JP6825442B2 - 炭素繊維を含む多孔質のシート状物に導電性固形物が分散する液状物を含浸させる方法 - Google Patents

炭素繊維を含む多孔質のシート状物に導電性固形物が分散する液状物を含浸させる方法 Download PDF

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Description

本発明は、炭素繊維を含む多孔質のシート状物に導電性固形物が分散する液状物を含浸させる方法に関する。
炭素繊維を含む多孔質のシート状物に対して液状物を添加する方法の一つとして、含浸槽と一対のニップロール(絞りロール)によるdip−nip手法が挙げられる。一般的に広く用いられる手法であるが、固形物が分散する液状物を含浸する場合、固形物の沈降や液状物の流動が原因で前記シート状物に対して固形物が不均一に添加され、前記シート状物の地合が不良になる恐れがあった(特許文献1参照)。
また、スプレー手法は液状物のロスは少ないが、噴霧範囲を広げようとすると粒子が細かくなり、前記シート状物に付着しにくくなる。そのため、前記シート状物の幅方向に均一に添加するにはスプレーノズルを複数並べなければならない。また、高粘度液状物の添加や固形物が分散する液状物の添加は、ノズル詰まりの原因となり前記シート状物の地合が不良になる恐れがあった(特許文献1参照)。
また、前記シート状物に対して液状物を上面から滴下する手法は、液状物のロスは少なく、さらに高粘度液状物を添加できる点においても魅力的ではあるが、固形物が分散する液状物を添加する場合、撹拌不可能な液溜まりを一時的に作らなければならず、固形物の沈降によって前記シート状物の地合が不良になる恐れがあった(特許文献2参照)。
WO2001/056103 特開2014−143182
本発明は、上記の点を鑑みて行われたものであり、炭素繊維を含む多孔質のシート状物に導電性固形物が分散する液状物を含浸させる場合において、添加前と同等以上の地合を有する前記シート状物が得られる方法を提供することを目的とする。
本発明の要旨は、以下の[1]〜[6]に存する。
[1] 炭素繊維を含む多孔質のシート状物を、液外ガイドロール、液中ガイドロール、液外ガイドロールの順に通して、導電性固形物が分散した液状物中を連続的に通過させることによりシート状物に前記液状物を含浸させる方法であって、液外ガイドロールは前記液状物の液面に接しないように液中ガイドロールよりも高い位置に設けられており、液中ガイドロールと前記シート状物の接触開始点をA、接触終了点をB、液中ガイドロールの軸線から垂直下向きに線を引いた際の当該液中ガイドロールの外周部との交点をCとするとき、前記液状物の液面が液中ガイドロールと前記シート状物の接触開始点A及び接触終了点Bより下もしくは同じ位置に位置し、かつ当該交点Cより上に位置する、炭素繊維を含む多孔質のシート状物に導電性固形物が分散する液状物を含浸させる方法。
[2] 前記シート状物を、液外ガイドロール、液中ガイドロール、液外ガイドロールの順に通して、前記液状物中を連続的に通過させることにより前記シート状物に前記液状物を含浸させる工程が、少なくとも1つ以上存在する、上記[1]に記載の方法。
[3] 前記液状物が常時撹拌されている、上記[1]〜[2]に記載の方法。
[4] 液中ガイドロールに対する前記シート状物のラップ角度が15°〜180℃である、上記[1]〜[3]に記載の方法。
[5] 前記シート状物に前記液状物を含浸させる工程の下流側に、前記液状物の添加量を調整する工程を含む、上記[1]〜[4]に記載の方法。
[6] 前記液状物の添加量を調整する工程が、第一の液中ガイドロール以降に設置される液外ガイドロールにおいて、少なくとも1つ以上の液外ガイドロールに対して一対のロールを設け、前記液状物を含浸した前記シート状物を液外ガイドロールと当該ロールの間に挟み押圧する工程である、上記[5]に記載の方法。
本発明によれば、炭素繊維を含む多孔質のシート状物に導電性固形物が分散する液状物を含浸させる場合において、添加前と同等以上の地合を有する前記シート状物を得ることができる。
本発明の導電性固形物が分散する液状物含浸工程の一例を示す図である。 本発明の導電性固形物が分散する液状物含浸工程の一例を示す図である。 本発明の導電性固形物が分散する液状物含浸工程の一例を示す図である。 本発明の導電性固形物が分散する液状物含浸工程、及び前記液状物の添加量 調整工程の一例を示す図である。 本発明で使用する含浸槽の一例を示す図である。
本発明の「炭素繊維を含む多孔質のシート状物に導電性固形物が分散する液状物を含浸させる方法」は、素繊維を含む多孔質のシート状物を、液外ガイドロール、液中ガイドロール、液外ガイドロールの順に通して、導電性固形物が分散した液状物中を連続的に通過させることによりシート状物に前記液状物を含浸させる方法であって、液外ガイドロールは前記液状物の液面に接しないように液中ガイドロールよりも高い位置に設けられており、液中ガイドロールと前記シート状物の接触開始点をA、接触終了点をB、液中ガイドロールの軸線から垂直下向きに線を引いた際の当該液中ガイドロールの外周部との交点をCとするとき、前記液状物の液面が液中ガイドロールと前記シート状物の接触開始点A及び接触終了点Bより下もしくは同じ位置に位置し、かつ当該交点Cより上に位置する、炭素繊維を含む多孔質のシート状物に導電性固形物が分散する液状物を含浸させる方法である。
<炭素繊維を含む多孔質のシート状物>
本発明により得られるシート状物は、例として、レドックスフロー電池用電極材や燃料電池用ガス拡散電極基材といった電池材料用途として使用される。そのため導電性確保の観点から、炭素繊維(A)を含むことが好ましい。また、液状物を含浸させるという点からシート状物は多孔質であることが好ましく、例として、液状物透過性を有する繊維構造物が挙げられる。具体的には、紙、不織布(湿式不織布、乾式不織布、乾式パルプ不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、フラッシュ紡糸不織布、トウ開繊不織布)、織物(織物、多軸織物、三次元織物)、編物(たて編、よこ編、多軸編物)、等が挙げられる。この場合、液状物を含浸により添加する際の取扱性を考慮して、炭素繊維を含む多孔質のシート状物(以下、当該シート状物と記載する)に対して機械的強度確保を目的とした処理を実施するのが好ましい。例として、当該シート状物に対して結着バインダーを塗布し乾燥により繊維間を結着するケミカルボンド法、当該シート状物に対して熱溶融性繊維を混ぜ込み溶融を利用して繊維間を結着するサーマルボンド法、当該シート状物に対して針を突き刺し繊維間を機械的に絡めるニードルパンチ法、当該シート状物に対して高圧水流を噴射し繊維間を機械的に絡める高圧液体噴射法、が挙げられる。
