JP2020200504A - 電気接点材料用粉末、及び電気接点材料用粉末の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】Ag素地中にNi及びCuが一様に分布した電気接点材料を作製可能な電気接点材料用粉末、及びその製造方法を提供する。【解決手段】Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子7(電気接点材料用粉末10)は、Ag−Ni−Cu複合粒子6を含む。Ag−Ni−Cu複合粒子6は、単一のAg単体粒子1と、Ag単体粒子1の周囲に配置される複数のNi単体粒子2と、Ag単体粒子1の周囲に配置される複数のCu単体粒子3とを有する。【選択図】図1
Description
本発明は、電気接点材料用粉末、及び電気接点材料用粉末の製造方法に関する。
従来、スイッチ、電磁リレー及び遮断器などの電気製品では、電気回路に電流を断続させるための電気接点が用いられる。
特許文献1には、Ag(銀)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)の混合粉末によって構成される成形体、又は、NiCu合金を粉砕したチップとAg粉末との混合粉末によって構成される成形体を焼成することにより、電気接点材料を製造する手法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載の手法によって製造された電気接点材料では、Ag素地中においてNi及びCuが凝集しやすいため、Ag素地の全体にNi及びCuを一様に分布させることが困難である。
本発明は、Ag素地中にNi及びCuが一様に分布した電気接点材料を作製可能な電気接点材料用粉末、及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明に係る電気接点材料用粉末の一つの態様は、単一のAg単体粒子と、Ag単体粒子の周囲に配置される複数のCu単体粒子と、Ag単体粒子の周囲に配置される複数のNi単体粒子とを有する複合粒子を含む。
本発明に係る電気接点材料用粉末の製造方法の一つの態様は、複数のCu単体粒子及び複数のNi単体粒子の一方とAg単体粒子とを混合する工程と、複数のCu単体粒子及び複数のNi単体粒子の他方とAg単体粒子とを混合する工程とを備える。
本発明の一つの態様によれば、Ag素地中にNi及びCuが一様に分布した電気接点材料を作製可能な電気接点材料用粉末、及びその製造方法を提供することができる。
図1は、電気接点材料用粉末10、成形体20及び電気接点材料30の製造方法を説明するための模式図である。以下においては、図1を参照しながら、本実施形態に係る電気接点材料用粉末10、成形体20及び電気接点材料30の構成について、これらの製造方法にしたがって説明する。
(原料準備工程)
まず、Ag単体粒子1からなる粉末と、Ni単体粒子2からなる粉末と、Cu単体粒子3からなる粉末と、金属酸化物粒子4からなる粉末とを準備する。
まず、Ag単体粒子1からなる粉末と、Ni単体粒子2からなる粉末と、Cu単体粒子3からなる粉末と、金属酸化物粒子4からなる粉末とを準備する。
Ag単体粒子1は、Ag(銀)によって構成される。Ni単体粒子2は、Ni(ニッケル)によって構成される。Cu単体粒子3は、Cu(銅)によって構成される。金属酸化物粒子4は、電気接点材料30の耐溶着性及び耐アーク消耗性を向上させるために従来用いられている金属酸化物によって構成される。金属酸化物粒子4としては、例えばSnO2、ZnO、In2O3、CdO2から選択される少なくとも1種を用いることができるが、これらには限られない。耐溶着性を向上させるにはSnO2が金属酸化物粒子4として好適であり、入手性を考慮するとZnOが金属酸化物粒子4として好適である。
準備するAg単体粒子1からなる粉末と、Ni単体粒子2からなる粉末と、Cu単体粒子3からなる粉末と、金属酸化物粒子4の総量(以下、「総量」と略称する。)に対するAg単体粒子1の割合は、8.5質量%以上80質量%以下とすることができる。電気接点材料30の電気伝導性を維持する観点から、Ag単体粒子1の割合は、30質量%以上が好ましい。
