以下、本発明の一実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図面中に「前方」「後方」「左方」「右方」「上方」「下方」の注記がある場合は、明細書中の説明における「前方」「後方」「左方」「右方」「上方」「下方」とは、その注記された方向を指す。
<印刷装置の概略構成>
まず、図1〜図4を参照しつつ、本実施形態の印刷装置の概略構成について説明する。
<筐体>
図1〜図4に示すように、本実施形態の印刷装置1(印刷物作成装置に相当)は、装置外郭を構成する筐体2を有する。筐体2は、筐体本体2aと、後方側開閉部8と、前方側開閉カバー9とを備える。
筐体本体2a内には、後方側に設けられた第1収納部3と、前方側に設けられた第2収納部5及び第3収納部4とが備えられている。
後方側開閉部8は、筐体本体2aの後方側の上部に対し開閉可能に接続されている。この後方側開閉部8は、回動することで、第1収納部3の上方を開閉可能である。この後方側開閉部8は、第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bにより構成されている。
第1開閉カバー8aは、筐体本体2aの後方側の上部に位置する回動軸心K1まわりに回動することで、第1収納部3のうち前方側の上方を開閉可能である。詳細には、第1開閉カバー8aは、第1収納部3のうち前方側の上方を覆う閉じ位置(図1及び図2の状態)から、第1収納部3のうち前方側の上方を露出させる開き位置(図3及び図4の状態)までの間で回動可能である。また、閉じ状態での第1開閉カバー8aの前方側部位には、所定の表示を行う表示部215(表示手段に相当)が設けられている。
第1開閉カバー8aの内部には、サーマルヘッド11(詳細は後述)を備えたヘッド保持体10が設けられている。そして、第1開閉カバー8aは、回動軸心K1まわりに回動することで、サーマルヘッド11を、筐体本体2aに設けられた搬送ローラ12(詳細は後述)に対し離反・近接可能である。すなわち、第1開閉カバー8aの上記閉じ位置では、サーマルヘッド11が搬送ローラ12に対し近接し、第1開閉カバー8aの上記開き位置では、サーマルヘッド11が搬送ローラ12から離反する。
第2開閉カバー8bは、第1開閉カバー8aよりも後方側に設けられ、筐体本体2aの後方側の上端部に位置する回動軸心K2まわりに回動することで、第1収納部3のうち後方側の上方を、第1開閉カバー8aの開閉とは別個に開閉可能である。詳細には、第2開閉カバー8bは、第1収納部3のうち後方側の上方を覆う閉じ位置(図1及び図2の状態)から、第1収納部3のうち後方側の上方を露出させる開き位置(図3及び図4の状態)までの間で回動可能である。
そして、これら第1及び第2開閉カバー8a,8bは、それぞれが閉じ状態であるときに、第1開閉カバー8aの外周部18と第2開閉カバー8bの縁部19とが略接触して、第1収納部3の上方の略全部を覆うように構成されている。
前方側開閉カバー9は、筐体本体2aの前方側の上部に対し開閉可能に接続されている。この前方側開閉カバー9は、筐体本体2aの前方側の上端部に位置する回動軸心K3まわりに回動することで、第3収納部4の上方を開閉可能である。詳細には、前方側開閉カバー9は、第3収納部4の上方を覆う閉じ位置(図1及び図2の状態)から、第3収納部4の上方を露出させる開き位置(図3及び図4の状態)までの間で回動可能である。また、閉じ状態での前方側開閉カバー9の前方側端部近傍には、後述の巻き取り機構40により巻き取られる後述の印字済み粘着テープ150″を筐体2の外部から視認可能とする矩形状の視認窓300(図2では図示省略)が設けられている。
<粘着テープロール及びその周辺>
このとき、図2〜図4に示すように、筐体本体2aにおける、閉じ状態での前方側開閉カバー9の下方に位置する第1所定位置13には、テープカートリッジTKが着脱可能に装着される。このテープカートリッジTKは、軸心O1まわりに巻回形成された粘着テープロールR1を備える。図5に、テープカートリッジTKの詳細構造を示す。
図5に示すように、テープカートリッジTKは、上記粘着テープロールR1と、連結アーム16とを備える。連結アーム16は、後方側に設けられた左・右一対の第1ブラケット部20,20と、前方側に設けられた左・右一対の第2ブラケット部21,21とを備える。
第1ブラケット部20,20は、粘着テープロールR1を、軸心O1に沿った左・右両側から挟みこむようにし、テープカートリッジTKが筐体本体2aに装着された状態では粘着テープロールR1を巻芯39(図2参照)のまわりに回転可能に保持する。これら第1ブラケット部20,20は、上端部において左右方向に略沿って延設された第1接続部22により粘着テープロールR1の外径との干渉を回避しつつ接続されている。
粘着テープロールR1は、テープカートリッジTKが筐体本体2aの内部に装着された際に回転自在となる。粘着テープロールR1は、繰り出しにより消費される粘着テープ150(被印字テープに相当)を、予め上記巻芯39の外周部に巻回している。
図2に示すように、第1収納部3には、テープカートリッジTKの装着により、粘着テープロールR1が上方から受け入れられ、粘着テープ150の巻回の軸心O1が左右方向となる状態で収納される。そして、粘着テープロールR1は、第1収納部3に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において当該第1収納部3内で所定の回転方向(図2中のA方向)に回転することで、粘着テープ150を繰り出す。
本実施形態では、粘着性を備えた被印字テープである上記粘着テープ150が用いられる場合を例示している。すなわち、粘着テープ150は、被印字層154、基材層153、粘着剤層152、及び剥離材層151が、厚さ方向一方側(図2中の部分拡大図中の上方側)から他方側(図2中の部分拡大図中の下方側)へ向かって、この順序で積層されている。被印字層154は、上記サーマルヘッド11によるインクの熱転写により所望の印字部155(図2中の部分拡大図参照)が形成される層である。粘着剤層152は、基材層153を適宜の被着体(図示省略)に貼り付けるための層である。剥離材層151は、粘着剤層152を覆う層である。
<搬送ローラ及びサーマルヘッド>
図2〜図4に示すように、筐体本体2aにおける第1及び第2収納部3,5の中間上方側には、上記搬送ローラ12が設けられている。搬送ローラ12は、筐体本体2aの内部に設けられた、例えばパルスモータである搬送用モータM1によりギア機構(図示省略)を介して駆動されることで、第1収納部3に収納された粘着テープロールR1から繰り出される粘着テープ150に接触しつつ、当該粘着テープ150を幅方向(以下適宜「テープ幅方向」という)が左右方向となる姿勢で搬送する。
また、上述のように、第1開閉カバー8aに設けられた上記ヘッド保持体10には、上記サーマルヘッド11が備えられている。サーマルヘッド11は、上述したように、第1開閉カバー8aが回動軸心K1まわりに回動することで、搬送ローラ12に対し離間・近接可能である。すなわち、第1開閉カバー8aが閉じ状態となると、サーマルヘッド11が搬送ローラ12に近接し、第1開閉カバー8aが開き状態となると、サーマルヘッド11が搬送ローラ12から離間する。このサーマルヘッド11は、搬送ローラ12により搬送される粘着テープ150を当該搬送ローラ12と協働して挟持するように、ヘッド保持体10のうち閉じ状態での第1開閉カバー8aにおいて搬送ローラ12の上方に対向する位置に配置されている。したがって、第1開閉カバー8aが閉じ状態である場合には、サーマルヘッド11と搬送ローラ12とは、上下方向に対向して配置される。そして、サーマルヘッド11は、搬送ローラ12との間に挟まれた状態の粘着テープ150の上記被印字層154に対し、後述のインクリボンカートリッジRKのインクリボンIBを用いて所望の印字(上記印字部155)を形成し、印字済み粘着テープ150′とする。
<インクリボンカートリッジ>
図2及び図3に示すように、筐体本体2aにおける閉じ状態での第1開閉カバー8aの下方でかつテープカートリッジTKの上方となる第2所定位置14には、インクリボンカートリッジRKが着脱可能に装着される。
インクリボンカートリッジRKは、サーマルヘッド11による印字形成を行うための未使用のインクリボンIBを繰り出し可能に巻回したリボン繰り出しロールR4と、リボン巻き取りロールR5とを備える。また、インクリボンカートリッジRKは、後方側の繰り出しロール収納部81と、前方側の巻き取りロール収納部82と、連結部(図示せず)とを備える。連結部は、リボン繰り出しロールR4から繰り出されたインクリボンIBをインクリボンカートリッジRK外に露出させるようにしつつ、巻き取りロール収納部82と繰り出しロール収納部81とを連結する。
リボン繰り出しロールR4は、繰り出しロール収納部81内において回転自在に支持され、インクリボンカートリッジRKが装着された状態において所定の回転方向(図2中のD方向)に回転することで、上記未使用のインクリボンIBを繰り出す。
リボン巻き取りロールR5は、巻き取りロール収納部82内において回転自在に支持され、インクリボンカートリッジRKが装着された状態において所定の回転方向(図2中のE方向)に回転することで、印字形成後の使用済みのインクリボンIBを巻き取る。
すなわち、リボン繰り出しロールR4から繰り出されるインクリボンIBは、サーマルヘッド11と搬送ローラ12との間に挟まれた状態の粘着テープ150のさらにサーマルヘッド11側に配置されてサーマルヘッド11の下方に接触する。そして、サーマルヘッド11からの加熱によりインクリボンIBのインクが、粘着テープ150の被印字層154に転写されて印字形成が実行された後、使用済みのインクリボンIBが、リボン巻き取りロールR5に巻き取られる。
<剥離材ロール及びその周辺>
図2及び図5に示すように、テープカートリッジTKの上記連結アーム16は、例えば略水平なスリット形状を含む引き剥がし部17を備える。引き剥がし部17は、粘着テープロールR1から繰り出されて前方側へと搬送される印字済み粘着テープ150′から、剥離材層151を引き剥がす部位である。上述のようにして印字が形成された印字済み粘着テープ150′は、引き剥がし部17により剥離材層151が引き剥がされることで、剥離材層151と、それ以外の被印字層154、基材層153及び粘着剤層152からなる印字済み粘着テープ150″とに分離される。
テープカートリッジTKは、上述のようにして引き剥がされた剥離材層151が巻芯29の外周部に順次巻回されることでロール状に形成される、剥離材ロールR3を有する。すなわち、テープカートリッジTKの装着により、剥離材ロールR3が上方から上記第2収納部5に受け入れられ、剥離材層151の巻回の軸心O3が左右方向となる状態で収納される。そして、巻芯29は、第2収納部5に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において、筐体本体2a内に設けられた剥離紙巻取用モータM3によりギア機構(図示省略)を介して駆動され、第2収納部5内で所定の回転方向(図2中のC方向)に回転することで、剥離材層151を巻き取る。
このとき、テープカートリッジTKの上記第2ブラケット部21,21は、剥離材ロールR3を、軸心O3に沿った左・右両側から挟みこむようにし、テープカートリッジTKが筐体本体2aに装着された状態では巻芯29(言い換えれば剥離材ロールR3)を当該軸心O3まわりに回転可能に保持する。これら第2ブラケット部21,21は、上端部において左右方向に略沿って延設された第2接続部23により接続されている。そして、テープカートリッジTKにおける後方側の上記第1ブラケット部20,20及び第1接続部22と、前方側の第2ブラケット部21,21及び第2接続部23とは、左・右一対のロール連結ビーム部24,24により連結されている。
なお、図5中では、巻芯29の外周部に剥離材層151が巻回されて剥離材ロールR3が形成される前の状態(未使用のテープカートリッジTKである場合)を示している。すなわち、剥離材層151のテープ幅方向両側を挟み込むように設けられている略円形のロールフランジ部f3,f4を図示すると共に、便宜的に剥離材ロールR3が形成される箇所に符号「R3」を付している。
<印字済み粘着テープロール及びその周辺>
一方、図2及び図4に示すように、上記第3収納部4には、印字済み粘着テープ150″を外周部に順次巻き取ってロール状とする巻芯41を備えた巻き取り機構40が上方から受け入れられる。巻き取り機構40は、印字済み粘着テープ150″の巻回の軸心O2が左右方向となる状態で、上記巻芯41が軸心O2まわりに回転可能に支持されるように収納される。そして、巻き取り機構40が、第3収納部4に収納された状態において、筐体本体2aの内部に設けられた粘着巻取用モータM2によりギア機構(図示省略)を介して巻芯41が駆動され、第3収納部4内で所定の回転方向(図2中のB方向)に回転することで、印字済み粘着テープ150″を巻芯41の外周部に順次巻き取って積層する。これにより、巻芯41の外周部に印字済み粘着テープ150″が順次巻回されてロール状とされることで、印字済み粘着テープロールR2が形成される。
<カッター機構>
また、図2に示すように、粘着テープ150の搬送方向(以下適宜「テープ搬送方向」という)に沿ってサーマルヘッド11の下流側でかつ印字済み粘着テープロールR2の上流側には、カッター機構30が設けられている。
