JP2015230510A - タッチパネルセンサ用基板、タッチパネルセンサおよび表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、屈折率の異なる複数の有機層が積層され、上記有機層のみを有する屈折率調整層とを有し、上記有機層の厚さがそれぞれ10nm〜40nmの範囲内であることを特徴とするタッチパネルセンサ用基板を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1
Description
本発明のタッチパネルセンサ用基板は、透明基板と、上記透明基板上に形成され、屈折率の異なる複数の有機層が積層され、上記有機層のみを有する屈折率調整層とを有し、上記有機層の厚さがそれぞれ10nm〜40nmの範囲内であることを特徴とするものである。
図1は本発明のタッチパネルセンサ用基板の一例を示す概略断面図である。図1に示すように、タッチパネルセンサ用基板1は、透明基板2と、透明基板2上に形成され、屈折率の異なる2層の有機層31、32の積層体で構成される屈折率調整層3とを有している。また、各有機層31、32は所定の厚さを有している。
このタッチパネルセンサ10において、第1電極13aおよび第2電極13b、ならびに第2電極13b同士を接続する第2導電部14bは、透明電極層4となっている。
本発明における屈折率調整層は、透明基板上に形成され、屈折率の異なる複数の有機層が積層されたものであり、上記有機層のみを有するものである。また、各有機層は所定の厚さを有するものである。屈折率調整層は、本発明のタッチパネルセンサ用基板をタッチパネルセンサに用いた場合に、透明電極層が形成されている領域と透明電極層が形成されていない領域との光学特性を合わせることにより、透明電極層の骨見えを抑制するために設けられる層である。
屈折率調整層が2層の有機層の積層体で構成される場合であって、屈折率調整層が、透明基板上に形成された高屈折率層と、高屈折率層上に形成された低屈折率層とを有する場合、高屈折率層の屈折率は、透明基板および低屈折率層よりも高ければよい。また、低屈折率層の屈折率は、高屈折率層および透明電極層よりも低ければよい。
また、屈折率調整層が2層の有機層の積層体で構成される場合であって、屈折率調整層が、透明基板上に形成された低屈折率層と、低屈折率層上に形成された高屈折率層とを有する場合、低屈折率層の屈折率は、透明基板よりも高く、高屈折率層よりも低ければよい。
また、低屈折率層の屈折率は、1.4〜1.6の範囲内であることが好ましく、中でも1.50〜1.60の範囲内であることが好ましい。
ここで、高屈折率層および低屈折率層の屈折率は、有機層を550nmの波長においてエリプソメータを用いて測定して算出された値である。
ここで、「電離放射線硬化樹脂」とは、電離放射線の照射により硬化した樹脂をいう。「電離放射線」とは、電磁波または荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものをいい、例えば、紫外線や電子線の他、X線、γ線等の電磁波、α線、イオン線等の荷電粒子線が挙げられる。
電離放射線硬化樹脂としては、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂を挙げることができる。中でも、紫外線硬化樹脂が好ましい。
なお、有機層が屈折率調整粒子を含有する場合、有機層は表面に屈折率調整粒子による凹凸を有していてもよい。
このような高屈折率粒子としては、金属酸化物粒子を挙げることができ、例えば、酸化ジルコニウム(ZrO2、屈折率:2.10)、酸化アンチモン(Sb2O5、屈折率:1.79〜2.04)、アンチモン錫酸化物(ATO、屈折率:1.75〜2.05)、インジウム錫酸化物(ITO、屈折率:1.95〜2.00)、燐錫化合物(PTO、屈折率:1.75〜1.85)、β−Al2O5(屈折率:1.63〜1.76)、γ−Al2O5(屈折率:1.63〜1.76)、チタン酸バリウム(BaTiO3、屈折率:2.4)、酸化チタン(TiO2、屈折率:2.3〜2.7)、酸化セリウム(CeO2、屈折率:1.95〜2.20)、酸化錫(SnO2、屈折率:2.00)、アルミニウム亜鉛酸化物(AZO、屈折率:1.90〜2.00)、ガリウム亜鉛酸化物(GZO、屈折率:1.90〜2.00)、アンチモン酸亜鉛(ZnSb2O6、屈折率:1.9〜2.0)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率:1.90)、酸化イットリウム(Y2O3、屈折率:1.87)、酸化ジルコニウム(ZrO2、屈折率:2.0)等が挙げられる。これらの金属酸化物粒子は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせてもよい。