また、当該シート状物の機械的強度確保のために、炭素繊維(A)と共に熱可塑性樹脂含有繊維(B)、または炭素繊維(A)と共に熱可塑性樹脂含有繊維(B)、炭素繊維前駆体繊維(C)を混抄することが好ましい。
<炭素繊維(A)>
炭素繊維(A)としては、例えば、ポリアクリロニトリル系炭素繊維(以下「PAN系炭素繊維」と称する)、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等の炭素繊維を適当な長さに切断したものが挙げられるが、機械的強度の観点から、PAN系炭素繊維が好ましい。
炭素繊維(A)の平均繊維長は、分散性の点から、2〜12mmであることが好ましい。炭素繊維(A)の平均繊維径は、炭素繊維の生産コストおよび分散性の面から、3〜20μmであることが好ましく、4〜18μmであることがより好ましい。なお、平均繊維径は、光学顕微鏡および電子顕微鏡により測定することができる。
<熱可塑性樹脂含有繊維(B)>
熱可塑性樹脂含有繊維(B)とは、熱可塑性樹脂成分を20%以上有する繊維のことを示す。熱可塑性樹脂成分を有する原料としては、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリフェニレンオキシド、ポリウレタン、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、レーヨン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、等が挙げられる。
熱可塑性樹脂含有繊維(B)は、上記原料単体より構成される繊維を使用しても良いし、上記原料を含む2種類以上の原料により構成される繊維を使用しても良い。熱可塑性樹脂成分を有する原料を含む2種類以上の原料により構成される繊維の例として、芯と鞘の二層構造を有する繊維や、後述する海島構造を有するフィブリル状繊維(D−2)、が挙げられる。
当該シート状物には、1種類の熱可塑性樹脂含有繊維(B)を混抄しても良いし、2種類以上の熱可塑性樹脂含有繊維(B)を混抄しても良い。
熱可塑性樹脂含有繊維(B)の平均繊維長は、分散性の点から、2mm以上20mm以下が好ましい。なお、平均繊維長は、光学顕微鏡および電子顕微鏡により測定することができる。
<炭素繊維前駆体繊維(C)>
炭素繊維前駆体繊維(C)は、後述するポリマー(例えば、アクリル系ポリマー)を用いて作製した炭素繊維前駆体長繊維を適当な長さにカットしたものであることができる。炭素繊維前駆体繊維(C)の平均繊維長は、分散性の点から、2mm以上20mm以下が好ましい。なお、平均繊維長は、光学顕微鏡および電子顕微鏡により測定することができる。炭素繊維前駆体繊維(C)の断面形状は特に限定されないが、炭素化した後の機械的強度、製造コストの面から、真円度の高いものが好ましい。
炭素繊維前駆体繊維(C)に用いるアクリル系ポリマーは、アクリロニトリルの単独重合体でもよく、アクリロニトリルとその他のモノマーとを共重合体でもよい。アクリロニトリルと共重合されるモノマーとしては、一般的なアクリル系繊維を構成する不飽和モノマーであれば特に限定されないが、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピルなどに代表されるアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどに代表されるメタクリル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどが挙げられる。
炭素繊維前駆体繊維(C)を構成するポリマーは、炭素化後にシート形態を維持する観点から、炭素化処理する工程における残存質量が20質量%以上であることが好ましい。このようなポリマーとしては、例えばアクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール系ポリマーが挙げられる。紡糸性および低温から高温にかけて炭素繊維(A)同士を接合させることができ、炭素化時の残存質量が大きい点を考慮すると、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。
炭素繊維前駆体繊維(C)に用いるアクリロニトリル系ポリマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、5万〜100万が好ましい。重量平均分子量が5万以上であることで、紡糸性が向上すると同時に、繊維の糸質が良好になる傾向にある。重量平均分子量が100万以下であることで、紡糸原液の最適粘度を与えるポリマー濃度が高くなり、生産性が向上する傾向にある。
本発明で使用する炭素繊維前駆体繊維(C)は、フィブリル状を有するもの(フィブリル状繊維(D))を使用しても良いし、フィブリル状を有さないものを使用してもよい。
<フィブリル状繊維(D)>
フィブリル状繊維(D)とは、毛羽による微起毛を有する繊維であり、フィブリル状繊維(D)は、混抄する炭素繊維(A)の再集束を防止すると共に、当該シート状物の強度を向上する役割を果たすことができる。具体的なフィブリル状繊維(D)としては、例えば、フィブリル化されたポリエチレン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、セルロース繊維などが挙げられる。
フィブリル状繊維(D)としては、繊維状の幹より直径が数μm以下(例えば0.1〜3μm)のフィブリルが多数分岐した構造を有する繊維、あるいは易割繊性海島複合繊維の叩解処理によってフィブリル化させた繊維等を用いることができる。フィブリル状繊維(D)を用いることにより、当該シート状物中で炭素繊維(A)とフィブリル状繊維(D)とが良く絡み合い、機械的強度の優れた当該シート状物を得ることが可能になる。フィブリル状繊維(D)の濾水度は特に限定されないが、一般的に濾水度が低いフィブリル状繊維(D)を用いると当該シート状物の機械的強度が向上する。なお、以下、この2つのフィブリル状繊維(D)をそれぞれ、繊維(D−1)、繊維(D−2)と称し、詳しく説明する。
