JP2005146412A - 電気接点材料の製造方法および電気接点材料 - Google Patents

電気接点材料の製造方法および電気接点材料 Download PDF

Info

Publication number
JP2005146412A
JP2005146412A JP2004262786A JP2004262786A JP2005146412A JP 2005146412 A JP2005146412 A JP 2005146412A JP 2004262786 A JP2004262786 A JP 2004262786A JP 2004262786 A JP2004262786 A JP 2004262786A JP 2005146412 A JP2005146412 A JP 2005146412A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
contact material
electrical contact
press
mixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004262786A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4410066B2 (ja
Inventor
Takanori Sone
孝典 曽根
Takefumi Ito
武文 伊藤
Hiroyuki Teramoto
浩行 寺本
Takeshi Sekiguchi
剛 関口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2004262786A priority Critical patent/JP4410066B2/ja
Publication of JP2005146412A publication Critical patent/JP2005146412A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4410066B2 publication Critical patent/JP4410066B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】本発明は、耐溶着性および耐消耗性に優れ、緻密化された電気接点材料を効率良く得ることを目的とする。
【解決手段】Ag粒子と、WC、W、Mo、NiおよびCからなる群より選択される少なくとも1種の耐熱性非酸化物粒子と、場合によってさらにSnO、In、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物粒子とに、少なくとも100MPaの圧力および500℃未満の温度の条件下、温間プレスすることにより、電気接点材料を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、電気接点材料の製造方法および電気接点材料に関し、特に、Agと耐熱性非酸化物とを少なくとも含有する電気接点材料の製造方法および電気接点材料に関する。
Ag−CdO系の電気接点材料は、耐溶着性および耐消耗性に優れ、小電流域から高電流域までの幅広い接点材料として従来より使用されてきたが、環境への配慮等の観点から、Cdフリー化の要求が高まっている。
Ag−CdO系に代わる電気接点材料としては、Ag−SnO系、Ag−In系、またはAg−SnO−In系がある。これらの電気接点材料の製造には、Ag粉末とSn粉末、Ag粉末とIn粉末、またはAg粉末とSn粉末とIn粉末を溶解して、それぞれAg−Sn合金、Ag−In合金、またはAg−Sn−In合金とした後に、500℃、10atm(1MPa)で、この合金のSn、In、またはSnとInのみを選択酸化する内部酸化法がとられている(特許文献1参照)。これらの電気接点材料は金属酸化物の熱安定性を利用して耐溶着性を図ったものであるが、これらの金属酸化物をAg中に分散させるだけでは耐溶着性は不十分である。
また、耐溶着性および耐溶損性を強化するためにグラファイトをさらに加えたAg−SnO−グラファイト系の電気接点材料(特許文献2参照)がある。この電気接点材料の製造には、Ag粉末およびSnO粉末にグラファイト粉末を混合し、この混合粉末を1〜3t/cm(98〜294MPa)で圧縮成型し、ついで不活性ガス雰囲気中、電気炉中で高温(800℃)焼結する粉末冶金法がとられている。さらに、Niを加えて耐磨耗性および耐溶着性を改良したAg−Ni−SnO系の電気接点材料(特許文献3参照)がある。この電気接点材料の製造には、Ag粉末およびSnO粉末にNi粉末を混合し、この混合粉末を4t/cm(392MPa)で圧縮成型し、ついで不活性ガス雰囲気中、電気炉中で高温(800℃)焼結する粉末冶金法がとられている。
一方、Ag粉末と、WC粉末、W粉末、Mo粉末、カーボン粉末(あるいはグラファイト粉末)、またはNi粉末などの耐熱性非酸化物材料を含有するAg−WC、Ag−W、Ag−Mo、Ag−C(グラファイト)系の電気接点材料があり、これらは耐溶着性、耐消耗性および耐アーク性に優れているので、中電流または高電流域帯で使用されている。また、接点抵抗が小さいAg−Ni系の電気接点材料は、リレー用接点などの低電流域帯で使用されている。これらの電気接点材料の製造方法には、Ag粉末と耐熱性非酸化物材料とを混合し、この混合粉末を圧縮成型し、ついで不活性ガス中、電気炉中で高温焼結する粉末冶金法がとられている。しかしながら、Agとこれらの材料とは濡れ性が悪く、Ag粉末とこれら粉末の混合粉末とを圧縮成形して高温で焼結を行っても、緻密化が上がらず耐消耗性が不十分となる。
そこで、材料を緻密化する方法として、Ag粉末およびグラファイト粉末の混合粉末を200kg/cm(20MPa)で圧縮成形すると同時に800℃で焼結を行うホットプレス法がある(特許文献4参照)。また、Ag粉末、WC粉末、炭素粉末、さらにWC粒子の結合強度を向上させるためにCo粉末を混合し、この混合粉末を成形して焼結した後、さらにこの焼結体を再度600℃〜800℃、4〜10Torr/cm(0.0005〜0.001MPa)で熱間プレスする方法もある(特許文献5参照)。
特公昭59−37532号公報 特開昭48−36695号公報 特公昭61−48572号公報 特開昭48−63297号公報 特開昭62−224648号公報
しかしながら、Ag−SnOまたはAg−In系の電気接点材料は、十分な耐溶着性が得られず、さらにこれにグラファイトやNiを追加して、通常の粉末冶金法によりAg−SnO−Ni系、Ag−SnO−グラファイト系の電気接点材料を作製しても、十分な耐溶着性および耐消耗性が得られない。
また一般に、WC等の耐熱性非酸化物粉末とSnO等の金属酸化物粉末とを用いる場合には、高温で耐熱性非酸化物粉末と金属酸化物粉末とが反応するため、充分に加熱することができず、緻密化された電気接点材料を得ることができない。
これに対して、Ag−耐熱性非酸化物系の電気接点材料は、ホットプレス法により緻密化されることができるが、耐熱性非酸化物の酸化を防止するために真空中や不活性ガス中で高温焼結を行う必要があり、工程が煩雑で低コスト化の障害となる。
従って本発明は、耐溶着性および耐消耗性に優れ、緻密化された電気接点材料を効率良く得ることを目的とする。
本発明の電気接点材料の製造方法は、Agと耐熱性非酸化物とを少なくとも含有する電気接点材料の製造方法であって、前記耐熱性非酸化物がWC、W、Mo、NiおよびCからなる群より選択される少なくとも1種であり、Ag粒子と耐熱性非酸化物粒子とを少なくとも含有する混合物を、少なくとも100MPaの圧力および500℃未満の温度の条件下で温間プレスすることを特徴としている。
また、本発明の電気接点材料は、Agと、WC、WおよびMoからなる群より選択される少なくとも1種の耐熱性非酸化物と、SnO、In、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種以上の金属酸化物とを含有することを特徴としている。
さらに、本発明の電気接点材料は、Agと、Niと、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物とを含有することを特徴としている。
