微粒子の含有量が40wt%以上であれば、第1色調補正層の屈折率が所定の範囲内となり好ましい。一方、金属酸化物微粒子の含有量が80wt%以下であれば、塗膜に対する金属酸化物微粒子の相対量が必要以上に多くなることがなく、塗膜がもろくならないため好ましい。
第1色調補正層は、好ましくは、金属酸化物微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂を含む塗液(第1色調補正層形成用塗液)から得られた塗膜を、活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。
バインダーとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂としては、ハードコート層で挙げたものと同様のものを用いることができる。活性エネルギー線硬化型樹脂は、屈折率が1.4〜1.7であることが好ましい。
活性エネルギー線硬化型樹脂は、好ましくは、第1色調補正層中に20〜60wt%含まれる。活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が20wt%以上であれば、塗膜に対する活性エネルギー線硬化型樹脂の相対量が十分であり、塗膜がもろくなることがなく好ましい。一方、活性エネルギー線硬化型樹脂の含有量が60wt%以下の場合、第1色調補正層の屈折率が所定の範囲内となり好ましい。
また、第1色調補正層形成用塗液は、通常、光重合開始剤を含む。光重合開始剤はハードコート層で挙げたものと同様のものを用いることができる。
光重合開始剤は、好ましくは第1色調補正層形成用塗液中に0.1〜10wt%含まれる。光重合開始剤の含有量が0.1wt%以上であれば、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化に十分であり、一方、光重合開始剤の含有量が10wt%以下の場合、光重合開始剤が不必要に多くならず好ましい。
第1色調補正層形成用塗液の溶媒は、ハードコート層で使用する溶媒と同種のものを使用すればよい。
正4価の金属酸化物微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂をそれぞれ上記範囲で含むことによって、第1色調補正層の屈折率を1.67〜1.77とすることができる。
第1色調補正層の乾燥硬化後の膜厚は40〜50nmであり、好ましくは42〜48nmである。第1色調補正層の膜厚が上記の範囲外では、b*の値が大きくなり、透明導電性フィルムの透過色の黄色味の着色が明瞭に認識されるおそれがある。
第1色調補正層の屈折率と膜厚を上記範囲とすることで、骨見え現象を抑制することができる。
(4)第2色調補正層
第2色調補正層は、第1色調補正層との屈折率の相対関係によって、互いに関連して色調補正フィルム又は透明導電性フィルムの色調を調整する層であり、即ち、透過色の着色を抑制する層である。
第2色調補正層の屈折率は1.45〜1.52であり、好ましくは1.46〜1.50である。屈折率が1.45以上であると、塗膜中の粒子の割合が多くならず、ヘイズ値が上昇しないため全光線透過率の低下を防ぐことができる。また、第2色調補正層の屈折率が1.52以下の場合は、JIS Z 8729に規定されているLab表色系における透過色のb*の値が大きくならず、色調補正フィルム、透明導電性フィルムの透過色の黄色味が明瞭に認識されることを防ぐことができる。
第2色調補正層の屈折率は、実施例に記載の方法により測定する。
第2色調補正層は、屈折率が1.45〜1.52であればその成分は特に制限されないが、屈折率が1.25以上の酸化物微粒子、特にシリカ微粒子を含むことが好ましい。
酸化物微粒子は、屈折率を積極的に低くするために配合されるものである。シリカ微粒子としては、コロイダルシリカや中空シリカ微粒子が好ましい。コロイダルシリカ及び中空シリカ微粒子の屈折率は製法によって異なるが、1.25〜1.50であることが好ましい。
シリカ微粒子は、第2色調補正層中に40〜90wt%含まれることが好ましい。含有量を40wt%以上とすることで、第2色調補正層の屈折率を所定の範囲とすることができる。一方、含有量が90wt%以下であれば、塗膜強度が弱くなることがないため好ましい。
第2色調補正層は、好ましくは、シリカ微粒子と活性エネルギー線硬化型樹脂を含む塗液(第2色調補正層形成用塗液)から得られた塗膜を、活性エネルギー線(例えば紫外線、電子線)により硬化させた硬化物からなる。
