JP3213841B2 - 炭素繊維不織布 - Google Patents

炭素繊維不織布

Info

Publication number
JP3213841B2
JP3213841B2 JP35213397A JP35213397A JP3213841B2 JP 3213841 B2 JP3213841 B2 JP 3213841B2 JP 35213397 A JP35213397 A JP 35213397A JP 35213397 A JP35213397 A JP 35213397A JP 3213841 B2 JP3213841 B2 JP 3213841B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
nonwoven fabric
frm
fiber nonwoven
thermal conductivity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP35213397A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11172579A (ja
Inventor
義朗 草野
圭太 中西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Gas Co Ltd filed Critical Osaka Gas Co Ltd
Priority to JP35213397A priority Critical patent/JP3213841B2/ja
Publication of JPH11172579A publication Critical patent/JPH11172579A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3213841B2 publication Critical patent/JP3213841B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/0353Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement
    • H05K1/0366Organic insulating material consisting of two or more materials, e.g. two or more polymers, polymer + filler, + reinforcement reinforced, e.g. by fibres, fabrics
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/05Insulated conductive substrates, e.g. insulated metal substrate
    • H05K1/056Insulated conductive substrates, e.g. insulated metal substrate the metal substrate being covered by an organic insulating layer

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭素繊維を用いた
不織布、特にプリフォーム用の炭素繊維不織布に関す
る。
【0002】
【従来の技術】A1等の金属材料は、その加工性、価
格、熱伝導性等が良好なのを利用して、ICの基板兼放
熱板等各種の電気、電子部品に用いられる。しかしなが
ら、金属材料は一般に熱膨張率が大きいため、温度変化
を受けた場合、他の電子部品との間に歪みを生じること
がある。その防止策として、比較的熱膨張率の小さい炭
素、アルミナ、炭化珪素、窒化アルミニウム等の粒子あ
るいは繊維をフィラー(改質用充填材)として混入等し
た金属材料、いわゆる強化金属(RM)が種々検討され
てきた。
【0003】さて、それらRMの中でも繊維をフィラー
とする繊維強化金属(FRM)は、熱(線)膨張率の小
さい繊維が大きい金属の熱膨張を引っ張りにより阻害す
る効果が大きく、ひいては熱膨張率の低減効果が大きい
ため注目されている。そしてこの原理より、FRMとし
ての熱膨張率低減効果は繊維材質の熱膨張率が小さいほ
ど大きいと予想される。
【0004】ところでこの場合、もし繊維材質の熱伝導
率が小さければ、FRM全体としての熱伝導率をマトリ
ックスである金属材料の熱伝導率より小さくしてしまう
可能性があり、放熱板等としての使用に不都合が生じか
ねない。このためFRM用の繊維としては、熱膨張率が
小さくかつ熱伝導率が大きいものが望まれる。そして、