表面処理された高屈折率粒子および低屈折率粒子としては、例えば特開2013−142817号公報に記載されているものを挙げることができる。
ここで、平均粒径は、有機層の断面の顕微鏡観察による平均粒径をいう。顕微鏡観察による平均粒径は、例えば、100倍で顕微鏡観察を行い、画像処理ソフト等により任意の粒子の粒子径を100個測定して個数平均することにより得られる。
なお、有機層が屈折率調整粒子を含有する場合であって、有機層が表面に屈折率調整粒子による凹凸を有する場合には、上記の有機層の厚さは、屈折率調整粒子による凸部が存在しない部分の有機層の厚さをいう。
ここで、屈折率調整層の透過率は、例えばヘイズメーター(商品名:NDH2000、日本電色工業株式会社製)を用いて測定された全光線透過率である。
まず、タッチパネルセンサにおいて、透明電極層が形成されている領域と透明電極層が形成されていない領域との反射率の差、透過率の差および透過色差がそれぞれ所望の値となるように光学特性の目標値を設定する。次に、屈折率調整層を構成する各有機層の厚さおよび屈折率と、本発明のタッチパネルセンサ用基板をタッチパネルセンサとした際に用いられる透明電極層の厚さおよび屈折率とに基づいて、シミュレーションにより透明電極層が形成されている領域と透明電極層が形成されていない領域との反射率の差、透過率の差、透過色差の光学特性の値を求める。次に、屈折率調整層の各有機層の厚さおよび屈折率を可変のパラメータとして、上記の光学特性の目標値を達成することが可能な屈折率調整層の各有機層の厚さおよび屈折率を算出する。これにより、屈折率調整層を設計することができる。上記シミュレーションは、例えば、サイバネットシステムズ(株)製の薄膜設計ソフトウェア(OPTAS−FILM)を用いて行うことができる。屈折率調整層の設計方法の詳細については、特開2012−146217号公報に記載の内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
有機層形成用塗工液は、必要に応じて溶媒を含んでいてもよい。溶媒としては、一般的なものを用いることができる。
有機層形成用塗工液の塗布方法としては、透明基板上に有機層形成用塗工液を均一に塗布できる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、スピンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ロールコート法、ビードコート法、バーコート法等を挙げることができる。
有機層形成用塗工液の塗膜の硬化方法としては、有機材料の種類に応じて適宜選択されるものであり、加熱、紫外線や電子線の照射等が挙げられる。
本発明における透明基板は、上記屈折率調整層を支持するものである。
透明基板は、可撓性を有していてもよく有さなくてもよい。
ここで、透明基板の透過率は、JIS K 7105で規定する方法により測定した値(全光線)とする。
ここで、透明基板の屈折率は、550nmの波長においてエリプソメータを用いて測定して算出された値である。
本発明のタッチパネルセンサ用基板は、上記の透明基板と屈折率調整層とを有するものであればよく、必要に応じて他の構成を有していてもよい。他の構成としては、例えば、透明電極層を挙げることができる。
本発明においては、屈折率調整層上の全面に、金属酸化物を含有する透明電極層が形成されていてもよい。なお、透明電極層に用いられる金属酸化物および透明電極層の厚さ等については、後述の「B.タッチパネルセンサ」に記載する透明電極層と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明のタッチパネルセンサは、透明基板と、上記透明基板上に形成され、屈折率の異なる複数の有機層が積層され、上記有機層のみを有する屈折率調整層と、上記屈折率調整層上にパターン状に形成され、金属酸化物を含有する透明電極層とを有し、上記有機層の厚さがそれぞれ10nm〜40nmの範囲内であることを特徴とするものである。
