JP6327127B2 - 炭素繊維複合積層体 - Google Patents
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Description
[1] 少なくとも3層構造を有する炭素繊維複合積層体であって、熱可塑性樹脂100質量部に対し、アスペクト比が20以上、500以下の板状無機粒子を30質量部以上、200質量部以下含有する熱可塑性樹脂層(A層)と、炭素繊維層(B層)とを有し、前記A層が表裏層であり、前記B層中の炭素繊維束の最大径が10μm以上、1000μm以下であり、かつ該炭素繊維の平均繊維長が0.1mm以上、5mm未満である、炭素繊維複合積層体。
[2] 前記A層に用いる熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の樹脂である、[1]に記載の炭素繊維複合積層体。
[3] 前記B層が、炭素繊維材料として炭素繊維マット、又は、炭素繊維ペーパーを用いてなる層である、[1]又は[2]に記載の炭素繊維複合積層体。
[4] 前記A層表面の最大断面高さ(Rt)が3μm以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載の炭素繊維複合積層体。
本発明の炭素繊維複合積層体(以下「本積層体」という)を構成する熱可塑性樹脂層(A層)は、熱可塑性樹脂100質量部に対し、アスペクト比が20以上、500以下の板状無機粒子を30質量部以上、200質量部以下含有する層であり、かつ、本積層体の表裏層として存在する。
A層に用いることができる熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種の樹脂であることが好ましい。これらの樹脂は1種単独で使用しても良く、2種以上を混合して用いても構わない。
例えば、ポリオレフィン系樹脂を用いることで、本積層体が成形性に優れると共に、耐衝撃性にも特に優れる。また、ポリカーボネート系樹脂やポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂を使用することで、本積層体が成形性に優れると共に、耐熱性にも特に優れる。
A層に用いることができるポリオレフィン系樹脂としては特に限定されるものではなく、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセンなどのα−オレフィンを重合した単独重合体または共重合体が挙げられる。また、これらの単独重合体または共重合体を2種以上混合することもできる。この中でもポリプロピレン系樹脂又はポリエチレン系樹脂を用いることが好ましく、特に、軽量性の観点から、ポリプロピレン系樹脂を用いることが好ましい。
A層に用いるポリプロピレン系樹脂とは、構成するモノマーのうちプロピレンが50モル%を超え、好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上の樹脂であり、具体的には、ホモポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、またはプロピレンと、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−へキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィンの1種又は2種以上とのランダム共重合体やブロック共重合体などが挙げられる。この中でも、剛性・耐熱性の観点から、ホモポリプロピレンがより好適に用いられる。
アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率)とは、任意の連続する5つのプロピレン単位で構成される炭素−炭素結合による主鎖に対して側鎖である5つのメチル基がいずれも同方向に位置する立体構造あるいはその割合を意味する。メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Zambelli et al(Macromolecules8,687,(1975))に準拠する。
A層に用いるポリエチレン系樹脂とは、構成するモノマーのうちエチレンが50モル%を超え、好ましくは70モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上の樹脂であり、具体的には、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及びエチレンを主成分とする共重合体、すなわち、エチレンと、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、ヘプテン−1、オクテン−1などのα−オレフィン;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステル、共役ジエンや非共役ジエンのような不飽和化合物の中から選ばれる1種または2種以上のコモノマーとの共重合体または多元共重合体あるいはその混合組成物が挙げられる。