本発明は、Ag粒子と耐熱性非酸化物粒子とを少なくとも含有する混合物に対して、少なくとも100MPaの圧力および500℃未満の温度の条件下で温間プレスすることにより、Agと耐熱性非酸化物とを少なくとも含有し、且つ耐溶着性および耐消耗性に優れ、緻密化された電気接点材料を効率よく提供することができる。
本発明は、Agと所定の耐熱性非酸化物とを少なくとも含有する電気接点材料を、Ag粒子と耐熱性非酸化物粒子とを少なくとも含有する混合物に、所定の圧力および所定の温度の条件下で温間プレスすることによって得るものである。
また、混合物は、所定の金属酸化物粒子をさらに含有してもよい。以下、Agと耐熱性非酸化物とを少なくとも含有する電気接点材料を、Ag−耐熱性非酸化物の電気接点材料と表し、Agと耐熱性非酸化物と金属酸化物とを含有する電気接点材料を、Ag−耐熱性非酸化物−金属酸化物の電気接点材料と表す。
本発明に係る耐熱性非酸化物粒子は、耐溶着性に優れるWC、W、Mo、NiおよびCからなる群より選択される少なくとも1種であり、金属酸化物粒子を更に加える場合には、WC、WおよびMoからなる群より選択される少なくとも1種であることが耐アーク性の観点から好ましい。なお、これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ここで、本明細書における「耐熱性」とは、融点が1,400℃以上の温度(CuおよびAgの融点より十分高温)であることを意味する。
また、耐熱性非酸化物粒子と共に使用可能な金属酸化物粒子は、熱安定性に優れるSnO、In、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種であり、Ag−Ni−金属酸化物の電気接点材料の場合には、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種であることが遮断特性の観点から好ましい。なお、これらは単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
Ag−耐熱性非酸化物−金属酸化物の電気接点材料は、Ag−耐熱性非酸化物の電気接点材料の耐溶着性および耐消耗性に加えて、金属酸化物の熱安定性をさらに有している。中でも、Agと、WC、WおよびMoからなる群より選択される少なくとも1種の耐熱性非酸化物と、SnO、In、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物とを含有する電気接点材料は、前記特性に加えて、さらに優れた耐アーク性を有している。また、Agと、Niと、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物とを含有する電気接点材料は、前記特性に加えて、さらに優れた遮断特性を有している。
Ag粒子、耐熱性非酸化物粒子および金属酸化物粒子の平均粒径は、それぞれ0.05μm〜20μmであることが好ましい。粒径は細かいほど、得られる電気接点材料の接点特性のばらつきを少なくすることができるが、平均粒径が0.05μm未満では、嵩密度が高く扱いにくくなるため好ましくない。一方、平均粒径が20μmを超える場合には、電気接点材料の接点特性のばらつきが生じやすくなるため好ましくない。
なお、Ag粒子、耐熱性非酸化物粒子および金属酸化物粒子以外にも、さらに良好な特性を有する電気接点材料を得るために、前記以外の金属材料や酸化物材料、窒化物材料、ホウ化物材料などを微量に添加することができる。
Ag粒子および耐熱性非酸化物粒子、場合によって金属酸化物粒子は、混合されて混合物を形成するが、混合物としては、粉体のままの混合粉体であってもよく、混合粉体を室温でプレス成形した成形体であってもよい。成形体とする場合には、この後の処理までの昇温中に成形体中に取り込まれているガスを放出し易くするため、閉気孔を極力形成しないようにすることが好ましい。閉気孔を形成しないようにするには、例えば粒径を細かくすることが挙げられる。
前記混合粉体を室温でプレス成形した成形体の理論密度比は85%以下であり、80%以下がより好ましい。85%を超えると、閉気孔の形成が多くなってしまう。ここで、理論密度比というのは、材料に気孔の全くない理想的な緻密体の密度に対する実際の材料の密度の比(実際の材料の密度/理想的な緻密体の密度×100%)をとったものである。
本発明に係る耐熱性非酸化物粒子の配合量は、得られる電気接点材料全体に対する質量換算で5〜80%の範囲となる量であることが好ましい。質量換算5%未満では、接点の電気抵抗は下がるが、耐溶着性の効果が充分でないため好ましくない。一方、質量換算80%を超える場合には、耐溶着性は向上するが、接点の電気抵抗が不必要に高くなるため好ましくない。
一方、金属酸化物粒子の配合量は、得られる電気接点材料全体に対する質量換算で2〜20%の範囲とすることが好ましい。質量換算2%未満では、接点の電気抵抗は下がるが、熱安定性が充分でなく、質量換算20%を超えると、熱安定性は向上するが、接点の抵抗が不必要に高くなるため好ましくない。
本発明の電気接点材料は、耐熱性非酸化物と、金属酸化物と、Agとで構成されているので、上述した微量成分を除き、残部はAgとなる。このため、Ag粒子の配合量は、得られる電気接点材料全体に対する質量換算で20〜93%となることが好ましい。
本発明では、Ag粒子および耐熱性非酸化物粒子の混合物、さらには金属酸化物粒子も含有する混合物を、所定の温度および圧力の条件下で温間プレスする。
ここで、温間プレス時の圧力は、少なくとも100MPaであり、プレス型材料やプレス装置の能力の観点から好ましくは100〜1000MPaである。また効率よく材料の緻密化を達成することができる観点から最も好ましいのは100〜700MPaである。100MPa未満では緻密化のためのAgの塑性変形が不十分である。
また、温間プレス時の温度は、500℃未満である。500℃未満であれば耐熱性非酸化物粒子と金属酸化物粒子とが同時に存在しても両者が反応することがない。また、温度は好ましくは200〜450℃である。200℃未満では焼結が不十分となるので好ましくない。ここで、本明細書における「温間」とは、500℃未満の温度を言い、一方、500℃を以上の温度は「熱間」とし、「温間プレス」とは、温間に相当する温度と圧力とが付与されることを意味する。
なお、温間プレス後の成形体の理論密度比は、95%以上であることが好ましい。90%未満であると、緻密化が十分でなく、十分な耐消耗性が得られない。
このように、本発明では、Ag粒子と耐熱性非酸化物粒子との混合物、さらには金属酸化物粒子も含有する混合物に対して、100MPa以上の高圧力を付与することにより、Agの塑性変型が促進され、500℃未満の温度でも電気接点材料を緻密化することができる。
これにより、温間プレス中において耐熱性非酸化物粒子の酸化を防止することができるので、大気中での電気接点材料の製造を可能にして工程を著しく簡素化することができる。また、500℃未満で緻密化を行うため、耐熱性非酸化物粒子と金属酸化物粒子とが存在していても互いに反応することがなく、Ag−耐熱性非酸化物−金属酸化物の高接触性能の電気接点材料を得ることができる。
なお、本発明により大気中での電気接点材料の製造が可能となるが、不活性ガス中、または真空中での製造を拒むものではない。
また、Agと、WC、WおよびMoからなる群より選択される少なくとも1種の耐熱性非酸化物と、SnO、In、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物とを含有する電気接点材料、並びにAgと、Niと、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物とを含有する電気接点材料については、前記のような温間プレスによる製造の他に、不活性ガス中または真空中、500℃を超える温度で圧力を付与せずに焼結することによっても製造することができる。