バインダーとして用いられる活性エネルギー線硬化型樹脂としては、ハードコート層で挙げたものと同様のものを用いることができる。活性エネルギー線硬化型樹脂は、屈折率が1.4〜1.7であることが好ましい。
活性エネルギー線硬化型樹脂は、好ましくは、第2色調補正層中に10〜60wt%含まれる。含有量が10wt%以上であると、塗膜に対する活性エネルギー線硬化型樹脂の相対量が十分で塗膜がもろくなることがない。一方、含有量が60wt%以下であれば、第2色調補正層の屈折率が所定の範囲内となるため好ましい。
また、第2色調補正層形成用塗液は、通常、光重合開始剤を含む。光重合開始剤はハードコート層で挙げたものと同様のものを用いることができる。
光重合開始剤は、好ましくは第2色調補正層形成用塗液中に0.1〜10wt%含まれる。含有量が0.1wt%以上であれば、活性エネルギー線硬化型樹脂の硬化が十分となる。一方、含有量が10wt%以下であれば、光重合開始剤が不必要に多くなることがなく好ましい。
第2色調補正層用塗液の溶媒は、ハードコート層で使用する溶媒と同種のものを使用すればよい。
シリカ微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂をそれぞれ上記範囲で含むことによって、第2色調補正層の屈折率を1.45〜1.52とすることができる。
第2色調補正層の乾燥硬化後の膜厚は25〜35nmであり、好ましくは27〜33nmである。第2色調補正層の膜厚が上記の範囲内であれば、b*の値が大きくならず、色調補正フィルム、透明導電性フィルムの透過色の黄色味の着色が認識されないため好ましい。
第2色調補正層の屈折率と膜厚を上記範囲とすることで、骨見え現象を抑制することができる。
本発明の色調補正フィルムは、上記の各層のみから形成されていてもよいし、他の層を含んでいてもよい。
[透明導電性フィルム]
色調補正フィルムの上、即ち、第2色調補正層の第1色調補正層と反対側の面上に透明導電層を形成することにより、透明導電性フィルムとすることができる。透明導電層はインジウム亜鉛酸化物からなり、その膜厚は20〜40nmとすると好ましい。
本発明の透明導電層は、透過光の着色を抑え、全光線透過率に優れ、かつ骨見え現象が抑制されている。また、透明電極の加工特性が向上し、高精細なタッチパネル電極が加工可能であり、その精度、歩留まり及び生産性にも優れる。
(5)透明導電層
透明導電層はインジウム亜鉛酸化物からなると好ましい。インジウム亜鉛酸化物とすることにより、本発明の透明導電性フィルムはエッチング加工性に優れ、エッチング時の残渣の発生が低減でき、又は無くすことができる。
また、インジウム亜鉛酸化物とすることにより、アニーリング処理を行うことなく低抵抗な透明導電層を得ることができる。
透明導電層は実質的にインジウム亜鉛酸化物のみからなってもよい。「実質的」とは、透明導電層の95wt%以上100wt%以下(好ましくは98wt%以上100wt%以下)がインジウム亜鉛酸化物であることを意味する。
また、透明導電層はインジウム亜鉛酸化物のみからなってもよく、この場合、他に不可避不純物を含んでいてもよい。
透明導電層は、具体的に、3.4wt%シュウ酸エッチング液を用いた30℃におけるエッチング速度が、40〜200nm/分であることが好ましく、50〜150nm/分であることがより好ましい。エッチング速度がこの範囲を外れると工業的な加工性が維持できず、40nm/分以下では生産性の問題が発生する可能性がある。
透明導電層は、導電性、透過率、エッチング性能の観点から膜厚が20〜40nmであり、好ましくは25〜35nmである。
膜厚が20nmより薄い場合は、均一に成膜することが難しく、安定した抵抗が得られないため好ましくない。また、20nm以上であれば導電性が十分でありタッチパネルの性能が発揮される。膜厚が40nmより厚い場合は、インジウム亜鉛酸化物層自身による光の吸収が強くなり、透過色の着色低減効果が薄れると共に、全光線透過率が小さくなる傾向があるため好ましくない。また、40nm以下であれば透過率の低下による表示パネルの色調変化がみられない。
透明導電層の屈折率は、好ましくは1.85〜2.35であり、より好ましくは1.95〜2.20である。屈折率がこの範囲であると、第1色調補正層及び第2色調補正層との光学干渉が問題なく作用し、透過色が着色を呈することがなく、全光線透過率にも優れるため好ましい。
