JP2000319734A - 粉末冶金により製造された複合材料およびその製造方法 - Google Patents

粉末冶金により製造された複合材料およびその製造方法

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JP2000319734A JP2000108597A JP2000108597A JP2000319734A JP 2000319734 A JP2000319734 A JP 2000319734A JP 2000108597 A JP2000108597 A JP 2000108597A JP 2000108597 A JP2000108597 A JP 2000108597A JP 2000319734 A JP2000319734 A JP 2000319734A
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ゲアト、レナー
Udo Siefken
ウド、ジーフケン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に製造でき、かつ特性が向上した、すな
わち微細な粒状の金属マトリックス中で高融点含有物が
均一に分布した、残留多孔率が可能な限り低い接点材料
を提供する。 【解決手段】 銀を含むマトリックスと、マトリックス
中に存在する少なくとも1種の高融点成分を含む粒状添
加物とを含む、粉末冶金により製造された複合材料であ
って、高融点成分は、2μm以下の平均粒径を有し、マ
トリックス中に実質的に均一に分布しており、かつ複合
材料の残留多孔率が0.5%より低い複合材料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高融点成分(高融
点金属)を含む複合材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】タングステン−銀複合材料およびモリブ
デン−銀複合材料は、高い電気的負荷に対して用いる接
点材料として以前から知られてきた。このような焼結材
料は、融点の高い高融点成分WおよびMoの材料消耗量
に対する耐性と、マトリックス成分として用いられる銀
の良好な電気および熱伝導性とを兼ね備えている。この
ような接点材料は、電源スイッチの吹き消し接点(blow
-out contacts)および安全スイッチの主接点として低
電圧電力工学に広く用いられている。これらの材料の重
要な特性には、高い耐摩耗性および材料消耗量に対する
耐性ならびに低溶接傾向がある。したがって、これらの
銀材料は、極度に高い遮断容量を要する電気機械的スイ
ッチへの適用に適している。
【0003】複合材料の性質(成分WおよびMoとマト
リックス金属Agとの合金不可能性)および高融点成分
の融点が高いことにより、基本的に、これらの材料は、
粉末冶金プロセスでしか製造できない。材料消耗量に対
する耐性、硬度および伝導率は、当該材料の空隙数に直
接依存しており、かつさらに、材料消耗量に対する耐性
および強度は、複合材料中の高融点成分の粒径を小さく
すると高めることができるので、可能な限り非多孔質で
微細な粒状の材料を製造しようという試みが一般的にな
されてきた。
【0004】従来技術によると、このような材料の製造
には2つの焼結プロセスが可能である。−液相または固
相での焼結中に、所望の最終組成と同じ組成を有する粉
末混合物を加圧して、成形片を個々に得る(単一片製
造)。そして、これをAg液相線より高いまたは低い温
度で焼結する。−溶浸プロセスにおいて、同じく個々に
成形したタングステンまたはモリブデンの多孔質成形片
を液体マトリックス金属に溶浸して、毛管力の働きによ
り、可能な限り非多孔質、すなわち高密度の複合材料を
得る。
【0005】第1のプロセスには、比較的高い残留多孔
率が残存するので、再圧縮によるさらなる圧縮が必要と
なる場合があるという問題点があった。しかし、再圧縮
により再び成形できる程度は比較的低い。その結果、あ
る程度の残留多孔率が維持されてしまう。第2のプロセ
スでは、残留多孔率は低いが、しかし、余分の溶浸金属
を取り除かなくてはならず、この金属切削プロセス工程
に余分な時間がかかる(A.カイルら、電気接点および
その材料(A. Keil et al., Elektrische Kontakte und
ihre Werkstoffe)、ベルリン 1984年、第192
頁以降を参照のこと)。
【0006】焼結による金属複合材料の製造は、微細な
粒状の高融点成分を使用して接点材料の質を向上させよ