本発明の電気接点材料を製造するために使用可能な装置は、当業界でこの用途に使用可能なプレス装置であれば、如何なるものも使用でき、ホットプレス装置、パルス通電加圧焼結装置など、温間に相当する温度と圧力を付与されることが可能なプレス装置を挙げることができる。ホットプレス装置などを用いる場合には、例えば、ホットプレス装置にセット可能なWC製の超硬合金プレス型に混合物を入れる。この場合、プレス型への混合物の充填は、成形体とせずに混合粒子の状態そのままでもよい。
パルス通電加圧焼結装置は、成形体を構成する粒子間の接触箇所がパルス電流により優先的に加熱され、かつパルス衝撃によりこの接触箇所の酸化膜を破壊することができるので、低温であっても混合物の緻密化を促進させて、耐消耗性の高い電気接点材料を得ることができる。このため、本発明においては、このようなパルス通電加圧焼結装置を使用することが好ましい。
また本発明では、混合物を台座部材上に配置して温間プレスすることができる。これにより、電気接点材料と台座とを接合する工程を省くことができると共に、接点材料の量を容易に調整するだけで台座にとりつけることができるので、台座付き電気接点材料を容易に製造することができる。
台座部材は、当業界で電気接点材料の台座として使用可能な金属および金属化合物であれば、如何なるものも使用でき、銅、黄銅、リン青銅などの銅合金、炭素鋼、銀、ニッケル合金などを挙げることができる。なお温間に相当する温度において酸化する金属の場合には、予め銀メッキやニッケルメッキを施すことが好ましい。また温間プレスの間に酸化膜が形成された場合には、その後に酸洗浄をすることにより酸化膜を除去することが好ましい。
台座付き電気接点材料を製造する場合には、混合物を台座部材上に配置して温間プレスを行う。これを、図1を参照して説明する。図1にはプレス型2が示されている。このプレス型2には、特定の形状のプレス部が設けられ、その形状に応じたプレス棒3が挿入可能となっている。プレス部の底部には、台座となる台座部材1がまず配置され、その上に
電気接点材料となる混合物4が配置される。プレス棒3がプレス部に挿入された後、プレス型2がプレス装置(図示せず)にセットされる。温間プレス工程によってプレス棒3が加重されると、プレス棒3が混合物4と台座部材1とに、少なくとも100MPaの圧力が加えられる。これによって、電気接点材料の作製と、台座との接合が同時に行われ、接合工程を設けることなく台座付き電気接点材料を得ることができる。なお、プレス型への混合物と台座部材の配置およびプレス型は、これに限定されるものではない。
(実施例1)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末、平均粒径1.3μmのSnO粉末を質量換算70:25:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、室温でプレス成形し、理論密度比が80%程度の粉末成形体とした。この成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで20℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力300MPaを印加し5分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.2%のAg−WC−SnOの電気接点材料を作製した。温間プレスに用いたプレス型は所望の接点形状が得られるようにあらかじめ寸法が調整されており、本発明では直径4.3mm、厚さ1.1mmの円板状の電気接点材料とした。この電気接点材料の導電率、硬度、並びに付加電圧200V、負荷電流100A(60Hz)、力率0.4、および接点圧300gで6000回の開閉試験を行ったときの消耗量(mg)と溶着の程度を「優、良、可、不可」の4段階で評価した。
(実施例2)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1μmのW粉末を質量換算60:40で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で200℃まで10℃/分で昇温した。200℃に到達したときに、プレス型に圧力700MPaを印加し30分間温間プレスした。これにより、理論密度比97.8%のAg−Wの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例3)
平均粒径1.4μmのAg粉末と、平均粒径1μmのW粉末、平均粒径1.4μmのMo粉末を質量換算50:30:20で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で300℃まで20℃/分で昇温した。300℃に到達したときに、プレス型に圧力500MPaを印加し30分間温間プレスした。これにより、理論密度比97.4%のAg−W−Moの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例4)
平均粒径1.4μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末を質量換算70:30で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。つづいて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで20℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力500MPaを印加し10分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.4%のAg−WCの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例5)
平均粒径1.4μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末、平均粒径17μmのグラファイト粉末を質量換算80:15:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで20℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力500MPaを印加し30分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.6%のAg−WC−グラファイトの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例6)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1.6μmのNi粉末を質量換算85:15で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で450℃まで20℃/分で昇温した。450℃に到達したときに、プレス型に圧力200MPaを印加し5分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.5%のAg−Niの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。さらに、遮断試験として負荷電圧500V、負荷電流200A(60Hz)、力率0.35を印加したときの最大アーク時間を調べた。なお、最大アーク時間が短ければ短いほど遮断特性に優れた電気接点材料ということができる。
(実施例7)