・フィブリルが多数分岐した構造を有するフィブリル状繊維(D−1)
繊維(D−1)の製造方法は、特に限定されないが、濾水度のコントロールが容易な噴射凝固法を用いることが好ましい。噴射凝固法による繊維(D−1)は例えば以下の方法で製造できる。
まず、アクリロニトリル系共重合体を溶媒に溶解させて紡糸原液を調製する。この溶媒としては、例えば、ジメチルアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドなどを用いることができる。ついで、この紡糸原液を紡糸吐出口に通して混合セル内に吐出すると同時に、水蒸気を紡糸原液の吐出線方向に対して0度以上、90度未満の角度で混合セル内に噴出し、混合セル内でこのアクリロニトリル系共重合体を剪断流速の下で凝固させる。形成された凝固体を前記溶媒と水蒸気と共に混合セルから凝固液中に排出することで繊維(D−1)が得られる。凝固液としては水または、水と前記溶媒との混合液を用いることができる。
このようにして得られた繊維(D−1)は、繊維径の細い繊維が集合したフィブリル部と水蒸気にあまり触れることなく凝固した繊維径の太い芯部(幹)を有している。繊維(D−1)のフィブリル部は炭素繊維(A)や繊維(D−1)のフィブリル部同士との絡みを良好とし、繊維(D−1)の芯部はバインダーとしての強度を発現することができる。
繊維(D−1)のフィブリル部の繊維径は混合する炭素繊維(A)との絡みを良好にするため、2μm以下が好ましい。
芯部は、当該シート状物の均質化の観点から直径100μm以下であることが好ましい。直径を100μm以下とすることにより、繊維(D−1)が偏在することを容易に抑制でき、比較的少量の繊維(D−1)によって容易に炭素繊維(A)を結着することができる。また、強度を発現する観点から、芯部の直径は10μm以上であることが好ましい。
繊維(D−1)が炭素繊維(A)に絡む機能の観点から、一つの芯部に対して繊維(D−1)のフィブリル部が複数存在することが好ましく、一つの芯部に対してフィブリル部が多いほど好ましいと考えられる。
一本の繊維(D−1)において、芯部の太さは、一定であるか、あるいは無段階に変化するものが好ましい。このような繊維(D−1)を用いることにより、芯部の太さの段階的な変化により段差の部分が弱くなることを容易に防ぐことができ、強度が低下することを容易に防ぐことができる。なお、上記方法で繊維(D−1)を製造した場合、水蒸気がランダムに飛び散ることにより芯部の太さを一定に保つことが困難な場合があり、芯部の太さが変化することがある。しかし、芯部の太さの段階的な変化は、噴射する水蒸気が冷えて液滴状になった場合に見られる傾向があるため、水蒸気の噴出圧および温度を高くするなどの方法で芯部の太さが段階的に変化することを容易に防止することができる。
・叩解処理によってフィブリル化させたフィブリル状繊維(D−2)
繊維(D−2)は、長繊維状の易割繊性海島複合繊維を適当な長さにカットしたものを、リファイナーやパルパーなどによって叩解しフィブリル化したものである。長繊維状の易割繊性海島複合繊維は、共通の溶剤に溶解し、かつ非相溶性である2種類以上の異種ポリマーを用いて製造することができ、少なくとも1種類のポリマーが残炭素化をし、炭素化処理工程における残存質量20質量%以上であることが好ましい。易割繊性海島複合繊維に用いられるポリマーのうち、炭素化処理工程における残存質量が20質量%以上であるものとしては、アクリル系ポリマー、セルロース系ポリマー、フェノール系ポリマーが挙げられる。中でも、紡糸性および炭素化処理工程における残存質量の観点から、アクリロニトリル単位を50質量%以上含有するアクリル系ポリマーを用いることが好ましい。
易割繊性海島複合繊維に用いられるポリマーのうちの1種類に、炭素化処理工程における残存質量が20質量%以上であるポリマーとして、上述するアクリル系ポリマーを用いた場合、他のポリマーとしては、そのアクリル系ポリマーと共通の溶剤に溶解し、両ポリマーを溶解した紡糸原液が安定に存在することが望まれる。すなわち、他のポリマーは、アクリル系ポリマーと共通の溶剤に溶解した場合に、アクリル系ポリマーに対して非相溶であり、紡糸の際に海島構造を形成できる程度の混和性を有することが望まれる。これにより、紡糸原液とした際に、2種のポリマーの非相溶性の度合いが大きい場合に生じる繊維の不均質性を容易に防ぐとともに、紡糸時における糸切れを容易に防ぐことができ、さらに、繊維賦形を容易にすることができる。また、他のポリマーは水に難溶性であることが望まれ、これにより湿式紡糸する場合に、凝固槽、および洗浄槽において他のポリマーが水に溶解して脱落が起こることを容易に防ぐことができる。
これらの要望を満足する他のポリマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルピロリドン、酢酸セルロース、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂などが挙げられるが、酢酸セルロース、アクリル樹脂およびメタクリル樹脂は、前述した要望のバランスの点で、好ましい。他のポリマーは、1種でもよく、2種以上でもよい。
繊維(D−2)に用いる易割繊性海島複合繊維は、通常の湿式紡糸法で製造することができる。先ず、アクリル系ポリマーと他のポリマーとを溶剤に溶解して紡糸原液を調製する。または、アクリル系ポリマーを溶剤に溶解して得られる紡糸原液と、他のポリマーを溶剤に溶解して得られる紡糸原液とを、スタティックミキサー等で混合して紡糸原液としてもよい。溶剤としては、ジメチルアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドなどを用いることができる。これらの紡糸原液を紡糸機に供給してノズルより紡糸し、湿熱延伸、洗浄、乾燥および乾熱延伸を施こすことで、易割繊性海島複合繊維を得ることができる。
易割繊性海島複合繊維の断面形状は、特に限定されない。分散性、炭素化時の収縮による破断を抑制するため、易割繊性海島複合繊維の繊度は、1dtex以上10dtex以下であることが好ましい。易割繊性海島複合繊維の平均繊維長は、叩解後の分散性の観点から、1mm以上20mm以下が好ましい。
