JP6296474B2 - エレベータ - Google Patents

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Description

この発明は、かご及び釣合おもり間にコンペン部材が吊り下がっているエレベータに関するものである。
従来、かご側と釣合おもり側との間の釣合バランスを補償するために、かご及び釣合おもり間にバランスチェーンを吊り下げたエレベータが知られている。従来のエレベータでは、バランスチェーンの一端部がかごの下部に接続され、バランスチェーンの他端部が釣合おもりの下部に接続されている(特許文献1参照)。
実開昭61−11677号公報
従来のエレベータでは、かごの位置が最上階の位置になると、かごの下部にかかるバランスチェーンの荷重が大きくなるので、かごの下部を強化する必要があり、コストが増大してしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、コストの低減化を図ることができるエレベータを得ることを目的とする。
この発明によるエレベータは、かご、釣合おもり、かごの下部に互いに平行に設けられた一対の梁と、一対の梁間に配置され一対の梁に支持されたかご吊り車とを有するかご吊り車装置、釣合おもりに設けられたおもり吊り車、かご吊り車及びおもり吊り車に巻き掛けられ、かご及び釣合おもりを吊り下げる主索、及び一対の梁のうち一方の梁にのみ接続された第1の端部と釣合おもりに接続された第2の端部とを持つ索状体を有し、一方の梁及び釣合おもり間に吊り下がるコンペン部材を備え、第1の端部は、鉛直方向に沿って見たとき、一方の梁の領域内に位置している。
この発明によるエレベータによれば、かご吊り車装置の梁及び釣合おもりのそれぞれにコンペン部材が接続されているので、かごを吊る主索からの上向きの荷重がかかる梁に、上向きの荷重を相殺する方向へコンペン部材の下向きの荷重がかかるようにすることができ、梁の強度を増大させる必要がなくなる。また、索状体の第1の端部が一方の梁にのみ接続されているので、一対の梁間に跨って固定される部品をなくすことができ、部品点数を削減して構成を簡素化することができる。これにより、コストの低減化を図ることができる。さらに、鉛直方向に沿って見たとき索状体の第1の端部が一方の梁の領域内に位置しているので、かごの下部での保守作業時にコンペン部材が邪魔にならないようにすることができ、保守作業を容易にすることができる。
この発明の実施の形態1によるエレベータを示す斜視図である。 図1のかご及び釣合おもりを下方から見たときの状態を示す下面図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 図2の一方のコンペンチェーンに重なる直線と、一方のU字ボルト及び一方のアングル材との関係を示す模式的な平面図である。 図4の一方のU字ボルト及び一方のアングル材に対する一方のコンペンチェーンの接続状態を示す模式的な側面図である。 この発明の実施の形態2によるエレベータのかご及び釣合おもりを下方から見たときの状態を示す下面図である。 図6のVII−VII線に沿った断面図である。
以下、この発明の好適な実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータを示す斜視図である。また、図2は、図1のかご及び釣合おもりを下方から見たときの状態を示す下面図である。図において、昇降路1内には、一対のかごガイドレール2と、一対の釣合おもりガイドレール3とがそれぞれ鉛直に設置されている。一対のかごガイドレール2及び一対の釣合おもりガイドレール3のそれぞれの下端部は、昇降路1の底面に固定されている。この例では、鉛直方向に沿って昇降路1を見たとき、一対のかごガイドレール2間を結ぶ直線が、一対の釣合おもりガイドレール3間を結ぶ直線に対して直交している。
一対のかごガイドレール2間にはかご4が配置され、一対の釣合おもりガイドレール3間には釣合おもり5が配置されている。かご4は、一対のかごガイドレール2に案内されながら上下方向へ移動可能になっている。釣合おもり5は、一対の釣合おもりガイドレール3に案内されながら上下方向へ移動可能になっている。