平均粒径1.4μmのAg粉末と、平均粒径17μmのグラファイト粉末を質量換算95:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で450℃まで20℃/分で昇温した。450℃に到達したときに、プレス型に圧力100MPaを印加し30分間温間プレスした。これにより、理論密度比98.9%のAg−グラファイトの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例8)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末、平均粒径1.6μmのNi粉末を質量換算65:30:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで20℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力300MPaを印加し10分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.4%のAg−WC−Niの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例9)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末、平均粒径0.8μmのIn粉末を質量換算70:25:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで20℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力300MPaを印加し30分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.5%のAg−WC−Inの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例10)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末、平均粒径1.5μmのCuO粉末を質量換算80:15:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで20℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力300MPaを印加し30分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.6%のAg−WC−CuOの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例11)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末、平均粒径2μmのZnO粉末を質量換算80:15:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで20℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力300MPaを印加し30分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.5%のAg−WC−ZnOの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例12)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1μmのW粉末、平均粒径1.2μmのCuO粉末を質量換算70:25:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で300℃まで20℃/分で昇温した。300℃に到達したときに、プレス型に圧力500MPaを印加し10分間温間プレスした。これにより、理論密度比98.1%のAg−W−CuOの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例13)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末、平均粒径1.6μmのNi粉末、平均粒径1.3μmのSnO粉末を質量換算60:30:5:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで20℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力300MPaを印加し5分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.1%のAg−WC−Ni−SnOの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例14)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末、平均粒径1.6μmのNi粉末、平均粒径0.8μmのIn粉末を質量換算60:30:5:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで20℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力300MPaを印加し5分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.3%のAg−WC−Ni−Inの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例15)
平均粒径1.4μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末を質量換算70:30で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をパルス通電加圧焼結装置(住友石炭鉱業株式会社製)にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで40℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力500MPaを印加し2分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.7%のAg−WCの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例16)
平均粒径1.4μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末、平均粒径1.3μmのSnO粉末を質量換算70:25:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型を、実施例15で使用したものと同一のパルス通電加圧焼結装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで40℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力500MPaを印加し2分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.5%のAg−WCの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(実施例17)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1.6μmのNi粉末、平均粒径2μmのZnO粉末を質量換算87:5:8で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型をホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで20℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力500MPaを印加し10分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.1%のAg−Ni−ZnOの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法に加えて、実施例6と同様の遮断試験を行った。
(実施例18)