図2(a)〜(c)は本発明のタッチパネルセンサの一例を示す概略平面図および断面図であり、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図、図2(c)は図2(a)のB−B線断面図である。なお、図2(a)〜(c)については、上記「A.タッチパネルセンサ用基板」に記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明における透明電極層は、屈折率調整層上にパターン状に形成され、金属酸化物を含有するものである。
ここで、透明電極層の厚さは、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)の観察像を用いて測定することができる。
ここで、透明電極層の屈折率は、550nmの波長においてエリプソメータを用いて測定して算出された値である。
また、透明電極層のエッチングに用いられるエッチング液としては、透明電極層を構成する金属酸化物に応じて適宜設定されるものである。具体的には、透明電極層がITOからなる場合には、塩化第二鉄と塩酸との混合水溶液や塩酸、シュウ酸、臭化水素酸等を用いることができる。
レジストについては、一般的なフォトリソグラフィ法に用いられているものと同様とすることができる。また、レジストの現像液、レジストの剥離液としては、例えば、水酸化カリウム水溶液等を挙げることができる。
本発明のタッチパネルセンサを構成する電極としては、タッチパネルセンサの形態に応じて適宜選択することができる。例えばタッチパネルセンサが静電容量方式の場合、電極としては、アクティブエリア内に形成されるセンサ電極および導電部、アクティブエリアの外側に形成される取り出し配線および外部接続端子を挙げることができる。
本発明におけるセンサ電極は、アクティブエリア内に形成され、接触位置を検出するために用いられるものであり、互いに絶縁された第1電極および第2電極を有するものである。
なお、第1電極および第2電極が互いに絶縁されているとは、両電極が電気的に接続されていないことをいう。
センサ電極の平面視形状としては、開口部を含まない面状であることが好ましい。また、センサ電極の平面視外形形状としては、具体的には長方形、平面視略正方形形状等の多角形状等とすることができる。
また、図5(a)、(b)は本発明のタッチパネルセンサの他の例を示す概略平面図および断面図であり、図5(b)は図5(a)のA−A線断面図である。図5(a)、(b)に示す例においては、第1電極13aおよび第2電極13b、ならびに第1電極13a同士を接続する第1導電部13bおよび第2電極13b同士を接続する第2導電部14bが、透明電極層4となっている。図5(a)において説明を容易にするため屈折率調整層を省略している。
本発明における導電部は、上記センサ電極を構成する第1電極間および第2電極間をそれぞれ接続する第1導電部および第2導電部を有するものである。通常、第1導電部および第2導電部はその一部が平面視上重なるように形成される。
導電部が上記透明電極層ではない場合、導電部に用いられる導電性材料としては、例えば、アルミニウム、モリブデン、銀、クロム等の金属およびその合金等を用いることができる。
本発明における取り出し配線は、上記センサ電極に接続されるものである。
取り出し配線が上記透明電極層ではない場合、取り出し配線に用いられる導電性材料としては、銀、金、クロム、プラチナ、アルミニウムの単体、あるいはこれらのいずれかを主体とする合金等を例示することができる。金属合金としては、APC、すなわち銀・パラジウム合金が汎用される。また、金属の複合体としては、MAM(Mo−Al−Mo、すなわちモリブデン・アルミニウム・モリブデンの3層構造体)等も適用可能である。
本発明における外部接続端子は、上記取り出し配線に接続され、例えば、フレキシブルプリント配線基板等のタッチパネルセンサの外部の構成との接続に用いられるものである。
外部接続端子の端子幅、厚さおよび平面視形状や、外部接続端子部内における外部接続端子間の間隔については、一般的なタッチパネルセンサと同様とすることができる。具体的には、特開2011−210176号公報に記載されるものと同様とすることができる。
本発明のタッチパネルセンサは、上記の透明基板と屈折率調整層と透明電極層とを有するものであればよく、必要に応じて他の構成を有していてもよい。他の構成としては、例えば、絶縁層、オーバーコート層、加飾層、前面板等を挙げることができる。