A層に用いるポリカーボネート系樹脂は、ホモポリマー及びコポリマーのいずれであってもよい。また、ポリカーボネート系樹脂は、分岐構造であっても、直鎖構造であってもよいし、さらに分岐構造と直鎖構造との混合物であってもよい。また、複数のポリカーボネート系樹脂を混合して用いても良い。
なお、いわゆるポリエステルカーボネート樹脂(分子鎖中にエステル結合とカーボネート結合を両方有する樹脂)も、ポリカーボネート系樹脂に含む。
なお、ビスフェノールA以外のジオールを単独で使用したり、複数のジオールを併用したポリカーボネート系樹脂でも良く、芳香族ジオール、脂肪族ジオール、脂環式ジオールのいずれでも構わない。
A層に用いるポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミドが好ましく、ωアミノ酸の開環単独重合で得られるもの、異なるωアミノ酸の開環共重合で得られるもの、及びジアミンとジカルボン酸の共重合で得られるもののいずれでも良い。なお、芳香族ポリアミドや、芳香族−脂肪族ポリアミドを用いることもできる。
A層に用いることができるポリエステル系樹脂としては、耐熱性や成形性の観点から芳香族ポリエステル系樹脂が好ましく、具体的にはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートなどが挙げられる。
本積層体のA層には、熱可塑性系樹脂100質量部に対し、アスペクト比が20以上、500以下の板状無機粒子を30質量部以上、200質量部以下含有する。
板状無機粒子の含有割合は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し30質量部以上、160質量部以下であることが好ましく、30質量部以上、120質量部以下であることが特に好ましい。
板状無機粒子をポリオレフィン系樹脂100質量部に対し30質量部以上含有することにより、本積層体について低線膨張性の向上に資する。また、板状無機粒子をポリオレフィン系樹脂100質量部に対し200質量部以下含有することにより、本積層体の成形性の向上に資する。
これらの中でも、低線膨張性とコストの観点から、タルク又はマイカを用いることが好ましく、マイカが特に好ましい。
板状無機粒子の平均粒径が1μm以上であれば、本積層体について低線膨張性の向上に資する。また、平均粒径が500μm以下であれば、本積層体の表面外観の向上に資する。
なお、本発明において「板状無機粒子の平均粒径」とは、例えば、画像解析装置を用いて、当該無機粒子をある方向から投影した場合の二次元的な投影像の短径と長径を平均した値を異なる10方向からの投影像について算出した後に、その最大値と最小値をさらに平均した値として算出することができる。
板状無機粒子のアスペクト比が20以上であれば、本積層体が低線膨張性に優れる。一方、板状無機粒子のアスペクト比が500以下であれば、本積層体が表面外観に優れる。
板状無機粒子のアスペクト比は、例えば、画像解析装置を用いて、当該無機粒子をある方向から投影した場合の二次元的な投影像の短径と長径の比(長径/短径)を、異なる10方向からの投影像について算出し、平均した値として算出することができる。
本積層体が難燃性を要求されるものである場合、A層にはさらに難燃剤を含有することができる。A層に用いる難燃剤としては特に限定されず、各種縮合リン酸エステルなどのリン系難燃剤、メラミンなどの窒素系難燃剤、ホスファゼンなどのリン・窒素系難燃剤、臭素化芳香族化合物などの臭素系難燃剤、三酸化アンチモンなどのアンチモン系難燃剤といった、公知の難燃剤の1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。
難燃剤を熱可塑性樹脂100質量部に対し20質量部以上含有することにより、本積層体が優れた難燃性を発現することができ。一方、難燃剤を熱可塑性樹脂100質量部に対し60質量部以下含有することにより、本積層体が各種機械物性を満足する。
本積層体は後述する通り、A層を構成する熱可塑性樹脂シートと、B層を構成する炭素繊維材料を各々作製し、これを積層することで得られる。
A層を構成する熱可塑性樹脂シートの作製方法としては特に限定されず、Tダイキャスト法、カレンダー法、プレス法など、公知の溶融製膜方法を採用することができる。