透明導電層を構成するインジウム亜鉛酸化物におけるインジウムと亜鉛の酸化物換算の重量比率は、酸化インジウムが0.89〜0.96、酸化亜鉛が0.04〜0.11であると好ましい。酸化インジウムの重量比率が0.89以上であればb*値が抑制され骨見えの問題が発生しにくく、0.96以下であれば抵抗値上昇により適用が困難となることが抑えられる。酸化亜鉛が0.04以上であれば、エッチング特性に優れ、0.11以下であると導電性に優れる。
上記の重量比率は、酸化インジウムが0.90〜0.95、酸化亜鉛が0.05〜0.10であるとより好ましい。
インジウム亜鉛酸化物におけるインジウムと亜鉛の酸化物換算の重量比率はICP発光分析法により測定したインジウム元素と亜鉛元素の存在比を基に算出する。
本発明の透明導電性フィルムは、上記の各層のみから形成されていてもよいし、他の層を含んでいてもよい。他の層としては、インジウム、亜鉛に加えて、錫及びガリウムから選択される1以上を含む酸化物からなる層等が挙げられる。
本発明の透明導電性フィルムを透過する光の着色は、JIS Z 8729に規定されるLab表色系のb*で評価でき、好ましくは−2≦b*≦2、より好ましくは−1.5≦b*≦1.5である。b*>2の場合、透明導電性フィルムが黄色に着色して見えるため好ましくない。一方、b*<−2の場合、透明導電性フィルムが青色に着色して見えるため好ましくない。
本発明の透明導電性フィルムの全光線透過率は、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上である。全光線透過率が80%未満の場合、タッチパネル等の部材に使用した時に輝度が悪化するため好ましくない。
[色調補正フィルムの製造方法]
本発明の色調補正フィルムは、公知の各種方法により各層を積層して製造することができる。具体的には、後述する方法により第2ハードコート層、透明基材フィルム、第1ハードコート層、第1色調補正層及び第2色調補正層を形成する。
色調補正フィルムを構成する第1ハードコート層、第2ハードコート層、第1色調補正層及び第2色調補正層は、各層を形成するための塗液(組成物)により塗膜を作製し、活性エネルギー線を照射して硬化することで層を形成することが好ましい。
各層の塗布方法は特に制限されず、例えばロールコート法、スピンコート法、ディップコート法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、グラビアコート法等公知のいかなる方法も採用できる。
また、活性エネルギー線の種類は特に制限されないが、利便性等の観点から紫外線を用いることが好ましい。尚、各ハードコート層の透明基材フィルムに対する密着性を向上させるために、予め透明基材フィルム表面にコロナ放電処理等の前処理を施すことも可能である。
以下、図1を用いて色調補正フィルムの形成手順を具体的に説明する。
透明基材フィルム20上に第1ハードコート層形成用塗液を塗布し、活性エネルギー線照射により硬化することで第1ハードコート層30を形成する。透明基材フィルム20の第1ハードコート層30とは反対側の面に、第2ハードコート層用塗液を塗布した後に、活性エネルギー線照射により硬化することで第2ハードコート層10を形成する。
次に、第1ハードコート層30上に第1色調補正層形成用塗液を塗布し、活性エネルギー線照射により硬化することで第1色調補正層40を形成する。形成された第1色調補正層40上に第2色調補正層形成用塗液を塗布し、活性エネルギー線照射により硬化することで第2色調補正層50を形成して、色調補正フィルム1を得る。
[透明導電性フィルムの製造方法]
本発明の透明導電性フィルムは、上記の色調補正フィルムの上に透明導電層を形成して製造することができる。
透明導電層の成膜方法は特に限定されず、例えば蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法を採用できる。これらの中では、層の厚み制御の観点よりスパッタリング法が特に好ましい。また、透明導電層は必要に応じて、室温〜200℃の範囲内で加熱成膜することができる。具体的には、80℃以下の加熱成膜によりインジウム亜鉛酸化物層を緻密化することができ、導電安定性や均一性を改善することができる。
図1において、色調補正フィルム1の上、即ち、第2色調補正層50の上にスパッタリング法等により透明導電層60を形成して、透明導電性フィルム2を得る。
[タッチパネル・情報端末]