総量に対するNi単体粒子2の割合に制限はないが、電気接点材料30におけるCuの酸化を抑制する観点と電気伝導度の観点から、Ni単体粒子2の割合はCu単体粒子3に対し10
質量%以上30質量%以下が好ましい。
質量%以上30質量%以下が好ましい。
総量に対するCu単体粒子3の割合は、15量%以上90質量%以下とすることができる。電気接点材料30の耐酸化性、耐熱性及び耐衝撃性を維持する観点から、総量に対するCu単体粒子3の割合は、70質量%以下が好ましい。
総量に対する金属酸化物粒子4の割合は、0.5質量%以上15質量%以下とすることができる。電気接点材料30の電気伝導度を維持する観点から、総量に対する金属酸化物粒子4の割合は、10質量%以下が好ましい。電気接点材料30の耐溶着性及び耐アーク消耗性を向上させる観点から、総量に対する金属酸化物粒子4の割合は、0.5質量%以上が好ましい。
Ag単体粒子1の平均粒径は、例えば1μm以上100μm以下とすることができる。Ni単体粒子2の平均粒径は、例えば0.1μm以上10μm以下とすることができる。Cu単体粒子3の平均粒径は、例えば0.1μm以上10μm以下とすることができる。金属酸化物粒子4の平均粒径は、例えば10nm以上1000nm以下とすることができる。
本実施形態において、「平均粒径」とは、レーザー回折散乱法を用いたレーザー回折式粒度分布測定装置(例えば、島津製作所社製、型式SALD−2300)により測定した体積基準の累積50%粒子径(D50径)を意味する。
Ag単体粒子1の粒径は、Ni単体粒子2の平均粒径よりも大きいことが好ましい。これにより、後述するNi混合工程において、Ag単体粒子1の表面にNi単体粒子13を効率的に付着させることができる。Ni単体粒子2の平均粒径は、Ag単体粒子1の平均粒径の1/10以下がより好ましい。
Ag単体粒子1の粒径は、Cu単体粒子3の平均粒径よりも大きいことが好ましい。これにより、後述するCu混合工程において、Ag単体粒子1の表面にCu単体粒子3を効率的に付着させることができる。Cu単体粒子3の平均粒径は、Ag単体粒子1の平均粒径の1/10以下がより好ましい。
Ag単体粒子1の粒径は、金属酸化物粒子4の平均粒径よりも大きいことが好ましい。これにより、電気接点材料30の内部に金属酸化物粒子4を広く分布させることができるため、耐溶着性及び耐アーク消耗性をより向上させることができる。金属酸化物粒子4の平均粒径は、Ag単体粒子1の平均粒径の1/100以下が特に好ましい。
(Ni混合工程)
次に、Ag単体粒子1からなる粉末とNi単体粒子2からなる粉末とを混合することによって、単一のAg単体粒子1の表面に複数のNi単体粒子2が付着したAg−Ni複合粒子5からなる粉末を作製する。
次に、Ag単体粒子1からなる粉末とNi単体粒子2からなる粉末とを混合することによって、単一のAg単体粒子1の表面に複数のNi単体粒子2が付着したAg−Ni複合粒子5からなる粉末を作製する。
各Ni単体粒子2は、Ag単体粒子1の表面上に配置されていてもよいし、Ag単体粒子1の表面に一部がめり込んでもよい。
Ag単体粒子1の表面は、Ni単体粒子2によって覆われてもよいし、Ni単体粒子2から部分的に露出していてもよい。図1では、Ag単体粒子1の表面が、Ni単体粒子2から部分的に露出した形態が図示されている。
Ag単体粒子1からなる粉末とNi単体粒子2からなる粉末との混合には、高速気流中衝撃法を用いることが好ましい。これにより、従来のボールミリングに比べて、Ag単体粒子1の表面にNi単体粒子2を均一かつ効率的に付着させることができるとともに、メディアなどからのコンタミネーションも防ぐことができる。
高速気流中衝撃法による混合には、例えばハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所、型式NHS−0)を用いることができる。
ただし、Ag単体粒子1からなる粉末とNi単体粒子2からなる粉末との混合には、周知のボールミリング法などを用いてもよい。
(Cu混合工程)
