JP6333098B2 - Ag/SnO2電気接点用粉末の製造方法及びAg/SnO2電気接点材料の製造方法 - Google Patents

Ag/SnO2電気接点用粉末の製造方法及びAg/SnO2電気接点材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、環境保全型銀ベース合金複合材料の製造法に関し、具体的にはAg/SnO電気接点用粉末、環境保全型ナノドープAg/SnO電気接点材料及びそれらの製造法に関する。
現在、公知のAg/SnO電気接点材料の技術としては、非特許文献1〜4及び特許文献1〜4が挙げられる。
以上の公開された技術では、Ag/SnO接点材料を作製するとき、異なる添加物及び製造法が採用され、高純度金属の微粒化、酸化技術を採用して酸化物粉末を製造する場合があり、銀の含有量が高く、コストが大きく、プロセス要求が厳しい等の欠点が存在し、且つ高温で酸化物粒子の凝集を引き起こしやすく、接点材料の使用寿命に影響を及ぼすので、工業化応用は困難であった。また、業務用接点材料の多くは、人体及び環境に有害なカドミウム元素を含有していたため、環境に優しい性能のより優れた代替材料の開発が急務となっている。そして、以上の技術は、酸化物を細かに一様分布させるという鍵となる問題を解決することができない。
中国特許出願公開第1417817号明細書 中国特許出願公開第1425782号明細書 中国特許出願公開第1595568号明細書 特開昭51−2619号公報
「新型銀酸化スズ電気接点材料」、希少金属材料と工学、(中国)、2005年、第34巻、第3号、p.483〜485 「Ag/SnO2電気接点材料の製造と直流アーク侵食形態の特徴」、希少金属材料と工学、(中国)、2005年、第3巻、p.3〜6 「反応・合成されたAg/SnO2電気接点材料の電気接性能研究」、希少金属、(中国)、2007年、第4巻、p.486〜490 「表面修飾によるAg/SnO2接点材料組織性能の影響の研究」、材料熱処理学報、(中国)、2006年、第5巻、p.118〜121
本発明は、添加物を含む酸化物を細かに一様分布させたAg/SnO電気接点材料の製造法を提供することを目的とし、人体及び環境に有害なカドミウム元素の代わりに、酸化ランタンが添加されたナノ酸化スズ、及び酸化銅などの酸化物をケミカル法で添加することにより、電気接点材料の性能を改善し、酸化物が銀母材に細かに一様分布するようにし、上記の背景技術において接点材料の酸化物が凝集しやすく、電気接点の温度上昇が高く、耐アーク摩耗性が比較的悪く、電気接点の寿命が低い等の欠点を解決する。
本発明は、酸化スズ、酸化ランタン及び酸化銅を質量比1:(0.08〜0.5):(0.05〜0.7)の割合で混合して混合粉体を調製し、混合粉体に対し800〜1500回/分の回転速度の高エネルギーボールミリングを行うことによりナノ複合粉体を得る工程1と、工程1で得られたナノ複合粉体、及び銀粉を、ナノ複合粉体5〜12質量%及び銀粉88〜95質量%の割合で配合し、100〜300回/分の回転速度のボールミリングを行うことにより均一に混合し、ナノ複合粉体を銀粉の粒子にはめ込む工程2とを有することを特徴とするAg/SnO電気接点用粉末を製造する方法である。
本発明は、上記工程2で得られた粉末を造粒する工程3を更に有してもよい。
また、本発明は、上記工程3で造粒した粉末に対し、成形、焼結を行なう工程4と、工程4で得られた材料に対し焼きなましを行なう工程5とを有することを特徴とするAg/SnO電気接点材料を製造する方法である。
また、本発明は、上記の方法で製造されたことを特徴とするAg/SnO電気接点用粉末及びAg/SnO電気接点材料である。
本発明によるAg/SnO電気接点材料は、酸化物粒子が細かく、分布が均一で、環境に優しく、コストが比較的安く、導電性及び耐摩耗性が良好であるというメリットがあり、応用の先行きがより広い。