易割繊性海島複合繊維は、機械的外力により相分離界面の剥離により叩解して、その少なくとも一部分が割繊し、フィブリル化する。叩解方法は、特に限定されないが、例えば、リファイナーやパルパー、ビーター、または加圧水流の噴射(ウオータージェットパンチング)によりフィブリル化することが可能である。易割繊性海島複合繊維を機械的外力により相分離界面の剥離により叩解する際には、叩解方法、叩解時間に依存して、フィブリル化の状態は変化する。フィブリル化の度合いを評価する方法として、濾水度評価(JIS P8121(パルプ濾水度試験法:カナダ標準型))を用いることができる。繊維(D−2)の濾水度は生産性の観点から50mL以上、500mL以下が好ましい。
<当該シート状物の製造方法>
当該シート状物を製造するにあたっては、液体の媒体中に、炭素繊維(A)と熱可塑性樹脂含有繊維(B)、または、炭素繊維(A)と熱可塑性樹脂含有繊維(B)と炭素繊維前駆体繊維(C)を分散させて抄造する湿式法、空気中に、炭素繊維(A)と熱可塑性樹脂含有繊維(B)、または、炭素繊維(A)と熱可塑性樹脂含有繊維(B)と炭素繊維前駆体繊維(C)を分散させて降り積もらせる乾式法などの抄紙方法を適用できる。当該シート状物の強度や繊維分散の均一性の観点から、好ましくは湿式法である。
炭素繊維(A)と熱可塑性樹脂含有繊維(B)、または、炭素繊維(A)と熱可塑性樹脂含有繊維(B)と炭素繊維前駆体繊維(C)を混合する方法としては、水中で攪拌分散させる方法、これらを直接混ぜ込む方法が挙げられるが、均一に分散させる観点から、水中で拡散分散させる方法が好ましい。炭素繊維(A)と熱可塑性樹脂含有繊維(B)、または、炭素繊維(A)と熱可塑性樹脂含有繊維(B)と炭素繊維前駆体繊維(C)を混合して当該シート状物を抄造することにより、当該シート状物の機械的強度が向上する。また、当該シート状物から炭素繊維(A)が剥離し、炭素繊維(A)の配向が変化することを防止することができる。
炭素繊維(A)、熱可塑性樹脂含有繊維(B)、炭素繊維前駆体繊維(C)等の繊維状物を分散させる媒体としては、例えば、水、アルコールなど、これらの繊維状物が溶解しない媒体が挙げられるが、生産性の観点から、水が好ましい。
炭素繊維(A)、熱可塑性樹脂含有繊維(B)、炭素繊維前駆体繊維(C)等の繊維状物の分散性を向上するため、分散媒体とともに増粘剤を添加しても良い。増粘剤としては、アクリルアミド系、エチレンオキサイド系、メチルセルロース系、等が挙げられるが、生産性の観点から、アクリルアミド系が好ましい。当該シート状物の目付は、10〜200g/m程度であることが好ましい。また、当該シート状物の厚みは、50〜500μm程度であることが好ましい。
当該シート状物抄造後に、機械的強度確保を目的とした処理を実施してもよい。例として、先に述べたケミカルボンド法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法、高圧液体噴射法、が挙げられるが、湿式法による抄造直後であること、かつ適度な交絡性が容易に得られるという点から、高圧液体噴射法が好ましい。以下、この方法について詳しく説明する。
高圧液体噴射法とは、実質的に表面平滑な支持部材上に当該シート状物を載せ、例えば、1MPa以上の圧力で噴射される液体柱状流、液体扇形流、液体スリット流等を作用させることによって、当該シート状物中の炭素繊維(A)と熱可塑性樹脂含有繊維(B)、または、炭素繊維(A)と熱可塑性樹脂含有繊維(B)と炭素繊維前駆体繊維(C)とを交絡させる処理方法である。ここで、実質的に表面平滑な支持部材としては、支持部材の模様が得られる交絡構造体に形成されることなく、かつ噴射された液体が速やかに除かれるようなものから必要に応じて選択して用いることができる。その具体例としては30〜200メッシュの金網又はプラスチックネット或いはロール等を挙げることができる。
実質的に表面平滑な支持部材上で当該シート状物を抄造した後、高圧液体噴射法によって処理することが生産性の観点から好ましい。
高圧液体噴射法に用いる液体としては、当該シート状物を構成する繊維を溶解する溶剤以外なら何でもよいが、通常は水或いは温水を用いることが好ましい。高圧液体噴射ノズル中のそれぞれの噴射ノズルの孔径は、柱状流の場合、観点から、0.06mm以上1.0mm以下が好ましく、0.1mm以上0.3mm以下がより好ましい。ノズル噴射孔と積層体の間の距離は、0.5cm以上5cm以下が好ましい。液体の圧力は、1MPa以上が好ましく、1.5MPa以上がより好ましい。交絡処理は、1列でもよく複数列で行ってもよい。複数列で行なう場合、1列目よりも2列目以降の高圧液体噴射処理の圧力を高めることが有効である。
当該シート状物の高圧液体噴射による交絡処理は、複数回繰り返してもよい。即ち、当該シート状物に高圧液体噴射処理を行った後、更に当該シート状物を積層し、高圧液体噴射処理を行ってもよいし、出来つつある当該シート状物を裏返し、反対側から、高圧液体噴射処理を行ってもよい。また、これらの操作を繰り返してもよい。
交絡構造を有する当該シート状物を連続的に製造する場合、1列または複数列のノズル孔を備える高圧液体噴射ノズルを当該シート状物の幅方向に振動させことにより、当該シート状物の長手方向にシートの疎密構造の形成に由来する筋状の軌跡パターンが形成されることを抑制することができる。筋状の軌跡パターンを抑制することにより、当該シート状物の幅方向の機械的強度を発現することができる。また1列または複数列のノズル孔を備える高圧液体噴射ノズルを複数本使用する場合、高圧液体噴射ノズルを当該シート状物の幅方向に振動させる振動数、またその位相差を制御することにより交絡構造を有する当該シート状物に現れる周期的な模様を抑制することもできる。
<導電性固体物>
導電性固体物は、黒鉛粉、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、ミルドファイバー、といった炭素粉を用いることが、取扱性、及び導電性付与の点で好ましい。
黒鉛粉は、高結晶性のグラファイト構造からなり、その一次粒子の平均粒径は一般に数マイクロメートル〜数百マイクロメートルである。黒鉛粉としては、熱分解黒鉛、球状黒鉛、鱗片状黒鉛、塊状黒鉛、土状黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等を用いることができるが、導電性発現の観点から、熱分解黒鉛、球状黒鉛または鱗片状黒鉛が好ましい。
