JP5799517B2 - 炭素繊維含有不織布の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)炭素短繊維(A)を40〜90質量%及び超極細アクリロニトリル系短繊維(B)を5〜60質量%含有する抄紙スラリーを調製する工程。
(2)前記スラリーから抄造ウエッブを形成する工程。
(3)前記工程を繰り返して、多層化された抄造ウエッブを調製する工程。
(4)前記多層化された抄造ウエッブをウオータージェットパンチングに供し、多層化された抄造ウエッブを交絡一体化する工程。
炭素繊維含有不織布は、炭素短繊維を含有する。ここで炭素短繊維(A)とは、繊維径3〜9μm、平均繊維長2〜6mmの炭素繊維をいう。この炭素短繊維は炭素繊維含有不織布に40〜90質量%含有する。
炭素短繊維(A)の繊維径は、炭素短繊維の生産コストおよび分散性の面から、3〜9μmであることが好ましく、シートの平滑性の面から、4〜8μmであることがより好ましい。
超極細アクリロニトリル系繊維(B)は、アクリロニトリルを50質量%以上含有するアクリロニトリル系ポリマーからなる。超極細アクリロニトリル系繊維(B)はアクリロニトリル単独のポリマーであってもよいが、アクリロニトリルと他のモノマーの共重合体であってもよい。アクリロニトリルに共重合可能なモノマーは、通常のアクリル繊維を構成する不飽和モノマーであれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。さらに、染色性改良などの目的で、p−スルホフェニルメタリルエーテル、メタリルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらのアルカリ金属塩などを共重合しても良い。
〔易割繊性アクリロニトリル系ポリマーブレンド繊維(C)〕
交絡をより強固とし、炭素繊維含有不織布の紙力を増強させる観点から、炭素繊維含有不織布には、アクリロニトリル系ポリマーと異種ポリマーをブレンドした易割繊性アクリロニトリル系ポリマーブレンド繊維(C)を5〜40質量%含有していることが好ましい。また、繊維(C)は、その一部が叩解、または、割繊した繊維(C*)していてもよい。繊維(C)の繊度は1.0〜5.0dtexが好ましい。また繊維(C)は、アクリロニトリル系ポリマーを50〜70質量%と、前記異種ポリマー50〜30質量%とを含有し、前記アクリロニトリル系ポリマーは、アクリロニトリルを50質量%以上含有する。
炭素繊維含有不織布が、フィブリル化アクリル繊維(D)を5〜40質量%含有することができる。繊維(D)は、アクリロニトリルを50質量%以上含有したアクリロニトリル系ポリマーよりなる幅0.1μm〜30μm、長さ10μm〜10mmのフィブリル状およびフィルム状物から構成される。
繊維(D)は、直径0.1〜10μm程度の繊維状の幹より直径が数μm以下(例えば0.1〜3μm)のフィブリルが多数分岐した構造を有する。
フィブリル繊維を構成するファイバー状物又はフィルム状物の幅及び長さは、吐出孔形状、スリット形状、ポリマー溶液の濃度、供給量、水蒸気の供給量、供給圧、供給衝突角度、セル形状によって決定される。
本発明の炭素繊維含有不織布の製造方法は、
炭素短繊維(A)及び超極細アクリロニトリル系繊維(B)を含有する抄紙スラリーから抄造ウエッブを形成する工程I*を繰り返して多層化された抄造ウエッブを製造する工程I、および、
該多層化された抄造ウエッブにウオータージェットパンチングすることによって該多層化された抄造ウエッブを交絡一体化する工程II
を有する。
ウオータージェットパンチングの一形態について説明する。この形態を第一のウオータージェットパンチングという。
ウオータージェットパンチングの別の形態について説明する。この形態を第二のウオータージェットパンチングという。
前記炭素繊維含有不織布を100〜250℃、好ましくは120〜200℃の温度で熱プレスした後、1000〜3000℃で炭化処理することで炭素繊維不織布とすることが可能である。この炭素繊維不織布は多孔質電極基材として用いることが可能である。炭素繊維不織布の目付は15〜150g/m2とすることが好ましい。
基材種:使用した繊維の仕様、
シート組成:製造した炭素繊維含有不織布の組成(%は質量%)、
CF(A):炭素短繊維(A)、
超極細(B):超極細アクリロニトリル系繊維(B)、