実施例17と同様の配合比および方法で作製した理論密度比が80%程度の粉末成形体を、WC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型を実施例15で使用したものと同一のパルス通電加圧焼結装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで40℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力500MPaを印加し5分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.7%のAg−Ni−ZnOの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法に加えて、実施例6と同様の遮断試験を行った。
(実施例19)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1.6μmのNi粉末、平均粒径1.5μmのCuO粉末を質量換算90:5:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型を実施例15で使用したものと同一のパルス通電加圧焼結装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで40℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力500MPaを印加し5分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.6%のAg−Ni−CuOの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法に加えて、実施例6と同様の遮断試験を行った。
(実施例20)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1.6μmのNi粉末、平均粒径1.5μmのCuO粉末を質量換算90:5:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体をWC製の超硬合金プレス型に入れ、このプレス型を実施例15で使用したものと同一のパルス通電加圧焼結装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで40℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力500MPaを印加し5分間温間プレスした。これにより、理論密度比99.5%のAg−Ni−CuOの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法に加えて、実施例6と同様の遮断試験を行った。
(実施例21)
平均粒径1.4μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末を質量換算70:30で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、実施例1と同様にプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とした。台座部材として銀メッキ済みの銅を使用した。図1に示されるように、この台座部材をWC製の超硬合金プレス型の下部に配置し、この上に粉末成形体を置いてホットプレス装置にセットした。続いて超硬合金プレス型を大気中で400℃まで20℃/分で昇温した。400℃に到達したときに、プレス型に圧力500MPaを印加し10分間温間プレスした。これにより、銅の台座を接合した理論密度比99.0%のAg−WCの電気接点材料を作製した。
(比較例1)
平均粒径1.4μmのAg粉末と、平均粒径1.5μmのWC粉末を質量換算70:30で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、室温でプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体を真空焼結炉の中にセットした。続いて焼結炉を真空引きし、800℃まで10℃/分で昇温した。800℃到達後にこの温度で、30分間無加圧で保持することにより理論密度比85.5%のAg−WCの電気接点材料を作製した。作製した接点の評価は実施例1と同様の方法で行った。
(比較例2)
平均粒径1.4μmのAg粉末と、平均粒径1.3μmのSnO粉末を質量換算90:10で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、室温でプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体を真空焼結炉の中にセットした。続いて焼結炉を真空引きし、800℃まで10℃/分で昇温した。800℃到達後にこの温度で、30分間無加圧で保持することにより理論密度比87.1%のAg−WCの電気接点材料を作製した。作製した接点の評価は実施例1と同様の方法に加えて、実施例6と同様の遮断試験を行った。
(比較例3)
平均粒径1μmのAg粉末と、平均粒径1.6μmのNi粉末、平均粒径1.3μmのSnO粉末を質量換算90:5:5で配合し、ボールミルにより混合した。ボールミル混合した混合粉末は、室温でプレス成形して理論密度比が80%程度の粉末成形体とし、この粉末成形体を真空焼結炉の中にセットした。続いて焼結炉を真空引きし、800℃まで10℃/分で昇温した。800℃到達後にこの温度で、30分間無加圧で保持することにより理論密度比91.0%のAg−Ni−SnOの電気接点材料を作製した。作製した電気接点材料の評価は実施例1と同様の方法に加えて、実施例6と同様の遮断試験を行った。
表1に実施例1〜20および比較例1〜3による電気接点材料の組成成分の質量換算、温間プレス条件(比較例は焼結条件)、理論密度比、導電率、および硬度示す。なお各電気接点材料の組成成分の質量換算は、それぞれの配合量の質量換算と同一であった。
Figure 2005146412
表2に実施例1〜20および比較例1〜3による電気接点材料の消耗量および溶着の程度を示す。
Figure 2005146412
表3に実施例6および17〜20、並びに比較例2および3による電気接点材料の遮断試験のアーク時間(×10−3 秒)を示す。
Figure 2005146412
表1および表2において、実施例4と比較例1の電気接点材料は、組成成分およびその質量換算が同じで、製造方法のみが異なるものである(実施例4は温間プレス、比較例1は粉末冶金法による)。このような実施例4と比較例1を比較すると、実施例4は、比較例1よりも理論密度比、導電率、硬度がいずれも高く、さらに消耗量が著しく減少すると共に溶着の程度が向上し、バランスよく良好な接点特性を有する電気接点材料であった。他の実施例も同様に、バランスよく良好な接点特性を有する電気接点材料であった。つまり、温間プレスすることにより、Ag−耐熱性非酸化物の電気接点材料の接点性能が向上した。また、本発明に係るAg−耐熱性非酸化物−金属酸化物の電気接触材料も接点性能に優れていた。
また、実施例1と実施例16の電気接点材料は、組成成分およびその質量換算が同じで、使用するプレス装置のみが異なるものである(実施例1はホットプレス装置、実施例16はパルス通電加圧焼結装置による)。実施例16は、実施例1よりも理論密度比、導電率、硬度がより高く、さらに消耗量もより減少し、バランスよく良好な接点特性を有する電気接点材料であった。実施例15および18も同様に、それぞれ実施例4および17よりバランスよく良好な接点特性を有する電気接点材料であった。つまり、パルス通電加圧焼結装置を使用することにより、電気接点材料の接点性能がより向上した。
さらに、表3において、実施例6(Ag−Ni)および17〜20(Ag−Ni−ZnO、CuO、CuO)は、比較例2〜3よりもアーク時間が短く、特に実施例17〜20は、実施例6よりもさらにアーク時間が短かった。つまり、Agと、Niと、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物とを含有する電気接点材料は、遮断特性により優れていた。
本発明に係る台座付き電気接点材料を製造するためのプレス型への混合物と台座部材の配置を示した概略断面図である。
符号の説明
1 台座部材、2 プレス型、3 プレス棒、4 混合物。