カッター機構30は、詳細な図示を省略するが、可動刃と、可動刃を支持しテープ幅方向(言い替えれば左右方向)に走行可能な走行体とを有する。そして、カッターモータMC(後述の図6参照)の駆動により走行体が走行し可動刃がテープ幅方向に移動することで、上記印字済み粘着テープ150″をテープ幅方向に切断する。
<印刷装置の概略動作>
次に、上記構成の印刷装置1の概略動作について説明する。
すなわち、第1所定位置13にテープカートリッジTKが装着されると、第1収納部3に粘着テープロールR1が収納され、第2収納部5に剥離材ロールR3を形成するための巻芯29及びロールフランジ部f3,f4等が収納される。また、第3収納部4には、印字済み粘着テープロールR2を形成するための巻き取り機構40が収納される。
この状態で、操作者が、粘着テープ150から剥離材層151を手動で引き剥がし、被印字層154、基材層153、及び粘着剤層152からなるテープの先端を、巻き取り機構40の巻芯41に取り付ける。そして、搬送ローラ12が駆動されると、第1収納部3に収納された粘着テープロールR1の回転により繰り出される粘着テープ150が、前方側へ搬送される。そして、搬送される粘着テープ150の被印字層154に対し、サーマルヘッド11により所望の印字部155が形成されて印字済み粘着テープ150′となる。印字形成された印字済み粘着テープ150′は、さらに前方側へ搬送されて引き剥がし部17まで搬送されると、当該引き剥がし部17において剥離材層151が引き剥がされて印字済み粘着テープ150″となる。引き剥がされた剥離材層151は、下方側へ搬送されて第2収納部5へ導入され、当該第2収納部5内において巻芯29の外周部に巻回されて剥離材ロールR3が形成される。
一方、剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″は、さらに前方側へ搬送されて第3収納部4へ導入され、当該第3収納部4内の巻き取り機構40の巻芯41の外周部に巻回されて印字済み粘着テープロールR2が形成される。その際、テープ搬送方向下流側(すなわち前方側)に設けられたカッター機構30が、印字済み粘着テープ150″を切断する。これにより、操作者の所望のタイミングで、巻芯41により巻き取られる印字済み粘着テープ150″を切断し、切断後は印字済み粘着テープロールR2を第3収納部4から取り出すことができる。なお、この切断後において、印字済み粘着テープロールR2に巻回されている印字済み粘着テープ150″が、各請求項記載の印刷物に相当する。以下適宜、印刷物を作成することを、印字済み粘着テープロールR2を作成すると言い換えて使用する。
なお、図示による説明を省略するが、印字済み粘着テープ150′から剥離材層151を引き剥がすことなく、巻き取り機構40の巻芯41の外周部に、剥離材層151を含む印字済み粘着テープ150′が巻回されることで、印字済み粘着テープロールR2が形成されてもよい。
また、図示による説明を省略するが、ロールR1に、粘着性を備えない被印字テープである非粘着テープ(上記粘着剤層152及び剥離材層151のないもの)が巻回されていてもよい。この場合においても、第1収納部3には、テープカートリッジTKの装着により、非粘着テープが巻回されたロールR1が上方から受け入れられ、非粘着テープの巻回の軸心O1が左右方向となる状態で収納される。そして、ロールR1は、第1収納部3に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において当該第1収納部3内で所定の回転方向(図2中のA方向)に回転することで、非粘着テープを繰り出す。
このとき、非粘着テープ(又は上記粘着テープ150でもよい)の搬送経路を、ロールR2へ向かう側と排出口(図示省略)へ向かう側との相互間で切り替える、シュート15(図2参照)が配設されてもよい。すなわち、切替レバー(図示省略)によるシュート15の切替操作により上記搬送経路を切り替えることで、印字形成後の非粘着テープ(又は上記印字済み粘着テープ150′、又は上記印字済み粘着テープ150″)を第3収納部4内において巻回することなく、筐体2の例えば第2開閉カバー8b側に設けた排出口(図示省略)から、そのまま筐体2外部へ排出してもよい。
<印刷装置の制御系>
次に、図6を参照しつつ、印刷装置1の制御系について説明する。
図6に示すように、印刷装置1には、所定の演算を行う演算部を構成するCPU212が備えられている。CPU212は、RAM213及びROM214に接続されている。CPU212は、RAM213の一時記憶機能を利用しつつROM214に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それにより印刷装置1全体の制御を行う。
また、CPU212は、上記搬送用モータM1の駆動制御を行うモータ駆動回路218と、上記粘着巻取用モータM2の駆動制御を行うモータ駆動回路219と、上記剥離紙巻取用モータM3の駆動制御を行うモータ駆動回路220と、上記サーマルヘッド11の発熱素子(図示省略)の通電制御を行うサーマルヘッド制御回路221と、上記カッターモータMCの駆動制御を行うモータ駆動回路222と、上記表示部215と、操作者が適宜に操作入力可能な操作部216と、上記サーマルヘッド11の温度を検出する温度センサTS(検出手段に相当)とに接続されている。温度センサTSによる検出温度(以下適宜「検出温度T」という)は、例えば所定の周期でCPU212へ出力され、CPU212により取得される。
さらに、CPU212は、この例では外部端末としてのPC217に接続されるが、印刷装置1が(いわゆるオールインワンタイプで)単独で動作する場合には、外部端末に接続されなくてもよい。
操作者は、操作部216(又はPC217)により、粘着テープ150の被印字層154に印字形成するための1つの単位印字データを入力する操作を行うことができ、CPU212は、この操作に対応して、1つの単位印字データを取得することができる。また、操作者は、操作部216(又はPC217)により、作成する印字済み粘着テープロールR2における印字済み粘着テープ150″の長さ(以下適宜「テープ長」という)を指定する操作を行うことができ、CPU212は、この操作に対応して、作成するテープ長を指定する指定長さデータを取得することができる。また、操作者は、操作部216(又はPC217)により、印字済み粘着テープロールR2の作成開始を指示する操作(以下適宜「作成開始指示操作」という)を行うことができる。また、操作者は、操作部216(又はPC217)により、後述のテスト印刷処理の完了後に、印字済み粘着テープロールR2の作成続行を指示する操作(以下適宜「作成続行指示操作」という)を行うことができる。
ROM214には、所定の制御処理を実行するための制御プログラム(CPU212に対し後述の図15〜図22に示すフローチャートやルーチンの各手順を実行させるためのプログラムを含む)が記憶されている。
RAM213には、CPU212により取得された上記1つの単位印字データを、ドットパターンデータ(詳細は後述)に展開して記憶する、イメージバッファ213aが備えられている。
CPU212は、搬送ローラ12により粘着テープ150を搬送させつつ、搬送される粘着テープ150の被印字層154に対し、イメージバッファ213aに記憶された1つの単位印字データ(ドットパターンデータ)に対応した単位印字イメージU(前述の図1参照)を、サーマルヘッド11によりテープ搬送方向に沿って複数個繰り返し印字形成させ、印字済み粘着テープロールR2を作成させる。
また、CPU212は、印字かすれ等の印字不良を防止するために、サーマルヘッド11の温度がある程度高温になったら(サーマルヘッド11の温度が低下するまでの間)搬送ローラ12による粘着テープ150の搬送、巻芯41による印字済み粘着テープ150″の巻き取り、及び巻芯29による剥離材層151の巻き取り(以下適宜、これらの動作を「テープ搬送・巻き取り」と総称する)と、サーマルヘッド11による粘着テープ150の被印字層154への印字形成とを中断停止させ、いわゆるクーリングを実行させる。本実施形態では、テープ搬送・巻き取り及び印字形成を中断停止させてクーリングを開始させるクーリング開始温度として、第1印刷中断停止温度(例えば60[℃]。以下適宜「第1印刷中断停止温度T1a」という)が予め定められ、クーリングを終了させてテープ搬送・巻き取り及び印字形成を再開させるクーリング終了温度として、第1印刷再開温度(例えば50[℃]。以下適宜「第1印刷再開温度T1b」という)が予め定められている。すなわち、検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1aまで上昇したら、CPU212は、テープ搬送・巻き取り及び印字形成を中断停止させ、クーリングを実行させる。そして、このクーリングにより、検出温度Tが第1印刷再開温度T1bまで低下したら、CPU212は、中断停止させていたテープ搬送・巻き取り及び印字形成を再開させる。
<本実施形態の背景>
上述したように、本実施形態の印刷装置1は、テープ搬送・巻き取り及び印字形成の中断停止機能を有する。印字済み粘着テープロールR2の円滑な作成のためには、テープ搬送・巻き取り及び印字形成は、なるべく中断停止されないことが好ましいが、中断停止せざるを得ない場合もある。このとき、印刷処理が実行される際のサーマルヘッド11の温度の挙動を正確に知ることができれば、便利である。
<本実施形態の特徴>
本実施形態の特徴は、粘着テープ150の被印字層154に対し上記単位印字イメージUをテープ搬送方向に沿って複数個繰り返し印字形成する本印刷処理を実行する前に、粘着テープ150の被印字層154に対し(本印刷処理において印字形成する)実際の単位印字イメージUを少なくとも1個(この例では1個)印字形成する第1テスト印刷処理(試行印刷処理に相当)を実行し、その際のサーマルヘッド11の温度を実測することにより、本印刷処理が実行される際のサーマルヘッド11の温度の挙動を精度良く予測する手法にある。以下、その詳細を説明する。
<印刷装置の駆動モード>
本実施形態では、印刷装置1の駆動モードとして、第1モード及び第2モードが予め定められている。第1モードは、第1テスト印刷処理、及び、本印刷処理が実行される際の検出温度Tの挙動の予測を行った後に、本印刷処理を実行する駆動モードである。第2モードは、第1テスト印刷処理、及び、本印刷処理が実行される際の検出温度Tの挙動の予測をいずれも行わずに、本印刷処理を実行する駆動モードである。但し、第2モードでは、粘着テープ150の被印字層154に対し予め定められたテストパターン(図示省略)を印字形成する第2テスト印刷処理が実行され、この第2テスト印刷処理の完了後に、本印刷処理が実行される。
そして、印刷装置1の駆動モードは、上記単位印字データ(ドットパターンデータ)におけるオンドット率(印字率に相当。以下適宜「オンドット率OD」という)に基づき、第1又は第2モードに切り替えられる。
図7(a)(b)に、上記単位印字データのオンドット率ODの具体例を示す。
図7(a)(b)において、上述したように、RAM213のイメージバッファ213aには、単位印字データがドットパターンデータに展開され、一時的に記憶される。なお、図7(a)(b)中では、サーマルヘッド11の発熱素子がオンとなるオンドットを■で示し、発熱素子がオフとなるオフドットを□で示している。
図7(a)に示す例の単位印字データ(ドットパターンデータ)は、テープ幅方向7ドット×テープ長さ方向15ドット=105ドットのデータである。この例の単位印字データは、「H」、白抜きの「H」、「H」からなる単位印字イメージUを粘着テープ150に印字形成するために用いられる。この例の単位印字データのオンドット数は、C2〜E2ドット、D3ドット、C4〜E4ドット、B6〜F6ドット、B7・F7ドット、B8・C8ドット、E8・F8ドット、B9・F9ドット、B10〜F10ドット、C12〜E12ドット、D13ドット、C14〜E14ドットの、32ドットである。したがって、この例の単位印字データのオンドット率ODは、32/105≒30.5[%]となる。
一方、図7(b)に示す例の単位印字データ(ドットパターンデータ)は、上記図7(a)に示す例と同様、テープ幅方向7ドット×テープ長さ方向15ドット=105ドットのデータである。この例の単位印字データは、「H」、「H」、「H」からなる単位印字イメージUを粘着テープ150に印字形成するために用いられる。この例の単位印字データのオンドット数は、C2〜E2ドット、D3ドット、C4〜E4ドット、C7〜E7ドット、D8ドット、C9〜E9ドット、C12〜E12ドット、D13ドット、C14〜E14ドットの、21ドットである。したがって、この例の単位印字データのオンドット率ODは、21/105=20[%]となる。
ここで、例えば上記図7(a)に示す例のように、単位印字データのオンドット率ODが比較的大きい場合には、本印刷処理の進展に伴い検出温度Tが上記第1印刷中断停止温度T1aまで上昇して、テープ搬送・巻き取り及び印字形成が中断停止される可能性が高い。一方、例えば上記図7(b)に示す例のように、単位印字データのオンドット率ODが比較的小さい場合には、本印刷処理が進展しても検出温度Tが上記第1印刷中断停止温度T1aまで上昇せず、テープ搬送・巻き取り及び印字形成が中断停止される可能性が低い。なお、以下適宜、本印刷処理におけるテープ搬送・巻き取り及び印字形成が中断停止されることを、単に、本印刷処理が中断停止されるという。