割繊(C):易割繊性アクリロニトリル系ポリマーブレンド繊維(C)及びその一部が割繊または叩解された繊維(C*)、
フィブリッド(D):フィブリル化アクリル繊維(D)、
抄紙スラリー濃度:抄紙スラリー中の繊維の濃度、
シート目付:製造した炭素繊維含有不織布の目付、
抄紙目付:多層抄紙における各層の目付、
FB:工程Iのフローボックスにおける工程通過性評価結果、
抄紙:工程Iの昨ションボックス減圧脱水の評価結果、
WJ:工程IIのウオータージェットパンチングによる交絡処理の評価結果、
ネット剥離:シートのネットからの剥離に係る評価結果、
マングル脱水:シートのマングルからの取り出しに係る評価結果、
乾燥:シートの乾燥機からの取り出しに係る評価結果、
成形シートの目付・布厚:炭素繊維含有不織布を熱プレスした段階の目付と布厚、
焼成シートの目付・布厚:製造した炭素繊維不織布の目付と布厚。
・炭素短繊維(A)の離解処理
繊径7μmのポリアクリロニトル系炭素繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:パイロフィルTR50S)を長さ3mmにカットした。以下では繊維原料をフロックもしくは原料フロックと称することがある。この原料フロックを繊維濃度1質量%になるように水に分散した後、ディスクリファイナー(熊谷理機製)により離解処理した。ディスク回転数5000rpm、ディスククリアランス0.4mm、Bタイプディスクを使用して離解処理した。
繊度0.13dtexの超極細アクリロニトリル系繊維を長さ3mmにカットした(三菱レイヨン製、製品名:MVP D122)。この原料フロックを繊維濃度1質量%になるように水に分散して前記ディスクリファイナーにより離解処理した。ディスク回転数5000rpm、ディスククリアランス0.4mm、Bタイプディスクを使用して離解処理した。
易割繊性アクリロニトリル系ポリマーブレンド繊維(C)(三菱レイヨン製、商品名:C651、ポリアクリロニトル系ポリマー/ジアセ=70/30)を長さ3mmにカットした。この原料フロックを繊維濃度1質量%で水に分散して前記ディスクリファイナーにより離解処理した。ディスク回転数5000rpm、ディスククリアランス0.05mm、Bタイプディスクを使用して叩解処理した。調製した叩解処理物(C*)の濾水度(CSF)は320ccであった。
アクリロニトリル系ポリマーをジメチルアセトアミドに80℃で加熱溶解して、ポリマー濃度23質量%のポリマー溶液を調製した。該ポリマー溶液を加圧水蒸気により凝固、せん断し、水よりなる凝固浴中へ噴出させた後、凝固浴中に浮遊した凝固物を濾過捕集した。ポリマー溶液は60℃に保ち、ギヤポンプにて24ml/分で直径0.2mmの吐出孔より、直径2mm、長さ10mmのセル内に吐出させた。該セル内にはポリマー溶液吐出流方向に対し60度の方向に供給されるように周りに設けたスリットより圧0.25MPaの加圧水蒸気を供給した。
調製したフィブリル化アクリル繊維(D)の濾水度(CSF)は350ccであった。繊維濃度1質量%で水に分散して前記ディスクリファイナーにより離解処理した。ディスク回転数5000rpm、ディスククリアランス0.4mm、Bタイプディスクを使用して離解処理した。調製した叩解処理物(C*)の濾水度(CSF)は350ccであった。
離解処理した炭素短繊維(A)および離解処理した超極細繊維(B)と、場合により繊維(C)の叩解物(C*)および/またはフィブリル化繊維(D)の離解処理品とを、スラリー調整タンクに入れて希釈水を添加して所定のスラリー繊維濃度、混合組成に調製した。さらに、ポリアクリルアマイドを添加して粘度22センチポイズ(0.022Pa・s)の抄紙用スラリーを調整した。
抄紙ネットをベルト状につなぎあわせて連続的に回転させる装置(ネット搬送装置という)上で抄紙(繊維積載)、ウオータージェットパンチングによる交絡処理を実施した。ネット搬送装置には抄紙用スラリー供給装置、ウオータージェットノズル、減圧脱水装置のユニットをそれぞれ複数配置した。シート搬送速度は3.5m/minとして、抄紙ネットはPE(ポリエチレン)製平織抄紙ネット(商品名:FOP76、日本フィルコン製)を用いた。