次に、Ag−Ni複合粒子5からなる粉末とCu単体粒子3からなる粉末とを混合することによって、単一のAg単体粒子1の表面に複数のNi単体粒子2と複数のCu単体粒子3とが付着したAg−Ni−Cu複合粒子6からなる粉末を作製する。
次に、Ag−Ni複合粒子5からなる粉末とCu単体粒子3からなる粉末とを混合することによって、単一のAg単体粒子1の表面に複数のNi単体粒子2と複数のCu単体粒子3とが付着したAg−Ni−Cu複合粒子6からなる粉末を作製する。
各Cu単体粒子3は、Ag単体粒子1の表面上に配置されていてもよいし、Ag単体粒子1の表面に一部がめり込んでもよいし、Ni単体粒子2の表面上に配置されていてもよい。
Ag−Ni−Cu複合粒子6において、複数のNi単体粒子2及び複数のCu単体粒子3は、Ag単体粒子1を覆っていることが好ましい。Ag単体粒子1の表面は、Ni単体粒子2及びCu単体粒子3によって全面が覆われてもよいし、Ni単体粒子2及びCu単体粒子3から部分的に露出していてもよい。図1では、Ag単体粒子1の表面全面がNi単体粒子2及びCu単体粒子3によって覆われた形態が図示されている。
Ag−Ni−Cu複合粒子6において、Cu単体粒子3は、Ni単体粒子2に隣接することが好ましい。これにより、後述する焼結工程において、化学的安定性に優れたNi−Cu合金を効率的に形成することができる。その結果、電気接点材料30においてCuが酸化することを抑制できる。
Ag−Ni複合粒子5からなる粉末とCu単体粒子3からなる粉末との混合には、高速気流中衝撃法を用いることが好ましい。これにより、従来のボールミリングに比べて、Ag−Ni複合粒子5の表面にCu単体粒子3を均一かつ効率的に付着させることができるとともに、メディアなどからのコンタミネーションも防ぐことができる。
ただし、Ag−Ni複合粒子5からなる粉末とCu単体粒子3からなる粉末との混合には、周知のボールミリング法などを用いてもよい。
(金属酸化物混合工程)
次に、Ag−Ni−Cu複合粒子6からなる粉末と金属酸化物粒子4からなる粉末とを混合することによって、Ag−Ni−Cu複合粒子6の表面に複数の金属酸化物粒子4が付着したAg−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子7からなる電気接点材料用粉末10を作製する。
次に、Ag−Ni−Cu複合粒子6からなる粉末と金属酸化物粒子4からなる粉末とを混合することによって、Ag−Ni−Cu複合粒子6の表面に複数の金属酸化物粒子4が付着したAg−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子7からなる電気接点材料用粉末10を作製する。
Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子7において、複数の金属酸化物粒子4は、複数のNi単体粒子2及び複数のCu単体粒子3を覆っていることが好ましい。これにより、各Ni単体粒子2及び各Cu単体粒子3が酸化することを抑制できる。
Ag−Ni−Cu複合粒子6の表面は、金属酸化物粒子4によって全面が覆われてもよいし、金属酸化物粒子4から部分的に露出していてもよい。図1では、Ag−Ni−Cu複合粒子6の表面全面が金属酸化物粒子4によって覆われた形態が図示されている。
Ag−Ni−Cu複合粒子6からなる粉末と金属酸化物粒子4からなる粉末との混合には、高速気流中衝撃法を用いることが好ましい。これにより、従来のボールミリングに比べて、Ag−Ni−Cu複合粒子6の表面に金属酸化物粒子4を均一かつ効率的に付着させることができるとともに、メディアなどからのコンタミネーションも防ぐことができる。
ただし、Ag−Ni−Cu複合粒子6からなる粉末と金属酸化物粒子4からなる粉末との混合には、周知のボールミリング法などを用いてもよい。
(成形工程)
次に、Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子7からなる電気接点材料用粉末10を成形することによって、成形体20を形成する。具体的には、静水圧プレス機を用いて電気接点材料用粉末10をプレス成形する。プレス成形に必要な圧力は、例えば0.5〜1.5MPa程度である。