そこで本実施形態では、単位印字データのオンドット率ODが予め定められたしきい値(例えば30[%]。以下適宜「しきい値OD0」という)以上の場合(本印刷処理が中断停止される可能性が高い場合)には、CPU212が、印刷装置1の駆動モードを上記第1モードに切り替える。一方、単位印字データのオンドット率ODが上記しきい値OD0未満の場合(本印刷処理が中断停止される可能性が低い場合)には、CPU212が、印刷装置1の駆動モードを上記第2モードに切り替える。
<準備処理>
本実施形態では、印字済み粘着テープロールR2の作成開始前に、粘着テープ150の弛みを除去するために、所定の準備処理が行われる。図8(a)〜(c)に、この準備処理の工程を模式的に示す。
図8(a)〜(c)において、準備処理では、まず、操作者が、粘着テープロールR1から手動で粘着テープ150を繰り出し、繰り出した粘着テープ150を搬送ローラ12とサーマルヘッド11との間に通す(図8(a)参照)。このとき、CPU212は、所定の時間だけ、搬送ローラ12がテープ搬送方向に回転するように、上記搬送用モータM1を制御する。なお、上記のようにして搬送ローラ12とサーマルヘッド11との間に通され、それらの下流側に進出した粘着テープ150を、説明の便宜上、「テープ150−0」という。このテープ150−0は、サーマルヘッド11による印字形成の開始後における、上記印字済み粘着テープ150′に対応する部位である。
その後、操作者は、テープ150−0から手動で剥離材層151を引き剥がし、上記基材層153及び粘着剤層152からなるテープ150−1の先端を巻芯41に固定する(図8(b)参照)。なお、このテープ150−1は、サーマルヘッド11による印字形成の開始後における、上記印字済み粘着テープ150″に対応する部位である。上記のようにしてテープ150−1の先端を巻芯41に固定することにより、これ以降の巻芯41の回転に伴うテープ150−1及び印字済み粘着テープ150″の巻回によって、印字済み粘着テープロールR2が形成されることとなる。その一方で、操作者は、テープ150−0から引き剥がした剥離材層151の先端を巻芯29に固定する(図8(b)参照)。これにより、これ以降の巻芯29の回転に伴う剥離材層151の巻回によって、剥離材ロールR3が形成されることとなる。
この状態で、CPU212は、所定の時間だけ、搬送ローラ12が停止すると共に、巻芯41だけが巻き取り方向に回転するように、上記搬送用モータM1及び粘着巻取用モータM2を制御する(図8(b)参照)。これにより、テープ150−1は、停止した搬送ローラ12と、巻き取り方向に回転する巻芯41とにより引っ張られ、弛みが除去された時点で巻芯41の回転が停止して、張力が作用した状態となる。なお、このようにテープ150−1に張力が作用しているはずの時点で、巻芯41の回転が検出された場合には、巻芯41に対するテープ150−1の先端の固定が不良であるために巻芯41が空回りしているとみなして、不具合が報知される。
その後、CPU212は、所定の時間だけ、搬送ローラ12が停止する共に、巻芯29だけが巻き取り方向に回転するように、上記搬送用モータM1及び剥離紙巻取用モータM3を制御する(図8(c)参照)。これにより、テープ150−0から引き剥がされた剥離材層151は、停止した搬送ローラ12と、巻き取り方向に回転する巻芯29とにより引っ張られ、弛みが除去された時点で巻芯29の回転が停止して、張力が作用した状態となる。またこのとき、巻芯41のみの回転でのテープ150−0の引き込みにより、テープ150−0と剥離材層151との剥離点が移動した場合でも、元の位置に戻すことができる(図8(c)中の破線部分参照)。なお、このように剥離材層151に張力が作用しているはずの時点で巻芯29の回転が検出された場合には、巻芯29に対する剥離材層151の先端の固定が不良であるために巻芯29が空回りしているとみなして、不具合が報知される。
その後、CPU212は、所定の時間だけ、(印字動作をせずに)搬送ローラ12、巻芯41、及び巻芯29が全て回転するように、上記搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3を制御する(特に図示せず)。この最終確認動作を行うことにより、粘着テープ150の繰り出し及び搬送、テープ150−0の搬送、テープ150−1の搬送及び巻き取り、剥離材層151の引き剥がし及び巻き取り等を含む一連の動作が正常に行われるかどうかを事前に確認することができる。
なお、以上の準備処理において、印刷装置1の各部で実行される動作が、各請求項記載の準備動作に相当する。
<準備処理完了後の処理>
上記準備処理が完了すると、印字済み粘着テープロールR2の作成開始前に、テスト印刷処理が実行されるが、その実行されるテスト印刷処理の内容は、準備処理の完了の際に単位印字データが取得されているか否か、取得されている場合には、その取得された単位印字データのオンドット率ODに基づき切り替えられる印刷装置1の駆動モードにより、異なる。
<準備処理完了時に単位印字データが取得済の場合の第1モード>
例えば、準備処理の完了の際に、既に単位印字データが取得されており、その取得された単位印字データのオンドット率ODがしきい値OD0以上であったため印刷装置1の駆動モードが第1モードに切り替えられた場合には、上記取得された単位印字データに対応した単位印字イメージUを1個印字形成し、当該単位印字イメージUの印字形成部位が上記視認窓300に対向する位置に到達したときにテープ搬送・巻き取りが停止する、第1テスト印刷処理が実行される。図9(a)(b)に、この第1テスト印刷処理の工程を模式的に示す。
<第1テスト印刷処理>
図9(a)(b)において、この第1テスト印刷処理では、上記図8(c)に示す準備処理が完了した状態の後、粘着テープ150の搬送、テープ150−0の搬送、テープ150−1の搬送及び巻き取り、剥離材層151の巻き取りが開始され、搬送される粘着テープ150に対し単位印字イメージUが1個印字形成される(図9(a)参照。図9(a)(b)中では単位印字イメージUの印字形成部位を★印で示す)。
その後、粘着テープ150の搬送、印字済み粘着テープ150′(テープ150−0)の搬送、印字済み粘着テープ150″(テープ150−1)の搬送及び巻き取り、剥離材層151の巻き取りの継続により、印字済み粘着テープ150″における単位印字イメージUの印字形成部位が、テープ搬送方向下流側へ移行し、視認窓300に対向する位置に到達すると、上記テープ搬送・巻き取りが停止される(図9(b)参照)。
上記テープ搬送・巻き取りの停止までの間には、上述のようにして単位印字イメージUの印字形成が行われた後に、サーマルヘッド11から印字済み粘着テープロールR2の外周部のうち視認窓300に対向する位置までのテープ搬送方向に沿った距離L(例えば固定値)だけ、上記テープ搬送が行われる(図9(b)参照)。すなわち、CPU212が、搬送ローラ12、巻芯41、及び巻芯29の回転により上記距離Lのテープ搬送が行われるように、上記搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3を制御する。
操作者は、上記筐体2の外部から視認窓300を通して単位印字イメージUを視認することで、単位印字イメージUを複数個繰り返し印字形成する前に、単位印字イメージUの印刷結果を視覚的に確認することができる。そして、単位印字イメージUの印刷結果が意図する態様であった場合には、その後の処理を続行し、単位印字イメージUの印刷結果が意図する態様でなかった場合には、その後の処理を中止することで、意図する態様でない単位印字イメージUが複数個繰り返し印字形成された印字済み粘着テープロールR2が作成されることによる無駄を回避することができる。
<第1テスト印刷処理の実行による検出温度の上昇度の算出>
上記第1テスト印刷処理の完了後に、意図する態様の単位印字イメージUの印刷結果を確認できたら、操作者は、操作部216(又はPC217)により上記作成続行指示操作を行う。これにより、第1テスト印刷処理が実行された際の複数(この例では第1テスト印刷処理の開始時及び完了時の2つ)の検出温度Tに基づき、当該第1テスト印刷処理の実行による検出温度Tの推移、つまり検出温度Tの上昇度(以下適宜「上昇度Tr」という)の算出が行われる。
以下、図10を参照しつつ、第1テスト印刷処理の実行による検出温度Tの上昇度Trを算出する手法の例について説明する。
図10において、第1テスト印刷処理の実行による検出温度Tの上昇度Trは、第1テスト印刷処理が実行されたことにより、検出温度Tがどの程度上昇したかを表すものであり、第1テスト印刷処理の完了時及び開始時の検出温度Tの差分を、第1テスト印刷処理における印字長(第1テスト印刷処理において印字形成した粘着テープ150の長さ)で除算することにより、算出される。
図10に示す例では、第1テスト印刷処理における印字長が0.3[m]、第1テスト印刷処理の開始時(印字長=0[m]時)の検出温度Tが40[℃]、第1テスト印刷処理の完了時(印字長=0.3[m]時)の検出温度Tが40.3[℃]となっている。この場合には、第1テスト印刷処理の実行による検出温度Tの上昇度Trは、(40.3−40)/0.3=1[℃/m]と算出される。
<本印刷処理が実行される際の検出温度の挙動の予測>
上記のようにして第1テスト印刷処理の実行による検出温度Tの上昇度Trが算出されると、その算出された上昇度Tr、上記第1印刷中断停止温度T1a、及び上記指定長さデータに基づき、本印刷処理が実行される際の検出温度Tの挙動の予測が行われる。
以下、図11及び図12を参照しつつ、本印刷処理が実行される際の検出温度Tの挙動を予測する手法の例について説明する。
図11及び図12において、本印刷処理が実行される際の検出温度Tの挙動は、本印刷処理の実行中の検出温度Tが上記算出された上昇度Trに沿って上昇するとして、本印刷処理(指定長さデータの示すテープ長に対応する印字長(当該本印刷処理において印字形成する粘着テープ150の長さ。以下適宜「指定印字長」という)の印字形成)が完遂するまでの間に、検出温度Tが上記クーリング開始温度まで上昇して、当該本印刷処理が中断停止されるか否かの判定を行うことにより、予測される。
<第1判定、及び、第1判定の判定結果に応じた処理>
具体的には、まず、開始時の検出温度Tを所定の第1温度(例えば第1テスト印刷処理の完了後に取得された検出温度Tに対応する温度)とする本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1aまで上昇して、当該本印刷処理が中断停止されるか否かの判定(以下適宜「第1判定」という)が行われる。
図11に示す例では、第1温度が40[℃]、第1印刷中断停止温度T1aが60[℃]となっている。この場合において、例えば本印刷処理における指定印字長が15[m]である場合(図11中に示す(1)の矢印参照)には、開始時(印字長=0[m]時)の検出温度Tを40[℃]とする本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが60[℃]まで上昇せず、当該本印刷処理が中断停止されないと判定される。一方、例えば本印刷処理における指定印字長が30[m]である場合(図11中に示す(2)の矢印参照)や40[m]である場合(図11中に示す(3)の矢印参照)には、開始時(印字長=0[m]時)の検出温度Tを40[℃]とする本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが(印字長=20[m]時に)60[℃]まで上昇して、当該本印刷処理が(印字長=20[m]時に)中断停止されると判定される。
上記第1判定において、開始時の検出温度Tを第1温度とする本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1aまで上昇せず、当該本印刷処理が中断停止されないと判定された場合には、表示部215に、このまま本印刷処理を開始する旨、及び、この内容での本印刷処理の開始を操作者に確認する旨を含む通知(以下適宜「第1通知」という)が表示される。図13(a)に、この第1通知の例を示す。図13(a)に示す例では、表示部215には、第1通知として、「直ちに15mテープの印刷を開始します。 よろしいですか? Y/N」のテキストが表示されている。このような第1通知に対応して、操作者が、操作部216(又はPC217)により、この内容での本印刷処理の開始を指示する操作(以下適宜「印刷開始指示操作」という)を行う(図13(a)に示す例では「Y」を入力する)と、本印刷処理が開始される。
<第2判定、及び、第2判定の判定結果に応じた処理>
一方、上記第1判定において、開始時の検出温度Tを第1温度とする本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1aまで上昇して、当該本印刷処理が中断停止されると判定された場合には、開始時の検出温度Tを上記第1温度よりも低い第2温度(例えば予め定められた温度)とする本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1aまで上昇して、当該本印刷処理が中断停止されるか否かの判定(以下適宜「第2判定」という)が行われる。