係る特性を満たす繊維としては、炭素、炭化珪素、窒化
アルミニウム等の繊維がある。その中でも炭素繊維は繊
維そのものの有する各種物性、価格等の面から有望な材
料とされている。
【0005】さて、一般的にFRMは、材料となる繊維
で所望の形態を作り(プリフォーム或いは予成形品と呼
ぶ。本明細書では以後一般的な「プリフォーム」を使用
する。)、そこに(マトリックスとしての)金属の溶湯
を注いで作製される。この際、プリフォームは、炭素繊
維等の材料を織り、この織った繊維でフェルトや紙状の
不織布を作る等によって形成されるが、FRMの熱膨張
率や熱伝導率には、プリフォームの素材としての繊維そ
のものが有する物性のみならず、プリフォーム中での繊
維の状態、特にその方向性(配向)及び繊維の接点が大
きく影響することが知られている。また、金属と繊維と
の化学的、ひいては熱的、機械的な結合も重要である。
【0006】従って、プリフォームの素材としては熱膨
張率が小さいだけでなくその方向依存性が小さく、しか
も熱伝導率がマトリックスの金属より大きいことが望ま
れ、更に、プリフォーム中での繊維の状態が適切、しか
もマトリックスとしての金属との適合性も良好なことが
望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】さて、目下かかるプリ
フォームの素材とし炭素繊維不織布が注目されている。
ところで、炭素繊維の熱膨張率を小さくし、熱伝導率を
大きくするには、炭素(黒鉛)の結晶性を高め、熱膨張
係数が小さく(負もあり得る)熱伝導性が良好な炭素網
面(ベンゼン環の並んだ面)が繊維の長手方向にできる
限り広くかつ多層的に並んだ繊維が望ましいことが知ら
れている。そして、このような繊維を得るには、次のよ
うな方法が知られている。
【0008】第1の方法は、高配向性、そして光学的異
方性を高めたメソフェーズピッチを原料とし、溶融紡糸
した後酸化による架橋構造で熱可塑性を取り除く不融化
をし、その後高温での熱処理たる炭化をし、最後に黒鉛
化する方法である。第2の方法は、ポリアクリルニトリ
ル、レーヨン等の前駆体繊維を不融化し、その後炭化し
て得た炭素繊維に引っ張り力を加えながら黒鉛化する方
法である。
【0009】しかしながら、このようにして低熱膨張率
かつ高熱伝導率の炭素繊維そのものは得ることができる
が、これらをマトリックスの金属と複合化して低熱膨張
率かつ高熱伝導率のFRMを得る方法が知られていな
い。このため、かかる炭素繊維をマトリックスの金属と
複合化して、低熱膨張率かつ高熱伝導率のFRMを得る
技術、あるいは、かかるFRM用のプリフォームとして
好適な炭素繊維不織布の開発が望まれている。
【0010】本発明は、係る課題に鑑みなされたもので
あり、炭素繊維不織布を用いて低熱膨張率かつ高熱伝導
率のFRMやその製造方法を提供することを目的とす
る、或いは、かかるFRM用の炭素繊維不織布やその製
造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願出願人は、鋭気研究した結果、炭素繊維の材料
やその繊維化や表面処理、更には容積含有率等に工夫を
凝らすと優れた結果が得られることを見出した。また同
じく、炭素繊維の表面処理に使用する物質やそれに伴う
処理に工夫を凝らすと優れた結果が得られることを見出
した。具体的には、以下の構成としている。
【0012】請求項1記載の発明においては例えば、C
u−Kα線を用いたX線回析法で求められるが格子面間
隔d(002)が3.49Å以下である高配向性そして
高結晶性の綿状炭素繊維からなり、炭素繊維の表面が珪
素系化合物で被覆され、容積含有率が0.2〜0.5
(20〜50体積%)である不織布としている。
【0013】上記構成により、ファンデルワールス力で
結びついている格子面間隔は3.49Å以下であるた
め、炭素繊維の層方向の熱膨張率は小さくなる。また、
図1に概念的に示すように、炭素繊維1内でのベンゼン
環2の形成する面が大きい、すなわち炭素の結晶性が高
く、また高配向性を有する(炭素網面が繊維の長手方向
に並ぶ)ため、炭素繊維の熱伝導率が高くなる。また、
炭素繊維はフィラメント状、チョップドストランド状等
のものと異なり綿状であるため、個々の繊維の高配向
性、異方性は打ち消し合うため、繊維全体の熱膨張率及
び熱伝導率の方向依存性は小さくなる。
【0014】更に、表面に被覆された珪素系化合物がマ
トリックスの金属と炭素繊維とを単に化学的に結びつけ
るだけでなく、その結果として機械的、熱的に結び付け
るため複合材としての熱膨張率、熱伝導率を一層改善す
る。更にまた、炭素繊維の容積含有率が0.2以上であ
るため、プリフォームとしてしっかりした物となり、