うとする努力によってさらなる困難に陥っている。微細
な粒状の高融点金属粉末は、粗い粒状の粉末より酸素の
含有量が著しく多い。このことにより、マトリックス金
属との濡れがより困難になり、さらに多くの空隙が形成
されてしまう。したがって、微細な粒状の材料は、微細
な粒状の材料より高い空隙含有量を有する傾向がある。
またこれとは別に、平均粒径が1μmより小さい範囲の
微細な粒状の高融点金属粉末の取り扱いも困難を伴う。
これらの粉末は、大気中で取り扱うと自燃性となり、自
然にくすぶり、灰化または爆発する傾向がある。
【0007】これらの特性により、従来の焼結技術だけ
では、材料を高密度化しながらタングステン複合材料ま
たはモリブデン複合材料の質を向上させることは、粒径
の小ささに関連して、さらに困難になっている。再圧縮
のような再成形工程を含む後処理を行っても、完成接触
体の残留多孔率は、依然として数パーセントである。微
細な粒状の材料では、これに関する結果はごく不十分な
ものであった。
【0008】しかし、性能および寿命へのさらなる要求
を満たしながら同時にスイッチ部品を小型化する必要に
迫られて、現在入手可能な接触体の品質は、もはや十分
でないとされている。
【0009】金属複合材料の製造では、一般に知られて
いる再成形プロセスを焼結後に適用し、その大幅な再成
形によって、得られる材料の残留多孔率を公知の値より
低くまで引き下げることができる。当業者は、このため
に、例えば押出しプロセス、圧延プロセスおよび鍛造プ
ロセスから選択できる。これらのプロセスによって、高
密度でかつ高品質の製品が得られる。出発物質は粉末混
合物で、これを静水圧加圧成形で棒状にし、次に焼結
し、そして熱間押出しまたは熱間圧延により再成形す
る。押出しの場合、得られた半完成品を通常は圧延によ
り成形する。両プロセスによる高度な再成形により、材
料が強く圧縮される。圧縮と材料の質とは、直接的一次
的な従属関係にある(A.カイル、第188頁を参
照)。
【0010】技術的見地から、押出しによって得られた
材料は、連続片となるので単一片製造より大幅に有利で
ある。加えてこれを、製造中に材料接合に適したはんだ
でめっきしてもよい。次にこの連続テープを、スイッチ
製造業者の製品ラインに直接統合してもよい。所望の接
点被覆を切り取り、キャリアに搭載し、例えば抵抗はん
だ付けにより接続する。
【0011】両再成形プロセスの欠点は、再成形される
棒状体が始めに十分な延性を有さなければならないこと
である。そうでなければ、再成形中に加圧装置または圧
延装置あるいは製造される断片が傷つきかねない。平片
の場合は、端部がひび割れたり欠けたりすることがあ
る。加熱しても、過度に脆い加工品を押出すことはまっ
たくできないだろう。いずれにせよ、このような欠陥に
よって材料の高品質が実現できない。
【0012】さらに問題を複雑化するのは、特別な技術
上の関心を集めている複合材料には特に、材料中に多量
の高融点成分が必要であるということである。しかし、
延性のあるマトリックス中の脆く硬い粒の量が増える
と、加工品全体が脆くなり、したがって再成形に不適切
である。
【0013】さらに、マトリックス中の粒径が小さくな
るにつれて押出しが困難になることは、専門家に広く行
き渡っている意見である。この意見によると、押出し成
形法は、微細な粒状の材料にはほとんど適さないように
思われる。DE-A-198 28 692には、市販のSnO2粉末を
0.6μmから5μmより大きくなるように粗くして、
これによりAgSnO2複合材料として、押出し成形に
よりAgマトリックス中でより再成形しやすくするプロ
セスを開示している。
【0014】この結果、従来技術によると、WAg複合
材料またはMoAg複合材料の再成形技術は、高い範囲
の銀含有量に制限されており、これは二次的な技術的お
よび経済的関心を集めている。
【0015】上記文献第193頁でA.カイルは、銀の
融点より低い温度で粉末混合物を焼結して製造したWA
g焼結物の押出し成形も記載しているが、WAgの押出
し成形性は、30重量%以下のタングステン含有量に限
定されると考えられている。カイルの見解では、Ag含
有量が高いため、材料を脆くする安定なW骨格体が形成
されない。焼結体は、十分に高い延性を保持し、押出し
成形できる。
【0016】JP-A-55 044558は、粒子形状の酸化銅また
は酸化銀合金と粒子形状のWまたはMoとを結合させ、
焼結し、そして押出したものからなる耐熱性の導体材料
の押出しを開示している。これにより、WまたはMoの
表面がCuまたはAg合金で被覆される。製造方法とこ