本積層体を製造する前における、A層を構成する熱可塑性樹脂シートの厚みは特に限定されないが、0.5mm以上、2.5mm以下であることが好ましく、0.5mm以上、2mm以下であることがより好ましく、0.5mm以上、1.5mm以下であることがさらに好ましく、0.5mm以上、1mm以下であることが特に好ましい。A層を構成する熱可塑性樹脂シートの厚みが0.5mm以上であれば、プレス成形後の製品表面にB層の炭素繊維層が露出するなどの表面外観の悪化を抑制できる。また、A層を構成する熱可塑性樹脂シートの厚みが2.5mm以下であれば、軽量性を維持できる。
本積層体を構成する炭素繊維層(B層)は、炭素繊維材料を主とする層である。炭素繊維層を有することによって、本積層体について優れた低線膨張性を実現できる。
係る範囲でバインダー樹脂を含有することにより、前記炭素繊維を安定して炭素繊維マットや、炭素繊維ペーパーなどの炭素繊維材料に成形することができる。
炭素繊維ペーパーは、通常乾式抄紙法と湿式抄紙法のいずれかで製造されるが、繊維の開繊がより良好となる観点から湿式抄紙法で製造されたものを用いることが好ましい。
また、炭素繊維ペーパーは低線膨張性の観点より、坪量(炭素繊維量)の多いものが好ましいが、ペーパー自体の生産性とコストとのバランスを考慮して、好ましくは20〜100g/m2、さらに好ましくは30〜100g/m2、特に好ましくは40〜100g/m2の坪量のものを用いることができる。
通常、炭素繊維1本の平均繊維径は7〜10μmであるが、これらは静電密着や収束剤等で凝集して炭素繊維束となっている。このような炭素繊維束について、本積層体においては最大径を10μm以上、1000μm以下に制御することにより、本積層体の低線膨張性と良好な表面外観とプレス成形性のバランスを維持することができる。
なお、炭素繊維束の最大径は後述する実施例に記載の方法で測定・評価できる。
炭素繊維の平均繊維長を0.1mm以上、5mm未満に制御することにより、本積層体の低線膨張性と良好な表面外観とプレス成形性のバランスを維持することができる。
なお、炭素繊維の平均繊維長は後述する実施例に記載の方法で測定・評価できる。
B層の厚みが0.1mm以上であれば、本積層体が優れた低線膨張性を発揮できる。また、B層の厚みが0.3mm以下であれば、本積層体の表面凹凸が少なく、表面外観に優れる。
なお、B層に用いる炭素繊維材料は種類によって空隙率が異なるためその厚みは多様であり、従って本積層体に設けた時の好適な厚みが上記範囲になるような厚みのものが好ましい。
本積層体は、前記A層及び前記B層以外に、本発明の特徴や効果を阻害しない範囲内で、他の層を設けても良い。
具体的には、本積層体はA層が表裏層であって、例えばA層/B層/A層の構成であれば良いが、A層とB層の層間に、必要に応じて接着層などを設けることもできる。さらに、A層/B層/その他の層/B層/A層のように、B層を2層設けてその層間にその他の層を設けた積層体とすることもできる。
また、本積層体はA層を表裏層とするが、A層のさらに外側に、印刷層などの意匠性を有する層や、防汚層などの表面保護層を設けることを妨げない。
本積層体は、前記の通り、A層を構成する熱可塑性樹脂シートと、B層を構成する炭素繊維材料を各々作製し、これを積層することで得られる。
上記の製造方法は、いわゆるバッチ法でも良く、前記A層に用いる熱可塑性樹脂シートを作製しつつ、前記B層に用いる炭素繊維材料を供給して、これらを連続的に積層しながらプレス成形する、連続プレス法でも良い。
また、A層に用いた熱可塑性樹脂がポリカーボネート系樹脂である場合、プレス成形温度としては、230〜280℃が好ましく、240〜280℃の範囲がさらに好ましく、250〜280℃の範囲が特に好ましい。また、プレス圧力としては0.5〜4.0MPaが好ましく、0.5〜3.0MPaの範囲がさらに好ましく、1〜3MPaの範囲が特に好ましい。
係る範囲においてプレス成形することにより、低線膨張性と良好な表面外観のバランスに優れた積層体を作製することができる。
本積層体において、前記A層表面の最大断面高さ(Rt)はJIS B0601(2013年)に準じて測定され、3μm以下であることが好ましく、2.5μm以下であることがさらに好ましく、2μm以下であることが特に好ましい。
前記A層表面の最大断面高さ(Rt)が3μm以下であれば、本積層体が特に良好な表面外観を有するものとなる。A層表面の最大断面高さ(Rt)は小さい程好ましく、その下限は特に規定されない。
前記A層表面の最大断面高さ(Rt)を係る範囲とする方法としては、例えば前記A層中の板状無機粒子の含有割合や、前記B層中の炭素繊維束の最大径を本発明において特定する範囲で調整する方法が挙げられる。
本積層体の厚みが1.7mm以上であれば、本積層体や、本積層体をプレス成形した製品が表面外観に優れる。また、本積層体の厚みが5mm以下であれば、本積層体が低線膨張性に優れる。
実施例及び比較例における測定・評価は以下の方法・基準で行った。