0.5以下であるためマトリックスとしての金属の溶液
が繊維間に充分に浸み込み、ひいてはフィラーとしての
効果が一層好ましくなる。
【0015】請求項2記載の発明においては、請求項1
記載の炭素繊維不織布における綿状炭素繊維は、その直
径が5〜30μmであり、その長さは0.15〜1mm
としている。上記構成により、炭素繊維の金属の熱膨張
阻止効果、その効果発揮のための金属との適切な接触面
積の確保、そして炭素繊維そのもののコストや焼成コス
トの面から好適なものとなる。
【0016】請求項3記載の発明においては請求項1若
しくは請求項2記載の炭素繊維不織布の綿状炭素繊維
は、メソフェーズピッチを原料として製造されたものと
している。上記構成により、高配向性そして光学的異方
性を高めたメソフェーズピッチを原料としているため炭
素繊維もかかる性質を有することとなる。
【0017】請求項4記載の発明においては、請求項1
から請求項3記載の発明の炭素繊維不織布において、珪
素化合物による炭素繊維表面の被覆は、珪素重合体溶液
によって炭素繊維表面に充分な珪素重合体が付着するよ
う表面処理し、表面処理後乾燥し、800〜1500℃
で焼成処理したものとしている。
【0018】上記構成により、表面被覆作業は、CVD
(化学蒸着)、スッパタリグ等と異なり、溶液へ浸した
後溶剤を除去する乾燥だけであるため、特殊な設備を必
要とせず、簡単である。また、800〜1500℃で焼
成するため、炭素繊維表面にSiCの強固な膜が形成さ
れ、炭素繊維と金属の機械的、物理的接触が良好とな
る。ひいては、複合材の熱伝導性等も向上する。
【0019】請求項5記載の発明においては、請求項1
から請求項4記載の発明の炭素繊維不織布において、炭
素繊維表面の珪素系化合物の被覆は焼成処理若しくは他
の方法による被覆後の珪素重合体が炭素繊維に対して
0.1〜5.0重量%であるものとしている。上記構成
により、珪素系化合物の被覆は、単に金属と炭素繊維の
結合材としてのみならず、複合材としての熱伝導性の向
上の効果等が良好となる。しかも、不純物として熱伝導
率を低下させる等の悪影響もない。
【0020】請求項6記載の発明においては、請求項
1、請求項2、請求項3、請求項4若しくは請求項5発
明の炭素繊維不織布の綿状炭素繊維は、炭素繊維相互が
からみあった部分での炭素繊維間の結合剤として、0.
1〜10重量%の無機系ゾルを含有している。上記構成
により、綿状炭素繊維の各繊維間の接合部の熱伝導等が
良好となる。しかも、不純物として熱伝導率を低下させ
る等の悪影響もない。
【0021】請求項7記載の発明においては、格子面間
隔d(002)が3.43Å以下の綿状炭素繊維を基材
とする炭素繊維不織布の製造方法であって、上記綿状炭
素繊維を珪素重合体溶液に浸漬して表面処理する浸漬表
面処理ステップと、前記浸漬表面処理ステップ後に乾燥
させる乾燥ステップと、前記乾燥ステップ後800〜1
500℃で焼成処理する焼成処理ステップとを有してい
る。
【0022】上記構成により、請求項1及び請求項4の
発明と同じ作用がなされることとなる。
【0023】請求項8記載の発明においては、上記炭素
繊維不織布の製造方法は、綿状炭素繊維の原料として、
メソフェーズドピッチを選定する原料選定ステップを有
している。上記構成により、請求項3の発明と同じ作用
がなされることになる。請求項9から同11記載の発明
においては、以上の各発明の結果、炭素繊維不織布は高
い熱伝導率と低い熱膨張率を有している。 上記構成によ
り、この炭素繊維不織布を使用したFRMはIC基板等
の用途に優れたものとなる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態をもとに本発明
を説明する。まず、高配向性、高結晶性の炭素繊維の製
造であるが、これは本実施の形態では、光学的異方性の
ピッチたるメソフェーズピッチを原料として使用する。
なお、メソフェーズピッチそのものの原料、製造方法は
何も限定されない。例えば石油や石炭から得られるも
の、ナフタリン等を合成して得られるもの等を含む。
【0025】また、高配向性、高結晶性の炭素繊維の製
造方法であるが、メソフェーズピッチを原料として紡糸
する一般的な方法を用いればよい。ただし、綿状の繊維
を得るには紡糸後繊維がカールする渦流遠心法が好まし
い。そして、得られたピッチ繊維を酸化雰囲気で不融化
し、揮発分等を除くため高温で炭化し、更に黒鉛化する
ことによって低熱膨張率かつ高熱伝導率の炭素繊維が得
られる。
【0026】次に炭素繊維の長さ、容積含有率、配向等
に応じて異なるが、炭素繊維の中のベンゼン環の面から
なる格子面の間隔d(002)は3.43Å以下として
いる。なお、これは本実施の形態ではCu−Kα線を用