本発明において、アルコールを助磨剤として利用し、1〜3時間の高エネルギーボールミリングを行うことによりナノSnO複合粉体を調製し、得られたナノ複合粉体と銀粉とを所定の割合で混合し、100〜300回/分の回転速度のボールミリングを3〜9時間行って得られた銀−酸化物複合粉体の顕微鏡形態であり、ナノ酸化物複合粉体は銀粉の粒子にはめ込まれ、酸化物が母材に分散分布している。 図1に示したボールミリング・混合された銀−酸化物複合粉体を500〜650℃の温度の炉内に入れ、1〜3時間保温して、焼きなましを行った後、100〜190MPaの圧力で等静圧成形し、成形した試料を300〜550℃の温度の炉内に入れて0.5〜1.5時間保温後、700〜820℃の温度の炉内に入れて5〜7時間保温後に取り出し、100〜180MPaの圧力で熱間プレス加工して得られた成形品の顕微鏡組織形態である。 高エネルギーボールミリングを行うことによりナノSnO複合粉体を調製し、得られたナノ複合粉体と銀粉とを所定の割合で混合し、ボールミリングを2時間行って得られた銀−酸化物複合粉体の顕微鏡形態であり、ボールミリング時間が短すぎるため、ナノ酸化物複合粉体は銀粉の粒子にはめ込まれていない。 本発明にかかる製造法の実施一例で得られたナノ酸化物複合粉体と銀粉との混合粉体のSEM写真であり、ナノ酸化物複合粉体は銀粉の粒子にはめ込まれていない。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳しく説明する。ただし、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
実施の形態1.
[製造法概要]
<Ag/SnO電気接点用粉末>
以下、本発明の添加物を含むナノAg/SnO電気接点用粉末を製造する方法について説明する。
まず、工程1において、酸化スズ、酸化ランタン及び酸化銅を質量比1:(0.08〜0.5):(0.05〜0.7)の割合で混合し、高エネルギーボールミリング(即ち、800〜1500回/分の回転速度)を行うことによりナノ複合粉体を調製する。好ましくは、酸化スズ、酸化ランタン及び酸化銅の平均粒径がいずれも40〜270μmである。好ましくは、高エネルギーボールミリングを行なう際、ボール及び粉末の質量比を(10〜30):1にし、アルコールを媒体とし、合計1〜3時間ボールミリングを行い(ただし、30分につき10分間停止し、停止時間はボールミリング合計時間に含まれない)、篩にかけ、室温で乾燥させる。比表面積テスター及び比重瓶を用いて、得られたナノ複合粉体の比表面積及び密度をそれぞれ得て、その平均粒径が100〜500nmであることを算出する。好ましくは、ボールとして鋼球を採用する。その他、例えば、鋼球の密度は7.8g/cmであり、鋼球の体積はボールミル缶容積の0.040%〜0.355%であり、鋼球と粉体との合計体積はボールミル缶容積の30〜40%を占めることが好ましい。
その後、工程2において、上記で得られたナノ複合粉体、及び銀粉を、ナノ複合粉体5〜12質量%及び銀粉88〜95質量%の割合で量り、100〜300回/分の回転速度のボールミリングを行うことにより均一に混合し、ナノ複合粉体を銀粉の粒子へはめ込む(図1を参照)。好ましくは、上記銀粉として、60〜80μmの平均粒径の銀粉及び40〜53μmの平均粒径の銀粉を質量比(1〜10):(0〜2)の割合で混合した銀粉を用いる。その他、好ましくは、ボールミリングを行う際、ボール及び粉末の質量比を(5〜10):1にし、3〜9時間ボールミリングを行うことにより、ボールミリングによる合金化が実現し、ナノ複合粉体が銀粉の粒子にはめ込まれる。その他、好ましくは、ボールとしてステンレス鋼球を採用する。
上記製造法によれば、以下の有益な効果を得ることができる。