本発明においては、必要に応じて絶縁層が形成されていてもよい。絶縁層は、上記センサ電極を構成する第1電極および第2電極間や、上記導電部を構成する第1導電部および第2導電部間の短絡を防止するために形成されるものである。
絶縁層の詳細については、例えば特開2013−210733号公報に記載のものと同様とすることができる。
本発明においては、センサ電極、導電部および取り出し配線を覆うようにオーバーコート層が形成されていてもよい。
オーバーコート層としては、絶縁性および透明性を有するものであればよい。絶縁性および透明性を有する被覆層の材料としては、例えばアクリル樹脂等の有機材料や酸化ケイ素等の無機材料等を挙げることができる。
本発明においては、加飾層が形成されていてもよい。加飾層により、取り出し配線や外部接続端子を隠すことができ、意匠性を高めることができる。また、加飾層は、文字、図形、記号等の標章等を表示するものとしても用いられる。
加飾層の配置としては、取り出し配線および外部接続端子よりもタッチパネルセンサの操作面側に加飾層が配置されていればよく、例えば屈折率調整層と取り出し配線および外部接続端子との間に加飾層が形成されていてもよく、透明基板と屈折率調整層との間に加飾層が形成されていてもよく、透明基板の取り出し配線および外部接続端子が形成されている面とは反対側の面に加飾層が形成されていてもよい。また、後者の場合、透明基板上に直に加飾層が形成されていてもよく、後述の前面板に加飾層が形成されていてもよい。
加飾層の形成方法としては、所定のパターン状に加飾層を形成することができる方法であればよく、加飾層の材料等に応じて適宜選択される。例えば加飾層が着色層である場合、加飾層の形成方法としては、グラビア印刷、スクリーン印刷等の印刷法、インクジェット法、フォトリソグラフィ法等が挙げられる。また、加飾層が金属層である場合、マスク蒸着法等が挙げられる。
加飾層の厚さとしては、目的に応じて適宜選択される。
本発明においては、タッチパネルセンサの操作面側の最表面に前面板が配置されていてもよい。前面板としては、タッチパネルセンサに用いられる一般的なものを使用することができる。
本発明においては、透明基板が前面板を兼ねることが好ましい。この場合、前面板一体型タッチパネルセンサとすることができる。
本発明のタッチパネルセンサは、上記屈折率調整層を有することにより、透明電極層が形成されている領域および透明電極層が形成されていない領域の光学特性が調整されたものである。透明電極層が形成されている領域および透明電極層が形成されていない領域の光学特性については、本発明のタッチパネルセンサの用途に応じて適宜調整することができる。
本発明の表示装置は、表示パネルと、上記表示パネルの表示面上に配置されたタッチパネルセンサとを有するものであって、上記タッチパネルセンサが、透明基板と、上記透明基板上に形成され、屈折率の異なる複数の有機層が積層され、上記有機層のみを有する屈折率調整層と、上記屈折率調整層上にパターン状に形成され、金属酸化物を含有する透明電極層とを有し、上記有機層の厚さがそれぞれ10nm〜40nmの範囲内であり、上記タッチパネルセンサの上記透明電極層の形成面と、上記表示パネルの表示面とが対向して配置されていることを特徴とするものである。
本発明におけるタッチパネルセンサは、表示パネルの表示面上に、タッチパネルセンサの透明電極層の形成面と表示パネルの表示面とが対向するように配置されるものである。
タッチパネルセンサおよび表示パネルは、通常、接着層を介して貼合される。接着層には、例えばOCAと称される光学用透明接着剤を用いることができる。
なお、タッチパネルセンサについては、上記「B.タッチパネルセンサ」に記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明に用いられる表示パネルとしては、タッチパネルを適用可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば液晶パネル、有機ELパネル、電子ペーパー等のフラットディスプレイパネルが挙げられる。
(高屈折率層形成用塗工液A)