繊維(フロック)積載量はスラリー供給量、供給スラリー中の繊維濃度と抄紙ネット搬送速度、スラリー供給部幅で決まるので、上記パラメーターを調整して所定の目付になるように設定した。抄紙用スラリーを、抄紙ネット上にフローボックス(FB)を通して均一に分配供給した後に、常圧(自然)脱水する静置部分を通過させながら自然に脱水し、その後ネット下部に配置した減圧脱水装置により脱水した。この際、調製したスラリーは定量ポンプにより定量吐出して流れを均一にするフローボックスを介して抄紙ネット上に分配し流しこんだ。抄紙に用いたフローボックスの幅は48cmであり、スラリー供給量は30L/minで定量供給して抄紙を行った。抄紙スラリー供給装置はネット搬送装置上に3台配置して複数層の抄造ウエッブの積層を行った。
ネット搬送装置の抄紙部(繊維積載部)を通過した後方にウオータージェットパンチング装置(WJ交絡装置)を配置した。ウオータージェットノズルは以下の2種類、計3本を装置上に配置した。高圧液体噴射ノズル(1)を2本、及び、高圧液体噴射ノズル(2)を1本用い、各ノズルをシート搬送方向に対して垂直方向に振動させるノズル振動装置を用いることにより、シート上にサインカーブ状のノズル軌跡を描いた。実施例で用いた高圧液体噴射ノズルのディメンジョン、構成などの詳細は以下に示す。
・高圧流体噴射ノズル(1)×2本
1列配列ノズル2本を固定して1台の振動装置で振動
ノズル孔数:501hole×2本(列)
孔径:φ0.10mm
幅方向孔間ピッチ:1mm
1列配置、ノズル間(列間)ピッチ:300mm
ノズル振り幅:3.0mm(サインカーブ振幅1.5mm)
ノズル振動機回転数:144rpm(1.91 cycle/sec)
・高圧流体噴出ノズル(2)×1本
3列ノズル
孔径:φ0.15mm
ノズル孔数:1002hole
幅方向孔間ピッチ:1.5mm
列間ピッチ5mm
ノズル振り幅3.0mm(サインカーブ振幅1.5mm)
ノズル振動機回転数:233rpm(389cycle/sec)
交絡一体化工程IIの工程通過性を以下の定義で評価した。ウオータージェットパンチングによりシートに交絡処理が良好に行われシート表面に交絡軌跡が描かれたものを○、シートが破壊または大きな穴が開いたものは×とした。
多層抄紙工程Iと交絡一体化工程IIを通過したシートは減圧脱水されているが湿潤状態の湿紙である。シート水付着量(ピックアップ)は550〜600質量%であった。ピックアップ[%]の定義は(シート湿潤質量−乾燥質量)/乾燥質量とした。
抄紙ネットより剥ぎ取ったシートはマングルにより水分を絞った。シート水付着量(ピックアップ)は250〜300質量%になるように調整した。
工程通過性の評価はシートがマングルから取り出すことができシートの破れがないものは○、シートが剥ぎ取れず、裂けたり破れたりしたもの×とした。
次にピンテンター試験機(辻井染色機製、商品名:PT−2A−400)により130℃×4分で乾燥した。乾燥機のピンチェーンは入口幅39cm、出口幅40cmに設定して、1cm拡幅しながら処理した。工程通過性の評価はシートが取り出すことができ破れがないものは○、シートが裂けたり破れたりしたものを×とした。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)/叩解処理品(C*)/フィブリル化繊維(D)=50/30/10/10(質量%)の抄紙基材を含有する繊維濃度1.68g/Lの抄紙スラリーを調製した。これを用いて、目付30g/m2の各層抄紙工程I*を2回繰り返し、目付60g/m2の抄造ウエッブ積層シート(二層化抄造ウエッブ)を形成した。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)=70/30(質量%)、繊維濃度1.68g/Lの抄紙スラリーを調製した。その他は実施例1と同様な方法で実施した。この結果、目付60g/m2、布厚0.6mmの層間剥離や繊維脱落のないシートの形態安定性が良好な炭素繊維含有不織布を得た。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)=90/10(質量%)、繊維濃度1.68g/Lの抄紙スラリーを調製した。その他は実施例1と同様な方法で実施した。この結果、目付60g/m2、布厚0.9mmの層間剥離や繊維脱落のないシートの形態安定性が良好な炭素繊維含有不織布を得た。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)=95/5(質量%)、繊維濃度1.68g/Lの抄紙スラリーを調製した。その他は実施例1と同様な方法で実施したが、湿紙強力が十分でなく抄紙ネットからの剥離ができず連続シートを形成することができなかった。