いたX線回析法で確認した。これは、本値が3.43Å
を越えると、炭素の結晶性が悪くなるため熱膨張率が高
くなり、また熱伝導率が低くなる傾向があるので好まし
くないことによる。
【0027】なお、このような炭素繊維は、原料のピッ
チや紡糸方法に応じて異なるが、不活性ガス雰囲気また
は真空状態で原則として1500℃以上で焼成すること
により得られる。ここに、1500℃以上としたのは、
これより低いと、上記の値が3.43Åを越える危険性
が高くなるからである。
【0028】次に、製造方法によって繊維の形態はフィ
ラメント状、綿状、チョップドストランド状と様々のも
のが得られるが、本実施の形態、そして本発明では綿状
の炭素繊維を用いる。ここに、綿状の炭素繊維としたの
は、繊維がランダムな方向を向いたFRMが得られ、熱
膨張率及び熱伝導率の方向依存性が小さくなるからであ
る。なお、フィラメント状、チョップドストランド状等
の直状繊維を用いると、繊維の長さ方向への配向性が高
くなり、その結果熱膨張率及び熱伝導率の方向依存性が
大きくなる傾向がある。
【0029】さて、FRM中の炭素繊維の長さは特に限
定されないが、0.1mm以上が好ましく、0.2mm
以上がより好ましく、0.3mm以上が最も好ましい。
その理由であるが、繊維長が大きい程、マトソックス金
属の熱膨張を阻害する効果が増大するためFRMの熱膨
張率が小さくなり、また熱伝導率が高くなるからであ
る。ただし、繊維長を1mm以上とするのは、繊維が嵩
高となり、焼成コストが高くなる。また、プリフォーム
形成が困難となるとともに、容積含有率が極端に低下す
る、あるいは高いものの製造が難しくなる等のため好ま
しくない。
【0030】次に炭素繊維の径は特に限定されないが、
これも0.1μm〜50μmが好ましく、5〜30μm
がより好ましい。その理由であるが、径が50μmより
大きくなると繊維のアスペクト比が小さくなり、マトリ
ックスの金属との接触面積も減少するためFRMとして
の低熱膨張率化、高熱伝導率化の効果が小さくなり、こ
の一方、径が0.1μmより小さくなると繊維そのもの
の製造や繊維を折らずにプリフォームを形成することが
困難となるからである。
【0031】炭素繊維相互間に熱伝導に効果的な接点を
もたせるために、無機系のバインダーゾルを含有させる
ことが好ましい。このようなゾルとしては、本実施の形
態ではアルミナゾル、シリカゾル、水酸化マグネシウム
ゾル、チタニアゾル、ムライトゾルなどを用いるものと
している。プリフォーム中のゾルの含有量は0.1〜1
0重量%としている。その理由は、0.1重量%より小
さいと熱伝導率への効果が小さくなり、この一方10重
量%を越えると逆に不純物として熱伝導率を低下させる
傾向が生じるからである。
【0032】さて、プリフォームであるが、これは本実
施の形態では次のような手順で作製される。上述の炭素
繊維を水等の液体に分散させ、攪拌器で攪拌する。この
固液混合物にゾルを添加し、さらに攪拌を続ける。更
に、後工程の取り扱いに充分な強度を有し、均一な炭素
繊維プリフォームを得るため、この固液混合物に凝集剤
を添加するものとしている。
【0033】ここに、凝集剤としては、硫酸バンド、塩
化第一鉄、塩化第二鉄、ポリ酸化アルミニウムなどの無
機化合物;ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸ナトリ
ウム、アルギン酸ナトリウム、でんぷん、ゼラチン、カ
ルボキシメチルセルロース、水溶性尿素樹脂、ポリエチ
レンイミンなどの高分子を使用するものとしている。
【0034】プリフォームの製造は以上の通りである
が、実際には複合材としての熱特性を更に良好にするた
めに、炭素繊維とマトリックスの金属との機械的、物理
的接触を高めるため両者の結合剤(バインダー)として
炭素繊維の表面を珪素化合物で被覆することが好まし
い。かかる珪素化合物として、本実施の形態では、Si
2 、SiC、Si3 4、SiAION等及びこれら
の不定比化合物、これらの前駆体となる重合物であるポ
リシラン、ポリカルボシラン、シリコーン等を用いるも
のとしている。
【0035】表面被覆の方法としては、化学蒸着(CV
D)、スパッタリング(放電溶解粒子の吹き付け)、溶
液の被覆、溶液の被覆及び焼成等の方法を用いることが
できる。しかし、本実施の形態では、珪素重合体溶液に
浸けさせて炭素繊維表面に珪素重合体を固着させるとい
う表面処理をし、その後溶剤を除去すべく乾燥し、その
後珪素重合体と炭素繊維外表面の炭素を反応させてSi
Cを炭素繊維の外表面に形成させるため800℃〜15
00℃で焼成処理する方法を採用している。簡便しかも
複合材の熱伝導率向上の効果が良好であるからである。
珪素化合物の被覆量は、化合物の種類にもよるが、0.