本発明の透明導電性フィルムは、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスパネル(有機EL等)等の表示装置に用いられるタッチパネルに使用することができる。具体的には、透明導電性フィルムについてエッチング加工処理を施すことによって、所望のタッチパネル用透明導電フィルムとすることができる。
本発明のタッチパネルは、エッチング加工性と生産性に優れ、残渣等の問題を生じない。また、本発明のタッチパネルは、携帯電話等の情報端末に用いることができる。本発明の情報端末は、タッチパネルの高精細加工が可能なため、優れた動作性を有する。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明の実施形態をより具体的に説明するが、本発明は、その効果を損なわない限りにおいて特に実施例の範囲に限定されるものではない。
<各層の屈折率の測定>
本発明の色調補正フィルムを構成する各層の屈折率を以下のように測定した。
色調補正フィルムを構成する第1ハードコート層、第2ハードコート層、第1色調補正層、及び第2色調補正層を形成するための塗液をそれぞれ調製し、以下のようにして屈折率を測定した。
(1)屈折率測定用フィルムの作製
屈折率1.67のPETフィルム(商品名「A4100」、東洋紡績株式会社製)上に、ディップコーター(杉山元理化学機器株式会社製)を用いて、乾燥硬化後の膜厚が100〜1000nm程度になるように塗液を塗布した。
塗膜を乾燥後、紫外線照射装置(岩崎電気株式会社製)により、窒素雰囲気下で120W高圧水銀灯を用いて、400mJの紫外線を照射し、硬化して屈折率測定用フィルムを作製した。
(2)反射スペクトルの測定
硬化後のPETフィルム裏面をサンドペーパーで荒らし、黒色塗料で塗りつぶしたものについて、反射分光膜厚計(「FE−3000」、大塚電子株式会社製)を用いて反射スペクトルを測定した。
(3)屈折率の算出
反射スペクトルより読み取った反射率から、下記に示すn−Cauchyの波長分散式(1)の定数を求め、光波長589nmにおける屈折率を求めた。
N(λ)=a/λ+b/λ+c (1)
(N:屈折率、λ:波長、a、b、c:波長分散定数)
[第1及び第2ハードコート層]
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)88重量部、光重合開始剤2重量部、アクリル系有機微粒子10重量部及びメチルイソブチルケトン(MIBK)100重量部を混合してハードコート層形成用塗液Aを調製した。この塗液Aを用いて形成したハードコート層の屈折率は1.52であった。
各原料は以下のものを用いた。
・DPHA:日本化薬株式会社製
・光重合開始剤:商品名IRGACURE184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製
・アクリル系有機微粒子:商品名MX−80H3wT、綜研化学株式会社製
[第1色調補正層]
酸化チタン微粒子原料、活性エネルギー線硬化型樹脂、光重合開始剤、及び溶媒を表1に示す分量でそれぞれ混合し、第1色調補正層形成用塗液A1〜A5を作製した。各塗液を用いて第1色調補正層を形成し、屈折率を測定した。結果を表1に示す。
各原料は以下のものを用いた。
・酸化チタン微粒子分散液:シーアイ化成株式会社製 RTTMIBK15WT%−N24
・活性エネルギー線硬化型樹脂:6官能ウレタンアクリレート(日本合成化学工業株式会社製紫光UV−7600B)
・光重合開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製IRGACURE184(I−184)
・溶媒:MIBK
ここで、酸化チタン微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、溶媒とを、重量比で100:5:1000の割合で使用した。表1中、酸化チタン微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂の使用量は、これらの合計に対する各成分の重量比を表す。
Figure 2016124124
[第2色調補正層]
シリカ微粒子原料、活性エネルギー線硬化型樹脂、光重合開始剤、IPA溶媒を表2に示す分量でそれぞれ混合し、第2色調補正層用塗液B1〜B5を作製した。各塗液を用いて第2色調補正層を形成し、屈折率を測定した。結果を表2に示す。
各原料は以下のものを用いた。
・シリカ微粒子:日産化学株式会社製XBA−ST
・活性エネルギー線硬化型樹脂:日本化薬株式会社製DPHA