図11に示す例では、第1温度が上述のように40[℃]、第2温度が25[℃]、第1印刷中断停止温度T1aが上述のように60[℃]となっている。この場合において、例えば本印刷処理における指定印字長が30[m]である場合(図11中に示す(2)の矢印参照)には、開始時(印字長=0[m]時)の検出温度Tを25[℃]とする本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが60[℃]まで上昇せず、当該本印刷処理が中断停止されないと判定される。一方、例えば本印刷処理における指定印字長が40[m]である場合(図11中に示す(3)の矢印参照)には、開始時(印字長=0[m]時)の検出温度Tを25[℃]とする本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが(印字長=36[m]時に)60[℃]まで上昇して、当該本印刷処理が(印字長=36[m]時に)中断停止されると判定される。
上記第2判定において、開始時の検出温度Tを第2温度とする本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1aまで上昇せず、当該本印刷処理が中断停止されないと判定された場合には、表示部215に、所定期間(検出温度Tが第2温度に低下するまでの期間)の経過後に本印刷処理を開始する旨、及び、この内容での本印刷処理の開始を操作者に確認する旨を含む通知(以下適宜「第2通知」という)が表示される。図13(b)に、この第2通知の例を示す。図13(b)に示す例では、表示部215には、第2通知として、「3分後に30mテープの印刷を開始します。 よろしいですか? Y/N」のテキストが表示されている。このような第2通知に対応して、操作者が、操作部216(又はPC217)により、上記印刷開始指示操作を行う(図13(b)に示す例では「Y」を入力する)と、CPU212が、検出温度Tが第2温度以下となるまで本印刷処理を開始させず、いわゆる冷却待機を実行させる。そして、この冷却待機により、検出温度Tが第2温度以下まで低下したら、本印刷処理が開始される。
一方、上記第2判定において、開始時の検出温度Tを第2温度とする本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1aまで上昇して、当該本印刷処理が中断停止されると判定された場合には、上記予測された検出温度Tの挙度に基づき、開始時の検出温度Tを第1温度とする本印刷処理が中断停止されることなく完遂可能な(例えば最大の)テープ長の算出が行われる。
図11に示す例では、第1温度が上述のように40[℃]、第1印刷中断停止温度T1aが上述のように60[℃]となっている。この場合には、開始時(印字長=0[m]時)の検出温度Tを40[℃]とする本印刷処理が中断停止されることなく完遂可能なテープ長は、20[m]と算出される。
上記のようにして開始時の検出温度Tを第1温度とする本印刷処理が中断停止されることなく完遂可能なテープ長が算出されると、その算出されたテープ長に基づき、表示部215に、作成可能なテープ長、及び、作成するテープ長を変更した本印刷処理の開始を操作者に確認する旨を含む通知(以下適宜「第3通知」という)が表示される。図13(c)に、この第3通知の例を示す。図13(c)に示す例では、表示部215には、第3通知として、「20mテープでしたら直ちに印刷を開始します。 20mテープに変更して印刷を開始しますか? Y/N」のテキストが表示されている。このような第3通知に対応して、操作者が、操作部216(又はPC217)により、上記印刷開始指示操作を行う(図13(c)に示す例では「Y」を入力する)と、CPU212が、作成するテープ長を上記指定長さデータの示すテープ長から上記作成可能なテープ長へ変更して、その変更後に、本印刷処理が開始される。
一方、上記第3通知に対応して、操作者が、操作部216(又はPC217)により、この内容での本印刷処理の開始を拒否する操作(以下適宜「印刷開始拒否操作」という)を行う(図13(c)に示す例では「N」を入力する)と、表示部215に、表示部215に、上記以外の方法により本印刷処理を開始する旨、及び、この内容での本印刷処理の開始を操作者に確認する旨を含む通知(以下適宜「第4通知」という)が表示される。図13(d)に、この第4通知の例を示す。図13(d)に示す例では、表示部215には、第4通知として、『「おまかせ制御」で40mテープを印刷します。 よろしいですか? Y/N』のテキストが表示されている。このような第4通知に対応して、操作者が、操作部216(又はPC217)により、上記印刷開始指示操作を行う(図13(d)に示す例では「Y」を入力する)と、CPU212が、上記クーリング開始温度を、上記第1印刷中断停止温度T1aから、当該第1印刷中断停止温度T1aよりも低い第2印刷中断停止温度(例えば40[℃]。以下適宜「第2印刷中断停止温度T2a」)へ変更すると共に、上記クーリング終了温度を、上記第1印刷再開温度T1bから、当該第1印刷再開温度T1bよりも低く、かつ上記第2印刷中断停止温度T2aよりも低い第2印刷再開温度(例えば25[℃]。以下適宜「第2印刷再開温度T2b」)へ変更して、その変更後に、開始時の検出温度Tを第1温度とする本印刷処理が開始される。
すなわち、上記のようにクーリング開始温度及びクーリング終了温度が変更された後に開始された本印刷処理が実行される際には、検出温度Tが第2印刷中断停止温度T2aまで上昇したら、CPU212が、本印刷処理を中断停止させ、クーリングを実行させる。そして、このクーリングにより、検出温度Tが第2印刷再開温度T2bまで低下したら、CPU212は、中断停止させていた本印刷処理を再開させる。
<第3判定、及び、第3判定の判定結果に応じた処理>
また、本実施形態では、検出温度Tが第2印刷中断停止温度T2aまで上昇したことにより本印刷処理が中断停止された場合には、クーリング開始温度を第1印刷中断停止温度T1aとしても、後に検出温度Tが第2印刷再開温度T2bまで低下することで再開される本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1aまで上昇して、当該本印刷処理が中断停止されるか否かの判定(以下適宜「第3判定」という)が行われる。
上記第3判定において、クーリング開始温度を第1印刷中断停止温度T1aとすると、後に検出温度Tが第2印刷再開温度T2bまで低下することで再開される本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1aまで上昇せず、当該本印刷処理が中断停止されないと判定された場合には、CPU212が、本印刷処理の再開後のクーリング開始温度を、第2印刷中断停止温度T2aから第1印刷中断停止温度T1aへ変更する(戻す)。
図12に示す例では、第1温度が40[℃]、第1印刷中断停止温度T1aが60[℃]、第2印刷中断停止温度T2aが40[℃]、第1印刷再開温度T1bが50[℃]、第2印刷再開温度T2bが25[℃]、指定印字長が40[m](図12中に示す(1)の矢印参照)となっている。この場合には、本印刷処理の開始時(印字長=0[m]時)に検出温度Tが40[℃]に達しているので、本印刷処理が中断停止され、上記第3判定が行われている。この際には、クーリング開始温度を60[℃]としても、後に検出温度Tが25[℃]まで低下することで再開される本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが60[℃]まで上昇して、当該本印刷処理が中断停止されると判定されるので、クーリング開始温度の変更は行われていない。そして、検出温度Tが25[℃]まで低下したことで本印刷処理が再開されると、印字長=15[m]時に検出温度Tが40[℃]まで上昇して、本印刷処理が中断停止され、上記第3判定が行われている。この際には、クーリング開始温度を60[℃]とすると、後に検出温度Tが25[℃]まで低下することで再開される本印刷処理が完遂するまでの間に、検出温度Tが60[℃]まで上昇せず、当該本印刷処理が中断停止されないと判定されるので、クーリング開始温度が第2印刷中断停止温度T2aから第1印刷中断停止温度T1aへ変更されている。
一方、上記第4通知に対応して、操作者が、操作部216(又はPC217)により、この内容での本印刷処理の開始を拒否する操作を行う(図13(d)に示す例では「N」を入力する)と、表示部215に、単位印字データのオンドット率ODを小さくすれば印刷可能となる旨の通知(以下適宜「第5通知」という)が表示される。図14に、この第5通知の例を示す。図14に示す例では、表示部215には、第5通知として、「テキスト又はイメージを単純化すれば30mテープを印刷できます。」のテキストが表示されている。
<準備処理完了時に単位印字データが取得済の場合の第2モード>
また例えば、準備処理の完了の際に、既に単位印字データが取得されており、その取得された単位印字データのオンドット率ODがしきい値OD0未満であったため印刷装置1の駆動モードが第2モードに切り替えられた場合には、上記テストパターンを印字形成し、当該テストパターンの印字形成部位が上記視認窓300に対向する位置に到達したときにテープ搬送・巻き取りが停止する、第2テスト印刷処理が実行される。
そして、上記第2テスト印刷処理の完了後に、印刷不良がないことを確認できたら、操作者は、操作部216(又はPC217)により上記作成続行指示操作を行う。これにより、本印刷処理が開始される。
<準備処理完了時に単位印字データが未取得の場合>
一方、準備処理の完了の際に、まだ単位印字データが取得されていない場合には、上記テストパターンを印字形成し、当該テストパターンの印字形成部位が上記視認窓300に対向する位置に到達したときにテープ搬送・巻き取りが停止する、第2テスト印刷処理が実行される。
そして、上記第2テスト印刷処理の完了後に、印刷不良がないことを確認できたら、操作者は、操作部216(又はPC217)により上記作成続行指示操作を行う。これにより、単位印字データが取得されたら、その取得された単位印字データのオンドット率ODに基づき、印刷装置1の駆動モードが切り替えられる。
<準備処理完了時に単位印字データが未取得の場合の第1モード>
このとき、上記取得された単位印字データのオンドット率ODがしきい値OD0以上であったため印刷装置1の駆動モードが第1モードに切り替えられた場合には、印字済み粘着テープロールR2における印字済み粘着テープ150″に含まれる複数個の単位印字イメージUの一部として、上記取得された単位印字データに対応した単位印字イメージUを1個印字形成し、その印字形成が完了したときにテープ搬送・巻き取りが停止する、第1テスト印刷処理が実行される。
そして、上記第1テスト印刷処理の完了後に、当該第1テスト印刷処理の実行による検出温度Tの上昇度Trの算出が行われ、その後、本印刷処理が実行される際の検出温度Tの挙動の予測が行われる。なお、準備処理の完了の際に、まだ単位印字データが取得されていない場合の、第1テスト印刷処理の実行による検出温度Tの上昇度Trを算出する手法、及び、本印刷処理が実行される際の検出温度Tの挙動を予測する手法は、準備処理の完了の際に、既に単位印字データが取得されている場合の、上述した手法と同様である。但し、準備処理の完了の際に、まだ単位印字データが取得されていない場合には、印字済み粘着テープロールR2における印字済み粘着テープ150″に含まれる複数個の単位印字イメージUの残りとして、上記取得された単位印字データに対応した単位印字イメージUを複数個印字形成する本印刷処理が実行され、本印刷処理における印字長は、上記指定印字長から上記第1テスト印刷処理における印字長を減算した値となる。
<準備処理完了時に単位印字データが未取得の場合の第2モード>
一方、上記取得された単位印字データのオンドット率ODがしきい値OD0未満であったため印刷装置1の駆動モードが第2モードに切り替えられた場合には、上記取得された単位印字データに対応した単位印字イメージUを複数個印字形成する本印刷処理が実行される。
<制御フロー(その1)>
以下、図15〜図21を参照しつつ、上記手法を実現するために、CPU212により実行される処理内容について説明する。
図15〜図17において、このフローチャートに示す処理は、例えば印刷装置1の電源がオンにされることを契機に開始される(「START」位置)。
まず、図15に示すステップS1で、CPU212は、操作者の操作部216(又はPC217)を介した上記作成するテープ長を指定する操作の受け付けを開始し、当該操作に対応した上記指定長さデータの取得を図る。
その後、ステップS2で、CPU212は、操作者の操作部216(又はPC217)を介した上記1つの単位印字データを入力する操作の受け付けを開始し、当該操作に対応した上記1つの単位印字データの取得を図る。
そして、ステップS3で、CPU212は、操作者の操作部216(又はPC217)を介した上記作成開始指示操作の受け付けを開始する。
<準備処理>
その後、ステップS200で、CPU212は、上記準備処理を実行する。以下、図18を参照しつつ、この準備処理の詳細内容について説明する。
図18において、ステップS205では、CPU212は、モータ駆動回路218に制御信号を出力し、搬送用モータM1の駆動を開始する(前述の図8(a)参照)。