の教示の適用のいずれも、電気接点材料に適した複合材
料に関するものではない。
【0017】EP-A-0 806 489は、銅および遷移金属を含
む複合材料の製造プロセスを開示している。前記プロセ
スは、銅含有粒子および遷移金属含有粒子の成形体を焼
結することを含み、前記遷移金属は、還元雰囲気中でタ
ングステンおよびモリブデンからなる群より選択される
ことが好ましく、前記成形体は、その焼結を促進するの
に十分な量の化学結合した酸素を含む。焼結終了後、こ
のように形成された複合材料を、焼結炉から取り出し、
さまざまな異なる電気関係の適用、好ましくは電子部品
実装に用いることができる。
【0018】DE-A-1 106 965は、銀複合材料から高密度
の成形品を調製するプロセスを開示している。前記成形
品は、成形体の密度に対して少なくとも95%の焼結密
度および少なくとも99.8%の再加圧密度を示すこと
が好ましく、プレス成形品に、成形品が引き続き気体透
過性であるように決められた温度および時間で、水素雰
囲気内での予備焼結工程を施し、次に成形品を、850
℃から銀の融点の間で選択される焼結温度まで真空状態
で(in vacuo)1時間加熱し、再加圧せずに密に焼結
し、そして成形品を再加圧することを特徴とするプロセ
スである。この引用文献は、高融点成分の粒径について
何も記載していない。モリブデンおよびタングステン
は、添加金属として言及されているが、実施例ではAg
と混和した延性のあるNiのみが用いられている。
【0019】技術の現状をまとめると、70重量%W/
30重量%Agから30重量%W/70重量%AgのW
/Agおよび70重量%Mo/30重量%Agから30
重量%Mo/70重量%AgのMo/Agという技術上
関心を集めている比率で構成されるWAgおよびMoA
gから作られる接触体は、単一片製造技術によってしか
製造できないということである。高品質の接触体、すな
わち高密度で非多孔質であり、したがって材料消耗量に
対する耐性が大きい形態を得るには、広範囲で高価なさ
らなる加工工程が必要である。
【0020】また別の押出し成形法により産業的規模で
安価に製造される本質的に非多孔質のWAg複合材料お
よびMoAg複合材料は、タングステンまたはモリブデ
ン含有量が30重量%以下であるものが従来技術として
知られているだけである。
【0021】これまでのところ、押出し成形法は、電力
工学において、WまたはMo含有量が30重量%より多
い材料、すなわち材料消耗量に対する耐性が高い材料の
製造には適用されていない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明
は、安価に製造でき、かつ特性が向上した、すなわち微
細な粒状の、金属マトリックス中で高融点含有物が実質
的に均一に分布した、残留多孔率が可能な限り低い接点
材料を提供することを目的とする。提供される材料は、
特に低電圧電力工学において、遮断容量および寿命(動
作回数)に対するさらなる要求を満たすことができる。
本発明は、技術的に重要な組成の全範囲を含むべきであ
ろう。W/Agが40/60重量%〜60/40重量%
およびMoAgが40/60重量%〜60/40重量%
である組成物が特に関心が高い。物理的および技術的特
性に関して、本発明の材料は、従来技術にしたがって製
造した材料より優れており、かつ取り扱いおよびコスト
の面で、スイッチの組立てに関してスイッチ製造業者に
有利である。
【0023】本発明のもう1つの目的は、高度な再成形
により、材料の所望の圧縮を保証し、残留多孔率を0.
5%より低くする接点材料の製造方法を提供することに
ある。
【0024】
【課題を解決するための手段】これらの目的は、特に微
細な粒状の高融点金属を用いることにより、高度な再成
形が達成でき、これにより所望の低い残留多孔率が得ら
れたという驚くべき発見に基づいて達成された。
【0025】本発明の複合材料は、銀を含むマトリック
スと、マトリックス中に存在する少なくとも1種の高融
点金属(高融点成分)を含む粒状添加物とを含む、粉末
冶金により製造された複合材料であって、高融点成分
は、2μm以下の平均粒径を有し、マトリックス中に実
質的に均一に分布しており、かつ複合材料の残留多孔率
が0.5%より低いことを特徴とする。
【0026】前記高融点成分の量は、前記複合材料の全
体量を基準として、30重量%を超え70重量%以下、
特に40〜60重量%が好ましい。
【0027】また、前記高融点成分は、金属Wおよび金
属Moから選ばれる少なくとも1種を含むことが好まし
い。
【0028】また、前記高融点成分の平均粒径は、0.
1〜1.0μmであることが好ましい。
【0029】また、前記高融点成分および前記マトリッ
クス金属の両方と合金を形成する金属は、焼結助剤とし
て、0.1〜6重量%、特に0.3〜4重量%加えられ
ていることが好ましい。
【0030】前記焼結助剤は、Ni、CoまたはFeを
含むことが好ましい。
【0031】本発明の一実施形態において、本発明の粉
末冶金により製造された複合材料は、帯状または連続テ
ープ状の形状を有し、この場合、マトリックスは銀また
は銅でできている。この帯状体またはテープは、硬質は
んだでめっきしてもよい。
【0032】本発明の複合材料の製造方法は、平均粒径
が2μm以下の高融点成分を少なくとも1種と、マトリ
ックス金属として銀と、必要に応じて添加される焼結助
剤とを含む粉末混合物を、10〜50体積%の焼結収縮
が生じるように、固相または液相で600℃より高い温
度で圧縮および焼結し、次いで、得られた焼結体を残留
多孔率が0.5%より低くなるように再成形することを
特徴とする。
【0033】前記焼結収縮は、30〜40体積%である
ことが好ましい。
【0034】また、押出し成形、圧延または再鍛造によ
り再成形を行うことが好ましい。
【0035】また、銀または銅をマトリックス金属とし
て用い、再成形を圧延手段により行って、帯状体または
連続テープを得ることが好ましい。
【0036】また、前記帯状体または前記連続テープ
は、はんだでめっきすることが好ましい。
【0037】最後に、本発明は、本発明に係る複合材料
の電気接点材料としての使用も提供する。
【0038】マトリックスは、実質的に銀からなること
が好ましい。一実施形態においては、実質的に銅からな
るマトリックスを用いてもよい。
【0039】本発明に至った研究により、驚くべきこと
に、用いる高融点粉末の粒子が細かくなるほど、より多
量の高融点成分を有する金属複合材料が押出し成形でき
るという効果が見出された。特に細かい高融点の粒子
は、従来技術において以前から予想されていたより少し
しか、焼結体の延性を低下させないと考えられる。した
がって、30重量%より多くの量の好ましい高融点成分
WまたはMo、好ましくは40〜60重量%、そうでな
くても最大70重量%までの高融点金属を含む棒状体
を、Agマトリックス中で押出し成形できる。
【0040】焼結収縮のため、微細な粒状の高融点金属
粉末は、粗い粒状の高融点金属粒子より、焼結中にマト
リックス金属粒子に容易に溶接できると本発明者らは考
えている。このことにより、複合材料の柔軟性が向上
し、したがって延性も向上する。
【0041】従来技術において普通の、より大きな粒径
から始めて、きめの細かい高融点金属粉末を押出し成
形、圧延または再鍛造による高度な再成形と組み合わせ
て用いると、電力工学に関連した物理的および技術的特
性が所望のとおり向上した。
【0042】−細かい粒子は、消弧特性が向上するとと
もに、材料消耗量が低減するという点で一般的に有利で
ある。
【0043】−材料密度が理論値に近づくと(すなわち
多孔率が零に近づくと)、材料は理想的な密度に達す
る。ここでもまた、材料消耗量および摩耗の低減という
利点が生じる。
【0044】−伝導率が高くなり、成分の混合比率に対
する対数式にしたがい計算した理論的伝導率の範囲内と
なる。このことは、電気伝導性とともに熱伝導性も向上
するという点で有利である。スイッチングの際に電気ア
ークから発生する熱がより容易に放散できる。接触体
は、オーバーヒートを起こしにくくなる。
【0045】−軟化焼きなまし状態(すなわち、はんだ
付けされたスイッチ接点のように)でさえ、ビッカース
硬さは、従来技術で知られている材料の値より明らかに
高い。このことは、非常に多くの動作回数が必要とされ
ることに関連して、摩耗および変形に対して有利であ
る。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の製造方法の一形態
を説明する。本発明の複合材料を製造するために、高融
点金属、好ましくはWまたはMoを、マトリックス金属
AgおよびCuの少なくとも1種に粉末冶金法で加え、
高融点成分が混合物の好ましくは30〜70重量%を占
めるようにする。高融点金属粉末は、きめが細かく、平
均粒径が大きくとも2μm、好ましくは0.1〜1μm
でなければならない。添加物として、Ni、Coまたは
Feのような粉砕焼結助剤を最大6重量%加えてもよ
い。あらかじめ重量を測った粉末を、当業者に知られて
いるプロセスにより均質化し、次に静水圧加圧圧縮して
丸い棒状体にする。得られた圧粉グリーン体は、少なく
とも10%の焼結収縮(体積収縮)が生じるように、保
護気体中で600℃より高い温度で焼結する。
【0047】依然として多孔質である得られた焼結体
を、誘導加熱し、押出し成形(前方押出し)、圧延また
は再鍛造のような適切な再成形プロセスにより、所望の
断面形状を得る。次に最終圧延を行い、硬質はんだで必
要に応じてめっきすることによって、連続テープとして
巻き枠に巻き付いた所望の形状の断片(好ましくは平ら
な帯状体)を得る。この材料は、金属Wおよび金属Mo
から選ばれる少なくとも1種からなる高融点成分がマト
リックス中に均一に分散したものとなる。また、完成し
た材料の残留多孔率は、0.5%より低い。
【0048】
【実施例】以下の実施例は、本発明を限定するものでは
なく、本発明の好ましい一例を示すものである。 (実施例1) ・60/40重量%であるAg/W 60重量部の粒径が60μmより小さい微細な粒状のA
g粉末と、40重量部のサブミクロンのタングステン金
属粉末とを保護気体下で混合し、適切な手法で(例え
ば、ボールミル中で)保護気体下で粉砕する。このよう
に均質化した粉末混合物を、静水圧加圧圧縮して丸い棒
状体にし、700℃の温度で焼結する。焼結収縮は、3
6体積%であった。
【0049】完成した焼結棒の密度は12.0g/cm
3であり、これは、7%の残留多孔率に相当する。
【0050】焼結棒を保護気体下で約700℃に加熱
し、次いで加熱状態で前方押出し成形により押出して、
直径各3mmのストランドを2つ得る。
【0051】その後、得られたストランドを最終圧延に
より厚さ1mmに加工する。あるいは、押出し成形の直
後に、適切なAg硬質はんだで圧延接着してから、圧延
して所望の厚さに完成させる。
【0052】すべての圧延プロセスの後には、ばり取り
および軟化焼きなましを行う。
【0053】横断面が5×1mmの得られたストランド
は、以下の化学的および物理的特性を示した。これらを
従来技術の典型的な値(AgWが60/40重量%、単
一片製造、液相で焼結)と比較した。
【0054】 ――――――――――――――――――――――――――――――― 本発明 技術の現状 ――――――――――――――――――――――――――――――― Ag分析: [重量%] = 59.5 (60) 密度: [g/cm3] = 12.85 12.4 (理論値[g/cm3] =12.9) 残留多孔率 [%] = 0.4 3.9 伝導率 [m/Ωmm2] = 44.3 39.5 (理論値[m/Ωmm2]=44.9) 硬度[HV] 軟化焼きなまし: 122 105 ――――――――――――――――――――――――――――――― 顕微鏡写真図 縦方向/横方向 図1/図2
【0055】Agマトリックス中のWの分布は非常に均
一である。材料は、実質的に非多孔質である。押出し成
形プロセスおよび圧延プロセスによって一方向へ極端に
引き伸ばされたにもかかわらず、縦方向の断面には、集
合組織に縞がほとんど形成されていない。つまり、材料
には、Agマトリックス中でWの粒子の配列における優
先方位がない。三次元すべてで実質的に等方性である、
すなわち、分布は最適化されている。
【0056】(実施例2) ・50/50重量%であるAg/W 実施例1と同様に、50重量部の粒径が60μmより小
さいきめの細かいAg粉末と、50重量部のサブミクロ
ンのタングステン金属粉末とを混合、粉砕し、圧縮して
丸い棒状体にする。再び、得られた圧粉体を、焼結収縮
が38.7体積%になるように700℃の温度で焼結す
る。焼結助剤として、4重量%のNiを加えた。焼結棒
の密度は12.7g/cm3であり、これは、8%の残
留多孔率に相当する。
【0057】実施例1と同様に、押出し成形、圧延およ
びめっきを行った。横断面が5×1mmの得られたスト
ランドは、以下の化学的および物理的特性を示した。こ
れらを従来技術の典型的な値(AgWが50/50重量
%、単一片製造、液相で焼結)と比較した。
【0058】 ――――――――――――――――――――――――――――――― 本発明 技術の現状 ――――――――――――――――――――――――――――――― Ag分析: [重量%] = 49.6 (50) 密度: [g/cm3] = 13.75 13.4 (理論値[g/cm3] =13.8) 多孔率[%] = 0.37 2.9 伝導率[m/Ωmm2] = 40.2 35.9 (理論値[m/Ωmm2]=40.4) 硬度[HV], 軟化焼きなまし 152 130 ――――――――――――――――――――――――――――――― 顕微鏡写真図 縦方向/横方向 図3/図4
【0059】分布、非多孔質および等方性については、
実施例1と同様である。
【0060】粒径、分布が改善され、空隙がなくなった
ことは、従来技術による断片(AgWが50/50重量
%、単一片製造、液相で焼結)(図5参照)と比較する
と容易に分かる。
【0061】
【発明の効果】本発明は、安価に製造でき、かつ特性が
向上した、すなわち微細な粒状の、金属マトリックス中
で高融点含有物が均一に分布した、残留多孔率が可能な
限り低い接点材料を提供できる。本発明はまた、高度な
再成形により、材料の所望の圧縮を保証し、残留多孔率
を0.5%より低くする接点材料の製造方法を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】AgWが60/40重量%の押出し成形した細
片の縦方向の研磨断面の顕微鏡写真図
【図2】AgWが60/40重量%の押出し成形した細
片の横方向の研磨断面の顕微鏡写真図
【図3】AgWが50/50重量%の押出し成形した細
片の縦方向の研磨断面の顕微鏡写真図
【図4】AgWが50/50重量%の押出し成形した細
片の横方向の研磨断面の顕微鏡写真図
【図5】従来技術におけるAgWが50/50重量%の
単一片製造で液相焼結した接点小板の研磨断面の顕微鏡
写真図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B22F 3/24 B22F 3/24 E 7/00 7/00 A C22C 5/06 C22C 5/06 C 27/04 27/04 H01H 1/02 H01H 1/02 A C F 11/04 11/04 D 33/66 33/66 B (71)出願人 597168376 Postfach 1749, D−85207 Dachau, Germany

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀を含むマトリックスと、前記マトリッ
    クス中に存在する少なくとも1種の高融点成分を含む粒
    状添加物とを含む、粉末冶金により製造された複合材料
    であって、前記高融点成分は、2μm以下の平均粒径を
    有し、前記マトリックス中に実質的に均一に分布してお
    り、かつ前記複合材料の残留多孔率が0.5%より低い
    ことを特徴とする複合材料。
  2. 【請求項2】 前記高融点成分の量が、前記複合材料の
    全体量を基準として、30重量%を超え70重量%以下
    である請求項1に記載の複合材料。
  3. 【請求項3】 前記高融点成分が、金属Wおよび金属M
    oから選ばれる少なくとも1種を含む請求項1または2
    に記載の複合材料。
  4. 【請求項4】 前記高融点成分の平均粒径が、0.1〜
    1.0μmである請求項1〜3のいずれかに記載の複合
    材料。
  5. 【請求項5】 前記高融点成分および前記マトリックス
    金属の両方と合金を形成する金属が、焼結助剤として、
    0.1〜6重量%加えられている請求項1〜4のいずれ
    かに記載の複合材料。
  6. 【請求項6】 前記焼結助剤が、Ni、CoまたはFe
    を含むことを特徴とする請求項5に記載の複合材料。
  7. 【請求項7】 帯状または連続テープ状の形状を有し、
    前記マトリックスが銀または銅である請求項1〜6のい
    ずれかに記載の複合材料。
  8. 【請求項8】 硬質はんだでめっきされている請求項7
    に記載の複合材料。
  9. 【請求項9】 請求項1〜7のいずれかに記載の複合材
    料を製造する方法であって、平均粒径が2μm以下の高
    融点成分を少なくとも1種と、マトリックス金属として
    銀とを含む粉末混合物を、10〜50体積%の焼結収縮
    が生じるように、固相または液相で600℃より高い温
    度で圧縮および焼結し、次いで、得られた焼結体を残留
    多孔率が0.5%より低くなるように再成形することを
    特徴とする複合材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記焼結収縮が30〜40体積%であ
    る請求項9に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 押出し成形、圧延または再鍛造により
    再成形を行う請求項9または10に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 銀または銅をマトリックス金属として
    用い、再成形を圧延手段により行って、帯状体または連
    続テープを得る請求項8〜10のいずれかに記載の製造
    方法。
  13. 【請求項13】 前記帯状体または前記連続テープをは
    んだでめっきすることを特徴とする請求項12に記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜8のいずれかに記載の複合
    材料の電気接点材料としての使用。
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