かご4は、下枠41を含むかご枠と、下枠41が固定されたかご本体42とを有している。下枠41は、かご本体42の下部に水平に固定されている。また、下枠41は、鉛直方向に沿ってかご4を見たとき、一対のかごガイドレール2間を結ぶ直線上に配置されている。
下枠41には、一対の非常止め装置43が設けられている。一対の非常止め装置43のうち、一方の非常止め装置43は一方のかごガイドレール2に対向し、他方の非常止め装置43は他方のかごガイドレール2に対向している。かご4の速度が過大になったときには、各非常止め装置43が各かごガイドレール2を個別に把持することによりかご4に制動力が与えられ、かご4が停止される。
昇降路1内の上部には、かご4及び釣合おもり5を移動させる駆動力を発生する駆動装置である巻上機6が設けられている。巻上機6は、昇降路1内の上部に配置された図示しない機械台に支持されている。機械台は、一対のかごガイドレール2及び一対の釣合おもりガイドレール3のそれぞれの上端部の少なくともいずれかに固定されている。このように、この例のエレベータは、機械室を持たない機械室レスエレベータとなっている。
巻上機6は、モータを含む巻上機本体61と、巻上機本体61に設けられた駆動シーブ62とを有している。駆動シーブ62は、巻上機本体61の駆動力により回転される。この例では、巻上機6の径方向寸法が巻上機6の軸線方向寸法よりも大きくなっている。また、この例では、駆動シーブ62の軸線を水平にして巻上機6が配置されている。
かご4の下部には、第1のかご吊り車装置7及び第2のかご吊り車装置8が下枠41を避けて設けられている。第1及び第2のかご吊り車装置7,8は、かご本体42を下から受けた状態で水平に配置されている。また、第1及び第2のかご吊り車装置7,8は、鉛直方向に沿ってかご4を見たとき、一対のかごガイドレール2間を結ぶ直線に関して互いに反対側に配置されている。即ち、鉛直方向に沿ってかご4を見たとき、一対のかごガイドレール2間を結ぶ直線が第1のかご吊り車装置7と第2のかご吊り車装置8との間を通っている。この例では、鉛直方向に沿ってかご4を見たとき、図2に示すように、一対のかごガイドレール2間を結ぶ直線に関して第1及び第2のかご吊り車装置7,8が対称の位置に配置されている。
第1のかご吊り車装置7は、かご本体42の下面に水平に固定された一対の第1の梁71と、一対の第1の梁71に支持された2つの第1のかご吊り車72,73とを有している。一対の第1の梁71は、互いに平行に配置されている。各第1のかご吊り車72,73は、第1の梁71の長手方向へ互いに離して配置されている。また、各第1のかご吊り車72,73は、一対の第1の梁71間に配置されている。
第2のかご吊り車装置8は、かご本体42の下面に水平に固定された一対の第2の梁81と、一対の第2の梁81に支持された2つの第2のかご吊り車82,83とを有している。一対の第2の梁81は、互いに平行に配置されている。各第2のかご吊り車82,83は、第2の梁81の長手方向へ互いに離して配置されている。また、各第2のかご吊り車82,83は、一対の第2の梁81間に配置されている。
この例では、鉛直方向に沿ってかご4を見たとき、図2に示すように、各第1の梁71及び各第2の梁81が、一対のかごガイドレール2間を結ぶ直線と平行に配置されている。また、この例では、各第1のかご吊り車72,73及び各第2のかご吊り車82,83のそれぞれの軸線が、一対のかごガイドレール2間を結ぶ直線と直交している。
各第1の梁71は、下部梁材711と、下部梁材711の上方でかご本体42の下面に固定された上部梁材712とを有している。下部梁材711及び上部梁材712は、第1の梁71の長手方向に沿って配置されている。また、下部梁材711及び上部梁材712は、互いに連結されている。各第1のかご吊り車72,73は、各下部梁材711に取り付けられている。この例では、上部梁材712の長さが下部梁材711の長さよりも長くなっている。これにより、上部梁材712の長手方向端部は、鉛直方向に沿って見たとき、図2に示すように、下部梁材711の長手方向端部から第1の梁71の長手方向外側へ突出している。