屈折率1.70の高屈折率層を形成するための高屈折率層形成用塗工液Aを準備した。高屈折率層形成用塗工液Aは、エポキシ樹脂を主成分とする光硬化性または熱硬化性樹脂組成物に、酸化チタン粒子や酸化ジルコニウム粒子のような金属酸化物粒子を、屈折率が1.70となるように添加したものである。
屈折率1.80の高屈折率層を形成するための高屈折率層形成用塗工液Bを準備した。高屈折率層形成用塗工液Bは、エポキシ樹脂を主成分とする光硬化性または熱硬化性樹脂組成物に、酸化チタン粒子や酸化ジルコニウム粒子のような金属酸化物粒子を、屈折率が1.80となるように添加したものである。
屈折率1.50の低屈折率層を形成するための低屈折率層形成用塗工液Cを準備した。低屈折率層形成用塗工液Cは、エポキシ樹脂を主成分とする光硬化性または熱硬化性樹脂組成物を複数混合し、屈折率が1.50となるように調合したものである。
屈折率1.60の低屈折率層を形成するための低屈折率層形成用塗工液Dを準備した。低屈折率層形成用塗工液Dは、エポキシ樹脂を主成分とする光硬化性または熱硬化性樹脂組成物を複数混合し、屈折率が1.60となるように調合したものである。
(タッチパネルセンサ用基板の作製)
透明基板として、厚さ0.55mm、屈折率1.50のガラス基板を準備した。まず、ガラス基板上に、上記の高屈折率層形成用塗工液Aを塗工し、露光、焼成して、厚さ10nm〜50nm、屈折率1.70の高屈折率層を形成した。なお、厚さ30nmの高屈折率層の断面のTEM観察を行ったところ、高屈折率層に含まれる粒子の粒径は20nmであった。次いで、高屈折率層上に、上記の低屈折率層形成用塗工液Cを塗工し、露光、焼成して、厚さ10nm〜50nm、屈折率1.50の低屈折率層を形成した。
次に、低屈折率層の外縁にスクリーン印刷法により額縁状の加飾層を形成し、加飾層上にフォトリソグラフィ法により金属から構成される取り出し配線および外部接続端子をパターン状に形成した。次いで、フォトリソグラフィ法によりITOから構成される透明電極層をパターン状に形成し、図2(a)〜(c)に例示するような第1電極および第2電極を有するセンサ電極と第2導電部とを形成した。透明電極層の厚さは1300Åとした。次いで、第2導電部を覆うように絶縁層を形成し、絶縁層上に第1導電部を形成した。
高屈折率層形成用塗工液Aに代えて高屈折率層形成用塗工液Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてタッチパネルセンサを作製した。なお、厚さ30nmの高屈折率層の断面のTEM観察を行ったところ、高屈折率層に含まれる粒子の粒径は20nmであった。
高屈折率層形成用塗工液Aに代えて高屈折率層形成用塗工液Bを用い、低屈折率層形成用塗工液Cに代えて低屈折率層形成用塗工液Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてタッチパネルセンサを作製した。
ガラス基板上に、上記の低屈折率層形成用塗工液Cを塗工し、露光、焼成して、厚さ30nm、屈折率1.50の低屈折率層を形成した後、低屈折率層上に、上記の高屈折率層形成用塗工液Bを塗工し、露光、焼成して、厚さ30nm、屈折率1.80の高屈折率層を形成したこと以外は、実施例1と同様にしてタッチパネルセンサを作製した。
屈折率調整層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてタッチパネルセンサを作製した。
ガラス基板上に酸化ニオブからなる高屈折率層と酸化ケイ素からなる低屈折率層とが順に積層されたタッチパネルセンサ用基板を準備したこと以外は、実施例1と同様にしてタッチパネルセンサを作製した。
屈折率1.75の屈折率調整層を形成するため屈折率調整層形成用塗工液Eを準備した。屈折率調整層形成用塗工液Eは、エポキシ樹脂を主成分とする光硬化性または熱硬化性樹脂組成物に、酸化チタン粒子や酸化ジルコニウム粒子のような金属酸化物粒子を、屈折率が1.75となるように添加したものである。
ガラス基板上に、上記の屈折率調整層形成用塗工液Eを塗工し、露光、焼成して、厚さ1μm、屈折率1.75の屈折率調整層を1層形成したこと以外は、実施例1と同様にしてタッチパネルセンサを作製した。
1.目視評価
タッチパネルセンサの透明電極層の骨見えに関して、40Wの蛍光灯2本の真下で観察した場合および晴天時の室内窓側の太陽光の下で観察した場合それぞれについて、目視で評価した。「5」が最も良く、「1」が最も悪い評価である。
1:透明電極層のパターンがはっきり確認される。