01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより
好ましい。
【0036】次に、FRMの製造であるが、これは以上
の方法で得られた、あるいは以上の技術的特徴(構成)
を有するプリフォームをマトリックスの金属の溶液中に
浸漬した後、冷却することによりなされる。なお、浸漬
は金属や炭素の酸化防止のため真空中、密閉容器中ある
いは不活性雰囲気中で行ない、また金属溶液をプリフォ
ームの繊維間に完全に浸漬させるため加圧下で行うのが
好ましい。本実施の形態では、密閉かつ真空の容器中に
プリフォームを置いておき、容器中へ溶融金属を流し込
み、更にピストンで加圧することとしている。
【0037】
〔実施例〕
(第1実施例)Cu−Kα線を用いたX線回析法で求め
た格子面間隔d(002)が3.395Å、加重平均繊
維長が0.15mmであるメソフェーズピッチ系炭素繊
維を、固形分が約5%となるように水に分散させた。こ
の分散液にアルミナゾル(日産化学工業(株)製、アル
ミナゾル−520)を固形分が約0.1%となるように
添加した。次にこの混合物に硫酸アンモニウムを濃度が
0.2%となるように添加した。さらに、アクリルアミ
ド系高分子凝集剤(荒川化学工業(株)製、ポリストロ
ン705)を1%となるように添加して炭化繊維を凝集
させた。
【0038】次いで、以上の工程で形成された凝集物を
100メッシュのステンレス鋼製金網で瀘過した後、加
圧して炭素繊維の容積含有率が0.35となるように調
整した。そしてこの調整物を120℃で2時間乾燥した
後、ジメチルポリシラン()を3重量%ヘキサンに溶解
させた溶液に浸漬した後真空乾燥し、窒素気流中で12
00℃、30分焼成して炭素繊維プリフォームを得た。
【0039】この得られたプリフォームに、650℃で
融解させたアルミニウム合金(1110−0)を40M
Paで加圧しながら複合化した。以上の工程で得られた
炭素繊維強化アルミニウム(FRM)の熱伝導率をレー
ザーフラッシュ法で、熱膨張率をTMA(熱機械分析)
法(JIS K 7197)で測定した。また、本表の
珪素化合物の含有量は、重量増加を測定した。それらの
測定結果を表1に示す。なお、ここにレーザフラッシュ
法とは、試料の一端をレーザで瞬間加熱し、他端の温度
上昇を測定し、これより熱膨張率を求める方法である
(第13回 日本熱物性シンポジウム(1992) 山
根他)。また、他の実施例等については、後に説明す
る。
【0040】
【表1】
【0041】(第2実施例)ジメチルポリシランの代わ
りにメチルポリカルボシランを用い、また焼成温度を9
00℃とする以外は、第1実施例と同様にして炭素繊維
プリフォーム及びFRMを得た。次いで、第1実施例と
同様に評価すなわち各物性値の測定を行った。その結果
を表1に示す。
【0042】(第3実施例)Cu−Kα線を用いたX線
回析法で求めた格子面間隔d(002)が3.42Å、
加重平均繊維長が0.45mmであるメソフェーズピッ
チ系炭素繊維を用い、炭素繊維の容積含有率が0.27
となるように調整する以外は第2実施例と同様にして炭
素繊維プリフォーム及びFRMを得た。次いで、第1実
施例と同様に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0043】(第4実施例)メチルポリカルボシランの
ヘキサン溶液濃度が2重量%であり、焼成温度が120