カーボンブラックは、一般に平均粒径が数十ナノメートルの一次粒子が互いに融着してストラクチャーを形成し、さらにストラクチャー同士がファンデアワールス力により結合した構造体(アグロメート)として存在する。カーボンブラックは、単位質量当たりの粒子数が黒鉛粉に比べて著しく多く、ある臨界濃度以上でアグロメートが3次元ネットワーク状に連なって巨視的な導電経路を形成する。カーボンブラックとしては、フォーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、サーマルブラック、ケッチェンブラック等を用いることができるが、電気伝導性に優れるアセチレンブラックまたはケッチェンブラックが好ましい。
カーボンナノチューブは、グラファイト構造を円筒状にした構造を示す。直径が数ナノメートルであり、高導電性、高熱導電性、高強度といった特徴をもつ。
ミルドファイバーは、バージンの炭素繊維を粉砕して製造されたものを用いても良いし、炭素繊維強化熱硬化性樹脂成形品、炭素繊維強化熱可塑性樹脂成形品、プリプレグ等のリサイクル品から製造されたものを用いても良い。
<液状物>
液状物の粘度は、取扱性および当該シート状物への浸透性の観点から、500mPa・s以下が好ましく、200mPa・s以下がより好ましく、100mPa・s以下が特に好ましい。また、粘度が低くても表面張力が大きいと当該シート状物に浸透しにくくなるため、液状物の表面張力は50mN/m以下が好ましい。水を溶媒とする市販の液状物の中には、溶質の凝集を防ぐ等の目的で、あらかじめ界面活性剤などが添加されている物もあるが、さらに表面張力を下げるため、界面活性剤を添加しても良い。界面活性剤は、液状物の表面張力を下げることができれば、種類は特に限定されない。
液状物の種類は特に限定されない。当該シート状物に対して(炭素化後に)導電性を付与する場合、例として、フェノール樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、イミド樹脂、ウレタン樹脂、アラミド樹脂、が挙げられるが、コスト、残炭効率、及び、取扱性の観点から、フェノール樹脂を用いることが好ましい。当該シート状物に対して撥水性を付与する場合、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などのフッ素樹脂を用いることが好ましい。
<液中ガイドロール>
液中ガイドロールは、含浸槽内に少なくとも1つ以上設置され、導電性固形物が分散する液状物(以下、当該液状物と記載する)を含浸する際の抱きロールとして使用される。即ち、1つの含浸槽内に1つの液中ガイドロールが設置されていても良いし、1つの含浸槽内に複数の液中ガイドロールが設置されていても良い(図1、図2)。液中ガイドロールと当該シート状物の接触開始点をA、接触終了点をB、液中ガイドロールの軸線から垂直下向きに線を引いた際の当該液中ガイドロールの外周部との交点をCとするとき、当該液状物の液面が液中ガイドロールと当該シート状物の接触開始点A及び接触終了点Bより下もしくは同じ位置に位置し、かつ当該交点Cより上に位置することで、当該シート状物は当該液状物中の導電性固形物の沈降や当該液状物の流動による悪影響を受けず、導電性固形物が均一に添加され、当該シート状物の地合は良好になる。さらに、当該シート状物を液中ガイドロール表面に沿わせることで、当該シート状物と液中ガイドロールとの接触面において、毛管力によって当該液状物は当該シート状物の裏面まで積極的に浸透する。
液中ガイドロールは、含浸漕内に直接設置しても良いし、上面から吊り下げて含浸漕内に沈下しても良い。液中ガイドロールの直径は特に限定されない。液中ガイドロールの材質は、当該液状物によって劣化(錆、溶解)したり、乾燥した当該液状物が固着したりしないような材質が好ましい。
<液外ガイドロール>
液外ガイドロールは、当該シート状物を通すために含浸漕外に設置されたガイドロールである。当該液状物含浸後は、当該シート状物を液外ガイドロール表面に沿わせることで、当該シート状物と液外ガイドロールとの接触面において、毛管力によって当該液状物は当該シート状物の裏面まで積極的に浸透する。
液外ガイドロールの直径は特に限定されない。液外ガイドロールの材質は、当該液状物によって劣化(錆、溶解)したり、乾燥した当該液状物が固着したりしないような材質が好ましい。
<含浸槽>
含浸槽とは当該液状物を溜め込むための槽であり、その形状は含浸槽内に少なくとも1つの液中ガイドロールを設置するスペースさえあれば、特に限定されない。含浸槽の材質は、当該液状物が浸み込んだり、当該液状物によって劣化(錆、溶解)したり、乾燥した当該液状物が固着したりしないような材質が好ましい。さらに、含浸槽は当該液状物の圧力に耐えうる堅牢さが求められる。以上の観点から、例えばポリメチルメタクリレート(アクリル)、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート等のプラスチックや、錆に強いステンレス、アルミニウム等の金属を用いることが好ましい。プラスチックで含浸槽を作る場合、透明であっても不透明であっても良い。
含浸槽への当該液状物の送液方法は、連続的に当該液状物を供給できるものであれば特に限定されない。一般的には、当該液状物を貯蔵するタンク、当該液状物を送液するポンプ、管(チューブ)から構成される。タンク容量は、当該シート状物の全長に渡って供給できるだけの当該液状物の量に見合った大きさが好ましい。ポンプは定量ポンプが好ましく、特に、メンテナンス容易性の観点から機械的接触部の少ないチューブポンプ、サインポンプ、スネークポンプ等が好ましい。定量ポンプは脈動による供給量の時間変動が懸念される場合があるが、含浸漕内は当該液状物を一定量保持できるため、当該液状物の流量変動があっても、当該液状物の当該シート状物への付着量への影響は小さい。
含浸槽内の液面を常に一定にするために、含浸槽外枠において周囲の高さよりも低い窪みを作ることが好ましい(図5)。当該液状物の供給量を調整し常にオーバーフロー状態にすることで、当該シート状物に対して当該液状物を常に同一条件で連続的に添加することが可能である。さらに、窪み高さを容易に調整できる機構を作ることがより好ましい。これにより、当該液状物の液面を調整することが容易になる。オーバーフローした当該液状物は貯蔵タンクに戻す機構を備えれば再利用が可能である。