JIS K7210(1999年)に従い、熱可塑性樹脂のメルトマスフローレートを測定した。
JIS K7252−1(2008年)に準じてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって、熱可塑性樹脂のMw/Mnを測定した。
作製した積層体の厚み方向の断面を、光学顕微鏡を用いて観察した。B層について高さ500μm×幅2mmの視野を任意に50箇所観察し、全視野中に存在する炭素繊維束の最大径をB層中の炭素繊維束の最大径とした。
作製した積層体の厚み方向の断面を、光学顕微鏡を用いて観察した。B層について高さ500μm×幅2mmの視野を任意に50箇所観察し、全視野中に存在する炭素繊維の長さを1本ずつ測り、この総和の平均をB層中の炭素繊維の平均繊維長とした。
日立ハイテクサイエンス社製TMA測定装置7100を用い、JIS K7197(2012年)に準じて、作製した積層体について20℃から150℃までの線膨張率を測定し、線膨張係数を算出し、以下の基準で評価した。
◎:線膨張係数が1×10−5/℃以下
○:線膨張係数が1×10−5/℃より大きく5×10−5/℃以下
×:線膨張係数が5×10−5/℃より大きい
(株)小坂研究所製三次元粗さ計を用い、JIS B0601(2013年)に準じて、作製した積層体のA層表面の最大断面高さ(Rt)を測定し、以下の基準で評価した。
○:最大断面高さが3μm以下
×:最大断面高さが3μmより大きい。
作製した積層体について、凹凸形状高さが10mmの段差のある賦形型を用いて、A層に用いた熱可塑性樹脂がPP樹脂の場合は、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件で、A層に用いた熱可塑性樹脂がPC樹脂の場合は、温度=260℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件で、それぞれ、プレス成形を行い、A層表面を目視で観察して、以下の基準で評価した。
○:A層表面に炭素繊維が露出せず、かつ、割れが生じていない状態
×:A層表面に炭素繊維が露出している状態、又は、賦形型の絞りに積層体が追従できず割れが生じている状態。
実施例及び比較例で用いた材料は以下の通りである。
ポリカーボネート(PC)樹脂:カリバー301−30(住化スタイロン(株)製 ビスフェノール−A系ホモポリカーボネート、メルトマスフローレート(温度=300℃、荷重=1.2kgf)=30g/10min)
板状無機粒子1(マイカ1):白雲母W400((株)キララ製、平均粒径=18μm、アスペクト比=35)
板状無機粒子2(マイカ2):白雲母200W((株)キララ製、平均粒径=100μm、アスペクト比=60)
板状無機粒子3(マイカ3):白雲母30−C((株)キララ製、平均粒径=680μm、アスペクト比=90)
難燃剤:ファイアカットP−1590((株)鈴裕化学製 アンチモン系難燃剤+臭素系難燃剤)
滑剤:MS−6(日東化成工業(株)製 12−ヒドロキシステアリン酸)
酸化防止剤:IRGANOX B225(BASF(株)製 リン系熱安定剤+ヒンダードフェノール系酸化防止剤)
炭素繊維:ダイアリードK6371T(三菱樹脂(株)製 メソフェーズピッチ系炭素繊維)
(A層に用いるシートの作製)
PP樹脂100質量部に対し、マイカ1、難燃剤、滑剤、酸化防止剤を表1に記載の割合で混合して、東洋精機(株)製のプラストグラフミキサーに供給し、温度=190℃、回転数=50rpm、混練時間=5分の条件で溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を2枚の金属板間に挟み込み、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ0.925mmの板状無機粒子含有ポリプロピレン樹脂シートを作製した。
炭素繊維を、JIS P8220−1(2012年)に準じて、湿式抄紙法により離解機を用いて開繊・分散し、抄紙して秤量100g/m2の炭素繊維ペーパーを作製した。この時、離解機は、プロペラの回転数=3000rpm、回転時間=10秒の条件で運転した。得られた炭素繊維ペーパーを「高開繊ペーパー」と称する。
作製したA層に用いるシートとB層に用いる炭素繊維材料を、A層/B層/A層の構成となるように重ねて2枚の金属板間に挟み込み、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ2mmの積層体を作製した。この時、A層の厚み=925μm、B層の厚み=150μmであった。
得られた積層体について評価を実施し、結果を表1に示した。
実施例1において、A層に用いるシートにおけるマイカ1の含有割合を表1に記載した通りに変更した以外は、同様にして積層体を作製した。この時、A層の厚み=925μm、B層の厚み=150μmであった。