Claims (7)

  1. Agと耐熱性非酸化物とを少なくとも含有する電気接点材料の製造方法であって、
    前記耐熱性非酸化物がWC、W、Mo、NiおよびCからなる群より選択される少なくとも1種であり、
    Ag粒子と耐熱性非酸化物粒子とを少なくとも含有する混合物を、少なくとも100MPaの圧力および500℃未満の温度の条件下で温間プレスする
    ことを特徴とする電気接点材料の製造方法。
  2. 前記混合物がSnO、In、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物粒子をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の電気接点材料の製造方法。
  3. 前記圧力が100〜700MPaであり、前記温度が200〜450℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の電気接点材料の製造方法。
  4. パルス通電加圧焼結装置を用いて、前記混合物を温間プレスすることを特徴とする請求項1または2に記載の電気接点材料の製造方法。
  5. 前記混合物を台座部材上に配置して温間プレスすることを特徴とする請求項1または2に記載の電気接点材料の製造方法。
  6. Agと、WC、WおよびMoからなる群より選択される少なくとも1種の耐熱性非酸化物と、SnO、In、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物とを含有することを特徴とする電気接点材料。
  7. Agと、Niと、ZnO、CuOおよびCuOからなる群より選択される少なくとも1種の金属酸化物とを含有することを特徴とする電気接点材料。
JP2004262786A 2003-10-21 2004-09-09 電気接点材料の製造方法 Expired - Fee Related JP4410066B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004262786A JP4410066B2 (ja) 2003-10-21 2004-09-09 電気接点材料の製造方法