・光重合開始剤:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製IRGACURE907(I−907)
・溶媒:イソプロピルアルコール(IPA)
ここで、シリカ微粒子及び活性エネルギー線硬化型樹脂と、光重合開始剤と、溶媒とを、重量比で100:5:4000の割合で使用した。表1中、シリカ微粒子原料及び活性エネルギー線硬化型樹脂の使用量は、これらの合計に対する各成分の重量比を表す。
Figure 2016124124
<色調補正フィルム及び透明導電性フィルムの製造・評価>
実施例1
屈折率1.67、厚さ125μmのPETフィルムの一方の面に、ハードコート層形成用塗液A(屈折率1.52)をバーコーターを用いて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射し硬化させた。硬化後の膜厚が1.5μmの第1ハードコート層を得た。続いて、PETフィルムのもう一方の面に、ハードコート層形成用塗液Aを用いて同様に膜を得た。硬化後の膜厚が1.5μmの第2ハードコート層を得た。
第1ハードコート層の上に、第1色調補正層形成用塗液A3をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射し硬化させた。このときの第1色調補正層の膜厚は45nmであった。
第1色調補正層の上に、第2色調補正層形成用塗液B3をバーコーターにて塗布し、120W高圧水銀灯にて400mJの紫外線を照射し硬化させた。このときの第2色調補正層の膜厚は30nmであった。
以上のようにして、色調補正フィルムを得た。
次に、上記色調補正フィルム基板の第2色調補正層の上に、インジウム亜鉛酸化物ターゲット(酸化インジウム92.5wt%、酸化亜鉛7.5wt%)を用いて、スパッタリング法により透明導電膜(インジウム亜鉛酸化物層)を成膜した。
ターゲットは、以下のように作製した。即ち、酸化インジウム92.5wt%に対して酸化亜鉛を7.5wt%配合し、混合粉砕し、加圧成型(CP及びCIP加圧)し、1400℃で20時間焼結してインジウム亜鉛酸化物焼結体を得た後、切削加工及び研磨処理してターゲットを作製した。このターゲットを所定のバッキングプレートにボンディングし、成膜装置(アルバック社製SLO−2500I型)にセットした後、下記の成膜条件で透明導電膜を成膜した。このときの透明導電膜の膜厚は30nmであった。
・成膜圧力:0.5Pa〜1.0Pa
・成膜基板温度:室温〜80℃
・成膜雰囲気:Ar100%ガス、又は1〜3%OドープArガス
・成膜パワー:1.0〜5.0W/cm
・膜厚:10〜100nm
透明導電膜のインジウム亜鉛酸化物における酸化インジウムと酸化亜鉛の酸化物換算の重量比率を、ICP発光分析法により測定したインジウム元素と亜鉛元素の存在比を基に算出したところ、酸化インジウムが0.925、酸化亜鉛が0.075であった。
以上の工程により透明導電性フィルムを得た。得られた透明導電性フィルムについて以下の評価を行った。結果を表3に示す。
<透明導電膜の評価>
[エッチング加工性評価]
色調補正フィルムの第2色調補正層の上に、上記の成膜条件にて、インジウム亜鉛酸化物薄膜及びインジウム錫酸化物膜を膜厚50nm成膜した後、市販のシュウ酸エッチング液(ITO−06N:関東化学社製)を用い、30℃で180秒間エッチングを行った。エッチング後,走査型電子顕微鏡でエッチング残渣の有無を確認した。なお、上記の成膜条件にて成膜した透明導電膜(インジウム亜鉛酸化物層)を3.4wt%シュウ酸エッチング液を用いて30℃にてエッチングを行い、単位時間当たりに溶解した膜厚の平均値からエッチング速度を算出したところ、40〜200nm/分であった。
[導電性評価]
透明導電フィルムの抵抗値を、直流四探針法(三菱化学アナリテック社製ロレスタEP)を用いて測定し、膜厚から換算して体積抵抗率(Ωcm)(比抵抗)を測定した。
<透明導電性フィルムの評価>
作製した透明導電性フィルムについて、光学特性評価及び骨見え評価を下記のように評価した。
[光学特性評価(黄色味指標b*、全光線透過率)]
島津製作所製分光光度計 UV−3000を用いて,波長380nmから波長780nmまでの透過率を測定した。透過率測定結果からJIS Z8722に基づき,三刺激値XYZを求めた。この三刺激値XYZから黄色味の指標であるb*を計算した。
また、ヘイズメーター(NIPPON DENSYOKU INDUSTRIES CO., LTD.製 NDH5000)を用いて全光線透過率を求めた。
[骨見え評価]
透明導電性フィルムの骨見えは、透過光による骨見えと反射光による骨見えについて測定した。
50mm□の色調補正フィルム上の透明導電層をシュウ酸エッチング液により5mmのライン&スペースを加工した。その後、エッチング加工を施した透明導電性フィルムに,光学用両面テープを介して,黒色に塗装したガラス基板に貼付した。背景を黒色としたフィルム上方からの光に対する反射光による骨見えを、目視により評価した。
同様に、白色に塗装したガラス基板に貼付し,背景を白色としたフィルムの上方からの光に対する透過光による骨見えも、目視により評価した。
目視評価の結果,明らかに骨が見えるものは×,骨見えがわずかに見えるものは△,骨見えがほとんど見えないものは○,骨見えが全く見えないものは◎とした。
実施例2〜8、比較例1〜10
各塗液の種類、膜厚等を表3に示すように変更した他は、実施例1と同様に透明導電性フィルムを作製し、評価した。結果を表3に示す。
Figure 2016124124
表3より、本発明の色調補正フィルムは骨見え現象がほとんど生じていないか、全く生じていないことが分かる。また、透過光の着色が抑えられ、全光線透過率に優れ、加工性にも優れることが分かる。
本発明の色調補正フィルムは、情報端末等に用いるタッチパネルに使用することができる。
1 色調補正フィルム
2 透明導電性フィルム
10 第2ハードコート層
20 透明基材フィルム
30 第1ハードコート層
40 第1色調補正層
50 第2色調補正層
60 透明導電層

Claims (13)

  1. 透明基材フィルムの一方の面に、第1ハードコート層、第1色調補正層、第2色調補正層をこの順に有し、前記透明基材フィルムのもう一方の面に第2ハードコート層を有する色調補正フィルムであって、
    前記第1ハードコート層の屈折率が1.50〜1.54であり、前記第1ハードコート層の膜厚が1.0〜2.0μmであり、
    前記第1色調補正層の屈折率が1.67〜1.77であり、前記第1色調補正層の膜厚が40〜50nmであり、
    前記第2色調補正層の屈折率が1.45〜1.52であり、前記第2色調補正層の膜厚が25〜35nmである色調補正フィルム。
  2. 前記第1ハードコート層及び第2ハードコート層から選択される少なくとも1つがアクリル樹脂微粒子を含有する請求項1に記載の色調補正フィルム。
  3. 前記第2色調補正層が、屈折率1.25以上の酸化物微粒子を含有する請求項1又は2に記載の色調補正フィルム。
  4. 前記第2色調補正層に含まれる前記酸化物微粒子がシリカである請求項3に記載の色調補正フィルム。
  5. 前記第1色調補正層が、屈折率1.90〜3.00の正4価金属酸化物微粒子を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の色調補正フィルム。
  6. 前記第1色調補正層に含まれる前記正4価金属酸化物微粒子が酸化チタンである請求項5に記載の色調補正フィルム。
  7. 前記第2ハードコート層の屈折率が1.50〜1.54であり、前記第2ハードコート層の膜厚が1.0〜2.0μmである請求項1〜6のいずれかに記載の色調補正フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の色調補正フィルムの前記第2色調補正層の上に透明導電層を有する透明導電性フィルムであって、前記透明導電層がインジウム亜鉛酸化物からなり、前記透明導電層の膜厚が20〜40nmである透明導電性フィルム。
  9. 前記インジウム亜鉛酸化物のインジウムと亜鉛の酸化物換算の重量比率が、酸化インジウムが0.89〜0.96、酸化亜鉛が0.04〜0.11である請求項8に記載の透明導電性フィルム。
  10. 3.4wt%シュウ酸エッチング液を用いた30℃における前記透明導電層のエッチング速度が40〜200nm/分である請求項8又は9に記載の透明導電性フィルム。
  11. 全光線透過率が80%以上である請求項8〜10のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
  12. 請求項8〜11のいずれかに記載の透明導電性フィルムを用いたタッチパネル。
  13. 請求項12に記載のタッチパネルを用いた情報端末。
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