JP6611421B2 - 樹脂シート、物品、および樹脂シートの製造方法 - Google Patents
樹脂シート、物品、および樹脂シートの製造方法 Download PDFInfo
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バインダー樹脂と、
繊維長が15mm以上100mm以下である繊維フィラーと、
凝集剤と、
を含む樹脂シートが提供される。
上述の樹脂シートにより形成された層を含む物品が提供される。
バインダー樹脂と、繊維長が15mm以上100mm以下である繊維フィラーと、凝集剤と、を含む材料組成物を抄造する工程を含む樹脂シートの製造方法が提供される。
(樹脂シート)
まず、樹脂シートについて説明する。
((A)バインダー樹脂)
バインダー樹脂(A)は、バインダーとして作用して繊維フィラー(B)を結着し得るものであればとくに限定されるものではなく、たとえば熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂のうちのいずれか一方または双方を含むことができる。樹脂シートを用いて形成される層の機械強度や耐薬品性を向上させる観点からは、熱硬化性樹脂を含むことがとくに好ましい。また、樹脂シートの成形性を向上させる観点や樹脂の透明性などのデザイン性が必要であるという観点からは、熱可塑性樹脂を含むことがとくに好ましい。
((B)繊維フィラー)
繊維フィラー(B)は、必要特性に応じて種々の形状を有することができる繊維材料である。本実施形態においては、繊維フィラー(B)の形状として、たとえばチョップドストランド、ミルドファイバー、およびカットファイバー等を採用することができる。これにより、機械強度や耐衝撃性、耐熱性等をより効果的に向上させることができる。
((C)凝集剤)
樹脂シートは、凝集剤(C)を含む。凝集剤(C)は、後述する抄造法を用いた樹脂シートの製造方法において、バインダー樹脂(A)および繊維フィラー(B)をフロック状に凝集させる機能を有する。このため、より安定的な樹脂シートの製造を実現することができる。
((D)パルプ)
樹脂シートは、たとえばパルプ(D)を含むことができる。パルプ(D)は、フィブリル構造を有する繊維材料であり、たとえば機械的または化学的に繊維材料をフィブリル化することによって得ることができる。抄造法を用いた樹脂シートの製造方法においては、バインダー樹脂(A)、繊維フィラー(B)、および凝集剤(C)とともにパルプ(D)を抄造することによって、バインダー樹脂(A)を十分に凝集させることができることから、安定的な樹脂シートの製造を実現することが可能となる。また、長繊維の繊維フィラー(B1)の分散性を向上させることもできるため、樹脂シートを用いて形成される層の機械的特性や熱的特性の向上に寄与することもできる。
(物品)
次に、物品について説明する。
(樹脂シートの製造)
各実施例および各比較例について、次のようにして樹脂シートを製造した。
(A)バインダー樹脂
レゾール樹脂:住友ベークライト(株)製、PR−51723
エポキシ樹脂:828(三菱化学(株)製)99%と、2−メチルイミダゾール1%と、の混合物
ポリプロピレン樹脂:東京インキ(株)製
(B)繊維フィラー
繊維フィラー1:炭素繊維(繊維長120mm)
繊維フィラー2:炭素繊維(繊維長85mm)
繊維フィラー3:炭素繊維(繊維長50mm)
繊維フィラー4:炭素繊維(繊維長35mm)
繊維フィラー5:炭素繊維(繊維長25mm)
繊維フィラー6:炭素繊維(繊維長6mm)
繊維フィラー7:アラミド繊維(テクノーラT−32PNW(帝人(株)製)、繊維長3mm)
なお、繊維フィラー1〜6としては、東邦テナックス(株)製HTS40(7μm径)を所定の長さにカットしたものを使用した。
(C)凝集剤
ポリエチレンオキシド:住友精化(株)製
カチオン化でんぷん:SC−5(三和澱粉工業(株)製)
カチオン性ポリアミド:ハリフィックスUF−570(ハリマ化成製)
アニオン性ポリアミド:ハーマイドB−15
(D)パルプ
アラミドパルプ:ケブラーパルプ1F303(東レ・デュポン(株)製)
なお、比較例3においては、樹脂シートを得ることができなかった。これは、凝集剤(C)を含まないことによって繊維フィラー(B)の捕集力が十分に得られず、その結果バインダー樹脂(A)が十分に凝集できなかったことが要因であると考えられる。
(成形体)
実施例1〜14、および比較例1、2について、次のようにして成形体を製造した。
(曲げ強さ)
実施例1〜14、および比較例1、2について、上記で得られた成形体の曲げ強さを測定した。測定は、JIS K 6911に準拠して、三点曲げ試験法により行った。試験片としては、上記成形体から2.5cm×5cmになるように切り出したものを用いた。結果を表1および2に示す。表1および2中における曲げ強さの単位は、MPaである。
(シャルピー衝撃試験)
実施例1〜14、および比較例1、2について、上記で得られた成形体に対してシャルピー衝撃試験を行った。試験は、JIS K 7110に準拠して行った。試験片としては、10cm×10cm×1cmの成形体を作成し、さらに、8cm×4mmになるように切り出したものを用いた。結果を表1および2に示す。表1および2中におけるシャルピー衝撃値の単位は、kJ/m2である。
(熱伝導率)
実施例1〜14、および比較例1、2について、上記で得られた成形体の熱伝導率を測定した。測定は、成形体から10mm×10mm×1mmとなるように切り出した試験片に対して、レーザーフラッシュ法によって熱伝導層の平面方向の熱伝導率を測定することにより行った。結果を表1および2に示す。表1および2中における熱伝導率の単位は、W/mKである。
100 物品
2 基板
21 樹脂フィルム
22 回路層
23 接着層
24 カバーレイフィルム
26 層
70 乾燥炉
71 プレス板
72 熱板
8' 凝集物
81 繊維層
82 樹脂層
F 繊維フィラー
R バインダー樹脂
M メッシュ
Claims (4)
- 樹脂シートの製造方法であって、
前記樹脂シートは、バインダー樹脂と、繊維長が15mm以上100mm以下である繊維フィラーと、凝集剤と、パルプと、を含み、
前記パルプの含有量は、前記樹脂シート全体に対して8重量%以上であり、
バインダー樹脂と、繊維長が15mm以上100mm以下である繊維フィラーと、パルプと、を溶媒に添加して撹拌、分散し、ワニス状の材料組成物を得る工程と、
前記ワニス状の材料組成物に凝集剤を添加してフロック状に凝集させ、材料組成物の凝集物を得る工程と、
底面がメッシュで構成された容器に、前記凝集物と、溶媒とを投入し、メッシュから溶媒を排出して、シート状の凝集物を得る工程と、
前記シート状の凝集物を乾燥する工程と、
を含むことを特徴する樹脂シートの製造方法。 - 前記樹脂シートの繊維フィラーの含有量が、
前記樹脂シート全体に対して15質量%以上80質量%以下である請求項1に記載の樹脂シートの製造方法。 - 前記繊維フィラーは、炭素繊維を含む請求項1または2に記載の樹脂シートの製造方法。
- 前記樹脂シートの凝集剤の含有量は、前記樹脂シート全体に対して0.05質量%以上3質量%以下である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の樹脂シートの製造方法。
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