0℃である以外は、第2実施例と同様にして炭素繊維プ
リフォーム及びFRMを得た。次いで第1実施例と同様
に評価を行った。その結果を表1に示す。
【0044】(第5実施例)メチルポリカルボシランの
ヘキサン溶液濃度が5重量%である以外は第2実施例と
同様にして、炭素繊維プリフォーム及びFRMを得た。
次いで、第1実施例と同様に評価を行った。その結果を
表1に示す。
【0045】(第6実施例)シリコーン10重量%ヘキ
サン溶液を用い、焼成温度を950℃とする以外は第2
実施例と同様にして炭素繊維プリフォーム及びFRMを
得た。次いで、第1実施例と同様に評価を行った。その
結果を表1に示す。
【0046】(第7実施例)アルミナゾルの代わりにシ
リカゾルを用い、さらに混合物にカーボンブラック(三
菱化学製)を混合液中に固形分が0.2重量%となるよ
うに添加し、1500℃で焼成して炭素繊維プリフォー
ム及びFRMを得た。次いで、第1実施例と同様に評価
を行った。その結果を表1に示す。
【0047】実施例の性能の良好性を確認するため、条
件を変更して製造した比較例を幾つか製造し、その評価
を行った。 (第1比較例)第1実施例で用いたのと同様のアルミニ
ウムの熱伝導率及び熱膨張率を第1実施例と同様に評価
した。
【0048】(第2比較例)炭素繊維の容積含有率が
0.15となるように調整する以外は、第1実施例と同
様にして炭素繊維プリフォーム及びFRMを得た。次い
で、第1実施例と同様に評価を行った。その結果を表1
に示す。
【0049】(第3比較例)炭素繊維の容積含有率を
0.27とし、ジメチルポリシラン処理を行わない以外
は第1実施例と同様にして炭素繊維プリフォーム及びF
RMを得た。また、第1実施例と同様に評価を行った。
その結果を表1に示す。
【0050】(第4比較例)Cu−Kα線を用いたX線
回析法で求めた格子面間隔d(002)が3.473Å
である炭素繊維を用い、焼成温度を1200℃にする以
外は、第2実施例と同様にして炭素繊維プリフォーム及
びFRMを得た。また、第1実施例と同様に評価を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0051】(第5比較例)焼成温度を700℃とする
以外は実施例2と同様にして、炭素繊維プリフォーム及
びFRMを得た。また、第1実施例と同様に評価を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0052】(第6比較例)メチルポリカルボシランの
ヘキサン溶液濃度が0.2重量%である以外は、第2実
施例と同様にして炭素繊維プリフォーム及びFRMを得
た。また、第1実施例と同様に評価を行った。その結果
を表1に示す。
【0053】(第7比較例)メチルポリカルボシランの
ヘキサン溶液濃度が15重量%である以外は、第2実施
例と同様にして炭素繊維プリフォーム及びFRMを得
た。また、第1実施例と同様に評価を行った。その結果
を表1に示す。表1で、容積含有率、珪素化合物の焼成
温度と含有量(第7実施例は除く)につき、全ての条件
を満たす各実施例は、熱伝導率が最低の第3実施例でも
190W/m・Kあり、熱膨張率は全て9×10-6/K
に収まっているのがわかる。一方、何れかの条件を欠く
比較例は、熱伝導率は最大でも150W/m・Kであ
り、熱膨張率も第7比較例を除き実施例より大であり、
容積含有率が0.2を切る第2比較例は18×10-6
格子面間隔が3.43Åを越える第4比較例は15×1