当該シート状物に当該液状物を含浸させる工程において、1つの含浸槽を使用して実施しても良いし、複数の含浸槽を使用して実施してもよい(図1、図3)。
<当該液状物を常時撹拌する工程>
当該液状物中の導電性固形物の沈降を抑制するために、含浸漕内の当該液状物を撹拌することが好ましい。含浸漕内の当該液状物を撹拌する例として、含浸槽内から回転軸を介して攪拌子を回転させる手法、含浸槽外から磁力を利用して攪拌子を回転させる手法、当該液状物や外気を含浸槽外に設置したポンプで加圧して含浸槽内へ吹き込む手法、含浸槽本体や当該液状物に振動を与える手法、が挙げられる。
<当該シート状物のラップ角度>
当該シート状物を沿わせている液中ガイドロールと当該シート状物が接触している範囲(接触開始点Aから接触終了点Bまで)を円弧とする液中ガイドロールの中心角であるラップ角度θは、液中ガイドロールの直径、及び当該シート状物の濡れ性により、液中ガイドロール前後の液外ガイドロール位置を変更することで調整する。即ち、液中ガイドロールの直径が小さいほど当該液状物の含浸時間を稼ぐためラップ角度θを大きくする必要がある。また、当該シート状物の濡れ性が悪いと当該液状物の含浸時間を稼ぐためラップ角度θを大きくする必要がある。作業効率を考慮してラップ角度θは、15°〜180°であることが好ましく、30°〜180°であることがより好ましい。
<当該液状物の添加量を調整する工程>
当該液状物の当該シート状物への付着量は、当該液状物の濃度や粘度等の調整によっても制御できるが、含浸後に添加量を調整する工程を取り入れることで容易に制御可能である。添加量を調整する手法は特に限定されないが、例として、当該シート状物をロール間に挟み押圧する手法、当該シート状物の一方または両方の表面から吸引や水切りを行う手法、が挙げられる。添加量調整が容易である点から、当該シート状物をロール間に挟み押圧する手法が好ましい。以下、この方法について詳しく説明する。
当該シート状物をロール間に挟み押圧する手法とは、第一の液中ガイドロール以降に設置される液外ガイドロールにおいて、少なくとも1つ以上の液外ガイドロールに対して一対のロールを設け、当該液状物を含浸した当該シート状物を液外ガイドロールと一対のロールの間に挟み押圧する工程である(図4)。第一の液中ガイドロールとは、当該シート状物に対し当該液状物を最初に含浸する工程で使用される液中ガイドロールを示す。押圧の圧力は、当該液状物を絞れる程度に高く、かつ当該シート状物が破壊されて塑性変形を起こさない程度に低いことが好ましい。
一対のロールの直径は特に限定されない。一対のロールの材質は、当該液状物によって劣化(錆、溶解)したり、乾燥した当該液状物が固着したりしないような材質が好ましい。
<当該シート状物の搬送速度>
当該シート状物の搬送速度は、当該シート状物の濡れ性により調整するため特に限定されないが、作業効率性の観点から当該シート状物の搬送速度は、0.1〜20m/minが好ましく、0.5〜15m/minがより好ましい。
<当該シート状物の地合>
当該シート状物の地合は、当該シート状物の平均地合指数を求め評価する。地合指数とは、当該シート状物に対して白色光を透過させ、透過光の輝度情報を取得し、輝度のバラツキである標準偏差を平均輝度で除して10倍したものである。地合指数が大きいほど、地合が悪いことを意味する。当該シート状物に対して地合指数をランダムで5ヶ所測定し、その平均を平均地合指数とする。平均地合指数の測定方法は、実施例の欄で後述する。
当該シート状物の地合評価は、「当該液状物添加前の当該シート状物の平均地合指数」と「当該液状物添加後の当該シート状物の平均地合指数」を比較して判断する。即ち、当該液状物添加前後の当該シート状物の平均地合指数の変化率が10%未満である場合、または、当該液状物添加前後の当該シート状物の平均地合指数の変化率が10%以上であり、「当該液状物添加前の当該シート状物の平均地合指数」>「当該液状物添加後の当該シート状物の平均地合指数」である場合、当該液状物添加後の当該シート状物の地合は良好であるとする。当該液状物添加前後の当該シート状物の平均地合指数の変化率が10%以上であり、「当該液状物添加前の当該シート状物の平均地合指数」<「当該液状物添加後の当該シート状物の平均地合指数」である場合、当該液状物添加後の当該シート状物の地合は不良であるとする。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。実施例中の各パラメーターは、以下の方法で測定した。
<粘度>
当該液状物の粘度は、JIS K7117−1に従い、25℃の恒温化でB型粘度計を用いて測定した。
<平均地合指数>
平均地合指数は以下の手法によって測定した。
(1)水平台の上に、面光源のLEDライトボード、当該シート状物、外光遮断用のブラックボックス(上面にカメラレンズが入る孔あり)、デジタルカメラ、の順にセッティングする。
(2)面光源のLEDライトボードの電源をONにし、デジタルカメラで撮影を行う。
(3)撮影した画像(15cm×15cm)を画像処理ソフトImage Analyzerを使用して2値化を行う。このとき輝度値が256段階(最小:0、最大:255)で区切られているかを確認する。そうでない場合、デジタルカメラのシャッタースピードや絞りを調整し、再度撮影を行う。
(4)2値化で得られた「輝度の平均値」「輝度の標準偏差」の値を用いて、以下の計算式から「地合指数」を算出する。
「地合指数」=(「輝度の標準偏差」/「輝度の平均値」)×10
(5)この地合指数の測定を計5回繰り返し行い、その平均を「平均地合指数」とする。
(実施例1)