各第2の梁81は、下部梁材811と、下部梁材811の上方でかご本体42の下面に固定された上部梁材812とを有している。下部梁材811及び上部梁材812は、第2の梁81の長手方向に沿って配置されている。また、下部梁材811及び上部梁材812は、互いに連結されている。各第2のかご吊り車82,83は、各下部梁材811に取り付けられている。この例では、上部梁材812の長さが下部梁材811の長さよりも長くなっている。これにより、上部梁材812の長手方向端部は、鉛直方向に沿って見たとき、図2に示すように、下部梁材811の長手方向端部から第2の梁81の長手方向外側へ突出している。
釣合おもり5の上部には、第1のおもり吊り車9及び第2のおもり吊り車10が設けられている。この例では、鉛直方向に沿って釣合おもり5を見たとき、第1及び第2のおもり吊り車9,10が、一対の釣合おもりガイドレール3間を結ぶ直線に沿った方向へ互いに離して配置されている。また、この例では、鉛直方向に沿って釣合おもり5を見たとき、第1及び第2のおもり吊り車9,10のそれぞれの軸線が、一対の釣合おもりガイドレール3間を結ぶ直線と直交している。
釣合おもり5の下部の中央には、緩衝器受け部材31が設けられている。釣合おもり5が下降して、昇降路1内の底部に設けられた図示しないおもり側緩衝器の位置に釣合おもり5が達した場合には、釣合おもり5は緩衝器受け部材31を介しておもり側緩衝器に衝突する。これにより、釣合おもり5の衝撃が緩和される。
昇降路1内の上部にはまた、2つのかご側返し車11,12、1つの釣合おもり側返し車13、第1の綱止め装置14及び第2の綱止め装置15が設けられている。この例では、鉛直方向に沿って昇降路1を見たとき、各かご側返し車11,12及び釣合おもり側返し車13のそれぞれの軸線が、一対のかごガイドレール2間を結ぶ直線と平行になっている。また、この例では、各かご側返し車11,12、釣合おもり側返し車13、第1の綱止め装置14及び第2の綱止め装置15も、巻上機6と同様に、昇降路1内の上部に配置された図示しない機械台に支持されている。
かご4及び釣合おもり5は、複数本の主索16により昇降路1内に吊り下げられている。主索16としては、例えばロープ又はベルト等が用いられている。主索16の一端部は第1の綱止め装置14に接続され、主索16の他端部は第2の綱止め装置15に接続されている。主索16は、第1の綱止め装置14から、各第1のかご吊り車72,73、各かご側返し車11,12、各第2のかご吊り車83,82、駆動シーブ62、第2のおもり吊り車10、釣合おもり側返し車13、第1のおもり吊り車9の順に巻き掛けられ、第2の綱止め装置15に達している。これにより、この例では、主索16によるかご4及び釣合おもり5の吊り下げ方式が4:1ローピング方式になっている。
かご4及び釣合おもり5間には、かご4側と釣合おもり5側との間の釣合バランスを補償するコンペン部材として、一対の索状体であるコンペンチェーン24a,24bが吊り下がっている。各コンペンチェーン24a,24bは、複数のリングを連続して繋げることにより構成されている。従って、各コンペンチェーン24a,24bは、複数のリングの相対的な変位で自在に曲がるようになっている。各コンペンチェーン24a,24bでは、コンペンチェーン24a,24bの周方向についてのリングの向きを交互に直交させながら、複数のリングが連続して繋がっている。
かご4及び釣合おもり5間に吊り下がっている一対のコンペンチェーン24a,24bのうち、一方のコンペンチェーン24aは第1の梁71及び釣合おもり5間に吊り下がっており、他方のコンペンチェーン24bは第2の梁81及び釣合おもり5間に吊り下がっている。
これにより、第1の梁71には、かご4を主索16で吊ることによる上向きの荷重と、一方のコンペンチェーン24aを第1の梁71で吊ることによる下向きの荷重とがかかっている。また、第2の梁81には、かご4を主索16で吊ることによる上向きの荷重と、他方のコンペンチェーン24bを第2の梁81で吊ることによる下向きの荷重とがかかっている。