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)=70/30(質量%)、繊維濃度0.56g/Lの抄紙スラリーを調製した。目付10g/m2の抄紙工程I*を1回だけ行って一層の抄造ウエッブシートを形成した(多層化は行わなかった)。湿紙強力が十分でなく抄紙ネットからの剥離ができず連続シートを形成することができなかった。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)=70/30(質量%)、繊維濃度0.84g/Lの抄紙スラリーを調製した。目付15g/m2の抄紙工程I*を2回繰り返し、目付30g/m2の抄造ウエッブ積層シート(二層抄造ウエッブ)を形成した。その他は実施例1と同様な方法で実施した。この結果、目付30g/m2、布厚0.4mmの層間剥離や繊維脱落のないシートの形態安定性が良好な炭素繊維含有不織布を得た。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)=70/30(質量%)、繊維濃度1.12g/Lの抄紙スラリーを調製した。目付20g/m2の抄紙工程I*を3回繰り返し、目付60g/m2の抄造ウエッブ積層シート(三層抄造ウエッブ)を形成した。その他は実施例1と同様な方法で実施した。この結果、目付60g/m2、布厚0.7mmの層間剥離や繊維脱落のないシートの形態安定性が良好な炭素繊維含有不織布を得た。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)=70/30(質量%)、繊維濃度2.52g/Lの抄紙スラリーを調製した。目付45g/m2の抄紙工程I*を3回繰り返し、目付135g/m2の抄造ウエッブ積層シート(三層抄造ウエッブ)を形成した。その他は実施例1と同様な方法で実施した。この結果、目付135g/m2、布厚1.3mmの層間剥離や繊維脱落のないシートの形態安定性が良好な炭素繊維含有不織布を得た。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)=70/30(質量%)、繊維濃度3.92g/Lの抄紙スラリーを調製した。目付70g/m2の抄紙工程I*を3回繰り返し、目付210g/m2の抄造ウエッブ積層シート(三層抄造ウエッブ)を形成した。その他は実施例1と同様な方法で実施したが、抄紙工程Iでのフローボックス(FB)からの流れにも斑があり、サクションボックス(SB)による減圧脱水も十分でなく、表面が荒れた不均一なシートとなった。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)=70/30(質量%)、繊維濃度1.68g/Lの抄紙スラリーを調製した。目付30g/m2の抄紙工程I*を2回繰り返し、目付60g/m2の抄造ウエッブ積層シート(二層抄造ウエッブ)を形成した。ウオータージェットパンチングによる交絡処理は行わなかった以外は実施例2と同様な処理を行った。抄紙ネットからの剥離はできるがマングルにより脱水工程、および、乾燥工程で層間剥離や繊維脱落があり、形態安定性が良好なシートは得られなかった。
比較例4と同様な方法で目付60g/m2の抄造ウエッブ積層シート(二層抄造ウエッブ)を形成した。ウオータージェットパンチングによる交絡一体化処理IIは高圧液体噴射ノズル(1)を2本使用して行った。高圧液体噴射ノズル(2)は使用しなかった。その他は実施例1と同様な方法で実施した。この結果、目付60g/m2、布厚0.6mmの層間剥離や繊維脱落のないシートの形態安定性が良好な炭素繊維含有不織布を得た。シート表面にはウオータージェットパンチングによる交絡軌跡の干渉があり、図3に示すような周期的な緯段模様が観察された。
比較例4と同様な方法で目付60g/m2の抄造ウエッブ積層シート(二層抄造ウエッブ)を形成した。ウオータージェットパンチングによる交絡一体化処理IIは高圧液体噴射ノズル(2)だけを使用して行った。その他は実施例1と同様な方法で実施した。シート表面にはウオータージェットパンチングによる交絡軌跡の干渉はなく、図2に示す交絡パターンが形成された。この結果、目付60g/m2、布厚0.6mmの層間剥離や繊維脱落のないシートの形態安定性が良好な炭素繊維含有不織布を得た。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)=70/30(質量%)、繊維濃度1.68g/Lの抄紙スラリーを調製した。ただし、超極細繊維(B)に替えて、繊度1.0dtex、カット長5mmの極細繊維を用いた。その他は実施例2と同様な方法で実施した。