1.酸化カドミウムの代わりに酸化スズを添加することにより、環境及び人体に対するカドミウム元素の汚染は完全に解決された。
2.酸化銅の添加により、電気アーク作用下での銀の湿潤性が改善され、材料の抵抗率が低減し、材料の導電率を70%IACS以上に上げることができた。
3.酸化ランタンを分散剤として添加することにより、ナノ酸化スズ粒子の高温での凝集を防止し、ナノ酸化物粒子と銀の湿潤性を高め、電気アークでの熔融銀の粘度を増加し、電気アーク摩耗耐性を上げた。また、ナノ酸化スズ粒子の分散性が改善され、酸化物が母材に分散分布し、且つ母材との金属結合が比較的強く、「分散強化」効果が著しいため、当該粉体で製造されたAg/SnO電気接点材料の硬度は比較的高い。加工条件を適宜選択することにより、Ag/SnO電気接点材料の硬度(HV0.2)は110〜140に達することができた。
4.粒度の異なる銀粉を混合することにより、混合物の空隙率が効果的に低減され、かつ高エネルギーボールミリングを利用して粉末を混合することにより結晶粒を微細化した。また、ボールミリング過程においてナノ複合粉体が銀粉の粒子にはめ込まれることにより、粉体の成形性と電気的特性は改善された。
その他、工程2の後、工程3において、工程2で得られた粉末を造粒してもよい。好ましくは、工程2で得られた粉末を500〜650℃の温度の炉内に入れ、1〜3時間保温後、別の室温炉内に入れて冷却し、冷却したものを粉砕し、40〜60メッシュの篩にかけ、篩下を回収する。
<Ag/SnO電気接点材料>
以下、上記Ag/SnO電気接点用粉末を基にしてAg/SnO電気接点材料を製造する方法について説明する。
まず、工程4において、上記工程3で造粒された粉末を成形、焼結する。好ましくは、成形する際、工程3で造粒した粉末を100〜190MPaの圧力で柱体となるように等静圧成形し、0.3〜1分間保圧する。好ましくは、焼結する際、成形した試料を300〜550℃の温度の炉内に入れて0.5〜1.5時間保温後、700〜820℃の温度の炉内に入れて5〜7時間保温後に取り出し、押出し比を(10〜20):1にして熱間プレス加工を行う。なお、本明細書において、押出し比(extrusion ratio)とは、金型の材料を押し付ける側の断面積を最終的に材料が出て行く側の穴の断面積で割った値である。これにより得られた試料の形態は、図2に示されるように、試料中の酸化物はすべて粒子状をし、Ag母材上に一様分布している。それは、熱間プレス・焼結過程において、ナノ酸化物がAg母材中に分散分布し、母材に隔てられ被覆され、相互分離し、生長に必須の成分条件を欠き、内部構造の調整しかできないことが原因と考えられ、それ故、酸化物が著しく凝集せず、大きくならず、最終的に、ナノ酸化物粒子がAg基体内に分散分布している従来と異なる組織が得られる。また、熱間プレス加工を採用することにより、材料の密度を9.75g/cm以上に高めることができる。
その後、工程5において、工程4で得られた材料に対し焼きなましを行なう。好ましくは、工程4の上記熱間プレス加工で得られたものを、実際の工業生産上の必要に応じて圧延し、圧延して得られた材料を500〜700℃の温度で2〜3時間焼きなまし、試料の硬度を調整し、最終的な接点材料が得られる。
以下、いくつかの具体例を挙げて説明を行なう。ただし、本発明者らの実験によれば、上記[製造法概要]に記載した条件を満たしさえすれば、ナノ複合粉体を銀粉の粒子へはめ込むことができ、さらにナノ酸化物粒子がAg結晶粒内に分散分布された組織を得ることができ、下記の実施例でしか上記効果を実現できないと理解すべきではない。
<実施例1>
工程1において、酸化スズ、酸化ランタン及び酸化銅を質量比1:0.5:0.6の割合で混合し、ボール及び粉末の質量比を10:1にしてボールミル缶内に入れ、アルコールを媒体とし、ボールミルの回転速度を1000回/分にして1時間ボールミリングを行い(ただし、30分につき10分間停止)、試料を篩にかけ、室温で乾燥させた。粉体の比表面積及び密度を測定することで、粉体の平均粒径が400nmであることを算出した。これにより、ナノ複合粉体が得られた。