得られた積層体について評価を実施し、結果を表1に示した。
実施例1において、A層に用いるシートにおけるマイカ1の含有割合を表1に記載した通りに変更した以外は、同様にして積層体を作製した。この時、A層の厚み=925μm、B層の厚み=150μmであった。
得られた積層体について評価を実施し、結果を表1に示した。
実施例1において、A層に用いるシートにおけるマイカ1をマイカ2に変更した以外は、同様にして積層体を作製した。この時、A層の厚み=925μm、B層の厚み=150μmであった。
得られた積層体について評価を実施し、結果を表1に示した。
実施例1において、A層に用いるシートにおけるマイカ1をマイカ3に変更した以外は、同様にして積層体を作製した。この時、A層の厚み=925μm、B層の厚み=150μmであった。
得られた積層体について評価を実施し、結果を表1に示した。
(その他の層に用いるシートの作製)
PP樹脂を2枚の金属板間に挟み込み、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ1mmのポリプロピレン樹脂シートを作製した。
作製したその他の層に用いるシートと、実施例2で作製したA層に用いるシートと、実施例1で作製したB層に用いる高開繊ペーパーを、A層/B層/その他の層/B層/A層の構成となるように重ねて2枚の金属板間に挟み込み、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ2mmの積層体を作製した。この時、A層の厚み=500μm、B層の厚み=150μm、その他の層の厚み=700μmであった。
得られた積層体について評価を実施し、結果を表1に示した。
(A層に用いるシートの作製)
PC樹脂100質量部に対し、マイカ1を表1に記載の割合で混合して、東洋精機(株)製のプラストグラフミキサーに供給し、温度=260℃、回転数=50rpm、混練時間=5分の条件で溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を2枚の金属板間に挟み込み、温度=260℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ0.5mmの板状無機粒子含有ポリカーボネート樹脂シートを作製した。
PC樹脂を2枚の金属板間に挟み込み、温度=260℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ1mmのポリカーボネート樹脂シートを作製した。
作製したA層及びその他の層に用いるシートと、実施例1で作製したB層に用いる高開繊ペーパーを、A層/B層/その他の層/B層/A層の構成となるように重ねて2枚の金属板間に挟み込み、温度=260℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ2mmの積層体を作製した。この時、A層の厚み=500μm、B層の厚み=150μm、その他の層の厚み=700μmであった。
得られた積層体について評価を実施し、結果を表1に示した。
(その他の層に用いるシートの作製)
PP樹脂100質量部に対し、マイカ1、難燃剤、滑剤、酸化防止剤を表1に記載の割合で混合して、東洋精機(株)製のプラストグラフミキサーに供給し、温度=190℃、回転数=50rpm、混練時間=5分の条件で溶融混練し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物を2枚の金属板間に挟み込み、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ1mmの板状無機粒子含有ポリプロピレン樹脂シートを作製した。
作製したその他の層に用いるシートと、実施例2で作製したA層に用いるシートと、実施例1で作製したB層に用いる高開繊ペーパーを、A層/B層/その他の層/B層/A層の構成となるように重ねて2枚の金属板間に挟み込み、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ2mmの積層体を作製した。この時、A層の厚み=500μm、B層の厚み=150μm、その他の層の厚み=700μmであった。
得られた積層体について評価を実施し、結果を表1に示した。
PP樹脂を2枚の金属板間に挟み込み、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ2mmの単層のポリプロピレン樹脂シートを作製した。
得られたシートについて評価を実施し、結果を表1に示した。
A層に用いるシートとして、PP樹脂を2枚の金属板間に挟み込み、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ0.5mmのポリプロピレン樹脂シートを作製した。