その後、ステップS210で、CPU212は、上記ステップS205での搬送用モータM1の駆動開始から所定時間だけ経過したか否かを判定する。所定時間経過していなければステップS210の判定は満たされず(ステップS210:No)、所定時間経過するまでループ待機する。この場合に待機する所定時間は、粘着テープロールR1から繰り出された粘着テープ150の先端側に位置する上記テープ150−0が、搬送ローラ12から搬送されて印字済み粘着テープロールR2又は剥離材ロールR3に到達できる程度の時間でよい。所定時間経過した場合には、ステップS210の判定が満たされて(ステップS210:Yes)、ステップS215へ移る。
ステップS215では、CPU212は、モータ駆動回路218に制御信号を出力し、搬送用モータM1の駆動を停止する。
そして、ステップS220で、CPU212は、操作者により操作部216(又はPC217)を介して動作再開を指示する操作が行われたか否かを判定する。動作再開を指示する操作が行われていなければステップS220の判定は満たされず(ステップS220:No)、動作再開を指示する操作が行われるまでループ待機する。動作再開を指示する操作が行われた場合には、ステップS220の判定が満たされて(ステップS220:Yes)、ステップS225へ移る。
ステップS225では、CPU212は、モータ駆動回路219に制御信号を出力し、粘着巻取用モータM2(図中ではADモータと略記。以下同様)の駆動を開始する(前述の図8(b)参照)。
その後、ステップS230で、CPU212は、上記ステップS225での粘着巻取用モータM2の駆動開始から所定時間だけ経過したか否かを判定する。所定時間経過していなければステップS230の判定は満たされず(ステップS230:No)、所定時間経過するまでループ待機する。この場合に待機する所定時間は、搬送ローラ12から印字済み粘着テープロールR2までの間の上記テープ150−0,150−1の弛みを除去して適切な張力を作用できる程度の時間(例えば最大1[s])でよい。所定時間経過した場合には、ステップS230の判定が満たされて(ステップS230:Yes)、ステップS235へ移る。
ステップS235では、CPU212は、印字済み粘着テープロールR2に対応して設けた図示しない適宜の回転検出センサ(例えば光学センサ等)の検出結果に基づき、この時点で印字済み粘着テープロールR2が回転中であるか否かを判定する。印字済み粘着テープロールR2が回転していない場合には、ステップS235の判定は満たされず(S235:No)、ステップS240へ移る。
ステップS240では、CPU212は、モータ駆動回路219に制御信号を出力し、粘着巻取用モータM2の駆動を停止する。
そして、ステップS245で、CPU212は、モータ駆動回路220に制御信号を出力し、剥離紙巻取用モータM3(図中では剥離紙モータと略記。以下同様)の駆動を開始する(前述の図8(c)参照)。
その後、ステップS150で、CPU212は、上記ステップS245での剥離紙巻取用モータM3の駆動開始から所定時間だけ経過したか否かを判定する。所定時間経過していなければステップS250の判定は満たされず(ステップS250:No)、所定時間経過するまでループ待機する。この場合に待機する所定時間は、上述した剥離点の引き戻しも含め搬送ローラ12から剥離材ロールR3までの間の剥離材層151の弛みを除去して適切な張力を作用できる程度の時間でよい。所定時間経過した場合には、ステップS250の判定が満たされて(ステップS250:Yes)、ステップS255へ移る。
ステップS255では、CPU212は、剥離材ロールR3に対応して設けた図示しない適宜の回転検出センサ(例えば光学センサ等)の検出結果に基づき、この時点で剥離材ロールR3が回転中であるか否かを判定する。剥離材ロールR3が回転していない場合には、ステップS255の判定は満たされず(S255:No)、ステップS260へ移る。
ステップS260では、CPU212は、モータ駆動回路220に制御信号を出力し、剥離紙巻取用モータM3の駆動を停止する。
そして、ステップS265で、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を開始する。
その後、ステップS270で、CPU212は、上記ステップS265での各モータM1,M2,M3の駆動開始から所定時間だけ経過したか否かを判定する。所定時間経過していなければステップS270の判定は満たされず(ステップS270:No)、所定時間経過するまでループ待機する。この場合に待機する所定時間は、上記粘着テープ150の繰り出し及び搬送、テープ150−0の搬送、テープ150−1の搬送及び巻き取り、剥離材層151の巻き取り等を含む一連の動作が正常に行われるかどうかを目視で十分確認できる程度の時間でよい。所定時間経過した場合には、ステップS270の判定が満たされて(ステップS270:Yes)、ステップS275へ移る。
ステップS275では、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を停止する。
そして、ステップS280で、CPU212は、全ての動作が正常に行われ、準備処理が正常に終了した旨を表示部215(又はPC217)に表示する等により報知する。その後、このルーチンに示す処理が終了される。
一方、上記ステップS235において、印字済み粘着テープロールR2が回転していた場合には、ステップS235の判定が満たされて(S235:Yes)、ステップS285へ移る。
ステップS285では、CPU212は、モータ駆動回路219に制御信号を出力し、粘着巻取用モータM2の駆動を停止する。
その後、ステップS290で、CPU212は、印字済み粘着テープロールR2のための巻芯41に対する上記テープ150−1の先端の固定が不良であるために印字済み粘着テープロールR2が空回りしているとみなして、その旨を表示部215(又はPC217)に表示する等により報知する。その後、このルーチンに示す処理が終了される。
また一方、上記ステップS255において、剥離材ロールR3が回転していた場合には、ステップS255の判定が満たされて(S255:Yes)、ステップS295へ移る。
ステップS295では、CPU212は、モータ駆動回路220に制御信号を出力し、剥離紙巻取用モータM3の駆動を停止する。
そして、ステップS298で、CPU212は、剥離材ロールR3のための巻芯29に対する上記剥離材層151の先端の固定が不良であるために剥離材ロールR3が空回りしているとみなして、その旨を表示部215(又はPC217)に表示する等により報知する。その後、このルーチンに示す処理が終了される。
<準備処理完了後の処理>
図15〜図17において、上記ステップS200の準備処理が完了したら、図15に示すステップS4へ移り、CPU212は、上記ステップS1〜S3で開始された受け付けにおいて、作成するテープ長を指定する操作、単位印字データを入力する操作、及び作成開始指示操作が、この時点で全て受け付けられているか否かを判定する。作成するテープ長を指定する操作、単位印字データを入力する操作、及び作成開始指示操作が、この時点で全て受け付けられている場合には、ステップS4の判定が満たされて(S4:Yes)、ステップS5へ移る。
<準備処理完了時に単位印字データが取得済の場合>
ステップS5では、CPU212は、上記ステップS2で開始された受け付けにおいて受け付けられた操作に対応して取得された単位印字データのオンドット率ODを、上述のようにして算出する。
その後、ステップS6で、CPU212は、上記ステップS5で算出されたオンドット率ODが上記しきい値OD0以上であるか否かを判定し、その判定結果に応じて、印刷装置1の駆動モードを上記第1又は第2モードに切り替える。すなわち、オンドット率ODがしきい値OD0以上である場合には、ステップS6の判定が満たされて(S6:Yes)、CPU212は、印刷装置1の駆動モードを上記第1モードに切り替え、ステップS300へ移る。
<準備処理完了時に単位印字データが取得済の場合の第1モード>
ステップS300では、CPU212は、上記第1テスト印刷処理を実行する。以下、図19を参照しつつ、この第1テスト印刷処理の詳細内容について説明する。
図19において、ステップS302では、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を開始することで、第1テスト印刷処理を開始する。これにより、上記粘着テープ150の搬送、テープ150−0の搬送、テープ150−1の搬送及び巻き取り、剥離材層151の巻き取りが開始される。
その後、ステップS304で、CPU212は、上記搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の制御に連携して、サーマルヘッド制御回路221に制御信号を出力し、サーマルヘッド11の発熱素子を連携して制御する。これにより、搬送ローラ12、巻芯41、及びサーマルヘッド11が協働して、粘着テープ150に対し、上記取得された単位印字データに対応した単位印字イメージUを1個印字形成する(前述の図9(a)参照)。
そして、ステップS306で、CPU212は、上記ステップS302で開始されたテープ搬送・巻き取りにより、上記ステップS304で印字形成された単位印字イメージUの印字形成部位が上記視認窓300に対向する位置に到達したか否か(言い換えれば、上記ステップS302の搬送開始後の搬送距離が上記距離Lに達したか否か)を判定する。単位印字イメージUの印字形成部位が視認窓300に対向する位置に到達していない場合には、ステップS306の判定は満たされず(S306:No)、単位印字イメージUの印字形成部位が視認窓300に対向する位置に到達するまでループ待機する。単位印字イメージUの印字形成部位が視認窓300に対向する位置に到達した場合(前述の図9(b)参照)には、ステップS306の判定が満たされて(S306:Yes)、ステップS308へ移る。
ステップS308では、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を停止することで、第1テスト印刷処理を完了する。これにより、上記テープ搬送・巻き取りが停止される。以上により、このルーチンに示す処理が終了される。
図15〜図17において、上記ステップS300の第1テスト印刷処理が完了したら、図15に示すステップS7へ移り、CPU212は、操作者により操作部216(又はPC217)を介して上記作成続行指示操作が行われたか否かを判定する。すなわち、単位印字イメージUの印刷結果が意図する態様でなかった場合には、操作者により作成続行指示操作が行われないことで、ステップS7の判定は満たされず(S7:No)、このフローチャートに示す処理が終了される。一方、単位印字イメージUの印刷結果が意図する態様であった場合には、操作者により作成続行指示操作が行われることで、ステップS7の判定が満たされて(S7:Yes)、図16に示すステップS16へ移る。
ステップS16では、CPU212は、上記ステップS300で実行された第1テスト印刷処理の開始時及び完了時の検出温度Tに基づき、当該第1テスト印刷処理の実行による検出温度Tの上昇度Trを、上述のようにして算出する。
その後、ステップS18で、CPU212は、上記ステップS16で算出された上昇度Tr、上記第1印刷中断停止温度T1a、及び、上記ステップS1で開始された受け付けにおいて受け付けられた操作に対応して取得された指定長さデータに基づき、上記第1判定を行う。このステップS18の第1判定において、開始時の検出温度Tを第1温度とする本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止されないと判定された場合(S18:中断停止されない)には、ステップS20へ移る。
ステップS20では、CPU212は、上記第1通知(前述の図13(a)参照)を表示するように、表示部215を制御する。
そして、ステップS22で、CPU212は、表示部215に第1通知が表示された状態において、操作者により操作部216(又はPC217)を介して上記印刷開始指示操作が行われたか否かを判定する。すなわち、印刷条件が意図する条件であった場合には、操作者により印刷開始指示操作が行われることで、ステップS22の判定が満たされて(S22:Yes)、後述の図17に示すステップS48へ移る。一方、印刷条件が意図する条件でなかった場合には、操作者により上記印刷開始拒否操作が行われることで、ステップS22の判定は満たされず(S22:No)、このフローチャートに示す処理が終了される。
一方、上記ステップS18の第1判定において、開始時の検出温度Tを第1温度とする本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止されると判定された場合(S18:中断停止される)には、ステップS24へ移る。
ステップS24では、CPU212は、上記ステップS16で算出された上昇度Tr、上記第1印刷中断停止温度T1a、及び、上記取得された指定長さデータに基づき、上記第2判定を行う。このステップS24の第2判定において、開始時の検出温度Tを第2温度とする本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止されないと判定された場合(S24:中断停止されない)には、ステップS26へ移る。