-6と著しく大きくなっているのがわかる。
【0054】以上、本発明を実施の形態、幾つかの実施
例に基づいて説明してきたが、本発明は何もこれらに限
定されないのは勿論である。即ち、例えば以下のような
物も本発明に包含される。 .マトリックス金属として、Cu、マグネシウム等ア
ルミニウム以外の物を用いている。 .本発明の炭素繊維不織布をIC基板兼放熱板として
のアルミニウム以外の物、例えばトランスの放熱用フィ
ンとして用いている。
【0055】
【発明の効果】以上、説明してきたように本発明によれ
ば、簡単、容易な工程にて低熱膨張率かつ高熱伝導率の
炭素繊維不織布を製造しえ、提供し得る。また、これに
よって、優れたFRMが得られる。またこれにより、I
C用の優れた基板兼放熱板を提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 高配向性、高結晶性の炭素繊維を概念的に示
した図である。
【符合の説明】
1 炭素繊維 2 ベンゼン環
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−157824(JP,A) 特開 昭48−20937(JP,A) 特開 平4−316668(JP,A) 特開 平4−316667(JP,A) 特開 平4−254537(JP,A) 特開 平1−104879(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 15/643 D06M 11/78

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 格子面間隔d(002)が3.43A°
    以下である高配向性、高結晶性の綿状炭素繊維からな
    り、 炭素繊維の表面が珪素系化合物で被覆され、 容積含有率が0.2〜0.5であることを特徴とする
    RM用の炭素繊維不織布。
  2. 【請求項2】 前記綿状炭素繊維は、 炭素繊維の直径が5〜30μmであり、 炭素繊維の長さは、0.15mm〜1mmであることを
    特徴とする請求項1記載のFRM用の炭素繊維不織布。
  3. 【請求項3】 前記綿状炭素繊維は、 メソフェーズピッチを原料として製造されたものである
    ことを特徴とする請求項1若しくは請求項2記載のFR
    M用の炭素繊維不織布。
  4. 【請求項4】 前記炭素繊維表面の珪素系化合物の被覆
    は、 珪素重合体溶液によって表面処理し、 表面処理後乾燥し、 乾燥後800〜1500℃で焼成処理したものであるこ
    とを特徴とする請求項1、請求項2若しくは請求項3記
    載のFRM用の炭素繊維不織布。
  5. 【請求項5】 上記炭素繊維表面の珪素系化合物の被覆
    は、 焼成処理若しくは他の方法による被覆後の珪素重合体が
    炭素繊維に対して0.1〜5.0重量%であることを特
    徴とする請求項1、請求項2、請求項3若しくは請求項
    4記載のFRM用の炭素繊維不織布。
  6. 【請求項6】 前記綿状炭素繊維は、 炭素繊維間の結合剤として、0.1〜10重量%の無機
    系ゾルを含有しているものであることを特徴とする請求
    項1、請求項2、請求項3、請求項4若しくは請求項5
    記載のFRM用の炭素繊維不織布。
  7. 【請求項7】 格子面間隔d(002)が3.43A°
    以下の綿状炭素繊維を基材とし、更に容積含有率が0.