次に、Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子7からなる電気接点材料用粉末10を成形することによって、成形体20を形成する。具体的には、静水圧プレス機を用いて電気接点材料用粉末10をプレス成形する。プレス成形に必要な圧力は、例えば0.5〜1.5MPa程度である。
成形体20の密度(充填率)は特に制限されないが、例えば70〜95体積%とすることができる。成形体20の外形及びサイズは特に制限されない。
(焼結工程)
次に、プレス成形された成形体20を焼結することによって、電気接点材料30を形成する。具体的には、成形体20を非酸化雰囲気の熱処理炉に投入し、処理温度650℃〜750℃、処理時間2時間程度の条件で成形体20を焼結する。
次に、プレス成形された成形体20を焼結することによって、電気接点材料30を形成する。具体的には、成形体20を非酸化雰囲気の熱処理炉に投入し、処理温度650℃〜750℃、処理時間2時間程度の条件で成形体20を焼結する。
その後、電気接点材料30には周知の伸線加工及び線材加工(又はリベット加工)が施されて電気接点として製品化される。
(特徴)
本実施形態において、成形体20を構成するAg−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子7(電気接点材料用粉末10)は、Ag−Ni−Cu複合粒子6を含む。Ag−Ni−Cu複合粒子6は、単一のAg単体粒子1と、Ag単体粒子1の周囲に配置される複数のNi単体粒子2と、Ag単体粒子1の周囲に配置される複数のCu単体粒子3とを有する。そのため、成形体20を焼結して形成される電気接点材料30において、Ag素地中にNi及びCuを一様に分布させることができる。また、Ag−Ni−Cu複合粒子6は、Ni単体粒子2とCu単体粒子3とを有しているため、Ni−Cu合金粒子を用いてAg−Ni−Cu複合粒子6を作製する場合に比べて、成形工程における電気接点材料用粉末10の成形性を向上させることができる。
本実施形態において、成形体20を構成するAg−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子7(電気接点材料用粉末10)は、Ag−Ni−Cu複合粒子6を含む。Ag−Ni−Cu複合粒子6は、単一のAg単体粒子1と、Ag単体粒子1の周囲に配置される複数のNi単体粒子2と、Ag単体粒子1の周囲に配置される複数のCu単体粒子3とを有する。そのため、成形体20を焼結して形成される電気接点材料30において、Ag素地中にNi及びCuを一様に分布させることができる。また、Ag−Ni−Cu複合粒子6は、Ni単体粒子2とCu単体粒子3とを有しているため、Ni−Cu合金粒子を用いてAg−Ni−Cu複合粒子6を作製する場合に比べて、成形工程における電気接点材料用粉末10の成形性を向上させることができる。
本実施形態において、複数のNi単体粒子2及び複数のCu単体粒子3は、単一のAg単体粒子1を覆っている。これにより、Cu単体粒子3をNi単体粒子2に隣接させやすくなるため、焼結工程において、化学的安定性に優れたNi−Cu合金を効率的に形成することができる。その結果、電気接点材料30においてCuが酸化することを抑制できる。
本実施形態において、複数の金属酸化物粒子4は、複数のNi単体粒子2及び複数のCu単体粒子3を覆っている。これにより、Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子7において、各Ni単体粒子2及び各Cu単体粒子3が酸化することを抑制できる。
(実施形態の変形例)
[変形例1]
上記実施形態では、複数の金属酸化物粒子4を含むAg−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子7からなる粉末を電気接点材料用粉末10として用いることとしたが、複数の金属酸化物粒子4を含まないAg−Ni−Cu複合粒子6を電気接点材料用粉末10として用いてもよい。この場合、電気接点材料用粉末10の製造方法から金属酸化物混合工程は省かれる。
[変形例1]
上記実施形態では、複数の金属酸化物粒子4を含むAg−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子7からなる粉末を電気接点材料用粉末10として用いることとしたが、複数の金属酸化物粒子4を含まないAg−Ni−Cu複合粒子6を電気接点材料用粉末10として用いてもよい。この場合、電気接点材料用粉末10の製造方法から金属酸化物混合工程は省かれる。
Ag−Ni−Cu複合粒子6を電気接点材料用粉末10として用いる場合、電気接点材料用粉末10は、Ni単体粒子2及びCu単体粒子3よりも硬度の大きい金属酸化物粒子4を含まないため、成形工程における電気接点材料用粉末10の成形性をより向上させることができる。
[変形例2]
上記実施形態において、Ag単体粒子1と複数のNi単体粒子2とを混合した後に、Ag単体粒子1と複数のCu単体粒子3とを混合することとしたが、これに限られない。
上記実施形態において、Ag単体粒子1と複数のNi単体粒子2とを混合した後に、Ag単体粒子1と複数のCu単体粒子3とを混合することとしたが、これに限られない。
電気接点材料用粉末10の製造方法は、複数のNi単体粒子及び複数のCu単体粒子の一方とAg単体粒子とを混合する工程と、複数のNi単体粒子及び複数のCu単体粒子の他方とAg単体粒子とを混合する工程とを備えていればよく、これらの順番は制限されない。
従って、Ag単体粒子1と複数のCu単体粒子3とを混合した後に、Ag単体粒子1と複数のNi単体粒子2とを混合してもよい。この場合、Ag単体粒子1と複数のCu単体粒子3とを混合することによって作製されるAg−Cu複合粒子からなる粉末とCu単体粒子3からなる粉末とを混合することによって、Ag−Ni−Cu複合粒子6からなる粉末が作製される。
[変形例3]
上記実施形態において、Ag単体粒子1と複数のNi単体粒子2とを混合し、さらに、Ag単体粒子1と複数のCu単体粒子3とを混合した後に、Ag単体粒子1と複数の金属酸化物粒子4とを混合することとしたが、これに限られない。
上記実施形態において、Ag単体粒子1と複数のNi単体粒子2とを混合し、さらに、Ag単体粒子1と複数のCu単体粒子3とを混合した後に、Ag単体粒子1と複数の金属酸化物粒子4とを混合することとしたが、これに限られない。
電気接点材料用粉末10の製造方法は、複数のNi単体粒子及び複数のCu単体粒子の一方とAg単体粒子とを混合する工程と、複数のNi単体粒子及び複数のCu単体粒子の他方とAg単体粒子とを混合する工程と、複数の金属酸化物粒子とAg単体粒子とを混合する工程とを備えていればよく、これらの順番は制限されない。
例えば、Ag単体粒子1と複数の金属酸化物粒子4とを混合した後に、複数のNi単体粒子2及び複数のCu単体粒子3の一方を混合し、さらにその後、複数のNi単体粒子2及び複数のCu単体粒子3の他方を混合することによって、図2に示されるAg−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子8からなる電気接点材料用粉末10を作製してもよい。Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子8では、Ag単体粒子1が複数の金属酸化物粒子4によって覆われ、複数の金属酸化物粒子4が複数のNi単体粒子2及び複数のCu単体粒子3によって覆われる。Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子8を電気接点材料用粉末10として用いる場合、Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子8の最表面には、金属酸化物粒子4よりも硬度の小さいNi単体粒子2及びCu単体粒子3が露出するため、成形工程における電気接点材料用粉末10の成形性をより向上させることができる。