ステップS26では、CPU212は、上記第2通知(前述の図13(b)参照)を表示するように、表示部215を制御する。
その後、ステップS28で、CPU212は、表示部215に第2通知が表示された状態において、操作者により操作部216(又はPC217)を介して上記印刷開始指示操作が行われたか否かを判定する。すなわち、印刷条件が意図する条件であった場合には、操作者により印刷開始指示操作が行われることで、ステップS28の判定が満たされて(S28:Yes)、ステップS30へ移る。
ステップS30では、CPU212は、検出温度Tが第2温度以下となるまで後述の図17に示すステップS48以降の本印刷処理を開始せず、冷却待機するように、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を開始しない。そして、このステップS30での冷却待機により、検出温度Tが第2温度以下となったら、後述の図17に示すステップS48へ移る。
一方、上記ステップS24の第2判定において、開始時の検出温度Tを第2温度とする本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止されると判定された場合(S24:中断停止される)、及び、上記ステップS28において、印刷条件が意図する条件でなかったため操作者により上記印刷開始拒否操作が行われることでステップS28の判定が満たされなかった場合(S28:No)には、ステップS32へ移る。
ステップS32では、CPU212は、上記ステップS18で予測された検出温度Tの挙動に基づき、開始時の検出温度Tを第1温度とする本印刷処理が中断停止されることなく完遂可能なテープ長を算出する。
そして、ステップS34で、CPU212は、上記ステップS32で算出されたテープ長に基づき、上記第3通知(前述の図13(c)参照)を表示するように、表示部215を制御する。
その後、ステップS36で、CPU212は、表示部215に第3通知が表示された状態において、操作者により操作部216(又はPC217)を介して上記印刷開始指示操作が行われたか否かを判定する。すなわち、印刷条件が意図する条件であった場合には、操作者により印刷開始指示操作が行われることで、ステップS36の判定が満たされて(S36:Yes)、ステップS38へ移る。
ステップS38では、CPU212は、作成するテープ長を、上記取得された指定長さデータの示すテープ長から、上記ステップS32で算出されたテープ長に基づく上記作成可能なテープ長へ変更する。その後、後述の図17に示すステップS48へ移る。
一方、上記ステップS36において、印刷条件が意図する条件でなかった場合には、操作者により上記印刷開始拒否操作が行われることで、ステップS36の判定は満たされず(S36:No)、ステップS40へ移る。
ステップS40では、CPU212は、上記第4通知(前述の図13(d)参照)を表示するように、表示部215を制御する。
そして、ステップS42で、CPU212は、表示部215に第4通知が表示された状態において、操作者により操作部216(又はPC217)を介して上記印刷開始指示操作が行われたか否かを判定する。すなわち、印刷条件が意図する条件でなかった場合には、操作者により上記印刷開始拒否操作が行われることで、ステップS42の判定は満たされず(S42:No)、ステップS46へ移る。
ステップS46では、CPU212は、上記第5通知(前述の図14参照)を表示するように、表示部215を制御する。その後、このフローチャートに示す処理が終了される。
一方、上記ステップS42において、印刷条件が意図する条件であった場合には、操作者により印刷開始指示操作が行われることで、ステップS42の判定が満たされて(S42:Yes)、ステップS44へ移る。
ステップS44では、CPU212は、クーリング開始温度を第1印刷中断停止温度T1aから第2印刷中断停止温度T2aへ変更し、かつクーリング終了温度を第1印刷再開温度T1bから第2印刷再開温度T2bへ変更するように指示する第1変更信号を出力する。その後、図17に示すステップS48へ移る。
なお、ステップS44が実行されなかった場合の本印刷処理では、検出温度Tがクーリング開始温度としての第1印刷中断停止温度T1aまで上昇したらテープ搬送・巻き取り及び印字形成が中断停止されてクーリングが実行され、このクーリングにより検出温度Tがクーリング終了温度としての第1印刷再開温度T1bまで低下したらテープ搬送・巻き取り及び印字形成が再開されることとなる(詳細は後述)。一方、ステップS44が実行された場合の本印刷処理では、検出温度Tがクーリング開始温度としての第2印刷中断停止温度T2aまで上昇したらテープ搬送・巻き取り及び印字形成が中断停止されてクーリングが実行され、このクーリングにより検出温度Tがクーリング終了温度としての第2印刷再開温度T2bまで低下したらテープ搬送・巻き取り及び印字形成が再開されることとなる(詳細は後述)。
ステップS48では、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を開始することで、本印刷処理を開始する。これにより、上記粘着テープ150の搬送、テープ150−0の搬送、テープ150−1の搬送及び巻き取り、剥離材層151の巻き取りが開始される。
その後、ステップS50で、CPU212は、上記取得された単位印字データに基づき、公知の手法により、対応する印字開始位置にサーマルヘッド11が対向する状態までテープ搬送が到達したか否かを判定する。印字開始位置に到達していない場合には、ステップS50の判定は満たされず(S50:No)、印字開始位置に到達するまでループ待機する。印字開始位置に到達した場合には、ステップS50の判定が満たされて(S50:Yes)、ステップS52へ移る。
ステップS52では、CPU212は、サーマルヘッド制御回路221に制御信号を出力し、サーマルヘッド11の発熱素子に通電を行って、上記取得された単位印字データに対応した単位印字イメージUの、粘着テープ150への繰り返し印字形成を開始する。
そして、ステップS53で、CPU212は、検出温度Tがクーリング開始温度まで上昇したことでテープ搬送・巻き取り及び印字形成の中断停止(クーリングの実行)を指示するクーリング開始信号(後述の図22に示すステップS112,S126参照)が入力されたか否かを判定する。検出温度Tがクーリング開始温度まで上昇しておらずクーリング開始信号が入力されない場合には、ステップS53の判定は満たされず(S53:No)、後述のステップS70へ移る。一方、検出温度Tがクーリング開始温度まで上昇したことでクーリング開始信号が入力された場合には、ステップS53の判定が満たされて(S53:Yes)、ステップS54へ移る。
ステップS54では、CPU212は、上記ステップS53で入力されたクーリング開始信号が、検出温度Tがクーリング開始温度としての第1印刷中断停止温度T1aまで上昇したことで出力された第1クーリング開始信号(後述の図22に示すステップS112参照)、及び、検出温度Tがクーリング開始温度としての第2印刷中断停止温度T2aまで上昇したことで出力された第2クーリング開始信号(後述の図22に示すステップS116参照)のどちらであるかを判定する。上記入力されたクーリング開始信号が第1クーリング開始信号であった場合(S54:第1クーリング開始信号)には、ステップS56へ移る。
ステップS56では、CPU212は、サーマルヘッド制御回路221に制御信号を出力し、サーマルヘッド11の発熱素子への通電を中断停止して、上記印字形成を中断停止する。これと同時に、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を中断停止して、上記テープ搬送・巻き取りを中断停止する。これにより、上記テープ搬送・巻き取り及び印字形成(本印刷処理)が中断停止した状態で、装置全体が自然冷却されるまで待機した状態(=クーリング状態)となる。
その後、ステップS58で、CPU212は、検出温度Tがクーリング終了温度としての第1印刷再開温度T1bまで低下したことでテープ搬送・巻き取り及び印字形成の再開(クーリングの終了)を指示するクーリング終了信号としての第1クーリング終了信号(後述の図22に示すステップS116参照)が入力されたか否かを判定する。検出温度Tが第1印刷再開温度T1bまで低下しておらず第1クーリング終了信号が入力されない場合には、ステップS58の判定は満たされず(S58:No)、第1クーリング終了信号が入力されるまでループ待機する。検出温度Tが第1印刷再開温度T1bまで低下したことで第1クーリング終了信号が入力された場合には、ステップS58の判定が満たされて(S58:Yes)、後述のステップS68へ移る。
一方、上記ステップS54において、上記入力されたクーリング開始信号が第2クーリング開始信号であった場合(S54:第2クーリング開始信号)には、ステップS60へ移る
ステップS60では、上記ステップS56と同様、CPU212は、サーマルヘッド制御回路221に制御信号を出力し、上記印字形成を中断停止する。これと同時に、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、上記テープ搬送・巻き取りを中断停止する。これにより、上記テープ搬送・巻き取り及び印字形成(本印刷処理)が中断停止した状態で、装置全体が自然冷却されるまで待機した状態(=クーリング状態)となる。
そして、ステップS62で、CPU212は、上記第3判定を行う。このステップS62の第3判定において、クーリング開始温度を第1印刷中断停止温度T1aとしても、後に検出温度Tが第2印刷再開温度T2bまで低下することで後述のステップS68で再開される本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止されると判定された場合(S62:中断停止される)には、後述のステップS66へ移る。一方、このステップS62の第3判定において、クーリング開始温度を第1印刷中断停止温度T1aとすると、後に検出温度Tが第2印刷再開温度T2bまで低下することで後述のステップS68で再開される本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止されないと判定された場合(S62:中断停止されない)には、ステップS64へ移る。
ステップS64では、CPU212は、クーリング開始温度を第2印刷中断停止温度T2aから第1印刷中断停止温度T1aへ変更する(戻す)ように指示する第2変更信号を出力する。
その後、ステップS66で、CPU212は、検出温度Tがクーリング終了温度としての第2印刷再開温度T2bまで低下したことでテープ搬送・巻き取り及び印字形成の再開(クーリングの終了)を指示するクーリング終了信号としての第2クーリング終了信号(後述の図22に示すステップS130参照)が入力されたか否かを判定する。検出温度Tが第2印刷再開温度T2bまで低下しておらず第2クーリング終了信号が入力されない場合には、ステップS66の判定は満たされず(S66:No)、第2クーリング終了信号が入力されるまでループ待機する。検出温度Tが第2印刷再開温度T2bまで低下したことで第2クーリング終了信号が入力された場合には、ステップS66の判定が満たされて(S66:Yes)、ステップS68へ移る。
ステップS68では、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を再開して、上記テープ搬送・巻き取りを再開する。これと同時に、CPU212は、サーマルヘッド制御回路221に制御信号を出力し、サーマルヘッド11の発熱素子への通電を再開して、上記印字形成を再開する。これにより、上述のようにして中断停止したテープ搬送・巻き取り及び印字形成(本印刷処理)が再開される。
そして、ステップS70で、CPU212は、上記取得された単位印字データに基づき、公知の手法により、対応する印字終了位置にサーマルヘッド11が対向する状態までテープ搬送が到達したか否かを判定する。印字終了位置に到達していない場合には、ステップS70の判定は満たされず(S70:No)、上記ステップS52に戻り同様の手順を繰り返す。これにより、上記繰り返し印字形成が続行される。一方、印字終了位置に到達した場合には、ステップS70の判定が満たされて(S70:Yes)、ステップS72へ移る。
ステップS72では、CPU212は、サーマルヘッド制御回路221に制御信号を出力し、サーマルヘッド11の発熱素子への通電を停止して、上記印字形成を終了する。このとき、上記テープ搬送・巻き取りは継続して行われている。これにより、これ以降の印字済み粘着テープ150′は、印字が存在しない空白状態となる。
その後、ステップS74で、CPU212は、上記取得された指定長さデータの示すテープ長(又は上記ステップS38での変更後のテープ長)に対応する、カッター機構30による切断位置(巻き取り機構40により印字済み粘着テープロールR2として巻回される印字済み粘着テープ150″のテープ搬送方向に沿った全長が操作者の意図する長さとなるような切断位置)まで、テープ搬送が達したか否かを判定する。切断位置に到達していない場合には、ステップS74の判定は満たされず(S74:No)、切断位置に到達するまでループ待機する。切断位置に到達した場合には、ステップS74の判定は満たされて(S74:Yes)、ステップS76へ移る。