一対のコンペンチェーン24a,24bのそれぞれは、かご側端部である第1の端部と、釣合おもり側端部である第2の端部とを有している。一方のコンペンチェーン24aの第1の端部は、一対の第1の梁71のうち一方の第1の梁71にのみ接続されている。この例では、一対の第1の梁71のうち釣合おもり5に近い側の第1の梁71に、一方のコンペンチェーン24aの第1の端部が接続されている。また、この例では、第1の梁71の上部梁材712の釣合おもり5側の端部に、一方のコンペンチェーン24aの第1の端部が接続されている。さらに、一方のコンペンチェーン24aの第1の端部は、鉛直方向に沿って見たとき、図2に示すように、一方の第1の梁71の領域内に位置している。一方のコンペンチェーン24aの第2の端部は、釣合おもり5の下部に接続されている。また、一方のコンペンチェーン24aの第2の端部は、鉛直方向に沿って見たとき、釣合おもり5の領域内に位置している。
他方のコンペンチェーン24bの第1の端部は、一対の第2の梁81のうち一方の第2の梁81にのみ接続されている。この例では、一対の第2の梁81のうち釣合おもり5に近い側の第2の梁81に、他方のコンペンチェーン24bの第1の端部が接続されている。また、この例では、第2の梁81の上部梁材812の釣合おもり5側の端部に、他方のコンペンチェーン24bの第1の端部が接続されている。さらに、他方のコンペンチェーン24bの第1の端部は、鉛直方向に沿って見たとき、図2に示すように、一方の第2の梁81の領域内に位置している。他方のコンペンチェーン24bの第2の端部は、釣合おもり5の下部に接続されている。また、他方のコンペンチェーン24bの第2の端部は、鉛直方向に沿って見たとき、釣合おもり5の領域内に位置している。各コンペンチェーン24a,24bのそれぞれがかご4及び釣合おもり5間に吊り下げられている状態では、各コンペンチェーン24a,24bのそれぞれの下端部に湾曲部が形成されている。
図3は、図2のIII−III線に沿った断面図である。第1の梁71には第1の接続具であるU字ボルト21aが直接固定され、第2の梁81には第1の接続具であるU字ボルト21bが直接固定されている。一方のU字ボルト21aは、一方の第1の梁71の上部梁材712の釣合おもり5側の端部に固定されている。また、一方のU字ボルト21aは、鉛直方向に沿って見たとき、図2に示すように、一方の第1の梁71の領域内に位置している。他方のU字ボルト21bは、一方の第2の梁81の上部梁材812の釣合おもり5側の端部に固定されている。また、他方のU字ボルト21bは、鉛直方向に沿って見たとき、図2に示すように、一方の第2の梁81の領域内に位置している。
釣合おもり5の下面には、第2の接続具である一対のアングル材22a,22bが固定されている。各アングル材22a,22bの断面形状は、L字状になっている。一対のアングル材22a,22bは、釣合おもり5の幅方向について互いに離して配置されている。これにより、鉛直方向に沿ってかご4及び釣合おもり5を見たときには、釣合おもり5の中央に配置された緩衝器受け部材31よりも第1の梁71に近い位置に一方のアングル材22aが配置され、緩衝器受け部材31よりも第2の梁81に近い位置に他方のアングル材22bが配置されている。また、一対のアングル材22a,22bのそれぞれには、チェーン接続用の貫通穴が形成されている。
第1の梁71に固定されている一方のU字ボルト21aには一方のコンペンチェーン24aの第1の端部が掛けられ、釣合おもり5に固定されている一方のアングル材22aには貫通穴を利用して一方のコンペンチェーン24aの第2の端部が掛けられている。即ち、一方のコンペンチェーン24aは、一方のU字ボルト21aを介して一方の第1の梁71に接続され、一方のアングル材22aを介して釣合おもり5に接続されている。
第2の梁81に固定されている他方のU字ボルト21bには他方のコンペンチェーン24bの第1の端部が掛けられ、釣合おもり5に固定されている他方のアングル材22bには貫通穴を利用して他方のコンペンチェーン24bの第2の端部が掛けられている。即ち、他方のコンペンチェーン24bは、他方のU字ボルト21bを介して一方の第2の梁81に接続され、他方のアングル材22bを介して釣合おもり5に接続されている。
ここで、各U字ボルト21a,21bが第1及び第2の梁71,81に固定されていることから、鉛直方向に沿ってかご4を見たときの各U字ボルト21a,21bの位置は、第1及び第2のかご吊り車装置7,8の位置によって決まる。また、鉛直方向に沿ってかご4を見たときの第1及び第2のかご吊り車装置7,8の位置は、各かご側返し車11,12、駆動シーブ62、釣合おもり5の位置及び大きさ等によって決まる。