2:透明電極層のパターンが確認される。
3:透明電極層のパターンがぼんやり確認される。
4:透明電極層のパターンがほとんど確認されない。
5:透明電極層のパターンが確認されない。
なお、例えば「3」と「4」の間であると判断した場合には「3.5」と評価した。また、3人で評価し、平均値を取った。
透明電極層が形成されている領域および透明電極層が形成されていない領域の波長550nmの反射率を測定した。そして、透明電極層が形成されている領域の反射率をY(ITO)、透明電極層が形成されていない領域の反射率をY(slit)とし、反射率比Y(ITO)/Y(slit)を求めた。
結果を下記表1に示す。
番号12、25のタッチパネルセンサは、番号32の1層の厚膜の屈折率調整層が形成されている場合と比較すると、評価は同程度であるが、屈折率調整層の厚さが薄いため、透過率および色味の点で優位であった。
また、番号27、28のタッチパネルセンサについて反射率比を求めたところ、目視評価と一致した。
タッチパネルセンサにおける透明電極層が形成されている領域と透明電極層が形成されていない領域との反射光の差についてシミュレーションを行った。
シミュレーション条件を下記に示す。
透明電極層が形成されている領域については、透明基板/高屈折率層/低屈折率層/透明電極層の層構成を仮定した。透明電極層が形成されていない領域については、透明基板/高屈折率層/低屈折率層の層構成を仮定した。また、透明基板の屈折率を1.50、高屈折率層の屈折率を1.70、低屈折率層の屈折率を1.50、透明電極層の屈折率を2.00とし、透明基板の厚さを0.55mm、透明電極層の厚さを1300Åとし、各有機層の厚さは10nm〜100nmの範囲内で変化させた。
シミュレーションにより、透明電極層が形成されている領域の反射光と透明電極層が形成されていない領域の反射光との色差ΔEab *を求めた。ここで、ΔEab *は、下記式(1)により算出される。
ΔEab *=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2 (1)
ΔEab *:色差
ΔL*:透明電極層が形成されている領域のL*と透明電極層が形成されていない領域のL*との差
Δa*:透明電極層が形成されている領域のa*と透明電極層が形成されていない領域のa*との差
Δb*:透明電極層が形成されている領域のb*と透明電極層が形成されていない領域のb*との差
L*、a*およびb*:L*a*b*表色系の値
シミュレーション結果を図6に示す。ΔEab *は、大きくなるほど透明電極層が可視化される傾向が増大し、小さくなるほど透明電極層が不可視化される傾向にある。シミュレーション結果は、実施例1〜4の結果と一致した。
2 … 透明基板
3、3a、3b… 屈折率調整層
4 … 透明電極層
10 … タッチパネルセンサ
11 … アクティブエリア
13a … 第1電極
13b … 第2電極
14a … 第1導電部
14b … 第1導電部
15 … 取り出し配線
16 … 絶縁層
19 … 外部接続端子
31、32 … 有機層
Claims (3)
- 透明基板と、
前記透明基板上に形成され、屈折率の異なる複数の有機層が積層され、前記有機層のみを有する屈折率調整層と
を有し、前記有機層の厚さがそれぞれ10nm〜40nmの範囲内であることを特徴とするタッチパネルセンサ用基板。 - 透明基板と、
前記透明基板上に形成され、屈折率の異なる複数の有機層が積層され、前記有機層のみを有する屈折率調整層と、
前記屈折率調整層上にパターン状に形成され、金属酸化物を含有する透明電極層と
を有し、前記有機層の厚さがそれぞれ10nm〜40nmの範囲内であることを特徴とするタッチパネルセンサ。 - 表示パネルと、前記表示パネルの表示面上に配置されたタッチパネルセンサとを有する表示装置であって、
前記タッチパネルセンサが、透明基板と、前記透明基板上に形成され、屈折率の異なる複数の有機層が積層され、前記有機層のみを有する屈折率調整層と、前記屈折率調整層上にパターン状に形成され、金属酸化物を含有する透明電極層とを有し、前記有機層の厚さがそれぞれ10nm〜40nmの範囲内であり、
前記タッチパネルセンサの前記透明電極層の形成面と、前記表示パネルの表示面とが対向して配置されていることを特徴とする表示装置。
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