ステップS76では、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を停止する。これにより、上記テープ搬送・巻き取りが停止する。
そして、ステップS78で、CPU212は、モータ駆動回路222に制御信号を出力し、カッターモータMCを駆動して、カッター機構30の作動により印字済み粘着テープ150″の切断を行う。
その後、ステップS80で、CPU212は、モータ駆動回路219に制御信号を出力し、粘着巻取用モータM2の駆動を開始して、印字済み粘着テープ150″を巻芯41の外周部に巻き取る。
そして、ステップS82で、CPU212は、上記ステップS78でのカッター機構30の切断動作から所定時間だけ経過したか否かを判定する。所定時間経過していない場合には、ステップS82の判定は満たされず(S82:No)、所定時間経過するまでループ待機する。この所定時間は、印字済み粘着テープ150″を巻芯41の外周部へと巻き取れるだけの時間でよい。所定時間経過した場合には、ステップS82の判定は満たされて(S82:Yes)、ステップS84へ移る。
ステップS84では、CPU212は、モータ駆動回路219に制御信号を出力し、粘着巻取用モータM2の駆動を停止する。これにより、上記切断により生じた印字済み粘着テープ150″を確実に印字済み粘着テープロールR2内に巻き取ることができる。その後、このフローチャートに示す処理が終了される。
一方、上記図15に示すステップS6において、オンドット率ODがしきい値OD0未満である場合には、ステップS6の判定は満たされず(S6:No)、CPU212は、印刷装置1の駆動モードを上記第2モードに切り替え、ステップS400へ移る。
<準備処理完了時に単位印字データが取得済の場合の第2モード>
ステップS400では、CPU212は、上記第2テスト印刷処理を実行する。以下、図20を参照しつつ、この第2テスト印刷処理の詳細内容について説明する。
図20において、ステップS402では、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を開始することで、第2テスト印刷処理を開始する。これにより、上記粘着テープ150の搬送、テープ150−0の搬送、テープ150−1の搬送及び巻き取り、剥離材層151の巻き取りが開始される。
その後、ステップS404で、CPU212は、上記搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の制御に連携して、サーマルヘッド制御回路221に制御信号を出力し、サーマルヘッド11の発熱素子を連携して制御する。これにより、搬送ローラ12、巻芯41、及びサーマルヘッド11が協働して、粘着テープ150に対し上記テストパターンを印字形成する。
そして、ステップS406で、CPU212は、上記ステップS402で開始されたテープ搬送・巻き取りにより、上記ステップS404で印字形成されたテストパターンの印字形成部位が上記視認窓300に対向する位置に到達したか否か(言い換えれば、上記ステップS402の搬送開始後の搬送距離が上記距離Lに達したか否か)を判定する。テストパターンの印字形成部位が視認窓300に対向する位置に到達していない場合には、ステップS406の判定は満たされず(S406:No)、テストパターンの印字形成部位が視認窓300に対向する位置に到達するまでループ待機する。テストパターンの印字形成部位が視認窓300に対向する位置に到達した場合には、ステップS406の判定が満たされて(S406:Yes)、ステップS408へ移る。
ステップS408では、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を停止することで、第2テスト印刷処理を完了する。これにより、上記テープ搬送・巻き取りが停止される。以上により、このルーチンに示す処理が終了される。
図15〜図17において、上記ステップS400の第2テスト印刷処理が完了したら、図15に示すステップS8へ移り、CPU212は、操作者により操作部216(又はPC217)を介して上記作成続行指示操作が行われたか否かを判定する。すなわち、テストパターンの印刷結果の視認により印刷不良があることが確認できた場合には、操作者により作成続行指示操作が行われないことで、ステップS8の判定は満たされず(S8:No)、このフローチャートに示す処理が終了される。一方、テストパターンの印刷結果の視認により印刷不良がないことが確認できた場合には、操作者により作成続行指示操作が行われることで、ステップS8の判定が満たされて(S8:Yes)、上記図17に示すステップS48へ移り、以降は同様の手順が実行される。なお、ステップS8から移行する場合には、上記ステップS53で入力されるクーリング開始信号は第1クーリング開始信号であり、上記ステップS54から上記ステップS56へ移ることとなる。
また一方、上記図15に示すステップS4において、作成するテープ長を指定する操作、単位印字データを入力する操作、及び作成開始指示操作が、この時点でまだ全て受け付けられていない場合には、ステップS4の判定は満たされず(S4:No)、ステップS500へ移る。
<準備処理完了時に単位印字データが未取得の場合>
ステップS500では、CPU212は、上記第2テスト印刷処理を実行する。この第2テスト印刷処理の詳細内容は、上記図20のルーチンに示す処理と同様である。
上記ステップS500の第2テスト印刷処理が完了したら、ステップS9へ移り、CPU212は、上記ステップS8と同様、操作者により作成続行指示操作が行われたか否かを判定する。操作者により作成続行指示操作が行われない場合には、ステップS9の判定は満たされず(S9:No)、このフローチャートに示す処理が終了される。一方、操作者により作成続行指示操作が行われた場合には、ステップS9の判定が満たされて(S9:Yes)、ステップS10へ移る。
ステップS10では、CPU212は、上記ステップS1〜S3で開始された受け付けにおいて、作成するテープ長を指定する操作、単位印字データを入力する操作、及び作成開始指示操作が、全て受け付けられたか否かを判定する。作成するテープ長を指定する操作、単位印字データを入力する操作、及び作成開始指示操作が、まだ全て受け付けられていない場合には、ステップS10の判定は満たされず(S10:No)、全て受け付けられるまでループ待機する。作成するテープ長を指定する操作、単位印字データを入力する操作、及び作成開始指示操作が、全て受け付けられた場合には、ステップS10の判定が満たされて(S10:Yes)、ステップS11へ移る。
ステップS11では、CPU212は、上記ステップS5と同様、上記取得された単位印字データのオンドット率ODを算出する。
その後、ステップS12で、CPU212は、上記ステップS6と同様、上記ステップS11で算出されたオンドット率ODがしきい値OD0以上であるか否かを判定し、その判定結果に応じて、印刷装置1の駆動モードを第1又は第2モードに切り替える。すなわち、オンドット率ODがしきい値OD0以上である場合には、ステップS12の判定が満たされて(S12:Yes)、CPU212は、印刷装置1の駆動モードを第1モードに切り替え、ステップS500へ移る。
<準備処理完了時に単位印字データが未取得の場合の第1モード>
ステップS500では、CPU212は、上記第1テスト印刷処理を実行する。以下、図21を参照しつつ、この第1テスト印刷処理の詳細内容について説明する。
図21において、ステップS502では、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を開始することで、第1テスト印刷処理を開始する。これにより、上記粘着テープ150の搬送、テープ150−0の搬送、テープ150−1の搬送及び巻き取り、剥離材層151の巻き取りが開始される。
その後、ステップS504で、CPU212は、上記搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の制御に連携して、サーマルヘッド制御回路221に制御信号を出力し、サーマルヘッド11の発熱素子を連携して制御する。これにより、搬送ローラ12、巻芯41、及びサーマルヘッド11が協働して、粘着テープ150に対し、印字済み粘着テープロールR2における印字済み粘着テープ150″に含まれる複数個の単位印字イメージUの一部として、上記取得された単位印字データに対応した単位印字イメージUを1個印字形成する。
そして、ステップS508では、CPU212は、モータ駆動回路218,219,220に制御信号を出力し、搬送用モータM1、粘着巻取用モータM2、及び剥離紙巻取用モータM3の駆動を停止することで、第1テスト印刷処理を完了する。これにより、上記テープ搬送・巻き取りが停止される。以上により、このルーチンに示す処理が終了される。
図15〜図17において、上記ステップS500の第1テスト印刷処理が完了したら、上記図15に示すステップS16へ移り、以降は同様の手順が実行される。なお、ステップS500から移行する場合には、上記ステップS52では、印字済み粘着テープロールR2における印字済み粘着テープ150″に含まれる複数個の単位印字イメージUの残りとして、上記取得された単位印字データに対応した単位印字イメージUを複数個繰り返し印字形成することとなる。
一方、上記ステップS12において、オンドット率ODがしきい値OD0未満である場合には、ステップS12の判定は満たされず(S12:No)、CPU212は、印刷装置1の駆動モードを第2モードに切り替え、上記図17に示すステップS48へ移り、以降は同様の手順が実行される。なお、ステップS12から移行する場合には、上記ステップS53で入力されるクーリング開始信号は第1クーリング開始信号であり、上記ステップS54から上記ステップS56へ移ることとなる。
<制御フロー(その2)>
次に、図22を参照しつつ、前述の手法を実現するために、上記図15〜図21のフローチャートに示す処理とは別に、CPU212により実行される処理内容について説明する。なお、図22に示すフローチャートに示す処理は、上記図15〜図21のフローチャートに示す処理と同時並行して、CPU212により実行される。このような同時並行処理は、例えばコンピュータのOS等でしばしば行われる「マルチタスク処理」と同様の公知の方式により、1つのCPU212により実行されることができる。
図22において、まず、ステップS101で、CPU212は、上記図16に示すステップS44で出力される上記第1変更信号の入力を受け付ける。
その後、ステップS102で、CPU212は、上記本印刷処理が開始されたか否かを判定する。本印刷処理が開始されていない場合には、ステップS102の判定は満たされず(S102:No)、上記ステップS101に戻り同様の手順を繰り返す。一方、本印刷処理が開始されている場合には、ステップS102の判定が満たされて(S102:Yes)、ステップS104へ移る。
ステップS104では、CPU212は、上記ステップS101で第1変更信号が入力されたか否かを判定する。第1変更信号が入力されていない場合には、ステップS104の判定は満たされず(S104:No)、ステップS106へ移る。
ステップS106では、CPU212は、クーリング開始温度を、上記第1印刷中断停止温度T1aに設定する。
そして、ステップS108で、CPU212は、クーリング終了温度を、上記第1印刷再開温度T1bに設定する。
その後、ステップS110で、CPU212は、検出温度Tがクーリング開始温度としての第1印刷中断停止温度T1a以上となったか否かを判定する。検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1a未満である間は、ステップS110の判定は満たされず(S110:No)、検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1a以上となるまでループ待機する。検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1a以上となった場合には、ステップS110の判定が満たされて(S110:Yes)、ステップS112へ移る。
ステップS112では、CPU212は、上記第1クーリング開始信号を出力する。これにより、上記図17に示すステップS53の判定が満たされると共に、上記ステップS54から上記ステップS56へ移行して、当該ステップS56が実行されることで、上記テープ搬送・巻き取り及び印字形成(本印刷処理)が中断停止され、クーリングが実行される。
そして、ステップS114で、CPU212は、検出温度Tがクーリング終了温度としての第1印刷再開温度T1b以下となったか否かを判定する。検出温度Tが第1印刷再開温度T1bよりも高い間は、ステップS114の判定は満たされず(S114:No)、検出温度Tが第1印刷再開温度T1b以下となるまでループ待機する。検出温度Tが第1印刷再開温度T1b以下となった場合には、ステップS114の判定が満たされて(S114:Yes)、ステップS116へ移る。
ステップS116では、CPU212は、上記第1クーリング終了信号を出力する。これにより、上記図17に示すステップS58の判定が満たされて、上記ステップS68が実行されることで、上記テープ搬送・巻き取り及び印字形成(本印刷処理)が再開される。