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003361098 2003-10-21
JP2004262786A JP4410066B2 (ja) 2003-10-21 2004-09-09 電気接点材料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005146412A true JP2005146412A (ja) 2005-06-09
JP4410066B2 JP4410066B2 (ja) 2010-02-03

Family

ID=34703069

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004262786A Expired - Fee Related JP4410066B2 (ja) 2003-10-21 2004-09-09 電気接点材料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4410066B2 (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009087746A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Toshiba Corp 真空遮断器用接点材料
JP4898977B2 (ja) * 2010-06-22 2012-03-21 株式会社アライドマテリアル 電気接点材
JP2012507623A (ja) * 2008-11-06 2012-03-29 ドデュコ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテルハフツング 電気接点用半完成品の製造方法、及び、電気接点用半完成品、及び、電気接点部材
WO2012071767A1 (zh) * 2010-12-03 2012-06-07 温州宏丰电工合金股份有限公司 纤维状结构银基电接触材料的制备方法
WO2012088735A1 (zh) * 2010-12-30 2012-07-05 温州宏丰电工合金股份有限公司 纤维状组织结构银基氧化物电触头材料的制备方法
WO2012088734A1 (zh) * 2010-12-30 2012-07-05 温州宏丰电工合金股份有限公司 颗粒定向排列增强银基氧化物电触头材料的制备方法
US20130313488A1 (en) * 2010-12-03 2013-11-28 Lesheng Chen Method of Preparing Silver-Based Electrical Contact Materials with Fiber-Like Arrangement of Reinforcing Nanoparticles
WO2014136617A1 (ja) * 2013-03-05 2014-09-12 株式会社アライドマテリアル 電気接点材およびブレーカ
CN104103434A (zh) * 2013-04-15 2014-10-15 济南大学 一种低压电器用铜基电接触复合材料及其温压成形工艺
JP2014232617A (ja) * 2013-05-29 2014-12-11 三菱電機株式会社 遮断器用電気接触子およびその製造方法
CN104835656A (zh) * 2014-02-12 2015-08-12 日本钨合金株式会社 电触点材料、电触点对和断路器
JP2017109889A (ja) * 2015-12-15 2017-06-22 三菱電機株式会社 複合粉末及びその製造方法、並びに電気接点材料及びその製造方法
JP2017179579A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 三菱電機株式会社 Ag−Ni−金属酸化物系電気接点材料、その製造方法、遮断器及び電磁接触器
JP2020200504A (ja) * 2019-06-10 2020-12-17 日本電産株式会社 電気接点材料用粉末、及び電気接点材料用粉末の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102151830B (zh) * 2011-03-08 2012-08-29 郴州雄风稀贵金属材料股份有限公司 一种银稀有难熔金属氧化物电接触材料的制备方法