或いは、Ag単体粒子1と複数のNi単体粒子2及び複数のCu単体粒子3の一方とを混合した後に、複数の金属酸化物粒子4を混合し、さらにその後、複数のNi単体粒子2及び複数のCu単体粒子3の他方を混合することによって、図3に示されるAg−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子9からなる電気接点材料用粉末10を作製してもよい。Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子9では、Ag単体粒子1が複数のNi単体粒子2及び複数のCu単体粒子3の一方によって覆われ、当該一方の粒子が複数の金属酸化物粒子4によって覆われ、さらに、複数の金属酸化物粒子4が複数のNi単体粒子2及び複数のCu単体粒子3の他方によって覆われる。Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子9を電気接点材料用粉末10として用いる場合、Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子9の最表面には、金属酸化物粒子4よりも硬度の小さいNi単体粒子2又はCu単体粒子3が露出するため、成形工程における電気接点材料用粉末10の成形性をより向上させることができる。
1 Ag単体粒子
2 Ni単体粒子
3 Cu単体粒子
4 金属酸化物粒子
5 Ag−Ni複合粒子
6 Ag−Ni−Cu複合粒子
7,8,9 Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子
10 電気接点材料用粉末
20 成形体
30 電気接点材料
2 Ni単体粒子
3 Cu単体粒子
4 金属酸化物粒子
5 Ag−Ni複合粒子
6 Ag−Ni−Cu複合粒子
7,8,9 Ag−Ni−Cu−金属酸化物複合粒子
10 電気接点材料用粉末
20 成形体
30 電気接点材料
Claims (12)
- 複合粒子を含む電気接点材料用粉末であって、
前記複合粒子は、
単一のAg単体粒子と、
前記Ag単体粒子の周囲に配置される複数のNi単体粒子と、
前記Ag単体粒子の周囲に配置される複数のCu単体粒子と、
を有する、
電気接点材料用粉末。 - 前記複数のNi単体粒子及び前記複数のCu単体粒子は、前記Ag単体粒子を覆う、
請求項1に記載の電気接点材料用粉末。 - 前記複合粒子は、前記複数のNi単体粒子及び前記複数のCu単体粒子を覆う複数の金属酸化物粒子を有する、
請求項2に記載の電気接点材料用粉末。 - 前記複合粒子は、前記Ag単体粒子を覆う複数の金属酸化物粒子を有する、
請求項1に記載の電気接点材料用粉末。 - 前記複数のNi単体粒子及び前記複数のCu単体粒子は、前記複数の金属酸化物粒子を覆う、
請求項4に記載の電気接点材料用粉末。 - 前記複数のCu単体粒子それぞれは、前記複数のNi単体粒子それぞれに隣接する、
請求項1乃至5のいずれかに記載の電気接点材料用粉末。 - 前記Ag単体粒子の粒径は、前記複数のNi単体粒子の平均粒径よりも大きい、
請求項1乃至6のいずれかに記載の電気接点材料用粉末。 - 前記Ag単体粒子の粒径は、前記複数のCu単体粒子の平均粒径よりも大きい、
請求項1乃至7のいずれかに記載の電気接点材料用粉末。 - 前記Ag単体粒子の粒径は、前記複数の金属酸化物粒子の平均粒径よりも大きい、
請求項3乃至5のいずれかに記載の電気接点材料用粉末。 - 前記複数の金属酸化物粒子は、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム及び酸化カドミウムから選択される少なくとも1種によって構成される、
請求項1乃至9のいずれかに記載の電気接点材料用粉末。 - 複数のNi単体粒子及び複数のCu単体粒子の一方とAg単体粒子とを混合する工程と、
前記複数のNi単体粒子及び前記複数のCu単体粒子の他方と前記Ag単体粒子とを混合する工程と、
を備える電気接点材料用粉末の製造方法。 - 複数の金属酸化物粒子と前記Ag単体粒子とを混合する工程をさらに備える、
請求項11に記載の電気接点材料用粉末の製造方法。
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