実施例1と同様にB層に用いる高開繊ペーパーを、及び実施例6と同様にその他の層に用いるシートを作製し、A層/B層/その他の層/B層/A層の構成となるように重ねて2枚の金属板間に挟み込み、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ2mmの積層体を作製した。この時、A層の厚み=425μm、B層の厚み=150μm、その他の層の厚み=850μmであった。
得られた積層体について評価を実施し、結果を表1に示した。
PP樹脂100質量部に対し、マイカ1、難燃剤、滑剤、酸化防止剤を表1に記載の割合で混合して、実施例1と同様にA層に用いるシートを作製した。
次に、B層に用いる炭素繊維材料の作製において、離解機をプロペラの回転数=500rpm、回転時間=10秒の条件で運転した以外は実施例1と同様にして、炭素繊維ペーパーを作製した。この炭素繊維ペーパーを「低開繊ペーパー」と称する。
実施例6と同様にその他の層に用いるシートを作製し、A層/B層/その他の層/B層/A層の構成となるように重ねて2枚の金属板間に挟み込み、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ2mmの積層体を作製した。この時、A層の厚み=500μm、B層の厚み=150μm、C層の厚み=700μmであった。
得られた積層体について評価を実施し、結果を表1に示した。
PP樹脂100質量部に対し、マイカ1、難燃剤、滑剤、酸化防止剤を表1に記載の割合で混合して、実施例1と同様にA層に用いるシートを作製した。
次に、B層に用いる炭素繊維材料の作製において、離解機をプロペラの回転数=1000rpm、回転時間=10秒の条件で運転した以外は実施例1と同様にして、炭素繊維ペーパーを作製した。この炭素繊維ペーパーを「標準開繊ペーパー」と称する。
実施例6と同様にその他の層に用いるシートを作製し、A層/B層/その他の層/B層/A層の構成となるように重ねて2枚の金属板間に挟み込み、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ2mmの積層体を作製した。この時、A層の厚み=500μm、B層の厚み=150μm、その他の層の厚み=700μmであった。
得られた積層体について評価を実施し、結果を表1に示した。
PP樹脂100質量部に対し、マイカ1、難燃剤、滑剤、酸化防止剤を表1に記載の割合で混合して、実施例1と同様にA層に用いるシートを作製した。
実施例6と同様にその他の層に用いるシートを作製し、A層/その他の層/A層の構成となるように重ねて2枚の金属板間に挟み込み、温度=200℃、圧力=2MPa、成形時間=15分の条件でプレス成形し、厚さ2mmの積層体を作製した。この時、A層の厚み=500μm、その他の層の厚み=1000μmであった。
得られた積層体について評価を実施し、結果を表1に示した。
PP樹脂100質量部に対し、マイカ1、難燃剤、滑剤、酸化防止剤を表1に記載の割合で混合して、実施例1と同様にA層に用いるシートを作製しようとしたが、マイカの含有割合が多すぎてシートを得ることができなかった。
一方、比較例において作製したものは、いずれも本発明において特定する組成や炭素繊維束の最大径、炭素繊維の平均繊維長の範囲を満たさず、低線膨張性、表面外観、及びプレス成形性のうち少なくとも一つが不十分であった。
Claims (4)
- 少なくとも3層構造を有する炭素繊維複合積層体であって、熱可塑性樹脂100質量部に対し、アスペクト比が20以上、500以下の板状無機粒子を30質量部以上、200質量部以下含有する熱可塑性樹脂層(A層)と、炭素繊維層(B層)とを有し、前記A層が表裏層であり、前記B層中の炭素繊維束の最大径が10μm以上、1000μm以下であり、かつ該炭素繊維の平均繊維長が0.1mm以上、5mm未満である、炭素繊維複合積層体。
- 前記A層に用いる熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリエステル系樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の樹脂である、請求項1に記載の炭素繊維複合積層体。
- 前記B層が、炭素繊維材料として炭素繊維マット、又は、炭素繊維ペーパーを用いてなる層である、請求項1又は2に記載の炭素繊維複合積層体。
- 前記A層表面の最大断面高さ(Rt)が3μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素繊維複合積層体。
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