目付30g/m2の抄紙工程I*を2回繰り返し、目付60g/m2の抄造ウエッブ積層シート(二層抄造ウエッブ)を形成した。乾燥上がりのシートの形態安定性はわるく、繊維の抜けや脱落が発生するシートであった。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)/叩解処理品(C*)=50/30/20(質量%)、繊維濃度1.68g/Lの抄紙スラリーを調製した。その他は実施例1と同様な方法で実施した。この結果、目付60g/m2、布厚0.6mmの層間剥離や繊維脱落のないシートの形態安定性が良好な炭素繊維含有不織布を得た。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)/フィブリル化繊維(D)=50/30/20(質量%)、繊維濃度1.68g/Lの抄紙スラリーを調製した。その他は実施例1と同様な方法で実施した。この結果、目付60g/m2、布厚0.6mmの層間剥離や繊維脱落のないシートの形態安定性が良好な炭素繊維含有不織布を得た。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)/叩解処理品(C*)=70/10/20(質量%)、繊維濃度1.68g/Lの抄紙スラリーを調製した。その他は実施例1と同様な方法で実施した。この結果、目付60g/m2、布厚0.6mmの層間剥離や繊維脱落のないシートの形態安定性が良好な炭素繊維含有不織布を得た。
炭素短繊維(A)/超極細繊維(B)/フィブリル化繊維(D)=70/10/20(質量%)、繊維濃度1.68g/Lの抄紙スラリーを調製した。その他は実施例1と同様な方法で実施した。この結果、目付60g/m2、布厚0.6mmの層間剥離や繊維脱落のないシートの形態安定性が良好な炭素繊維含有不織布を得た。
Claims (6)
- 以下の工程を含む、炭素繊維含有不織布の製造方法。
(1)炭素短繊維(A)を40〜90質量%及び超極細アクリロニトリル系短繊維(B)を5〜60質量%含有する抄紙スラリーを調製する工程。
(2)前記スラリーから抄造ウエッブを形成する工程。
(3)前記工程を繰り返して、多層化された抄造ウエッブを調製する工程。
(4)前記多層化された抄造ウエッブをウオータージェットパンチングに供し、多層化された抄造ウエッブを交絡一体化する工程。 - 前記工程(1)において、さらにアクリロニトリル系ポリマーを50〜70質量%、及び該アクリロニトリル系ポリマーと相溶性がなく、且つ、該アクリロニトリル系ポリマーと共通な溶剤に可溶であるポリマー50〜30質量%を含有した、易割繊性アクリロニトリル系ポリマーブレンド繊維(C)を含む、請求項1記載の製造方法。
- 工程(4)において、ウオータージェットパンチングが、
1列に配置された複数のノズル孔を備える第一の高圧液体噴射ノズルであって、
該ノズルは、抄造ウエッブの搬送方向に対して直角方向に振動し、周期20〜100mm、振幅1〜3mmのサインカーブ状の交絡軌跡を抄造ウエッブ表面に描く、第一のウオータージェットパンチングを含む、
請求項1又は2記載の製造方法。 - 工程(4)において、ウオータージェットパンチングが、
前記第一の高圧液体噴射ノズルを2本用いて、該2本の第一の高圧液体噴射ノズルによって描かれる交絡軌跡を重ね合わせ、10〜50mm間隔の横段状の干渉縞を形成するウオータージェットパンチングを含む、
請求項3記載の製造方法。 - 工程(4)において、ウオータージェットパンチングが、
抄造ウエッブの搬送方向に対して直角方向に振動する、3列配置されたノズル孔を備える第二の高圧液体噴射ノズルを用いて、周期10〜20mm、振幅1〜3mm、位相差120°で3本重ね合わせたサインカーブ状の交絡軌跡を、多層化された抄造ウエッブ表面に描く、第二のウオータージェットパンチングを含む
請求項1〜4のいずれかに記載の炭素繊維含有不織布の製造方法。 - 請求項1〜5のいずれかの方法で製造された炭素繊維含有不織布を熱プレスする工程、及び該熱プレスした炭素繊維含有不織布を最高温度1000〜3000℃で炭化処理する工程を含む、
炭素繊維不織布の製造方法。
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