炭素繊維(A)として、PAN系炭素繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:TR50S、平均繊維長:3mm、平均繊維径:7μm)を用意した。また、熱可塑性樹脂含有繊維(B)として、アクリル系ポリマーとメタクリル酸メチル(PMMA)とからなる易割繊性アクリル系海島複合短繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:ボンネルM.V.P.−C300)を叩解によって濾水度が200mLのフィブリル化した繊維を用意した。また、炭素繊維前駆体繊維(C)として、アクリル短繊維(三菱レイヨン(株)製、商品名:ボンネルM.V.P.−H100、平均繊維長:5mm、平均繊維径:0.4dtex)を用意した。また、上記繊維状物の分散性を向上するためアクリルアミド・アクリル酸共重合体の増粘剤(三菱レイヨン製、商品名:アクリプライマー GA−1225L)を用意した。当該シート状物の抄造、交絡処理、当該液状物の連続添加は、以下の(1)〜(8)の操作によって行った。
(1)炭素繊維(A)の離解
前記炭素繊維(A)と前記増粘剤を、繊維濃度が4.50g/L、増粘剤濃度が0.46g/Lになるように水中へ分散して、離解スラリー繊維(SA)とした。
(2)熱可塑性樹脂含有繊維(B)の叩解および離解
前記熱可塑性樹脂含有繊維(B)と前記増粘剤を、繊維濃度が2.00g/L、増粘剤濃度が0.20g/Lになるように水中へ分散して、ディスクリファイナー(熊谷理機工業(株)製)を通して叩解および離解処理し、離解スラリー繊維(SB)とした。
(3)炭素繊維前駆体繊維(C)の離解
前記炭素繊維前駆体繊維(C)と前記増粘剤を、繊維濃度が3.00g/L、増粘剤濃度が0.25g/Lになるように水中へ分散して、ディスクリファイナー(熊谷理機工業(株)製)を通して離解処理し、離解スラリー繊維(SC)とした。
(4)抄紙用スラリーの調製
炭素繊維(A)と熱可塑性樹脂含有繊維(B)と炭素繊維前駆体繊維(C)とが、質量比70:15:15で、かつスラリー中の繊維の濃度が1.51g/L、増粘剤濃度が0.15g/Lとなるように離解スラリー繊維(SA)、離解スラリー繊維(SB)、離解スラリー繊維(SC)、希釈水を計量し、スラリー供給タンクに混合撹拌し調製した。
(5)当該シート状物の製造
ネット駆動部及び幅60cmのプラスチックネット製ネットコンベア(日本フィルコン(株)製、商品名:FOP−76)よりなるシート状物搬送装置、スラリー供給部幅が48cmである抄紙用スラリー供給装置、ネット下部に配置した減圧脱水装置からなる処理装置を用いた。
前記抄紙用スラリーを定量ポンプにより前記平織メッシュ上に供給した。抄紙用スラリーは均一な流れに整流するためのフローボックスを通して所定サイズに拡幅して供給した。その後自然脱水する部分を通過して、減圧脱水装置により脱水し、当該シート状物を得た。
(6)当該シート状物の交絡処理
前記処理装置の下流に下記の4本ウォータージェットノズル(ノズル1〜4)を備えた加圧水流噴射処理装置を配置した。
ノズル1:孔径φ(直径)0.08mm×501孔、幅方向孔間ピッチ1mm(1001孔/幅1m)、1列配置、ノズル有効幅500mm。
ノズル2:孔径φ(直径)0.08mm×501孔、幅方向孔間ピッチ1mm(1001孔/幅1m)、1列配置、ノズル有効幅500mm。
ノズル3:孔径φ(直径)0.08mm×501孔、幅方向孔間ピッチ1mm(1001孔/幅1m)、1列配置、ノズル有効幅500mm。
ノズル4:孔径φ(直径)0.08mm×1002孔、幅方向孔間ピッチ1.5mm、3列配置、列間ピッチ5mm、ノズル有効幅500mm。
当該シート状物を加圧水流噴射処理装置のネット上に積載した。加圧水流噴射圧力を1.5MPa(ノズル1)、1.5MPa(ノズル2)、2.0MPa(ノズル3)、3.0MPa(ノズル4)として、前記湿紙ウエッブをノズル1、ノズル2、ノズル3、ノズル4の順で通過させて交絡処理を加えた。
(7)交絡処理した当該シート状物の加熱処理
前記交絡処理後の当該シート状物を、熱カレンダーロール機(由利ロール(株)製)により120℃で約3分間、熱ロールへの接触及び加圧により乾燥させて目付44g/mの当該シート状物を得た。当該シート状物中での炭素繊維(A)、熱可塑性樹脂含有繊維(B)、及び炭素繊維前駆体繊維(C)の分散状態は良好で両繊維の絡み合いも良好であり、ハンドリング性は良好であった。
(8)当該液状物の連続添加
当該シート状物を通す液外ガイドロールと、当該シート状物に対して当該液状物を添加する含浸槽及び液中ガイドロールと、当該シート状物中の当該液状物の添加量を調整する当該液状物絞りユニットと、含浸漕内に溜めた当該液状物中の導電性固形物の沈降を抑制する磁力を利用した攪拌ユニットと、含浸漕内に当該液状物を送液する当該液状物供給ユニットを準備した。当該液状物絞りユニットは、液外ガイドロールと一対のロールからなり、駆動機構およびエアシリンダーによる圧力制御機構を有している。磁力を利用した攪拌ユニットは、一般的に入手可能なマグネチックスターラーとマグネチックスターラー用回転子からなり、含浸槽底にマグネチックスターラー用回転子を設置し、磁力を利用して撹拌を行う。当該液状物供給ユニットは、一般的に入手可能なステンレスタンクと定量送液ポンプと送液ポンプ用チューブからなり、含浸槽内に当該液状物を供給する。液外ガイドロール、液中ガイドロール、一対のロールの直径はすべて50mmである。
次いで、液状物としてレゾール型フェノール樹脂水溶液(DIC(株)製、商品名:フェノライトGG−1402)を、導電性固形物として熱分解性黒鉛(伊藤黒鉛工業(株)製、商品名:PC−H)を用意し、樹脂固形分が当該液状物の16質量%、黒鉛固形分が当該液状物の4質量%となるように純水で希釈し、ステンレスタンクに投入した。このとき、当該液状物の粘度は8mPa・sであった。次いで、定量送液ポンプを用いてステンレスタンク内の当該液状物を含浸槽内へ連続的に送液した。送液された当該液状物の液面が接触開始点A、及び接触終了点Bよりも下、かつ交点Cよりも上に位置するように調整しつつ、当該シート状物に対して当該液状物を含浸させた。このとき、当該シート状物のラップ角度は180°であった。次いで、当該液状物絞りユニット(エア圧:0.1MPa)を稼働させ、当該シート状物中の添加量を調整した。次いで、最高温度180℃の連続熱風乾燥機にて乾燥し、当該シート状物に対し樹脂固形分が95質量%、黒鉛固形分が23質量%付着した当該シート状物が得られた。次いで、当該液状物添加前後の当該シート状物の平均地合指数を求め、得られた値から変化率を算出すると、表面7%、裏面3%であり、当該液状物添加後の当該シート状物の地合は良好であった。
(実施例2)