一方、鉛直方向に沿って釣合おもり5を見たときの各アングル材22a,22bの位置は、釣合おもり5の図示しないガイドシュー及び緩衝器受け部材31を避けた位置になる。このようなことから、一対のコンペンチェーン24a,24bを昇降路1の幅方向に沿って平行に配置することができない場合がある。
従って、本実施の形態では、鉛直方向に沿って昇降路1を見たとき、図2に示すように、一方のコンペンチェーン24aに重なる直線Aと、他方のコンペンチェーン24bに重なる直線Bとが、平行ではなく、互いに交差する直線となっている。即ち、鉛直方向に沿って昇降路1を見たとき、一方のコンペンチェーン24aの第1及び第2の端部間を結ぶ直線Aと、他方のコンペンチェーン24bの第1及び第2の端部間を結ぶ直線Bとは、平行ではない。これにより、本実施の形態では、鉛直方向に沿って昇降路1を見たとき、一方のコンペンチェーン24aに重なる直線Aが一対の第1の梁71の長手方向に沿った直線に対して傾斜しており、他方のコンペンチェーン24bに重なる直線Bが一対の第2の梁81の長手方向に沿った直線に対して傾斜している。また、この例では、鉛直方向に沿って昇降路1を見たとき、一対のコンペンチェーン24a,24bのそれぞれに重なる2本の直線A,B間の距離が、釣合おもり5からかご4に向かって連続的に広がっている。
ここで、図4は、図2の一方のコンペンチェーン24aに重なる直線Aと、一方のU字ボルト21a及び一方のアングル材22aとの関係を示す模式的な平面図である。また、図5は、図4の一方のU字ボルト21a及び一方のアングル材22aに対する一方のコンペンチェーン24aの接続状態を示す模式的な側面図である。鉛直方向に沿って昇降路1を見たときには、図4に示すように、一方のU字ボルト21a及び一方のアングル材22aのそれぞれが、一方のコンペンチェーン24aに重なる直線A上に配置され、かつ一方のコンペンチェーン24aに重なる直線Aに沿った状態で配置されている。また、鉛直方向に沿って昇降路1を見たときには、他方のU字ボルト21b及び他方のアングル材22bのそれぞれが、他方のコンペンチェーン24bに重なる直線B上に配置され、かつ他方のコンペンチェーン24bに重なる直線Bに沿った状態で配置されている。これにより、鉛直方向に沿って昇降路1を見たときには、図2に示すように、一方のコンペンチェーン24aに重なる直線Aと、他方のコンペンチェーン24bに重なる直線Bとが互いに平行になっていないことから、各U字ボルト21a,21bが互いに平行にはなっておらず、各アングル材22a,22bも互いに平行にはなっていない。これにより、各コンペンチェーン24a,24bのそれぞれでは、第1及び第2の端部における周方向へのねじれが回避されている。
次に、動作について説明する。巻上機6が駆動されて駆動シーブ62が回転すると、主索16が駆動シーブ62の回転に応じて移動し、かご4及び釣合おもり5が駆動シーブ62の回転に応じて互いに反対方向へ上下に移動する。このとき、各コンペンチェーン24a,24bは、湾曲部の位置を保ちながら、かご4及び釣合おもり5の移動に応じて移動する。また、このとき、各コンペンチェーン24a,24bのそれぞれに周方向のねじれがないことから、かご4及び釣合おもり5が移動しても、横揺れの力が各コンペンチェーン24a,24bに加わりにくくなる。
かご4が上昇し釣合おもり5が下降するときには、各コンペンチェーン24a,24bのそれぞれの湾曲部に対して、かご4が上方へ遠ざかり、釣合おもり5が上方から近づく。これにより、第1の梁71にかかるコンペンチェーン24aの荷重及び第2の梁81にかかるコンペンチェーン24bの荷重のそれぞれが大きくなり、釣合おもり5にかかる各コンペンチェーン24a,24bのそれぞれの荷重が小さくなる。
これに対して、かご4が下降し釣合おもり5が上昇するときには、各コンペンチェーン24a,24bのそれぞれの湾曲部に対して、釣合おもり5が上方へ遠ざかり、かご4が上方から近づく。これにより、第1の梁71にかかるコンペンチェーン24aの荷重及び第2の梁81にかかるコンペンチェーン24bの荷重のそれぞれが小さくなり、釣合おもり5にかかる各コンペンチェーン24a,24bのそれぞれの荷重が大きくなる。
このようにして、主索16の移動によって生じるかご4側と釣合おもり5側との間の釣合バランスの偏りが、かご4側と釣合おもり5側との間での各コンペンチェーン24a,24bの荷重の変動によって補償される。
このようなエレベータでは、一方のコンペンチェーン24aの第1の端部が一方の第1の梁71にのみ接続され、他方のコンペンチェーン24bの第1の端部が一方の第2の梁81にのみ接続されているので、一対の第1の梁71間に跨って固定される部品及び一対の第2の梁81間に跨って固定される部品をなくすことができ、部品点数を削減して構成を簡素化することができる。また、第1の梁71及び釣合おもり5間に一方のコンペンチェーン24aが吊り下がっているので、かご4を吊る主索16からの上向きの荷重がかかる第1の梁71に、上向きの荷重を相殺する方向へ一方のコンペンチェーン24aの下向きの荷重がかかるようにすることができ、第1の梁71の強度を増大させないようにすることができる。さらに、第2の梁81及び釣合おもり5間に他方のコンペンチェーン24bが吊り下がっているので、第1の梁71と同様に、第2の梁81の強度を増大させないようにすることができる。このようなことから、コストの低減化を図ることができる。また、一方のコンペンチェーン24aの第1の端部が鉛直方向に沿って見たとき一方の第1の梁71の領域内に位置し、他方のコンペンチェーン24bの第1の端部が鉛直方向に沿って見たとき一方の第2の梁81の領域内に位置しているので、各コンペンチェーン24a,24bの接続スペースをかご本体42の下部に確保する必要がなくなり、かご本体42の下部での作業空間を広くすることができる。これにより、かご本体42の下部に設置された機器の保守作業を行うときにコンペンチェーン24aが邪魔にならないようにすることができ、保守作業の手間の軽減化を図ることができる。なお、かご本体42の下部に設置された機器としては、例えば非常止め装置43、第1及び第2のかご吊り車72,73,82,83等が挙げられる。
また、鉛直方向に沿って見たとき、一方のコンペンチェーン24aに重なる直線Aが一対の第1の梁71の長手方向に沿った直線に対して傾斜し、他方のコンペンチェーン24bに重なる直線Bが一対の第2の梁81の長手方向に沿った直線に対して傾斜しているので、第1及び第2の吊り車装置7,8の位置が釣合おもり5の幅方向端部よりも水平方向について外側に配置されている場合であっても、コンペンチェーン24a,24bを接続するための梁材を第1及び第2の吊り車装置7,8から水平方向へ延ばさずに、コンペンチェーン24a,24bを第1及び第2の梁71,81に直接繋ぐことができる。これにより、構成を簡素化してコストの低減化を図ることができるとともに、かご本体42の下部での作業空間を広くして保守作業の手間の軽減化を図ることもできる。
また、鉛直方向に沿って見たときに、一方のU字ボルト21a及び一方のアングル材22aのそれぞれが、一方のコンペンチェーン24aに重なる直線Aに沿った状態で配置されているので、一方のコンペンチェーン24aの周方向へのねじれをなくすことができる。これにより、コンペンチェーン24aの下端部に形成された湾曲部にかご4又は釣合おもり5が近づいたときでも、ねじれによる横方向への力がコンペンチェーン24aに生じにくくなり、一方のコンペンチェーン24aを横揺れしにくくすることができる。また、鉛直方向に沿って見たときに、他方のU字ボルト21b及び他方のアングル材22bのそれぞれも、他方のコンペンチェーン24bに重なる直線Bに沿った状態で配置されているので、一方のコンペンチェーン24aと同様に、ねじれによる横方向への力がコンペンチェーン24bに生じにくくなり、他方のコンペンチェーン24bを横揺れしにくくすることができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、一方のコンペンチェーン24aの第1の端部が第1の梁71の上部梁材712に接続され、他方のコンペンチェーン24bの第1の端部が第2の梁81の上部梁材812に接続されているが、一方のコンペンチェーン24aの第1の端部を第1の梁71の下部梁材711に接続し、他方のコンペンチェーン24bの第1の端部を第2の梁81の下部梁材811に接続してもよい。
即ち、図6は、この発明の実施の形態2によるエレベータのかご及び釣合おもりを下方から見たときの状態を示す下面図である。また、図7は、図6のVII−VII線に沿った断面図である。各第1の梁71では、下部梁材711の長さが上部梁材712の長さよりも長くなっている。また、各第2の梁81では、下部梁材811の長さが上部梁材812の長さよりも長くなっている。
一方のコンペンチェーン24aの第1の端部は、一対の第1の梁71のうち、釣合おもり5に近い側の一方の第1の梁71にのみ接続されている。また、一方のコンペンチェーン24aの第1の端部は、第1の梁71の下部梁材711の釣合おもり5側の端部に接続されている。さらに、一方のコンペンチェーン24aの第1の端部は、鉛直方向に沿って見たとき、一方の第1の梁71の領域内に位置している。
他方のコンペンチェーン24bの第1の端部は、一対の第2の梁81のうち、釣合おもり5に近い側の一方の第2の梁81にのみ接続されている。また、他方のコンペンチェーン24bの第1の端部は、第2の梁81の下部梁材811の釣合おもり5側の端部に接続されている。さらに、他方のコンペンチェーン24bの第1の端部は、鉛直方向に沿って見たとき、一方の第2の梁81の領域内に位置している。
一方のU字ボルト21aは、一方の第1の梁71の下部梁材711の釣合おもり5側の端部に固定されている。また、一方のU字ボルト21aは、鉛直方向に沿って見たとき、図6に示すように、一方の第1の梁71の領域内に位置している。他方のU字ボルト21bは、一方の第2の梁81の下部梁材811の釣合おもり5側の端部に固定されている。また、他方のU字ボルト21bは、鉛直方向に沿って見たとき、図6に示すように、一方の第2の梁81の領域内に位置している。他の構成は実施の形態1と同様である。
このようなエレベータでは、一方のコンペンチェーン24aの第1の端部が一方の第1の梁71の下部梁材711に接続され、他方のコンペンチェーン24bの第1の端部が一方の第2の梁81の下部梁材811に接続されているので、第1の梁71に対する一方のコンペンチェーン24aの接続作業を容易にすることができるとともに、第2の梁81に対する他方のコンペンチェーン24bの接続作業を容易にすることができる。
なお、各上記実施の形態では、鉛直方向に沿って見たときに、一方のU字ボルト21a及び一方のアングル材22aのそれぞれが、一方のコンペンチェーン24aに重なる直線Aに沿った状態で配置されているが、これに限定されず、一方のU字ボルト21aが、一方のコンペンチェーン24aに重なる直線Aと直交した状態で配置されていてもよいし、一方のアングル材22aが、一方のコンペンチェーン24aに重なる直線Aと直交した状態で配置されていてもよい。このようにしても、一方のコンペンチェーン24aのねじれをなくすことができ、一方のコンペンチェーン24aを横揺れしにくくすることができる。
また、各上記実施の形態では、鉛直方向に沿って見たときに、他方のU字ボルト21b及び他方のアングル材22bのそれぞれも、他方のコンペンチェーン24bに重なる直線Bに沿った状態で配置されているが、これに限定されず、他方のU字ボルト21bが、他方のコンペンチェーン24bに重なる直線Bと直交した状態で配置されていてもよいし、他方のアングル材22bが、他方のコンペンチェーン24bに重なる直線Bと直交した状態で配置されていてもよい。このようにしても、他方のコンペンチェーン24bのねじれをなくすことができ、他方のコンペンチェーン24bを横揺れしにくくすることができる。
また、各上記実施の形態では、第1の梁71及び釣合おもり5間に一方のコンペンチェーン24aが吊り下がり、第2の梁81及び釣合おもり5間に他方のコンペンチェーン24bが吊り下がっているが、第1の梁71及び釣合おもり5間にのみコンペンチェーン24aを吊り下げてもよいし、第2の梁81及び釣合おもり5間にのみコンペンチェーン24bを吊り下げてもよい。このようにしても、第1及び第2の梁71,81の強度を増大しなくてもよくなり、コストの低減化を図ることができる。
また、各上記実施の形態では、かご4及び釣合おもり5の吊り下げ方式が4:1ローピング方式となっているが、かご4及び釣合おもり5の吊り下げ方式を2:1ローピング方式としてもよい。この場合、かご側返し車11,12及び釣合おもり側返し車13がなくなるとともに、第1のかご吊り車装置7と同様の構成のかご吊り車装置がかご4の下部に設けられ、第1のおもり吊り車9と同様の構成のおもり吊り車が釣合おもり5の上部に設けられる。また、この場合、第1及び第2の綱止め装置14,15に接続された主索16が、第1の綱止め装置14から、かご吊り車装置の各かご吊り車、駆動シーブ62、おもり吊り車の順に巻き掛けられ、第2の綱止め装置15に達するように昇降路1内に設けられる。さらに、この場合、かご吊り車装置の梁及び釣合おもり5間に索状体であるコンペンチェーンがコンペン部材として吊り下がる。
また、各上記実施の形態では、第1の梁71及び釣合おもり5間に吊り下がるコンペン部材としてコンペンチェーン24aが用いられているが、これに限定されず、第1の梁71及び釣合おもり5間に吊り下がるコンペン部材として、例えばワイヤを撚り合わせた索状体であるコンペンロープを用いてもよいし、第1及び第2の端部を持つコンペンチェーンを被覆材で被覆した索状体であるコンペンケーブルを用いてもよい。コンペンケーブルの弾性材の材料としては、例えばゴム等が挙げられる。
また、各上記実施の形態では、第2の梁81及び釣合おもり5間に吊り下がるコンペン部材としてコンペンチェーン24bが用いられているが、これに限定されず、第2の梁81及び釣合おもり5間に吊り下がるコンペン部材として、例えばワイヤを撚り合わせた索状体であるコンペンロープを用いてもよいし、第1及び第2の端部を持つコンペンチェーンを弾性材で被覆した索状体であるコンペンケーブルを用いてもよい。コンペンケーブルの弾性材の材料としては、例えばゴム等が挙げられる。
また、各上記実施の形態では、第1及び第2の梁71,81に固定されている第1の接続具がU字ボルト21a,21bとなっているが、コンペン部材の接続用の貫通穴が設けられたアングル材を第1の接続具としてもよい。さらに、上記の例では、釣合おもり5に固定されている第2の接続具がアングル材となっているが、U字ボルトを第2の接続具としてもよい。

Claims (3)

  1. かご、
    釣合おもり、
    前記かごの下部に互いに平行に設けられた一対の梁と、前記一対の梁間に配置され前記一対の梁に支持されたかご吊り車とを有するかご吊り車装置、
    前記釣合おもりに設けられたおもり吊り車、
    前記かご吊り車及び前記おもり吊り車に巻き掛けられ、前記かご及び前記釣合おもりを吊り下げる主索、及び
    前記一対の梁のうち一方の前記梁にのみ接続された第1の端部と前記釣合おもりに接続された第2の端部とを持つ索状体を有し、前記一方の梁及び前記釣合おもり間に吊り下がるコンペン部材
    を備え、
    前記第1の端部は、鉛直方向に沿って見たとき、前記一方の梁の領域内に位置しているエレベータ。
  2. 鉛直方向に沿って見たとき、前記索状体に重なる直線が前記一対の梁の長手方向に沿った直線に対して傾斜している請求項1に記載のエレベータ。
  3. 前記索状体は、チェーンであり、
    前記一方の梁には、第1の接続具が固定され、
    前記釣合おもりには、第2の接続具が固定され、
    前記第1の接続具は、U字ボルトであり、
    前記第2の接続具は、板状部を有し、
    前記板状部には、貫通穴が形成され、
    前記チェーンは、前記第1の端部が前記U字ボルトに掛けられることにより前記一方の梁に接続され、前記第2の端部が前記貫通穴を利用して前記板状部に掛けられることにより前記釣合おもりに接続されており、
    前記U字ボルトは、鉛直方向に沿って見たとき、前記チェーンに重なる直線に沿った状態、及び前記チェーンに重なる直線と直交した状態のいずれかの状態で配置され、
    前記板状部は、鉛直方向に沿って見たとき、前記チェーンに重なる直線に沿った状態、及び前記チェーンに重なる直線と直交した状態のいずれかの状態で配置されている請求項1又は請求項2に記載のエレベータ。
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