その後、ステップS118で、CPU212は、上記本印刷処理が終了されたか否かを判定する。本印刷処理が終了されていない場合には、ステップS118の判定は満たされず(S118:No)、上記ステップS110に戻り同様の手順を繰り返す。一方、本印刷処理が終了されている場合には、ステップS118の判定が満たされて(S118:Yes)、このフローチャートに示す処理が終了される。
一方、上記ステップS104において、第1変更信号が入力されている場合には、ステップS104の判定が満たされて(S104:Yes)、ステップS120へ移る。
ステップS120では、CPU212は、クーリング開始温度を、上記第2印刷中断停止温度T2aに設定する。
そして、ステップS122で、CPU212は、クーリング終了温度を、上記第2印刷再開温度T2bに設定する。
その後、ステップS124で、CPU212は、検出温度Tがクーリング開始温度としての第2印刷中断停止温度T2a以上となったか否かを判定する。検出温度Tが第2印刷中断停止温度T2a未満である間は、ステップS124の判定は満たされず(S124:No)、検出温度Tが第2印刷中断停止温度T2a以上となるまでループ待機する。検出温度Tが第2印刷中断停止温度T2a以上となった場合には、ステップS124の判定が満たされて(S124:Yes)、ステップS126へ移る。
ステップS126では、CPU212は、上記第2クーリング開始信号を出力する。これにより、上記図17に示すステップS53の判定が満たされると共に、上記ステップS54から上記ステップS60へ移行して、当該ステップS60が実行されることで、上記テープ搬送・巻き取り及び印字形成(本印刷処理)が中断停止され、クーリングが実行される。
そして、ステップS126で、CPU212は、上記図17に示すステップS64で出力される上記第2変更信号の入力を受け付ける。
その後、ステップS128で、CPU212は、検出温度Tがクーリング終了温度としての第2印刷再開温度T2b以下となったか否かを判定する。検出温度Tが第2印刷再開温度T2bよりも高い間は、ステップS128の判定は満たされず(S128:No)、上記ステップS127に戻り同様の手順を繰り返す。検出温度Tが第2印刷再開温度T2b以下となった場合には、ステップS128の判定が満たされて(S128:Yes)、ステップS130へ移る。
ステップS130では、CPU212は、上記第2クーリング終了信号を出力する。これにより、上記図17に示すステップS66の判定が満たされて、上記ステップS68が実行されることで、上記テープ搬送・巻き取り及び印字形成(本印刷処理)が再開される。
そして、ステップS132で、CPU212は、上記本印刷処理が終了されたか否かを判定する。本印刷処理が終了されていない場合には、ステップS132の判定は満たされず(S132:No)、ステップS134へ移る。
ステップS134では、CPU212は、上記ステップS127で第2変更信号が入力されたか否かを判定する。第2変更信号が入力されていない場合には、ステップS134の判定は満たされず(S134:No)、上記ステップS124に戻り同様の手順を繰り返す。一方、第2変更信号が入力されている場合には、ステップS134の判定が満たされて(S134:Yes)、上記ステップS106へ移る。これにより、クーリング開始温度が第2印刷中断停止温度T2aから第1印刷中断停止温度T1aに変更される(戻される)。
一方、上記ステップS132において、本印刷処理が終了されている場合には、ステップS132の判定が満たされて(S132:Yes)、このフローチャートに示す処理が終了される。
なお、以上において、上記ステップS1を実行するCPU212が、各請求項記載の長さデータ取得手段として機能する。また、上記ステップS2を実行するCPU212が、各請求項記載の印字データ取得手段として機能する。また、上記ステップS5,S11を実行するCPU212が、各請求項記載の印字率算出手段として機能する。また、上記ステップS6,S12を実行するCPU212が、各請求項記載の切替手段として機能する。また、上記ステップS300,S500を実行するCPU212が、各請求項記載の試行印刷制御手段として機能する。また、上記ステップS16を実行するCPU212が、各請求項記載の推移算出手段として機能する。また、上記ステップS18,S24,S62を実行するCPU212が、各請求項記載の判定手段として機能すると共に、挙動予測手段として機能する。そして、これらステップS18,S24,S62のうち、ステップS18を実行するCPU212は、第1判定手段として機能し、ステップS24を実行するCPU212は、第2判定手段として機能し、ステップS62を実行するCPU212は、第3判定手段として機能する。また、上記ステップS30を実行するCPU212が、各請求項記載の待機制御手段として機能する。また、上記ステップS32を実行するCPU212が、各請求項記載の長さ算出手段として機能する。また、上記ステップS34を実行するCPU212が、各請求項記載の表示制御手段として機能する。また、上記ステップS44,S64,S106,S120を実行するCPU212が、各請求項記載の変更手段として機能する。また、上記ステップS56,S60,S112,S126を実行するCPU212が、各請求項記載の中断停止制御手段として機能する。また、上記ステップS68,S116,130を実行するCPU212が、各請求項記載の再開制御手段として機能する。また、上記ステップS48,S50,S52,S70,S72を実行するCPU212が、各請求項記載の本印刷制御手段として機能する。
<本実施形態による効果>
以上説明したように、本実施形態においては、本印刷処理が実行される前に、粘着テープ150に対し単位印字イメージUを1個印字形成する第1テスト印刷処理が実行される。そして、この第1テスト印刷処理が実行された際の検出温度T、予め定められた第1印刷中断停止温度T1a、及び、操作者の操作に対応して取得された指定長さデータに基づき、CPU212が、本印刷処理が実行される際の検出温度Tの挙動を予測する。
以上のようにして、本実施形態においては、本印刷処理が実行される前に、実際の単位印字イメージUを印字形成する第1テスト印刷処理を実行し、その際のサーマルヘッド11の温度を実測することにより、本印刷処理が実行される際のサーマルヘッド11の温度の挙動を精度良く予測することができる。これにより、印字済み粘着テープロールR2の円滑な作成が可能となるので、操作者にとっての利便性を向上することができる。
また、本実施形態では特に、第1テスト印刷処理が実行された際の複数の検出温度Tに基づき、当該第1テスト印刷処理の実行による検出温度Tの上昇度Trを算出する。そして、上昇度Tr、第1印刷中断停止温度T1a、及び指定長さデータに基づき、本印刷処理が実行される際の検出温度Tの挙動を予測する。これにより、本印刷処理が実行される際のサーマルヘッド11の温度の挙動をより精度良く予測することができる。
また、本実施形態では特に、本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止されるか否かを判定する。これにより、本印刷処理を開始した場合の中断停止の有無を、本印刷処理の開始前に把握することができ、印字済み粘着テープロールR2の円滑な作成を図ることが可能となる。
また、本実施形態では特に、開始時の検出温度Tを比較的高温の第1温度とする本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止されるか否かを判定する。そして、開始時の検出温度Tを第1温度とする本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止が実行されると判定された場合には、開始時の検出温度Tを比較的低温の第2温度とする本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止されるか否かを判定する。これにより、サーマルヘッド11が比較的高温のまま本印刷処理を開始した場合の中断停止の有無や、サーマルヘッド11が比較的低温なるまで待機してから本印刷処理を開始した場合の中断停止の有無を、本印刷処理の開始前に把握することができ、印字済み粘着テープロールR2の円滑な作成を図ることが可能となる。
また、本実施形態では特に、開始時の検出温度Tを比較的低温の第2温度とする本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止されないと判定された場合には、検出温度Tが第2温度以下となるまで本印刷処理を開始せず冷却待機する。これにより、本印刷処理を中断停止させることなく完遂させることができる。すなわち、中断停止実行(クーリング実行)の回避を図ることができる。この結果、印字済み粘着テープロールR2の円滑な作成を確実に図ることができる。
また、本実施形態では特に、本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止されると判定された場合には、クーリング開始温度を第1印刷中断停止温度T1aから第2印刷中断停止温度T2aへ変更する。これにより、例えば第2印刷中断停止温度T2aを粘着テープ150に裏移りが発生しない温度とすることで、粘着テープ150への裏移りを防止しつつ印字済み粘着テープロールR2の作成を行うことができる。この結果、作成される印字済み粘着テープロールR2における印字品質を向上することができる。
また、本実施形態では特に、クーリング開始温度を第2印刷中断停止温度T2aに変更して本印刷処理を開始した後、検出温度Tが第2印刷中断停止温度T2aまで上昇して本印刷処理が中断停止された際に、残りの印字長の印刷であれば検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1aまで上昇することなく完遂できるか否かを判定する。そして、残りの印字長の印刷であれば検出温度Tが第1印刷中断停止温度T1aまで上昇することなく完遂できると判定した場合には、クーリング開始温度を第1印刷中断停止温度T1aに戻して再開後の本印刷処理を実行する。これにより、再開後の本印刷処理を中断停止させることなく完遂させることができる。この結果、上述のように粘着テープ150への裏移りを防止しつつ印字済み粘着テープロールR2の作成を行う場合でも、中断停止回数を最小限に抑えることができる。この結果、印字済み粘着テープロールR2の円滑な作成を確実に図ることができる。
また、本実施形態では特に、本印刷処理が完遂するまでの間に当該本印刷処理が中断停止されると判定された場合には、本印刷処理が中断停止されることなく完遂可能なテープ長を算出し、その算出したテープ長に基づき、作成可能な(例えば最大の)テープ長を表示部215に表示する。これにより、操作者は、中断停止されることなく作成可能なテープ長を、本印刷処理の開始前に認識することができるので、操作者にとっての利便性を確実に向上することができる。
また、本実施形態では特に、単位印字データのオンドット率ODに基づき、第1テスト印刷処理及び上述の検出温度Tの挙動予測を行った後に本印刷処理を実行する第1モードと、第1テスト印刷処理及び上述の検出温度Tの挙動予測をいずれも行わずに本印刷処理を実行する第2モードとを切り替える。これにより、サーマルヘッド11の温度が高温になりやすい傾向となる、単位印字データのオンドット率ODが比較的高い場合には、第1モードに切り替え、上述の検出温度Tの挙動予測を行った上で本印刷処理を実行することで、印字済み粘着テープロールR2の円滑な作成を図ることができる。一方、サーマルヘッド11の温度があまり高温にならない傾向となる、単位印字データのオンドット率ODが比較的低い場合には、第2モードに切り替え、上述の検出温度Tの挙動予測を行うことなく本印刷処理を実行することで、処理内容を簡素化することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
なお、以上の説明において、「垂直」「平行」「平面」等の記載がある場合には、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「垂直」「平行」「平面」等とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に垂直」「実質的に平行」「実質的に平面」等という意味である。
また、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」等とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」等という意味である。但し、例えばしきい値(上記ステップS6,S12,S110,S114,S124,S128参照)や基準値等、所定の判定基準となる値あるいは区切りとなる値の記載がある場合は、それらに対しての「同一」「等しい」「異なる」等は、上記とは異なり、厳密な意味である。
また、図6中に示す矢印は、信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、図15〜図22に示すフローチャートやルーチンは、本発明を図示する手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。