工程2において、平均粒径が78μmである銀粉と平均粒径が50μmである銀粉とを質量比9:1の割合で混合した。混合した銀粉93質量%及び上記得られたナノ複合粉体7質量%の配合割合にした粉末試料を、ボール及び粉末の質量比を6:1にしてボールミルに入れ、ボールミルの回転速度を100回/分にして5時間ボールミリングを行った後、取り出した。
工程3において、ボールミリングした試料を500℃の温度の炉内に入れて2時間保温した後、取り出し、別の室温炉内に入れて冷却し、冷却した試料を粉砕し、50メッシュの篩いにかけ、篩下を回収した。
工程4において、冷却した粉末を等静圧成形金型内に入れ、100MPaの圧力をかけ、0.3分間保圧し、成形した。成形した試料を350℃の温度の炉内に入れて1時間保温後、700℃の温度の炉内に入れて5時間保温後、取り出した。その後、試料をプレス加工機に入れ、金型の温度を400℃にし、130MPaの圧力をかけ、開口の寸法を40×4mmにし、押出し比を10:1にし、成形品を得た。
工程5において、熱間プレス加工により得られた成形品を実際の工業生産上の必要に応じて圧延し、圧延して得られた接点材料を550℃の温度で2時間焼きなまして製品の硬度を調節し、最終的に接点材料を得た。得られた接点材料の密度は9.78g/cm、硬度HV0.2は125、導電率(%IACS)は71であった。
<実施例2>
工程1において、酸化スズ、酸化ランタン及び酸化銅を質量比1:0.2:0.06の割合で混合し、ボール及び粉末の質量比15:1にしてボールミル缶内に入れ、アルコールを媒体とし、ボールミルの回転速度を1100回/分にして1時間ボールミリングを行い(ただし、30分につき10分間停止)、試料を篩にかけ、室温で乾燥させた。粉体の比表面積及び密度を測定することで、粉体の平均粒径が450nmであることを算出した。これにより、ナノ複合粉体が得られた。
工程2において、平均粒径が70μmである銀粉と平均粒径が47μmである銀粉とを質量比8:1の割合で混合した。混合した銀粉90質量%及び上記得られたナノ複合粉体10質量%の配合割合にした粉末試料を、ボール及び粉末の質量比を8:1にしてボールミルに入れ、ボールミルの回転速度を200回/分にして5.5時間ボールミリングを行った後、取り出した。
工程3において、ボールミリングした試料を550℃の温度の炉内に入れて2時間保温した後、取り出し、別の室温炉内に入れて冷却し、冷却した試料を粉砕し、55メッシュの篩にかけ、篩下を回収した。
工程4において、冷却した粉末を等静圧成形金型内に入れ、150MPaの圧力をかけ、1分間保圧し、成形した。成形した試料を450℃の温度の炉内に入れて1時間保温後、720℃の温度の炉内に入れて6時間保温後、取り出した。その後、試料をプレス加工機に入れ、金型の温度を350℃にし、130MPaの圧力をかけ、開口の寸法を56×6mmにし、押出し比を20:1にし、成形品を得た。
工程5において、熱間プレス加工により得られた成形品を実際の工業生産上の必要に応じて圧延し、圧延して得られた接点材料を650℃の温度で2時間焼きなまして製品の硬度を調節し、最終的に接点材料を得た。得られた接点材料の密度は9.76g/cm、硬度HV0.2は130、導電率(%IACS)は75であった。
<実施例3>
工程1において、酸化スズ、酸化ランタン及び酸化銅を質量比1:0.09:0.4の割合で混合し、ボール及び粉末の質量比を20:1にしてボールミル缶内に入れ、アルコールを媒体とし、ボールミルの回転速度を1300回/分にして3時間ボールミリングを行い(ただし、30分につき10分間停止)、試料を篩にかけ、室温で乾燥させた。粉体の比表面積及び密度を測定することで、粉体の平均粒径が350nmであることを算出した。これにより、ナノ複合粉体が得られた。
工程2において、平均粒径が72μmである銀粉と平均粒径が46μmである銀粉とを質量比5:1の割合で混合した。混合した銀粉89質量%及び上記得られたナノ複合粉体11質量%の配合割合にした粉末試料を、ボール及び粉末の質量比を6:1にしてボールミルに入れ、ボールミルの回転速度を130回/分にして6時間ボールミリングを行った後、取り出した。
工程3において、ボールミリングした試料を550℃の温度の炉内に入れて2時間保温した後、取り出し、別の室温炉内に入れて冷却し、冷却した試料を粉砕し、40メッシュの篩にかけ、篩下を回収した。
工程4において、冷却した粉末を等静圧成形金型内に入れ、160MPaの圧力をかけ、0.7分間保圧し、成形した。成形した試料を400℃の温度の炉内に入れて1時間保温後、760℃の温度の炉内に入れて5時間保温後、取り出した。その後、試料をプレス加工機に入れ、金型の温度を430℃にし、110MPaの圧力をかけ、開口の寸法を56×6mmにし、押出し比を18:1にし、成形品を得た。
工程5において、熱間プレス加工により得られた接点材料を実際の工業生産上の必要に応じて圧延し、圧延して得られた接点材料を520℃の温度で2時間焼きなまして製品の硬度を調節し、最終的に接点材料を得た。得られた接点材料の密度は9.75g/cm、硬度HV0.2は122、導電率(%IACS)は76であった。
<実施例4>
工程1において、酸化スズ、酸化ランタン及び酸化銅を質量比1:0.09:0.06の割合で混合し、ボール及び粉末の質量比を20:1にしてボールミル缶内に入れ、アルコールを媒体とし、ボールミルの回転速度を1300回/分にして3時間ボールミリングを行い(ただし、30分につき10分間停止)、試料を篩にかけ、室温で乾燥させた。粉体の比表面積及び密度を測定することで、粉体の平均粒径が330nmであることを算出した。これにより、ナノ複合粉体が得られた。
工程2において、平均粒径が72μmである銀粉89質量%及び上記得られたナノ複合粉体11質量%の配合割合にした粉末試料を、ボール及び粉末の質量比を6:1にしてボールミルに入れ、ボールミルの回転速度を140回/分にして6時間ボールミリングを行った後、取り出した。
工程3において、ボールミリングした試料を530℃の温度の炉内に入れて2時間保温した後、取り出し、別の室温炉内に入れて冷却し、冷却した試料を粉砕し、40メッシュの篩にかけ、篩下を回収した。
工程4において、冷却した粉末を等静圧成形金型内に入れ、160MPaの圧力をかけ、0.7分間保圧し、成形した。成形した試料を400℃の温度の炉内に入れて1時間保温後、770℃の温度の炉内に入れて5時間保温後、取り出した。その後、試料をプレス加工機に入れ、金型の温度を430℃にし、125MPaの圧力をかけ、開口の寸法を56×6mmにし、押出し比を18:1にし、成形品を得た。
工程5において、熱間プレス加工により得られた成形品を実際の工業生産上の必要に応じて圧延し、圧延して得られた接点材料を540℃の温度で2時間焼きなまして製品の硬度を調節し、最終的に接点材料を得た。得られた接点材料の密度は9.70g/cm、硬度HV0.2は120、導電率(%IACS)は75であった。
<参考例>
工程1において、酸化スズ、酸化ランタン及び酸化銅を質量比1:0.09:0.06の割合で混合し、ボール及び粉末の質量比を20:1にしてボールミル缶内に入れ、アルコールを媒体とし、ボールミルの回転速度を1300回/分にして3時間ボールミリングを行い(ただし、30分につき10分間停止)、試料を篩にかけ、室温で乾燥させた。粉体の比表面積及び密度を測定することで、粉体の平均粒径が330nmであることを算出した。これにより、ナノ複合粉体が得られた。
工程2において、平均粒径が72μmである銀粉と平均粒径が46μmである銀粉とを質量比5:1の割合で混合した。混合した銀粉89質量%及び上記得られたナノ複合粉体11質量%の配合割合にした粉末試料を、ボール及び粉末の質量比を6:1にしてボールミルに入れ、ボールミルの回転速度を140回/分にして2時間ボールミリングを行った後、取り出した。混合後の粉体形態は、図3に示されるように、酸化物粉体が銀母材中に明らかに凝集しているのが見られた。
工程3において、ボールミリングした試料を530℃の温度の炉内に入れて2時間保温した後、取り出し、別の室温炉内に入れて冷却し、冷却した試料を粉砕し、40メッシュの篩にかけ、篩下を回収した。
工程4において、冷却した粉末を等静圧成形金型内に入れ、160MPaの圧力をかけ、0.7分間保圧し、成形した。成形した試料を400℃の炉内に入れて1時間保温後、770℃の温度の炉内に入れて5時間保温後、取り出した。その後、試料をプレス加工機に入れ、金型の温度を430℃にし、125MPaの圧力をかけ、開口の寸法を56×6mmにし、押出し比を20:1にし、成形品を得た。しかし、得られた成形品の縁に比較的大きな亀裂が見られるため、後続の圧延及び焼きなまし加工が行えなかった。
参考例の結果から分るように、ボールミリングによってナノ複合粉体と銀粉とを混合する際に、ボールミリング時間が短すぎると、ナノ酸化物の凝集が起こり、プレス加工の過程で大きな亀裂が発生しやすくになって、後続の加工を行うことができない。
原理上、本発明のいくつかの効果について説明する。
1.酸化スズ、酸化ランタン、酸化銅を添加することにより、酸化カドミウムを完全に代替し、環境に対するカドミウム元素の汚染は完全に解決された。また、高温電気アーク作用下での銀粉粒子の凝集が改善され、接点材料の使用寿命の延長に寄与する。
2.平均粒径が60〜80μmである銀粉と平均粒径が40〜53μmである銀粉とを十分混合することにより、効果的に混合物の空隙を充填し、試料の密度をより高めることができた。
3.高エネルギーボールミリング法でナノ複合粉体を製造し、酸化スズ粉体の分散性を効果的に改善し、各酸化物の分布が均一で、製造された電気接点材料の電気的特性試験の結果、接点表面孔食が細かく均一で、酸化物が著しい電気アーク分散効果を持っているため、Ag/SnO電気接点材料の電気的特性を著しく改善し、使用寿命を高めることができた。
4.粉末の混合→造粒→成形→焼結→熱間プレス加工の順で操作し、工程が簡単で、投入設備が少ないため、最大限に投入コストを削減した。また、高エネルギーボールミリング法で粉末を混合し、従来の機械的混合に比べ、高エネルギーボールミリング過程中、ボールミリングによる合金化が実現し、ボールミリング過程中、酸化物ナノ粉体が銀粉の粒子にはめ込まれ、ナノ銀粉が酸化物の表面に包まれているため、混合物の空隙率が低減されると同時に、各種成分の混合が比較的均一なため、材料の密度及び電気的特性が効果的に高まった。
本発明に従って製造された添加物を含むナノAg/SnO電気接点材料は、既存の接点材料に比べると、環境に対するカドミウム元素の汚染を解決した。電気アーク高温作用下で、接点材料表面におけるナノ粒子の凝集が低減され、導電性が強まった。また、酸化物含有量の増加により、接点材料の硬度及び耐摩耗性が向上した。その上、添加する酸化物はすべて高温安定性を持っているため、接点材料の使用寿命を大幅に延長することができる。また、各種新たなプロセスの採用により、材料の密度が効果的に向上し、材料の各種性能を効果的に改善することができる。

Claims (13)

  1. 酸化スズ、酸化ランタン及び酸化銅を質量比1:(0.08〜0.5):(0.05〜0.7)の割合で混合して混合粉体を調製し、混合粉体に対し800〜1500回/分の回転速度のボールミリングを行うことにより、平均粒径が100〜500nmであるナノ複合粉体を得る工程1と、
    工程1で得られたナノ複合粉体、及び銀粉を、ナノ複合粉体5〜12質量%及び銀粉88〜95質量%の割合で配合し、100〜300回/分の回転速度のボールミリングを行うことにより均一に混合し、ナノ複合粉体を銀粉の粒子にはめ込む工程2と
    を有するAg/SnO電気接点用粉末の製造方法であって、
    工程2において、60〜80μmの平均粒径の銀粉及び40〜53μmの平均粒径の銀粉を質量比(1〜10):(0〜2)の割合で混合した銀粉を用いる、Ag/SnO 電気接点用粉末の製造方法
  2. 前記工程2で得られた粉末を造粒する工程3を更に有することを特徴とする請求項1に記載のAg/SnO電気接点用粉末の製造方法。
  3. 前記工程3は、前記工程2で得られた粉末を500〜650℃の温度の炉内に入れ、1〜3時間保温後、別の室温炉内に入れて冷却し、冷却したものを粉砕し、40〜60メッシュの篩にかけ、篩下を回収することを特徴とする請求項2に記載のAg/SnO電気接点用粉末の製造方法。
  4. 前記工程1において、ボール及び粉末の質量比を(10〜30):1にし、アルコールを媒体とし、30分につき10分間停止するように合計1〜3時間ボールミリングを行い(ただし、停止時間はボールミリング合計時間に含まれない)、篩にかけて室温で乾燥させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のAg/SnO電気接点用粉末の製造方法。
  5. 前記ボールとして、鋼球を採用することを特徴とする請求項4に記載のAg/SnO電気接点用粉末の製造方法。
  6. 前記工程1において、前記鋼球の密度は7.8g/cmであり、前記鋼球の体積はボールミル缶容積の0.040%〜0.355%であり、前記鋼球と前記混合粉体との合計体積はボールミル缶容積の30〜40%を占めることを特徴とする請求項5に記載のAg/SnO電気接点用粉末の製造方法。
  7. 前記工程1において、前記酸化スズ、前記酸化ランタン及び前記酸化銅の平均粒径はいずれも40〜270μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のAg/SnO電気接点用粉末の製造方法。
  8. 前記工程2において、ボール及び粉末の質量比を(5〜10):1にし、3〜9時間ボールミリングを行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のAg/SnO電気接点用粉末の製造方法。
  9. 前記ボールとして、ステンレス鋼球を採用することを特徴とする請求項に記載のAg/SnO電気接点用粉末の製造方法。
  10. 請求項2に記載の工程3で造粒した粉末に対し、成形、焼結を行なう工程4と、
    工程4で得られた材料に対し焼きなましを行なう工程5と
    を有することを特徴とするAg/SnO電気接点材料の製造方法。
  11. 前記工程4は、成形する際、前記工程3で造粒した粉末を100〜190MPaの圧力で柱体となるように等静圧成形し、0.3〜1分間保圧することを特徴とする請求項10に記載のAg/SnO電気接点材料の製造方法。
  12. 前記工程4は、焼結する際、成形した材料を300〜550℃の温度の炉内に入れて0.5〜1.5時間保温後、700〜820℃の温度の炉内に入れて5〜7時間保温後に取り出し、押出し比(10〜20):1で熱間プレス加工を行うことを特徴とする請求項11に記載のAg/SnO電気接点材料の製造方法。
  13. 前記工程5は、前記工程4の前記熱間プレス加工で得られた材料を圧延し、500〜700℃の温度で2〜3時間焼きなましを行うことを特徴とする請求項12に記載のAg/SnO電気接点材料の製造方法。
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