    2〜0.5であるFRM用の炭素繊維不織布の製造方法
    であって、 上記綿状炭素繊維を珪素重合体溶液に浸漬して表面処理
    する浸漬表面処理ステップと、 前記浸漬表面処理ステップ後に乾燥させる乾燥ステップ
    と、 前記乾燥ステップ後に800〜1500℃で焼成処理す
    る焼成処理ステップとを有していることを特徴とする
    RM用の炭素繊維不織布の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記FRM用の炭素繊維不織布の製造方
    法は、 綿状炭素繊維の原料として、メソフェーズピッチを選定
    する原料選定ステップを有していることを特徴とする請
    求項7記載のFRM用の炭素繊維不織布の製造方法。
  9. 【請求項9】 熱伝導率が190W/m・K以上かつ熱
    膨張率が8×10 -6 /K以下、若しくは熱伝導率が20
    0W/m・K以上かつ熱膨張率が9×10 -6 /K以下で
    あることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか
    に記載のFRM用の炭素繊維不織布。
  10. 【請求項10】 熱伝導率が240W/m・K以上かつ
    熱膨張率が8×10 -6 /K以下、若しくは熱伝導率が2
    80W/m・K以上かつ熱膨張率が9×10 -6 /K以下
    であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれ
    かに記載のFRM用の炭素繊維不織布。
  11. 【請求項11】 熱伝導率が280W/m・K以上かつ
    熱膨張率が7×10 -6 /K以下、若しくは熱伝導率が3
    10W/m・K以上かつ熱膨張率が8×10 -6 /K以下
    であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれ
    かに記載のFRM用の炭素繊維不織布。
JP35213397A 1997-12-05 1997-12-05 炭素繊維不織布 Expired - Fee Related JP3213841B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35213397A JP3213841B2 (ja) 1997-12-05 1997-12-05 炭素繊維不織布

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35213397A JP3213841B2 (ja) 1997-12-05 1997-12-05 炭素繊維不織布

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11172579A JPH11172579A (ja) 1999-06-29
JP3213841B2 true JP3213841B2 (ja) 2001-10-02

Family

ID=18422005

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35213397A Expired - Fee Related JP3213841B2 (ja) 1997-12-05 1997-12-05 炭素繊維不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3213841B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5176192B2 (ja) * 2000-12-25 2013-04-03 久米雄 臼田 繊維強化金属複合材料に用いられる繊維径が30μm以下で繊維表面の炭素成分を除去したセラミックス繊維とその製法
JP2010034089A (ja) * 2006-10-26 2010-02-12 Teijin Ltd 金属炭素複合材料、及び該複合材料からなる放熱部材
WO2015080019A1 (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 三菱レイヨン株式会社 炭素繊維複合積層体
JP6439403B2 (ja) * 2014-11-20 2018-12-19 三菱ケミカル株式会社 炭素繊維複合積層体
WO2019163863A1 (ja) * 2018-02-22 2019-08-29 積水化学工業株式会社 積層シート
CN115161990B (zh) * 2022-06-30 2023-06-06 浙江兰欣复合材料科技有限公司 一种高强度复合碳纤维及其制备方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11172579A (ja) 1999-06-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cooke Inorganic fibers—a literature review
US4618529A (en) Inorganic fiber-reinforced ceramic composite material
JP4612287B2 (ja) 実質的にウイスカのない炭化ケイ素繊維およびその製造方法
US4610917A (en) Inorganic fiber-reinforced ceramic composite material
KR101810238B1 (ko) 탄소/탄소 복합재료의 내산화 코팅방법, 카본 히터 및 조리기기
JP2008163535A (ja) 炭素繊維複合構造体および炭素繊維複合構造体の製造方法
JP3213841B2 (ja) 炭素繊維不織布
WO2018115177A1 (en) Graphite material
JP2008049607A (ja) 電気絶縁性薄膜を貼合わせてなる熱伝導性積層材
Yalamaç et al. Ceramic fibers
WO2018216816A1 (ja) SiC/SiC複合材の製造方法
JP4552019B2 (ja) 炭化ケイ素系ナノ繊維の製造方法
JP2004175605A (ja) 耐酸化性c/c複合材及びその製造方法
EP3702399B1 (en) Composite material
WO2021148978A1 (en) Thermal insulation materials suitable for use at high temperatures, and process for making said materials
TW200837202A (en) Composite material and method for producing the same
JP5242124B2 (ja) 微細炭素繊維及び複合材料
JP4152580B2 (ja) Si単結晶引き上げ用C/Cルツボの製造方法および補修方法
JPH02277849A (ja) 複合材料用繊維体並びにその製造方法
JP2547110B2 (ja) ハイブリッド繊維強化炭素質複合材料
JPH09295898A (ja) 窒化アルミニウム被覆ホウ酸アルミニウムウイスカー及びその製造方法
JPH08337929A (ja) 高耐熱・高熱伝導性セラミックス連続長繊維及びその製法
JP2020001981A (ja) 窒化アルミニウム組成物及びその製造方法、前記窒化アルミニウム組成物を含有する複合体
JPH03119179A (ja) 複合材料用繊維体並びにその製造方法
JP2024032606A (ja) 炭化ケイ素系複合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees