JP6286963B2 - 積層体および筐体 - Google Patents
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Description
(1)第1組成物で構成される熱伝導層と第2組成物で構成される強度層を有し、かつ、最外層が前記強度層からなる積層体であって、前記積層体の曲げ強さは200MPa以上であり、前記熱伝導層の、レーザーフラッシュ法により測定した平面方向の熱伝導率が10W/mK以上であることを特徴とする積層体
(2)前記第1組成物がフィラーと樹脂とを含むことを特徴とする(1)記載の積層体。
(3)前記第1組成物に含まれるフィラーが、繊維状のフィラーであることを特徴とする(1)または(2)に記載の積層体
(4)前記第1組成物に含まれる繊維状のフィラーが、金属繊維、合成繊維、無機繊維、炭素繊維からなる群より選ばれた少なくとも1種の繊維状フィラーであることを特徴とする(1)ないし(3)に記載の積層体
(5)前記熱伝導層は、前記第1組成物を溶媒に分散させた後、高分子凝集剤を添加し、前記第1組成物をフロック状に凝集させ、その凝集物を溶媒と分離させた後、その溶媒を除去してなるものである(1)ないし(4)に記載の積層体。
(6)前記第2組成物がフィラーと樹脂とを含むことを特徴とする(1)ないし(5)記載の積層体
(7)前記第2組成物に含まれるフィラーが、繊維状のフィラーであることを特徴とする(1)ないし(6)に記載の積層体
(8)前記第1組成物に含まれる繊維状のフィラーが、天然繊維、再生繊維、無機繊維、合成繊維からなる群より選ばれた少なくとも1種の繊維状フィラーであることを特徴とする(1)ないし(7)に記載の積層体
(9)前記強度層は、前記第2組成物を溶媒に分散させた後、高分子凝集剤を添加し、前記第2組成物をフロック状に凝集させ、その凝集物を溶媒と分離させた後、その溶媒を除去してなるものである請求項1ないし8に記載の積層体。
(10)(1)ないし(9)に記載の積層体を用いて形成される筐体。
本発明の積層体は、第1組成物で構成される熱伝導層と第2組成物で構成される強度層を有し、再外層が前記強度層からなる積層体であって、前記積層体の曲げ強さは200MPa以上であり、前記熱伝導層の、レーザーフラッシュ法により測定した表面方向の熱伝導が10W/mK以上であることを特徴とする。
なお本発明で、平面方向とは積層体のxy軸方向であり、厚み方向とは積層体のz軸方向であり、xy軸方向に対して垂直の方向であり、積層体の積層方向を意味する。
なお、前記樹脂の平均粒径は、例えば、(株)島津製作所製のSALD−7000などのレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、質量基準の50%粒子径を平均粒径として求めることができる。
特に、後述する繊維状フィラーの熱伝導率の測定方法は、繊維状フィラー束に樹脂を含浸させて熱プレスを行い、繊維長方向の試験片を切り出して、レーザーフラッシュ法で測定を行い、測定値に100/繊維体積分率を掛けて算出することができる。繊維長方向に試験片を切り出すことにより、繊維長方向の熱伝導率を測定することが可能となる。なお、繊維状フィラーを用いる場合、繊維長方向の熱伝導率が20W/mK以上であるものを用いることが好ましい。
例えば、東レ(株)のトレカ、東邦テナックス(株)のテナックスなどのPAN系炭素繊維、三菱樹脂(株)のダイアリード、日本グラファイトファイバー(株)製のGRANOCなどのピッチ系炭素繊維などが市販品として入手可能であるが、これらに限定されるものではない。これらの炭素繊維は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
尚、平均繊維長の異なる複数の繊維状フィラーを用いる場合には、その一部として、平均繊維長が上記下限値未満のものを用いることは可能である。
特に、樹脂の加工性が要求された場合は、複合樹脂組成物全体の含有量の10質量%以上30質量%未満にすることが好ましく、熱放散効果と成形加工性をバランスよく発現していることが要求された場合は、複合樹脂組成物全体の含有量の30質量%以上60質量%未満にすることが好ましく、高い熱放散効果が要求された場合には、複合樹脂組成物全体の含有量の60質量%以上90質量%未満にすることが望ましい。
これらのうちでは、粘土鉱物がより好ましく、スメクタイトが天然物から合成物まで存在し、選択の幅が広いという点においてさらに好ましい。
なお、前記樹脂の平均粒径は、例えば、(株)島津製作所製のSALD−7000などのレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、質量基準の50%粒子径を平均粒径として求めることができる。
強度を有する繊維状フィラーについては、特に限定するものではないが、例えば、木材繊維、木綿、麻、羊毛などの天然繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、セルロース繊維などの半合成繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維、ポリエチレン繊維(超高分子量ポリエチレン繊維)、ポリプロピレン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、エチレンビニルアルコール繊維などの合成繊維、ならびに、ガラス繊維、セラミック繊維などの無機繊維などが挙げられる。これらの繊維は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらのうち、曲げ強度の向上という観点では、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ポリイミド繊維、ポリパラフェニレンベンズオキサゾール繊維などが好ましく、曲げ弾性率の向上という観点では、ガラス繊維、セラミック繊維などの無機繊維が好ましい。
尚、平均繊維長の異なる複数の繊維状フィラーを用いる場合には、その一部として、平均繊維長が上記下限値未満のものを用いることは可能である。
また、第2組成物中におけるフィラーの含有量は、求められる要求に応じて適宜設定することが好ましいが、たとえば、樹脂の加工性や軽量性が要求された場合は、第2組成物全体の含有量の10質量%以上30質量%未満にすることが好ましく、熱放散効果と成形加工性をバランスよく発現していることが要求された場合は、複合樹脂組成物全体の含有量の30質量%以上60質量%未満にすることが好ましく、高い熱放散効果が要求された場合には、複合樹脂組成物全体の含有量の60質量%以上90質量%以下にすることが望ましい。
粘土鉱物、鱗片状シリカ微粒子、ハイドロタルサイト類、フッ素テニオライト及び膨潤性合成雲母から選ばれる少なくとも1種の層間化合物であることが好ましい。
前記接着層は、一般的に用いられる接着剤から適宜選択することができ、特に限定されないが、たとえば、無機系接着剤、天然系接着剤及び合成系接着剤等の有機系接着剤等を用いることができる。具体的には、シリカ系接着剤、水ガラス、天然ゴム系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、α―オレフィン系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、クロロブレンゴム系接着剤、シリコーンゴム系接着剤、スチレン-ブタジエンゴム溶液系接着剤、ニトリルゴム系接着剤、ニトロセルロース接着剤、フェノール樹脂系接着剤、ポリイミド系接着剤、ポリアミド樹脂ホットメルト接着剤、ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤、ポリウレタン樹脂ホットメルト接着剤、ポリオレフィン樹脂ホットメルト接着剤、ポリ酢酸ビニル樹脂溶液系接着剤、ポリスチレン樹脂溶剤系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ポリビニルピロリドン樹脂系接着剤、ポリビニルブチラール樹脂系接着剤、ポリベンズイミダソール接着剤、ポリメタクリレート樹脂溶液系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、ユリア樹脂系接着剤、レゾルシノール系接着剤等が挙げられる。
(1−1)熱伝導層の作成
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)37部と、繊維長3mm、繊維径10μmの炭素繊維(日本グラファイトファイバー社製 品番XN100−03Z)60部と、アラミド繊維パルプ(デュポン社製 品番パラアラミドパルプ)3部を水10,000部に添加し、ディスパーザーで20分間撹拌した。
次に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド 分子量1,000,000)を構成材料に対して0.5%添加して、フロック状に凝集させた。
これを40メッシュの金属網でろ過し、凝集物を3MPaの圧力で脱水プレスしたのち、50℃で5時間乾燥させた。
10cm×10cm×2mmの熱伝導シート1−1を得た。
(1−2)強度層の作成
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)48部と、繊維長3mm、繊維径12μmのアラミド繊維(帝人社製 品番T32PNW)48部と、アラミド繊維パルプ(デュポン社製 品番パラアラミドアルプ)4部を水10,000部に添加し、ディスパーザーで20分間撹拌した。次に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド分子量1,000,000)を構成材料に対して0.5%添加して、フロック状に凝集させた。
これを40メッシュの金属網でろ過し、凝集物を3MPaの圧力で脱水プレスしたのち、50℃で5時間乾燥させた。
10cm×10cm×2mmの強度シート1−2を得た。
(1−3)成形体の作成
(1−1)で得られた熱伝導シート1−1を、(1−2)で得られた強度シート2枚で
挟んで30MPaの圧力で180℃で10分間硬化させ、3層構成の10cm×10cm×1mmの成形体を得た。
(2−1)熱伝導層の作成
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)37部と、繊維長3mm、繊維径10μmのアルミニウム繊維(虹技社製 品番KCメタルファイバー A1070)60部と、アラミド繊維パルプ(デュポン社製 品番パラアラミドアルプ)3部を水10,000部に添加し、ディスパーザーで20分間撹拌した。
次に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド 分子量1,000,000)を構成材料に対して0.5%添加して、フロック状に凝集させた。
これを40メッシュの金属網でろ過し、凝集物を3MPaの圧力で脱水プレスしたのち、50℃で5時間乾燥させた。
10cm×10cm×2mmの熱伝導シート2−1を得た。
(2−2)強度層の作成
強度層は実施例1と同様に作成した。
(2−3)成形体の作成
(2−1)で得られた熱伝導シート2−1を、(2−2)で得られた強度シート2枚で
挟んで30MPaの圧力で180℃で10分間硬化させ、3層構成の10cm×10cm×1mmの成形体を得た。
(3−1)熱伝導層の作成
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)37部と、繊維長3mm、繊維径10μmのSUS繊維(山中産業社製 品番ナスロンチョップ)60部と、アラミド繊維パルプ(デュポン社製 品番パラアラミドアルプ)3部を水10,000部に添加し、ディスパーザーで20分間撹拌した。
次に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド 分子量1,000,000)を構成材料に対して0.5%添加して、フロック状に凝集させた。
これを40メッシュの金属網でろ過し、凝集物を3MPaの圧力で脱水プレスしたのち、50℃で5時間乾燥させた。
10cm×10cm×2mmの熱伝導シート3−1を得た。
(3−2)強度層の作成
強度層は実施例1と同様に作成した。
(3−3)成形体の作成
(3−1)で得られた熱伝導シート3−1を、(3−2)で得られた強度シート2枚で
挟んで30MPaの圧力で180℃で10分間硬化させ、3層構成の10cm×10cm×1mmの成形体を得た。
(4−1)熱伝導層の作成
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)37部と、繊維長3mm、繊維径10μmのPBO繊維(東洋紡社製 品番ザイロン)60部と、アラミド繊維パルプ(デュポン社製 品番パラアラミドアルプ)3部を水10,000部に添加し、ディスパーザーで20分間撹拌した。
次に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド 分子量1,000,000)を構成材料に対して0.5%添加して、フロック状に凝集させた。
これを40メッシュの金属網でろ過し、凝集物を3MPaの圧力で脱水プレスしたのち、50℃で5時間乾燥させた。
10cm×10cm×2mmの熱伝導シート4−1を得た。
(4−2)強度層の作成
強度層は実施例1と同様に作成した。
(4−3)成形体の作成
(4−1)で得られた熱伝導シート4−1を、(4−2)で得られた強度シート2枚で
挟んで30MPaの圧力で180℃で10分間硬化させ、3層構成の10cm×10cm×1mmの成形体を得た。
(5−1)熱伝導層の作成
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)35部と、繊維長3mm、繊維径10μmの炭素繊維(日本グラファイトファイバー社製 品番XN100−03Z)60部と、アラミド繊維パルプ(デュポン社製 品番パラアラミドアルプ)3部、ハイドロタルサイト(堺化学工業社製 品番STABIACE HT−1)2部を水10,000部に添加し、ディスパーザーで20分間撹拌した。
次に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド 分子量1,000,000)を構成材料に対して0.5%添加して、フロック状に凝集させた。
これを40メッシュの金属網でろ過し、凝集物を3MPaの圧力で脱水プレスしたのち、50℃で5時間乾燥させた。
10cm×10cm×2mmの熱伝導シート5−1を得た。
(5−2)強度層の作成
強度層は実施例1と同様に作成した。
(5−3)成形体の作成
(5−1)で得られた熱伝導シート5−1を、(5−2)で得られた強度シート2枚で
挟んで30MPaの圧力で180℃で10分間硬化させ、3層構成の10cm×10cm×1mmの成形体を得た。
(6−1)熱伝導層の作成
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)35部と、繊維長3mm、繊維径10μmの炭素繊維(日本グラファイトファイバー社製 品番XN100−03Z)60部と、アラミド繊維パルプ(デュポン社製 品番パラアラミドアルプ)3部、アルミナ(住友化学製 品番AM−27)2部を水10,000部に添加し、ディスパーザーで20分間撹拌した。
次に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド 分子量1,000,000)を構成材料に対して0.5%添加して、フロック状に凝集させた。
これを40メッシュの金属網でろ過し、凝集物を3MPaの圧力で脱水プレスしたのち、50℃で5時間乾燥させた。
10cm×10cm×2mmの熱伝導シート6−1を得た。
(6−2)強度層の作成
強度層は実施例1と同様に作成した。
(6−3)成形体の作成
(6−1)で得られた熱伝導シート6−1を、(6−2)で得られた強度シート2枚で
挟んで30MPaの圧力で180℃で10分間硬化させ、3層構成の10cm×10cm×1mmの成形体を得た。
(7−1)熱伝導層の作成
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)35部と、繊維長3mm、繊維径10μmの炭素繊維(日本グラファイトファイバー社製 品番XN100−03Z)60部と、アラミド繊維パルプ(デュポン社製 品番パラアラミドアルプ)3部、アルミニウム粉末(大和金属粉工業製 品番500−D)2部を水10,000部に添加し、ディスパーザーで20分間撹拌した。
次に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド 分子量1,000,000)を構成材料に対して0.5%添加して、フロック状に凝集させた。
これを40メッシュの金属網でろ過し、凝集物を3MPaの圧力で脱水プレスしたのち、50℃で5時間乾燥させた。
10cm×10cm×2mmの熱伝導シート7−1を得た。
(7−2)強度層の作成
強度層は実施例1と同様に作成した。
(7−3)成形体の作成
(7−1)で得られた熱伝導シート7−1を、(7−2)で得られた強度シート2枚で
挟んで30MPaの圧力で180℃で10分間硬化させ、3層構成の10cm×10cm×1mmの成形体を得た。
(8−1)熱伝導層の作成
熱伝導層は実施例1と同様に作成した。
(8−2)強度層の作成
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)48部と、繊維長3mm、繊維径12μmのEガラス繊維(日東紡社製 品番CS3J−888)48部と、アラミド繊維パルプ(デュポン社製 品番パラアラミドアルプ)4部を水10,000部に添加し、ディスパーザーで20分間撹拌した。次に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド分子量1,000,000)を構成材料に対して0.5%添加して、フロック状に凝集させた。
これを40メッシュの金属網でろ過し、凝集物を3MPaの圧力で脱水プレスしたのち、50℃で5時間乾燥させた。
10cm×10cm×2mmの強度シート8−2を得た。
(8−3)成形体の作成
(8−1)で得られた熱伝導シート8−1を、(8−2)で得られた強度シート2枚で
挟んで30MPaの圧力で180℃で10分間硬化させ、3層構成の10cm×10cm×1mmの成形体を得た。
(9−1)熱伝導層の作成
熱伝導層は実施例1と同様に作成した。
(9−2)強度層の作成
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)46部と、繊維長3mm、繊維径12μmのアラミド繊維(帝人社製 品番T32PNW)48部と、アラミド繊維パルプ(デュポン社製 品番パラアラミドアルプ)4部、ハイドロタルサイト(堺化学工業社製 品番STABIACE HT−1)2部を水10,000部に添加し、ディスパーザーで20分間撹拌した。次に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド分子量1,000,000)を構成材料に対して0.5%添加して、フロック状に凝集させた。
これを40メッシュの金属網でろ過し、凝集物を3MPaの圧力で脱水プレスしたのち、50℃で5時間乾燥させた。
10cm×10cm×2mmの強度シート9−2を得た。
(9−3)成形体の作成
(9−1)で得られた熱伝導シート9−1を、(9−2)で得られた強度シート2枚で
挟んで30MPaの圧力で180℃で10分間硬化させ、3層構成の10cm×10cm×1mmの成形体を得た。
(10−1)熱伝導層の作成
熱伝導層は実施例1と同様に作成した。
(10−2)強度層の作成
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)60部と、粒径35mmの窒化ホウ素(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ社製 品番PT−110)40部を、加圧ニーダーにより、温度100℃で40分間混錬し、混錬物を得た。油圧プレスにより前記混練物を数十mm厚まで圧縮し、さらに80℃のメタルロールを数回通し、端部を切り落とした。
10cm×10cm×2mmの強度シート10−2を得た。
(10−3)成形体の作成
(10−1)で得られた熱伝導シート10−1を、(10−2)で得られた強度シート2枚で挟んで30MPaの圧力で180℃で10分間硬化させ、3層構成の10cm×10cm×1mmの成形体を得た。
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)37部と、繊維長3mm、繊維径10μmの炭素繊維(日本グラファイトファイバー社製 品番XN100−03Z)60部と、(デュポン社製 品番パラアラミドアルプ)3部を水10,000部に添加し、ディスパーザーで20分間撹拌した。
次に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド 分子量1,000,000)を構成材料に対して0.5%添加して、フロック状に凝集させた。
これを40メッシュの金属網でろ過し、凝集物を3MPaの圧力で脱水プレスしたのち、50℃で5時間乾燥させた。
10cm×10cm×2mmのシート11−1を得た。
上記で得られたシート11−1を3枚重ねて、30MPaの圧力で180℃で10分間硬化させ、10cm×10cm×1mmの成形体を得た。
平均30μmのフェノール樹脂(住友ベークライト社製 品番PR−51723)48部と、繊維長3mm、繊維径12μmのアラミド繊維(帝人社製 品番T32PNW)48部と、アラミド繊維パルプ(デュポン社製 品番パラアラミドアルプ)4部を水10,000部に添加し、ディスパーザーで20分間撹拌した。次に、あらかじめ水に溶解させた凝集剤(ポリエチレンオキシド分子量1,000,000)を構成材料に対して0.5%添加して、フロック状に凝集させた。
これを40メッシュの金属網でろ過し、凝集物を3MPaの圧力で脱水プレスしたのち、50℃で5時間乾燥させた。
10cm×10cm×2mmの強度シート12−2を得た。
上記で得られた強度シート12−2を3枚重ねて、30MPaの圧力で180℃で10分間硬化させ、3層構成の10cm×10cm×1mmの成形体を得た。
(1)熱伝導層の熱伝導率
実施例および比較例で使用した熱伝導層のシートを10枚重ね、30MPaの圧力で180℃で10分硬化させた。この熱伝導層のみからなる成形体を10mm×10mm×1mmに切り出して、レーザーフラッシュ法により、熱伝導層のX方向の熱伝導率を測定した。
表面抵抗、体積抵抗率はJIS K 6911に準拠して行った。試験片は実施例および比較例から得られた積層体から10cm×10cmになるように切り出したものを用いた。
曲げ強度、曲げ弾性率はJIS K 6911に準拠して行った。試験片は実施例および比較例から得られた積層体から2.5cm×5cmになるように切り出したものを用いた。測定は3点曲げ試験法により行った。
線膨脹係数はTMA法により行った。試験片は実施例および比較例から得られた積層体から1cm×4cmになるように切り出したものを用い、昇温速度は10℃/分で行った。
比重はJIS K6911に準拠して行った。試験片は実施例および比較例から得られた積層体から4cm×4cmになるように切り出したものを用いた。
実施例および比較例から得られた積層体を10cm×10cmの正方形に切り落とし、1つの頂点より5cm×5cmの部分にラバーヒーターを配置し、その対角線の頂点に熱電対を配置した。ラバーヒーターを10Wで10分間加熱し、対角線の頂点の温度を測定した。
従って、本発明の複合樹脂組成物より得られた成形体は、パソコンや携帯電話、携帯情報端末、プラズマディスプレイテレビ、液晶テレビ、OA機器、ゲーム機器、娯楽用品、エアコン、オーディオ、光学機器、照明器具などの電子製品や、車載用のエレクトロニクス製品の内部機構部品、筐体等の構成部品への適用や、建築用構造材料、航空分野、宇宙分野、自動車分野などの部品等に使用が可能になり、軽量化による燃費の向上や省エネルギー化、電子機器などのヒートスポットの解消などに寄与することができ、環境負荷を低減することが可能となる。
Claims (8)
- 第1組成物で構成される熱伝導層と第2組成物で構成される強度層を有し、
かつ、最外層が前記強度層からなる積層体であって、
前記第1組成物が繊維状のフィラーと樹脂とを含み、
前記第1組成物に含まれる前記繊維状のフィラーの平均繊維長さが、50μm以上10mm以下であり、
前記積層体の曲げ強さは200MPa以上であり、
前記熱伝導層の、レーザーフラッシュ法により測定した平面方向の熱伝導率が10W/mK以上であることを特徴とする積層体。 - 前記第1組成物が、さらにイオン交換能を有する粉末状物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
- 前記第1組成物が、さらに高分子凝集剤を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の積層体。
- 前記熱伝導層は、前記第1組成物を溶媒に分散させた後、高分子凝集剤を添加し、前記第1組成物をフロック状に凝集させ、その凝集物を溶媒と分離させた後、その溶媒を除去してなるものである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記第2組成物が繊維状のフィラーと樹脂とを含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の積層体。
- 前記第2組成物に含まれる繊維状のフィラーが、天然繊維、再生繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、合成繊維からなる群より選ばれた少なくとも1種の繊維状フィラーであることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
- 前記強度層は、前記第2組成物を溶媒に分散させた後、高分子凝集剤を添加し、前記第2組成物をフロック状に凝集させ、その凝集物を溶媒と分離させた後、その溶媒を除去してなるものである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の積層体。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の積層体を用いて形成される筐体。
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Publications (2)
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