当該液状物の液面が接触開始点A、及び接触終了点Bと同一になるように調整した点、以外は実施例1と同様にして、当該シート状物を得た。得られた当該シート状物は、当該シート状物に対し樹脂固形分が95質量%、黒鉛固形分が23質量%付着しており、さらに当該液状物添加前後の当該シート状物の平均地合指数を求め、得られた値から変化率を算出すると、表面4%、裏面2%であり、当該液状物添加後の当該シート状物の地合は良好であった。
(比較例1)
当該液状物の液面が接触開始点A、及び接触終了点Bよりも上になるように調整した点、以外は実施例1と同様にして、当該シート状物を得た。得られた当該シート状物は、当該シート状物に対し樹脂固形分が95質量%、黒鉛固形分が23質量%付着しており、さらに当該液状物添加前後の当該シート状物の平均地合指数を求め、得られた値から変化率を算出すると、表面63%、裏面57%であり、さらに「当該液状物添加前の当該シート状物の平均地合指数」<「当該液状物添加後の当該シート状物の平均地合指数」であった。当該液状物添加後の当該シート状物の地合は不良であった。
(実施例3)
当該液状物の液面が接触開始点A、及び接触終了点Bと同一になるように調整した点、当該シート状物のラップ角度を150°にした点、以外は実施例1と同様にして、当該シート状物を得た。得られた当該シート状物は、当該シート状物に対し樹脂固形分が102質量%、黒鉛固形分が25質量%付着しており、さらに当該液状物添加前後の当該シート状物の平均地合指数を求め、得られた値から変化率を算出すると、表面4%、裏面2%であり、当該液状物添加後の当該シート状物の地合は良好であった。
(比較例2)
当該液状物の液面が接触開始点A、及び接触終了点Bよりも上になるように調整した点、以外は実施例3と同様にして、当該シート状物を得た。得られた当該シート状物は、当該シート状物に対し樹脂固形分が102質量%、黒鉛固形分が25質量%付着しており、さらに当該液状物添加前後の当該シート状物の平均地合指数を求め、得られた値から変化率を算出すると、表面48%、裏面56%であり、さらに「当該液状物添加前の当該シート状物の平均地合指数」<「当該液状物添加後の当該シート状物の平均地合指数」であった。当該液状物添加後の当該シート状物の地合は不良であった。
(実施例4)
液中ガイドロールの直径を200mmにした点、当該液状物の液面が接触開始点A、及び接触終了点Bと同一になるように調整した点、当該シート状物のラップ角度を30°にした点、以外は実施例1と同様にして、当該シート状物を得た。得られた当該シート状物は、当該シート状物に対し樹脂固形分が100質量%、黒鉛固形分が25質量%付着しており、さらに当該液状物添加前後の当該シート状物の平均地合指数を求め、得られた値から変化率を算出すると、表面5%、裏面0%であり、当該液状物添加後の当該シート状物の地合は良好であった。
(比較例3)
当該液状物の液面が接触開始点A、及び接触終了点Bよりも上になるように調整した点、以外は実施例4と同様にして、当該シート状物を得た。得られた当該シート状物は、当該シート状物に対し樹脂固形分が102質量%、黒鉛固形分が25質量%付着しており、さらに当該液状物添加前後の当該シート状物の平均地合指数を求め、得られた値から変化率を算出すると、表面41%、裏面39%であり、さらに「当該液状物添加前の当該シート状物の平均地合指数」<「当該液状物添加後の当該シート状物の平均地合指数」であった。当該液状物添加後の当該シート状物の地合は不良であった。
(参考例1)
導電性固形物である熱分解性黒鉛を使用せず、樹脂固形分が当該液状物の20質量%になるように調整した点、以外は比較例1と同様にして、当該シート状物を得た。得られた当該シート状物は、当該シート状物に対し樹脂固形分が105質量%付着しており、さらに当該液状物添加前後の当該シート状物の平均地合指数を求め、得られた値から変化率を算出すると、表面2%、裏面6%であり、当該液状物添加後の当該シート状物の地合は良好であった。
1 : 当該シート状物
2 : 液外ガイドロール
3 : 液中ガイドロール
4 : 接触開始点A
5 : 接触終了点B
6 : 交点C
7 : 含浸槽
8 : 当該液状物
9 : 当該液状物供給ユニット
10: 攪拌ユニット
11: 一対のロール(当該液状物絞りユニット)
12: 含浸槽外枠の窪み
θ : ラップ角度
矢印: シートの進行方向

Claims (6)

  1. 炭素繊維を含む多孔質のシート状物を、液外ガイドロール、液中ガイドロール、液外ガイドロールの順に通して、導電性固形物が分散した液状物中を連続的に通過させることによりシート状物に前記液状物を含浸させる方法であって、液中ガイドロール前後に配置される液外ガイドロールは前記液状物の液面に接しないように液中ガイドロールよりも高い位置に設けられており、液中ガイドロールと前記シート状物の接触開始点をA、接触終了点をB、液中ガイドロールの軸線から垂直下向きに線を引いた際の当該液中ガイドロールの外周部との交点をCとするとき、前記液状物の液面が液中ガイドロールと前記シート状物の接触開始点A及び接触終了点Bより下もしくは同じ位置に位置し、かつ当該交点Cより上に位置する、炭素繊維を含む多孔質のシート状物に導電性固形物が分散する液状物を含浸させる方法。
  2. 前記シート状物を、液外ガイドロール、液中ガイドロール、液外ガイドロールの順に通して、前記液状物中を連続的に通過させることにより前記シート状物に前記液状物を含浸させる工程が、少なくとも1つ以上存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記液状物が常時撹拌されている、請求項1〜2に記載の方法。
  4. 液中ガイドロールに対する前記シート状物のラップ角度が15°〜180℃である、請求項1〜3に記載の方法。
  5. 前記シート状物に前記液状物を含浸させる工程の下流側に、前記液状物の添加量を調整する工程を含む、請求項1〜4に記載の方法。
  6. 前記液状物の添加量を調整する工程が、第一の液中ガイドロール以降に設置される液外ガイドロールにおいて、少なくとも1つ以上の液外ガイドロールに対して一対のロールを設け、前記液状物を含浸した前記シート状物を液外ガイドロールと当該ロールの間に挟み押圧する工程である、請求項5に記載の方法。
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