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009087746A (ja) * 2007-09-28 2009-04-23 Toshiba Corp 真空遮断器用接点材料
JP2012507623A (ja) * 2008-11-06 2012-03-29 ドデュコ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテルハフツング 電気接点用半完成品の製造方法、及び、電気接点用半完成品、及び、電気接点部材
JP4898977B2 (ja) * 2010-06-22 2012-03-21 株式会社アライドマテリアル 電気接点材
US20130313488A1 (en) * 2010-12-03 2013-11-28 Lesheng Chen Method of Preparing Silver-Based Electrical Contact Materials with Fiber-Like Arrangement of Reinforcing Nanoparticles
WO2012071767A1 (zh) * 2010-12-03 2012-06-07 温州宏丰电工合金股份有限公司 纤维状结构银基电接触材料的制备方法
US9287018B2 (en) * 2010-12-03 2016-03-15 Wenzhou Hongfeng Electrical Alloy Co., Ltd. Method of preparing silver-based electrical contact materials with fiber-like arrangement of reinforcing nanoparticles
WO2012088735A1 (zh) * 2010-12-30 2012-07-05 温州宏丰电工合金股份有限公司 纤维状组织结构银基氧化物电触头材料的制备方法
WO2012088734A1 (zh) * 2010-12-30 2012-07-05 温州宏丰电工合金股份有限公司 颗粒定向排列增强银基氧化物电触头材料的制备方法
WO2014136617A1 (ja) * 2013-03-05 2014-09-12 株式会社アライドマテリアル 電気接点材およびブレーカ
JPWO2014136617A1 (ja) * 2013-03-05 2017-02-09 株式会社アライドマテリアル 電気接点材およびブレーカ
CN104103434A (zh) * 2013-04-15 2014-10-15 济南大学 一种低压电器用铜基电接触复合材料及其温压成形工艺
JP2014232617A (ja) * 2013-05-29 2014-12-11 三菱電機株式会社 遮断器用電気接触子およびその製造方法
CN104835656A (zh) * 2014-02-12 2015-08-12 日本钨合金株式会社 电触点材料、电触点对和断路器
JP2015151557A (ja) * 2014-02-12 2015-08-24 日本タングステン株式会社 電気接点材料、電気接点対および遮断器
JP2017109889A (ja) * 2015-12-15 2017-06-22 三菱電機株式会社 複合粉末及びその製造方法、並びに電気接点材料及びその製造方法
JP2017179579A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 三菱電機株式会社 Ag−Ni−金属酸化物系電気接点材料、その製造方法、遮断器及び電磁接触器
JP2020200504A (ja) * 2019-06-10 2020-12-17 日本電産株式会社 電気接点材料用粉末、及び電気接点材料用粉末の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4410066B2 (ja) 2010-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4410066B2 (ja) 電気接点材料の製造方法
JP4857206B2 (ja) 溶浸用粉末
JPH0925526A (ja) 酸化物粒子分散型金属系複合材料の製造方法
JP5861807B1 (ja) 電極材料の製造方法
JP6343447B2 (ja) 電気接点材料およびその製造方法
JP4898977B2 (ja) 電気接点材
US5985440A (en) Sintered silver-iron material for electrical contacts and process for producing it
JP2014531700A (ja) 電気接点および接触片用の半製品の製造方法
JP4193958B2 (ja) 溶融金属に対する耐食性に優れた溶融金属用部材およびその製造方法
JP2004190084A (ja) 焼結合金とその製造法
JP2007045918A (ja) 自己潤滑性焼結体の原料粉末とその製造方法、自己潤滑性焼結体の製造方法
JPH11269579A (ja) Ag−W/WC系焼結型電気接点材料およびその製造方法
CN106282643A (zh) 一种铜基电接触复合材料及其真空热压工艺
JP5134166B2 (ja) 電気接点材
CN112779436A (zh) 一种AgNi电触头材料及其制备方法
RU2522584C1 (ru) Способ изготовления материала для дугогасительных и разрывных электрических контактов и материал
JP2000319734A (ja) 粉末冶金により製造された複合材料およびその製造方法
JP4898978B2 (ja) 電気接点材
JP2016216775A (ja) Ag−ZnO系電気接点材料及びその製造方法
JP4222223B2 (ja) 光学ガラスレンズの熱間プレス成形金型として用いるのに適した細粒組織を有する高硬度タングステン系焼結材料
JPH0325499B2 (ja)
JP4508736B2 (ja) 銅系材料およびその製造方法
JP2015165041A (ja) 電気接点材
JP5581152B2 (ja) 耐酸化性耐熱合金
KR101078295B1 (ko) 텅스텐 카바이드계 전기접점의 제조방법 및 그에 의하여 제조된 전기접점

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080916

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081023

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090421

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121120

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131120

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees